JP2015183128A - 波長変換性樹脂組成物及び太陽電池封止材 - Google Patents

波長変換性樹脂組成物及び太陽電池封止材 Download PDF

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誠 柳澤
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啓介 増子
上杉 隆彦
Takahiko Uesugi
隆彦 上杉
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Abstract

【課題】紫外光を吸収して、可視領域で発光する波長変換性樹脂組成物であって、長期間太陽光にさらされても波長変換効果の低下及び封止材用樹脂の黄変を最小限に抑制でき、長期間にわたり高い変換効率の維持を可能である波長変換性樹脂組成物、及び太陽電池封止材の提供。
【解決手段】一般式(1)で表されるアゾール系化合物(A)と、熱可塑性樹脂(B)とを含む波長変換性樹脂組成物。熱可塑性樹脂はエチレン系共重合体である波長変換性樹脂組成物。
Figure 2015183128

【選択図】図1

Description

本発明は、紫外線を可視光等に変換できる波長変換性樹脂組成物に関する。
近年、太陽光発電は、地球温暖化対策および化石燃料代替の観点から、クリーンで持続的なエネルギーシステムとして、世界中で関心が高まっている。そのため、太陽電池市場は、急速に拡大している。また、昨今の原子力発電の安全性への懸念や、緊急時の自家発電等の面からも太陽光発電(以下、太陽電池ともいう)が注目されている。現在主流の太陽光発電は、結晶シリコンやアモルファスシリコン等のシリコン系やCdTe、CIGS等の化合物半導体系の発電素子、およびその周辺材料から構成されているが、太陽光発電のさらなる普及には、発電コストの低減が最大の課題となっている。ここ数年、発電コストは従来に比べて大幅に低減しているものの、現時点の発電コストは他のエネルギーと比較し依然割高であり、太陽電池には高効率化、長寿命化などが求められている。
ここで太陽電池の高効率化には、受光性、透明性、電気特性等の各種性能の向上が必要とされており、発電素子を環境から守る太陽電池封止材(以下、単に封止材ともいう)にもこれらの性能が求められている(特許文献1、2および3参照)。
しかし、これらの封止材は、もともと高い透明性を備える樹脂を用いているため、大幅な透明性の向上は難しかった。
一方、結晶シリコンの発電素子は、その特性上、太陽光の紫外線領域は分光感度が低く発電に寄与していないため太陽光を有効に活用できていない。そこで、特許文献4および5では、紫外光を吸収して、可視光領域で発光する有機金属錯体を配合して、変換効率が向上するとした、封止材、太陽電池が開示されている。
特開2000−183381号公報 特開2009−152543号公報 特開2008−153520号公報 国際公開第2008/047427 特開2010−258293号公報
しかし、従来の封止材は、有機金属錯体の配位子に耐光性が無く、光照射の連続によって急速に変換効率が低下するため、太陽電池の変換効率が時間の経過ともに低下する問題があった。また、有機金属錯体が光照射によって劣化することで封止材中の樹脂が黄変することでも変換効率が大幅に低下する問題があった。さらに、有機金属錯体と樹脂との屈折率差によって、波長変換に寄与しない波長の光が散乱することで、発電素子の受光性が低下する問題があった。
本発明は、入射光の光散乱の抑制、長期間太陽光にさらされても波長変換効果が低下し難く、長期間にわたり変換効率の低下を抑制できる初期波長変換効率が良好な太陽電池封止材を成形できる波長変換性樹脂組成物の提供を目的とする。
本発明は、下記一般式(1)で表されるアゾール系化合物(A)と、熱可塑性樹脂(B)とを含むことを特徴とする波長変換性樹脂組成物である。
一般式(1)
Figure 2015183128
(式中、R1は、水素原子、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換の複素環オキシ基、または、置換もしくは未置換のアミノ基を表す。
R11〜R12は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基を表す。
R21〜R24は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換の複素環オキシ基、置換もしくは未置換のアシル基、置換もしくは未置換のアシルオキシ基、または、置換もしくは未置換のアミノ基を表す。
ここで、R11とR12、および、R1とR21は互いに結合して環を形成してもよく、R21〜R24は、それぞれ、隣接した基が互いに結合して環を形成しても良い。
Xは、−S−、−O−、または、−NR2−を表し、
R2は、水素原子、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、または、置換もしくは未置換のアシル基を表す。)
上記の本発明によればストークスシフトが大きいだけでなく、著しく蛍光量子収率に優れた特定構造のアゾール系化合物が紫外線を吸収し可視領域の光を強く発する。この発光により太陽電池セルの受光量が増し、太陽電池の初期変換効率を大幅に向上し、変換効率を長期間持続することができる。
本発明により、入射光の光散乱の抑制、長期間太陽光にさらされても波長変換効果が低下し難く、長期間にわたり変換効率の低下を抑制できる初期波長変換効率が良好な太陽電池封止材を成形できる波長変換性樹脂組成物、および太陽電池封止材を提供することができた。
太陽電池モジュールサンプルの断面の一例を示す模式的説明図である。 耐久試験用サンプルの断面を示す説明図である。
まず、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書において、「任意の数A以上、任意の数B以下」及び「任意の数A〜任意の数B」の記載は、数A及び数Aより大きい範囲であって、数B及び数Bより小さい範囲を意味する。
本発明は、特定のアゾール系化合物(A)と、熱可塑性樹脂(B)とを含む波長変換性樹脂組成物である。前記特定のアゾール系化合物(A)は、紫外線を可視光に変換する波長変換効果を有する有機蛍光体である。この波長変換効果とは、ある波長を他の波長へ変換することをいい、本発明では太陽電池の発電素子の分光感度が低い紫外光を、分光感度の高い可視領域の光に変換することをいう。また、波長変換による変換効率の向上は、蛍光体の吸収波長、発光波長、および発光強度、ならびに発電素子への受光量により決まるが、太陽光のうち、発電寄与率が小さい紫外線を吸収し、可視光長波長領域に発光するようなストークスシフトの大きいものが好ましい。
波長変換機能を有する化合物として、無機蛍光体、有機蛍光体、有機金属錯体等が知られている。無機蛍光体は屈折率が高いものが多い。また、有機金属錯体は凝集性が高く、比較的融点の高い。そのため、これらを熱可塑性樹脂に添加した場合、熱可塑性樹脂との屈折率差によって、光散乱が起きるため、発電素子表面で光反射が増大し変換効率が低下する。また、一般的な有機蛍光体は、紫外線の連続照射により、有機蛍光体自身が劣化する。この劣化は、有機金属錯体の配位子でも同様に起こり、波長変換機能が長期間維持できない。また、有機金属錯体の場合、金属イオン種によっては、樹脂の自動酸化反応を促進させる触媒作用を持ち、樹脂、その他の添加剤を劣化させる。そして金属による熱可塑性樹脂の劣化作用は、温度や湿度に比例して大きくなる傾向にある。さらに有機金属錯体は、熱による劣化も起きるため太陽電池用途へ使用することは極めて困難であった。なお、金属イオンを持たない有機化合物のみからなる蛍光体を有機蛍光体といい、金属イオンに有機配位子が配位した化合物を有機金属錯体という。
そこで、本発明は、例えば太陽電池封止材、および競技場等の屋根材樹脂シート等のように長期間紫外線に曝露される状態であっても、特定のアゾール系化合物(A)を用いることで、紫外線による劣化が少なく波長変換効果を長期間維持できる波長変換性樹脂組成物である。
本発明において前記特定のアゾール系化合物は、下記一般式(1)で表されるアゾール系化合物(A)である。一般式(1)で表されるアゾール系化合物(A)は、2位にアミド基を有するフェニル基が結合したアゾールの基本骨格を有する。前記基本骨格により、ストークスシフトが大きく、さらに蛍光量子収率が著しく優れているため、太陽電池の初期変換効率を大きく向上することができた。そして一般式(1)で表されるアゾール系化合物(A)は、置換基を有することで熱可塑性樹脂に対する溶解性、その融点、光学特性を適宜調整できる。
一般式(1)
Figure 2015183128
(式中、R1は、水素原子、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換の複素環オキシ基、または、置換もしくは未置換のアミノ基を表す。
R11〜R12は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基を表す。
R21〜R24は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換の複素環オキシ基、置換もしくは未置換のアシル基、置換もしくは未置換のアシルオキシ基、または、置換もしくは未置換のアミノ基を表す。
ここで、R11とR12、および、R1とR21は互いに結合して環を形成してもよく、R21〜R24は、それぞれ、隣接した基が互いに結合して環を形成しても良い。
Xは、−S−、−O−、または、−NR2−を表し、
R2は、水素原子、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、または、置換もしくは未置換のアシル基を表す。)
前記一般式(1)で表されるアゾール系化合物(A)において、式中、R11とR12が互いに結合して環を形成した化合物の好ましい例は、下記一般式(2)で表されるアゾール系化合物(A)である。
一般式(2)
Figure 2015183128
一般式(1)および一般式(2)におけるRについて説明する。
R1は、水素原子、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換の複素環オキシ基、または、置換もしくは未置換のアミノ基を表す。
前記アルケニル基は、炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルケニル基等が好ましい。また、前記アルケニル基は構造中に複数の炭素−炭素二重結合を有していてもよく、例えばビニル基、1−プロペニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、イソプロペニル基、イソブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、1,3−ブタジエニル基、シクロヘキサジエニル基およびシクロペンタジエニル基等が挙げられる。
前記アルキル基は、炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキル基等が好ましい。前記アルキル基は、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、tert−オクチル基、ネオペンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、および4−デシルシクロヘキシル基等が挙げられる。
前記アルキルオキシ基は、炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキルオキシ基等が好ましい。前記アルキルオキシ基は、例えばメチルオキシ基、エチルオキシ基、プロピルオキシ基、ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、イソプロピルオキシ基、イソブチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、sec−ペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、アダマンチルオキシ基、ノルボルニルオキシ基、ボロニルオキシ基および4−デシルシクロヘキシルオキシ基等が挙げられる
前記アリール基は、炭素数6から24の単環または縮合多環アリール基が好ましい。前記アリール基は、例えばフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アンスリル基、9−アンスリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、1−アセナフチル基、2−フルオレニル基、9−フルオレニル基および3−ペリレニル基等が挙げられる。
前記アリールオキシ基は、炭素数4から18の単環または縮合多環アリールオキシ基が好ましい。前記アリールオキシ基は、例えばフェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、9−アンスリルオキシ基、9−フェナントリルオキシ基、1−ピレニルオキシ基、5−ナフタセニルオキシ基、1−インデニルオキシ基、1−アセナフチルオキシ基および9−フルオレニルオキシ基等が挙げられる。
前記複素環基は、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、炭素原子数4から24の芳香族あるいは脂肪族の複素環基が好ましい。前記複素環基は、例えば2−チエニル基、2−ベンゾチエニル基、ナフト[2,3−b]チエニル基、3−チアントレニル基、2−チアンスレニル基、2−フリル基、2−ベンゾフリル基、ピラニル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、キサンテニル基、フェノキサチイニル基、2H−ピロリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリジニル基、イソインドリル基、3H−インドリル基、2−インドリル基、3−インドリル基、1H−インダゾリル基、プリニル基、4H−キノリジニル基、イソキノリル基、キノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサニリル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基、4aH−カルバゾリル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基、β−カルボリニル基、フェナントリジニル基、2−アクリジニル基、ペリミジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、フェナルサジニル基、イソチアゾリル基、フェノチアジニル基、イソキサゾリル基、フラザニル基、3−フェニキサジニル基、イソクロマニル基、クロマニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、キヌクリジニル基、モルホリニル基、チオキサントリル基、4−キノリニル基、4−イソキノリル基、3−フェノチアジニル基、2−フェノキサチイニル基、3−クマリニル基、2−ベンゾチアゾリル基、2−ベンゾイミダゾリル基、2−ベンゾオキサゾリル基および2−ベンゾトリアゾリル基等が挙げられる。
前記複素環オキシ基は、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、炭素数4から18の単環状または縮合多環状複素環オキシ基が好ましい。前記複素環オキシ基は、例えば2−フラニルオキシ基、2−チエニルオキシ基、2−インドリルオキシ基、3−インドリルオキシ基、2−ベンゾフリルオキシ基、2−ベンゾチエニルオキシ基、2−カルバゾリルオキシ基、3−カルバゾリルオキシ基、4−カルバゾリルオキシ基および9−アクリジニルオキシ基等が挙げられる。
前記アミノ基は、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキルアリールアミノ基等が挙げられる。
前記アルキルアミノ基は、例えばメチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、ドデシルアミノ基、オクタデシルアミノ基、イソプロピルアミノ基、イソブチルアミノ基、イソペンチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、sec−ペンチルアミノ基、tert−ペンチルアミノ基、tert−オクチルアミノ基、ネオペンチルアミノ基、シクロプロピルアミノ基、シクロブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、シクロヘプチルアミノ基、シクロオクチルアミノ基、シクロドデシルアミノ基、1−アダマンタミノ基および2−アダマンタミノ基等が挙げられる。
前記ジアルキルアミノ基は、例えばジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジペンチルアミノ基、ジヘキシルアミノ基、ジヘプチルアミノ基、ジオクチルアミノ基、ジノニルアミノ基、ジデシルアミノ基、ジドデシルアミノ基、ジオクタデシルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジイソペンチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、メチルプロピルアミノ基、メチルブチルアミノ基、メチルイソブチルアミノ基、ジシクロプロピルアミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基およびピペラジノ基等が挙げられる。
前記アリールアミノ基は、例えばアニリノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基、o−トルイジノ基、m−トルイジノ基、p−トルイジノ基、2−ビフェニルアミノ基、3−ビフェニルアミノ基、4−ビフェニルアミノ基、1−フルオレンアミノ基、2−フルオレンアミノ基、2−チアゾールアミノ基およびp−ターフェニルアミノ基等が挙げられる。
前記ジアリールアミノ基は、例えばジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、N−フェニル−N−(1−ナフチル)アミノ基およびN−フェニル−N−(2−ナフチル)アミノ基等が挙げられる。
前記アルキルアリールアミノ基は、例えばN−メチルアニリノ基、N−メチル−2−ピリジノ基、N−エチルアニリノ基、N−プロピルアニリノ基、N−ブチルアニリノ基、N−イソプロピルアニリノ基、N−ペンチルアニリノ基、N−エチルアニリノ基およびN−メチル−N−(1−ナフチル)アミノ基等が挙げられる。
次に、一般式(1)におけるR11〜R12について説明する。
R11〜R12は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基を表す。
ここで、R11〜R12におけるアルケニル基、アルキル基、アリール基、複素環基は、R1で説明した置換基と同様である。
次に、一般式(1)および一般式(2)におけるR21〜R24について説明する。
R21〜R24は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換の複素環オキシ基、置換もしくは未置換のアシル基、置換もしくは未置換のアシルオキシ基、または、置換もしくは未置換のアミノ基を表す。
R21〜R24におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。
R21〜R24におけるアルケニル基、アルキル基、アルキルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、複素環オキシ基、アミノ基は、R1の項で述べた置換基と同義である。
前記アシル基は、水素原子または炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状の脂肪族が結合したカルボニル基、炭素数2から20のアルキルオキシ基が置換したカルボニル基、炭素数6から18の単環状あるいは縮合多環状アリール基が結合したカルボニル基、炭素数6から18の単環状あるいは縮合多環状のアリールオキシ基が置換したカルボニル基、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、炭素数4から18の単環または縮合多環状の複素環基が結合したカルボニル基が好ましい。前記アシル基は、例えばホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、シクロペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、イソクロトノイル基、オレオイル基、シンナモイル基ベンゾイル基、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、プロピルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、オクタデシルオキシカルボニル基、ベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、9−アンスリルカルボニル基、フェニルオキシカルボニル基、1−ナフトイルオキシカルボニル基、2−ナフトイルオキシカルボニル基、9−アンスルリルオキシカルボニル基、3−フロイル基、2−テノイル基、ニコチノイル基およびイソニコチノイル基等が挙げられる。
前記アシルオキシ基は、炭素数2から20のアシルオキシ基が好ましい。前記アシルオキシ基は、例えばアセチルオキシ基、プロパノイルオキシ基、ブタノイルオキシ基、ペンタノイルオキシ基、トリフルオロメチルカルボニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、1−ナフチルカルボニルオキシ基および2−ナフチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
次に、一般式(2)におけるR31〜R34について説明する。
R31〜R34は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換の複素環オキシ基、置換もしくは未置換のアシル基、置換もしくは未置換のアシルオキシ基、または、置換もしくは未置換のアミノ基を表す。
ここで、R31〜R34におけるハロゲン原子、アルケニル基、アルキル基、アルキルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、複素環オキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アミノ基は、R21〜R24で述べた置換基と同義である。
一般式(1)および一般式(2)におけるXについて説明する。
Xは、−S−、−O−、または、−NR2−を表し、R2は、水素原子、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、または、置換もしくは未置換のアシル基を表す。
ここで、R2におけるアルケニル基、アルキル基、アリール基、複素環基、アシル基は、R21〜R24で説明した置換基と同様である。
上述した、R1におけるアルケニル基、アルキル基、アルキルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、複素環オキシ基、アミノ基、
R2におけるアルケニル基、アルキル基、アリール基、複素環基、アシル基、
R11〜R12におけるアルケニル基、アルキル基、アリール基、複素環基、
R21〜R24におけるアルケニル基、アルキル基、アルキルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、複素環オキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アミノ基、
R31〜R34におけるアルケニル基、アルキル基、アルキルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、複素環オキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アミノ基は、それぞれ、置換基内の水素原子がさらに他の置換基で置換されていても良く、そのような置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アルケニル基、アルキル基、アルキルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、複素環オキシ基、アシル基、アシルオキシ基およびアミノ基等が挙げられる。
ここで、ハロゲン原子、アルケニル基、アルキル基、アルキルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、複素環オキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アミノ基とは、R21〜R24で説明した置換基と同様である。
一般式(1)において、R11とR12、および、R1とR21は互いに結合して環構造を形成してもよく、R21〜R24は、それぞれ、隣接する基が結合して環構造を形成してもよく、前記環構造は芳香環であってもよい。
一般式(2)において、R1とR21は互いに結合して環構造を形成してもよく、R21〜R24、および、R31〜R34は、それぞれ、隣接した基が互いに結合して環構造を形成してもよく、前記環構造は芳香環であってもよい。
一般式(1)で表されるアゾール系化合物(A)の中で、特に高い耐光性が得られる点で、R11とR12が、それぞれ、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基から選ばれる基であることが好ましく、さらにこれらのR11とR12が互いに結合して芳香環を形成すること、すなわち、一般式(2)の構造となることが最も好ましい。これは、アゾール環の二重結合がベンゼン環に組み込まれることにより、光反応性が低下し、最も耐光性が向上するものと推測している。
また、一般式(1)および一般式(2)におけるR1としては、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、または、置換もしくは未置換の複素環基が好ましく、より高い耐光性と耐熱性を実現することが可能である。現時点ではこの理由は完全には明らかではないが、アミド構造がウレア構造やウレタン構造に比較して、光や熱に対する安定性により優れているためと推測している。
さらに、一般式(1)および一般式(2)において、Xが−NR2−で表される時、すなわち、アゾール系化合物(A)がイミダゾール構造を有する時、最も高い耐光性が得られるため、特に好ましい。
また、特に容易に製造可能である点から、一般式(2)において、R31〜R34は、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルキルオキシ基から選ばれる基であることが好ましい。
本発明で用いられる一般式(1)および一般式(2)で示されるアゾール系化合物(A)の代表例を以下に示すが、本発明はこれらの代表例に限定されるものではない。
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本発明における一般式(1)および一般式(2)で表されるアゾール系化合物(A)の合成は、公知の合成反応を利用できる。
次に代表的な合成例を下記反応式(1)に示した。式中、Xは、―O―、―S―、または、―NR2―を表し、R1、R2、R11〜R12、R21〜R24はそれぞれ、一般式(1)中の置換基に対応する。
反応式(1)
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反応式(1)は、アミノ基を有する前駆体と酸クロライド化合物とを反応させるもので、容易に高収率で進行させることが可能である。この時、R1、R2、R11〜R12、R21〜R24に、それぞれ、所望の置換基を有する原料を適宜選択して使用すれば、一般式(1)で表されるアゾール系化合物(A)が得られる。
また、上記反応式(1)において、酸クロライド化合物を対応するカルボン酸化合物に換えて、アミノ基を有する前駆体を使用した脱水縮合反応によっても容易にアゾール系化合物(A)を合成することが可能である。
さらに、一般式(1)のR1が置換もしくは未置換のアミノ基である場合は、下記反応式(2)で合成することも可能である。式中、Xは、―O―、―S―、または、―NR2―を表し、R2、R11〜R12、R21〜R24はそれぞれ、一般式(1)中の置換基に対応する。また、式中で生成する−NHR41基全体が、一般式(1)中のR1における置換もしくは未置換のアミノ基に相当する。
反応式(2)
Figure 2015183128
反応式(2)は、アミノ基を有する前駆体とイソシアネート化合物とを反応させるもので、容易に高収率で進行させることが可能である。この時、R41、R2、R11〜R12、R21〜R24に、それぞれ、所望の置換基を有する原料を適宜選択して使用すれば、一般式(1)で表されるアゾール系化合物(A)が得られる。
反応式(1)および反応式(2)で使用するアミノ基を有する前駆体を得る方法は特に限定されず、Aldrich社等の試薬メーカーから入手可能であるし、例えば、Scifinder等の化学データベースを検索すれば、多くの公知の合成方法を知ることができる。
本発明において熱可塑性樹脂(B)は、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリイソプレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、アイオノマー樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリメタクリル系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、エチレン系共重合体等ならびにこれらの変性樹脂等が好ましい。これらの中でもエチレン系共重合体がより好ましい。
前記エチレン系共重合体は、二種類以上の単量体の共重合体であり、単量体の少なくとも一種類がエチレン単量体であればよく特に限定されることはない。具体的には、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンアクリル酸メチル共重合体、エチレンアクリル酸エチル共重合体、エチレンメタクリル酸メチル共重合体、エチレンメタクリル酸エチル共重合体、エチレン系アイオノマー、エチレン酢酸ビニル系多元共重合体、エチレンアクリル酸メチル系多元共重合体、エチレンアクリル酸エチル系多元共重合体、エチレンメタクリル酸メチル系多元共重合体、およびエチレンメタクリル酸エチル系多元共重合体等が挙げられる。これらの中でもラミネート工程における発電素子の損傷低減や、透明性、生産性向上の観点から、酢酸ビニルを15〜40重量%使用したエチレン酢酸ビニル共重合体が好ましく、25〜35重量%がより好ましい。 また、熱可塑性樹脂(B)は、成形性、機械的強度などを考慮すると、メルトフローレート(以下、単にMFRという)が0.1〜60g/10minであることが好ましく、0.5〜45g/10minがより好ましい。なおメルトフローレートは、JIS K7210に準拠して測定した数値である。
一般式(1)で表されるアゾール系化合物(A)は、熱可塑性樹脂(A)100重量部に対して、0.01〜1.5重量部で使用することが好ましく、0.01〜1.0重量部がより好ましい。0.01〜1.5重量部使用することで、透明性、初期変換効率および波長変換効果のバランスがとりやすくなる。
本発明の波長変換性樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」ともいう)は、必要に応じて架橋剤、架橋助剤、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、着色剤、難燃剤、分散剤等の添加剤を配合することも可能である。さらに、各種添加剤を一般式(1)で表されるアゾール系化合物(A)および熱可塑性樹脂(B)と一緒に配合して製造することも、太陽電池封止材を製造する際に、別に添加することも可能である。
前記架橋剤は、熱可塑性樹脂の高温使用下における熱変形を防止するために用いられる。熱可塑性樹脂の場合、有機過酸化物が一般的に使用される。添加量は特に限定されないが、一般式(1)で表されるアゾール系化合物(A)および熱可塑性樹脂(B)の合計100重量部に対して、0.05〜3重量部使用することが好ましい。具体的には、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルイソプロピルカーボネート、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,1−ジ(tert−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(tert−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(tert−アミルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ブタン、メチルエチルケトンパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキシル−2,5−ジパーオキシベンゾエート、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、p−クロルベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシイソブチレート、n−ブチル−4,4−ジ(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、エチル−3,3−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ブチレート、ヒドロキシヘプチルパーオキサイド、ジクロヘキサノンパーオキサイド、1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ジ(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ブタン等が挙げられる。
前記架橋助剤は、上記架橋反応を効率良く行うために用いる。前記架橋助剤は、ポリアリル化合物やポリアクリロキシ化合物のような多不飽和化合物が好ましい。また前記架橋助剤は一般式(1)で表されるアゾール系化合物(A)および熱可塑性樹脂(B)の合計100重量部に対して、0.05〜3重量部用いるのが好ましい。具体的には、例えばトリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ジアリルフタレート、ジアリルフマレート、ジアリルマレエート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートなどが挙げられる。
前記シランカップリング剤は、表面保護部材や発電素子等に対する接着性を向上させるために用いる。前記シランカップリング剤は、ビニル基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基等の不飽和基、およびアルコキシシリル基のような加水分解性基を有する化合物が好ましい。シランカップリング剤は、一般式(1)で表されるアゾール系化合物(A)および熱可塑性樹脂(B)の合計100重量部に対して、0.05〜3重量部用いるのが好ましい。具体的には、例えばビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
前記紫外線吸収剤は、耐候性を付与するために用いる。前記紫外線吸収剤は、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、サリチル酸エステル系等の化合物が好ましい。紫外線吸収剤は、一般式(1)で表されるアゾール系化合物(A)および熱可塑性樹脂(B)の合計100重量部に対して、0.01〜3重量部用いるのが好ましい。具体的には、例えば2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクタデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5−クロロベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−メチル−5−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3、5−ジメチルフェニル)−5−メトキシベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチルオキシ)フェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシルオキシ)フェノール、フェニルサリチレートおよびp−オクチルフェニルサリチレート等が挙げられる。
前記光安定剤は、紫外線吸収剤と併用して耐候性を向上させるために用いる。前記光安定剤は、ヒンダードアミン光安定剤が好ましい。光安定剤は、一般式(1)で表されるアゾール系化合物(A)および熱可塑性樹脂(B)の合計100重量部に対して、0.01〜3重量部用いるのが好ましい。具体的には、例えばコハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{{2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セパレートおよび2−(3,5−ジ−tert−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)等が挙げられる。
本発明の波長変換性樹脂組成物は、一般式(1)で表されるアゾール系化合物(A)および熱可塑性樹脂(B)を含む原料を混合し、溶融混練し、ペレット状に成形することで製造できる。この時、一般式(1)で表されるアゾール系化合物(A)を高濃度に配合した樹脂組成物マスターバッチとして製造することも好ましい。前記樹脂組成物マスターバッチを製造する場合は、熱可塑性樹脂(B)100重量部に対して、一般式(1)で表されるアゾール系化合物(A)を1〜20重量部を配合することが好ましく、4〜15重量部がより好ましく、4〜10重量部がさらに好ましい。前記混合は、一般的な高速せん断型混合機や回転混合機であるヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、タンブラーミキサー等を用いるのが好ましい。
本発明の太陽電池封止材は、波長変換性樹脂組成物を溶融混練し、成形することで製造できる。成形方法は、T−ダイ押出機やカレンダー成形機などを使用できる。太陽電池封止材の厚みは、0.1〜1mm程度が好ましい。
また、太陽電池封止材は、樹脂組成物マスターバッチと、希釈用の熱可塑性樹脂とを溶融混錬し、押し出し成形することで成形することが好ましい。樹脂組成物マスターバッチの配合量は、分散性の観点から熱可塑性樹脂100重量部に対して、1〜30重量部用いることが好ましく、1〜15重量部がより好ましい。太陽電池封止材が含むアゾール化合物の配合量は、熱可塑性樹脂の合計100重量部に対して、0.01〜1.5重量部が好ましい。
図1を使用して本発明の太陽電池モジュールの構成の一例を示す。発電素子13は、表面太陽電池封止材12A及び裏面太陽電池封止材12Bに挟持されている。そして、この積層体は、透明基板11及び保護部材14に挟持されている。太陽電池モジュールは、発電素子13の上下を太陽電池封止材12Aおよび12Bで封止されている。前記封止は、一般的には、真空ラミネーターを用いて加熱圧着により製造される。太陽電池モジュールの例を挙げると、図1のように、透明基板11/表面太陽電池封止材12A/発電素子13/裏面太陽電池封止材12B/保護部材14のように太陽電池素子の両側から太陽電池封止材で挟むスーパーストレート構造、および透明基板11/発電素子13/裏面太陽電池封止材12B/保護部材14のように、表面太陽電池封止材12Aを使用しない構造が挙げられる。透明基板11は、熱強化白板ガラスや透明フィルム等が好ましい。太陽電池封止材は、耐湿性に優れたエチレン酢酸ビニル共重合体等の熱可塑性樹脂が好ましい。また、保護部材は、耐候性、封止材との接着性が良好である耐加水分解性ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムをポリフッ化ビニル樹脂フィルムで挟んだ構造のシート、耐加水分解性ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムとポリオレフィン樹脂フィルムを積層した(封止材接着面をポリオレフィン樹脂フィルムとする)シート等が好ましい。
以下に、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。部は重量部、%は重量%を意味する。
表1に本実施例で使用したアゾール系化合物(A)の構造と、比較例で使用した有機蛍光体の構造を示した。
Figure 2015183128
以下、表1に記載の本実施例で用いたアゾール系化合物(A)の合成について述べる。
化合物A−1の合成
2−(2−アミノフェニル)ベンズイミダゾール(Aldrich社製試薬)10.00gを脱水ピリジン90.7gに室温にて溶解し、この溶液にベンゾイルクロライド7.05gを数回に分けて加え、室温を保持しながら15分撹拌した。得られた溶液を氷水400gに注ぎ、析出物をろ別して水洗し、80℃で減圧乾燥した。得られた白色固体に酢酸エチル400mlを加え、沸点にて1時間リスラリーした。得られたスラリー中の固体をろ別し、酢酸エチルで洗浄して、80℃で減圧乾燥することにより、化合物A−1を12.20g得た(収率81%)。
化合物A−2の合成
2−(2−アミノフェニル)ベンズイミダゾール(Aldrich社製試薬)4.00gを脱水ピリジン45.4gに溶解し、0℃に保持しながら、この溶液にアセチルクロライド1.65gを滴下し、さらに10分間撹拌した。得られた溶液を氷水に注ぎ、析出物をろ別して水洗し、80℃で減圧乾燥した。得られた白色固体にメタノール100mlを加え、沸点にて30分間リスラリーした。得られたスラリー中の固体をろ別し、冷メタノールで洗浄して、40℃で減圧乾燥することにより、化合物A−2を3.51g得た(収率73%)。
化合物A−3の合成
2−(2−アミノフェニル)ベンズイミダゾール(Aldrich社製試薬)21.00gを脱水ピリジン190gに室温にて溶解し、この溶液に2,4,6−トリメチルベンゾイルクロライド19.24gを数回に分けて加え、室温を保持しながら2時間撹拌した。得られた溶液を氷水1000gに注ぎ、塩酸を添加してpHを3に調整してから析出物をろ別し、水洗した後、100℃で減圧乾燥した。得られた固体にアセトニトリル400mlを加え、沸点にて1時間リスラリーした。得られたスラリー中の固体をろ別し、冷アセトニトリルで洗浄した後、100℃で減圧乾燥することにより、化合物A−3を21.59g得た(収率62%)。
化合物A−4の合成
2−(2−アミノフェニル)ベンズイミダゾール(Aldrich社製試薬)3.00gを脱水ピリジン34.0gに室温にて溶解し、この溶液に4−t−ブチルベンゾイルクロライド2.96gを数回に分けて加え、室温を保持しながら1時間撹拌した。得られた溶液を氷水200gに注ぎ、塩酸を添加してpHを3に調整してから析出物をろ別し、水洗した後、60℃で減圧乾燥した。得られた固体にメタノール100mlを加え、沸点にて1時間リスラリーした。得られたスラリー中の固体をろ別し、冷メタノールで洗浄した後、60℃で減圧乾燥することにより、化合物A−4を4.95g得た(収率94%)。
化合物A−5および化合物A−7の合成
化合物A−5では、酸クロライド化合物を3,5−ジメトキシベンゾイルクロライドに、化合物A−7では酸クロライド化合物を1−ナフトエ酸クロライドに、それぞれ置き換えた他は、化合物A−4の合成とほぼ同一の所作にて、化合物A−5および化合物A−7を得た。収率は化合物A−5が68%、化合物A−7が71%であった。
化合物A−6の合成
2−(2−アミノフェニル)−5,6−ジメチルベンズイミダゾール5.00gを脱水ピリジン40.0gに室温にて溶解し、この溶液に3,5−ジメチルベンゾイルクロライド3.73gを数回に分けて加え、室温を保持しながら1時間撹拌した。得られた溶液を氷水200gに注ぎ、塩酸を添加してpHを3に調整してから析出物をろ別し、水洗した後、80℃で減圧乾燥した。得られた固体にアセトニトリルを適量加え、沸点にて1時間リスラリーした。得られたスラリーの固体をろ別し、冷アセトニトリルで洗浄した後、80℃で減圧乾燥することにより、化合物A−6を6.23g得た(収率80%)。なお、原料として使用した2−(2−アミノフェニル)−5,6−ジメチルベンズイミダゾールは、Indian Journal of Pharmaceutial Science誌、62巻、41〜45頁(2000年)を参考に、4,5−ジメチル−o−フェニレンジアミンとアントラニル酸をポリリン酸中で縮合させることにより合成した。
化合物A−8の合成
2−(2−アミノフェニル)ベンズイミダゾール(Aldrich社製試薬)5.00gを脱水THF200mlに溶解し、この溶液に室温にてフェニルイソシアネート2.99gを数回に分けて添加した。この溶液を2時間加熱還流した後、溶媒を溜去し、さらに80℃で減圧乾燥した。得られた淡黄色固体を、メタノール−水から再結晶することにより、化合物A−8を6.74g得た(収率86%)。
化合物A−9の合成
2−(2−アミノフェニル)ベンズイミダゾール(Aldrich社製試薬)7.00gを脱水THF250mlに溶解し、この溶液に室温にてエチルイソシアネート2.50gを数回に分けて添加した。この溶液を3時間加熱還流した後、溶媒を溜去した。得られた淡黄色固体を、メタノールから再結晶することにより、化合物A−9を6.06g得た(収率65%)。
化合物A−10
2−(2−アミノフェニル)ベンズチアゾール(Aldrich社製試薬)2.00gを脱水ピリジン41.8gに室温にて溶解し、この溶液にベンゾイルクロライド1.30gを数回に分けて加え、室温を保持しながら1時間撹拌した。得られた溶液を氷水200gに注ぎ、析出物をろ別して水洗し、80℃で減圧乾燥した。得られた白色固体を酢酸エチルから再結晶することにより、化合物A−10を2.28g得た(収率78%)。
化合物A−11
出発原料を2−(2−アミノフェニル)ベンズオキサゾールに置き換えた他は、化合物A−10の合成とほぼ同様に行うこと化合物A−11を得ることができた(収率58%)。なお、原料として使用した2−(2−アミノフェニル)ベンズオキサゾールは、Indian Journal of Chemistry誌、26B巻、951〜954頁(1987年)を参考に、2−アミノフェノールとイサト酸無水物を酢酸中で縮合することにより合成した。
(B)熱可塑性樹脂
(B−1)東ソー社製(ウルトラセン751、エチレン酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル含有量:28重量%、MFR:5.7)
(B−2)三井・デュポンポリケミカル社製(エバフレックスV523、エチレン酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル含有量:33重量%、MFR:14)
[実施例1]
ウルトラセン751 90重量部とアゾール系化合物(A−1) 10重量部をタンブラーミキサー(カワタ社製)に投入し温度25℃、時間3分の条件で撹拌した後、二軸押出し機(日本プラコン社製)に投入し、温度100℃で溶融混練することで太陽電池封止材用マスターバッチを得た。
別途、ウルトラセン751に架橋剤、架橋助剤、シランカップリング剤を配合した架橋剤マスターバッチと、熱可塑性樹脂に紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤を配合した安定化剤マスターバッチを作製した。
得られた太陽電池封止材用のマスターバッチと、架橋剤マスターバッチと、安定化剤マスターバッチと、表2の配合量になるように、希釈樹脂としてウルトラセン751を投入し、これらを全てT−ダイ押出機に投入した。次いで100℃にて押し出し成形を行うことで太陽電池封止材12A、12Bおよび16(それぞれ厚さ0.5mm)を得た。なお、太陽電池封止材中の架橋剤、架橋助剤、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤の種類および配合量は、熱可塑性樹脂(ウルトラセン751)とアゾール系化合物(A−1)の合計100重量部に対して、下記配合量になるよう使用した。
架橋剤:t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート0.6重量部
架橋助剤:トリアリルイソシアヌレート0.6重量部
シランカップリング剤:γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.3重量部
光安定剤:ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート0.1重量部
Figure 2015183128
[実施例2〜24]
実施例1のアゾール系化合物および熱可塑性樹脂を表2に記載した他のアゾール系化合物ならびに熱可塑性樹脂、ならびにその配合量を変更した以外は実施例1と同様に行うこと太陽電池封止材用マスターバッチを作製し、次いで太陽電池封止材12A、12B、16を作成した。
[比較例1〜10]
実施例1のアゾール系化合物を表3に記載した蛍光体に変更し、さらに表4に記載した蛍光体および熱可塑性樹脂、ならびにその配合量を変更した以外は実施例1と同様に行うこと太陽電池封止材用マスターバッチを作製し、次いで太陽電池封止材12A、12B、16を作成した。
Figure 2015183128
Figure 2015183128
実施例1〜24及び比較例1〜10で得られた太陽電池封止材を以下項目で評価した。
[蛍光強度]
図2に示すように、得られた太陽電池封止材16をガラス製 厚さ3mmのガラス製 の透明基板15および同透明基板17を使用して挟み込みように重ねて積層した。次いで、真空ラミネーターを使用して真空下で、150℃、5分間加熱、15分間加熱圧着して、太陽電池封止材を架橋させることで試験用サンプル1を作製した。この試験用サンプル1の蛍光強度を日立ハイテク製分光蛍光光度計により測定した。
[黄色性]
上記同様に作成した耐久試験用サンプル1について加速試験を行い、光劣化による樹脂黄変を促進させた後、KURABO製コンピューターカラーマッチングシステムにより耐久試験前と試験後の黄色度の差(ΔYI)を測定した。なお黄色度の差が小さい程、樹脂黄変が小さい。
加速試験は、アイスーパーUVテスター(岩崎電気製)により、耐久試験用サンプル1を温度63℃、湿度50%RH、放射照度100mW/cmの環境下、20日間静置の条件により行った。
[耐光性]
上記同様に作成した耐久試験用サンプル2について加速試験を行い、光劣化を促進させた後、蛍光強度を蛍光光度計により測定し、初期の蛍光強度からの保持率を得た。
加速試験は、アイスーパーUVテスターにより、耐久試験用サンプル2を温度63℃、湿度50%RH、放射照度100mW/cmの環境下5、10、20日間静置の条件により行った。
[変換効率]
得られた太陽電池封止材12Aおよび12B、ならびに発電素子13、ならびに厚さ3mmのガラス製の透明基板11、ならびに耐加水分解性ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムをポリフッ化ビニル樹脂フィルムで挟んだ3層構成の厚さ0.5mmの保護部材14を使用して図1に示す構成の積層体を得た。次いで、前記積層体を真空ラミネーターによる真空下で、150℃で5分間加熱、15分間加熱圧着して、太陽電池封止材を架橋させ、耐久試験用サンプル3を得た。得られた耐久試験用サンプル3についてUVテスターを使用した加速試験、およびダンプヒートによる加速試験をそれぞれ行った。
UVテスター:アイスーパーUVテスターを使用して、温度63℃、湿度50%RH、放射照度100mW/cmの環境下、20日間静置した。
ダンプヒート:恒温恒湿試験を温度85℃、湿度85%RHの環境に設定し、1000時間静置した。
変換効率は、入光エネルギーと最適動作点での出力と、発電素子の面積から算出した。
評価は、発電素子単体の変換効率を100として、サンプル試験前の変換効率(初期変換効率)と、試験後の変換効率(経時変換効率)をUVテスターおよびダンプヒートでそれぞれ加速試験を行った耐久試験用サンプル3を使用して求めた。
Figure 2015183128
表5の結果より、実施例1〜24は、全ての評価項目において比較例を上回る優れた耐久性が得られた。特に特定の有機蛍光体を用いることで、一般的な有機金属錯体を用いた場合よりも、波長変換効果が持続し、樹脂の黄変を低減することで経時でも変換効率が保持できるという驚くべき結果が得られた。また、従来良好とされてきたアゾール系の有機蛍光体(比較例1−3)と比較しても蛍光強度の劣化や変換効率の低下は見られず、本発明の蛍光体は抜群の耐光性を示すことがわかった。
11 透明基板
12A 表面太陽電池封止材
12B 裏面太陽電池封止材
13 発電素子
14 保護部材
15 透明基板
16 太陽電池封止材
17 透明基板

Claims (9)

  1. 下記一般式(1)で表されるアゾール系化合物(A)と、熱可塑性樹脂(B)とを含むことを特徴とする波長変換性樹脂組成物。
    一般式(1)
    Figure 2015183128

    (式中、R1は、水素原子、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換の複素環オキシ基、または、置換もしくは未置換のアミノ基を表す。
    R11〜R12は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基を表す。
    R21〜R24は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換の複素環オキシ基、置換もしくは未置換のアシル基、置換もしくは未置換のアシルオキシ基、または、置換もしくは未置換のアミノ基を表す。
    ここで、R11とR12、および、R1とR21は互いに結合して環を形成してもよく、R21〜R24は、それぞれ、隣接した基が互いに結合して環を形成しても良い。
    Xは、−S−、−O−、または、−NR2−を表し、
    R2は、水素原子、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、または、置換もしくは未置換のアシル基を表す。)
  2. 前記アゾール系化合物(A)が下記一般式(2)で表されることを特徴とする、請求項1記載の波長変換性樹脂組成物。
    一般式(2)
    Figure 2015183128
    (式中、R1は、水素原子、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換の複素環オキシ基、または、置換もしくは未置換のアミノ基を表す。
    R21〜R24、および、R31〜R34は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換の複素環オキシ基、置換もしくは未置換のアシル基、置換もしくは未置換のアシルオキシ基、または、置換もしくは未置換のアミノ基を表す。
    ここで、R1とR21は互いに結合して環を形成してもよく、R21〜R24、および、R31〜R34は、それぞれ、隣接した基が互いに結合して環を形成しても良い。
    Xは、−S−、−O−、または、−NR2−を表し、
    R2は、水素原子、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、または、置換もしくは未置換のアシル基を表す。)
  3. 前記R1が、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、または、置換もしくは未置換の複素環基である請求項1または2記載の波長変換性樹脂組成物。
  4. 前記Xが、−NR2−である請求項1〜3いずれか1項に記載の波長変換性樹脂組成物。
  5. 熱可塑性樹脂(B)が、エチレン系共重合体であることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載の波長変換性樹脂組成物。
  6. 少なくとも、請求項1〜5いずれか記載の波長変換性樹脂組成物を用いて成形してなる太陽電池封止材。
  7. 熱可塑性樹脂(B)100重量部に対して、一般式(1)で示すアゾール系化合物(A)を1〜20重量部含むことを特徴とする太陽電池封止材用マスターバッチ。
    一般式(1)
    Figure 2015183128

    (式中、R1は、水素原子、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換の複素環オキシ基、または、置換もしくは未置換のアミノ基を表す。
    R11〜R12は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基を表す。
    R21〜R24は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルキルオキシ基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアリールオキシ基、置換もしくは未置換の複素環基、置換もしくは未置換の複素環オキシ基、置換もしくは未置換のアシル基、置換もしくは未置換のアシルオキシ基、または、置換もしくは未置換のアミノ基を表す。
    ここで、R11とR12、および、R1とR21は互いに結合して環を形成してもよく、R21〜R24は、それぞれ、隣接した基が互いに結合して環を形成しても良い。
    Xは、−S−、−O−、または、−NR2−を表し、
    R2は、水素原子、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の複素環基、または、置換もしくは未置換のアシル基を表す。)
  8. 熱可塑性樹脂(B)と、請求項7記載の太陽電池封止材用マスターバッチとを用いて形成してなる太陽電池封止材。
  9. 少なくとも、請求項6または8記載の太陽電池封止材を備えた太陽電池モジュール。
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