JP2012169472A - 太陽電池モジュール用封止材シートおよび太陽電池モジュール - Google Patents

太陽電池モジュール用封止材シートおよび太陽電池モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】UV吸収剤を含有するEVA組成物において、UV吸収域を変更させることで、太陽電池の発電効率を向上させるEVA組成物からなる太陽電池モジュール用封止材シートと、それを具備した太陽電池モジュールを提供する。
【解決手段】エチレン酢酸ビニル共重合体、およびベンゾエート系紫外線吸収剤を含有し、波長300nmから400nmにおける光線透過率が71%以上95%以下であり、波長200nmから280nmにおける光線透過率が10%未満である太陽電池モジュール用封止材シートと、それを具備した太陽電池モジュール。
【選択図】なし

Description

本発明は、太陽光発電に使用する太陽電池モジュールを構成する太陽電池モジュール用封止材シートおよびそれを備えた太陽電池モジュールに関するものである。
近年、石油や石炭などの化石エネルギー源の枯渇が問題とされ、加えて、それらの燃焼時に発生するCOの増加に起因する地球温暖化現象等の環境破壊が重要な問題となっている。そのような状況の下、太陽光発電は、無尽蔵の太陽輻射エネルギーを利用するクリーンな代替エネルギー源として実用化されている。太陽電池は、太陽光のエネルギーを直接電気に変える太陽光発電システムの心臓部を構成するものであり、結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン、銅インジウムセレナイド、化合物半導体等の光起電力素子からできている。その構造としては、光起電力素子単体をそのままの状態で使用することはなく、一般的に、数枚〜数十枚の光起電力素子を直列、並列に配線して太陽電池セルとし、長期間に亘って素子を保護するために種々パッケージングが行われ、太陽電池モジュールとしてユニット化されている。
太陽電池モジュールの基本的な機能は、太陽の輻射エネルギーを効率よく光起電力素子へと導くと共に、光起電力素子及び内部配線を長期に亘って過酷な自然環境に耐え得るように保護することにある。太陽電池モジュールは、一般に、太陽電池セルが封止材(充填材)層内に包埋されて封止され、この封止材層の両面側が、透明な表面保護部材と裏面保護部材で保護された構造を有している。前記封止材層は、通常、太陽電池モジュール用封止材シート(以下、「封止材シート」と略記する。)により形成される。
太陽電池モジュールの製造方法としては、一般的に、太陽光が当たる面のガラスや透明なプラスチック等からなる上部透明材料としての表面保護部材と、封止材シートと、光起電力素子としての複数枚の太陽電池セルと、前記封止材シートと同様の封止材シートと、裏面保護部材(バックシート)とをこの順に積層し、これらを真空加熱ラミネーション法等により加圧しながら加熱することで、溶融させた封止材シート中に太陽電池セルを包埋させつつ封止材シートの樹脂を架橋硬化させて一体成形する方法が広く使用されている。
封止材シートとしては、主にエチレン酢酸ビニル共重合体(以下「EVA」と称する。)を含む熱可塑性樹脂シートが使用されている。EVAを含有する封止材シートは、熱接着できるためラミネート時に扱いやすく、また架橋反応を伴うため保持性および長期保存性に優れた封止材層を形成できる。
一方、太陽電池モジュールにおいては、前記したように、発電効率向上の点から、表面保護部材側から入射した太陽光をできるだけ効率良く太陽電池セルに取り込ませることが求められる。そのため、封止材層は、優れた透明性を有し、入射する太陽光の吸収および反射を抑制でき、太陽光の透過率が高いものが好ましい。また、太陽電池モジュールを長期間使用した場合でも、光や熱の影響による酸化によって封止材層が黄変することを抑制でき、太陽光の透過率が低下し難いものが好ましい。
ところが、EVAは紫外線に長時間曝されると、黄変するおそれがある。そこで、黄変が抑制される封止材層を形成する封止材シートとして、各種の紫外線吸収剤や、光安定剤等を含有する封止材シートが示されている。例えば、特許文献1や特許文献2等には、紫外線吸収剤としてベンゾフェノン系の紫外線吸収剤を含有する封止材シートが開示されている。
太陽電池モジュールの光エネルギーを電気エネルギーに変換する発電効率は、一般に、太陽電池セルを構成する光起電力素子の半導体固有の分光感度と入射光スペクトル範囲に依存する。太陽光は波長300nmから2400nm又はそれ以上にわたる広いスペクトル域を有しているが、上記したように通常は、封止材シートの劣化を防ぐために、ベンゾフェノン系の紫外線吸収剤を含有する封止材シートが使われ、発電効率に寄与する波長400nm以下のUV光(紫外線)を全てカットしているため、高い発電効率が得られなかった。
近年、太陽電池の発電効率を向上させるために、紫外線スペクトル域の波長の光線を積極的に利用する傾向があり、そのための方法として、例えば、特許文献3には、保護透明板と基板との間にEVAからなる封止材層を設け、この中に太陽電池セルを配置した構造を有し、入射光が太陽電池セルに達するまでの波長360nmにおける光線透過率が40%以上70%以下とした太陽電池モジュールが開示されている。この具体的な実施形態としては、光線透過率を所定の数値範囲となるように、封止材に窒素原子を含まないサルチレート系化合物や、特にベンゾフェノン系化合物の紫外線吸収剤を添加する手法が提案されている。
特開平07−169986号公報 特開2000−183381号公報 特開2008−235610号公報
しかしながら、特許文献3に示されたように、EVAにベンゾフェノン系紫外線吸収剤を添加する場合、樹脂中の存在量がEVA100質量部に対して0.1質量部を超えた程度でも400nm以下のUV光は略90%以上カットされる。また、EVAに紫外線吸収剤を添加する場合、一般に紫外線吸収剤は低融点のため、溶融したEVA樹脂からブリードアウトや熱による揮散が生じて、マスターバッチの作製や、カレンダー法等での通常の成膜では、特定波長での光線透過量をコントロールする添加量の微妙な制御は困難であるという問題があった。
本発明は上記した問題点に鑑みなされたものであり、UV吸収剤を含有するEVA組成物において、UV吸収域を変更させることで、太陽電池の発電効率を向上させるEVA組成物からなる太陽電池モジュール用封止材シートと、それを具備した太陽電池モジュールを提供することを課題としている。
そこで、本発明は、前記課題を解決するため、以下の構成を採用した。
すなわち、本発明の請求項1に係る発明は、エチレン酢酸ビニル共重合体、およびベンゾエート系紫外線吸収剤を含有することを特徴とする太陽電池モジュール用封止材シートである。
また、本発明の請求項2に係る発明は、波長300nmから400nmにおける光線透過率が71%以上95%以下であり、波長200nmから280nmにおける光線透過率
が10%未満であることを特徴とする請求項1に記載する太陽電池モジュール用封止材シートである。
次に、本発明の請求項3に係る発明は、太陽電池セルと、前記太陽電池セルを封止する封止材層と、前記封止材層の表面側を保護する表面保護部材と、前記封止材層の裏面側を保護する裏面保護部材と、を有する太陽電池モジュールにおいて、
前記封止材層が請求項1または2に記載する太陽電池モジュール用封止材シートにより形成されていることを特徴とする太陽電池モジュールである。
本発明の封止材シートは、エチレン酢酸ビニル共重合体にベンゾエート系紫外線吸収剤を含有するため、従来のベンゾフェノン系紫外線吸収剤の添加では吸収カットされて利用されていなかった波長300nmから400nmの入射光の利用が可能となり、太陽電池モジュールの発電効率を向上させることができる。
また、本発明に係るベンゾエート系紫外線吸収剤は、例えば最大吸収波長が265nmであるため、特に低波長域の紫外線を吸収し、EVA等のポリオレフィンの紫外線劣化防止に貢献し、黄変を抑制する。また、上記した光線の透過・吸収機能は、樹脂中に一定の濃度以上存在することで確実に発揮されるため、封止材シートの製造が容易であり、高価な紫外線吸収剤の使用量を抑制可能である。
本発明の太陽電池モジュール用封止材シートが適用される太陽電池モジュールの一例の部分断面概略図である。 図1の太陽電池モジュールの製造工程を断面で示した概略図である。
本発明の太陽電池モジュール用封止材シートおよび太陽電池モジュールを一実施形態に基づいて以下に詳細に説明する。
[封止材シート]
本発明の封止材シートはEVAを含有する。封止材シートとしては、太陽光が入射し、これを透過して太陽電池セルに光を吸収させることから透明性を有することが必要である。また、表面保護部材および裏面保護部材との接着性を有することも必要であり、光起電力素子としての太陽電池セルの表面の平滑性を保持する機能を果たすために熱可塑性を有すること、さらには、光起電力素子としての太陽電池セルの保護ということから、耐スクラッチ性、衝撃吸収性等に優れていることが必要である。具体的には、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸、または、酸変性ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルブチラ−ル樹脂、シリコ−ン系樹脂、エポキシ系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂の1種ないし2種以上の混合物を使用することができる。本発明においては、太陽光の入射側の封止材シートとしては、耐光性、耐熱性、耐水性等の耐候性等の性能面と価格面を考慮すると、エチレン−酢酸ビニル系樹脂が望ましく必須の素材である。
EVAの全重合単位に対する酢酸ビニルに基づく重合単位の含有量は、押出加工の容易性の点から、10〜50質量%が好ましく、20〜40質量%がより好ましい。酢酸ビニルに基づく重合単位の含有量が10質量%以上であれば、EVAが溶融しやすく、押出加工が容易になる。また、酢酸ビニルに基づく重合単位の含有量が50質量%以下であれば
、製膜時の樹脂が膜になりやすく、シート加工が容易になる。EVAは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、本発明の封止材シートはベンゾエート系紫外線吸収剤を含有する。具体的には、例えば、2,4−ジ−t−ブチルフェニル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートを含有する。また、EVA樹脂の製膜時に混練される場合、加工時に高温に曝されることによりその一部が揮散することを避けるために、より高分子量体の、例えば、特許第3775844号明細書で開示されている、ベンゾエート系紫外線吸収剤を含有しても良い。
上記したベンゾエート系紫外線吸収剤を含有する本発明の封止材シートは、波長300nmから400nmにおける光線透過率が71%以上95%以下であり、波長200nmから280nmにおける光線透過率が10%未満である。上記した、ベンゾエート系紫外線吸収剤を含有することで、封止材層に紫外線吸収性能が付与される。300nm以下の低波長域の紫外線を吸収し、EVAの紫外線劣化防止に貢献し、黄変を抑制する。また、従来は吸収カットされて利用されていなかった波長300nmから400nmの入射光の利用が可能となり、太陽電池モジュールの発電効率を向上させることができる。封止材シート中のベンゾエート系紫外線吸収剤の配合量は、EVA100質量部に対して、0.01〜2質量部、好ましくは0.05〜1質量部の範囲で用いられる。
本発明の封止材シートには、上記した光線透過率の条件を損なわない範囲で、前記EVAおよびベンゾエート系紫外線吸収剤以外に、架橋剤、熱酸化防止剤、光安定剤、光酸化防止剤、シランカップリング剤その他の添加剤を添加し、混合することができる。
有機過酸化物を配合、または含浸することにより、封止材シートの熱架橋が可能となる。有機過酸化物としては、140℃における半減期が1時間以内の有機過酸化物が好ましい。有機過酸化物の具体例としては、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン等が挙げられる。有機過酸化物を使用する場合、その使用量は、EVA100質量部に対して、0.1〜5質量部が好ましい。
架橋助剤を配合、または含浸することで、EVAの架橋度をより大きくできる。架橋助剤としては、例えば、アリル基を有する化合物が挙げられる。アリル基を有する化合物としては、例えば、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ジアリルフタレート、ジアリルフマレート、ジアリルマレエート等が挙げられる。架橋助剤を使用する場合、その使用量は、EVA100質量部に対して、0.1〜5質量部が好ましい。
シランカップリング剤を配合することで、EVAと他の物質材料(表面保護部材、裏面保護部材、太陽電池セル等)との接着力が向上する。シランカップリング剤としては、例えば、γ−クロロプロピルメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。シランカップリング剤を配合する場合、その配合量は、EVA100質量部に対して、0.1〜5質量部が好ましい。
本発明の封止材シートの厚さは、100μm以上1000μm以下の範囲内であることが望ましく、さらには、200μm以上650μm以下の範囲内であることが好ましい。
[封止材シートの製造方法]
本発明の封止材シートは、EVA、ベンゾエート系紫外線吸収剤、および必要に応じて配
合する添加剤を含有する樹脂組成物を、押し出し法等により成膜する方法により製造できる。なお、樹脂組成物の加工時に混練される場合には、加工時に高温に曝されることにより紫外線吸収剤の一部が揮散してその能力が失われる恐れがあるため、予め添加剤を含有する樹脂組成物をつくる工程を省略して、押し出し機のバレル中のEVA樹脂内に紫外線吸収剤を直接注入してそのまま押し出し成膜する方法も採用できる。
成膜においては、ブロッキング防止のため、熱溶融した状態の樹脂シートの表面を、凹凸パターンが施されているロール(金属又は樹脂製)に密着させることで、該樹脂シートの片面もしくは両面に該ロールの凹凸パターンを転写させ、封止材シートにエンボス加工を施してもよい。封止材シートは、通常、単独の巻き取りロールとして製造し、太陽電池モジュールの大きさにシートカットして供給される。なお、後記する表面保護部材あるいは裏面保護部材上に直接成膜して、封止材シート付き表面保護部材、あるいは、封止材シート付き裏面保護部材として製造することも可能である。
[太陽電池モジュール]
本発明の太陽電池モジュールは、太陽電池セルと、前記太陽電池セルを封止する封止材層と、前記封止材層の表面側を保護する表面保護部材と、前記封止材層の裏面側を保護する裏面保護部材と、を有し、前記封止材層が前述した本発明の封止材シートにより形成されているモジュールである。以下、本発明の太陽電池モジュールの実施形態の一例を示して説明する。
本実施形態の太陽電池モジュール1は、図1に示すように、太陽電池セル4と、太陽電池セル4を封止する封止材層3と、封止材層3の表面側を保護する表面保護部材2と、封止材層3の裏面側を保護する裏面保護部材5とを有する。
[太陽電池セル]
太陽電池セル4は、光電効果により受光面に入射した光を電気に変換する機能を有するセルである。太陽電池セル4は、太陽電池モジュール1内において複数個(図1では2つ)が、図示しない電極によって接続されている。太陽電池セル4の数は特に限定されない。光起電力素子としての太陽電池セル4としては、従来公知のもの、例えば、単結晶シリコン型太陽電池セル、多結晶シリコン型太陽電池セル等の結晶系シリコン太陽電子セル、シングル接合型あるいはタンデム構造型等からなるアモルファスシリコン太陽電池セル、ガリウムヒ素(GaAs)やインジウム燐(InP)等のIII−V族化合物半導体太陽電池セル、カドミウムテルル(CdTe)や銅インジウムセレナイド(CuInSe)等のII−VI族化合物半導体太陽電池セル、有機太陽電池セル、その他等を使用することができる。さらに、薄膜多結晶性シリコン太陽電池セル、薄膜微結晶性シリコン太陽電池セル、薄膜結晶シリコン太陽電池セルとアモルファスシリコン太陽電池セルとのハイブリットセル等も使用することができる。なかでも、製造の簡便さとコスト面から、多結晶シリコン太陽電池セルが好ましい。
[封止材層]
封止材層3は、太陽電池セル4、4を包埋させて封止する層であり、前記した本発明の封止材シートにより形成される。封止材層3の厚さは、0.3〜0.6mmが好ましい。
[表面保護部材]
表面保護部材2としては、太陽光の透過性、絶縁性等を有し、さらに、耐候性、耐熱性、耐光性、耐水性、防湿性、防汚性、その他等の諸特性を有し、物理的あるいは化学的強度性、強靱性等に優れ、極めて耐久性に富み、さらに、光起電力素子としての太陽電池素子の保護ということから、耐スクラッチ性、衝撃吸収性等に優れていることが必要である。表面保護部材2としては、例えば、公知のガラス板、さらに、例えば、ポリアミド系樹脂
(各種のナイロン)、ポリエステル系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アセタ−ル系樹脂、その他の各種の樹脂フィルムないしシ−ト等が挙げられる。表面保護部材2の厚さは、ガラス板であれば、3〜6mmが好ましく、樹脂シート等であれば、0.1〜1mmが好ましい。
[裏面保護部材]
裏面保護部材5としては、耐久性、耐候性に優れたものが好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT),ポリシクロヘキサンジメタノール−テレフタレート(PCT)などのポリエステル系樹脂、パーフルオロアルコキシ樹脂(PFA)、4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体(FEP)、エチレン−4フッ化エチレン共重合体(ETFE)、塩化−3フッ化エチレン樹脂(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂、ポリカーボネート系樹脂、あるいはポリアクリルニトリル、アクリル系樹脂、メタクリル樹脂、ポリグリコール酸樹脂、ポリ乳酸樹脂から選択される樹脂シート、及びそれらの積層体等が挙げられる。また、前記樹脂シートや積層体には、水蒸気バリア性、酸素バリア性を付与するバリア層を積層しても良い。裏面保護部材5の厚さは、0.2〜0.4mmが好ましい。
[太陽電池モジュールの製造方法]
本発明の太陽電池モジュールの製造方法は、本発明の封止材シートを使用する以外は、公知の製造方法を使用できる。以下、本発明の太陽電池モジュールの製造方法の一例を説明するが、本発明の太陽電池モジュールの製造方法は、以下に示す方法には限定されない。
図2に示すように、表面保護部材2上に、封止材シート3A、太陽電池セル4,4、封止材シート3B、裏面保護部材5をこの順に積層して積層体1Aとする。次いで、積層体1Aを真空状態で加熱加圧する真空ラミネートを行い、封止材シート3A、封止材シート3B内に太陽電池セル4,4を埋没させ、封止材シート3A、封止材シート3Bの樹脂基材(EVA)を架橋硬化させて接着一体化することで封止材層3を形成させる。これにより、図示しないリード線がモジュール外に引き出されて電力が取り出される、太陽電池モジュール1が得られる。
封止材シート3Aと封止材シート3Bは本発明の封止材シートであり、同じ組成の封止材シートであってもよく、異なる組成の封止材シートであってもよいが、均一に架橋構造が形成されることで良好な品質のモジュールが得られやすい点から、同じ組成の封止材シートであることが好ましい。
以上説明した本発明の太陽電池モジュールは、その封止材層のEVAにベンゾエート系紫外線吸収剤を含有していることで、低波長域の紫外線が吸収されて、EVA等の黄変が抑制され、長期間安定して使用できる。さらに、従来吸収カットされて利用されていなかった波長300nmから400nmの入射光も利用できるため、発電効率を向上させることができる。
以下、具体的実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。
<実施例1>
[EVAフィルムの作成]
EVA100質量部に対して、ベンゾエート系紫外線吸収剤を0.1質量部配合した樹脂組成物を、樹脂温度110℃で押し出し成形して、厚み0.45mmのEVAフィルムを
作成した。
このとき用いた材料は以下である。
・EVA:全重合単位における酢酸ビニルに基づく重合単位が28質量%のEVA
・ベンゾエート系紫外線吸収剤:2,4−ジ−t−ブチルフェニル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート
[架橋EVAシートの作成]
次に、このEVAフィルムを100×100mmにカットし、真空ラミネーターを用いて150℃16分間処理を実施して、実施例1の架橋EVAシートを作成した。
[擬似モジュールの作成]
また、このEVAフィルムをA4サイズにカットし、厚さ3mmのガラス板/EVAフィルム/厚さ25μmのPVFフィルムのバックシートの順に重ねて、真空ラミネーターを用いて150℃16分間ラミネート処理を実施して、実施例1の擬似モジュールを作成した。
<比較例1>
紫外線吸収剤をベンゾフェノン系紫外線吸収剤に変えた以外は実施例1と同様にして、比較例1の架橋EVAシート、及び、比較例1の擬似モジュールを作成した。
このとき用いた材料は以下である。
・ベンゾフェノン系紫外線吸収剤:2,2−ジヒドロキシ−4,4−ジメトキシベンゾフェノン
[全光線透過率の測定]
実施例1の架橋EVAシート、及び、比較例1の架橋EVAシートを30×50mmにカットし、それぞれ分光器(島津製作所製)で、波長200nm〜800nmの範囲で1nm毎に全光線透過率を測定した。その結果を表1に示す。実施例1では、UV吸収開始波長が300nmで、300nm〜400nmのUV域を透過するのに対して、比較例1では、UV吸収開始波長が400nmで、400nm以下のUV域をほぼ全て吸収する。
Figure 2012169472
[発電効率測定]
ソーラーシュミレーターを使用して、実施例1の擬似モジュール、及び、比較例1の擬似モジュールの発電効率を測定した。その結果を表1に示す。実施例1では、発電効率(変換効率η%)16.21%に対して、比較例1では発電効率(変換効率η%)15.90%となり、本発明の封止材シートを用いることで、発電効率が約0.2%向上した。
[UV照射試験]
実施例1の架橋EVAシート、及び、比較例1の架橋EVAシートを30×50mmにカットし、それぞれUV試験機に投入しキセノンランプにより250時間UVを照射した後の黄変度合いを初期と比較して、ΔYI値が2.0未満を○、ΔYI値が2.0以上を×として評価した。その結果を表1に示す。実施例1、比較例1共にΔYI値は1.2以下で良好であり、その黄変度合いに差は認められなかった。
以上の結果、本発明の封止材シートを適用した太陽電池モジュールでは、その発電効率を向上させることができ、また300nm〜400nmのUV光を透過させることによる樹脂の劣化は見られなかった。ちなみに、通常、地球上の太陽光線の組成では、波長290nm〜320nmが2.0%、波長320nm〜360nmが2.8%を占めていて、360nm以下の紫外線を利用することで、理論的な発電効率は2〜3%向上できるといわれており、本実施例の0.2%の向上は実用上有用な結果であると言える。
1・・・太陽電池モジュール 2・・・表面保護部材 3・・・封止材層
3A、3B・・・太陽電池モジュール用封止材シート 4・・・太陽電池セル
5・・・裏面保護部材 1A・・・積層体

Claims (3)

  1. エチレン酢酸ビニル共重合体、およびベンゾエート系紫外線吸収剤を含有することを特徴とする太陽電池モジュール用封止材シート。
  2. 波長300nmから400nmにおける光線透過率が71%以上95%以下であり、波長200nmから280nmにおける光線透過率が10%未満であることを特徴とする請求項1に記載する太陽電池モジュール用封止材シート。
  3. 太陽電池セルと、前記太陽電池セルを封止する封止材層と、前記封止材層の表面側を保護する表面保護部材と、前記封止材層の裏面側を保護する裏面保護部材と、を有する太陽電池モジュールにおいて、前記封止材層が請求項1または2に記載する太陽電池モジュール用封止材シートにより形成されていることを特徴とする太陽電池モジュール。
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