以下、本発明の実施の形態を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明者らは、化学増幅型レジスト材料への配合により、高い解像性と良好なパターン形状を与える未知の化合物について鋭意検討を重ねた。その結果、芳香族カルボン酸エステル構造を有する含窒素有機化合物を配合して用いれば、高い解像性と良好なパターン形状を与える化学増幅型フォトレジスト材料が得られ、なかでも一般式(1)〜(4)で示される芳香族カルボン酸エステル構造を有する含窒素有機化合物は高収率かつ簡便に得られ、かつ配合効果が高いことを見出し、本発明を完成させたものである。特に、露光前の加熱処理(プリベーク)温度を高温にした場合、従来のレジスト材料では、膜べりなどが顕著になりパターン形状不良となることがあるが、本発明のレジスト材料を用いればこれを防止でき、改善効果が非常に高い。更に、本発明のレジスト材料を用いた場合、従来のレジスト材料に比べ、ウエハー面内のパターン寸法及びパターン形状の均一性が向上するという効果が得られることもある。
ここで、化学増幅型レジスト材料に配合される含窒素化合物としては、上述したように、下記一般式(1)〜(4)の含窒素有機化合物が好ましいが、これに限られるものではなく、芳香族カルボン酸エステル構造、特に式R1−CO−O−構造を有する含窒素有機化合物であれば、いずれのものも使用し得る。
この場合、一般式(1)中、R1は炭素数6〜20、特に6〜14のアリール基又は炭素数4〜20、特に4〜12のヘテロ芳香族基であって、水素原子の一部又は全部が、ハロゲン原子、炭素数1〜20、特に1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、炭素数6〜20、特に6〜14のアリール基、炭素数7〜20、特に7〜15のアラルキル基、炭素数1〜10、特に1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜10、特に1〜7のアシルオキシ基、又は、炭素数1〜10、特に1〜6のアルキルチオ基で置換されていてもよい。上記の炭素数6〜20のアリール基として具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ピレニル基、ナフタセニル基、フルオレニル基を、炭素数4〜20のヘテロ芳香族基として具体的には、フリル基、チエニル基、ピロリル基、ピリジル基、キノリル基、ベンゾフラニル基、イソベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、カルバゾリル基、ピラニル基、ベンゾピラニル基、アクリジニル基、チアントレニル基、フェノキサチイニル基を、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、デシル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、デカヒドロナフタレニル基を、炭素数7〜20のアラルキル基として具体的には、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、アントラセニルメチル基を、炭素数1〜10のアルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基、t−アミロキシ基、デシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロペンチルオキシ基を、炭素数1〜10のアシルオキシ基として具体的には、ホルミルオキシ基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、シクロヘキサンカルボニルオキシ基、デカノイルオキシ基を、炭素数1〜10のアルキルチオ基として具体的には、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、イソブチルチオ基、t−ブチルチオ基、t−アミルチオ基、デシルチオ基、シクロヘキシルチオ基を、それぞれ例示できるが、これらに限定されない。
一般式(1)で示される本発明の含窒素有機化合物を以下に具体的に例示するがこれらに限定されない。式中Meはメチル基、Acはアセチル基、Phはフェニル基、Etはエチル基をそれぞれ表す(以下同様)。
一般式(2)中、R1は上記と同様である。R2はCO2R3、OR4又はシアノ基である。R3は一部のメチレン基が酸素原子で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基である。R4は一部のメチレン基が酸素原子で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基又はアシル基である。R3、R4の一部のメチレン基が酸素原子で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、デシル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、デカヒドロナフタレニル基、メトキシメチル基、メトキシエチル基、(メトキシエトキシ)エチル基、フラニル基、テトラヒドロフラニル基、メトキシエトキシメチル基、テトラヒドロピラニル基を、R4の一部のメチレン基が酸素原子で置換されていてもよい炭素数1〜10のアシル基として具体的には、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ピバロイル基、バレリル基、ヘキサノイル基、デカノイル基、メトキシアセチル基、メトキシエトキシアセチル基、メトキシエトキシエトキシアセチル基、シクロヘキサンカルボキシル基を、それぞれ例示できるが、これらに限定されない。一般式(2)で示される本発明の含窒素有機化合物を以下に具体的に例示するがこれらに限定されない。
一般式(3)中、R1は上記と同様である。R5は単結合、メチレン基、エチレン基、硫黄原子又は−O(CH2CH2O)n−基である。n=0,1,2,3又は4である。一般式(3)で示される本発明の含窒素有機化合物を以下に具体的に例示するがこれらに限定されない。
一般式(4)中、R1は上記と同様である。R6は水素原子、メチル基、エチル基又はフェニル基である。Xは窒素原子又はCR7である。Yは窒素原子又はCR8である。Zは窒素原子又はCR9である。R7、R8、R9はそれぞれ独立に水素原子、メチル基又はフェニル基であるか、あるいはR7とR8又はR8とR9が結合して、炭素数6〜20の芳香環又は炭素数2〜20のヘテロ芳香環を形成してもよい。R7とR8又はR8とR9が結合して形成してもよい炭素数6〜20の芳香環として具体的には、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環を、R7とR8又はR8とR9が結合して形成してもよい炭素数2〜20のヘテロ芳香環として具体的にはフラン環、チオフェン環、ピロール環、トリアゾール環、ピラゾール環、イミダゾール環、ピリジン環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、インドール環、オキサゾール環、キノリン環を、それぞれ例示できるがこれらに限定されない。一般式(4)で示される本発明の含窒素有機化合物を以下に具体的に例示するが、これらに限定されない。
上記一般式(1)〜(4)で示される含窒素有機化合物以外で、本発明のレジスト材料に配合されうる芳香族カルボン酸エステル構造を有する含窒素有機化合物を以下に具体的に例示するがこれらに限定されない。
本発明によれば、これらの分子内に芳香族カルボン酸エステル構造を有する含窒素有機化合物において、酸との親和性の高いエステル基の存在により発生酸の速やかな補足を実現せしめ、一方分子内の芳香族カルボン酸エステル構造の存在が本含窒素有機化合物のレジスト膜中での分布に影響を及ぼしていると予想され、これらの結果として本発明の含窒素有機化合物を添加したフォトレジストにおける高解像性と優れたパターン形状を達成可能にするものと考えられる。また、本発明の芳香族カルボン酸エステル構造を有する含窒素有機化合物の可能な構造の中から適切なものを選ぶことにより、本発明の含窒素有機化合物の揮発性、塩基性度、酸の補足速度、レジスト中での拡散速度などを、用いるレジストポリマー及び酸発生剤の組み合わせに応じて適当に調節することができ、ひいてはパターン形状などのレジスト材料の性質を最適に調整することができる含窒素有機化合物添加剤を提供可能にするものと考えられる。
上記式(1)〜(4)で示される含窒素有機化合物は、新規化合物であり、これら含窒素有機化合物は、化合物の構造に応じた最適な方法を選択して製造される。例として、窒素含有アルコール化合物のエステル化反応を用いる方法、あるいは含窒素化合物のN−アルキル化反応を用いる方法を例示できるが、これらに限定されない。以下、詳しく説明する。
第一の方法として窒素含有アルコール化合物のエステル化反応による製造法は、下記に示すように、一般式(1)〜(4)のいずれで示される化合物の合成へも適用可能である。
(上記の通り、R
1は炭素数6〜20のアリール基又は炭素数4〜20のヘテロ芳香族基であって、水素原子の一部又は全部が、ハロゲン原子、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10のアシルオキシ基、又は、炭素数1〜10のアルキルチオ基で置換されていてもよい。R
2はCO
2R
3、OR
4又はシアノ基である。R
3は一部のメチレン基が酸素原子で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基である。R
4は一部のメチレン基が酸素原子で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基又はアシル基である。R
5は単結合、メチレン基、エチレン基、硫黄原子又は−O(CH
2CH
2O)
n−基である。n=0,1,2,3又は4である。R
6は水素原子、メチル基、エチル基又はフェニル基である。Xは窒素原子又はCR
7である。Yは窒素原子又はCR
8である。Zは窒素原子又はCR
9である。R
7、R
8、R
9はそれぞれ独立に水素原子、メチル基又はフェニル基であるか、あるいはR
7とR
8又はR
8とR
9が結合して、炭素数6〜20の芳香環又は炭素数2〜20のヘテロ芳香環を形成してもよい。Lは1価の有機基を表す。)
上記式中、Lがハロゲン原子、アシルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アリールオキシ基などの脱離基の場合は、本反応はアシル化剤を用いたアルコールのアシル化反応であり、塩基触媒を用いるアシル化法などの常法に従って反応を行うことができる。上記式中、L=−OHである場合は、本反応はアルコールとカルボン酸を用いたエステル化反応であり、酸触媒エステル化などの常法に従って反応を行うことができる。上記式中、L=−OR(Rはアルキル基を示す。)である場合は、本反応はアルコールとカルボン酸エステルを用いたエステル交換反応であり、塩基触媒又はルイス酸触媒によるエステル交換反応などの常法に従って反応を行うことができる。反応後は、反応混合物から通常の水系後処理(aqueous work−up)により目的化合物である本発明の含窒素有機化合物を得る。必要があれば目的化合物は蒸留、クロマトグラフィー、再結晶などの常法により精製することができる。あるいは水系後処理(aqueous work−up)を行わず、反応液を直接精製にかけることが可能な場合もある。
第二の方法として含窒素化合物のアルキル化反応による製造法は、下記に示すように、一般式(1)〜(4)のいずれで示される化合物の合成へも適用可能である。
(式中、R
1は炭素数6〜20のアリール基又は炭素数4〜20のヘテロ芳香族基であって、水素原子の一部又は全部が、ハロゲン原子、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10のアシルオキシ基、又は、炭素数1〜10のアルキルチオ基で置換されていてもよい。R
2はCO
2R
3、OR
4又はシアノ基である。R
3は一部のメチレン基が酸素原子で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基である。R
4は一部のメチレン基が酸素原子で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基又はアシル基である。R
5は単結合、メチレン基、エチレン基、硫黄原子又は−O(CH
2CH
2O)
n−基である。n=0,1,2,3又は4である。R
6は水素原子、メチル基、エチル基又はフェニル基である。Xは窒素原子又はCR
7である。Yは窒素原子又はCR
8である。Zは窒素原子又はCR
9である。R
7、R
8、R
9はそれぞれ独立に水素原子、メチル基又はフェニル基であるか、あるいはR
7とR
8又はR
8とR
9が結合して、炭素数6〜20の芳香環又は炭素数2〜20のヘテロ芳香環を形成してもよい。Lは脱離基を表す。)
上記式中、Lはハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基などの脱離基を示し、本反応は含窒素化合物とアルキル化剤を用いたNアルキル化反応であり、塩基触媒を用いるNアルキル化法などの常法に従って反応を行うことができる。反応後は、反応混合物から通常の水系後処理(aqueous work−up)により目的化合物である本発明の含窒素有機化合物を得る。必要があれば目的化合物は蒸留、クロマトグラフィー、再結晶などの常法により精製することができる。あるいは水系後処理(aqueous work−up)を行わず、反応液を直接精製にかけることが可能な場合もある。
本発明の含窒素有機化合物は、上述したように化学増幅型レジスト材料に配合されて用いられるが、化学増幅型レジスト材料としては、ポジ型でもネガ型でもよく、典型的には下記の組成のポジ型又はネガ型化学増幅レジスト材料とすることが好ましい。
(A)上記芳香族カルボン酸エステル構造を有する含窒素有機化合物、
(B)有機溶剤、
(C)酸不安定基で保護された酸性官能基を有するアルカリ不溶性又は難溶性の樹脂であって、該酸不安定基が脱離したときにアルカリ可溶性となるベース樹脂、
(D)酸発生剤
を含有することを特徴とするポジ型化学増幅レジスト材料。
(A)上記芳香族カルボン酸エステル構造を有する含窒素有機化合物、
(B)有機溶剤、
(C)アルカリ可溶性樹脂であって、架橋剤による架橋によってアルカリ難溶性となるベース樹脂、
(D)酸発生剤、
(E)酸によって架橋する架橋剤
を含有することを特徴とするネガ型化学増幅レジスト材料。
この場合、(A)成分の配合量は、(C)成分のベース樹脂100質量部に対し0.01〜2質量部、特に0.01〜1質量部であることが好ましい。少なすぎると、配合効果がなく、多すぎると、感度が低下しすぎる場合がある。
本発明で使用される(B)成分の有機溶剤としては、ベース樹脂、酸発生剤、その他の添加剤等が溶解可能な有機溶剤であればいずれでもよい。このような有機溶剤としては、例えば、シクロヘキサノン、メチル−n−アミルケトン等のケトン類、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール等のアルコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸tert−ブチル、プロピオン酸tert−ブチル、プロピレングリコールモノtert−ブチルエーテルアセテート等のエステル類、γ−ブチロラクトン等のラクトン類が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができるが、これらに限定されるものではない。本発明では、これらの有機溶剤の中でもレジスト成分中の酸発生剤の溶解性が最も優れているジエチレングリコールジメチルエーテルや1−エトキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びその混合溶剤が好ましく使用される。
有機溶剤の使用量は、ベース樹脂100質量部に対して200〜1,000質量部、特に400〜800質量部が好適である。
本発明で使用される(C)成分のベースポリマーは、KrFエキシマレーザー用レジスト用としては、ポリヒドロキシスチレン(PHS)、及びPHSとスチレン、(メタ)アクリル酸エステルその他重合性オレフィン化合物などとの共重合体、ArFエキシマレーザー用レジストとしては、(メタ)アクリル酸エステル系、シクロオレフィンと無水マレイン酸との交互共重合系及び更にビニルエーテル類又は(メタ)アクリル酸エステルを含む共重合系、ポリノルボルネン系、シクロオレフィン開環メタセシス重合系、F2レーザー用として上記KrF、ArF用ポリマーのフッ素置換体のほかフッ素化ジエンを用いた閉環重合系ポリマーなど、2層レジスト用としては上記ポリマーの珪素置換体及びポリシルセスキオキサンポリマーなどが挙げられるが、これらの重合系ポリマーに限定されることはない。ベースポリマーは単独であるいは2種以上混合して用いることができる。ポジ型レジストの場合、フェノールあるいはカルボキシル基あるいはフッ素化アルキルアルコールの水酸基を酸不安定基で置換することによって、未露光部の溶解速度を下げる場合が一般的である。
ベースポリマーの酸不安定基は、種々選定されるが、特に下記式(C1)、(C2)で示される炭素数2〜30のアセタール基、炭素数4〜30の3級アルキル基等であることが好ましい。
式(C1)、(C2)においてR1、R2は水素原子又は炭素数1〜20、特に1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、酸素、硫黄、窒素、フッ素などのヘテロ原子を含んでもよく、R3、R4、R5、R6は炭素数1〜20、特に1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アリール基又はアラルキル基であり、酸素、硫黄、窒素、フッ素などのヘテロ原子を含んでもよい。またR1とR2、R1とR3、R2とR3、R4とR5、R4とR6、R5とR6はそれぞれ結合してこれらが結合する炭素原子や酸素原子と共に炭素数3〜20、特に3〜12の環を形成してもよい。
式(C1)で示されるアセタール基として具体的には、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基、イソプロポキメチル基、t−ブトキシメチル基、1−メトキシエチル基、1−メトキシプロピル基、1−メトキシブチル基、1−エトキシエチル基、1−エトキシプロピル基、1−エトキシブチル基、1−プロポキシエチル基、1−プロポキシプロピル基、1−プロポキシブチル基、1−シクロペンチルオキシエチル基、1−シクロヘキシルオキシエチル基、2−メトキシイソプロピル基、2−エトキシイソプロピル基、1−フェノキシエチル基、1−ベンジルオキシエチル基、1−フェノキシプロピル基、1−ベンジルオキシプロピル基、1−アダマンチルオキシエチル基、1−アダマンチルオキシプロピル基、2−テトラヒドロフリル基、2−テトラヒドロ−2H−ピラニル基、1−(2−シクロヘキサンカルボニルオキシエトキシ)エチル基、1−(2−シクロヘキサンカルボニルオキシエトキシ)プロピル基、1−[2−(1−アダマンチルカルボニルオキシ)エトキシ]エチル基、1−[2−(1−アダマンチルカルボニルオキシ)エトキシ]プロピル基を例示できるがこれらに限定されない。
式(C2)で示される3級アルキル基として具体的には、t−ブチル基、t−ペンチル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、1,1−ジエチルプロピル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1−アダマンチル−1−メチルエチル基、1−メチル−1−(2−ノルボルニル)エチル基、1−メチル−1−(テトラヒドロフラン−2−イル)エチル基、1−メチル−1−(7−オキサナルボルナン−2−イル)エチル基、1−メチルシクロペンチル基、1−エチルシクロペンチル基、1−プロピルシクロペンチル基、1−シクロペンチルシクロペンチル基、1−シクロヘキシルシクロペンチル基、1−(2−テトラヒドロフリル)シクロペンチル基、1−(7−オキサナルボルナン−2−イル)シクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−エチルシクロヘキシル基、1−シクロペンチルシクロヘキシル基、1−シクロヘキシルシクロヘキシル基、2−メチル−2−ノルボニル基、2−エチル−2−ノルボニル基、8−メチル−8−トリシクロ[5.2.1.02,6]デシル基、8−エチル−8−トリシクロ[5.2.1.02,6]デシル基、3−メチル−3−テトラシクロ[4.4.0.12,5,17,10]ドデシル基、3−エチル−3−テトラシクロ[4.4.0.12,5,17,10]ドデシル基、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基、1−メチル−3−オキソ−1−シクロヘキシル基、1−メチル−1−(テトラヒドロフラン−2−イル)エチル基、5−ヒドロキシ−2−メチル−2−アダマンチル基、5−ヒドロキシ−2−エチル−2−アダマンチル基を例示できるが、これらに限定されない。
また、ベース樹脂の水酸基の一部が一般式(C3a)あるいは(C3b)で表される酸不安定基によって分子間あるいは分子内架橋されていてもよい。
式中、R7、R8は水素原子又は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。R7とR8は互いに結合して環を形成してもよく、環を形成する場合にはR7、R8は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。R9は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基、bは0又は1〜10の整数である。Aは、a+1価の炭素数1〜50の鎖状もしくは脂環式飽和炭化水素基、芳香族炭化水素基又はヘテロ環基を示し、これらの基はヘテロ原子を介在してもよく、又は水素原子の一部が水酸基、カルボキシル基、カルボニル基又はフッ素原子によって置換されていてもよい。Bは−CO−O−、−NHCO−O−又は−NHCONH−を示す。aは1〜7の整数である。
一般式(C3a)、(C3b)に示される架橋型アセタールとして、具体的には下記(C3)−1〜(C3)−8が挙げられるが、これらに限定されない。
ベースポリマーの重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)による測定法でポリスチレン換算2,000〜100,000とすることが好ましく、2,000に満たないと成膜性、解像性に劣る場合があり、100,000を超えると解像性に劣るかあるいはパターン形成時に異物が発生する場合がある。
(D)成分の酸発生剤として、光酸発生剤を添加する場合は、高エネルギー線照射により酸を発生する化合物であればいずれでもかまわない。好適な光酸発生剤としてはスルホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニルジアゾメタン、N−スルホニルオキシイミド型酸発生剤等がある。以下に詳述するがこれらは単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
スルホニウム塩はスルホニウムカチオンとスルホネートの塩であり、スルホニウムカチオンとしてトリフェニルスルホニウム、(4−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、ビス(4−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(4−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、(3−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、ビス(3−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(3−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、(3,4−ジtert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、ビス(3,4−ジtert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(3,4−ジtert−ブトキシフェニル)スルホニウム、ジフェニル(4−チオフェノキシフェニル)スルホニウム、(4−tert−ブトキシカルボニルメチルオキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、トリス(4−tert−ブトキシカルボニルメチルオキシフェニル)スルホニウム、(4−tert−ブトキシフェニル)ビス(4−ジメチルアミノフェニル)スルホニウム、トリス(4−ジメチルアミノフェニル)スルホニウム、2−ナフチルジフェニルスルホニウム、ジメチル−2−ナフチルスルホニウム、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウム、4−メトキシフェニルジメチルスルホニウム、トリメチルスルホニウム、2−オキソシクロヘキシルシクロヘキシルメチルスルホニウム、トリナフチルスルホニウム、トリベンジルスルホニウム、ジフェニルメチルスルホニウム、ジメチルフェニルスルホニウム、2−オキソ−2−フェニルエチルチアシクロペンタニウム等が挙げられ、スルホネートとしては、トリフルオロメタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、メシチレンスルホネート、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート等が挙げられ、これらの組み合わせのスルホニウム塩が挙げられる。
ヨードニウム塩はヨードニウムカチオンとスルホネートの塩であり、ジフェニルヨードニウム、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム、4−tert−ブトキシフェニルフェニルヨードニウム、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウム等のアリールヨードニウムカチオンとスルホネートとしてトリフルオロメタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、メシチレンスルホネート、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、4−(4−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート等が挙げられ、これらの組み合わせのヨードニウム塩が挙げられる。
スルホニルジアゾメタンとしては、ビス(エチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1−メチルプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2−メチルプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(パーフルオロイソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−メチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2−ナフチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−アセチルオキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−メタンスルホニルオキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−(4−トルエンスルホニルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2−メチル−4−(n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,5−ジメチル−4−(n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(3,5−ジメチル−4−(n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2−メチル−5−イソプロピル−4−(n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン4−メチルフェニルスルホニルベンゾイルジアゾメタン、tert−ブチルカルボニル−4−メチルフェニルスルホニルジアゾメタン、2−ナフチルスルホニルベンゾイルジアゾメタン、4−メチルフェニルスルホニル−2−ナフトイルジアゾメタン、メチルスルホニルベンゾイルジアゾメタン、tert−ブトキシカルボニル−4−メチルフェニルスルホニルジアゾメタン等のビススルホニルジアゾメタンとスルホニル−カルボニルジアゾメタンが挙げられる。
N−スルホニルオキシイミド型光酸発生剤としては、コハク酸イミド、ナフタレンジカルボン酸イミド、フタル酸イミド、シクロヘキシルジカルボン酸イミド、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸イミド、7−オキサビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸イミド等のイミド骨格とトリフルオロメタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、メシチレンスルホネート、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート等の組み合わせの化合物が挙げられる。
ベンゾインスルホネート型光酸発生剤としては、ベンゾイントシレート、ベンゾインメシレートベンゾインブタンスルホネート等が挙げられる。
ピロガロールトリスルホネート型光酸発生剤としては、ピロガロール、フロログリシノール、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノンのヒドロキシル基のすべてをトリフルオロメタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート等で置換した化合物が挙げられる。
ニトロベンジルスルホネート型光酸発生剤としては、2,4−ジニトロベンジルスルホネート、2−ニトロベンジルスルホネート、2,6−ジニトロベンジルスルホネートが挙げられ、スルホネートとしては、具体的にトリフルオロメタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート等が挙げられる。またベンジル側のニトロ基をトリフルオロメチル基で置き換えた化合物も同様に用いることができる。
スルホン型光酸発生剤の例としては、ビス(フェニルスルホニル)メタン、ビス(4−メチルフェニルスルホニル)メタン、ビス(2−ナフチルスルホニル)メタン、2,2−ビス(フェニルスルホニル)プロパン、2,2−ビス(4−メチルフェニルスルホニル)プロパン、2,2−ビス(2−ナフチルスルホニル)プロパン、2−メチル−2−(p−トルエンスルホニル)プロピオフェノン、2−シクロヘキシルカルボニル)−2−(p−トルエンスルホニル)プロパン、2,4−ジメチル−2−(p−トルエンスルホニル)ペンタン−3−オン等が挙げられる。
グリオキシム誘導体型の光酸発生剤は、特許第2906999号公報や特開平9−301948号公報に記載の化合物を挙げることができ、具体的にはビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジシクロヘキシルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−2,3−ペンタンジオングリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジシクロヘキシルグリオキシム、ビス−O−(メタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(トリフルオロメタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(2,2,2−トリフルオロエタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(10−カンファースルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(ベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(p−フルオロベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(p−トリフルオロメチルベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(キシレンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(トリフルオロメタンスルホニル)−ニオキシム、ビス−O−(2,2,2−トリフルオロエタンスルホニル)−ニオキシム、ビス−O−(10−カンファースルホニル)−ニオキシム、ビス−O−(ベンゼンスルホニル)−ニオキシム、ビス−O−(p−フルオロベンゼンスルホニル)−ニオキシム、ビス−O−(p−トリフルオロメチルベンゼンスルホニル)−ニオキシム、ビス−O−(キシレンスルホニル)−ニオキシム等が挙げられる。
また、米国特許第6004724号明細書記載のオキシムスルホネート、特に(5−(4−トルエンスルホニル)オキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)フェニルアセトニトリル、(5−(10−カンファースルホニル)オキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)フェニルアセトニトリル、(5−n−オクタンスルホニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)フェニルアセトニトリル、(5−(4−トルエンスルホニル)オキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)(2−メチルフェニル)アセトニトリル、(5−(10−カンファースルホニル)オキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)(2−メチルフェニル)アセトニトリル、(5−n−オクタンスルホニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)(2−メチルフェニル)アセトニトリル等が挙げられる。
米国特許第6261738号明細書、特開2000−314956号公報記載のオキシムスルホネート、特に、2,2,2−トリフルオロ−1−フェニル−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−フェニル−エタノンオキシム−O−(10−カンホリルスルホナート);2,2,2−トリフルオロ−1−フェニル−エタノンオキシム−O−(4−メトキシフェニルスルホナート);2,2,2−トリフルオロ−1−フェニル−エタノンオキシム−O−(1−ナフチルスルホナート);2,2,2−トリフルオロ−1−フェニル−エタノンオキシム−O−(2−ナフチルスルホナート);2,2,2−トリフルオロ−1−フェニル−エタノンオキシム−O−(2,4,6−トリメチルフェニルスルホナート);2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(10−カンホリルスルホナート);2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(メチルスルホナート);2,2,2−トリフルオロ−1−(2−メチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(10−カンホリルスルホナート);2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4−ジメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(10−カンホリルスルホナート);2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4−ジメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(1−ナフチルスルホナート);2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4−ジメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(2−ナフチルスルホナート);2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(10−カンホリルスルホナート);2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(1−ナフチルスルホナート);2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(2−ナフチルスルホナート);2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メトキシフェニル)−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メチルチオフェニル)−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(3,4−ジメトキシフェニル)−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート;2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−フェニル−ブタノンオキシム−O−(10−カンホリルスルホナート);2,2,2−トリフルオロ−1−(フェニル)−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(フェニル)−エタノンオキシム−O−10−カンホリルスルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(フェニル)−エタノンオキシム−O−(4−メトキシフェニル)スルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(フェニル)−エタノンオキシム−O−(1−ナフチル)スルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(フェニル)−エタノンオキシム−O−(2−ナフチル)スルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(フェニル)−エタノンオキシム−O−(2,4,6−トリメチルフェニル)スルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(10−カンホリル)スルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メチルフェニル)−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(2−メチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(10−カンホリル)スルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4−ジメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(1−ナフチル)スルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4−ジメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(2−ナフチル)スルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(10−カンホリル)スルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(1−ナフチル)スルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(2−ナフチル)スルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メトキシフェニル)−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(4−チオメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(3,4−ジメトキシフェニル)−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メトキシフェニル)−エタノンオキシム−O−(4−メチルフェニル)スルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メトキシフェニル)−エタノンオキシム−O−(4−メトキシフェニル)スルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メトキシフェニル)−エタノンオキシム−O−(4−ドデシルフェニル)スルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メトキシフェニル)−エタノンオキシム−O−オクチルスルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(4−チオメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(4−メトキシフェニル)スルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(4−チオメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(4−ドデシルフェニル)スルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(4−チオメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−オクチルスルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(4−チオメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(2−ナフチル)スルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(2−メチルフェニル)−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メチルフェニル)−エタノンオキシム−O−フェニルスルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−(4−クロロフェニル)−エタノンオキシム−O−フェニルスルホナート;2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−(フェニル)−ブタノンオキシム−O−(10−カンホリル)スルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−ナフチル−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート;2,2,2−トリフルオロ−2−ナフチル−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−[4−ベンジルフェニル]−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−[4−(フェニル−1,4−ジオキサ−ブト−1−イル)フェニル]−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−ナフチル−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート;2,2,2−トリフルオロ−2−ナフチル−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−[4−ベンジルフェニル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−[4−メチルスルホニルフェニル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート;1,3−ビス[1−(4−フェノキシフェニル)−2,2,2−トリフルオロエタノンオキシム−O−スルホニル]フェニル;2,2,2−トリフルオロ−1−[4−メチルスルホニルオキシフェニル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−[4−メチルカルボニルオキシフェニル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−[6H,7H−5,8−ジオキソナフト−2−イル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−[4−メトキシカルボニルメトキシフェニル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−[4−(メトキシカルボニル)−(4−アミノ−1−オキサ−ペンタ−1−イル)−フェニル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−[3,5−ジメチル−4−エトキシフェニル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−[4−ベンジルオキシフェニル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート;2,2,2−トリフルオロ−1−[2−チオフェニル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート;及び2,2,2−トリフルオロ−1−[1−ジオキサ−チオフェン−2−イル)]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナートである。
特開平9−95479号公報、特開平9−230588号公報あるいは文中の従来技術として記載のオキシムスルホネートα−(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(p−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(4−ニトロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−クロロフェニルアセトニトリル、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,4−ジクロロフェニルアセトニトリル、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,6−ジクロロフェニルアセトニトリル、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(2−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2−チエニルアセトニトリル、α−(4−ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−[(4−トルエンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル]アセトニトリル、α−[(ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル]アセトニトリル、α−(トシルオキシイミノ)−3−チエニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル等が挙げられる。
また、ビスオキシムスルホネートとして特開平9−208554号公報記載の化合物、特にビス(α−(4−トルエンスルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(ベンゼンスルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(メタンスルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリルビス(α−(ブタンスルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(10−カンファースルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(4−トルエンスルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(4−メトキシベンゼンスルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(4−トルエンスルホニルオキシ)イミノ)−m−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(ベンゼンスルホニルオキシ)イミノ)−m−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(メタンスルホニルオキシ)イミノ)−m−フェニレンジアセトニトリルビス(α−(ブタンスルホニルオキシ)イミノ)−m−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(10−カンファースルホニルオキシ)イミノ)−m−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(4−トルエンスルホニルオキシ)イミノ)−m−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)イミノ)−m−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(4−メトキシベンゼンスルホニルオキシ)イミノ)−m−フェニレンジアセトニトリル等が挙げられる。
中でも好ましく用いられる光酸発生剤としては、スルホニウム塩、ビススルホニルジアゾメタン、N−スルホニルオキシイミド、グリオキシム誘導体である。より好ましく用いられる光酸発生剤としては、スルホニウム塩、ビススルホニルジアゾメタン、N−スルホニルオキシイミドである。具体的にはトリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホネート、トリフェニルスルホニウムペンタフルオロベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウム−2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホネート、4−tert−ブトキシフェニルジフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、4−tert−ブトキシフェニルジフェニルスルホニウムカンファースルホネート、4−tert−ブトキシフェニルジフェニルスルホニウム4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホネート、トリス(4−メチルフェニル)スルホニウム、カンファースルホネート、トリス(4−tert−ブチルフェニル)スルホニウムカンファースルホネート、ビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロへキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2−メチル−4−(n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,5−ジメチル−4−(n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(3,5−ジメチル−4−(n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2−メチル−5−イソプロピル−4−(n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、N−カンファースルホニルオキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸イミド、N−p−トルエンスルホニルオキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸イミド等が挙げられる。
本発明の化学増幅型レジスト材料における光酸発生剤の添加量はいずれでもよいが、レジスト材料中のベース樹脂100質量部に対し0.1〜10質量部、好ましくは0.1〜5質量部である。光酸発生剤の割合が多すぎる場合には解像性の劣化や、現像/レジスト剥離時の異物の問題が起きる可能性がある。上記光酸発生剤は単独又は2種以上混合して用いることができる。更に露光波長における透過率が低い光酸発生剤を用い、その添加量でレジスト膜中の透過率を制御することもできる。
また、本発明のレジスト材料に、酸により分解し酸を発生する化合物(酸増殖化合物)を添加してもよい。これらの化合物についてはJ.Photopolym.Sci.and Tech.,8.43−44,45−46(1995)、J.Photopolym.Sci.and Tech.,9.29−30(1996)において記載されている。
酸増殖化合物の例としては、tert−ブチル−2−メチル−2−トシロキシメチルアセトアセテート、2−フェニル−2−(2−トシロキシエチル)−1,3−ジオキソラン等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。公知の光酸発生剤の中で安定性、特に熱安定性に劣る化合物は酸増殖化合物的な性質を示す場合が多い。
本発明のレジスト材料における酸増殖化合物の添加量としては、レジスト材料中のベース樹脂100質量部に対し2質量部以下、好ましくは1質量部以下である。添加量が多すぎる場合は拡散の制御が難しく解像性の劣化、パターン形状の劣化が起こる。
(E)成分の架橋剤としては、分子内に2個以上のヒドロキシメチル基、アルコキシメチル基、エポキシ基又はビニルエーテル基を有する化合物が挙げられ置換グリコールウリル誘導体、尿素誘導体、ヘキサ(メトキシメチル)メラミン等が好適に用いられる。例えば、N,N,N’,N’−テトラメトキシメチル尿素とヘキサメチルメラミン、テトラヒドロキシメチル置換グリコールウリル類及びテトラメトキシメチルグリコールウリルのようなテトラアルコキシメチル置換グリコールウリル類、置換及び未置換ビスーヒドロキシメチルフェノール類、ビスフェノールA等のフェノール製化合物とエピクロロヒドリン等の縮合物が挙げられる。特に好適な架橋剤は、1,3,5,7−テトラメトキシメチルグリコールウリルなどの1,3,5,7−テトラアルコキシメチルグリコールウリル又は1,3,5,7−テトラヒドロキシメチルグリコールウリル、2,6−ジヒドロキシメチルp−クレゾール、2,6−ジヒドロキシメチルフェノール、2,2’,6,6’−テトラヒドロキシメチルビスフェノールA、及び1,4−ビス−[2−(2−ヒドロキシプロピル)]−ベンゼン、N,N,N’,N’−テトラメトキシメチル尿素とヘキサメトキシメチルメラミン等が挙げられる。添加量は任意であるが、ベース樹脂100質量部に対して1〜25質量部、好ましくは5〜20質量部である。これらは単独でも2種以上併用して添加してもよい。
また、本発明の含窒素有機化合物以外に、従来から用いられている含窒素有機化合物を1種あるいは2種以上併用することもできる。
本発明のレジスト材料には、必要に応じて、この他に既知の溶解制御剤、界面活性剤、酸性化合物、色素、熱架橋剤、安定剤などを加えてもよい。
本発明のレジスト材料を使用してパターンを形成するには、公知のリソグラフィー技術を採用して行うことができ、例えば、シリコンウエハー等の基板上にスピンコーティング等の手法で膜厚が0.05〜2.0μmとなるように塗布し、これをホットプレート上で60〜150℃、0.1〜10分間、好ましくは80〜140℃、0.5〜5分間プリベークする。次いで目的のパターンを形成するためのマスクを上記のレジスト膜上にかざし、遠紫外線、エキシマレーザー、X線等の高エネルギー線又は電子線を露光量1〜200mJ/cm2、好ましくは10〜100mJ/cm2となるように照射する。露光は通常の露光法の他、必要に応じてマスクとレジストの間を液浸するImmersion法を用いることも可能である。次いで、ホットプレート上で、60〜150℃、0.1〜5分間、好ましくは80〜140℃、0.5〜3分間ポストエクスポウジャーベーク(PEB)する。更に、0.1〜5質量%、好ましくは、2〜3質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)等のアルカリ水溶液の現像液を用い、0.1〜3分間好ましくは0.5〜2分間、浸漬(dip)法、パドル(puddle)法、スプレー(spray)法等の常法により現像して、基板上に目的のパターンが形成される。また必要に応じて現像後に更に加熱処理を行ってパターンサイズの調整を行うこと(thermal flow)も可能である。なお、本発明のレジスト材料は、特に高エネルギー線の中でも250〜120nmの遠紫外線又はエキシマレーザー、極短紫外線、X線及び電子線による微細パターニングに最適である。
以下、合成例、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
なお、下記式中Meはメチル基、Phはフェニル基、t−Buはtert−ブチル基をそれぞれ表す。
[合成例]
本発明の含窒素有機化合物を以下に示す方法で合成した。
[合成例1]ニトリロトリエタン−2,1−ジイル トリベンゾエート(amine 1)の合成
トリエタノールアミン149g、トリエチルアミン405g、塩化メチレン1,500gの混合物に、5〜10℃で、安息香酸クロリド492gを2時間かけて滴下後、25℃で10時間撹拌した。水を加えて反応を停止し、続いて通常の水系後処理の後、カラムクロマトグラフィーにより精製を行い、ニトリロトリエタン−2,1−ジイル トリベンゾエート420gを得た(収率91%)。
IR(KBr): ν=3062,2973,2958,2984,2832,1722,1710,1602,1583,1452,1380,1355,1336,1315,1284,1272,1176,1122,1068,1029,931,709cm-1
1H−NMR(600MHz in CDCl3): δ=3.10(6H,t,J=5.9Hz),4.44(6H,t,J=5.9Hz),7.36(6H,dd,J=8.3,7.4Hz),7.51(3H,tt,J=7.4,1.4Hz),7.98(6H,dd,J=8.3,1.4Hz).
[合成例2]ニトリロトリエタン−2,1−ジイル トリ(3,5−ジメトキシベンゾエート)(amine 2)の合成
安息香酸クロリドの替りに同モルの3,5−ジメトキシ安息香酸クロリドを用いた以外は、[合成例1]と同様の方法によりニトリロトリエタン−2,1−ジイル トリ(3,5−ジメトキシベンゾエート)を合成した(収率87%)。
[合成例3]ニトリロトリエタン−2,1−ジイル トリ(2−フランカルボキシレート)(amine 3)の合成
安息香酸クロリドの替りに同モルの2−フランカルボン酸クロリドを用いた以外は、[合成例1]と同様の方法によりニトリロトリエタン−2,1−ジイル トリ(2−フランカルボキシレート)を合成した(収率84%)。
[合成例4][(2−メトキシエチル)イミノ]ジエタン−2,1−ジイル ジ(4−メチルベンゾエート)(amine 4)の合成
トリエタノールアミンの替りに2,2’−[(2−メトキシエチル)イミノ]ジエタノールを、安息香酸クロリドの替りに4−メチル安息香酸クロリドを用いた以外は[合成例1]と同様の方法により[(2−メトキシエチル)イミノ]ジエタン−2,1−ジイル ジ(4−メチルベンゾエート)を合成した(収率93%)。
[合成例5][(2−シアノエチル)イミノ]ジエタン−2,1−ジイル ジベンゾエート(amine 5)の合成
トリエタノールアミンの替りに2,2’−[(2−シアノエチル)イミノ]ジエタノールを用いた以外は[合成例1]と同様の方法により[(2−シアノエチル)イミノ]ジエタン−2,1−ジイル ジベンゾエートを合成した(収率90%)。
IR(KBr): ν=2954,2861,2248,1716,1706,1600,1583,1452,1386,1367,1346,1311,1272,1174,1118,1070,1043,1025,985,921,711cm-1
1H−NMR(600MHz in CDCl3): δ=2.50(2H,t,J=7.0Hz),3.04(4H,t,J=5.6Hz),3.04(2H,t,J=7.0Hz),4.42(4H,t,J=5.6Hz),7.41(4H,dd,J=8.6,7.4Hz),7.54(2H,tt,J=7.4,1.2Hz),8.00(4H,dd,J=8.6,1.2Hz).
[合成例6]安息香酸2−(1−ピロリジニル)エチル(amine 6)の合成
トリエタノールアミンの替りに2−(1−ピロリジニル)エタノールを用いた以外は[合成例1]と同様の方法により安息香酸2−(1−ピロリジニル)エチルを合成した(収率97%)。
[合成例7]1−ナフタレンカルボン酸2−モルホリノエチル(amine 7)の合成
トリエタノールアミンの替りに2−モルホリノエタノールを、安息香酸クロリドの替りに1−ナフタレンカルボン酸クロリドを用いた以外は[合成例1]と同様の方法により1−ナフタレンカルボン酸2−モルホリノエチルを合成した(収率94%)。
IR(薄膜): ν=2958,2854,2807,1712,1637,1592,1577,1510,1454,1278,1245,1197,1135,1118,1070,1033,1016,943,916,860,782cm-1
1H−NMR(600MHz in CDCl3): δ=2.60(4H,m),2.83(2H,t,5.8Hz),3.74(4H,t,J=4.7Hz),4.55(2H,t,J=5.8Hz),7.50(1H,dd,J=7.9,7.2Hz),7.54(1H,ddd,J=7.9,6.9,1.4Hz),7.61(1H,ddd,J=8.6,6.9,1.4Hz),7.89(1H,br.d,J=7.9Hz),8.02(1H,d,J=8.79),8.16(1H,dd,J=7.2,1.4Hz),8.93(1H,dd,J=8.9,0.7Hz).
[合成例8]2−ナフタレンカルボン酸2−モルホリノエチル(amine 8)の合成
トリエタノールアミンの替りに2−モルホリノエタノールを、安息香酸クロリドの替りに2−ナフタレンカルボン酸クロリドを用いた以外は[合成例1]と同様の方法により2−ナフタレンカルボン酸2−モルホリノエチルを合成した(収率95%)。
IR(KBr): ν=2954,2854,2894,1716,1467,1446,1351,1290,1232,1195,1130,1114,1097,1070,1008,973,914,867,781,765cm-1
1H−NMR(600MHz in CDCl3): δ=2.60(4H,m),2.82(2H,t,J=6.0Hz),3.73(4H,t,J=4.6Hz),4.52(2H,t,J=6.0Hz),7.54(1H,m),7.59(1H,m),7.88(1H,d,J=8.2Hz),7.88(1H,d,J=8.6Hz),7.96(1H,d,J=8.2Hz),8.51(1H,dd,J=8.6,1.7Hz),8.60(1H,m).
[合成例9]4−フェニル安息香酸2−モルホリノエチル(amine 9)の合成
トリエタノールアミンの替りに2−モルホリノエタノールを、安息香酸クロリドの替りに4−フェニル安息香酸クロリドを用いた以外は[合成例1]と同様の方法により4−フェニル安息香酸2−モルホリノエチルを合成した(収率93%)。
IR(KBr): ν=2966,2944,2917,2888,2865,2852,2819,2782,1714,1608,1488,1475,1452,1407,1376,1338,1328,1278,1199,1186,1143,1116,1076,1066,1035,1020,1008,975,916,873,860,752,696cm-1
1H−NMR(600MHz in CDCl3): δ=2.59(4H,m),2.80(2H,t,J=5.9Hz),3.73(4H,t,J=4.8Hz),4.49(2H,t,J=5.9Hz),7.40(1H,tt,J=7.6,1.2Hz),7.47(2H,dd,J=8.4,7.6Hz),7.62(2H,dd,J=8.4,1.2Hz),7.67(2H.d.J=8.3Hz),8.10(2H,d,J=8.3Hz).
[合成例10]安息香酸2−(1,4,7,10,13−ペンタオキサ−16−アザシクロオクタデカン−16−イル)エチル(amine 10)の合成
1−アザ−18−クラウン−6 26.3g、安息香酸2−クロロエチル19.9g、炭酸カリウム21.0g、N,N−ジメチルホルムアミド60gの混合物を80℃で10時間撹拌した。通常の水系後処理の後、カラムクロマトグラフィーにより精製を行い、安息香酸2−(1,4,7,10,13−ペンタオキサ−16−アザシクロオクタデカン−16−イル)エチル320gを得た(収率75%)。
[合成例11]2−ナフタレンカルボン酸2−(1H−イミダゾール−1−イル)エチル(amine 11)の合成
トリエタノールアミンの替りに2−(1H−イミダゾール−1−イル)エタノールを、安息香酸クロリドの替りに2−ナフタレンカルボン酸クロリドを用いた以外は[合成例1]と同様の方法により2−ナフタレンカルボン酸2−(1H−イミダゾール−1−イル)エチルを合成した(収率81%)。
IR(KBr): ν=3120,3101,3056,2954,1710,1629,1510,1459,1444,1403,1351,1326,1307,1288,1238,1230,1199,1130,1110,1097,1083,1029,906,838,825,784,767,748cm-1
1H−NMR(600MHz in CDCl3): δ=4.36(2H,t,J=5.3Hz),4.63(2H,t,J=5.3Hz),7.04(1H,t,J=1.4Hz),7.11(1H,m),7.55(1H,m),7.60(1H,m),7.60(1H,m),7.87(1H,m),7.88(1H,d,J=8.6Hz),7.94(1H,m),7.99(1H,dd,J=8.6,1.7Hz),8.55(1H,m).
[合成例12]安息香酸2−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)エチル(amine 12)の合成
1−アザ−18−クラウン−6の替りにベンズイミダゾールを用いた以外は[合成例10]と同様の方法により安息香酸2−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)エチルを合成した(収率80%)。
IR(KBr): ν=3078,3057,3051,3035,3005,2981,2951,1714,1616,1600,1583,1494,1459,1450,1438,1378,1365,1332,1315,1282,1209,1120,1099,1072,1027,1020,742,713cm-1
1H−NMR(600MHz in CDCl3): δ=4.55(2H,t,J=5.4Hz),4.66(2H,t,J=5.4Hz),7.30−7.33(2H,m),7.41(2H,dd,J=7.9,7.2Hz),7.46(1H,m),7.55(1H,tt,J=7.2,1.7Hz),7.83(1H,m),7.93(2H,dd,J=7.9,1.7Hz),7.98(1H,s).
[合成例13]4−メトキシ安息香酸2−(2−フェニル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)エチル(amine 13)の合成
1−アザ−18−クラウン−6の替りにベンズイミダゾールを、安息香酸2−クロロエチルの替りに4−メトキシ安息香酸2−クロロエチル用いた以外は[合成例10]と同様の方法により4−メトキシ安息香酸2−(2−フェニル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)エチルを合成した(収率71%)。
[合成例14]3−モルホリノプロパン−1,2−ジイル ジベンゾエート(amine 14)の合成
トリエタノールアミンの替りに3−モルホリノプロパン−1,2−ジオールを用いた以外は[合成例1]と同様の方法により3−モルホリノプロパン−1,2−ジイル ジベンゾエートを合成した(収率92%)。
IR(薄膜): ν=2960,2854,2811,1720,1602,1585,1452,1315,1280,1265,1176,1116,1070,1025,1012,867,709cm-1
1H−NMR(600MHz in CDCl3): δ=2.58(4H,m),2.73(1H,dd,J=13.1,6.5Hz),2.76(1H,dd,J=13.1,6.2Hz),3.68(4H,m),4.58(1H,dd,J=12.0,6.5Hz),4.71(1H,dd,J=12.0,3.5Hz),5.62(1H,ddt,J=6.2,3.5,6.5Hz),7.42(2H,t,J=7.9Hz),7.44(2H,t,J=7.9Hz),7.55(1H,t,J=7.9Hz),7.56(1H,t,J=7.9Hz),8.01(2H,d,J=7.9Hz),8.04(2H,d,J=7.9Hz).
[合成例15][(3−シアノプロピル)イミノ]ジエタン−2,1−ジイル ジベンゾエート(amine 15)の合成
トリエタノールアミンの替りに2,2’−[(3−シアノプロピル)イミノ]ジエタノールを用いた以外は[合成例1]と同様の方法により[(3−シアノプロピル)イミノ]ジエタン−2,1−ジイル ジベンゾエートを合成した(収率83%)。
[合成例16]ニトリロトリエタン−2,1−ジイル トリ(4−メトキシベンゾエート)(amine 16)の合成
安息香酸クロリドの替りに同モルの4−メトキシ安息香酸クロリドを用いた以外は、[合成例1]と同様の方法によりニトリロトリエタン−2,1−ジイル トリ(4−メトキシベンゾエート)を合成した(収率81%)。
1H−NMR(600MHz in CDCl3): δ=3.06(6H,t,J=5.8Hz),3.81(9H,s),4.40(6H,t,J=5.8Hz),6.82(6H,m),7.93(6H,m).
13C−NMR(150MHz in CDCl3): δ=53.42,55.33,62.84,113.53,122.51,131.53,163.25,166.22.
[実施例]
本発明の含窒素有機化合物を配合した本発明のレジスト材料を調製し、次いで本発明のパターン形成方法を実施し、その解像性及びパターン形状の評価を行った。
なお、下記例で使用したベースポリマー、酸発生剤、溶解制御剤、架橋剤の構造式を以下に示す。下記例でMw、Mnはゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算の値である。
[実施例1]
合成例1で得られた含窒素有機化合物(amine 1)を用いて、以下に示す組成で混合した後、孔径0.2μmのテフロン(登録商標)フィルターを用いて濾過し、レジスト材料を調製した。
(A)ベースポリマー(Polymer 3)100質量部
(B)酸発生剤(PAG 5)2.0質量部
(C)溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート280質量部及び乳酸エチル120質量部
(D)含窒素有機化合物(amine 1)0.1質量部
このレジスト材料を、反射防止膜(日産化学社製DUV30,55nm)を塗布したシリコンウエハー上へ回転塗布し、120℃、90秒間の熱処理を施して、厚さ550nmのレジスト膜を形成した。これをエキシマレーザーステッパー(ニコン社、NSR−S203B、NA−0.68、σ0.75、2/3輪帯照明)を用いて露光し、露光後110℃で90秒間熱処理を施した後、23℃まで冷却し、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて、23℃、60秒間パドル現像を行い、1:1のライン・アンド・スペース・パターンを形成した。現像済ウエハーを上空SEMで観察し、0.18μmのライン・アンド・スペース・パターンを1:1で解像する露光量(最適露光量)において、0.15μmのライン・アンド・スペース・パターンを剥がれなく、分離・解像していた。また、パターン断面を観察したところ、パターン形状は矩形かつ基板に対して垂直であった。
[実施例2〜24及び比較例1〜14]
実施例1に準じて、合成例2〜15により合成した含窒素有機化合物(amine 2〜15)及び比較となる含窒素有機化合物について、これらを配合したレジスト材料を調製し、解像性、及びパターン形状の評価を行った。
上記評価結果をもとに0.15μmのライン・アンド・スペース・パターンの解像の可否、及びパターン形状の観察結果を、下記表1及び表2にまとめた。
[実施例25]
合成例1で得られた含窒素有機化合物を用いて、以下に示す組成で混合した後、孔径0.2μmのテフロン(登録商標)フィルターを用いて濾過し、レジスト材料を調製した。
(A)ベースポリマー(Polymer 11)80質量部
(B)酸発生剤(PAG 1)2.0質量部
(C)溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート640質量部
(D)含窒素有機化合物(amine 1)0.25質量部
このレジスト材料を、反射防止膜(日産化学社製ARC29A,78nm)を塗布したシリコンウエハー上へ回転塗布し、130℃、60秒間の熱処理を施して、厚さ300nmのレジスト膜を形成した。これをArFエキシマレーザーステッパー(ニコン社製、NA=0.68)を用いて露光し、115℃、60秒間の熱処理を施した後、23℃まで冷却し、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて、23℃、60秒間パドル現像を行い、1:1のライン・アンド・スペース・パターンを形成した。現像済ウエハーを上空SEMで観察し、0.15μmのライン・アンド・スペース・パターンを1:1で解像する露光量(最適露光量)において、0.13μmのライン・アンド・スペース・パターンを剥がれなく、分離・解像していた。また、パターン断面を観察したところ、パターン形状は矩形かつ基板に対して垂直であった。
[実施例26〜44及び比較例15〜24]
実施例25に準じて、合成例2〜15により合成した含窒素有機化合物(amine 2〜15)及び比較となる含窒素有機化合物について、これらを配合したレジスト材料を調製し、解像性及びパターン形状の評価を行った。
上記評価結果をもとに0.13μmのライン・アンド・スペース・パターンの解像の可否、及びパターン形状の観察結果を、下記表3及び表4にまとめた。
上記の結果より、本発明のレジスト材料は解像性の向上、及びパターン形状の改善に効果を有することが確認された。