JP2013133447A - 蛍光物質複合材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、光散乱の抑制により太陽電池の初期変換効率が向上し、長期間太陽光にさらされても波長変換効果の低下および封止材用樹脂の黄変を最小限に抑制する効果を有する色素を提案すること。さらには、耐熱性、耐候性に優れ、長期間にわたり高い変換効率の維持を可能にする太陽電池封止材用樹脂組成物、及び太陽電池封止材を提供することを目的とする。
【解決手段】アゾール系化合物と、シランアルコキシドをゾルゲル反応させてなるシリカ系材料とを含むことを特徴とする蛍光物質複合材料。
【選択図】図1

Description

本発明は、蛍光物質複合材料及び太陽電池封止材に用いる太陽電池封止材用樹脂組成物に関する。
近年、太陽光発電システムは、地球温暖化対策や、枯渇懸念のある化石燃料代替の観点から、クリーンで持続的なエネルギーシステムとして、世界中で関心が高まっている。そのため、太陽電池市場は、年率3割近い成長率で急拡大している。また、昨今の原子力発電の安全性への懸念や、緊急時の自家発電等の面からも太陽電池が注目されている。現在主流の太陽光発電は、結晶シリコンやアモルファスシリコン等のシリコン系やCdTe、CIGS等の化合物半導体系の太陽電池モジュールと周辺装置から構成されているが、太陽光発電システムのさらなる拡大には、発電コストの低減が最大の課題である。ここ数年、発電コストは従来に比べて大幅に低減しているものの、現時点の発電コストは他のエネルギーと比較し依然割高であり、太陽電池の高効率化、長寿命化などの技術開発が求められている。
一方、太陽電池モジュールの高効率化には、受光性、透明性、電気特性等の各種性能の向上が必要とされ、発電素子を環境から守る封止材にもこれらの性能が求められている(特許文献1〜3)。
しかし、これらの封止材は、もともと高い透明性を備える樹脂を用いているため、大幅な透明性の向上は難しかった。
また、結晶系のシリコン発電素子は、特性上、太陽光の紫外線領域は分光感度が低く、太陽光を有効に活用できていない。そこで、特許文献4および5では、紫外光を吸収して、可視光領域で発光する有機金属錯体を配合して、変換効率が向上するとした、封止材、太陽電池が開示されている。
しかし、特許文献4および5では、有機金属錯体の配位子に耐光性が無いため、連続光照射によって急速な変換効率の低下が起こるため、太陽電池の変換効率が時間の経過ともに低下した。また、有機金属錯体が光照射によって劣化することで封止材用樹脂が黄変するため変換効率が大幅に低下する問題があった。さらに、有機金属錯体と、封止材用樹脂との屈折率差によって、波長変換に寄与しない波長の光が散乱することで、太陽電池セルの受光性が低下する問題があった。
また耐光性の他にも太陽電池用の封止材には耐候性や耐熱性などの安定特性が必要になることから、特許文献6では、有機金属錯体をシリカ材料に被覆することで、耐湿性や耐熱性を向上するとした、封止材、太陽電池モジュールが開示されているが、色素自体の耐光性も低く、性能は不十分である。
特開2000−183381号公報 特開2009−152543号公報 特開2008−153520号公報 国際公開第2008/047427号公報 特開2010−258293号公報 特開2011−14725号公報
本発明の課題は、光散乱の抑制により太陽電池の初期変換効率が向上し、長期間太陽光にさらされても波長変換効果の低下および封止材用樹脂の黄変を最小限に抑制する効果を有する蛍光物質複合体を提案すること。さらには、耐熱性、耐候性に優れ、長期間にわたり高い変換効率の維持を可能にする太陽電池封止材用樹脂組成物、及び太陽電池封止材を提供することである。
すなわち本発明は、下記一般式(1)で表されるアゾール系化合物(A)と、シリカ系材料とを含む蛍光物質複合体に関する。
一般式(1)
Figure 2013133447
(式中、R1〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換の複素環オキシ基、置換もしくは未置換のアシル基、置換もしくは未置換のアシルオキシ基、または、置換もしくは未置換のアミノ基を表す。ここで、R1〜R4、および、R5〜R8はそれぞれ、隣接した基が互いに結合して環を形成しても良い。Xは、−S−、−O−、または、−NR9−を表し、R9は水素原子、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、または、置換もしくは未置換のアシル基を表す。)
また本発明は、一般式(1)で表されるアゾール系化合物のXが、−NR9−であることを特徴とする請求項1記載の蛍光物質複合材料に関する。
(ただし、R9は水素原子、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、または、置換もしくは未置換のアシル基を表す)。
また本発明は、アゾール系化合物(A)が前記シリカ系材料中に内包されてなることを特徴とする上記蛍光物質複合材料に関する。
また本発明は、上記蛍光物質複合材料と、熱可塑性樹脂とを含む太陽電池封止材用樹脂組成物に関する。
また本発明は、上記太陽電池封止材用樹脂組成物からなる太陽電池用封止材に関する。
本発明の蛍光物質複合材料は、特定のアゾール系化合物が紫外線を吸収することで可視領域の光を発する。この材料からなる樹脂組成物は、上記発光により太陽電池セルの受光量が増し、太陽電池の初期変換効率が向上できる。また、当該特定のアゾール系化合物は、2−ヒドロキシフェニル基が結合したベンゾアゾール系の基本骨格が、非常に耐光性に富んでいるため、劣化を最小限に抑えられるため波長変換効果が長期間持続する。さらに当該特定のアゾール系化合物は、封止材用樹脂との屈折率差が少ないため光が散乱しにくいため太陽電池の初期変換効率を向上できる。
本発明により、光散乱の抑制により太陽電池の初期変換効率が向上し、長期間太陽光にさらされても波長変換効率の低下および封止材用樹脂の黄変を最小限に抑制することができ、さらに、耐候性や耐熱性をシリカ材料の複合により、向上することができ、長期間にわたり高い変換効率の維持を可能にする太陽電池封止材用樹脂組成物、及び太陽電池封止材を提供することができた。
図1は太陽電池モジュールサンプルの一例を示す模式的説明図である。 図2は耐久試験用サンプルを示すための説明図である。
本発明は、アゾール系化合物(A)と、シリカ系材料とを含む蛍光物質複合材料である。そしてアゾール系化合物は、紫外線を可視光に変換する波長変換効果を有する有機蛍光体として機能する。この波長変換効果とは、ある波長を他の波長へ変換することをいい、本発明では分光感度の低い紫外光を、感度の高い可視領域の光に変換することをいう。また、波長変換による変換効率の向上は、蛍光体の吸収波長、発光波長、発光強度や、太陽電池素子への受光量により決まるが、太陽光のうち、発電寄与率の小さい紫外線を吸収し、可視光長波長領域に発光するようなストークスシフトの大きいものが好ましい。なお、分光感度とは太陽電池での発電の効率は波長によって異なる。波長ごとの感度特性を「分光感度特性」と呼ぶ。
波長変換機能を有する化合物として、無機蛍光体、有機蛍光体、有機金属錯体等が知られている。しかし、無機蛍光体は屈折率が高いものが多い。また、有機金属錯体は凝集性が高く、比較的融点の高いものが多い。そのため、これらを熱可塑性樹脂に添加した場合、樹脂との屈折率差によって、光散乱を起こすため、発電素子表面での反射を増大させ、変換効率が低下する。また、一般的な有機蛍光体は、紫外線の連続照射により、有機蛍光体自身が劣化する。この劣化は、有機金属錯体の配位子でも同様に起こり、波長変換機能が長期間維持できない。また、有機金属錯体の場合、金属イオン種によっては、樹脂の自動酸化反応を促進させる触媒作用を持ち、樹脂、その他の添加剤を劣化させる。そして金属による劣化作用は、温度や湿度に比例して大きくなる傾向にある。さらに熱による劣化も作用するため太陽電池用途へ使用することは極めて困難であった。
そこで、本発明は、太陽電池封止材用途のように長期間紫外線に曝露される状態であっても、アゾール系化合物(A)と、シリカ系材料とを用いることで、紫外光による劣化が少なく波長変換効果を長期間維持し、樹脂黄変を低減することができ、また、アゾール系化合物の熱的、湿度に対する安定性を向上させた、太陽電池封止材用樹脂組成物を可能とした。
本発明における有機蛍光体は下記に示す一般式(1)で表されるアゾール系化合物であり、2−ヒドロキシフェニル基が結合したベンゾアゾール系の基本骨格を有することを特長としている。この基本骨格を有することで高い耐光性と波長変換能を併せて実現することができる。そして、適宜置換基を導入することで樹脂への溶解性や融点、光学特性をより向上させることができる。
一般式(1)
Figure 2013133447
(式中、R1〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換の複素環オキシ基、置換もしくは未置換のアシル基、置換もしくは未置換のアシルオキシ基、または、置換もしくは未置換のアミノ基を表す。ここで、R1〜R4、および、R5〜R8はそれぞれ、隣接した基が互いに結合して環を形成しても良い。Xは、−S−、−O−、または、−NR9−を表し、R9は水素原子、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、または、置換もしくは未置換のアシル基を表す)
特に、一般式(1)中のXが−NR9−で表されるベンゾイミダゾール系材料を用いると、より高い耐光性を実現することができるため好ましい。
一般式(1)におけるR1〜R9について説明する。
1〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換の複素環オキシ基、置換もしくは未置換のアシル基、置換もしくは未置換のアシルオキシ基、置換もしくは未置換のアミノ基を表す。ここで、R1〜R4、および、R5〜R8はそれぞれ、隣接した基が互いに結合して環を形成しても良い。
ここで、R1〜R8におけるハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
また、R1〜R8における置換もしくは未置換のアルケニル基としては、炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルケニル基が挙げられる。それらは構造中に複数の炭素−炭素二重結合を有していてもよい。具体例としては、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、イソプロペニル基、イソブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、1,3−ブタジエニル基、シクロヘキサジエニル基、シクロペンタジエニル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
また、R1〜R8における置換もしくは未置換のアルキル基としては、炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキル基、または炭素数2から18であり1個以上のエーテル結合(−O−)を含む直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキル基が挙げられる。炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、tert−オクチル基、ネオペンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、ボロニル基、4−デシルシクロヘキシル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、炭素数2から18であり1個以上のエーテル結合を含む直鎖状、分岐鎖状アルキル基の具体例としては、−CH2−O−CH3、−CH2−CH2−O−CH2−CH3、−CH2−CH2−CH2−O−CH2−CH3、−(CH2−CH2−O)n−CH3(ここでnは1から8の整数である)、−(CH2−CH2−CH2−O)m−CH3(ここでmは1から5の整数である)、−CH2−CH(CH3)−O−CH2−CH3、−CH2−CH(OCH32等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
炭素数2から18であり1個以上のエーテル結合を含む単環状または縮合多環状アルキル基の具体例としては、以下のようなものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2013133447
また、R1〜R8における置換もしくは未置換のアルキルオキシ基としては、炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキルオキシ基、または炭素数2から18であり1個以上のエーテル結合を含む直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキルオキシ基が挙げられる。炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキルオキシ基の具体例としては、メチルオキシ基、エチルオキシ基、プロピルオキシ基、ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、イソプロピルオキシ基、イソブチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、sec−ペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、アダマンチルオキシ基、ノルボルニルオキシ基、ボロニルオキシ基、4−デシルシクロヘキシルオキシ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、炭素数2から18であり1個以上のエーテル結合を含む直鎖状、分岐鎖状アルキルオキシ基の具体例としては、−O−CH2−O−CH3、−O−CH2−CH2−O−CH2−CH3、−O−CH2−CH2−CH2−O−CH2−CH3、−O−(CH2−CH2−O)n−CH3(ここでnは1から8の整数である)、−O−(CH2−CH2−CH2−O)m−CH3(ここでmは1から5の整数である)、−O−CH2−CH(CH3)−O−CH2−CH3、−O−CH2−CH(OCH32等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
炭素数2から18であり1個以上のエーテル結合を含む単環状または縮合多環状アルキルオキシ基の具体例としては、以下のようなものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2013133447
また、R1〜R8における置換もしくは未置換のアリール基としては、炭素数6から24の単環または縮合多環アリール基が挙げられる。具体例としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アンスリル基、9−アンスリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、1−アセナフチル基、2−フルオレニル基、9−フルオレニル基、3−ペリレニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2,3−キシリル基、2,5−キシリル基、メシチル基、p−クメニル基、p−ドデシルフェニル基、p−シクロヘキシルフェニル基、4−ビフェニル基、o−フルオロフェニル基、m−クロロフェニル基、p−ブロモフェニル基、p−ヒドロキシフェニル基、m−カルボキシフェニル基、o−メルカプトフェニル基、p−シアノフェニル基、m−ニトロフェニル基、m−アジドフェニル基等が挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
また、R1〜R8における置換もしくは未置換のアリールオキシ基としては、炭素数4から18の単環または縮合多環アリールオキシ基が挙げられる。具体例としては、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、9−アンスリルオキシ基、9−フェナントリルオキシ基、1−ピレニルオキシ基、5−ナフタセニルオキシ基、1−インデニルオキシ基、2−アズレニルオキシ基、1−アセナフチルオキシ基、9−フルオレニルオキシ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
また、R1〜R8における置換もしくは未置換の複素環基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、炭素原子数4から24の芳香族あるいは脂肪族の複素環基が挙げられる。具体例としては、2−チエニル基、2−ベンゾチエニル基、ナフト[2,3−b]チエニル基、3−チアントレニル基、2−チアンスレニル基、2−フリル基、2−ベンゾフリル基、ピラニル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、キサンテニル基、フェノキサチイニル基、2H−ピロリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリジニル基、イソインドリル基、3H−インドリル基、2−インドリル基、3−インドリル基、1H−インダゾリル基、プリニル基、4H−キノリジニル基、イソキノリル基、キノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサニリル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基、4aH−カルバゾリル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基、β−カルボリニル基、フェナントリジニル基、2−アクリジニル基、ペリミジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、フェナルサジニル基、イソチアゾリル基、フェノチアジニル基、イソキサゾリル基、フラザニル基、3−フェニキサジニル基、イソクロマニル基、クロマニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、キヌクリジニル基、モルホリニル基、チオキサントリル基、4−キノリニル基、4−イソキノリル基、3−フェノチアジニル基、2−フェノキサチイニル基、3−クマリニル基、2−ベンゾチアゾリル基、2−ベンゾイミダゾリル基、2−ベンゾオキサゾリル基、2−ベンゾトリアゾリル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
また、R1〜R8における置換もしくは未置換の複素環オキシ基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、炭素数4から18の単環状または縮合多環状複素環オキシ基が挙げられる。具体例としては、2−フラニルオキシ基、2−チエニルオキシ基、2−インドリルオキシ基、3−インドリルオキシ基、2−ベンゾフリルオキシ基、2−ベンゾチエニルオキシ基、2−カルバゾリルオキシ基、3−カルバゾリルオキシ基、4−カルバゾリルオキシ基、9−アクリジニルオキシ基等が挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
また、R1〜R8における置換もしくは未置換のアシル基としては、水素原子または炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状の脂肪族が結合したカルボニル基、炭素数2から20のアルキルオキシ基が置換したカルボニル基、炭素数6から18の単環状あるいは縮合多環状アリール基が結合したカルボニル基、炭素数6から18の単環状あるいは縮合多環状のアリールオキシ基が置換したカルボニル基、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、炭素数4から18の単環または縮合多環状の複素環基が結合したカルボニル基が挙げられる。具体例としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、シクロペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、イソクロトノイル基、オレオイル基、シンナモイル基ベンゾイル基、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、プロピルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、オクタデシルオキシカルボニル基、トリフルオロメチルオキシカルボニル基、ベンゾイル基、トルオイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、9−アンスリルカルボニル基、フェニルオキシカルボニル基、4−メチルフェニルオキシカルボニル基、3−ニトロフェニルオキシカルボニル基、4−ジメチルアミノフェニルオキシカルボニル基、2−メチルスルファニルフェニルオキシカルボニル基、1−ナフトイルオキシカルボニル基、2−ナフトイルオキシカルボニル基、9−アンスルリルオキシカルボニル基、3−フロイル基、2−テノイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
また、R1〜R8における置換もしくは未置換のアシルオキシ基としては、炭素数2から20のアシルオキシ基が挙げられる。具体例としては、アセチルオキシ基、プロパノイルオキシ基、ブタノイルオキシ基、ペンタノイルオキシ基、トリフルオロメチルカルボニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、1−ナフチルカルボニルオキシ基、2−ナフチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
また、R1〜R8における置換もしくは未置換のアミノ基としては、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキルアリールアミノ基、ベンジルアミノ基、ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
ここで、アルキルアミノ基としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、ドデシルアミノ基、オクタデシルアミノ基、イソプロピルアミノ基、イソブチルアミノ基、イソペンチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、sec−ペンチルアミノ基、tert−ペンチルアミノ基、tert−オクチルアミノ基、ネオペンチルアミノ基、シクロプロピルアミノ基、シクロブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、シクロヘプチルアミノ基、シクロオクチルアミノ基、シクロドデシルアミノ基、1−アダマンタミノ基、2−アダマンタミノ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ジアルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジペンチルアミノ基、ジヘキシルアミノ基、ジヘプチルアミノ基、ジオクチルアミノ基、ジノニルアミノ基、ジデシルアミノ基、ジドデシルアミノ基、ジオクタデシルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジイソペンチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、メチルプロピルアミノ基、メチルブチルアミノ基、メチルイソブチルアミノ基、シクロプロピルアミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、ピペラジノ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
アリールアミノ基としては、アニリノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基、o−トルイジノ基、m−トルイジノ基、p−トルイジノ基、2−ビフェニルアミノ基、3−ビフェニルアミノ基、4−ビフェニルアミノ基、1−フルオレンアミノ基、2−フルオレンアミノ基、2−チアゾールアミノ基、p−ターフェニルアミノ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ジアリールアミノ基としては、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、N−フェニル−1−ナフチルアミノ基、N−フェニル−2−ナフチルアミノ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
アルキルアリールアミノ基としては、N−メチルアニリノ基、N−メチル−2−ピリジノ基、N−エチルアニリノ基、N−プロピルアニリノ基、N−ブチルアニリノ基、N−イソプロピル、N−ペンチルアニリノ基、N−エチルアニリノ基、N−メチル−1−ナフチルアミノ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、R1〜R8における置換基上の水素原子はさらに他の置換基で置換されていても良い。このような置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アルケニル基、アルキル基、アルキルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、複素環オキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アミノ基などが挙げられ、これらの具体例としては前述のものが挙げられる。
さらに、R1〜R4、および、R5〜R8は隣接した基が互いに結合して環を形成しても良く、形成する環は芳香環であってもよい。
一般式(1)におけるR9は、水素原子、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、または、置換もしくは未置換のアシル基を表す。
ここで、R9における置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、および、置換もしくは未置換のアシル基とは、前述したR1〜R8における置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、および、置換もしくは未置換のアシル基と同義である。
本発明で用いられる一般式(1)で表されるアゾール系化合物(A)の代表例を、以下に示すが、本発明はこれらの代表例に限定されるものではない。
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本発明で一般式(1)で表されるアゾール系化合物(A)を合成する方法は特に限定されず、公知のいかなる方法も用いることができる。例えば、Spectochimica Acta PartA,63巻,343〜348頁(2006年)に記載のサリチルアルデヒド誘導体とo−フェニレンジアミン誘導体を亜硫酸水素ナトリウム存在下で縮合する方法、Dalton Transactions,3647〜3653頁(2004年)に記載の2−ヒドロキシ−安息香酸フェニル誘導体とo−フェニレンジアミン誘導体を縮合させる方法等を挙げることができる。
一般式(1)で表されるアゾール系化合物(A)の融点は、50〜260℃であることが好ましい。さらに好ましくは、80℃〜230℃である。50℃以上になることで、太陽電池の一般的使用条件下でも化合物が溶解しにくく、溶解した化合物が他部材との密着性を低下させる可能性を低減できる。一方、融点が260℃以下になることで、化合物が凝集しにくくなり、光の散乱が生じにくくなる。
本発明におけるシリカ系材料はシランアルコキシドを原料としたゾルゲル法によって形成される。
原料のシランアルコキシドは、RnSi(OR’)4-nで表される(式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ビニル基、カルボニル基等の炭素数が1〜20の有機基を表わし、直鎖、分岐鎖、アミノ基、不飽和基や芳香環を有していても良い。OR’はアルコキシル基を表わし、nは0〜3の整数を表す。)。使用できるアルコキシシランは上記式中のn=0のテトラアルコキシシラン、n=1のトリアルコキシラン、及びn=2のジオルガノアルコキシシランに分類される。
具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラフェノキシシラン、
トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリプロポキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、フルオロトリメトキシシラン、フルオロトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル) エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシトリプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−2( アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、エチルトリフェノキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジメチルジフェノキシシラン、ジエチルジフェノキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジイソプロポキシシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジエチルジイソプロポキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−2( アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ジフェニルジブトキシシラン等が挙げられ、これらは1種あるいは2種以上を同時に用いても良い。反応性が良い点から、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランが好ましい。しかし、これらに限定されるものではない。
本発明の蛍光物質複合材料は、ゾルゲル法により、アゾール系化合物の周りをシリカ材料で被覆された、蛍光物質複合材料であることが好ましい。
蛍光物質複合材料はシランアルコキシド、一般式(1)で表されるアゾール系化合物(A)、水、触媒、前記4成分が溶解する溶媒などを含む出発溶液からゾルゲル法により、得ることができる。
また、一般式(1)で表されるアゾール系化合物(A)を前記シリカ系材料と複合することにより、耐熱性、耐湿性、樹脂への分散性をよくすることができる。
溶媒は出発原料成分全てが溶解するものであれば良い。具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、イソアミルアルコールなどのエタノール類が好ましい。その他にも、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、N,N-ジメチルホルムアミド、クロロホルムなどが利用できる。しかしこれらに限定されるものではない。
また、触媒は原料であるシランアルコキシドを加水分解するために使用し、アルカリが好ましい。使用するアルカリとしては、アミン類、例えばアンモニア水、水酸化アンモニウム、重炭酸アンモニウム、エタノールアミンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
粒径は調製条件(原料成分濃度、触媒濃度、または温度)を変えることで、粒径を制御することができ、目的に合わせて、適宜設定すれば良い。また太陽光の散乱を防ぐために、粒径は100nm以下にすることが好ましい。
また、シリカ材料に対するアゾール系化合物の割合が多くなると、色素間の相互作用により濃度消光が生じうるため、アゾール系化合物(A)を、蛍光物質複合材料100重量部に対して、0.01〜10重量部で使用することが好ましい。
本発明において熱可塑性樹脂は、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリイソプレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、アイオノマー樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリメタクリル系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂等ならびにそれらの変性樹脂、共重合樹脂等が好ましい。これらの中でもエチレン系共重合体樹脂が好ましい。エチレン系共重合体樹脂は、二種類以上の単量体の共重合体であり、単量体の少なくとも一種類がエチレン単量体であれば特に限定されることはない。具体的には、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンアクリル酸メチル共重合体、エチレンアクリル酸エチル共重合体、エチレンメタクリル酸メチル共重合体、エチレンメタクリル酸エチル共重合体、エチレン系アイオノマー、エチレン酢酸ビニル系多元共重合体、エチレンアクリル酸メチル系多元共重合体、エチレンアクリル酸エチル系多元共重合体、エチレンメタクリル酸メチル系多元共重合体、エチレンメタクリル酸エチル系多元共重合体などが挙げられるが、ラミネート工程におけるセルの損傷低減や、透明性、生産性向上の観点から、酢酸ビニルを15〜40重量%使用したエチレン酢酸ビニル共重合体が好ましく、25〜35重量%がより好ましい。
また、本発明において、熱可塑性樹脂は、成形性、機械的強度などを考慮すると、メルトフローレート(以下、単にMFRという)が0.1〜60g/10minであることが好ましく、0.5〜45g/10minがより好ましい。なおメルトフローレートは、JIS K7210に準拠して測定した数値である。
また、太陽電池封止材用樹脂組成物とする場合、蛍光物質複合材料は、含有する一般式(1)で表されるアゾール系化合物(A)が、蛍光物質複合材料と、熱可塑性樹脂(B)との合計100重量部に対して、0.01〜1.5重量部で使用することが好ましく、0.01〜1.0重量部がより好ましい。0.01〜1.5重量部使用することで、透明性、初期変換効率および波長変換効果のバランスがとりやすくなる。
太陽電池封止材用樹脂組成物はマスターバッチとして製造することも好ましい。マスターバッチとすることで蛍光物質複合材料を太陽電池封止材中に分散しやすくなる。かかる場合、蛍光物質複合材料は、含有する一般式(1)で表されるアゾール系化合物(A)が、蛍光物質複合材料と、熱可塑性樹脂(B)との合計100重量部に対して、0.1〜2.0重量部用いることが好ましく、0.1〜1.0重量部がより好ましい。
本発明の太陽電池封止材用樹脂組成物は、必要に応じて架橋剤、架橋助剤、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、着色剤、難燃剤、分散剤等の添加剤を配合することも可能である。さらに、各種添加剤を蛍光物質複合材料、熱可塑性樹脂(B)と一緒に配合して製造することも、太陽電池封止材を製造する際に、別に添加することも可能である。
架橋剤は、エチレン共重合体の高温使用下における熱変形を防止するために用いられる。エチレン共重合体の場合、有機過酸化物が一般的に使用される。添加量は特に限定されないが、熱可塑性樹脂と、蛍光物質複合材料との合計100重量部に対して、0.05〜3重量部用いるのが好ましい。具体例としては、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルイソプロピルカーボネート、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,1−ジ(tert−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(tert−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(tert−アミルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ブタン、メチルエチルケトンパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキシル−2,5−ジパーオキシベンゾエート、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、p−クロルベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシイソブチレート、n−ブチル−4,4−ジ(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、エチル−3,3−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ブチレート、ヒドロキシヘプチルパーオキサイド、ジクロヘキサノンパーオキサイド、1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ジ(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ブタン等が挙げられる。
架橋助剤は、上記架橋反応を効率良く行うために用いられ、ポリアリル化合物やポリアクリロキシ化合物のような多不飽和化合物が挙げられる。添加量は特に限定されないが、熱可塑性樹脂と、蛍光物質複合材料との合計100重量部に対して、0.05〜3重量部用いるのが好ましい。具体例としては、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ジアリルフタレート、ジアリルフマレート、ジアリルマレエート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートなどが挙げられる。
シランカップリング剤は、保護材や太陽電池素子等に対する接着性を向上させるために用いられ、ビニル基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基等の不飽和基や、アルコキシ基のような加水分解可能な基を有する化合物が挙げられる。添加量は特に限定されないが、熱可塑性樹脂と、蛍光物質複合材料との合計100重量部に対して、0.05〜3重量部用いるのが好ましい。具体例としては、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
紫外線吸収剤は、耐候性を付与するために用いられ、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、サリチル酸エステル系などが挙げられる。添加量は特に限定されないが、熱可塑性樹脂と、蛍光物質複合材料との合計100重量部に対して、0.01〜3重量部用いるのが好ましい。具体例としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2'−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクタデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5−クロロベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−メチル−5−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3、5−ジメチルフェニル)−5−メトキシベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチルオキシ)フェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシルオキシ)フェノール、フェニルサリチレート、p−オクチルフェニルサリチレートなどが挙げられる。
光安定剤は、紫外線吸収剤と併用し、耐候性を付与するために用いられ、ヒンダードアミン光安定剤が挙げられる。光安定剤の添加量は特に限定されないが、熱可塑性樹脂と、蛍光物質複合材料との合計100重量部に対して、0.01〜3重量部用いるのが好ましい。具体例としては、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{{2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、N,N'−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セパレート、2−(3,5−ジ−tert−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)などが挙げられる。
酸化防止剤は、高温下での安定性を付与するために用いられ、モノフェノール系、ビスフェノール系、高分子型フェノール系、硫黄系、燐酸系などが挙げられる。添加量は特に限定されないが、熱可塑性樹脂と、蛍光物質複合材料との合計100重量部に対して、0.05〜3重量部用いるのが好ましい。具体例としては、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,2'−メチレン−ビス−(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2'−メチレン−ビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4'−チオビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4'−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、3,9−ビス〔{1,1−ジメチル−2−{β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル}2,4,8,10−テトラオキサスピロ〕5,5−ウンデカン、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−{メチレン−3−(3',5'−ジ−tert−ブチル−4'−ヒドロキスフェニル)プロピオネート}メタン、ビス{(3,3'−ビス−4'−ヒドロキシ−3'−tert−ブチルフェニル)ブチリックアシッド}グルコールエステル、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオプロピオネート、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、4,4'−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェニル−ジ−トリデシル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタデシルホスファイト)、トリスジフェニルホスファイト、ジイソデシノレペンタエリスリトールジホスファイト、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナスレン−10−オキサイド、10−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、10−デシロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−tert−メチルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイトなどが挙げられる。
本発明の太陽電池封止材用樹脂組成物は、蛍光物質複合材料と、熱可塑性樹脂(B)を含む原料を混合、溶融混練し、ペレット状に成形することで製造できる。この時、蛍光物質複合材料に含有されるアゾール系化合物(A)を最終成形物である封止材中の濃度より予め高く配合したマスターバッチとして製造することも好ましい。
ここで、混合は、一般的な高速せん断型混合機や回転混合機であるヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、タンブラーミキサー等を用いるのが好ましい。
また、溶融混練は、二本ロール、三本ロール、加圧ニーダー、バンバリーミキサー、単軸混練押出し機、二軸混練押出し機等を用いるのが好ましい。
太陽電池封止材は、太陽電池封止材用樹脂組成物を溶融混練し、成形することで製造できる。成形方法は、T−ダイ押出機やカレンダー成形機などを使用できる。太陽電池封止材の厚みは、0.1〜1mm程度が好ましい。
また、太陽電池封止材は、マスターバッチとして得られた太陽電池封止材用樹脂組成物と、希釈用のエチレン酢酸ビニル共重合体とを溶融混錬し、押し出し成形することで製造することが好ましい。マスターバッチの配合量は、分配性の観点からエチレン酢酸ビニル共重合体100重量部に対して、1〜30重量部用いることが好ましく、1〜15重量部がより好ましい。また、太陽電池封止材中のアゾール化合物の量は、樹脂合計量100重量部に対して、0.01〜1.5重量部用いることが好ましい。
図1に本発明の太陽電池モジュールの構成の一例を示す。図1中の符号11は透明基板、12Aが表面太陽電池封止材、12Bが裏面太陽電池封止材、13が発電素子、14が保護部材である。発電素子13は、表面太陽電池封止材12A及び裏面太陽電池封止材12Bに挟持されている。そして、この積層体は、透明基板11及び保護部材14に挟持されている。太陽電池モジュールは、太陽電池素子の上下に太陽電池封止材を固定することにより作製することができる。一般的には、真空ラミネーターを用いて加熱圧着により製造される。このような太陽電池モジュールとしては、例えば、図1の例のように、透明基板/太陽電池封止材/太陽電池素子/太陽電池封止材/保護部材のように太陽電池素子の両側から太陽電池封止材で挟むスーパーストレート構造のものや、透明基板/太陽電池素子/太陽電池封止材/保護部材のように、基板の表面に形成させた太陽電池素子を太陽電池封止材と保護部材で積層されたものが挙げられる。透明基板には、熱強化白板ガラスや透明フィルムなどが利用され、封止材には耐湿性に優れたエチレン酢酸ビニル共重合体などが用いられる。また、防湿・絶縁性が要求される保護部材にはアルミニウムをフッ化ビニルフィルムで挟んだ構造のシートやアルミニウムを耐加水分解性ポリエチレンテレフタレートフィルムで挟んだものなどが用いられている。また、封止材と保護部材との密着性を上げるために、耐加水分解ポリエチレンテレフタレート等の上面に直鎖状低密度ポリエチレンを積層した保護部材も用いられる。
以下に、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。部は重量部、%は重量%を意味する。
アゾール系化合物(A)
(A−1)2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾイミダゾール
(A−2)2−(2−ヒドロキシ−3−ブチルフェニル)ベンゾイミダゾール
(A−3)2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチル)ベンゾイミダゾール
(A−4)1−ブチル−2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾイミダゾール
(A−5)1−フェニル−2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾイミダゾール
(A−6)2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾール
(A−7)2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾオキサゾール
以下に上記アゾール系化合物の合成例を説明する。
合成例(A−1)
亜硫酸水素ナトリウム28.87gと2−ヒドロキシベンズアルデヒド33.88gをエタノール1000ml中、室温で4時間反応させ、得られたスラリーにo−フェニレンジアミン30.00gをDMF550mlに溶解した溶液を添加して2時間、加熱還流をした。得られた混合物を水にあけ、析出物をろ過し、エタノールから再結晶して化合物(1)を35.00g得た(収率60%)。化合物(1)の構造は元素分析にて確認した(分子式:C13102O;理論値 C:74.27%、H:4.79%、N:13.33%;実測値 C:74.20%、H:4.79%、N:13.32%)。
合成例(A−3)
亜硫酸水素ナトリウム4.81gと3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシベンズアルデヒド10.83gをエタノール200ml中、室温で17時間反応させ、得られたスラリーにo−フェニレンジアミン5.00gをDMF150mlに溶解した溶液を添加して5時間、加熱還流をした。得られた混合物を水にあけて酢酸エチルで抽出し、得られた有機層の溶媒を溜去した後、カラムクロマトグラフィーで精製することにより化合物(2)を11.21g得た(収率75%)。化合物(2)の構造は元素分析にて確認した(分子式:C21262O;理論値 C:78.22%、H:8.13%、N:8.69%;実測値 C:78.26%、H:8.09、N:8.76%)。
合成例(A−2、A−4〜A−7)
合成例(A−1)あるいは合成例(A−3)と同様の合成方法にて、アゾール系化合物(A−2)、(A−4)〜(A−7)も得ることができた。
熱可塑性樹脂(B)
(B−1)東ソー社製(ウルトラセン751、エチレン酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル含有量:28%、MFR:5.7)
(B−2)三井・デュポンポリケミカル社製(エバフレックスV523、エチレン酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル含有量:33%、MFR:14)
<合成した色素の封止材特性>
[封止材1]
熱可塑性樹脂90重量部とアゾール系化合物10重量部をタンブラーミキサー(カワタ社製)に投入し温度25℃、時間3分の条件で撹拌した後、二軸押出し機(日本プラコン社製)により太陽電池封止材用マスターバッチを得た。また、熱可塑性樹脂に架橋剤、架橋助剤、シランカップリング剤を配合した架橋剤マスターバッチと、熱可塑性樹脂に紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤を配合した安定化剤マスターバッチを得た。
得られた太陽電池封止材用マスターバッチと、架橋剤マスターバッチと、安定化剤マスターバッチと、さらに表1の配合量となるように熱可塑性樹脂とを用いて、これらを共にT−ダイ押出機で90℃にて押出し成形し、太陽電池封止材12A、12B、16(それぞれ厚さ0.5mm)を作製した。なお、太陽電池封止材中の架橋剤、架橋助剤、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤の種類と添加量は、熱可塑性樹脂とアゾール系化合物の合計100重量部に対して下記の通りに用いている。
架橋剤:t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート0.6重量部
架橋助剤:トリアリルイソシアヌレート0.6重量部
シランカップリング剤:γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.3重量部
紫外線吸収剤:2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン0.1重量部
光安定剤:N,N'−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物0.2重量部
酸化防止剤:フェニルジイソデシルホスファイト0.1重量部
Figure 2013133447
[封止材2〜20]
それぞれ表1に示す配合となるように、アゾール系化合物(A)の配合量を変えた他は封止材1と同様にして太陽電池封止材用マスターバッチを作製し、封止材1と同様にして太陽電池封止材用樹脂組成物を調製して太陽電池封止材12A、12B、16を作成した。
[波長変換効果]
図2に示すように、封止材1〜20を使用した太陽電池用封止材16を透明基板(ガラス 厚さ3mm)15、17とで挟んで積層した。その後、真空ラミネーターによる真空下で、150℃、5分間加熱、15分間加熱圧着して、封止材を架橋させ、試験用サンプル1を作製した。この試験用サンプル1の蛍光強度を日立ハイテク製分光蛍光光度計により測定した。
[黄色性]
図2に示すように、封止材1〜20を使用した太陽電池封止材16を透明基板(ガラス 厚さ3mm)15、17とで挟んで積層した。その後、真空ラミネーターによる真空下で、150℃、5分間加熱、15分間加熱圧着して、封止材を架橋させ、耐久試験用サンプル1を作製した。この耐久試験用サンプル1を加速試験により、光劣化による樹脂黄変を促進させた後、KURABO製コンピューターカラーマッチングシステムにより耐久試験前と試験後の黄色度の差を測定した。黄色度の差が小さい程、樹脂黄変が小さい。
加速試験は、アイスーパーUVテスター(岩崎電気製)により、耐久試験用サンプル1を温度63℃、湿度50%RH、放射照度100mW/cm2の環境下、10日間静置の条件により行った。
[耐光性]
図2に示すように、封止材1〜20を使用した太陽電池封止材16を、透明基板(ガラス 厚さ3mm)15、17とで挟んで積層した。その後、真空ラミネーターによる真空下で、150℃、5分間加熱、15分間加熱圧着して、封止材を架橋させ、耐久試験用サンプル2を作製した。この耐久試験用サンプル2を加速試験により光劣化を促進させた後、蛍光強度を蛍光光度計により測定し、初期の蛍光強度からの保持率を得た。
加速試験は、アイスーパーUVテスターにより、耐久試験用サンプルを温度63℃、湿度50%RH、放射照度100mW/cm2の環境下、1、5、10日間静置の条件により行った。
[変換効率]
封止材1〜20を使用した太陽電池用封止材12A、12Bを用いて発電素子を挟み込み、図1に示すように透明基板(ガラス 厚さ3mm)11と直鎖状低密度ポリエチレン樹脂/耐加水分解ポリエチレンテレフタレート/アルミ/耐加水分解ポリエチレンテレフタレートの4層(厚さ1.0mm)の保護部材14とで挟んで積層体にした。次いで、真空ラミネーターによる真空下で、150℃で5分間加熱、15分間加熱圧着して、封止材を架橋させ、耐久試験用サンプル3を作製した。試験は、アイスーパーUVテスターにより、温度63℃、湿度50%RH、放射照度100mW/cm2の環境下、10日間静置の条件と、恒温恒湿試験により、温度85℃、湿度85%RHの環境下、1000時間の条件により行った。変換効率は、入光エネルギーと最適動作点での出力と、発電素子の面積から算出した。評価は、発電素子単体の変換効率を100として、サンプル試験前の変換効率(初期変換効率)と、試験後の変換効率(経時変換効率)を求めた。
封止材1〜20で得られた太陽電池封止材を上記の基準で評価し、評価結果を表4に示す。
<公知の有機金属錯体の封止材特性>
[封止材21〜30]
熱可塑性樹脂90重量部と、表2に示す有機金属錯体10重量部をタンブラーミキサー(カワタ社製)に投入し温度25℃、時間3分の条件で撹拌した後、二軸押出し機(日本プラコン社製)により太陽電池封止材用マスターバッチを得た。また、封止材1同様に架橋剤マスターバッチと、安定化剤マスターバッチを得た。得られた太陽電池封止材用マスターバッチと、架橋剤マスターバッチと、安定化剤マスターバッチと、さらに表3の配合とした以外は封止材1と同様にして、太陽電池封止材12A、12B、16を作成した。
Figure 2013133447
Figure 2013133447

封止材21〜30で得られた太陽電池封止材を封止材1〜20と同様の基準で評価し、評価結果を表4に示す。
Figure 2013133447
表4の結果より、封止材1〜20は、全ての評価項目において封止材21〜30を上回る優れた耐久性が得られた。特に特定の有機蛍光体を用いることで、一般的な有機金属錯体を用いた場合よりも、波長変換効果が持続した。
[実施例1](A−1複合材料)
エタノール33.3mL(モル比65)に前記合成例で得られたA−1を0.90g(モル比0.38)溶解させた。この溶液に水0.55g(モル比10)、アンモニア水2.02g(モル比30)、テトラエトキシシラン2.32g(モル比1.0)を添加し、室温で2.5時間攪拌した。その後、遠心分離を用いて沈殿物を分離し、エタノールで洗浄後、40℃、一晩真空乾燥させ、揮発成分を除去し、蛍光物質複合材料を得た。
[実施例2]
蛍光物質複合材料の熱的安定性を調べるため、TG−DTA測定により、熱分解温度を調べた。測定はSeiko―SII TG/DTA6300により、空気流通下、12℃/minで800℃まで昇温させ行った。
評価結果を表5に示す。
Figure 2013133447
表5
表5の結果より、A−1の熱分解温度がシリカ材料との複合により顕著に高くなったことがわかる。
本発明の蛍光物質複合材料は、実施例2により、高い耐光性を有するアゾール系化合物に優れた熱的安定性を付与することができる。
[実施例3]
熱可塑性樹脂90重量部と実施例1で作製したA-1複合材料10重量部をタンブラーミキサー(カワタ社製)に投入し温度25℃、時間3分の条件で撹拌した後、二軸押出し機(日本プラコン社製)により太陽電池封止材用マスターバッチを得た。また、熱可塑性樹脂に架橋剤、架橋助剤、シランカップリング剤を配合した架橋剤マスターバッチと、熱可塑性樹脂に紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤を配合した安定化剤マスターバッチを得た。
得られた太陽電池封止材用マスターバッチと、架橋剤マスターバッチと、安定化剤マスターバッチと、蛍光材料複合材料中に含有するA−1が、蛍光物質複合材料と、熱可塑性樹脂との合計100重量部に対して0.1重量部となるように熱可塑性樹脂とを用いて、これらを共にT−ダイ押出機で90℃にて押出し成形し、太陽電池封止材12A、12B、16(それぞれ厚さ0.5mm)を作製した。なお、太陽電池封止材中の架橋剤、架橋助剤、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤の種類と添加量は、熱可塑性樹脂と蛍光物質複合材料の合計100重量部に対して下記の通りに用いている。
架橋剤:t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート0.6重量部
架橋助剤:トリアリルイソシアヌレート0.6重量部
シランカップリング剤:γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.3重量部
紫外線吸収剤:2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン0.1重量部
光安定剤:N,N'−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物0.2重量部
酸化防止剤:フェニルジイソデシルホスファイト0.1重量部
得られた太陽電池用封止材について、封止材1と同様の評価を行った。評価結果を表6に示す。
Figure 2013133447
表6の結果より、実施例3は、封止材1及び21を上回る優れた耐光性が得られた。シリカ材料中に内包することで、A-1単独で用いた場合よりも、波長変換効果が持続し、樹脂の黄変を低減することで経時でも変換効率が保持できるという驚くべき結果が得られた。
本発明記載の蛍光物質複合材料は、同材料を含んだインキ材料、塗料、太陽電池モジュール、太陽電池用バックシートなどの用途に利用可能である。
11 透明基板
12A 表面太陽電池封止材
12B 裏面太陽電池封止材
13 発電素子
14 保護部材
15 透明基板
16 太陽電池封止材
17 透明基板

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で表されるアゾール系化合物と、シランアルコキシドをゾルゲル反応させてなるシリカ系材料とを含むことを特徴とする蛍光物質複合材料。
    一般式(1)
    Figure 2013133447
    (式中、R1〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換の複素環オキシ基、置換もしくは未置換のアシル基、置換もしくは未置換のアシルオキシ基、または、置換もしくは未置換のアミノ基を表す。ここで、R1〜R4、および、R5〜R8はそれぞれ、隣接した基が互いに結合して環を形成しても良い。
    Xは、−S−、−O−、または、−NR9−を表し、R9は水素原子、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、または、置換もしくは未置換のアシル基を表す)
  2. 一般式(1)で表されるアゾール系化合物のXが、−NR9−であることを特徴とする請求項1記載の蛍光物質複合材料。
    (ただし、R9は水素原子、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、または、置換もしくは未置換のアシル基を表す)。
  3. アゾール系化合物が前記シリカ系材料中に内包されてなることを特徴とする請求項1または2記載の蛍光物質複合材料。
  4. 請求項1〜3いずれか一項に記載の蛍光物質複合材料と、熱可塑性樹脂とを含む太陽電池封止材用樹脂組成物。
  5. 請求項4に記載の太陽電池封止材用樹脂組成物からなる太陽電池用封止材。
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