JP2014237792A - ベンゾチアジアゾール構造を有する蛍光色素化合物、および、それを用いた波長変換型封止材組成物 - Google Patents

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久成 尾之内
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Miyuki Kuroki
美由紀 黒木
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Abstract

【課題】加工性、光学特性・安定性に優れ、析出物発生を抑制した蛍光色素化合物および、それを用いた波長変換型封止材組成物の提供。【解決手段】下記一般式によって表される蛍光色素化合物。X1、X2は、それぞれ独立して、−O−、−(C=O)O−、−O(C=O)−、−CH2O−、CH2O(CO)−、または単結合、Y1、Y2は、それぞれ独立または置換された、炭素−炭素二重結合基を有する炭素数2〜18のアルキル基、Z1、Z2は、それぞれ独立または置換された炭素数1〜18のアルキル基(Y1、Y2、Z1、Z2はアルキル基中の隣接しないC原子がO原子に置換されていてもよい)等、m、n、o、および、pは、それぞれ独立して、0〜4の整数を表す(m+n、o+pは共に4以下)。【選択図】なし

Description

本発明は、太陽電池セル封止材や蛍光膜形成材料等に用いた場合、好適な吸収波長を有し、光安定性に優れた特徴を有するベンゾチアジアゾール構造を有する蛍光色素化合物、それを用いた波長変換型封止材組成物、波長変換型封止材層(波長変換フィルム、波長変換シート等)、および太陽電池モジュールに関する。波長変換型封止材層は、光起電性デバイスまたは太陽電池デバイスの太陽光集光効率を著しく高める可能性を有する。
太陽エネルギーの利用により、従来の化石燃料に対する有望な代替エネルギー源が提供され、したがって、太陽エネルギーを電気に変換することができるデバイスの開発、たとえば、光起電デバイス(これはまた、太陽電池として知られている)などの開発が近年では大きく注目されている。いくつかの異なるタイプの成熟した光起電デバイスが開発されており、これらには、例をいくつか挙げると、シリコン系デバイス、III−VおよびII−VIのPN接合デバイス、銅−インジウム−ガリウム−セレン(CIGS)薄膜デバイス、有機増感剤デバイス、有機薄膜デバイス、ならびに、硫化カドミウム/テルル化カドミウム(CdS/CdTe)薄膜デバイスが含まれる。これらのデバイスに関してのより詳細が、文献などに見出され得る(たとえば、非特許文献1参照)。しかしながら、これらのデバイスの多くの光電変換効率は依然として改善の余地があり、この効率を改善するための技術を開発することが、多くの研究者にとっては進行中の課題である。
上記変換効率の向上のため、入射光のうち光電変換に寄与しない波長(たとえば、紫外線領域)を光電変換に寄与する波長に変換する、波長変換機能を備えた太陽電池が検討されている(たとえば、特許文献2等参照)。上記検討では、蛍光体粉末を樹脂原料と混合して、発光性パネルを形成する方法が提案されている。
光起電デバイスおよび太陽電池において使用される波長変換無機媒体がこれまで開示されているが、ホトルミネセンス性有機媒体を光起電デバイスにおいて効率改善のために使用することに関する研究はほとんど報告されていない。無機媒体とは対照的に、有機媒体の使用が、有機材料は典型的にはより安価であり、かつ、使用することがより容易であり、このことから、有機材料がより良好な経済的選択の1つになるという点で注目されている。
また、上記蛍光体粉末を用いた場合、添加した蛍光体が経時で析出するなどの不具合が生じてしまうことが判明した。特に太陽電池用途では、屋外で20年以上の長期に渡って使用されることが想定されることから、このような経時安定性や長期間の保存安定性の改善は特に重要な課題である。
米国特許出願公開第2009/0151785号明細書 特開平7−142752号公報
本発明は、このような事情に照らし、加工性が高く、望ましい光学特性および良好な光安定性を有し、析出物発生を抑制した新規化合物であるベンゾチアジアゾール誘導体を有する蛍光色素化合物、および、それを用いた波長変換型封止材組成物を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記波長変換型封止材組成物を用いて形成された、望ましい光学特性および良好な光安定性し、析出物発生を抑制した波長変換型封止材層、および、それを有する光起電モジュールを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、以下に示す新規ベンゾチアジアゾール構造を有する新規な化合物の創製に成功し、上記化合物により上記目的を達成できることを見出して、本発明を完成するに至った。
本発明の蛍光色素化合物は、下記一般式(I)によって表されることを特徴とする。
(I)
(式中、XおよびXは、それぞれ独立して、−O−、−(C=O)O−、−O(C=O)−、−CHO−、CHO(CO)−、または単結合を表し、
およびYは、それぞれ独立して、場合により置換された、炭素−炭素二重結合基を有する炭素数2〜18のアルキル基(アルキル基中の隣接しない炭素原子が酸素原子に置換されていてもよい)を表し、
およびZは、それぞれ独立して、場合により置換された炭素数1〜18のアルキル基(アルキル基中の隣接しない炭素原子が酸素原子に置換されていてもよい)、場合により置換された炭素数1〜18のアルコキシ基(アルコキシ基中の隣接しない炭素原子が酸素原子に置換されていてもよい)、フルオロ基、シアノ基、−COOR基、−NHCOR基、または、水酸基を表し、RおよびRは、炭素数1〜18のアルキル基またはフェニル基を表し、
m、n、o、および、pは、それぞれ独立して、0〜4の整数を表す(ただし、m+nは4以下、o+pは4以下である。)。)
本発明の蛍光色素化合物は、上記一般式(I)で表される構造を有するため、加工性が高く、望ましい光学特性(高い量子収率等)および良好な光安定性(化学的・物理的安定性)に優れたものとなる。特に、マトリックス樹脂中に分散した上記有機色素化合物が長時間保存試験においても析出することなく、安定で均一な封止材組成物(および層)を簡易に得ることができる。上記作用効果の発現について、現時点では下記記載のメカニズムが主に寄与していると推測しているが、下記メカニズムを経由することが必須であると特定するものではない。上記蛍光色素化合物(ベンゾチアジアゾール誘導体)は、X−Y基によるマトリックス樹脂との化学的結合(ラジカル的架橋)を形成することで、マトリックス樹脂内の移動を抑制でき、その結果、結晶化による析出物の発生を抑制できていると推測される。また、上記X−Y基によるアモルファス化的作用によって、ベンゾチアジアゾール構造による高い結晶性が低下する作用も影響していると推測される。また、上記蛍光色素化合物を用いることにより、蛍光色素化合物の吸収波長の精密な制御が可能であり、太陽電池用途に特に好適である。
また、上記蛍光色素化合物において、上記XおよびXは、それぞれ独立して、−O−、−(C=O)O−、−O(C=O)−、−CHO−、CHO(CO)−、または単結合である。また、上記蛍光色素化合物において、上記YおよびYは、それぞれ独立して、場合により置換された、炭素−炭素二重結合基を有する炭素数2〜18のアルキル基(アルキル基中の隣接しない炭素原子が酸素原子に置換されていてもよい)である。上記のようなX基およびY基を有することで、容易に、効果的に、マトリックス樹脂との化学的結合を形成することが可能となり、また、適切な融点を有するベンゾトリアゾール誘導体を得やすくなり、加熱混練処理などの加工工程において均一に系内に分散・溶解しうるものとなる。
また、本発明の蛍光色素化合物において、上記YおよびYの少なくとも1つが、アリル基、オレイル基からカルボニル基を除いた基、リノール基からカルボニル基を除いた基、または、リノレン基からカルボニル基を除いた基あることが好ましい。上記構造を有することにより、より容易に、加工性に優れ、析出物発生の抑制された蛍光色素化合物を得ることができる。
また、本発明の蛍光色素化合物において、上記XまたはXの少なくとも1つが、−(C=O)O−、または、−O(CO)−であることが好ましい。上記構造を有することにより、より確実に、加工性に優れ、析出物発生の抑制された蛍光色素化合物を得ることができる。
また、本発明の蛍光色素化合物において、340〜410nmに最大吸収波長を有することが好ましい。上記波長領域に最大吸収波長を有することにより、太陽電池セルが光電変換に利用しにくい(または利用できない)波長領域の入射光を、より効果的に、太陽電池セル等が光電変換しうる波長領域に変換することができる。
また、本発明の蛍光色素化合物において、440〜560nmに最大蛍光発光波長を有することが好ましい。上記波長領域に最大蛍光発光波長を有することにより、太陽電池セルが光電変換に利用しにくい(または利用できない)波長領域の入射光を、より効果的に、太陽電池セルが光電変換しうる波長領域に変換することができる。
また、本発明の波長変換型封止材組成物は、光学的に透明な樹脂マトリックス、および、上記蛍光色素化合物を含むことを特徴とする。上記蛍光色素化合物を含むことにより、太陽電池セルの吸収波長領域よりもより短波長領域の光を、効果的に太陽電池セルが光発電に利用できる波長領域にレッドシフトさせ、その結果、太陽エネルギーのより広い範囲のスペクトルが電気に変換されることが可能となる。また、上記蛍光色素化合物は大きい蛍光量子効率と良好な加工性を有しているため、優れた光変換効果を提供する波長変換型封止材組成物を製造工程上およびコスト的に有利に得ることができる。また、本発明の波長変換型封止材組成物は、第1の波長を有する少なくとも1つの光子を入力として受け入れて、第1の波長よりも長い(大きい)第2の波長を有する少なくとも1つの光子を出力として与え、この過程で波長変換型封止材組成物としての機能を発現する。さらには、上記波長変換型封止材組成物においては、マトリックス樹脂中に分散した上記有機色素化合物が長時間保存試験においても析出することなく、安定で均一な封止材組成物(および層)を簡易に得ることができる。上記波長変換型封止材組成物は、太陽電池用途に特に好適である。
また、本発明の波長変換型封止材組成物において、上記樹脂マトリックス100重量部に対して、上記蛍光色素化合物が0.01〜10重量部で含まれていることが好ましい。
また、本発明の波長変換型封止材組成物において、上記マトリックス樹脂が、エチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とすることが好ましい。上記マトリックス樹脂としてエチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とすることにより、より確実に、光透過性や耐久性に優れた波長変換型封止材層とすることができる。
なお、上記主成分とするとは、上記マトリックス樹脂を複数の樹脂の混合物とした場合、重量比で50重量%以上含む場合をいうものとする。上記重量比は、70重量%以上であることがより好ましく、90重量%であることがさらに好ましい。
一方、本発明の波長変換型封止材層は、上記波長変換型封止材組成物を用いて形成されたことを特徴とする。上記組成物を用いて形成されることにより、望ましい光学特性(高い量子収率等)および良好な光安定性(化学的・物理的安定性)を有する波長変換型封止材層となる。より詳細には、上記蛍光色素化合物は大きい蛍光量子効率と良好な加工性を有しているため、優れた光変換効果を提供する波長変換型封止材層を製造工程上およびコスト的に有利に得ることができる。また、本発明の波長変換型封止材層は、第1の波長を有する少なくとも1つの光子を入力として受け入れて、第1の波長よりも長い(大きい)第2の波長を有する少なくとも1つの光子を出力として与え、この過程で波長変換型封止材層としての機能を発現する。さらには、上記波長変換型封止材層においては、マトリックス樹脂中に分散した上記有機色素化合物が長時間保存試験においても析出することなく、安定で均一な封止材組成層を簡易に得ることができる。上記波長変換型封止材層は、太陽電池用途に特に好適である。
また、本発明の太陽電池モジュールは、上記波長変換型封止材組成物を用いて形成された波長変換型封止材層を含むことを特徴とする。上記太陽電池モジュールは、上記波長変換型封止材層を有するため、望ましい光学特性(高い量子収率等)および良好な光安定性(化学的・物理的安定性)を有する太陽電池モジュールとなる。さらには、上記波長変換型封止材層を有することで、長時間保存試験においても蛍光色素化合物が析出することなく、安定で均一な太陽電池モジュールとなる。
また、本発明の太陽電池モジュールは、入射光が、太陽電池セルへの到達に先だって、上記波長変換型封止材層を通過するように配置されることが好ましい。上記構成とすることで、より確実に、太陽エネルギーのより広い範囲のスペクトルが電気に変換されることが可能となり、光電変換効率を効果的に高めることができる。
また、本発明の太陽電池モジュールにおいて、上記太陽電池セルが、結晶シリコン太陽電池であることが好ましい。上記太陽電池モジュールは、上記太陽電池セルを積層する太陽電池モジュールに用いることでより効果的に光電変換効率をより向上させることができる。特に、シリコン太陽電池においては、紫外線領域である最大吸収波長400nm以下領域において光電変換効率が低いという問題があった。上記太陽電池モジュールでは、この波長領域に吸収をもち、さらに430〜530nmに蛍光発光しうる上記蛍光色素化合物を適切に用いることにより、より効果的に光利用することが可能となる。一方、上記蛍光色素化合物の吸収波長領域が上記波長領域よりもより長波長領域に及ぶと、もともと太陽電池セル等の光電変換素子が吸収できる波長と蛍光色素化合物の吸収波長が重複してしまい、光電変換効率が上昇できない場合もあり得る。上記太陽電池モジュールでは、上記蛍光色素化合物を用いることにより、上記問題点が生じないように、蛍光色素化合物の吸収波長の精密な制御が可能である。
本発明の太陽電池用封止材層を用いた太陽電池モジュールの例を示す。 本発明の太陽電池用封止材層を用いた太陽電池モジュールの例を示す。
本発明の蛍光色素化合物は、下記一般式(I)によって表されることを特徴とする。
(I)
(式中、XおよびXは、それぞれ独立して、−O−、−(C=O)O−、−O(C=O)−、−CHO−、CHO(CO)−、または単結合を表し、
およびYは、それぞれ独立して、場合により置換された、炭素−炭素二重結合基を有する炭素数2〜18のアルキル基(アルキル基中の隣接しない炭素原子が酸素原子に置換されていてもよい)を表し、
およびZは、それぞれ独立して、場合により置換された炭素数1〜18のアルキル基(アルキル基中の隣接しない炭素原子が酸素原子に置換されていてもよい)、場合により置換された炭素数1〜18のアルコキシ基(アルコキシ基中の隣接しない炭素原子が酸素原子に置換されていてもよい)、フルオロ基、シアノ基、−COOR基、−NHCOR基、または、水酸基を表し、RおよびRは、炭素数1〜18のアルキル基またはフェニル基を表し、
m、n、o、および、pは、それぞれ独立して、0〜4の整数を表す(ただし、m+nは4以下、o+pは4以下である。)。)
(蛍光色素化合物)
蛍光(またはホトルミネセンス性)色素の有用な性質の1つが、これらの色素は、特定波長の光の光子を吸収し、かつ、当該光子を異なる波長で再放出することができることである。この現象はまた、これらの色素を光起電産業において有用にする。
一般式(I)によって表される発色団は、波長変換フィルムを含めて、様々な適用において蛍光色素(蛍光色素化合物)として有用である。上記式において示されるように、上記色素はベンゾ複素環系、より具体的にはベンゾチアジアゾール構造を有する新規な化合物(ベンゾチアジアゾール誘導体)である。本発明の範囲を限定することはないが、使用することができる化合物のタイプに関するさらなる詳細および実例が下記に記載される。なお、本発明の作用効果を阻害しない限り、本発明の蛍光色素化合物には、上記ベンゾチアジアゾール環上が置換されているものも含む。
(I)
(式中、XおよびXは、それぞれ独立して、−O−、−(C=O)O−、−O(C=O)−、−CHO−、CHO(CO)−、または単結合を表し、
およびYは、それぞれ独立して、場合により置換された、炭素−炭素二重結合基を有する炭素数1〜18のアルキル基(アルキル基中の隣接しない炭素原子が酸素原子に置換されていてもよい)を表し、
およびZは、それぞれ独立して、場合により置換された炭素数1〜18のアルキル基(アルキル基中の隣接しない炭素原子が酸素原子に置換されていてもよい)、場合により置換された炭素数1〜18のアルコキシ基(アルコキシ基中の隣接しない炭素原子が酸素原子に置換されていてもよい)、フルオロ基、シアノ基、−COOR基、−NHCOR基、または、水酸基を表し、RおよびRは、炭素数1〜18のアルキル基またはフェニル基を表し、
m、n、o、および、pは、それぞれ独立して、0〜4の整数を表す(ただし、m+nは4以下、o+pは4以下である。)。)
上記ベンゾチアジアゾール誘導体は、上記一般式(I)で表される構造を有するため、加工性が高く、望ましい光学特性(高い量子収率等)および良好な光安定性(化学的・物理的安定性)に優れた蛍光色素化合物となる。特に、X−Y基によるマトリックス樹脂との化学的結合を形成することで、マトリックス樹脂中に分散した上記有機色素化合物が長時間保存試験においても析出することなく、安定で均一な封止材組成物(および層)を簡易に得ることができる。
上記ベンゾチアジアゾール誘導体において、上記XおよびXは、それぞれ独立して、−O−、−(C=O)O−、−O(C=O)−、−CHO−、CHO(CO)−、または単結合を表す。なかでも、上記XまたはXの少なくとも1つが、−(C=O)O−、または、−O(CO)−であることが好ましい。なお、上記XまたはXが単結合の場合とは、Y基がベンゼン環に直接結合していることを意味する。
上記ベンゾチアジアゾール誘導体において、上記YおよびYは、それぞれ独立して、場合により置換された、炭素−炭素二重結合基を有する炭素数2〜18のアルキル基(アルキル基中の隣接しない炭素原子が酸素原子に置換されていてもよい)を表す。上記アルキル基の炭素数は、2〜18であることが好ましく、2〜8であることがより好ましい。
上記YおよびYとして、たとえば、エテニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、2−エチルヘキセニル、オクテニル、および、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル、3−アリルオキシ−2−アセトキシプロピルなどが含まれるが、これらに限定されない。
また、上記YおよびYとして、たとえば、YおよびYの少なくとも1つが、アリル基、オレイル基からカルボニル基を除いた基、リノール基からカルボニル基を除いた基、または、リノレン基からカルボニル基を除いた基あることが好ましい。なお、たとえば、オレイル基からカルボニル基を除いた基とは、オレイル基の化学構造から、末端のカルボニル基(−(C=O))を除いた部分の化学構造をいう。言い換えると、たとえば、オレイル基の化学構造がR−CO−構造であるとした場合、オレイル基からカルボニル基を除いた基とは、R−基を意味する。また、同様に、たとえば、オレイン酸の化学構造がR−COOH構造であるとした場合、オレイル基からカルボニル基を除いた基とは、オレイン酸からカルボン酸残基を除いた構造(つまり、R−基)と同じものでもある。
上記ベンゾチアジアゾール誘導体において、ZおよびZは、場合により置換された炭素数1〜18のアルキル基(アルキル基中の隣接しない炭素原子が酸素原子に置換されていてもよい)、場合により置換された炭素数1〜18のアルコキシ基(アルコキシ基中の隣接しない炭素原子が酸素原子に置換されていてもよい)、フルオロ基、シアノ基、−COOR基、−NHCOR基、または、水酸基を表し、RおよびRは、炭素数1〜18のアルキル基またはフェニル基を表し、m、n、o、および、pは、それぞれ独立して、0〜4の整数を表す(ただし、m+nは4以下、o+pは4以下である。)。m、n、o、および、pは、それぞれ独立して、0〜4の整数を表す。上記アルキル基の炭素数は、1〜18であることが好ましく、1〜12であることがより好ましく、1〜8であることがさらに好ましい。上記アルコキシ基の炭素数は、1〜18であることが好ましく、1〜12であることがより好ましく、1〜8であることがさらに好ましい。
上記ZおよびZのアルキル基として、たとえば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、セカンダリーブチル、第三級ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、2−エチルヘキシル、およびオクチルなどが含まれるが、これらに限定されない。また、アルキル基中の隣接しない炭素原子が酸素原子に置換されていてもよい。
上記ZおよびZのアルコキシ基として、親分子に−O−連結を介して共有結合で結合する直鎖または分岐鎖のアルキル基あげることができる。上記ZおよびZのアルコキシ基として、たとえば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、オクチルオキシ、1−プロペニルオキシ、2−プロペニルオキシ、ブテニルオキシ、ペンテニルオキシ、ヘキセニルオキシ、ヘプテニルオキシ、オクテニルオキシ、および、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ、3−アリルオキシ−2−アセトキシプロピルオキシなどが含まれるが、これらに限定されない。また、アルコキシ基中の隣接しない炭素原子が酸素原子に置換されていてもよい。
上記ZおよびZのフルオロ基として、アルキル基の一部または全部の水素原子がフッ素原子に置換されているものをあげることができる。上記ZおよびZのフルオロ基として、たとえば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基などが含まれるが、これらに限定されない。
上記ZおよびZの−COOR基として、アルキルエステル構造のものをあげることができる。上記ZおよびZの−COOR基として、たとえば、メチルエステル基、エチルエステル基、1−プロピルエステル基、2−プロピルエステル基、フェニルエステル基などが含まれるが、これらに限定されない。
上記ZおよびZの−NHCOR基として、アシルアミド構造のものをあげることができる。上記ZおよびZの−NHCOR基として、たとえば、アセチルアミド基、プロピオン酸アミドなどが含まれるが、これらに限定されない。
上記m、n、o、および、pは、それぞれ独立して、0〜4の整数を表す。具体的には、上記m、n、o、および、pは、0、1、2、3、4の値をとり得る。ただし、m+nは4以下、o+pは4以下である。
本明細書中で使用される場合、置換された基は、1つまたは複数の水素原子が別の原子または基に交換されていることを有する置換されていない親構造に由来する。置換されるとき、当該置換基(1つまたは複数)は、たとえば、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル(これは、ハロ、アルキル、アルコキシ、カルボキシル、ハロアルキル、CN、−SO−アルキル、−CFおよび−OCFにより場合により置換される)、ジェミナル結合するシクロアルキル(cycloalkyl geminally attached)、C〜Cヘテロアルキル、C〜C10ヘテロシクロアルキル(たとえば、テトラヒドロフリル)(これは、ハロ、アルキル、アルコキシ、カルボキシル、CN、−SO−アルキル、−CFおよび−OCFにより場合により置換される)、アリール(これは、ハロ、アルキル、C〜Cアルキルにより場合により置換されるアリール、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、カルボキシル、アミノ、イミド、アミド(カルバモイル)、場合により置換された環状イミド、環状アミド、CN、−NH−C(=O)−アルキル、−CFおよび−OCFにより場合により置換される)、アリールアルキル(これは、ハロ、アルキル、アルコキシ、アリール、カルボキシル、CN、−SO−アルキル、−CFおよび−OCFにより場合により置換される)、ヘテロアリール(これは、ハロ、アルキル、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、カルボキシル、CN、−SO−アルキル、−CFおよび−OCFにより場合により置換される)、ハロ(たとえば、クロロ、ブロモ、ヨードおよびフルオロ)、シアノ、ヒドロキシ、場合により置換された環状イミド、アミノ、イミド、アミド、−CF、C〜Cアルコキシ、アリールオキシ、アシルオキシ、スルフヒドリル(メルカプト)、ハロ(C〜C)アルキル、C〜Cアルキルチオ、アリールチオ、モノ(C〜C)アルキルアミノおよびジ(C〜C)アルキルアミノ、第四級アンモニウム塩、アミノ(C〜C)アルコキシ、ヒドロキシ(C〜C)アルキルアミノ、アミノ(C〜C)アルキルチオ、シアノアミノ、ニトロ、カルバモイル、ケト(オキシ)、カルボニル、カルボキシ、グリコリル、グリシル、ヒドラジノ、グアニル、スルファミル、スルホニル、スルフィニル、チオカルボニル、チオカルボキシ、スルホンアミド、エステル、C−アミド、N−アミド、N−カルバマート、O−カルバマート、ウレア、ならびに、それらの組合せから個々に、かつ、独立して選択される1つまたは複数の基である。置換基が、「場合により置換された」として記載される場合は常に、その置換基は上記置換基により置換され得る。
上記蛍光色素化合物の吸光度として、たとえば、0.5〜6であることが好ましく、1〜4であることがより好ましく、1〜3であることがさらに好ましい。
また、上記蛍光色素化合物において、上記蛍光色素化合物の融点が通常50℃〜200℃であることが好ましいが、本願発明では架橋することでブリードアウトを低減させる効果を有することから、20℃〜200℃であってもよく、0℃〜200℃であってもよく、−20℃〜200℃であってもよい場合もあり得る。上記範囲に融点を有するベンゾチアジアソール誘導体を用いることにより、加熱混練処理などの加工工程において均一に系内に分散・溶解しうるものとなる。特に、シート化した際の均一性が容易に得られやすくなり、生産・加工性に特に優れたものとなる。
本発明における蛍光色素は、単に、特定の波長領域において光を吸収しそれより長波長に波長変換して発光すればよい、というだけにとどまるものではない。本願の蛍光色素において、可能であれば、最大吸収波長よりもより長波長において、吸収を持たない(またはより少ない)ことが好ましい。たとえば、その指標として、最大吸収波長よりも60nm長波長の波長における吸光度が、最大吸収波長における吸光度と比較して小さいことが望ましい。
上記蛍光色素化合物の合成方法は、適宜公知の方法を用いることができる。上記合成方法として、たとえば、4,7−ジブロモベンゾチアジアゾールなどの脱離基を置換した2置換ベンゾチアジアゾール(ハロゲン化ベンゾチアジアゾールなど)とX−Y側鎖含有フェニルボロン酸をカップリング反応させる手法、上記2置換ベンゾチアジアゾールに、X−Y側鎖含有フェニル基前駆体にあたる化合物を求核置換反応などで結合形成させる方法、上記2置換ベンゾチアジアゾールにヒドロキシフェニルボロン酸を結合させた後に、上記水酸基をアルコキシ基やエステル基等に変換してX−Y基を導入する方法、金属触媒を利用してカップリングさせる方法、側鎖のアルコキシ基の一部を炭素−炭素二重結合に変換する手法などをあげることができる。
なかでも、たとえば、ベンゾチアジアゾール骨格に隣接するベンゼン環上にフェノール性水酸基を有するヒドロキシフェニルベンゾチアジアゾール誘導体に対して、オレイン酸等の不飽和脂肪酸をエステル化により縮合する方法(適宜縮合剤を用いてもよい)、ベンゾチアジアゾール骨格に隣接するベンゼン環上にカルボキシル基を有するカルボキシフェニルベンゾチアジアゾール誘導体に対して、不飽和脂肪族アルコールをエステル化により縮合する方法(適宜縮合剤を用いてもよい)、ベンゾチアジアゾール骨格に隣接するベンゼン環上にフェノール性水酸基を有するヒドロキシフェニルベンゾチアジアゾール誘導体に対して、不飽和結合を有する、ハロゲン化物またはグリシジル化合物をアルキル化反応により連結する方法などが、簡便で好ましいものとしてあげられる。
(波長変換型封止材組成物)
本発明の波長変換型封止材組成物は、波長変換機能を有するものである。上記波長変換型封止材組成物は、入射光の波長をより長波長に変換するものが好ましい。上記波長変換型封止材組成物は、光学的に透明なマトリックス樹脂中に、波長変換機能を有する蛍光色素化合物等を分散させること等により形成することができる。
本発明の波長変換型封止材組成物において、光学的に透明なマトリックス樹脂を用いることが好ましい。上記マトリックス樹脂として、たとえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリビニルアセテート、ポリエチレンテトラフルオロエチレンなどのポリオレフィン類、ポリイミド、非晶質ポリカーボネート、シロキサンゾル−ゲル、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエーテルサルフォン、ポリアリレート、エポキシ樹脂、および、シリコーン樹脂などをあげることができる。これらのマトリックス樹脂は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
上記ポリ(メタ)アクリレートとして、ポリアクリレートおよびポリメタクリレートを含み、たとえば、(メタ)アクリル酸エステル樹脂などをあげることができる。ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエンなどをあげることができる。ポリビニルアセテートとしては、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール(PVB樹脂)、変性PVBなどをあげることができる。
上記(メタ)アクリル酸エステル樹脂の構成モノマーとして、たとえば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸ベンジルなどをあげることができる。さらには、上記アルキル基が水酸基、エポキシ基、ハロゲン基などで置換された(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどをあげることができる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
上記(メタ)アクリル酸エステルにおいて、エステル部位のアルキル基の炭素数が1〜18であることが好ましく、炭素数1〜8であることがより好ましい。
上記(メタ)アクリル酸エステル樹脂として、(メタ)アクリル酸エステルのほかに、これらと共重合可能な不飽和モノマーを用いて共重合体としてもよい。
上記不飽和モノマーとして、たとえば、メタクリル酸、アクリル酸などの不飽和有機酸、スチレン、α−メチルスチレン、アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、無水マレイン酸、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミドなどをあげることができる。これらの不飽和モノマーは単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
上記(メタ)アクリル酸エステルにおいて、なかでも、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシルおよびその官能基置換した(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどを用いることが好ましく、耐久性や汎用性の観点からは、メタクリル酸メチルがより好ましい例としてあげることができる。
上記(メタ)アクリル酸エステルと上記不飽和モノマーの共重合体として、たとえば、(メタ)アクリル酸エステル−スチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などをあげることができる。なかでも、耐湿性や汎用性、コスト面の観点からは、エチレン−酢酸ビニル共重合体が好ましく、また耐久性と表面硬度の点からは、(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体と(メタ)アクリル酸エステルとの併用が、上記各観点から好ましい。
上記エチレン−酢酸ビニル共重合体として、エチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部に対して、酢酸ビニル単量体単位の含有率が10〜35重量部であることが好ましく、20〜30重量部であることがより好ましく、上記含有率の場合には希土類錯体などのマトリックス樹脂中への均一分散性の観点から好ましい。
光学的に透明なマトリックス樹脂として上記エチレン−酢酸ビニル共重合体を用いる場合には、市販品を適宜使用することができる。上記エチレン−酢酸ビニル共重合体の市販品として、たとえば、ウルトラセン(東ソー株式会社製)、エバフレックス(三井・デュポンポリケミカル株式会社製)、サンテックEVA(旭化成ケミカルズ社製)、UBE EVAコポリマー(宇部丸善ポリエチレン社製)、エバテート(住友化学社製)、ノバテックEVA(日本ポリエチレン社製)、スミテート(住友化学社製)、ニポフレックス(東ソー社製)などをあげることができる。
上記マトリックス樹脂において、架橋性モノマーを加えて、架橋構造を有する樹脂としてもよい。
上記架橋性モノマーとして、たとえば、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物(たとえば、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(エチレン基の数が2〜14のもの)、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(プロピレン基の数が2〜14のもの)、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリオキシエチレンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジオキシエチレンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAトリオキシエチレンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAデカオキシエチレンジ(メタ)アクリレート等)、グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を付加して得られる化合物(たとえば、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジアクリレート等)、多価カルボン酸(たとえば、無水フタル酸)と水酸基およびエチレン性不飽和基を有する物質(たとえば、β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート)とのエステル化物、アクリル酸若しくはメタクリル酸のアルキルエステル(たとえば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル)、ウレタン(メタ)アクリレート(たとえば、トリレンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸エステルとの反応物、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートとシクロヘキサンジメタノールと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸エステルとの反応物等)、などをあげることができる。これらの架橋性モノマーは単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。なかでも、上記架橋性モノマーにおいて、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリオキシエチレンジメタクリレートが好ましいものとしてあげられる。
上記架橋性モノマーを含むマトリックス樹脂を用いる場合、たとえば、上記架橋モノマーに熱重合開始剤または光重合開始剤を加えて、加熱または光照射によって重合・架橋させ架橋構造を形成することができる。また、上記重合開始剤は、上記蛍光色素化合物の炭素−炭素二重結合を介したマトリックス樹脂との架橋構造形成にも寄与しうる。
上記熱重合開始剤として、公知の過酸化物を適宜用いることができる。上記熱可塑性樹脂重合開始剤としては、たとえば、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン−3、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシベンズエート、ベンゾイルパーオキサイドなどをあげることができる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
上記熱重合開始剤の配合量は、たとえば、上記マトリックス樹脂100重量部に対して、0.1〜5重量部用いることができる。
上記光重合開始剤としては、紫外線または可視光線により遊離ラジカルを生成する公知の光開始剤を適宜用いることができる。上記光重合開始剤として、たとえば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテルなどのベンゾインエーテル類、ベンゾフェノン、N,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類、ベンジルジメチルケタール(チバ・ジャパン・ケミカルズ社製、イルガキュア651)、ベンジルジエチルケタールなどのベンジルケタール類、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノンなどのアセトフェノン類、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンなどのキサントン類、あるいはヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、イルガキュア184)、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ビトロキシ−2−メチルプロパン−1−オン(チバ・ジャパン・ケミカルズ社製、ダロキュア1116)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(メルク社製、ダロキュア1173)などをあげることができる。これらは単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
また、上記光重合開始剤として、たとえば、2,4,5−トリアリルイミダゾール二量体と2−メルカプトベンゾオキサゾール、ロイコクリスタルバイオレット、トリス(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン等との組み合わせなどをあげることができる。また、たとえば、ベンゾフェノンに対するトリエタノールアミン等の三級アミンのように、適宜公知の添加剤を用いてもよい。
上記光重合開始剤の配合量は、たとえば、上記マトリックス樹脂100重量部に対して、0.1〜5重量部用いることができる。
上記マトリックス樹脂の屈折率として、たとえば、1.4〜1.7の範囲、1.45〜1.65の範囲、または、1.45〜1.55の範囲である。いくつかの実施形態において、ポリマーマトリックス材の屈折率が1.5である。
上記波長変換型封止材組成物は、たとえば、上記マトリックス樹脂中に、波長変換機能を有する上記蛍光色素化合物を分散させること等により形成することができる。
上記蛍光色素化合物として、波長領域340〜410nmの光を、410nmを超える波長領域の光よりも多く吸収するものであることが好ましい。410nm以下の波長領域の光を吸収していても、410nmを超える波長領域に光をより多く吸収する場合には、光電変換層で利用できる光の総量が減少してしまうためである。340〜410nmの波長領域の光を、410nmを超える波長領域の光よりも多く吸収することにより、光電変換層で利用可能な光(直接光)を減少させることなく、波長変換された光も利用可能となり、その結果、光電変換層で利用できる光の総量を増加させることができる。
また、本発明の波長変換型封止材組成物において、上記樹脂マトリックス100重量部に対して、上記蛍光色素化合物が0.01〜10重量部で含まれていることが好ましく、0.02〜5重量部であることがより好ましく、0.05〜2重量部であることがさらに好ましい。
上記波長変換型封止材組成物において、所望の性能を損なわない範囲で、適宜公知の添加剤を含むことができる。上記添加剤として、たとえば、熱可塑性ポリマー、酸化防止剤、紫外線防止剤、光安定剤、有機過酸化物、充填剤、可塑剤、シランカップリング剤、受酸剤、クレイ等があげられる。これらは単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
上記波長変換型封止材組成物を製造するには、公知の方法に準じて行えばよい。たとえば、上記の各材料を加熱混練、スーパーミキサー(高速流動混合機)、ロールミル、プラストミル等を用いて公知の方法で混合して得る方法などをあげることができる。また、上記波長変換型封止材層の製造まで連続して行ってもよい。
(波長変換型封止材層)
一方、本発明の波長変換型封止材層は、上記波長変換型封止材組成物を用いて形成されたことを特徴とする。
上記波長変換型封止材層を製造するには、公知の方法に準じて行えばよい。たとえば、上記の各材料を加熱混練、スーパーミキサー(高速流動混合機)、ロールミル、プラストミル等を用いて公知の方法で混合した組成物を、通常の押出成形、カレンダ成形(カレンダリング)、真空熱加圧等により成形してシート状物を得る方法により適宜製造することができる。また、PETフィルム等の上に上記層を形成した後、表面保護層に転写する方法により製造することができる。また、ホットメルトアプリケーターにより、混練溶融と塗布を同時に行う方法を用いることができる。
より具体的には、たとえば、上記マトリックス樹脂および蛍光色素化合物等を含む上記波長変換型封止材組成物を、表面保護層またはセパレーターなどにそのまま塗布してもよし、上記材料を他の材料と混合組成物として塗布してもよい。また、上記波長変換型封止材組成物を蒸着、スパッタリング、エアロゾルデポジッション法等で形成してもよい。
上記混合組成物として塗布する場合、上記マトリックス樹脂は、加工性を考慮して、融点が50〜250℃であることが好ましく、50〜200℃であることがより好ましく、50〜180℃であることがさらに好ましい。また、たとえば、上記波長変換型封止材組成物の融点が50〜250℃の場合、上記組成物の混練溶融および塗布温度は、上記融点に30〜100℃加えた温度で行うことが好ましい。
また、いくつかの実施形態において、波長変換型封止材層が下記の工程によって薄膜構造体に製造される:(i)ポリマー(マトリックス樹脂)粉末が所定の比率で溶媒(たとえば、テトラクロロエチレン(TCE)、シクロペンタノン、ジオキサンなど)に溶解されたポリマー溶液を調製する工程、(ii)ポリマー混合物を含有する発光色素(蛍光色素化合物)を、ポリマー溶液を所定の重量比で発光色素と混合して、色素含有ポリマー溶液を得ることによって調製する工程、(iii)色素/ポリマー薄膜を、色素含有ポリマー溶液をガラス基板の上に直接に流し込み、その後、基板を2時間で室温から最高で100℃まで熱処理し、残留溶媒を130℃での一晩のさらなる真空加熱によって完全に除くことによって形成する工程、および、(iv)使用前に、色素/ポリマー薄膜を水の中で剥がし、その後、自立型ポリマーフィルムを完全に乾燥する工程;(v)フィルムの厚さを、色素/ポリマー溶液の濃度および蒸発速度を変化させることによって制御することができる。
また、上記加熱混練処理等を行って加工する場合、上記蛍光色素化合物の融点が過度に高い場合、系内(ポリマーマトリックス中など)に均一に分散・溶解することに難しくなり、得られるシートにおいて色素が均一分散しにくくなることがある。そのため、蛍光色素化合物として、その融点が200℃以下、望ましくは180℃以下、さらに望ましくは150℃以下であることが好ましい。ただ、低すぎる場合にも、ブリードアウト等の不都合が生じうるため、融点が50℃以下のものは上記工程では劣る場合がある。よって、上記融点が50℃以上であることが好ましく、60℃以上であることがより好ましく、70℃以上であることがさらに好ましい。上記のような本発明の発色団を用いることにより、特にシート化した際の均一性が容易に得られやすくなり、生産・加工性に特に優れたものとなる。
上記波長変換型封止材層の厚みは、20〜2000μmであることが好ましく、50〜1000μmであることがより好ましく、100〜800μmであることがさらに好ましい。5μmよりも薄くなると、波長変換機能が発現しにくくなってしまう。一方、400μmより厚くなると、他層との密着性が低下し、コスト的にも不利益である。
上記波長変換型封止材層の光学的厚み(吸光度)は、0.5〜6であることが好ましく、1〜4であることがより好ましく、1〜3であることがさらに好ましい。上記吸光度が低いと、波長変換機能が発現しにくくなってしまう。一方、上記吸光度が大きすぎると、コスト的にも不利益である。なお、上記吸光度は、ランベルト・ベールの法則に従って算出される値である。
(太陽電池モジュール)
本発明の太陽電池モジュール1は、表面保護層10、上記太陽電池用封止材層20および太陽電池セル30を含むことを特徴とする。一例として図1、2に簡易な模式図を示すが、本発明がこれらに限定されるものではない。また、太陽電池セルの背面側にさらに封止材層40、バックシート50を適宜備えることもできる。また、これらの各層間に、上記太陽電池用封止材層の上記機能を損なわない限り、接着材層、粘着剤層などの他の層を適宜介在してもよい。また、上記背面用の封止材層として、適宜、本発明の波長変換型封止材層を用いてもよい。
上記太陽電池モジュールは、上記波長変換型封止材層を備えるため、通常は光電変換に寄与しない波長を光電変換に寄与しうる波長に変換することができる。具体的には、ある波長をそれよりもより長波長へ、たとえば、380nmより短い波長を380nm以上の波長に変換することができる。特に、紫外線領域の波長(200nm〜365nm)を可視光領域の波長(400〜800nm)へ変換するものである。また、光電変換に寄与する波長の範囲は、太陽電池の種類によって変化し、たとえば、シリコン系太陽電池であっても、使用されるシリコンの結晶形態によって変化する。たとえば、アモルファスシリコン太陽電池の場合、400nm〜700nm、多結晶シリコン太陽電池の場合、約600nm〜1100nmと考えられる。このため、光電変換に寄与する波長は、必ずしも可視光領域の波長にかぎられない。
上記太陽電池セルとして、たとえば、硫化カドミウム/テルル化カドミウム太陽電池、銅インジウムガリウム二セレン化物太陽電池、非晶質、微結晶シリコン太陽電池または結晶シリコン太陽電池を用いることができる。より詳細には、アモルファスシリコン、多結晶シリコン等を用いたシリコン系太陽電池、GaAs、CIS、CIGS等を用いた化合物半導体系太陽電池、有機薄膜型太陽電池、色素増感型太陽電池、量子ドット型太陽電池等の有機系太陽電池に適用可能である。上記いずれの場合であっても、通常の使用では、紫外線領域の波長は光電変換に寄与しにくい。上記太陽電池セルとして、結晶シリコン太陽電池であることが好ましい。
上記太陽電池モジュールの製造において、上記太陽電池用封止材層を上記太陽電池セル等に転写してもよく、直接上記太陽電池セル上に塗布形成してもよい。また、上記太陽電池用封止材層と他の層を同時に形成してもよい。
また、本発明の太陽電池モジュールは、入射光が、太陽電池セルへの到達に先だって、上記波長変換型封止材層を通過するように配置されることが好ましい。上記構成とすることで、より確実に、太陽エネルギーのより広い範囲のスペクトルが電気に変換されることが可能となり、光電変換効率を効果的に高めることができる。
上記表面保護層として、太陽電池用途の表面保護層として用いられている公知のものを用いることができる。上記表面保護層として、たとえば、フロントシートやガラスなどをあげることができる。上記ガラスとして、たとえば、白板、エンボスの有無等、適宜種々のものを用いることができる。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。
〔実施例1〕
4,7−ジブロモベンゾチアジアゾール(2.94g、10mmol)、2−ヒドロキシフェニルボロン酸(3.03g、22mmol)、Pd(PPh(92mg、0.08mmol)、KCO(5.53g、40mmol)を3つ口フラスコ(200ml)に投入し、窒素置換した後、脱水DMF(50ml)を加えた。その後、窒素バブリング処理を施した蒸留水(20ml)を加え、100℃で2時間撹拌した。得られた反応溶液を80℃にしてアリルグリシジルエーテル(11.41g、100mmol)を加え、さらに80℃で3時間撹拌した。得られた反応溶液を酢酸エチルで抽出し、水で洗浄し、得られた有機相の溶媒を減圧留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラム処理(展開溶媒:トルエン/酢酸エチル=10/1)で精製し、4,7−ビス(2−(3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロピロキシ)フェニル)−2,1,3−ベンゾチアジアゾール(化合物(1)、4.56g、収率83%、融点110℃)を得た。
化合物(1)
〔実施例2〕
4,7−ジブロモベンゾチアジアゾール(2.94g、10mmol)、4−ヒドロキシフェニルボロン酸(3.03g、22mmol)、Pd(PPh(92mg、0.08mmol)、KCO(5.53g、40mmol)を3つ口フラスコ(200ml)に投入し、窒素置換した後、脱水DMF(50ml)を加えた。その後、窒素バブリング処理を施した蒸留水(20ml)を加え、100℃で2時間撹拌した。得られた反応溶液を水500mlに注ぎ、析出した沈澱をろ別した。得られた沈殿物をアセトンとイソプロパノールを用いて溶解し、不溶物を熱時ろ過した。その後再結晶して、4,7−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,1,3−ベンゾチアジアゾール(2.79g、収率87%)を得た。
得られた4,7−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,1,3−ベンゾチアジアゾール(0.30g、0.936mmol)に、オレイン酸(0.794g、2.81mmol)およびジメチルアミノピリジン(触媒量)を加え、塩化メチレン(10ml)に懸濁させ、さらに3−ジメチルアアミノプロピルエチルカルボジイミド ハイドロクロライド(0.539g、2.81mmol)を加え、さらに室温で40時間撹拌した。得られた反応溶液を酢酸エチルで抽出し、水で洗浄し、得られた有機相の溶媒を減圧留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラム処理(展開溶媒:トルエン)で精製し、4,7−ビス(4−オレオイロキシフェニル)−2,1,3−ベンゾチアジアゾール(化合物(2)、1.34g、収率56%、室温でワックス状)を得た。
化合物(2)
〔実施例3〕
実施例2におけるオレイン酸に代えて、リノレン酸を用いたこと以外は、実施例2と同様の方法で、下記化合物(3)を得た(1.53g、収率64%、室温でワックス状)
化合物(3)
〔実施例4〕
実施例2における4−ヒドロキシフェニルボロン酸に代えて、3−ヒドロキシメチルフェニルボロン酸を用いたこと以外は、実施例2と同様の方法で、下記化合物(4)を得た(1.56g、収率63%、室温でワックス状)
化合物(4)
〔実施例5〕
実施例1における4−ヒドロキシフェニルボロン酸に代えて、2−ヒドロキシフェニルボロン酸を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で、下記化合物(5)を得た(1.32g、収率56%、室温でワックス状)
化合物(5)
〔比較例1〕
実施例2の4,7−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,1,3−ベンゾチアジアゾールを合成する過程において、4−ヒドロキシフェニルボロン酸に代えて、フェニルボロン酸を用いたこと以外は、実施例2と同様の方法で、下記化合物(6)を得た(2.08g、収率72%、融点138℃)
化合物(6)
〔比較例2〕
実施例における蛍光色素化合物に代えて、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン(化合物(7)、BASF社製、Uvinul 3049)を用いた。
(最大吸収波長・蛍光発光波長の測定)
実施例および比較例に用いられた蛍光発光化合物の最大吸収波長および蛍光発光波長を測定した。最大吸収波長の測定は、紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V−560)を用いて行い、Abs測定において最大値を示す波長を測定した。
蛍光発光波長の測定は、日立ハイテクノロジーズ社製のF−4500を用いて行い、(励起−発光)3次元測定における最大発光強度を示す波長を測定した。
(融点の測定)
得られた化合物の少量をプレパラートに用意し、顕微鏡ホットステージ(メトラートレド社製:FP82HT)を備えた偏光顕微鏡(ニコン社製:エクリプスLV−100POL)を用いて、昇温過程(10℃/分)における結晶状態から液体状態に転移する温度を観察することで、融点を測定した。
(封止樹脂組成物の作製)
透明分散媒樹脂としてエチレンビニルアセテート(EVA)(住友化学社製:KA−30)を100質量部、実施例・比較例の化合物を0.2質量部はかりとり、ラボプラストミル(東洋精機社製:10C100)にて80℃で混練して、封止樹脂組成物を得た。
(封止シートの作製)
上記で得られた封止樹脂組成物を離型シートに挟み、真空熱加圧装置(ミカドテクノス社製:VS20−3430)を用いて100℃でプレスすることで、約400μm厚の封止シートを作製した。
(太陽電池モジュールの効率測定)
上記で得られた封止シートを20x20cmに裁断し、保護ガラスとしての強化ガラス(旭硝子社製:ソライト)、封止シート、太陽電池セル(Qセル社製:Q6LTT3−G2−200/1700−A、結晶シリコン型)、裏面用封止シート(400μm厚EVAシート)、バックシートとしてPETフィルムを載せ、真空ラミネーター(株式会社エヌ・ピー・シー:LM−50x50−S)を用いて、140℃、真空5分、加圧10分の条件でラミネートし、太陽電池モジュールを作製した。
(太陽電池モジュールの光電変換効率測定)
上記で得られた太陽電池モジュールの光電変換効率を、ソーラーシミュレーター(三永電機製作所製)を用いて測定した。
(析出物評価)
得られた蛍光色素化合物を含む封止シート(約400μm厚)を、離型シートと白板ガラスとの間に挟み、真空ラミネーター(株式会社エヌ・ピー・シー:LM−50x50−S)を用いて、140℃、真空5分、加圧10分の条件でラミネートし、上記封止シートと白板ガラスの積層体を作製した。得られた積層体を7日間室温下で放置した後に目視し、析出物の有無を観察・評価した。評価基準は以下のように行った。
・積層体の封止シート表面(10×10cm内)に析出物がみられなかった場合:○
・積層体の封止シート表面(10×10cm内)に析出物が1個以上10個以下であった場合:△
・積層体の封止シート表面(10×10cm内)に析出物が11個以上であった場合:×
下記表1に、得られた各封止材層(封止シート)を用いたときの測定結果を示す。
測定の結果、表1に示したように、架橋基を有さないベンゾチアジアゾールを用いた比較例1では、封止シートに析出物が発生してしまった。一方、架橋基を有する本願発明の実施例では、いずれも好適な波長領域に最大吸収波長および発光波長をもつとともに、析出物の発生を抑制でき、封止シートとしての保存安定性に優れた結果であった。
1 太陽電池モジュール
10 表面保護層
20 太陽電池用封止材層
30 太陽電池セル
40 裏面用封止材層
50 バックシート

Claims (12)

  1. 下記一般式(I)によって表される蛍光色素化合物。
    (I)
    (式中、XおよびXは、それぞれ独立して、−O−、−(C=O)O−、−O(C=O)−、−CHO−、CHO(CO)−、または単結合を表し、
    およびYは、それぞれ独立して、場合により置換された、炭素−炭素二重結合基を有する炭素数2〜18のアルキル基(アルキル基中の隣接しない炭素原子が酸素原子に置換されていてもよい)を表し、
    およびZは、それぞれ独立して、場合により置換された炭素数1〜18のアルキル基(アルキル基中の隣接しない炭素原子が酸素原子に置換されていてもよい)、場合により置換された炭素数1〜18のアルコキシ基(アルコキシ基中の隣接しない炭素原子が酸素原子に置換されていてもよい)、フルオロ基、シアノ基、−COOR基、−NHCOR基、または、水酸基を表し、RおよびRは、炭素数1〜18のアルキル基またはフェニル基を表し、
    m、n、o、および、pは、それぞれ独立して、0〜4の整数を表す(ただし、m+nは4以下、o+pは4以下である。)。)
  2. 前記YおよびYの少なくとも1つが、アリル基、オレイル基からカルボニル基を除いた基、リノール基からカルボニル基を除いた基、または、リノレン基からカルボニル基を除いた基ある、請求項1または2に記載の蛍光色素化合物。
  3. 前記XまたはXの少なくとも1つが、−(C=O)O−、または、−O(C=O)−である、請求項1または2に記載の蛍光色素化合物。
  4. 340〜410nmに最大吸収波長を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の蛍光色素化合物。
  5. 440〜560nmに最大蛍光発光波長を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の蛍光色素化合物。
  6. 光学的に透明な樹脂マトリックス、および、請求項1〜5のいずれかに記載の蛍光色素化合物を含む、波長変換型封止材組成物。
  7. 前記樹脂マトリックス100重量部に対して、前記蛍光色素化合物が0.01〜10重量部で含まれている、請求項6に記載の波長変換型封止材組成物。
  8. 前記マトリックス樹脂が、エチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とする、請求項6または7に記載の波長変換型封止材組成物。
  9. 請求項6〜8のいずれかに記載の波長変換型封止材組成物を用いて形成された波長変換型封止材層。
  10. 請求項6〜8のいずれかに記載の波長変換型封止材組成物を用いて形成された波長変換型封止材層を含む太陽電池モジュール。
  11. 入射光が、太陽電池セルへの到達に先だって、前記波長変換型封止材層を通過するように配置される、請求項10に記載の太陽電池モジュール。
  12. 前記太陽電池セルが、結晶シリコン太陽電池である、請求項10または11に記載の太陽電池モジュール。
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