JP2013139538A - 波長変換性樹脂組成物および太陽電池封止材 - Google Patents

波長変換性樹脂組成物および太陽電池封止材 Download PDF

Info

Publication number
JP2013139538A
JP2013139538A JP2012001070A JP2012001070A JP2013139538A JP 2013139538 A JP2013139538 A JP 2013139538A JP 2012001070 A JP2012001070 A JP 2012001070A JP 2012001070 A JP2012001070 A JP 2012001070A JP 2013139538 A JP2013139538 A JP 2013139538A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
substituted
unsubstituted
solar cell
wavelength
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012001070A
Other languages
English (en)
Inventor
Takahiko Uesugi
隆彦 上杉
Keisuke Masuko
啓介 増子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Artience Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Ink SC Holdings Co Ltd filed Critical Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Priority to JP2012001070A priority Critical patent/JP2013139538A/ja
Publication of JP2013139538A publication Critical patent/JP2013139538A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/52PV systems with concentrators

Landscapes

  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Sealing Material Composition (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Photovoltaic Devices (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、光散乱の抑制、波長変換効果により太陽電池モジュールの初期変換効率が向上し、長期間太陽光にさらされても波長変換効果の低下および封止材用樹脂の黄変を最小限に抑制することができるため、長期間にわたり高い変換効率の維持を可能にする太陽電池封止材用樹脂組成物、及び太陽電池封止材を提供することを目的とする。
【解決手段】3−ヒドロキシクロモン誘導体(A)と、熱可塑性樹脂(B)とを含むことを特徴とする太陽電池封止材用樹脂組成物。
【選択図】図1

Description

本発明は、波長変換性樹脂組成物に関する。
近年、太陽光発電システムは、地球温暖化対策や、枯渇懸念のある化石燃料代替の観点から、クリーンで持続的なエネルギーシステムとして、世界中で関心が高まっている。そのため、太陽電池市場は、年率3割近い成長率で急拡大している。また、太陽光発電システムは、昨今の原子力発電の安全性への懸念や、緊急時の自家発電等の面からも注目されている。現在主流の太陽光発電は、結晶シリコンやアモルファスシリコン等のシリコン系やCdTe、CIGS等の化合物半導体系の太陽電池モジュールと周辺装置から構成されている。しかし太陽光発電システムのさらなる拡大には、発電コストの低減が最大の課題である。ここ数年、太陽光発電の発電コストは、技術革新により従来に比べて大幅に下がっている。しかしながら、現時点の太陽光発電の発電コストは、他のエネルギーと比較して依然割高であり、太陽電池モジュールの高効率化、長寿命化などの技術革新が求められている。
次に、太陽光発電システムの中核となる太陽電池モジュールの発電効率を向上するためには、太陽電池モジュールの発電素子の受光性、透明性、電気特性等の各種性能の向上が必要とされ、さらに発電そしを環境から守る太陽電池封止材にも諸性能が求められていた(特許文献1、2および3参照)。
しかし、これらの太陽電池封止材は、もともと高い透明性を備える樹脂を用いているため、大幅な透明性の向上は難しかった。
また、結晶系のシリコン発電素子を使用した太陽電池モジュールは、特性上、太陽光の紫外線領域は分光感度が低く、発電に太陽光を有効に活用できていない問題があった。そこで、特許文献4および5では、紫外光を吸収して、可視光領域で発光する波長変換材料として有機金属錯体を配合して、発電効率が向上した封止材および太陽電池モジュールが開示されている。
特開2000−183381号公報 特開2009−152543号公報 特開2008−153520号公報 国際公開第2008/047427号 特開2010−258293号公報
しかし、特許文献4および5の太陽電池モジュールは、有機金属錯体の配位子に耐光性が無いため、太陽光を長期間受けると、前記配位子が劣化し、分子構造が変化するため波長変換効率が急速に低下する。そして、この有機金属錯体の劣化により太陽電池封止材に使用した樹脂が黄色に変色するため、発電効率が大幅に低下する問題があった。さらに、有機金属錯体と、太陽電池封止材に使用した樹脂の屈折率の差が大きいため、有機金属錯体が変換できない波長の光が太陽電池封止材の内部で散乱する。この散乱により発電素子が光を受けにくくなる問題があった。
本発明の波長変換材料を配合した太陽電池封止材は、太陽光を受けたときに封止材内部の光の散乱が少ない。そのため発電素子は太陽光を受けやすくなる。また、太陽電池封止材は、波長変換作用により、紫外線を長波長域に変換する。この波長変換は、吸収と発光ピークの差を広げる、すなわち広いストークスシフト(Stokes shift)を実現できる。これらにより太陽電池モジュールの初期の発電効率が大幅に向上する。さらに太陽電池封止材は、長期間太陽光を受け続けても、黄色に変色しにくい。そして、この変色しにくい性質により太陽電池モジュールの発電効率を長期間高い状態で維持できる。以上のような特徴を有する波長変換性樹脂組成物および太陽電池封止材の提供を目的とする。
本発明は、3−ヒドロキシクロモン誘導体と、熱可塑性樹脂とを含む波長変換性樹脂組成物である。
本発明の波長変換性樹脂組成物に配合した3−ヒドロキシクロモン誘導体は、紫外線を可視領域の光に変換する、すなわち波長変換材料として働く。この3−ヒドロキシクロモン誘導体は、ストークスシフトを広げることに加えて、発光量子収率Φをも大きく向上できる。発光量子収率Φは、波長変換材料が吸収した光子数に対する放出した光子数の比を表す。さらに3−ヒドロキシクロモン誘導体と熱可塑性樹脂は、光の屈折率の差が少ないので太陽光が太陽電池封止材の内部で散乱しにくい。この光が散乱しにくい性質により、発電素子は、太陽光を受ける量が増大するため太陽電池モジュールの初期の発電効率を向上できる。また、3−ヒドロキシクロモン誘導体は、紫外線により分解しにくいため、それを含む太陽電池モジュールは、前記の発電効率を長期間維持できる。
本発明により、波長変換性樹脂組成物を成形した太陽電池封止材を使用した太陽電池モジュールは、太陽電池モジュールの初期の発電効率が大幅に向上する。さらに、この太陽電池封止材は、長期間太陽光を受け続けても、黄色に変色しにくい。そして、この変色しにくい性質により太陽電池モジュールの発電効率が、長期間高い状態で維持できる。以上のような特徴を有する波長変換性樹脂組成物および太陽電池封止材を提供できた。
太陽電池モジュールの断面の一例を示す模式的である。 耐久試験用サンプルの断面を示す説明図である。
まず、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書において、「任意の数A以上、任意の数B以下」及び「任意の数A〜任意の数B」の記載は、数A及び数Aより大きい範囲であって、数B及び数Bより小さい範囲を意味する。
本発明の波長変換性樹脂組成物は、波長変換材料としての3−ヒドロキシクロモン誘導体と、熱可塑性樹脂(B)とを含むことが好ましい。この波長変換性樹脂組成物は、太陽電池封止材用のほか、太陽電池用保護部材(バックシート)、太陽電池素子コーティング材に使用することが好ましい。
波長変換材料は、無機蛍光体、有機蛍光体、有機金属錯体等が知られている。しかし、無機蛍光体は光の屈折率が高いものが多い。また、有機金属錯体は凝集しやすく、光の屈折率が高いものが多い。そのため、これらを太陽電池封止材に配合すると熱可塑性樹脂と光の屈折率の差が大きいため、光が散乱しやすい。この光の散乱は、太陽電池モジュールの端部から光が漏れやすくなり、発電素子の受光量の低下を引き起こす。この受光量の低下は、発電素子の発電効率の低下を引き起こす。
次に、従来の有機蛍光体は、紫外線を連続して照射すると、有機蛍光体自身が劣化する。この劣化は、有機金属錯体の配位子でも同様に起こるため、波長変換機能を長期間維持できない。また、金属イオンの種類にもよるが有機金属錯体は、熱可塑性樹脂の自動酸化反応を促進させる触媒作用を持つ。そして金属イオンの触媒作用は、温度や湿度に比例して大きくなる傾向にある。そのため波長変換材料を太陽電池用途に使用することは、極めて困難であった。
3−ヒドロキシクロモン誘導体は、具体的には、下記一般式(1)で示す化合物である。そして、3−ヒドロキシクロモン誘導体は、紫外線を可視光に変換する波長変換材料であり、有機蛍光体である。3−ヒドロキシクロモン誘導体は波長変換効率に優れ、紫外線で劣化しにくい性質を持つ。なお、3−ヒドロキシクロモン誘導体は、有機蛍光体に分類される。
一般式(1)
Figure 2013139538
(式中、R1は、置換もしくは未置換のアリール基、または、置換もしくは未置換の複素環基を表し、
2〜R5は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換の複素環オキシ基、置換もしくは未置換のアシル基、置換もしくは未置換のアシルオキシ基、または、置換もしくは未置換のアミノ基を表す。ここで、R2〜R5は、隣接した基が互いに結合して環を形成しても良い)
まず波長変換効率について説明する。3−ヒドロキシクロモン誘導体は、その分子構造により発電素子の分光感度が低い紫外光を、分光感度の高い可視領域の光に変換できる、すなわちストークスシフトが広い性質を有する。一般的に発電素子は、紫外線の分光感度が低く、可視光の分光感度が高い。そのため3−ヒドロキシクロモン誘導体を使用した太陽電池モジュールは、より幅広い領域の可視光を受けることができるため発電効率が大きく向上する。本発明では、波長ごとの発電素子の分光感度の特性を「分光感度特性」という。また波長変換とは、ある波長を他の波長へ変換することをいう。
次に紫外線で劣化しにくい性質について説明する。3−ヒドロキシクロモン誘導体は、クロモンの3位にヒドロキシ基が結合した分子構造を基本骨格とする。この基本骨格により紫外線で劣化しにくい性質と、高い波長変換効率を両立できる。3−ヒドロキシクロモン誘導体は紫外線で劣化しにくいため、太陽封止材に配合した熱可塑性樹脂を黄色に変色させにくい。すなわち、発電素子は、太陽電池モジュールを製造した当初に近い条件で、太陽光を受け続けることができる。そのため、当該太陽電池モジュールは、高い発電効率を長期間維持できる。
そして、3−ヒドロキシクロモンは、分子構造中に置換基を適宜導入することで、発光量子収率、吸光係数といった波長変換効率に寄与する光学特性を向上させることができる。
一般式(1)におけるR1〜R5について説明する。
ここで、R1におけるアリール基としては、炭素数6から24の単環または縮合多環アリール基が挙げられる。具体例としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アンスリル基、9−アンスリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、1−アセナフチル基、2−フルオレニル基、9−フルオレニル基、3−ペリレニル基等が挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
また、R1における複素環基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、炭素原子数4から24の芳香族あるいは脂肪族の複素環基が挙げられる。具体例としては、2−チエニル基、2−ベンゾチエニル基、ナフト[2,3−b]チエニル基、3−チアントレニル基、2−チアンスレニル基、2−フリル基、2−ベンゾフリル基、ピラニル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、キサンテニル基、フェノキサチイニル基、2H−ピロリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリジニル基、イソインドリル基、3H−インドリル基、2−インドリル基、3−インドリル基、1H−インダゾリル基、プリニル基、4H−キノリジニル基、イソキノリル基、キノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサニリル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基、4aH−カルバゾリル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基、β−カルボリニル基、フェナントリジニル基、2−アクリジニル基、ペリミジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、フェナルサジニル基、イソチアゾリル基、フェノチアジニル基、イソキサゾリル基、フラザニル基、3−フェニキサジニル基、イソクロマニル基、クロマニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、キヌクリジニル基、モルホリニル基、チオキサントリル基、4−キノリニル基、4−イソキノリル基、3−フェノチアジニル基、2−フェノキサチイニル基、3−クマリニル基、2−ベンゾチアゾリル基、2−ベンゾイミダゾリル基、2−ベンゾオキサゾリル基、2−ベンゾトリアゾリル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
1におけるアリール基および複素環基上の水素原子はさらに他の置換基で置換されていても良い。このような置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換の複素環オキシ基、置換もしくは未置換のアシル基、置換もしくは未置換のアシルオキシ基、または、置換もしくは未置換のアミノ基などを挙げることができる。
ここで、ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
また、置換もしくは未置換のアルケニル基としては、炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルケニル基が挙げられる。それらは構造中に複数の炭素−炭素二重結合を有していてもよい。具体例としては、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、イソプロペニル基、イソブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、1,3−ブタジエニル基、シクロヘキサジエニル基、シクロペンタジエニル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
また、置換もしくは未置換のアルキル基としては、炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキル基、または炭素数2から18であり1個以上のエーテル結合(−O−)を含む直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキル基が挙げられる。炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、tert−オクチル基、ネオペンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、ボロニル基、4−デシルシクロヘキシル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、炭素数2から18であり1個以上のエーテル結合を含む直鎖状、分岐鎖状アルキル基の具体例としては、−CH2−O−CH3、−CH2−CH2−O−CH2−CH3、−CH2−CH2−CH2−O−CH2−CH3、−(CH2−CH2−O)n−CH3(ここでnは1から8の整数である)、−(CH2−CH2−CH2−O)m−CH3(ここでmは1から5の整数である)、−CH2−CH(CH3)−O−CH2−CH3、−CH2−CH(OCH32等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
炭素数2から18であり1個以上のエーテル結合を含む単環状または縮合多環状アルキル基の具体例としては、以下のようなものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2013139538
また、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基としては、炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキルオキシ基、または炭素数2から18であり1個以上のエーテル結合を含む直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキルオキシ基が挙げられる。炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキルオキシ基の具体例としては、メチルオキシ基、エチルオキシ基、プロピルオキシ基、ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、イソプロピルオキシ基、イソブチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、sec−ペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、アダマンチルオキシ基、ノルボルニルオキシ基、ボロニルオキシ基、4−デシルシクロヘキシルオキシ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、炭素数2から18であり1個以上のエーテル結合を含む直鎖状、分岐鎖状アルキルオキシ基の具体例としては、−O−CH2−O−CH3、−O−CH2−CH2−O−CH2−CH3、−O−CH2−CH2−CH2−O−CH2−CH3、−O−(CH2−CH2−O)n−CH3(ここでnは1から8の整数である)、−O−(CH2−CH2−CH2−O)m−CH3(ここでmは1から5の整数である)、−O−CH2−CH(CH3)−O−CH2−CH3、−O−CH2−CH(OCH32等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
炭素数2から18であり1個以上のエーテル結合を含む単環状または縮合多環状アルキルオキシ基の具体例としては、以下のようなものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2013139538
また、置換もしくは未置換のアリール基としては、炭素数6から24の単環または縮合多環アリール基が挙げられる。具体例としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アンスリル基、9−アンスリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、1−アセナフチル基、2−フルオレニル基、9−フルオレニル基、3−ペリレニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2,3−キシリル基、2,5−キシリル基、メシチル基、p−クメニル基、p−ドデシルフェニル基、p−シクロヘキシルフェニル基、4−ビフェニル基、o−フルオロフェニル基、m−クロロフェニル基、p−ブロモフェニル基、p−ヒドロキシフェニル基、m−カルボキシフェニル基、o−メルカプトフェニル基、p−シアノフェニル基、m−ニトロフェニル基、m−アジドフェニル基等が挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
また、置換もしくは未置換のアリールオキシ基としては、炭素数4から18の単環または縮合多環アリールオキシ基が挙げられる。具体例としては、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、9−アンスリルオキシ基、9−フェナントリルオキシ基、1−ピレニルオキシ基、5−ナフタセニルオキシ基、1−インデニルオキシ基、2−アズレニルオキシ基、1−アセナフチルオキシ基、9−フルオレニルオキシ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
また、置換もしくは未置換の複素環基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、炭素原子数4から24の芳香族あるいは脂肪族の複素環基が挙げられる。具体例としては、2−チエニル基、2−ベンゾチエニル基、ナフト[2,3−b]チエニル基、3−チアントレニル基、2−チアンスレニル基、2−フリル基、2−ベンゾフリル基、ピラニル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、キサンテニル基、フェノキサチイニル基、2H−ピロリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリジニル基、イソインドリル基、3H−インドリル基、2−インドリル基、3−インドリル基、1H−インダゾリル基、プリニル基、4H−キノリジニル基、イソキノリル基、キノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサニリル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基、4aH−カルバゾリル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基、β−カルボリニル基、フェナントリジニル基、2−アクリジニル基、ペリミジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、フェナルサジニル基、イソチアゾリル基、フェノチアジニル基、イソキサゾリル基、フラザニル基、3−フェニキサジニル基、イソクロマニル基、クロマニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、キヌクリジニル基、モルホリニル基、チオキサントリル基、4−キノリニル基、4−イソキノリル基、3−フェノチアジニル基、2−フェノキサチイニル基、3−クマリニル基、2−ベンゾチアゾリル基、2−ベンゾイミダゾリル基、2−ベンゾオキサゾリル基、2−ベンゾトリアゾリル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
また、置換もしくは未置換の複素環オキシ基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、炭素数4から18の単環状または縮合多環状複素環オキシ基が挙げられる。具体例としては、2−フラニルオキシ基、2−チエニルオキシ基、2−インドリルオキシ基、3−インドリルオキシ基、2−ベンゾフリルオキシ基、2−ベンゾチエニルオキシ基、2−カルバゾリルオキシ基、3−カルバゾリルオキシ基、4−カルバゾリルオキシ基、9−アクリジニルオキシ基等が挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
また、置換もしくは未置換のアシル基としては、水素原子または炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状の脂肪族が結合したカルボニル基、炭素数2から20のアルキルオキシ基が置換したカルボニル基、炭素数6から18の単環状あるいは縮合多環状アリール基が結合したカルボニル基、炭素数6から18の単環状あるいは縮合多環状のアリールオキシ基が置換したカルボニル基、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、炭素数4から18の単環または縮合多環状の複素環基が結合したカルボニル基が挙げられる。具体例としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、シクロペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、イソクロトノイル基、オレオイル基、シンナモイル基ベンゾイル基、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、プロピルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、オクタデシルオキシカルボニル基、トリフルオロメチルオキシカルボニル基、ベンゾイル基、トルオイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、9−アンスリルカルボニル基、フェニルオキシカルボニル基、4−メチルフェニルオキシカルボニル基、3−ニトロフェニルオキシカルボニル基、4−ジメチルアミノフェニルオキシカルボニル基、2−メチルスルファニルフェニルオキシカルボニル基、1−ナフトイルオキシカルボニル基、2−ナフトイルオキシカルボニル基、9−アンスルリルオキシカルボニル基、3−フロイル基、2−テノイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
また、置換もしくは未置換のアシルオキシ基としては、炭素数2から20のアシルオキシ基が挙げられる。具体例としては、アセチルオキシ基、プロパノイルオキシ基、ブタノイルオキシ基、ペンタノイルオキシ基、トリフルオロメチルカルボニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、1−ナフチルカルボニルオキシ基、2−ナフチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
また、置換もしくは未置換のアミノ基としては、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキルアリールアミノ基、ベンジルアミノ基、ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
ここで、アルキルアミノ基としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、ドデシルアミノ基、オクタデシルアミノ基、イソプロピルアミノ基、イソブチルアミノ基、イソペンチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、sec−ペンチルアミノ基、tert−ペンチルアミノ基、tert−オクチルアミノ基、ネオペンチルアミノ基、シクロプロピルアミノ基、シクロブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、シクロヘプチルアミノ基、シクロオクチルアミノ基、シクロドデシルアミノ基、1−アダマンタミノ基、2−アダマンタミノ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ジアルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジペンチルアミノ基、ジヘキシルアミノ基、ジヘプチルアミノ基、ジオクチルアミノ基、ジノニルアミノ基、ジデシルアミノ基、ジドデシルアミノ基、ジオクタデシルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジイソペンチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、メチルプロピルアミノ基、メチルブチルアミノ基、メチルイソブチルアミノ基、シクロプロピルアミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、ピペラジノ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
アリールアミノ基としては、アニリノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基、o−トルイジノ基、m−トルイジノ基、p−トルイジノ基、2−ビフェニルアミノ基、3−ビフェニルアミノ基、4−ビフェニルアミノ基、1−フルオレンアミノ基、2−フルオレンアミノ基、2−チアゾールアミノ基、p−ターフェニルアミノ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ジアリールアミノ基としては、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、N−フェニル−1−ナフチルアミノ基、N−フェニル−2−ナフチルアミノ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
アルキルアリールアミノ基としては、N−メチルアニリノ基、N−メチル−2−ピリジノ基、N−エチルアニリノ基、N−プロピルアニリノ基、N−ブチルアニリノ基、N−イソプロピル、N−ペンチルアニリノ基、N−エチルアニリノ基、N−メチル−1−ナフチルアミノ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、R1における置換基上の水素原子はさらに他の置換基で置換されていても良い。このような置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アルケニル基、アルキル基、アルキルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、複素環オキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アミノ基などを挙げることができる。
2〜R5におけるハロゲン原子、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換の複素環オキシ基、置換もしくは未置換のアシル基、置換もしくは未置換のアシルオキシ基、または、置換もしくは未置換のアミノ基としては、R1で述べた置換基と同義である。
さらに、R2〜R5は隣接した基が互いに結合して環を形成しても良く、形成する環は芳香環であってもよい
本発明で用いられる一般式(1)で示す化合物の代表例を、以下に示すが、本発明はこれらの代表例に限定されるものではない。
Figure 2013139538
Figure 2013139538
Figure 2013139538
Figure 2013139538
Figure 2013139538
Figure 2013139538
Figure 2013139538
Figure 2013139538
本発明において一般式(1)で示す化合物を合成する方法は、特に限定されず、公知のいかなる方法も用いることができる。例えばCanadian Journal of Chemistry,79巻,358−363頁に記載の、1−(2−ヒドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オン誘導体を水酸化カリウムおよび過酸化水素と反応させて、3−ヒドロキシクロモン誘導体を得る方法を挙げることができる。ここで、用いる1−(2−ヒドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オン誘導体は、2−ヒドロキシアセトフェノン誘導体と芳香族アルデヒド誘導体との縮合反応で容易に得ることが可能である。
一般式(1)で示す化合物は、吸収波長の極大値が330〜380nmであることが好ましい。当該極大値が330〜380nmの範囲にあることで、波長変換の効率をより高めることができる。
一般式(1)で示す化合物は、モル吸光係数ε(L・mol-1・cm-1)と発光量子収率Φの関係が、3000≦(ε×Φ)≦30000を満たすことが好ましい。モル吸光係数εが3000≦(ε×Φ)≦30000の範囲にあることで、波長を変換したときの蛍光強度と、紫外線により劣化しにくい性質を両立しやすくなる。
なおモル吸光係数εとは、波長変換材料が吸収する吸収波長の極大値の絶対光量を意味し、一般的には光路1cmあたりの1M蛍光体の光学濃度として定義される。有用な波長変換材料は、モル吸光係数が10000以上を示し、10000〜100000(L・mol-1・cm-1)のものが多い。また、発光量子収率Φは、0〜1までの値をとり、発光量子収率が高いほど発光効率は高くなる。蛍光強度は、モル吸光係数εと発光量子収率Φの2つに依存し、両者が高いほど明るく光る。なお、発光量子収率は、蛍光体粉末を絶対PL量子収率測定装置(C9920−02(浜松ホトニクス製))を使用して測定した。
本発明において熱可塑性樹脂は、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリイソプレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、アイオノマー樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリメタクリル系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂等ならびにそれらの変性樹脂、共重合樹脂等が好ましい。これらの中でもエチレン系共重合体樹脂が好ましい。エチレン系共重合体樹脂は、二種類以上の単量体の共重合体であり、単量体の少なくとも一種類がエチレン単量体であれば特に限定されることはない。具体的には、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンアクリル酸メチル共重合体、エチレンアクリル酸エチル共重合体、エチレンメタクリル酸メチル共重合体、エチレンメタクリル酸エチル共重合体、エチレン系アイオノマー、エチレン酢酸ビニル系多元共重合体、エチレンアクリル酸メチル系多元共重合体、エチレンアクリル酸エチル系多元共重合体、エチレンメタクリル酸メチル系多元共重合体、エチレンメタクリル酸エチル系多元共重合体などが挙げられるが、太陽電池モジュールを製造するときのラミネート工程で、発電素子が損傷しにくいこと、太陽電池封止材の透明性および生産性向上の観点から、エチレン酢酸ビニル共重合体の合成には、酢酸ビニルを15〜40重量%使用することが好ましく、25〜35重量%の使用がより好ましい。
また、本発明において熱可塑性樹脂は、成形性、機械的強度などを考慮すると、メルトフローレート(以下、単にMFRという)が0.1〜60g/10minであることが好ましく、0.5〜45g/10minがより好ましい。なおメルトフローレートは、JIS K7210に準拠して測定した数値である。
本発明の太陽電池封止材は、熱可塑性樹脂100重量部に対して、一般式(1)で示す化合物を0.01〜1.5重量部で使用することが好ましく、0.01〜1.0重量部がより好ましい。0.01〜1.5重量部使用することで、成形したときの透明性、波長変換効率、のバランスを取りやすくなる。
本発明の波長変換性樹脂組成物は、一般式(1)で示す化合物を高濃度に配合した、いわゆるマスターバッチとして製造することも好ましい。波長変換性樹脂組成物をマスターバッチとして製造する場合、熱可塑性樹脂100重量部に対して、一般式(1)で示す化合物1.5〜20重量部用いることが好ましく、1.5〜10重量部がより好ましい。
本発明の波長変換性樹脂組成物は、必要に応じて架橋剤、架橋助剤、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、着色剤、難燃剤、分散剤等の添加剤を配合することも可能である。これらの添加剤は、太陽電池封止材用途で公知の化合物を用いることができる。さらに、各種添加剤を3−ヒドロキシクロモン誘導体(A)、熱可塑性樹脂(B)と一緒に配合して製造することも、太陽電池封止材を製造する際に、別に添加することも可能である。
架橋剤は、熱可塑性樹脂に凝集力を付与するために使用する。熱可塑性樹脂にエチレン共重合体を使用する場合、有機過酸化物が一般的に使用される。添加量は特に限定されないが、熱可塑性樹脂と、一般式(1)で示す化合物との合計100重量部に対して、0.05〜3重量部用いるのが好ましい。具体例としては、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルイソプロピルカーボネート、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,1−ジ(tert−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(tert−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(tert−アミルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ブタン、メチルエチルケトンパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキシル−2,5−ジパーオキシベンゾエート、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、p−クロルベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシイソブチレート、n−ブチル−4,4−ジ(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、エチル−3,3−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ブチレート、ヒドロキシヘプチルパーオキサイド、ジクロヘキサノンパーオキサイド、1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ジ(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ブタン等が挙げられる。
架橋助剤は、上記の熱可塑性樹脂と架橋剤の反応効率を向上するために使用する。例えば、ポリアリル化合物やポリアクリロキシ化合物のようなビニル基を複数有する化合物が好ましい。架橋助剤は、熱可塑性樹脂と、一般式(1)で示す化合物との合計100重量部に対して、0.05〜3重量部用いるのが好ましい。具体例としては、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ジアリルフタレート、ジアリルフマレート、ジアリルマレエート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートなどが挙げられる。
シランカップリング剤は、成形後の部材の接着性を向上するために使用する。例えば、ビニル基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基等の不飽和基、またはアルコキシ基のような加水分解可能な基を有する化合物が挙げられる。シランカップリング剤は、熱可塑性樹脂と、一般式(1)で示す化合物との合計100重量部に対して、0.05〜3重量部用いるのが好ましい。具体例としては、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
紫外線吸収剤は、成形後の部材に紫外線耐性を付与するために使用する。例えばベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、サリチル酸エステル系などが挙げられる。紫外線吸収剤は、熱可塑性樹脂と、一般式(1)で示す化合物との合計100重量部に対して、0.01〜3重量部用いるのが好ましい。具体例としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクタデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5−クロロベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−メチル−5−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3、5−ジメチルフェニル)−5−メトキシベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチルオキシ)フェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシルオキシ)フェノール、フェニルサリチレート、p−オクチルフェニルサリチレートなどが挙げられる。
光安定剤は、成形後の部材に紫外線耐性を付与するために使用し、紫外線吸収剤と併用することで、紫外線耐性がより向上する。例えばヒンダードアミン光安定剤が好ましい。光安定剤は、熱可塑性樹脂と、一般式(1)で示す化合物との合計100重量部に対して、0.01〜3重量部用いるのが好ましい。具体例としては、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{{2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セパレート、2−(3,5−ジ−tert−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)などが挙げられる。
酸化防止剤は、成形後の部材が、夏場の太陽光を浴びて高温になるときに、部材の劣化を低減するために使用する。例えばモノフェノール系、ビスフェノール系、高分子型フェノール系、硫黄系、燐酸系などが好ましい。酸化防止剤は、熱可塑性樹脂と、一般式(1)で示す化合物との合計100重量部に対して、0.05〜3重量部用いるのが好ましい。具体例としては、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、3,9−ビス〔{1,1−ジメチル−2−{β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル}2,4,8,10−テトラオキサスピロ〕5,5−ウンデカン、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−{メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキスフェニル)プロピオネート}メタン、ビス{(3,3’−ビス−4’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチルフェニル)ブチリックアシッド}グルコールエステル、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオプロピオネート、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェニル−ジ−トリデシル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタデシルホスファイト)、トリスジフェニルホスファイト、ジイソデシノレペンタエリスリトールジホスファイト、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナスレン−10−オキサイド、10−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、10−デシロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−tert−メチルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイトなどが挙げられる。
本発明の波長変換性樹脂組成物は、一般式(1)で示す化合物と、熱可塑性樹脂を含む原料を混合し、次いで溶融混練し、さらにペレット状に成形することで製造できる。このペレットは、一般式(1)で示す化合物を高濃度で配合したマスターバッチとして製造することが好ましい。 ここで、混合は、一般的な高速せん断型混合機や回転混合機であるヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、タンブラーミキサー等を用いるのが好ましい。
また、溶融混練は、二本ロール、三本ロール、加圧ニーダー、バンバリーミキサー、単軸混練押出し機、二軸混練押出し機等を用いるのが好ましい。
本発明の太陽電池封止材は、波長変換性樹脂組成物を溶融混練し、次いで成形することで製造できる。成形方法は、T−ダイ押出機やカレンダー成形機などを使用できる。太陽電池封止材の厚みは、0.1〜1mm程度が好ましい。
また、太陽電池封止材は、波長変換性樹脂組成物をマスターバッチとして製造した場合、希釈用のエチレン系共重合体と当該マスターバッチを溶融混錬し、次いで成形することで製造することが好ましい。
本発明の太陽電池モジュールの構成の一例を図1により説明する。太陽電池モジュールは、まず発電素子13を太陽封止材12Aと太陽封止材12Bにより加熱・加圧することで封止する。封止後に太陽封止材12A側に透明基板を固定し、太陽封止材12B側に保護部材を固定することが好ましい。また、太陽電池モジュールは、太陽封止材12Aを使用しない構成で製造することもできる。
透明基板11は、熱強化白板ガラスや透明フィルムなどが好ましい。
前記加熱・加圧は、温度調節機付き真空ラミネーターを使用することが好ましい。
保護部材14は、防湿性および絶縁性が要求されるため、アルミニウムをフッ化ビニルフィルムで挟んだ構造のシートや、アルミニウムを耐加水分解性ポリエチレンテレフタレートフィルムで挟んだシートを使用することが好ましい。また保護部材14には、太陽封止材12Bとの密着性を高めるため、太陽封止材12Bと接する面に直鎖状低密度ポリエチレンを積層することもできる。
以下に、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。部は重量部、%は重量%を意味する。
まず、一般式(1)で示す化合物の合成方法について、例を挙げて説明する。
合成例1
2−ヒドロキシアセトフェノン4.36gおよび2−ナフトアルデヒド5.00gをエタノール125mlに溶解して、室温にて48%水酸化カリウム水溶液8.23gを10分かけて滴下し、16時間攪拌した。この溶液を水500mlに加え、塩酸にて中和した。析出物をろ過して水洗・乾燥し、ヘキサンで再結晶することにより、1−(2−ヒドロキシフェニル)−3−(2−ナフチル)−2−プロペン−1−オンを黄色結晶として4.77g得た(収率54%)。得られた1−(2−ヒドロキシフェニル)−3−(2−ナフチル)−2−プロペン−1−オン4.40gをエタノール150mlに添加し、室温にて48%水酸化カリウム水溶液15.00gを10分かけて滴下し、次いで、30%過酸化水素水27.28gを10分かけて滴下して2時間攪拌した。得られたスラリーを水500mlに加え、塩酸にて中和した。析出物をろ過して水洗し、アセトニトリルから再結晶することにより、(A−1)の3−ヒドロキシ―2−(2−ナフチル)―クロモンを2.44g得た(収率53%)。
合成例2
2−ヒドロキシアセトフェノン6.12gおよび4−ブトキシベンズアルデヒド8.00gをエタノール125mlに溶解し、室温にて48%水酸化カリウム水溶液11.54gを5分かけて滴下し、18時間攪拌した。この溶液を水500mlに加え、塩酸にて中和した。析出物をろ過して水洗・乾燥し、ヘキサンで再結晶することにより、1−(2−ヒドロキシフェニル)−3−(4−ブトキシフェニル)−2−プロペン−1−オンを黄色結晶として7.09g得た(収率53%)。得られた1−(2−ヒドロキシフェニル)−3−(4−ブトキシフェニル)−2−プロペン−1−オン6.10gをエタノール150mlに添加し、室温にて48%水酸化カリウム水溶液15.00gを5分かけて滴下し、次いで、30%過酸化水素水35.00gを5分かけて滴下して30分間攪拌した。得られたスラリーを水400mlに加え、塩酸にて中和した。析出物をろ過して水洗し、メタノールから再結晶することにより、(A−2)の3−ヒドロキシ―2−(4−ブトキシフェニル)―クロモンを4.30g得た(収率67%)。
合成例1あるいは2と同様の合成方法にて、一般式(1)で示す化合物として以下の(A−3)〜(A−6)の化合物を得た。
(A−3)3−ヒドロキシ−2−フェニルクロモン
(A−4)3−ヒドロキシ−2−(4−オクチルフェニル)クロモン
(A−5)3−ヒドロキシ−2−ビフェニルクロモン
(A−6)3−ヒドロキシ−2−(2−ベンゾフリル)クロモン
(B)熱可塑性樹脂
(B−1)ウルトラセン751(東ソー社製、エチレン酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル含有量:28%、MFR:5.7)
(B−2)エバフレックスV523(三井・デュポンポリケミカル社製、エチレン酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル含有量:33%、MFR:14)
[実施例1]
ウルトラセン751 90重量部と3−ヒドロキシ―2−(2−ナフチル)―クロモン10重量部をタンブラーミキサー(カワタ社製)に投入し、温度25℃、時間3分の条件で撹拌した後、二軸押出し機(日本プラコン社製)に投入し、温度100℃で溶融混練することで波長変換性樹脂組成物のマスターバッチを得た。
別途、ウルトラセン751に架橋剤、架橋助剤、シランカップリング剤を配合した架橋剤マスターバッチと、熱可塑性樹脂に紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤を配合した安定化剤マスターバッチを作製した。
得られた波長変換性樹脂組成物のマスターバッチと、架橋剤マスターバッチと、安定化剤マスターバッチと、表1の配合量になるように、ウルトラセン751を追加し、これらを全てT−ダイ押出機に投入した。次いで90℃にて押し出し成形を行うことで太陽電池封止材12A、12B、16、18、21および22(それぞれ厚さ0.5mm)を得た。なお、太陽電池封止材中の架橋剤、架橋助剤、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤の種類および配合量は、ウルトラセン751と3−ヒドロキシ―2−(2−ナフチル)―クロモンの合計100重量部に対して、下記配合量になるよう使用した。
架橋剤:t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート0.8重量部
架橋助剤:トリアリルイソシアヌレート0.4重量部
シランカップリング剤:γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.3重量部
紫外線吸収剤:2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン0.1重量部
光安定剤:N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物0.1重量部
酸化防止剤:フェニルジイソデシルホスファイト0.1重量部
Figure 2013139538
[実施例2〜18]
熱可塑性樹脂および一般式(1)で示す化合物をそれぞれ表1に示す配合となるように、 変更した以外は実施例1と同様に行うことで、太陽電池封止材12A、12B、16、18、21および22を得た。
[比較例1〜8]
比較例1〜8は、それぞれ表3に示す熱可塑性樹脂90重量部と、表2に示す蛍光体10重量部をタンブラーミキサー(カワタ社製)に投入し温度25℃、時間3分の条件で撹拌した後、二軸押出し機(日本プラコン社製)に投入し、温度100℃で溶融混練を行うことで太陽電池封止材用マスターバッチを得た。それ以外は実施例1と同様に行い架橋剤マスターバッチと、安定化剤マスターバッチを得た。得られた太陽電池封止材用マスターバッチと、架橋剤マスターバッチと、安定化剤マスターバッチと、さらに熱可塑性樹脂を配合し、表3の配合比率にした以外は実施例1と同様にして太陽電池封止材12A、12B、16、18、21および22を得た。
Figure 2013139538
Figure 2013139538
実施例1〜18及び比較例1〜8で得られた太陽電池封止材を以下の基準で評価し、評価結果を表4に示す。
[試験用サンプル1の作成]
得られた太陽電池封止材16を厚さ3mmのガラス製透明基板15および17とで挟み込んで重ねた。その後、真空ラミネーターを使用して真空下で、150℃で5分間加熱し、その後15分間加熱圧着して、封止材を架橋させることで図2の試験用サンプル1を得た。
[蛍光強度]
図2の試験用サンプル1の蛍光強度を、分光蛍光光度計(日立ハイテク製)を使用して測定した。蛍光強度の値により波長変換効率がわかる。
[黄色度]
図2の試験用サンプル1をスーパーキセノンウェザーメーター(スガ試験機製)を使用して加速試験を行い、紫外線により封止材が黄色に変色したかどうかをコンピューターカラーマッチングシステム(KURABO製)により評価した。評価は、試験前後の黄色度(YI)を測定する。そして試験前後の黄色度(YI)の差(ΔYI)が小さいものほど封止材の変色が少ない。前記加速試験は、耐久試験用サンプル1を温度63℃、湿度50%RH、放射照度180W/m2の環境下、1500時間静置することで行った。
[蛍光強度の保持率]
図2の試験用サンプル1をスーパーキセノンウェザーメーター(スガ試験機製)を使用して加速試験を行った。そして、試験前後の蛍光強度を分光蛍光光度計で測定することで、紫外線による封止材の劣化を蛍光強度の観点から評価した。加速試験前のサンプルの蛍光強度を100としたとき、加速試験後のサンプルの蛍光強度を保持率で評価した。前記加速試験は、温度63℃、湿度50%RH、放射照度180W/m2の環境下、500、1000および1500時間静置することで行った。
[試験用サンプル2の作成]
得られた太陽電池封止材12A、12Bを用いて発電素子を挟み込み、その上面と下面を、それぞれ厚さ1mmのガラス製透明基板11と、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂/耐加水分解ポリエチレンテレフタレート/アルミ/耐加水分解ポリエチレンテレフタレートの4層(合計厚さ1mm)の保護部材14とで挟んで重ねた。次いで、真空ラミネーターを使用して真空下で、150℃で5分間加熱し、その後15分間加熱圧着して、封止材を架橋させることで試験用サンプル2を得た。
[発電効率の変化]
試験用サンプル2について、スーパーキセノンウェザーメーターを使用した加速試験、および恒温恒湿試験機を使用した加熱加湿試験(ダンプヒート試験)をそれぞれ行った。それぞれの試験後のサンプルについて、発電効率の変化を評価した。この発電効率は、入光エネルギーと最適動作点での出力と、発電素子の面積から算出した。評価方法は、発電素子単体の変換効率を100として、サンプル試験前の発電効率と、それぞれの試験後の発電効率を計算した。
Figure 2013139538
表4の結果より、実施例1〜18は、全ての評価項目において比較例を上回る優れた耐久性が得られた。本発明では、特定の有機蛍光体を用いることで、一般的な蛍光体を用いた場合と比較して波長変換効果は、時間が経過しても低下しにくい。さらに太陽電池封止材が黄色に変色しにくいため、時間が経過しても変換効率が保持できるという驚くべき結果が得られた。
11 透明基板
12A 表面太陽電池封止材
12B 裏面太陽電池封止材
13 発電素子
14 保護部材
15 透明基板
16 太陽電池封止材
17 透明基板

Claims (9)

  1. 下記一般式(1)で示す化合物と、熱可塑性樹脂とを含むことを特徴とする波長変換性樹脂組成物。
    一般式(1)
    Figure 2013139538
    (式中、R1は、置換もしくは未置換のアリール基、または、置換もしくは未置換の複素環基を表し、R2〜R5は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換の複素環オキシ基、置換もしくは未置換のアシル基、置換もしくは未置換のアシルオキシ基、または、置換もしくは未置換のアミノ基を表す。ここで、R2〜R5は、隣接した基が互いに結合して環を形成しても良い)
  2. 一般式(1)で示す化合物の吸収波長の極大値が、330〜380nmであることを特徴とする請求項1記載の波長変換性樹脂組成物。
  3. 一般式(1)で示す化合物のモル吸光係数ε(L・mol-1・cm-1)および発光量子収率Φが、3000≦(ε×Φ)≦30000を満たすことを特徴とする請求項1または2記載の波長変換性樹脂組成物。
  4. 熱可塑性樹脂が、エチレン系共重合体であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の波長変換性樹脂組成物。
  5. エチレン系共重合体が、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンアクリル酸メチル共重合体、エチレンアクリル酸エチル共重合体、エチレンメタクリル酸メチル共重合体、エチレンメタクリル酸エチル共重合体、及びエチレン系アイオノマーからなる群より選択される1種以上の共重合体であることを特徴とする請求項4項に記載の波長変換性樹脂組成物。
  6. 少なくとも、請求項1〜5いずれか記載の波長変換性樹脂組成物を成形してなる太陽電池封止材。
  7. 熱可塑性樹脂100重量部に対して、下記一般式(1)で示す化合物を1.5〜20量部含むことを特徴とする太陽電池封止材用マスターバッチ。
    一般式(1)
    Figure 2013139538
    (式中、R1は、置換もしくは未置換のアリール基、または、置換もしくは未置換の複素環基を表し、R2〜R5は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換の複素環オキシ基、置換もしくは未置換のアシル基、置換もしくは未置換のアシルオキシ基、または、置換もしくは未置換のアミノ基を表す。ここで、R2〜R5は、隣接した基が互いに結合して環を形成しても良い)
  8. 少なくとも、エチレン系共重合体と、請求項7記載の太陽電池封止材用マスターバッチとを混合し、成形してなる太陽電池封止材。
  9. 少なくとも、請求項6または8記載の太陽電池封止材を備えた太陽電池モジュール。
JP2012001070A 2012-01-06 2012-01-06 波長変換性樹脂組成物および太陽電池封止材 Pending JP2013139538A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012001070A JP2013139538A (ja) 2012-01-06 2012-01-06 波長変換性樹脂組成物および太陽電池封止材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012001070A JP2013139538A (ja) 2012-01-06 2012-01-06 波長変換性樹脂組成物および太陽電池封止材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013139538A true JP2013139538A (ja) 2013-07-18

Family

ID=49037304

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012001070A Pending JP2013139538A (ja) 2012-01-06 2012-01-06 波長変換性樹脂組成物および太陽電池封止材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013139538A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115572276A (zh) * 2022-09-09 2023-01-06 安徽大学 一种内质网靶向的极性比率型荧光探针及其制备方法和用途

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115572276A (zh) * 2022-09-09 2023-01-06 安徽大学 一种内质网靶向的极性比率型荧光探针及其制备方法和用途
CN115572276B (zh) * 2022-09-09 2023-08-29 安徽大学 一种内质网靶向的极性比率型荧光探针及其制备方法和用途

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6040677B2 (ja) 太陽電池封止材用樹脂組成物
JP6975262B2 (ja) 高反射ゲインタイプ太陽電池用封止シート及び用途
JP2013133447A (ja) 蛍光物質複合材料
TWI474490B (zh) 波長變換型太陽電池密封片及太陽電池模組
JP2011258879A (ja) 太陽電池モジュール
CN102965039A (zh) 太阳能电池转光eva胶膜及其制备方法
CN106189932A (zh) 高光电转化效率的太阳能电池组件及其制备方法
CN109401682A (zh) 一种高水汽阻隔性的eva封装胶膜
WO2016013481A1 (ja) ベンゾトリアゾール構造を有する蛍光色素化合物および高分子蛍光色素化合物、ならびに、それを用いた波長変換型封止材組成物
JP5321543B2 (ja) 太陽電池封止材用樹脂組成物
JP2015183129A (ja) 波長変換性樹脂組成物及び太陽電池封止材
JP2013199583A (ja) 太陽電池封止材用樹脂組成物
WO2016013483A1 (ja) ベンゾトリアゾール構造を有する蛍光色素化合物、および、それを用いた波長変換型封止材組成物
JP2016021433A (ja) 太陽電池モジュール用の封止材シート及びその製造方法
JP2015183128A (ja) 波長変換性樹脂組成物及び太陽電池封止材
JP5565520B1 (ja) 太陽電池封止材用樹脂組成物、太陽電池封止材および太陽電池モジュール
JP2011238639A (ja) 太陽電池モジュール用封止材シート及び太陽電池モジュール
JP2013139538A (ja) 波長変換性樹脂組成物および太陽電池封止材
JP2015165547A (ja) 太陽電池封止材用樹脂組成物
WO2016039013A1 (ja) 太陽電池用封止材組成物、およびそれを用いた太陽電池用封止材層ならびに太陽電池モジュール
JP5234210B1 (ja) 太陽電池封止材用樹脂組成物
CN117247747A (zh) 一种转光型封装胶膜及其制备方法
CN114989745A (zh) 一种高透过率的光伏封装胶膜
JP2014234495A (ja) ベンゾチアジアゾール構造を有する蛍光色素化合物、および、それを用いた波長変換型封止材組成物
CN117720474B (zh) 反应型光转材料、光转封装胶膜和光伏组件