JP5482276B2 - 太陽電池用封止材及び太陽電池モジュール - Google Patents

太陽電池用封止材及び太陽電池モジュール Download PDF

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Description

本発明は、太陽電池用封止材及び太陽電池モジュールに関し、特に封止材のクッション性を向上させ、ガラス板や裏面保護シートとの密着性の低下を抑制できる、コスト面に優れた太陽電池用封止材、及びそれを用いた太陽電池モジュールに関する。
近年、地球温暖化に対する関心が高まっており、二酸化炭素の排出抑制のために、種々努力が続けられている。化石燃料の消費量の増大は、大気中の二酸化炭素の増加をもたらし、その温室効果により地球の気温が上昇し、地球環境に重大な影響を及ぼす。該問題の解決策としては、クリーン性、無公害性という点から、特に太陽光発電への期待が高まっている。
太陽電池は、太陽光エネルギーを直接電気に換える太陽光発電システムの心臓部を構成するものであり、単結晶、多結晶、あるいはアモルファスシリコン系の半導体からできている太陽電池セル(太陽電池素子単体)を有する。太陽電池においては、太陽電池セルがそのままの状態で使用されることはなく、一般的に数枚〜数十枚の太陽電池セルが直列、並列に配線される。また、長期間(約20年)にわたって太陽電池セルを保護するために、種々パッケージングが行われ、ユニット化される。このパッケージングに組み込まれたユニットは太陽電池モジュールと呼ばれ、一般的に太陽光が当たる面をガラス面で覆い、熱可塑性プラスチックからなる封止材で間隙を埋め、裏面を裏面保護シートで保護する。
一般的に封止材は、ガラス板と太陽電池セル、太陽電池セルと裏面保護シートの隙間を封止し接着する接着剤の役割と、外部からの引っかきや衝撃から太陽電池セルを保護する役割とがある。すなわち、密着性、耐候性、耐熱性および、衝撃や熱膨張、熱収縮に耐えられるクッション性を兼ね備えた性能が要求されている。また、一般家庭への普及拡大が図られており、より低コストでの製品の提供が急務となっている。
しかしながら、従来の太陽電池モジュールにおいては、その組立工程において、封止材のクッション性の不足により太陽電池セルが損傷することがあり、生産効率の低下を招いていた。
特許文献1では、組立工程の生産効率を上げるために、組立工程の条件を規定することにより、生産効率の向上を図っている。しかしながら、封止材のクッション性の不足により、封止材自体の厚みはなかなか薄くできない状況である。
また特許文献2には、耐候性、耐湿性の向上のために、少なくとも架橋剤を有していないシート層を有した封止材の製造方法が開示されているが、製造工数が従来よりも多くなり、煩雑になるという問題があった。
特許第4290194号公報 特許第3740251号公報
本発明は、上記問題を鑑みてなされたものであり、クッション性に優れるとともに、ガラス面、太陽電池セル、裏面封止シートとの密着性を低下させること無く、さらには製造コストパフォーマンスに優れている太陽電池用封止材、および太陽電池モジュールを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
請求項1に記載の発明は、少なくとも表面層と内部層とが交互に3層以上に積層されてなり、前記表面層と前記内部層とは、硬化後の架橋密度が異なる太陽電池用封止材であって、前記表面層および内部層は架橋剤を含有するとともに、前記表面層の架橋密度は85%以上であり、内部層の架橋密度は30〜70%であることを特徴とする太陽電池用封止材である。
請求項2に記載の発明は、 前記表面層と内部層とが多層押出法により成形されてなることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池用封止材である。
請求項3に記載の発明は、太陽電池セルと、前記太陽電池セルを内部に包埋させて封止する封止材と、前記封止材における前記太陽電池セルの受光面側に位置するガラス板と、前記封止材における前記太陽電池セルの裏面側に位置する裏面保護シートと、を有し、前記封止材が、請求項1または2に記載の太陽電池用封止材により形成されている太陽電池モジュールである。

本発明によれば、クッション性に優れるとともに、ガラス面、太陽電池セル、裏面封止シートとの密着性を低下させること無く、さらには製造コストパフォーマンスに優れている太陽電池用封止材、および太陽電池モジュールを提供することができる。
とくに、本発明の封止材は、架橋密度が30〜70%である内部層を配置することで、封止材にクッション性を持たせることができ、組立工程での太陽電池セルの損傷を防止することができる。また、太陽電池セルおよび裏面封止シートとの接着面が、架橋密度85%以上の表面層で構成されることで、太陽電池セルおよび裏面封止シートとの密着性の低下がない。
また、本発明の封止材が多層押出法で製造されることにより、製造工程の煩雑さが無く、コストパフォーマンスに非常に優れた太陽電池モジュールを提供することが可能である。
本発明の太陽電池用封止材の実施形態の一例を示した断面図である。 本発明の太陽電池モジュールの製造方法の一工程を示した断面図である。 本発明の太陽電池モジュールの製造方法の一工程を示した断面図である。 本発明の太陽電池モジュールの製造方法の一工程を示した断面図である。
[太陽電池用封止材]
本発明の太陽電池用封止材(以下、単に「封止材」という。)は、太陽電池モジュールにおいて、太陽電池セルの両面を封止する封止材であり、太陽電池セルを内部に包埋させて封止する封止材を形成するものである。
本発明の封止材は、好ましくは透明樹脂中に分散された架橋剤および架橋助剤を含有し、その内部層と表面層とで、前記架橋剤および架橋助剤の架橋度が異なる構造を有する。つまり、本発明の封止材は、内部層と、該内部層の両面側に位置する表面層とを交互に有する3層以上の積層体を有する。
以下、本発明の封止材の実施形態の一例を示して詳細に説明する。
本発明の封止材としては、図1に示すように、表面層3、内部層2、表面層3がこの順に積層された3層構成の積層体を有する封止材1が好ましい。
封止材1の透明樹脂としては、太陽電池セルを封止する封止材として通常用いられる公知の透明樹脂が使用できる。
例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;アイオノマー;エチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、「EVA」という。);ポリフッ化ビニル;ポリ塩化ビニル、または、これらの共重合体が挙げられる。なかでも、透明性、クッション性、耐候性、に優れ、安価である点から、EVAが好ましく、酢酸ビニル単位の含有量が10〜40質量%のEVAがより好ましい。
一般に封止材1においては、太陽電池モジュールの耐熱性、物理的強度が向上する点から、封止材中の透明樹脂を熱あるいは光などにより架橋する。
熱架橋を行う場合には、各層に有機過酸化物を配合することが好ましい。有機過酸化物としては、70℃以上の温度で分解してラジカルを発生するものが好ましい。
例えば、半減期10時間、分解温度が50℃以上の有機過酸化物として、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロキシパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジクミルパーオキサイド、α,α'−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、n−ブチル−4,4−ビス−(t−ブチルパーオキシ)バレレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ベンゾイルパーオキサイドなどが挙げられる。
光硬化を行う場合には、各層に光増感剤を配合することが好ましい。例えば、ベンゾフェノン、オルソベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルサルファイド、イソプロピルチオキサントンなどの水素引き抜き型(二分子反応型);ベンゾインエーテル、ベンジルジメチルケタールなどの内部開裂型;2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アルキルフェニルグリオキシレート、ジエトキシアセトフェノンなどのα−ヒドロキシアルキルフェノン型;2−メチル−1−[4(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1などのα−アミノアルキルフェノン型などが挙げられる。また、アシルフォスフィンオキサイドなどを用いてもよい。
また、封止材1には、密着性の向上及び硬化反応を促進する目的でエポキシ基含有化合物が配合されていてもよい。
エポキシ基含有化合物としては、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、アクリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、フェノールグリシジルエーテル、p−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、o−フタル酸ジグリシジルエステル、グリシジルメタクリレート、ブチルグリシジルエーテルなどの化合物や、エポキシ基を含有する質量平均分子量が数百から数千のオリゴマー、質量平均分子量が数千から数十万のポリマーなどが挙げられる。
また、封止材1には、封止材の架橋、接着性、機械的強度、耐熱性、耐湿熱性、耐候性などを向上させる目的で、アクリロキシ基含有化合物、メタクリロキシ基含有化合物又はアリル基含有化合物が配合されていてもよい。
アクリロキシ基含有化合物及びメタクリロキシ基含有化合物としては、(メタ)アクリル酸のアルキルエステル、アミドなどの(メタ)アクリル酸誘導体が好ましい。
前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、ドデシル基、ステアリル基、ラウリル基、シクロヘキシル基、テトラヒドロフルフリル基、アミノエチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル基などが挙げられる。また、(メタ)アクリル酸のアルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸と多官能アルコール(エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなど。)とのエステルが挙げられる。
(メタ)アクリル酸のアミドとしては、アクリルアミドなどが挙げられる。
アリル基含有化合物としては、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、フタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリルなどが挙げられる。
また、封止材1には、ガラス板11との密着性を向上させる目的で、シランカップリング剤が配合されていてもよい。
シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
その他、封止材1には、難燃性を付与する無機化合物、耐候性を付与する紫外線吸収剤、酸化劣化を防止する酸化防止剤が配合されていてもよい。
ところで封止材1は、ガラス板と太陽電池セル、太陽電池セルと裏面保護シートの隙間を封止し接着する接着剤の役割と、外部からの引っかきや衝撃から太陽電池セルを保護する役割とがある。すなわち、密着性、耐候性、耐熱性および、衝撃や熱膨張、熱収縮に耐えられるクッション性を兼ね備えた性能が要求されている。
本発明の封止材1の表面層3は、硬化後の架橋度は、85%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。架橋度が前記範囲内であれば、ガラス板、太陽電池セル、裏面保護シートとの密着性を損なうことがない。架橋度が85%未満であると、ガラス板との密着性が不十分となり、太陽電池モジュールとしての性能を発揮しなくなる。
なお本発明でいう架橋度は、太陽電池モジュール作成工程で熱圧着した後に封止材を引き剥がし、その1gをキシレン100ccに浸漬し、12時間、110℃で溶融させ、(溶融後の重量)/(溶融前の重量) × 100で求めることができる。
本発明の封止材1の内部層2は、硬化後の架橋度は、30〜70%が好ましく、40〜60%がより好ましい。架橋度が前記範囲内であれば、クッション性が向上するため、衝撃や不均一な荷重に対しての柔軟性が増し、太陽電池モジュールの組立工程における太陽電池セルの損傷する割合を減らすことが可能となる。すなわち、従来と同一のクッション性を要するのに、封止材の厚みを薄くすることが可能となり、生産性の向上や製造コスト削減に大きく寄与することが可能となる。また、架橋剤および架橋助剤自体の配合量を削減することができ、製造コスト削減につながる。一方、架橋度が70%より大きいと、クッション性が不十分となりやすく、封止材の厚みを薄くすることができなくなる。また、架橋度が30%未満となると、クッション性という観点では良好であるが、柔軟性が大きくなりすぎるため、太陽電池モジュールの厚みが不均一になりやすく、また、熱によりクリープ現象がおこり、すべりが生じてしまうため、組立工程での不具合や太陽電池モジュールとしての性能が発揮できないことがある。
本発明の封止材1の総厚みは、0.2〜1.0mmが好ましく、0.2〜0.6mmがより好ましい。封止材1の総厚みが0.2mm以上であれば、太陽電池セルを埋設するのに十分であるとともに、太陽電池セル及び裏面保護シートとの密着性が向上し、クッション性も向上する。封止材1の総厚みが1.0mm以下であれば、封止材1の透過率を確保しやすく、太陽電池モジュールとしての変換効率性能を確保しやすい。
本発明の封止材1における内部層2の厚みdAと、表面層3の厚みdBの比dB/dAは、特に限定されず、1/19〜1/1であることが好ましく、1/10〜1/1であることがより好ましい。
比dB/dAが1/19以上であれば、表面層3の厚みが薄くなりすぎることを抑制できるため、封止材の成形が容易になる。比dB/dAが1/1以下であれば、内部層2の厚みが薄くなりすぎることを抑制しやすいため、架橋材の含有量を抑制でき、封止材の成形が容易になる。
本発明の封止材の製造方法としては、複数の押出機を用いて内部層2と表面層3とを多層押出法により成形する方法が好ましい。すなわち、内部層の架橋度に応じた架橋剤、架橋助剤及び必要に応じて各種添加剤を含有する透明樹脂組成物と、表面層の架橋度に応じた架橋剤、架橋助剤及び必要に応じて各種添加剤を含有する透明樹脂組成物とをそれぞれ調製し、多層押出法により各層を一体成形して封止材を得る方法が好ましい。多層押出法を用いることにより、3層以上の複雑な積層体であるにも関わらず、工程数を増やさずに、より低コストで品質に優れた封止材を製造できる。
本発明の封止材を用いれば、太陽電池モジュールにおいて、封止材とガラス面、封止材と太陽電池セル、及び封止材と裏面保護シートとの密着性の低下を抑制しつつ、クッション性能を高めることができる。
なお、本発明の封止材は、前記封止材1には限定されない。例えば、5層以上の積層体を有する封止材であってもよい。
[太陽電池モジュール]
本発明の太陽電池モジュールは、前述した本発明の封止材を用いて製造した太陽電池モジュールである。以下、本発明の太陽電池モジュールの実施形態の一例として、前記封止材1を用いた太陽電池モジュール10について説明する。
太陽電池モジュール10は、図3に示すように、複数の太陽電池セル12と、それら太陽電池セル12を内部に包埋するように封止する封止材1と、封止材1における太陽電池セル12の受光面側に位置するガラス板11と、封止材1における太陽電池セル12の裏面側に位置する裏面保護シート13と、を有する。
封止材1は、表面層3がガラス板11、太陽電池セル12及び裏面保護シート13と接触しており、内部層2が表面層3の間に位置している。
太陽電池セル12は、光電効果により受光面に入射した太陽光を電気に変換する機能を有するセルである。太陽電池セル12としては、例えば、単結晶シリコン基板や多結晶シリコン基板などからなり、内部にPN接合が形成され、その受光面と裏面に電極が設けられ、さらに受光面に反射防止膜が設けられたセルなどが挙げられる。 太陽電池セル12の厚みは、通常0.3mm程度、大きさは、多結晶シリコンの太陽電池セルでおよそ150mm角程度のものが多い。
ガラス板11としては、例えば、白板ガラス、強化ガラス、倍強化ガラス、熱線反射ガラスなどが挙げられ、白板強化ガラスが好ましい。
ガラス板11の厚みは、3〜5mmが好ましい。
裏面保護シート13としては、例えば、太陽電池モジュールの裏面側から水分が透過しないようにアルミニウム箔を挟持した積層構造を有する、優れた耐候性を有するフッ素系樹脂シートや、アルミナ又はシリカを蒸着したポリエチレンテレフタレート(PET)シートなどが挙げられる。
裏面保護シート13の厚みは、15〜400μmが好ましい。
太陽電池モジュール10の製造方法としては、本発明の封止材を用いる以外は公知の製造方法を用いることができ、例えば、図2に示すように、裏面保護シート13、封止材1、太陽電池セル12、封止材1、ガラス板13をこの順に積層して積層体10とし、真空ラミネートにより、封止材1内に光電変換セル12を包埋させ、それら封止材1の透明樹脂を架橋硬化させて図3に示すように接着一体化することで太陽電池モジュール10を形成する方法が挙げられる。
具体的には、下記工程(1)〜(4)を有する方法が挙げられる。
(1)図4(a)に示すように、加熱された天板100(約120〜160℃)上にガラス板11、封止材1、電極により接続された複数の太陽電池セル12、封止材1、裏面保護シート13をこの順に積層して積層体とする。
(2)チャンバー101及びチャンバー102を真空引きする。
(3)チャンバー102を大気開放し、耐熱性を有するゴムシート103を前記積層体に密着させる。
(4)工程(3)の密着による熱及び圧力により、図4(b)に示すように、封止材1であるEVAを溶融し、太陽電池セル12を封止材1中に包埋し、ガラス板11及び裏面保護用シート13と接着させながら封止材1を架橋・固化させて太陽電池モジュール10を形成する。
工程(4)における架橋反応は、ラミネート後に別ラインに設けたオーブンにて架橋反応させる場合と、ラミネーター内部で架橋反応させる場合とに分類される。前者はスタンダードキュアといわれるタイプであり、後者はファストキュアといわれるタイプであり、所望の方法を使用できる。
本組立工程においては、従来技術では、加熱・加圧した際に、しばしば太陽電池セルの損傷が見られる。この原因の一つとして、封止材のクッション性の不足が考えられる。
本発明の封止材においては、クッション性が向上しているため、従来品と同一厚みの場合には、クッション性の不足による太陽電池セルの損傷の割合が減少し、組立工程における不良率を減らすことができる。また、従来品と同一のクッション性が必要な場合には、従来品よりも厚みを薄くすることができるため、製造コストを抑制することができる。すなわち、低コストで高品質の封止材を提供することが可能となる。
以上説明した太陽電池モジュール10は、本発明の封止材を用いることにより、封止材とガラス板、封止材と太陽電池セル、及び封止材と裏面保護シートとの密着性の低下の抑制と、優れたクッション性とを両立できる。
また、本発明の封止材を多層押出法により作製することで、簡易に一体成形を行うことができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は以下の記載によっては限定されない。なお、本実施例における「部」は「質量部」を意味する。
[実施例1]
封止材の内部層と表面層の製造用として、下記樹脂組成物および添加剤を用い、スクリュー直径65mmの押出機とスクリュー直径40mmの押出機により多層押出を行い、表面層、内部層、表面層が順次積層された3層からなるシート状の封止材を作製した。この際、総厚みおよび各層の厚みが表1の通りになるように調整した。
樹脂組成物および添加剤:
透明樹脂 EVA(酢酸ビニル単位:30質量%) 100部
架橋剤 2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン
0.7部
架橋助剤 トリアリルイソシアヌレート 0.7部
紫外線吸収剤 ベンゾフェノン系紫外線吸収剤 0.3部
酸化防止剤 リン系酸化防止剤 0.1部
光安定剤 ヒンダードアミン系光安定剤 0.3部
なお、上記質量部は硬化後の架橋度が90%となるように調整したものであり、架橋度が表1のように変更する場合は、架橋剤および架橋助剤の質量部を調整した。
[実施例2]
内部層の架橋度を表1に示すとおりに架橋剤、架橋助剤の配合を変更した以外は、実施例1と同様にして封止材を作製した。
[実施例3]
総厚みを0.4mm、内部層厚みを0.3mmに変更した以外は、実施例1と同様にして封止材を作製した。
[実施例4]
総厚みを0.4mm、内部層厚みを0.3mmに変更し、内部層の架橋度を表1に示すとおりに架橋剤、架橋助剤の配合を変更した以外は、実施例1と同様にして裏面側封止材を作製した。
[実施例5]
総厚みを0.3mm、内部層厚みを0.2mmに変更した以外は、実施例1と同様にして封止材を作製した。
[実施例6]
総厚みを0.3mm、内部層厚みを0.2mmに変更し、内部層の架橋度を表1に示すとおりに架橋剤、架橋助剤の配合を変更した以外は、実施例1と同様にして裏面側封止材を作製した。
[比較例1]
内部層の架橋度の低いものを作製するため、架橋剤、架橋助剤の配合を変更した以外は、実施例1と同様にして封止材を作製した。架橋度は表1に示すとおりに変更した。
[比較例2]
総厚みを0.3mm、内部層厚みを0.2mmに変更し、内部層の架橋度は比較例1と同様のものを作製した。
[比較例3]
総厚みを0.3mm、内部層厚みを0.2mmに変更し、内部層の架橋度の高いものを作製した。架橋度は表1に示すとおりに変更した。
[評価方法]
下記に示すガラス板11、封止材1、太陽電池セル12、封止材1及び裏面保護シート13を、図2に示すように積層して積層体10とした。該積層体10を真空ラミネーターにて140℃で加熱、圧着することで、太陽電池セル12を封止材間に包埋させ、それら封止材の透明樹脂を架橋硬化させ、図3に例示した太陽電池モジュールを作製した。
ガラス板11:白板強化ガラス(厚み3mm)。
封止材:各例で作成した封止材。
裏面保護シート:厚み38μmのポリフッ化ビニル系樹脂シート(PVF)上に、厚み300nmのアルミニウム蒸着層を有する厚み38μmのポリフッ化ビニル系樹脂シート(PVF)を、アクリル系樹脂の接着剤を介して積層したシート。
得られた太陽電池モジュールについて、以下に示すように、密着性及びクリープ性、クッション性の評価を行った。
(封止材と裏面保護シートとの密着性評価)
得られた太陽電池モジュールを、85℃−85%RH環境で、1000時間保管した後、封止材と裏面保護シートとの密着性を評価した。前記密着性は、裏面保護シート13と封止材1の界面にカッターナイフで剥離きっかけとして切り込みを入れ、裏面保護シート13を接着強度測定機のチャックに固定し、90°の角度で裏面側封止材/裏面保護シート間の接着強度を測定し、下記基準で評価した。接着強度測定機としては、株式外社オリエンテック製テンシロン万能試験機RTC−1250を用いた。また、測定条件は、15mm幅の接着強度測定とし、剥離速度は300mm/分とした。
○:接着強度が30N/15mm以上であった。
×:接着強度が30N/15mm未満であった。
(クリープ性評価)
太陽電池モジュールを100℃のオーブン中に垂直に立て1週間保存した。封止材がクリープあるいは剥離しているか否かを観察し評価した。
○:封止材のクリープあるいは剥離のないもの。
×:封止材のクリープあるいは剥離が生じたもの。
(クッション性評価)
作製した封止材サンプルを厚み2mmに重ね合わせ、110℃にて加熱し架橋させた後、引張試験(JIS K7113)にて封止材の破断点伸度を測定し、クッション性を下記基準により評価した。測定機としては、株式会社オリエンテック製テンシロン万能試験機RTC−1250を用いた。また引張速度は200mm/分とした。
○:破断点伸度が600%以上であったもの。
×:破断点伸度が600%未満であったもの。
実施例及び比較例の評価結果を表1に示す。
Figure 0005482276
表1に示すように、表面層、内部層及び表面層が積層された3層構成からなる本発明の封止材を用いた実施例1〜6では、封止材の厚みが薄くなってもクッション性、クリープ性、密着性が優れていた。
一方、内部層の架橋度が20%である比較例1、2では、厚みに関係なくクリープ性が劣る結果となった。
また、内部層の架橋度が80%、総厚みが0.3mmである比較例3では、クリープ性は優れているものの、クッション性が劣る結果となった。
1…封止材
2…内部層
3…表面層
10…太陽電池モジュール
11…ガラス板
12…太陽電池セル
13…裏面保護シート
100…天板
101、102…チャンバー
103…ゴムシート

Claims (3)

  1. 少なくとも表面層と内部層とが交互に3層以上に積層されてなり、前記表面層と前記内部層とは、硬化後の架橋密度が異なる太陽電池用封止材であって、前記表面層および内部層は架橋剤を含有するとともに、前記表面層の架橋密度は85%以上であり、内部層の架橋密度は30〜70%であることを特徴とする太陽電池用封止材。
  2. 前記表面層と内部層とが多層押出法により成形されてなることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池用封止材。
  3. 太陽電池セルと、前記太陽電池セルを内部に包埋させて封止する封止材と、前記封止材における前記太陽電池セルの受光面側に位置するガラス板と、前記封止材における前記太陽電池セルの裏面側に位置する裏面保護シートと、を有し、前記封止材が、請求項1または2に記載の太陽電池用封止材により形成されている太陽電池モジュール。
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