JP2014232792A - 波長変換型封止材層およびその製造方法 - Google Patents

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美由紀 黒木
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Hisanari Onouchi
久成 尾之内
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Abstract

【課題】本発明は、ドライプロセスにより製造可能であり、発電に寄与しない波長域の光を発電に寄与する波長域の光に波長変換することにより太陽電池セルの光電変換効率を向上させることが可能な太陽電池用の波長変換型封止材層を提供することに関する。
【解決手段】
少なくとも表面保護層、封止材層および太陽電池セルが積層された太陽電池モジュールに用いられる波長変換型封止材層であって、
前記波長変換型封止材層が前記表面保護層の内面側に積層され、前記波長変換型封止材層のマトリックス樹脂の180℃における溶融粘度(JIS K6862)が1,000〜50,000mPa・sであることを特徴とする波長変換型封止材層。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池用の波長変換型太陽電池封止材層およびその製造方法、ならびに上記波長変換型太陽電池封止材層を用いた太陽電池モジュールに関する。より詳しくは、発電に寄与しない波長域の光を発電に寄与する波長域の光に波長変換することにより発電効率を高くしうる太陽電池モジュール、それに用いる波長変換型太陽電池封止材、およびその製造方法に関する。
従来のシリコン結晶太陽電池モジュールは以下のような構成である。表面の保護ガラス(カバーガラスともいう)は耐衝撃性を重んじて強化ガラスが用いられており、封止材(充填剤)との密着性をよくするために、片面はエンボス加工による凹凸が施されている。
また、上記凹凸模様は内側に形成されており、太陽電池モジュールも表面は平滑である。また、保護ガラスの下側には太陽電池セルおよびタブ線を保護封止するための封止材およびバックフィルムが設けられている。蛍光物質を用い、太陽光スペクトルのうち、発電に寄与しない紫外域の光を波長変換することにより、発電に寄与しうる波長域の光を発行する層を太陽電池モジュール内に設ける手法は、これまでに提案されている(たとえば、特許文献1〜3参照)。
しかし、太陽電池モジュールに波長変換機能を導入するにあたっては、当該波長変換機能は封止材に組み込まれることが通常であって、その際、波長変換したい短波長の光が上記封止材樹脂によって吸収されやすく、蛍光体が光を効率よく波長変換することができず、その結果、太陽電池モジュールの光電変換機能を十分に向上させられない不具合が生じることが判明した。
また、波長変換機能を有する層を形成する方法としては、水や有機溶媒等の溶媒を用いて塗布・乾燥するなど、工程が煩雑なものがみられるだけであった。
特公平11−345993号公報 特公平08−004147号公報 特開2003−243682号公報
本発明は、このような事情に照らし、ドライプロセスにより製造可能であり、発電に寄与しない波長域の光を発電に寄与する波長域の光に波長変換することにより太陽電池セルの光電変換効率を向上させることが可能な太陽電池用の波長変換型封止材層を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記波長変換型封止材層製造方法、ならびに上記波長変換型封止材層を用いた太陽電池モジュールを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、以下に示す波長変換型封止材層およびその製造方法、ならびに上記波長変換型太陽電池封止材層を用いた太陽電池モジュールにより上記目的を達成できることを見出して、本発明を完成するに至った。
本発明の波長変換型封止材層は、少なくとも表面保護層、封止材層および太陽電池セルが積層された太陽電池モジュールに用いられる波長変換型封止材層であって、上記波長変換型封止材層が上記表面保護層の内面側に積層され、上記波長変換型封止材層のマトリックス樹脂の180℃における溶融粘度(JIS K6862)が1,000〜50,000mPa・sであることを特徴とする。
本発明の波長変換型封止材層を用いることにより、これまで発電に寄与せずにロスしていたより短波長域の光を長波長側に効果的に変換して発電に寄与しうる光としてより有効活用することができる。その結果、従来の封止材層中に蛍光化合物を混合した場合のように吸収したい短波長域の光が封止材に吸収されてしまうこともなく、光電変換効率が大きく向上させることができる。また、上記波長変換型封止材層のマトリックス樹脂が上記特定の溶融粘度を有することから、ドライプロセスでの成形が容易となり、さらには環境負荷を低減させうる。また、上記波長変換型封止材層は、従来の封止材層をそのまま用いることができるため、すでに製品化されている封止材等の処方や設計の変更を特段伴う必要もなく、モジュールの耐衝撃性、信頼性等の観点においても大きな利点がある。特に太陽電池用途では、屋外で20年以上の長期に渡って使用されることが想定されることから、すでに高度の耐衝撃性、耐久性、信頼性等を獲得してきている封止材の処方や設計の変更を伴いことは極力避けたい事項である。これに対して、本発明の波長変換型封止材層では、表面保護層に上記波長変換型封止材層が設けられており、まず上記波長変換型封止材層でより短波長域の光を吸収・変換した後に、封止材層に光が透過して太陽電池セルに入射するため、上記のような問題が生じることがなく、より効果的に短波長域の光まで光発電に利用することができる。本願の波長変換型封止材層は、従来よりすでに高度の耐衝撃性、耐久性、信頼性等を獲得してきている封止材の処方や設計をそのまま活用することができ、このことは特に太陽電池用途においてきわめて大きな利点である。
また、本発明の波長変換型封止材層において、上記波長変換型封止材層が、ホットメルト法で形成されたものであることが好ましい。上記波長変換型封止材層をホットメルト法で形成することにより、溶剤を用いることなく、ドライプロセスを経ることが可能であり、環境負荷も大きく低減したものとなる。
また、本発明の波長変換型封止材層において、上記封止材層が、波長変換機能を有さないものであることが好ましい。一般の封止材層の波長変換機能を付与するために蛍光化合物などを添加しても、上述のように封止材層のマトリックス樹脂等が蛍光化合物の吸収・変換したい短波長域の光を吸収してしまい、さらには封止材に異物である蛍光化学物質などを添加することにより封止材層自体の特性・物性が変化し、さらに封止材層の処方や設計の変更を伴ってしまう問題がある。一方、本願の波長変換型封止材層は、従来よりすでに高度の耐衝撃性、耐久性、信頼性等を獲得してきている封止材の処方や設計をそのまま活用することができ、特に太陽電池用途においてきわめて大きな利点である。
また、本発明の波長変換型封止材層において、入射光の波長をより長波長に変換することが好ましい。太陽電池セルの吸収波長域よりもより短波長域の光を、太陽電池セルが光発電に利用できる波長域に変換(より長波長域に、つまりレッドシフト)させることにより、光電変換効率をより向上させることができる。
また、本発明の波長変換型封止材層において、蛍光化合物を含むことが好ましい。また、本発明の波長変換型封止材層において、上記蛍光化合物の最大紫外線吸収波長が330〜400nmであり、最大発光波長が430〜800nmであることが好ましい。太陽電池セルの吸収波長域よりもより短波長域の光を、効果的に太陽電池セルが光発電に利用できる波長域にレッドシフトさせることにより、光電変換効率をより向上させることができる。また、本発明の波長変換型封止材層において、りん光化合物も同様に適宜用いることができる。
また、本発明の波長変換型封止材層において、上記マトリックス樹脂が、エチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とすることが好ましい。上記マトリックス樹脂としてエチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とすることにより、光透過性や耐久性に優れた波長変換型封止材層とすることができる。なお、上記主成分とするとは、上記マトリックス樹脂を複数の樹脂の混合物とした場合、重量比で50重量%以上含む場合をいうものとする。上記重量比は、70重量%以上であることがより好ましく、90重量%であることがさらに好ましい。
また、本発明の波長変換型封止材層において、上記太陽電池セルが、結晶シリコン太陽電池であることが好ましい。上記波長変換型封止材層は、上記太陽電池セルを積層する太陽電池モジュールに用いることでより効果的に光電変換効率をより向上させることができる。
一方、本発明の太陽電池モジュールは、表面保護層、上記波長変換型封止材層、封止材層および太陽電池セルを含むことを特徴とする。上記太陽電池モジュールは、上記波長変換型封止材層を表面保護層の内面側に積層され、入射光が封止材層に至る前に上述のように効果的により短波長域の光をレッドシフトさせることができるため、光電変換効率に優れた太陽電池モジュールとなる。
他方、本発明の波長変換型封止材層の製造方法は、少なくとも表面保護層、上記表面保護層の内面側に積層された波長変換型封止材層、封止材層および太陽電池セルが積層された太陽電池モジュールに用いられる波長変換型封止材層の製造方法であって、上記波長変換型封止材層のマトリックス樹脂の180℃における溶融粘度(JIS K6862)が1,000〜50,000mPa・sであり、上記マトリックス樹脂をホットメルト法により形成する工程を含むことを特徴とする。
本発明の波長変換型封止材層の製造方法において、上記波長変換型封止材層のマトリックス樹脂が上記特定の溶融粘度を有し、さらには上記波長変換型封止材層をホットメルト法で形成する工程を用いることから、溶剤を用いることなく、ドライプロセスを経ることが可能であり、環境負荷も大きく低減したものとなる。
また、本発明の波長変換型封止材層の製造方法において、上記ホットメルト法が、100〜200℃の条件で行われることが好ましい。上記条件で行うことにより、蛍光化合物のマトリックス中への分散性や平滑性等、より成型加工性に優れた製造方法とすることができる。
本発明の波長変換型封止材層を用いた太陽電池モジュールの例を示す。 本発明の波長変換型封止材層を用いた太陽電池モジュールの例を示す。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
(波長変換型封止材層)
本発明の波長変換型封止材層は、少なくとも表面保護層、封止材層および太陽電池セルが積層された太陽電池モジュールに用いられる波長変換型封止材層であって、上記波長変換型封止材層が上記表面保護層の内面側に積層され、上記波長変換型封止材層のマトリックス樹脂の180℃における溶融粘度(JIS K6862)が1,000〜50,000mPa・sであることを特徴とする。
本発明の波長変換型封止材層は、波長変換機能を有するものである。上記波長変換型封止材層は、入射光の波長をより長波長に変換するものが好ましい。上記波長変換型封止材層は、光学的に透明なマトリックス樹脂中に、波長変換機能を有する蛍光化合物等を分散させること等により形成することができる。
本発明の波長変換型封止材層において、光学的に透明なマトリックス樹脂を用いることが好ましい。上記マトリックス樹脂として、たとえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリビニルアセテート、ポリエチレンテトラフルオロエチレンなどのポリオレフィン類、ポリイミド、非晶質ポリカーボネート、シロキサンゾル−ゲル、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエーテルサルフォン、ポリアリレート、エポキシ樹脂、およびシリコーン樹脂などをあげることができる。これらのマトリックス樹脂は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
上記ポリ(メタ)アクリレートとして、ポリアクリレートおよびポリメタクリレートを含み、たとえば、(メタ)アクリル酸エステル樹脂などをあげることができる。ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエンなどをあげることができる。ポリビニルアセテートとしては、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール(PVB樹脂)、変性PVBなどをあげることができる。
上記(メタ)アクリル酸エステル樹脂の構成モノマーとして、たとえば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸ベンジルなどをあげることができる。さらには、上記アルキル基が水酸基、エポキシ基、ハロゲン基などで置換された(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどをあげることができる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
上記(メタ)アクリル酸エステルにおいて、エステル部位のアルキル基の炭素数が1〜18であることが好ましく、炭素数1〜8であることがより好ましい。
上記(メタ)アクリル酸エステル樹脂として、(メタ)アクリル酸エステルのほかに、これらと共重合可能な不飽和モノマーを用いて共重合体としてもよい。
上記不飽和モノマーとして、たとえば、メタクリル酸、アクリル酸などの不飽和有機酸、スチレン、α−メチルスチレン、アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、無水マレイン酸、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミドなどをあげることができる。これらの不飽和モノマーは単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
上記(メタ)アクリル酸エステルにおいて、なかでも、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシルおよびその官能基置換した(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどを用いることが好ましく、耐久性や汎用性の観点からは、メタクリル酸メチルなどがより好ましい例としてあげることができる。
上記(メタ)アクリル酸エステルと上記不飽和モノマーの共重合体として、たとえば、(メタ)アクリル酸エステル−スチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などをあげることができる。なかでも、耐湿性や汎用性、コスト面の観点からは、エチレン−酢酸ビニル共重合体が好ましく、また耐久性と表面硬度の点からは、(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体と(メタ)アクリル酸エステルとの併用が、上記各観点から好ましい。
上記エチレン−酢酸ビニル共重合体として、エチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部に対して、酢酸ビニル単量体単位の含有率が10〜35重量部であることが好ましく、20〜30重量部であることがより好ましく、上記含有率の場合には希土類錯体などのマトリックス樹脂中への均一分散性の観点から好ましい。
光学的に透明なマトリックス樹脂として上記エチレン−酢酸ビニル共重合体を用いる場合には、市販品を適宜使用することができる。上記エチレン−酢酸ビニル共重合体の市販品として、たとえば、ウルトラセン634(東ソー株式会社製)、エバフレックス(三井・デュポンポリケミカル株式会社製)、サンテックEVA(旭化成ケミカルズ社製)、UBE EVAコポリマー(宇部丸善ポリエチレン社製)、エバテート(住友化学社製)、ノバテックEVA(日本ポリエチレン社製)、スミテート(住友化学社製)、ニポフレックス(東ソー社製)などをあげることができる。
上記マトリックス樹脂において、架橋性モノマーを加えて、架橋構造を有する樹脂としてもよい。
上記架橋性モノマーとして、たとえば、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物(たとえば、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(エチレン基の数が2〜14のもの)、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(プロピレン基の数が2〜14のもの)、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリオキシエチレンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジオキシエチレンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAトリオキシエチレンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAデカオキシエチレンジ(メタ)アクリレート等)、グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を付加して得られる化合物(たとえば、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジアクリレート等)、多価カルボン酸(たとえば、無水フタル酸)と水酸基及びエチレン性不飽和基を有する物質(たとえば、β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート)とのエステル化物、アクリル酸若しくはメタクリル酸のアルキルエステル(たとえば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル)、ウレタン(メタ)アクリレート(たとえば、トリレンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸エステルとの反応物、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートとシクロヘキサンジメタノールと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸エステルとの反応物等)、などをあげることができる。これらの架橋性モノマーは単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。なかでも、上記架橋性モノマーにおいて、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリオキシエチレンジメタクリレートが好ましいものとしてあげられる。
上記架橋性モノマーを含むマトリックス樹脂を用いる場合、たとえば、上記架橋モノマーに熱重合開始剤または光重合開始剤を加えて、加熱または光照射によって重合・架橋させ架橋構造を形成することができる。
上記熱重合開始剤として、公知の過酸化物を適宜用いることができる。上記熱可塑性樹脂重合開始剤としては、たとえば、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン−3、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシベンズエート、ベンゾイルパーオキサイドなどをあげることができる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
上記熱重合開始剤の配合量は、たとえば、上記マトリックス樹脂100重量部に対して、0.1〜2重量部用いることができる。
上記光重合開始剤としては、紫外線または可視光線により遊離ラジカルを生成する公知の光開始剤を適宜用いることができる。上記光重合開始剤として、たとえば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテルなどのベンゾインエーテル類、ベンゾフェノン、N,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類、ベンジルジメチルケタール(チバ・ジャパン・ケミカルズ社製、イルガキュア651)、ベンジルジエチルケタールなどのベンジルケタール類、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノンなどのアセトフェノン類、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンなどのキサントン類、あるいはヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、イルガキュア184)、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ビトロキシ−2−メチルプロパン−1−オン(チバ・ジャパン・ケミカルズ社製、ダロキュア1116)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(メルク社製、ダロキュア1173)などをあげることができる。これらは単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
また、上記光重合開始剤として、たとえば、2,4,5−トリアリルイミダゾール二量体と2−メルカプトベンゾオキサゾール、ロイコクリスタルバイオレット、トリス(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン等との組み合わせなどをあげることができる。また、たとえば、ベンゾフェノンに対するトリエタノールアミン等の三級アミンのように、適宜公知の添加剤を用いてもよい。
上記光重合開始剤の配合量は、たとえば、上記マトリックス樹脂100重量部に対して、0.1〜5重量部用いることができる。
上記マトリックス樹脂の屈折率として、たとえば、1.4〜1.7の範囲、1.45〜1.65の範囲、または、1.45〜1.55の範囲である。いくつかの実施形態において、ポリマーマトリックス材の屈折率が1.5である。
本発明の上記波長変換型封止材層において、上記マトリックス樹脂の180℃における溶融粘度η(JIS K6862)が1,000〜50,000mPa・sであることを特徴とする。上記マトリックス樹脂の溶融粘度は、好ましくは2,000〜40,000であり、2,000〜20,000であることがより好ましく、3,000〜12,000であることがさらに好ましい。上記溶融粘度が90,000以上であると、蛍光化合物のマトリックス中への分散性や平滑性等、成型加工性に劣る問題が生じる。特に、ホットメルト法で上記層形成(層シートなど)を行った際に、層表面の均一性や表面の凹凸などで支障がでてしまう。また、上記溶融粘度が1,000未満であると、塗布や成形工程時にはじき等の問題が生じてしまう。なお、たとえば、通常の汎用のエチレンビニルアセテートでは、上記溶融粘度は300,000〜2,000,000程度である。
上記波長変換型封止材層は、たとえば、上記マトリックス樹脂中に、波長変換機能を有する蛍光化合物等を分散させること等により形成することができる。
上記蛍光化合物として、波長域330〜400nmの光を、430nmを超える波長域の光よりも多く吸収するものであることが好ましい。430nm以下の波長域の光を吸収していても、430nmを超える波長域に光をより多く吸収する場合には、光電変換層で利用できる光の総量が減少してしまうためである。330〜400nmの波長域の光を、430nmを超える波長域の光よりも多く吸収することにより、光電変換層で利用可能な光(直接光)を減少させることなく、波長変換された光も利用可能となり、その結果、光電変換層で利用できる光の総量を増加させることができる。
上記蛍光化合物として、たとえば、有機蛍光化合物、および、無機蛍光化合物などをあげることができる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
蛍光(またはホトルミネセンス性)色素の有用な性質の1つが、これらの色素は、特定波長の光の光子を吸収し、かつ、当該光子を異なる波長で再放出することができることである。この現象はまた、これらの色素を光起電産業において有用にする。
上記有機蛍光化合物として、公知の有機色素化合物(有機蛍光染料など)を用いることができる。上記有機蛍光化合物として、たとえば、ナフタルイミド、ペリレン、アントラキンノン、クマリン、ベンゾクマリン、キサンテン、フェノキサジン、ベンゾ[a]フェノキサジン、ベンゾ[b]フェノキサジン、ベンゾ[c]フェノキサジン、ナフタルイミド、ナフトラクタム、アズラクトン、メチン、オキサジン、チアジン、ジケトピロロピロール、キナクリドン、ベンゾキサンテン、チオーエピンドリン、ラクタムイミド、ジフェニルマレイミド、アセトアセトアミド、イミダゾチアジン、ベンズアントロン、ペリレンモノイミド、フタルイミド、ベンゾトリアゾール、ベンゾチアジアゾール、ベンゾオキサゾール、ピリミジン、ピラジン、トリアゾール、ジベンゾフラン、トリアジン、および、ハルビツール酸誘導体などをあげることができる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
上記無機蛍光化合物として、通常用いられる太陽電池で利用可能な波長域外の光を、太陽電池で利用可能な波長域に変換可能な化合物であれば、特に制限されない。たとえば、希土類金属の有機錯体等が好ましいものとしてあげることができる。また、上記無機蛍光化合物を、たとえば、球状蛍光体中の蛍光物質として用いてもよい。
上記希土類金属の有機錯体として、その中心金属元素の希土類元素については特に制限されず、たとえば、スカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウムなどをあげることができる。なかでも、ユーロピウムまたはサマリウムが好ましいものとしてあげることができる。特に波長変換効率の観点から、ユーロピウム錯体またはサマリウム錯体の少なくとも1種であることが好ましい。
上記有機錯体を構成する配位子として、特に制限されることなく、用いる金属に応じて適宜選択することができる。なかでも、ユーロピウムまたはサマリウムの少なくとも1種と錯体を形成可能な配位子であることが好ましい。上記配位子については、中性配位子である、カルボン酸、含窒素有機化合物、含窒素芳香族複素環化合物、β−ジケトン類、およびフォスフィンオキサイドから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
上記蛍光化合物の配合量として、上記マトリックス樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量部である好ましく、0.05〜5重量部であることがより好ましく、0.1〜1重量部であることがさらに好ましい。
本発明における上記蛍光化合物は、単に、特定の波長領域において光を吸収しそれより長波長に波長変換して発光すればよい、というだけにとどまるものではない。本願の蛍光色素において、可能であれば、最大吸収波長よりもより長波長において、吸収を持たない(またはより少ない)ことが好ましい。たとえば、その指標として、最大吸収波長よりも60nm長波長の波長における吸光度が、最大吸収波長における吸光度と比較して小さいことが望ましい。
上記波長変換型封止材層において、所望の性能を損なわない範囲で、適宜公知の添加剤を含むことができる。上記添加剤として、たとえば、熱可塑性ポリマー、酸化防止剤、紫外線防止剤、光安定剤、有機過酸化物、充填剤、可塑剤、シランカップリング剤、受酸剤、クレイ等があげられる。これらは単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
上記波長変換型封止材層を製造するには、公知の方法に準じて行えばよい。たとえば、上記の各材料を加熱混練、スーパーミキサー(高速流動混合機)、ロールミル、プラストミル等を用いて公知の方法で混合した組成物を、通常の押出成形、カレンダ成形(カレンダリング)、真空熱加圧等により成形してシート状物を得る方法により適宜製造することができる。また、PETフィルム等の上に上記層を形成した後、表面保護層に転写する方法により製造することができる。また、ホットメルトアプリケーターにより、混練溶融と塗布を同時に行う方法を用いることができる。
より具体的には、たとえば、上記マトリックス樹脂および蛍光化合物等を含む上記波長変換型封止材組成物を、表面保護層またはセパレーターなどにそのまま塗布してもよし、上記材料を他の材料と混合組成物として塗布してもよい。
上記混合組成物として塗布する場合、上記マトリックス樹脂は、加工性を考慮して、融点が50〜120℃であることが好ましく、50〜100℃であることがより好ましく、50〜80℃であることがさらに好ましい。また、たとえば、上記波長変換型封止材組成物の融点が50〜120℃の場合、上記組成物の混練溶融および塗布温度は、上記融点に30〜100℃加えた温度で行うことが好ましい。
また、いくつかの実施形態において、波長変換型封止材層が下記の工程によって薄膜構造体に製造される:(i)ポリマー(マトリックス樹脂)粉末が所定の比率で溶媒(たとえば、テトラクロロエチレン(TCE)、シクロペンタノン、ジオキサンなど)に溶解されたポリマー溶液を調製する工程、(ii)ポリマー混合物を含有する発光色素(蛍光化合物)を、ポリマー溶液を所定の重量比で発光色素と混合して、色素含有ポリマー溶液を得ることによって調製する工程、(iii)色素/ポリマー薄膜を、色素含有ポリマー溶液をガラス基板の上に直接に流し込み、その後、基板を2時間で室温から最高で100℃まで熱処理し、残留溶媒を130℃での一晩のさらなる真空加熱によって完全に除くことによって形成する工程、および、(iv)使用前に、色素/ポリマー薄膜を水の中で剥がし、その後、自立型ポリマーフィルムを完全に乾燥する工程;(v)フィルムの厚さを、色素/ポリマー溶液の濃度および蒸発速度を変化させることによって制御することができる。
上記波長変換型封止材組成物(上記マトリックス樹脂、上記蛍光化合物、および必要に応じて上記添加剤等)の塗布方法(上記樹脂組成物層の形成方法)として、たとえば、ホットメルト法、押出し成形、ラミネート加工、およびそれらの組み合わせを含む様々な技術を適宜使用して行うことができる。
また、本発明の波長変換型封止材層の製造方法は、少なくとも表面保護層、上記表面保護層の内面側に積層された波長変換型封止材層、封止材層および太陽電池セルが積層された太陽電池モジュールに用いられる波長変換型封止材層の製造方法であって、上記波長変換型封止材層のマトリックス樹脂の180℃における溶融粘度(JIS K6862)が1,000〜50,000mPa・sであり、上記マトリックス樹脂をホットメルト法により形成する工程を含むことを特徴とする。
上記ホットメルト法を用いる場合の上記波長変換型封止材組成物(上記マトリックス樹脂、上記蛍光化合物、および必要に応じて上記添加剤等)の塗布方法(上記樹脂組成物層の形成方法)として、たとえば、ロールコート、ボトムフィードリバースコート、ダイレクトグラビアコート、ダイコート、ダイとロールコーターの組み合わせ等の方法を用いることができる。また、ホットメルトアプリケーターを用いて行うことができる。この場合、上記波長変換型封止材組成物を混練溶融しながら塗布して上記波長変換型封止材層の形成をすることができる。通常、これらの方法によって、1,000〜100,000mPa・sのコーティング剤の塗布が可能である。
上記製造方法において、上記ホットメルト法が、100〜200℃の条件で行われることが好ましく、110〜180℃であることがより好ましく、110〜160℃であることがさらに好ましい。上記条件で行うことにより、蛍光化合物のマトリックス中への分散性や平滑性等、より成型加工性に優れた製造方法とすることができる。また、たとえば、上記波長変換型封止材組成物の融点が50〜120℃の場合、上記組成物の混練溶融および塗布温度は、上記融点に30〜100℃加えた温度で行うことが好ましい。
上記波長変換型封止材層の厚みは、5〜400μmであることが好ましく、10〜200μmであることがより好ましく、10〜100μmであることがさらに好ましい。5μmよりも薄くなると、波長変換機能が発現しにくくなってしまう。一方、400μmより厚くなると、表面保護層のガラスとの密着性が低下し、コスト的にも不利益である。
上記波長変換型封止材層の光学的厚み(吸光度)は、0.5〜6であることが好ましく、1〜4であることがより好ましく、1〜3であることがさらに好ましい。上記吸光度が低いと、波長変換機能が発現しにくくなってしまう。一方、上記吸光度が大きすぎると、コスト的にも不利益である。なお、上記吸光度は、ランベルト・ベールの法則に従って算出される値である。
上記波長変換型封止材層は、少なくとも表面保護層、封止材層および太陽電池セルが積層された太陽電池モジュールに用いられることを特徴とする。
上記波長変換型封止材層は、上記表面保護層の内面側に積層される。上記内面側とは、表面保護層からみて、外部から入射した太陽光等が表面保護層を透過し抜け出ていく側、太陽電池セルが積層される側を意味する。上記波長変換型封止材層の波長変換機能を損なわない限り、上記波長変換型封止材層と上記表面保護層の間に、接着材層、粘着剤層などの他の層を適宜介在してもよい。
上記表面保護層として、太陽電池用途の表面保護層として用いられている公知のものを用いることができる。上記表面保護層として、たとえば、フロントシートやガラスなどをあげることができる。上記ガラスとして、たとえば、白板、エンボスの有無等、適宜種々のものを用いることができる。
上記封止材層は、上記波長変換型封止材層とは別個の封止材層である。上記封止材層として、公知の封止材層を適宜用いることができる。
上記封止材層は、波長変換機能を有さないものであること好ましい。なお、波長変換機能を有さないものとは、当該層を光が透過する際に、蛍光化合物を含む場合のように、入射光の一部がより長波長域(あるいは、より短波長域)に波長変換されることがないものをいう。
上記封止材層の樹脂として、上記樹脂の180℃における溶融粘度(JIS K6862)は通常、300,000〜2,000,000mPa・sのものが用いられる。
上記封止材層の厚みは、20μm〜2mmであることが好ましく、50μm〜1mmであることがより好ましく、100μm〜800μmであることがさらに好ましい。
上記太陽電池セルとして、たとえば、硫化カドミウム/テルル化カドミウム太陽電池、銅インジウムガリウム二セレン化物太陽電池、非晶質シリコン太陽電池、微結晶シリコン太陽電池または結晶シリコン太陽電池を用いることができる。上記太陽電池セルとして、結晶シリコン太陽電池であることが好ましい。
(太陽電池モジュール)
本発明の太陽電池モジュール1は、表面保護層10、上記波長変換型封止材層20、封止材層30および太陽電池セル40を含むことを特徴とする。一例として図1、2に簡易な模式図を示すが、本発明がこれらに限定されるものではない。また、太陽電池セルの背面側にさらに封止材層50、バックシート60を適宜備えることもできる。また、これらの各層間に、上記波長変換型封止材層の波長変換機能を損なわない限り、接着材層、粘着剤層などの他の層を適宜介在してもよい。
上記太陽電池モジュールにおいて、入射する太陽光エネルギーを電気に変換するために適合化される。上記波長変換型封止材層は、入射光が光起電デバイスまたは太陽電池への到達に先立って上記波長変換型封止材層を通過するように配置される。上記太陽電池モジュールは、光起電デバイスの光電変換効率を高めるために上記波長変換型封止材層が利用される。
上記太陽電池モジュールの製造において、上記波長変換型封止材層を上記封止材層に転写してもよく、直接上記封止材層上に塗布形成してもよい。また、上記波長変換型封止材層と上記封止材層を同時に形成してもよい。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。
(蛍光化合物)
実施例1〜5、および比較例2では、以下の蛍光化合物を用いた。
[発光色素A]
Figure 2014232792
4,7−ビス(4−イソブチルオキシフェニル)−2−イソブチル−2H−ベンゾトリアゾール
[発光色素B]
Figure 2014232792
2,5−ビス(5−tert−ブチル−2−ベンゾオキサゾリル)チオフェン
[発光色素C]
Figure 2014232792
1,4−ビス(2−ベンゾオキサゾリル)ナフタレン
(マトリックス樹脂)
実施例および比較例では、波長変換型封止材層のマトリックス樹脂として以下の樹脂を用いた。
[マトリックス樹脂P1]
エチレンビニルアセテート樹脂:ウルトラセン685(東ソー株式会社製)、180℃における溶融粘度(JIS K6862)=4,630mPa・s
[マトリックス樹脂P2]
エチレンビニルアセテート樹脂:ウルトラセン725(東ソー株式会社製)、180℃における溶融粘度(JIS K6862)=10,010mPa・s
[マトリックス樹脂Q]
ヒンダードアミンオリゴマー:Tinuvin622SF(BASF社製)、180℃における溶融粘度(JIS K6862)=4,000mPa・s
[マトリックス樹脂R]
エチレンビニルアセテート樹脂:KA−30(住友化学社製)、180℃における溶融粘度(JIS K6862)=1,150,000mPa・s
(封止材)
実施例および比較例では、封止材層(封止シートおよび裏面用封止シート)の樹脂組成物として以下の封止材を用いた。
[封止シートの樹脂組成物]
エチレンビニルアセテート樹脂(KA−30、住友化学社製)100重量部、有機過酸化物(2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン)0.5重量部、架橋助剤(トリアリルイソシアヌレート)0.6重量部、紫外線吸収剤(2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン)0.25重量部、光安定化剤(ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートおよびメチル−1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル−セバケートの混合物)0.25重量部、密着向上剤(メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン)0.3重量部の混合物。
[裏面用封止シートの樹脂組成物]
エチレンビニルアセテート樹脂(KA−30、住友化学社製)100重量部、有機過酸化物(2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン)0.5重量部、架橋助剤(トリアリルイソシアヌレート)0.6重量部、光安定化剤(ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートおよびメチル−1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル−セバケートの混合物)0.25重量部、密着向上剤(メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン)0.3重量部の混合物。
(樹脂シートの作製)
実施例1において、EVA樹脂(ウルトラセン684)を100重量部と発光色素A1重量部をはかりとり、110℃に温めたガラス板上で溶融混合し、樹脂組成物を得た。上記樹脂組成物を、110℃に温めたホットプレート上に設置したPETセパレーターの上に置き、同じくホットプレートに設置したアプリケーターによって引き延ばすことで、PETフィルム上に約20μm厚みの波長変換型封止材層樹脂シートを作製した。他の実施例、比較例も同様に行った。
(均一性の評価)
得られた波長変換型封止材層樹脂シートの表面均一性を評価した。評価基準は以下のように行った。
・肉眼でシート表面が均一に作成できた場合:○
・肉眼でシート表面に若干のムラ、凹凸が認められた場合:△
・シート表面を均一に作成できなかった場合:×
(吸収波長・発光波長の測定)
実施例1〜5、および比較例1に用いられた蛍光色素の最大吸収波長および最大蛍光発光波長を測定した。最大吸収波長の測定は、紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V560)を用いて行い、最大の吸光度を示す波長を測定した。最大蛍光発光波長の測定は、日立ハイテクノロジーズ社製のF−4500を用いて行い、励起−発光3次元測定における最大発光強度を示す波長を測定した。
(太陽電池モジュールの作製)
得られた各波長変換型封止材層樹脂シートを、20×20cmに裁断し、保護ガラスとしての強化ガラス(旭硝子社製、ソライト)に転写した。その後、封止シート、太陽電池セル(Qセル社製、Q6LTT−G2−200/1700−A)、裏面用封止シート(400μm厚EVAシート)、およびバックシートとしてPETフィルムを載せ、真空ラミネーター(株式会社エヌ・ピー・シー、LM−50×50−S)を用いてラミネート(140℃、真空5分、加圧10分の条件)を行い、太陽電池モジュールを作製した。なお、比較例3では、上記波長変換型封止材層シートを用いずに、太陽電池モジュールを作成した。
(太陽電池モジュールの光電効率測定)
得られた各太陽電池モジュールの光電変換効率を、ソーラーシミュレーター(三永電機製作所製)を用いて測定した。
下記表1に、得られた波長変換型封止材層樹脂シートを用いたときの変換効率、吸光度比等の測定結果を示す。
Figure 2014232792
測定の結果、発光特性を持たない比較例1の化合物を含む封止シートを用いた太陽電池モジュールに比べて、実施例1〜5の発光色素を含む波長変換型封止材層樹脂シートを用いたことで、光電変換効率の向上が見られた。さらに、上記特定の溶融粘度を持つマトリックス樹脂を用いることにより、溶剤を用いることなく、ドライプロセスによって波長変換型封止材層を得ることができた。
1 太陽電池モジュール
10 表面保護層
20 波長変換型封止材層
30 封止材層
40 太陽電池セル
50 裏面用封止材層
60 バックシート

Claims (11)

  1. 少なくとも表面保護層、封止材層および太陽電池セルが積層された太陽電池モジュールに用いられる波長変換型封止材層であって、
    前記波長変換型封止材層が前記表面保護層の内面側に積層され、前記波長変換型封止材層のマトリックス樹脂の180℃における溶融粘度(JIS K6862)が1,000〜50,000mPa・sであることを特徴とする波長変換型封止材層。
  2. 前記波長変換型封止材層が、ホットメルト法で形成されたものである、請求項1に記載の波長変換型封止材層。
  3. 前記封止材層が、波長変換機能を有さない、請求項1または2に記載の波長変換型封止材層。
  4. 前記波長変換型封止材層が、入射光の波長をより長波長に変換する、請求項1〜3のいずれかに記載の波長変換型封止材層。
  5. 前記波長変換型封止材層が、蛍光化合物を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の波長変換型封止材層。
  6. 前記蛍光化合物の最大紫外線吸収波長が330〜400nmであり、最大発光波長が430〜800nmである、請求項5に記載の波長変換型封止材層。
  7. 前記マトリックス樹脂が、エチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とする、請求項1〜6のいずれかに記載の波長変換型封止材層。
  8. 前記太陽電池セルが、結晶シリコン太陽電池である、請求項1〜7のいずれかに記載の波長変換型封止材層。
  9. 表面保護層、請求項1〜7のいずれかに記載の波長変換型封止材層、封止材層および太陽電池セルを含む太陽電池モジュール。
  10. 少なくとも表面保護層、前記表面保護層の内面側に積層された波長変換型封止材層、封止材層および太陽電池セルが積層された太陽電池モジュールに用いられる波長変換型封止材層の製造方法であって、
    前記波長変換型封止材層のマトリックス樹脂の180℃における溶融粘度(JIS K6862)が1,000〜50,000mPa・sであり、
    前記マトリックス樹脂をホットメルト法により形成する工程を含むことを特徴とする波長変換型封止材層の製造方法。
  11. 前記ホットメルト法が、100〜200℃の条件で行われる、請求項10に記載の波長変換型封止材層の製造方法。

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