JP2011238639A - 太陽電池モジュール用封止材シート及び太陽電池モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、封止材に付与された機能を維持できる期間が長くなることで、結果的に優れた太陽電池モジュールとすることのできる太陽電池モジュール用封止材シート、及び該太陽電池モジュール用封止材シートを用いた太陽電池モジュールの提供を目的とする。
【解決手段】透明樹脂基材に発光剤と紫外線吸収剤とを含む封止材シートであって、前記紫外線吸収剤は前記透明樹脂基材100質量部に対し、0.2質量部以上1.0質量部以下であることを特徴とする太陽電池モジュール用封止材シートとした。
【選択図】 図2
【解決手段】透明樹脂基材に発光剤と紫外線吸収剤とを含む封止材シートであって、前記紫外線吸収剤は前記透明樹脂基材100質量部に対し、0.2質量部以上1.0質量部以下であることを特徴とする太陽電池モジュール用封止材シートとした。
【選択図】 図2
Description
本発明は、太陽電池モジュール用封止材シート及び太陽電池モジュールに関する。
太陽電池は、太陽光を利用するクリーンな発電技術として注目を集めている。太陽電池には、結晶シリコン、非結晶シリコン、化合物半導体、有機色素等を用いる、多様な方式が存在する。なかでも、結晶シリコン系太陽電池は、耐候性、耐久性に優れ、比較的高い光電変換効率を有している。しかし、結晶シリコン系太陽電池においても光電変換効率はいまだ充分とはいえず、また製造コストも高い。そのため、太陽電池は、初期投資に対して発電コストを回収するまでに非常に長い歳月がかかることから、本格的な普及には至っていない。
一方、結晶シリコン系太陽電池は、一般的に近赤外線に代表される長波長の光に対して感度が高いが、紫外線に代表される短波長の光に対して感度が低い。具体的には、波長400〜1300nmの光が利用され、特に波長900〜1000nmの光に対する感度が高い。そのため、結晶シリコン系太陽電池では、紫外線は発電にほとんど利用されていなかった。そこで、光電変換効率を向上させるものとして、下記の太陽電池モジュールが提案されている。
(1)波長500nm未満の光を吸収し、波長500〜1000nmの光線を発する希土類錯体、又は有機蛍光体を含む封止材を用いることで、波長500nm未満の光線を光電変換に利用する太陽電池モジュール(例えば、特許文献1)。
(1)波長500nm未満の光を吸収し、波長500〜1000nmの光線を発する希土類錯体、又は有機蛍光体を含む封止材を用いることで、波長500nm未満の光線を光電変換に利用する太陽電池モジュール(例えば、特許文献1)。
しかし、本発明者が検討したところ、太陽電池モジュール(1)は波長400nm以下の光を利用できるにもかかわらず、添加された蛍光体なとの発光剤の寿命が一年程度と短いため、光電変換効率向上効果は限定的である事がわかった。
本発明は、封止材に付与された機能を維持できる期間が長くなることで、結果的に優れた太陽電池モジュールとすることのできる太陽電池モジュール用封止材シート、及び該太陽電池モジュール用封止材シートを用いた太陽電池モジュールの提供を目的とする。
本発明は、封止材に付与された機能を維持できる期間が長くなることで、結果的に優れた太陽電池モジュールとすることのできる太陽電池モジュール用封止材シート、及び該太陽電池モジュール用封止材シートを用いた太陽電池モジュールの提供を目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。
[1]透明樹脂基材に発光剤と紫外線吸収剤とを含む封止材シートであって、前記紫外線吸収剤は前記透明樹脂基材100質量部に対し、0.2質量部以上1.0質量部以下であることを特徴とする太陽電池モジュール用封止材シート。
[2]光電変換セルと、前記光電変換セルを封止する封止材層と、前記封止材層の表面側を保護する表面保護部材と、前記封止材層の裏面側を保護する裏面保護部材と、を有し、前記封止部材層が、前記[1]に記載の太陽電池モジュール用封止材シートにより形成されている太陽電池モジュール。
[1]透明樹脂基材に発光剤と紫外線吸収剤とを含む封止材シートであって、前記紫外線吸収剤は前記透明樹脂基材100質量部に対し、0.2質量部以上1.0質量部以下であることを特徴とする太陽電池モジュール用封止材シート。
[2]光電変換セルと、前記光電変換セルを封止する封止材層と、前記封止材層の表面側を保護する表面保護部材と、前記封止材層の裏面側を保護する裏面保護部材と、を有し、前記封止部材層が、前記[1]に記載の太陽電池モジュール用封止材シートにより形成されている太陽電池モジュール。
本発明の太陽電池モジュール用封止材シートは、封止材に付与された機能を維持できる期間(寿命)を伸ばすことができた。特に、太陽電池モジュールの光電変換効率の向上効果を長期にわたって維持することの可能な太陽電池モジュール用封止材シートを提供することができる。
また、本発明の太陽電池モジュールは、本発明の太陽電池モジュール用封止材シートを用いることで、優れた光電変換効率を長期にわたって維持することができる。
また、本発明の太陽電池モジュールは、本発明の太陽電池モジュール用封止材シートを用いることで、優れた光電変換効率を長期にわたって維持することができる。
<太陽電池モジュール用封止材シート>
本発明の太陽電池モジュール用封止材シート(以下、「封止材シート」という。)は、太陽電池モジュールにおいて光電変換セルを封止する封止材層の形成に用いるシートである。以下、本発明の封止材シートの実施形態の一例を示して詳細に説明する。本実施形態の封止材シート1Aは、図1に示すように、透明樹脂基材2に発光剤3が分散されている。
本発明の太陽電池モジュール用封止材シート(以下、「封止材シート」という。)は、太陽電池モジュールにおいて光電変換セルを封止する封止材層の形成に用いるシートである。以下、本発明の封止材シートの実施形態の一例を示して詳細に説明する。本実施形態の封止材シート1Aは、図1に示すように、透明樹脂基材2に発光剤3が分散されている。
[発光剤]
発光剤3は、蛍光やりん光を発する物質であり、好ましくは吸収した光を、より波長の長い光に変換して発することのできる物質がよい。特に波長400〜600nmの範囲内に吸収極大を有し、波長500〜1000nmの範囲内に発光極大を有する発光剤が好ましい。
波長400nm以上の範囲内に吸収極大を有する発光剤であれば、同時に添加される紫外線吸収剤と吸収波長が競合することなく、紫外領域の光線を除去することによる恩恵を最大に享受できるからである。また、600nm以下の範囲内に吸収極大を有し、波長500〜1000nmの範囲内に発光極大を有することで、結晶シリコン型の光電変換セルでは利用できない波長の光を効率よく発電に利用できる。
発光剤3は、蛍光やりん光を発する物質であり、好ましくは吸収した光を、より波長の長い光に変換して発することのできる物質がよい。特に波長400〜600nmの範囲内に吸収極大を有し、波長500〜1000nmの範囲内に発光極大を有する発光剤が好ましい。
波長400nm以上の範囲内に吸収極大を有する発光剤であれば、同時に添加される紫外線吸収剤と吸収波長が競合することなく、紫外領域の光線を除去することによる恩恵を最大に享受できるからである。また、600nm以下の範囲内に吸収極大を有し、波長500〜1000nmの範囲内に発光極大を有することで、結晶シリコン型の光電変換セルでは利用できない波長の光を効率よく発電に利用できる。
このような発光剤3としては、下記発光剤(a)〜(d)が挙げられる。
発光剤(a):波長400〜600nmの範囲内に吸収極大を有し、波長500〜1000nmの範囲内に発光極大を有する有機蛍光体。
発光剤(b):波長400〜600nmの範囲内に吸収極大を有し、波長500〜1000nmの範囲内に発光極大を有する金属錯体。
発光剤(c):波長400〜600nmの範囲内に吸収極大を有し、波長500〜1000nmの範囲内に発光極大を有する半導体ナノ粒子。
発光剤(d):波長400〜600nmの範囲内に吸収極大を有し、波長500〜1000nmの範囲内に発光極大を有する無機蛍光体。
発光剤(a):波長400〜600nmの範囲内に吸収極大を有し、波長500〜1000nmの範囲内に発光極大を有する有機蛍光体。
発光剤(b):波長400〜600nmの範囲内に吸収極大を有し、波長500〜1000nmの範囲内に発光極大を有する金属錯体。
発光剤(c):波長400〜600nmの範囲内に吸収極大を有し、波長500〜1000nmの範囲内に発光極大を有する半導体ナノ粒子。
発光剤(d):波長400〜600nmの範囲内に吸収極大を有し、波長500〜1000nmの範囲内に発光極大を有する無機蛍光体。
発光剤(a)としては、例えば、ローダミンB、ローダミン6G、ビオラントロン誘導体(16,17−ジヒドロキシビオラントロン(16,17−Dihydroxy violanthrone)等。)、ペリレン誘導体(ベンゾ[ghi]ペリレン(Benzo[ghi]perylene)等。)、クマリン誘導体(7−ジメチルアミノ−4−トリフルオロメチル−2H−1−ベンゾピラン−2−オン(7−(dimethylamino)−4−(trifluoromethyl)−2H−1−benzopyran−2−one)等。)、キサンチン誘導体(1,3,7−トリメチルキサンチン(1,3,7−trymethylxanthine)等。)、チオキサンチン誘導体(2−チオキサンチン(2−Thioxantine)等。)、ピラントロン誘導体、フラバトロン誘導体、アントラセン誘導体(1,5−ジブロモアントラセン(1,5−Dibromoanthracene)等。)、ナフタルイミド誘導体、ナフトラクタム誘導体等が挙げられる。
発光剤(a)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
発光剤(a)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
発光剤(b)としては、例えば、[Tb(acac)3]dpphen、[Tb(acac)3]phen、[Tb(TFA)3]dmbpy、[Tb(TFA)3]tmphen、[Tb(TFA)3]dpbpy、[Eu(TFA)3]tmphen、[Eu(TFA)3]phen、[Eu(FOD)3]bpy、Ir(ppy)3、[Ir(dqn)3](PF6)3、[Ir(dpphen)3](PF6)3、[Ru(dpphen)3](PF6)2、[Ru(dpbpy)3](PF6)2、[Ru(dmbpy)3](PF6)2等が挙げられる。
発光剤(b)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
発光剤(b)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
発光剤(c)としては、例えば、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdTe、CdSe等が挙げられる。
発光剤(c)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
発光剤(c)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
発光剤(d)としては、例えば、ZnS:Al、ZnO:Zn、Y2O2S:Eu、Ca3Sc2Si3O12:Ce、SrGa2S4:Eu、Y3(Al,Ga)5O12:Ce等が挙げられる。
発光剤(d)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
発光剤(d)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
発光剤3は、前記発光剤(a)〜(d)のいずれか1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
発光剤3としては、透明樹脂基材2との相溶性の点から、発光剤(a)が好ましく、ローダミンB、ローダミン6Gが特に好ましい。
発光剤3としては、透明樹脂基材2との相溶性の点から、発光剤(a)が好ましく、ローダミンB、ローダミン6Gが特に好ましい。
封止材シート1A中の発光剤3の含有量は、透明樹脂基材2の100質量部に対して、0.1質量部以上1.0質量部以下が好ましく、0.2質量部以上0.5質量部以下がより好ましい。発光剤3の含有量が透明樹脂基材2の100質量部に対して0.1質量部以上であれば、太陽電池モジュールにおいて光電変換に利用する波長500〜1000nmの光が多くなり、光電変換効率が向上する。発光剤3の含有量が透明樹脂基材2の100質量部に対して1.0質量部以下であれば、太陽電池モジュールにおいて封止材層を透過する光の量が減少して光電変換効率が低下することを抑制しやすい。
[紫外線吸収剤]
本発明の太陽電池モジュール用封止材シートは、樹脂の劣化、発光剤の分解を防止するために紫外吸収剤を含む。特に封止材に添加された発光剤の分解を抑え、高い光電変換効率を長く保つために紫外線吸収剤は必要である。
紫外線吸収剤としては、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノン等が挙げられ、太陽電池の発電に利用できる光を最も吸収しにくい2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノンが特に好ましい。
本発明の太陽電池モジュール用封止材シートは、樹脂の劣化、発光剤の分解を防止するために紫外吸収剤を含む。特に封止材に添加された発光剤の分解を抑え、高い光電変換効率を長く保つために紫外線吸収剤は必要である。
紫外線吸収剤としては、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノン等が挙げられ、太陽電池の発電に利用できる光を最も吸収しにくい2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノンが特に好ましい。
封止材シート中の紫外線吸収剤の含有量は、透明樹脂基材2の100質量部に対して、0.2質量部以上1.0質量部以下が好ましく、0.2質量部以上0.5質量部以下がより好ましい。紫外線吸収剤の含有量が透明樹脂基材2の100質量部に対して0.2質量部以上であれば蛍光体の耐光性が強まり、0.5質量部以下なら透過光を阻害しない。
[透明樹脂基材]
透明樹脂基材2の材料としては、封止材シートに通常用いられる透明性の高い公知の樹脂を用いることができる。具体的には、厚み0.5mmにおける波長550nmの光の透過率が90%以上の樹脂が好ましい。
透明樹脂基材2の材料の具体例としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;アイオノマー;エチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、「EVA」という。);ポリフッ化ビニル;ポリ塩化ビニル、又は、これらの共重合体が挙げられる。なかでも、透明性に優れ、安価である点から、EVAが好ましい。
透明樹脂基材2の材料としては、封止材シートに通常用いられる透明性の高い公知の樹脂を用いることができる。具体的には、厚み0.5mmにおける波長550nmの光の透過率が90%以上の樹脂が好ましい。
透明樹脂基材2の材料の具体例としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;アイオノマー;エチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、「EVA」という。);ポリフッ化ビニル;ポリ塩化ビニル、又は、これらの共重合体が挙げられる。なかでも、透明性に優れ、安価である点から、EVAが好ましい。
透明樹脂基材2には、透明性を損なわない範囲で強度を高めることを目的として、架橋剤が添加されていてもよい。
架橋剤としては、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)バレレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキシド、2,2−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ブタン等が挙げられる。
架橋剤としては、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)バレレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキシド、2,2−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ブタン等が挙げられる。
また、透明樹脂基材2には、前記架橋剤の他に、架橋反応を促進する架橋助剤が添加されてもよい。架橋助剤としては、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート等が挙げられる。
また、透明樹脂基材2には、密着性の向上のためにシランカップリング剤が添加されていてもよい。シランカップリング剤としては、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、トリメトキシプロピルシラン、トリメトキシメチルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、トリクロロプロピルシラン、トリエトキシフェニルシラン等が挙げられる。
また、透明樹脂基材2には、熱安定性の向上のために酸化防止剤が添加されていてもよい。酸化防止剤としては1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
封止材シート1Aの製造方法としては、透明樹脂基材に発光剤を配合した樹脂組成物を、Tダイ法、カレンダー法等の樹脂成形方法により製膜する方法を用いることができる。また、製膜工程において、熱溶融した状態の封止材シート1Aを、凹凸パターンが施されているロールに通し、封止材シート1Aの片面もしくは両面に該ロールの凹凸パターンを転写させるエンボス加工を施してもよい。
以上説明した本発明の封止材シートは太陽電池モジュールの光電変換効率向上効果を長期利用することができる。
従来の特許文献1の太陽電池モジュールでは、光電変換効率を向上させる目的で、封止材に、波長500nm以下の光を吸収して波長500〜1000nmの光を発する希土類錯体が配合されている。しかし、本発明者が検討したところ、このような発光材料を使用した太陽電池モジュールでは発光剤の寿命が短く、短期間の使用に限られることが判明した。理由としては、該希土類錯体発光剤は樹脂中では耐光性が低く、樹脂中を透過する紫外光により分解が容易に進行するためと考えられる。
これに対し、本発明の封止材シートは、発光剤に加えて紫外線吸収剤を所定の割合(透明樹脂基材100質量部に対し、0.2質量部以上1.0質量部以下)で含む。すなわち、紫外線吸収剤によって発光剤の分解を抑えることができるので、発光剤の寿命が延び、結果として高い光電変換効率を長期にわたって保つことができる。
従来の特許文献1の太陽電池モジュールでは、光電変換効率を向上させる目的で、封止材に、波長500nm以下の光を吸収して波長500〜1000nmの光を発する希土類錯体が配合されている。しかし、本発明者が検討したところ、このような発光材料を使用した太陽電池モジュールでは発光剤の寿命が短く、短期間の使用に限られることが判明した。理由としては、該希土類錯体発光剤は樹脂中では耐光性が低く、樹脂中を透過する紫外光により分解が容易に進行するためと考えられる。
これに対し、本発明の封止材シートは、発光剤に加えて紫外線吸収剤を所定の割合(透明樹脂基材100質量部に対し、0.2質量部以上1.0質量部以下)で含む。すなわち、紫外線吸収剤によって発光剤の分解を抑えることができるので、発光剤の寿命が延び、結果として高い光電変換効率を長期にわたって保つことができる。
さらに、発光剤として、波長400〜600nmの光を吸収し、より波長の長い波長500〜1000nmの光に変換する発光剤を使用することで、波長400nm未満の紫外域の光線は紫外線吸収剤によって吸収させ、発光剤に悪影響を及ぼすのを防ぎ、かつ、可視域の短波長側の光線はより波長の長い光線に変換することで光電変換効率の向上に寄与させることができる。すなわち、400nm未満の紫外領域に吸収極大を有する紫外線吸収剤と、400nm以上600nm以下の波長域に吸収極大を有する発光剤を組み合わせ、かつ紫外線吸収剤の添加量を所定の範囲とするとで、より高い光電変換効率向上効果を、長期にわたって維持することができる。
<太陽電池モジュール>
本発明の太陽電池モジュールは、光電変換セルと、前記光電変換セルを封止する封止材層と、前記封止材層の表面側を保護する表面保護部材と、前記封止材層の裏面側を保護する裏面保護部材とを有し、前記封止材層が、前述した本発明の封止材シートにより形成されているモジュールである。
以下、本発明の太陽電池モジュールの実施形態の一例を示して詳細に説明する。
本発明の太陽電池モジュールは、光電変換セルと、前記光電変換セルを封止する封止材層と、前記封止材層の表面側を保護する表面保護部材と、前記封止材層の裏面側を保護する裏面保護部材とを有し、前記封止材層が、前述した本発明の封止材シートにより形成されているモジュールである。
以下、本発明の太陽電池モジュールの実施形態の一例を示して詳細に説明する。
[第1実施形態]
本実施形態の太陽電池モジュール10は、図2に示すように、光電変換セル4、4と、光電変換セル4、4を封止する封止材層11と、封止材層11の表面側を保護する表面保護部材5と、封止材層11の裏面側を保護する裏面保護部材6とを有する。
太陽電池モジュール10における封止材層11は、光電変換セル4、4の受光面側に前述した封止材シート1A、裏面側に発光剤が配合されていない封止材シート1Bが積層され、光電変換セル4、4を封止している。封止材シート1Bは、公知の封止材シートが使用でき、例えば、発光剤を配合しない以外は封止材シート1Aと同じ組成の封止材シートが使用できる。
本実施形態の太陽電池モジュール10は、図2に示すように、光電変換セル4、4と、光電変換セル4、4を封止する封止材層11と、封止材層11の表面側を保護する表面保護部材5と、封止材層11の裏面側を保護する裏面保護部材6とを有する。
太陽電池モジュール10における封止材層11は、光電変換セル4、4の受光面側に前述した封止材シート1A、裏面側に発光剤が配合されていない封止材シート1Bが積層され、光電変換セル4、4を封止している。封止材シート1Bは、公知の封止材シートが使用でき、例えば、発光剤を配合しない以外は封止材シート1Aと同じ組成の封止材シートが使用できる。
光電変換セル4は、光電効果により受光面に入射した光を電気に変換する機能を有するセルである。光電変換セル4は、太陽電池モジュール10内において複数個(図2では2つ)が電極(図示省略)によって接続されている。
光電変換セル4、4の材料としては、結晶系シリコンが挙げられる。なかでも、製造の簡便さとコスト面から、多結晶シリコンが特に好ましい。
光電変換セル4、4の材料としては、結晶系シリコンが挙げられる。なかでも、製造の簡便さとコスト面から、多結晶シリコンが特に好ましい。
表面保護材5としては、耐久性、耐候性、透明性に優れたものが好ましく、例えば、ガラス板、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂シート等が挙げられる。また、ポリカーボネート等の樹脂シートを用いてもよい。表面保護部材5の厚さは、0.5〜5.0mmが好ましい。
裏面保護部材6としては、耐久性、耐候性に優れたものが好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルフロライド、EVA等の樹脂シート、及びそれらの積層体が挙げられる。また、前記樹脂シートや積層体には、水蒸気バリア性、酸素バリア性を付与するバリア層を積層してもよい。裏面保護部材6の厚さは、0.1〜1.0mmが好ましい。
太陽電池モジュール10において、封止材シートの透明樹脂基材としてEVAを用いた場合、真空状態で加熱加圧した後の封止材層11におけるEVAの架橋率は、70%以上であることが好ましい。
該架橋率は、加熱加圧した後に、太陽電池モジュール10の封止材層11を引き剥がし、その1gをキシレン100ccに浸漬して、12時間、110℃で溶融させ、非溶融成分の質量を測定し、下記式の質量比を算出することにより求められる。
(架橋率)=[非溶融成分の質量(g)/溶融前の質量(1g)]×100
該架橋率は、加熱加圧した後に、太陽電池モジュール10の封止材層11を引き剥がし、その1gをキシレン100ccに浸漬して、12時間、110℃で溶融させ、非溶融成分の質量を測定し、下記式の質量比を算出することにより求められる。
(架橋率)=[非溶融成分の質量(g)/溶融前の質量(1g)]×100
また、太陽電池モジュール10における保護部材(表面保護部材5、裏面保護部材6)と封止材層11の密着強度は、30N/15mm以上が好ましい。密着強度は、下記測定方法により測定される。
裏面保護部材6、封止材シート1A、封止材シート1B、表面保護部材5をこの順に重ね合わせ、150℃で10分間、1013hPaで真空加圧して擬似モジュールを作成する。表面保護部材としては白板ガラス(厚さ3mm)を、裏面保護部材としてはフッ化ビニルポリマー(厚さ38μm)を用いる。
裏面保護部材6、封止材シート1A、封止材シート1B、表面保護部材5をこの順に重ね合わせ、150℃で10分間、1013hPaで真空加圧して擬似モジュールを作成する。表面保護部材としては白板ガラス(厚さ3mm)を、裏面保護部材としてはフッ化ビニルポリマー(厚さ38μm)を用いる。
表面保護部材/封止材層間の接着強度は、前記模擬モジュールにおける表面保護部材5と封止材シート1A界面に、カッターナイフで剥離きっかけとして切り込みを入れ、封止材層と裏面保護部材を接着強度測定機のチャックに固定し、90°の角度で接着強度を測定する。
接着強度測定機としては、ORIENTEC製TENSILON(RTC−1250)を用いる。測定条件としては、15mm幅の接着強度測定とし、剥離速度は30mm/分とする。
接着強度測定機としては、ORIENTEC製TENSILON(RTC−1250)を用いる。測定条件としては、15mm幅の接着強度測定とし、剥離速度は30mm/分とする。
裏面保護部材/封止材間の接着強度は、裏面保護部材6と封止材シート1B界面にカッターナイフで剥離きかっけとして切り込みを入れ、裏面保護部材6を接着強度測定機のチャックに固定し、90°の角度で接着強度を測定した。接着強度測定機及び測定条件は、表面保護部材/封止材間の接着強度測定時と同様とする。
(製造方法)
太陽電池モジュール10は、例えば、下記の方法で製造できる。ただし、太陽電池モジュール10の製造方法は下記の方法には限定されない。
図3に示すように、裏面保護部材6、封止材シート1B、光電変換セル4、4、封止材シート1A、表面保護部材5をこの順に積層して積層体10Aを得る。次いで、積層体10Aを真空状態で加熱加圧する真空ラミネートを行い、封止材シート1A、1B内に光電変換セル4、4を埋没させ、封止材シート1A、1Bの透明樹脂基材を架橋硬化させて接着一体化することで封止材層11を形成させる。これにより、太陽電池モジュール10が得られる。
太陽電池モジュール10は、例えば、下記の方法で製造できる。ただし、太陽電池モジュール10の製造方法は下記の方法には限定されない。
図3に示すように、裏面保護部材6、封止材シート1B、光電変換セル4、4、封止材シート1A、表面保護部材5をこの順に積層して積層体10Aを得る。次いで、積層体10Aを真空状態で加熱加圧する真空ラミネートを行い、封止材シート1A、1B内に光電変換セル4、4を埋没させ、封止材シート1A、1Bの透明樹脂基材を架橋硬化させて接着一体化することで封止材層11を形成させる。これにより、太陽電池モジュール10が得られる。
[第2実施形態]
以下、本発明の太陽電池モジュールの他の実施形態である太陽電池モジュール20について説明する。太陽電池モジュール20において、太陽電池モジュール10と同じ部分については同符号を付して説明を省略する。
太陽電池モジュール20は、図4に示すように、光電変換セル4、4と、光電変換セル4、4を封止する封止材層12と、封止材層12の表面側を保護する表面保護部材5と、封止材層12の裏面側を保護する裏面保護部材6とを有する。
太陽電池モジュール20における封止材層12は、光電変換セル4、4の両側に前述した封止材シート1Aが積層され、光電変換セル4、4を封止している。すなわち、太陽電池モジュール20は、太陽電池モジュール10において封止材シート1Bの代わりに封止材シート1Aを用いる以外は同じ構成を有する。
以下、本発明の太陽電池モジュールの他の実施形態である太陽電池モジュール20について説明する。太陽電池モジュール20において、太陽電池モジュール10と同じ部分については同符号を付して説明を省略する。
太陽電池モジュール20は、図4に示すように、光電変換セル4、4と、光電変換セル4、4を封止する封止材層12と、封止材層12の表面側を保護する表面保護部材5と、封止材層12の裏面側を保護する裏面保護部材6とを有する。
太陽電池モジュール20における封止材層12は、光電変換セル4、4の両側に前述した封止材シート1Aが積層され、光電変換セル4、4を封止している。すなわち、太陽電池モジュール20は、太陽電池モジュール10において封止材シート1Bの代わりに封止材シート1Aを用いる以外は同じ構成を有する。
(製造方法)
太陽電池モジュール20の製造方法としては、封止材シート1Bの代わりに封止材シート1Aを用いる以外は、前記太陽電池モジュール10の製造方法と同じ方法が使用できる。
図5に示すように、裏面保護部材6、封止材シート1A、光電変換セル4、4、封止材シート1A、表面保護部材5をこの順に積層して積層体10Aを得る。次いで、積層体10Aを真空状態で加熱加圧する真空ラミネートを行い、封止材シート1A、1A内に光電変換セル4、4を埋没させ、封止材シート1A、1Aの透明樹脂基材を架橋硬化させて接着一体化することで封止材層12を形成させる。これにより、太陽電池モジュール20が得られる。
太陽電池モジュール20の製造方法としては、封止材シート1Bの代わりに封止材シート1Aを用いる以外は、前記太陽電池モジュール10の製造方法と同じ方法が使用できる。
図5に示すように、裏面保護部材6、封止材シート1A、光電変換セル4、4、封止材シート1A、表面保護部材5をこの順に積層して積層体10Aを得る。次いで、積層体10Aを真空状態で加熱加圧する真空ラミネートを行い、封止材シート1A、1A内に光電変換セル4、4を埋没させ、封止材シート1A、1Aの透明樹脂基材を架橋硬化させて接着一体化することで封止材層12を形成させる。これにより、太陽電池モジュール20が得られる。
本発明の太陽電池モジュールは、光電変換効率の点から、太陽電池モジュール10のように、少なくとも光電変換セルの受光面側(表面側)に本発明の封止材シートが配置されていることが好ましい。また、太陽電池モジュール20のように、光電変換セルの両側に本発明の封止材シートが配置されていてもよい。ただし、本発明の太陽電池モジュールは、太陽電池モジュール10、20のような形態には限定されない。例えば、封止材層と裏面保護部材の間に、封止材層を透過してきた光を反射する反射層を設け、光電変換セルの裏面側を封止する封止材シートのみを本発明の封止材シートとしてもよい。
以上説明した本発明の太陽電池モジュールは、封止材層に発光剤及び紫外線吸収剤が含まれることで、封止材層に入射してきた光を効率よく発電に利用することができ、かつその期間を延ばすことができる。特に、波長400〜600nmの光を、より波長の長い波長500〜1000nmの光に変換することのできる発光剤を使用することで、発光剤の寿命を縮める紫外線を吸収するとともに、400nmよりも波長の長い光は発電に利用することができ、より優れた光電変換効率を得ることができる。
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は以下の記載によっては限定されない。
[実施例1]
透明樹脂基材であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(商品名「スミテート」、酢酸ビニル単位含有率30質量%、住友化学社製)の100質量部に対し、発光剤としてローダミンBを0.2質量部、紫外線吸収剤として2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノンを1.0質量部配合し、さらに架橋剤として1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサンを0.375質量部、架橋助剤としてトリアリルイソシアヌレートを0.375質量部、シランカップリング剤としてγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを0.25質量部、酸化防止剤としてビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケートを0.2質量部、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイトを0.1質量部配合して樹脂組成物を得た。該樹脂組成物を、Tダイ法によりシート状に成形し、厚さ0.4mmの封止材シートAを得た。
[実施例1]
透明樹脂基材であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(商品名「スミテート」、酢酸ビニル単位含有率30質量%、住友化学社製)の100質量部に対し、発光剤としてローダミンBを0.2質量部、紫外線吸収剤として2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノンを1.0質量部配合し、さらに架橋剤として1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサンを0.375質量部、架橋助剤としてトリアリルイソシアヌレートを0.375質量部、シランカップリング剤としてγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを0.25質量部、酸化防止剤としてビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケートを0.2質量部、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイトを0.1質量部配合して樹脂組成物を得た。該樹脂組成物を、Tダイ法によりシート状に成形し、厚さ0.4mmの封止材シートAを得た。
[実施例2]
紫外線吸収剤である2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノンの添加量を0.5質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして封止材シートBを得た。
紫外線吸収剤である2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノンの添加量を0.5質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして封止材シートBを得た。
[実施例3]
紫外線吸収剤である2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノンの添加量を0.2質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして封止材シートCを得た。
紫外線吸収剤である2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノンの添加量を0.2質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして封止材シートCを得た。
[比較例1]
紫外線吸収剤である2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノンの添加量を0.1質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして封止材シートDを得た。
紫外線吸収剤である2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノンの添加量を0.1質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして封止材シートDを得た。
[比較例2]
紫外線吸収剤の2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノンの添加量を1.5質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして封止材シートEを得た。
紫外線吸収剤の2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノンの添加量を1.5質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして封止材シートEを得た。
[比較例3]
紫外線吸収剤を添加していない以外は、実施例1と同様にして封止材シートFを得た。
紫外線吸収剤を添加していない以外は、実施例1と同様にして封止材シートFを得た。
[光学特性の測定]
光学特性の測定のために、表面保護部材として使用される厚さ0.8mmの板ガラスで実施例1から3及び比較例1、2で得られた封止材シートAからEを挟み込んで積層体とし、該積層体を150℃で10分間真空ラミネートして圧着し擬似モジュールAからEを作成した。擬似モジュール30の一例を模式的に図6に示す。
このようにして作成した擬似モジュールAからEについて、RF5300PC分光光度計(島津製作所)により圧着直後(初期)とUV照射試験後の発光強度の測定を行うことで発光強度の保持率を比較した。UV照射試験後は照射前に比べてどのくらい発光強度が低下したかを%で表し表1に示す。UV照射試験は紫外線フェードメーターU48(スガ試験機)を用い10日間照射した。
また成形直後の封止材シートAからEについて、U−4000分光光度計(日立製作所製)により光の透過率を測定し、紫外線吸収剤無添加のEVAとの透過率を比較した。
UV照射試験はJIS B7751の基準に沿い、照度を500±100w/m2、波長300-700nmの光を25度、相対湿度65±10%の条件下行う事とした。結果を以下の表1に示す。
また、透過率は比較例3に示す封止材シートFの400nm-700nmの透過率の積分値を100とし、他のサンプルの透過率と比較する事とした。
光学特性の測定のために、表面保護部材として使用される厚さ0.8mmの板ガラスで実施例1から3及び比較例1、2で得られた封止材シートAからEを挟み込んで積層体とし、該積層体を150℃で10分間真空ラミネートして圧着し擬似モジュールAからEを作成した。擬似モジュール30の一例を模式的に図6に示す。
このようにして作成した擬似モジュールAからEについて、RF5300PC分光光度計(島津製作所)により圧着直後(初期)とUV照射試験後の発光強度の測定を行うことで発光強度の保持率を比較した。UV照射試験後は照射前に比べてどのくらい発光強度が低下したかを%で表し表1に示す。UV照射試験は紫外線フェードメーターU48(スガ試験機)を用い10日間照射した。
また成形直後の封止材シートAからEについて、U−4000分光光度計(日立製作所製)により光の透過率を測定し、紫外線吸収剤無添加のEVAとの透過率を比較した。
UV照射試験はJIS B7751の基準に沿い、照度を500±100w/m2、波長300-700nmの光を25度、相対湿度65±10%の条件下行う事とした。結果を以下の表1に示す。
また、透過率は比較例3に示す封止材シートFの400nm-700nmの透過率の積分値を100とし、他のサンプルの透過率と比較する事とした。
表1に示すように、封止材シートに発光剤に加えて0.2−1.0質量部の紫外線吸収剤を含ませることで、封止材シートの光線透過率を保ちながら発光剤の耐光性を向上させる事ができた。
比較例1に示す封止材シートDでは、透過率は優れているものの、これを使用した擬似モジュールDでは発光強度保持率の低下が著しかった。一方、比較例2に示す封止材シートEでは透過率が低くなり、この封止材シートDを太陽電池モジュールに使用した場合、発光剤の寿命を長く保てても光電変換効率が低下してしまうことが示された。
すなわち、本発明の封止材シートは、発光剤が分解されることなく長持ちするので、本発明の封止材シートを用いて太陽電池モジュールを作成すれば、高い光電変換効率を長い間保つことができる。
比較例1に示す封止材シートDでは、透過率は優れているものの、これを使用した擬似モジュールDでは発光強度保持率の低下が著しかった。一方、比較例2に示す封止材シートEでは透過率が低くなり、この封止材シートDを太陽電池モジュールに使用した場合、発光剤の寿命を長く保てても光電変換効率が低下してしまうことが示された。
すなわち、本発明の封止材シートは、発光剤が分解されることなく長持ちするので、本発明の封止材シートを用いて太陽電池モジュールを作成すれば、高い光電変換効率を長い間保つことができる。
1A 太陽電池モジュール用封止材シート
2 透明樹脂基材
3 発光剤
4 光電変換セル
5 表面保護部材
6 裏面保護部材
10、20 太陽電池モジュール
10A、20A 積層体
30 擬似モジュール
2 透明樹脂基材
3 発光剤
4 光電変換セル
5 表面保護部材
6 裏面保護部材
10、20 太陽電池モジュール
10A、20A 積層体
30 擬似モジュール
Claims (3)
- 透明樹脂基材に発光剤と紫外線吸収剤とを含む封止材シートであって、前記紫外線吸収剤は前記透明樹脂基材100質量部に対し、0.2質量部以上1.0質量部以下であることを特徴とする太陽電池モジュール用封止材シート。
- 前記発光剤は吸収した光をより波長の長い光に変換する発光剤であって、波長400nm以上600nm以下の範囲に吸収極大を有し、波長500nm以上1000nm以下の範囲に発光極大を有することを特徴とする請求項1記載の太陽電池モジュール用封止材シート。
- 光電変換セルと、前記光電変換セルを封止する封止材層と、前記封止材層の表面側を保護する表面保護部材と、前記封止材層の裏面側を保護する裏面保護部材と、を有し、前記封止部材層が、請求項1または2に記載の太陽電池モジュール用封止材シートにより形成されている太陽電池モジュール。
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JP2010106176A JP2011238639A (ja) | 2010-05-06 | 2010-05-06 | 太陽電池モジュール用封止材シート及び太陽電池モジュール |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2010
- 2010-05-06 JP JP2010106176A patent/JP2011238639A/ja active Pending
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