JP4934470B2 - レジスト組成物及びこれを用いたパターン形成方法 - Google Patents

レジスト組成物及びこれを用いたパターン形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、超LSIや高容量マイクロチップの製造などの超マイクロリソグラフィプロセスやその他のフォトパブリケーションプロセスに好適に用いられるレジスト組成物及びそれを用いたパターン形成方法に関するものである。さらに詳しくは、特に電子線、X線、エキシマレーザー等を使用して高精細化したパターン形成しうるレジスト組成物及びそれを用いたパターン形成方法に関するものである。
これまで酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物からなる化学増幅型レジストにおいては、その解像力向上の観点から有機アミン化合物の添加が行われてきている。たとえば特許文献1(特開2000−181065号公報)には酸を発生する化合物と沸点250℃以下のアミン化合物の組合せが、特許文献2(特表平7−508840号公報)には、アミド化合物の併用がそれぞれ開示されている。さらに、特許文献3(特開平3−200968号公報)にはマレイミド化合物、特許文献4(特開平7−92680号公報)にはスルホンアミド化合物が開示されている。
また、含窒素化合物は、特許文献5(特開平11−44950号公報)において基板依存性改善剤として、特許文献6(特開平7−225481号公報)において酸失活剤として検討されている。
これらの改良の試みにおいても、いずれもレジストパターンプロファイル、ラインエッジラフネス、現像欠陥数が良好なものではなかった。
特開2000−181065号公報 特表平7−508840号公報 特開平3−200968号公報 特開平7−92680号公報 特開平11−44950号公報 特開平7−225481号公報
本発明の目的は、活性光線又は放射線、特に電子線、X線、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光を使用する半導体素子の微細加工における性能向上技術の課題を解決することであり、ラインエッジラフネス、現像欠陥が低減され、プロファイルが良好であるとともに、ホールパターンでの解像力、サイドローブマージンに優れたレジスト組成物及びそれを用いたパターン形成方法を提供することにある。
本発明は、下記構成によって達成される。
<1> アミド結合、ウレタン結合、及びウレイド結合から選ばれた結合を少なくとも2つ以上有する3級アミン化合物を含有することを特徴とする化学増幅型レジスト組成物。
<2> 当該3級アミン化合物の分子量が290〜1000であることを特徴とする上記<1>に記載の化学増幅型レジスト組成物。
<3> 更に、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂、及び、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物を含有し、ポジ型レジスト組成物であることを特徴とする上記<1>又は<2>に記載の化学増幅型レジスト組成物。
<4> 当該酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂が、下記一般式(A1)又は(A2)で表される繰り返し単位の少なくとも1種を含有する樹脂であり、ポジ型レジスト組成物であることを特徴とする上記<3>に記載の化学増幅型レジスト組成物。
Figure 0004934470

一般式(A1)中、
1 は、−C(R 01 )(R 02 )(R 03 )、−C(R 04 )(R 05 )−O−R 06 、又は−CH(R 06 )(R 07 )で表される酸の作用により脱離する基を表し、複数ある場合は同じでも異なっていてもよい。
01 〜R 03 は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。これらの基は、互いに結合して環を形成してもよい。R 04 及びR 05 は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。R 06 は、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。R 07 はアリール基を表す。
1 は置換基を表し、複数ある場合は同じでも異なっていてもよい。
nは、0〜3の整数を示す。mは、0〜3の整数を示す。但し、m+n≦5である。
一般式(A2)中、
2 は、−C(R 01 )(R 02 )(R 03 )で表される酸の作用により脱離する基を表す。
01 〜R 03 は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。これらの基は、互いに結合して環を形成してもよい。
Xは、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はアルキルオキシカルボニル基を表す。
<5> 当該活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物として、有機スルホン酸のトリアリールスルホニウム塩から選ばれる少なくとも1種、並びに、ジアゾジスルホン及び有機スルホン酸のオキシムエステルから選ばれる少なくとも1種を含有し、ポジ型レジスト組成物であることを特徴とする上記<3>又は<4>に記載の化学増幅型レジスト組成物。
<6> 当該活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物として、活性光線又は放射線の照射により有機スルホン酸を発生する化合物から選ばれる少なくとも1種、及び、活性光線又は放射線の照射によりカルボン酸又はイミド酸を発生する化合物から選ばれる少なくとも1種を含有し、ポジ型レジスト組成物であることを特徴とする上記<3>又は<4>に記載の化学増幅型レジスト組成物。
<7> 上記<1>〜<6>のいずれか一項に記載の化学増幅型レジスト組成物により形成されたレジスト膜。
<8> 上記<7>に記載のレジスト膜を露光、現像する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
本発明は、上記<1>〜<8>に記載の構成を有するが、以下、他の事項も含めて記載している。
(1)エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、及びウレイド結合から選ばれた結合を少なくとも2つ以上有する含窒素化合物を含有することを特徴とするレジスト組成物。
(2)当該含窒素化合物が3級アミンであることを特徴とする上記(1)に記載のレジスト組成物。
(3)当該含窒素化合物の分子量が290〜1000であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載のレジスト組成物。
(4)更に、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂、及び、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物を含有することを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
(5)当該酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂が、下記一般式(A1)又は(A2)で表される繰り返し単位の少なくとも1種を含有する樹脂であることを特徴とする上記(4)に記載のポジ型レジスト組成物。
Figure 0004934470
一般式(A1)中、
1は、−C(R01)(R02)(R03)、−C(R04)(R05)−O−R06、又は−CH(R06)(R07)で表される酸の作用により脱離する基を表し、複数ある場合は同じでも異なっていてもよい。
01〜R03は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。これらの基は、互いに結合して環を形成してもよい。R04及びR05は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。R06は、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。R07はアリール基を表す。
1は置換基を表し、複数ある場合は同じでも異なっていてもよい。
nは、0〜3の整数を示す。mは、0〜3の整数を示す。但し、m+n≦5である。
一般式(A2)中、
2は、−C(R01)(R02)(R03)で表される酸の作用により脱離する基を表す。
01〜R03は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。これらの基は、互いに結合して環を形成してもよい。
Xは、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はアルキルオキシカルボニル基を表す。
(6)当該活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物が、有機スルホン酸のトリアリールスルホニウム塩から選ばれる少なくとも1種、並びに、ジアゾジスルホン及び有機スルホン酸のオキシムエステルから選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする上記(4)または(5)に記載のポジ型レジスト組成物。
(7)当該活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物が、活性光線又は放射線の照射により有機スルホン酸を発生する化合物から選ばれる少なくとも1種、及び、活性光線又は放射線の照射によりカルボン酸又はイミド酸を発生する化合物から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする上記(4)または(5)に記載のポジ型レジスト組成物。
(8)上記(1)〜(7)のいずれかに記載のレジスト組成物により、レジスト膜を形成し、該レジスト膜を露光、現像する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
本発明により、ラインエッジラフネス、現像欠陥が低減され、プロファイルが良好であるとともに、ホールパターンでの解像力、サイドローブマージンに優れたレジスト組成物及びそれを用いたパターン形成方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
尚、本明細書に於ける基(原子団)の表記に於いて、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
〔1〕(C)含窒素化合物
本発明のレジスト組成物は、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレイド結合から選ばれた結合を少なくとも2つ以上有するアミン化合物(以下、「(C)成分」ともいう)を含有する。
エステル結合を2つなど、同一結合を2つ以上有していても、エステル結合とアミド結合など異なる結合を2つ以上有していてもよい。
なかでも水素結合性のアミド結合、ウレタン結合、ウレイド結合を有する(C)成分は、(B)酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂との相互作用により、露光後加熱(PEB)工程における(C)成分のレジスト膜中拡散、揮発が抑制される。
本発明の(C)成分としては、1級、2級、3級のアミン化合物を使用することができる。即ち、本発明のアミン化合物においては、その窒素原子上に少なくとも一つの有機基を有していれば良い。有機基としては、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20)、シクロアルキル基(有橋式多環などを含み、好ましくは炭素数3〜20)、アリール基(好ましくは炭素数6〜12)が挙げられる。中でも3級アミン化合物が好ましい。
(C)成分のエステル結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレイド結合は、窒素原子に結合している有機基中に存在すること、即ち、窒素原子とエステル結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレイド結合は直結しないことが好ましい。
エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレイド結合を含有する有機基は、これらの結合中以外にもヘテロ原子を有していても良く、また、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、スルホン酸エステル基、アシロキシ基、アリールオキシ基等の置換基を有してもよい。エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレイド結合の中でも水素結合性の強い、アミド結合、ウレタン結合、ウレイド結合が好ましい。
(C)成分は、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレイド結合から選ばれる結合を2〜12個有していることが好ましく、3〜6個有していることがより好ましい。
本発明の(C)成分は分子量が290〜1000であることが好ましい。より好ましくは350〜800、さらに好ましくは400〜600である。露光後加熱(PEB)工程における(C)成分のレジスト膜中拡散、揮発の抑制の点では、分子量は大きいほうが好ましく、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂のアルカリ現像特性、スカム及び現像欠陥の低減の点からは、分子量は小さいほうが好ましい。
以下に含窒素化合物(C)の具体例を示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
Figure 0004934470
Figure 0004934470

Figure 0004934470
本発明の化合物(C)は、市販のものを用いても、公知の方法で合成したものを用いてもよい。本発明の化合物(C)は、例えば、2つ以上の水酸基を有する3級アミン化合物と有機イソシアナート化合物もしくは有機カルボン酸との反応、2つ以上のNH基を有する3級アミン化合物と有機イソシアナート化合物もしくは有機カルボン酸との反応させることにより得ることができる。
含窒素化合物(C)の使用量は、レジスト組成物の固形分を基準として、通常、0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%である。
〔2〕(A)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物
本発明のポジ型レジスト組成物が含有する活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(以下、「酸発生剤」又は「(A)成分」ともいう)
本発明の感光性組成物は活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物を含有する。そのような光酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている活性光線又は放射線の照射により酸を発生する公知の化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
たとえば、ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、イミドスルホネート、オキシムスルホネート、ジアゾジスルホン、ジスルホン、o−ニトロベンジルスルホネートを挙げることができる。
また、これらの活性光線又は放射線の照射により酸を発生する基、あるいは化合物をポリマーの主鎖又は側鎖に導入した化合物、たとえば、米国特許第3,849,137号、独国特許第3914407号、特開昭63−26653号、特開昭55−164824号、特開昭62−69263号、特開昭63−146038号、特開昭63−163452号、特開昭62−153853号、特開昭63−146029号等に記載の化合物を用いることができる。
さらに米国特許第3,779,778号、欧州特許第126,712号等に記載の光により酸を発生する化合物も使用することができる。
併用してもよい活性光線又は放射線の照射により分解して酸を発生する化合物の内で好ましい化合物として、下記一般式(ZI)、(ZII)、(ZIII)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 0004934470
上記一般式(ZI)において、R201、R202及びR203は、各々独立に有機基を表す。
-は、非求核性アニオンを表し、好ましくはスルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、ビス(アルキルスルホニル)アミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオン、BF4−、PF6−、SbF6−などが挙げられ、好ましくは炭素原子を含有する有機アニオンである。
好ましい有機アニオンとしては下式AN1〜AN4に示す有機アニオンが挙げられる。
Figure 0004934470
Rc1は有機基を表す。
Rd1は水素原子、アルキル基を表す。
Rc1における有機基として炭素数1−30のものが上げられ好ましくは置換していてもよいアルキル基、アリール基、またはこれらの複数が、単結合、−O−、−CO2−、−S−、−SO3−、−SO2N(Rd1)−などの連結基で連結された基を挙げることができる。
Rd1は水素原子、アルキル基を表し、結合しているアルキル基、アリール基と環構造を形成してもよい。
Rc1の有機基としてより好ましくは1位がフッ素原子またはフロロアルキル基で置換されたアルキル基、フッ素原子またはフロロアルキル基で置換されたフェニル基である。フッ素原子またはフロロアルキル基を有することにより、光照射によって発生した酸の酸性度が上がり、感度が向上する。Rc1において炭素原子を5個以上有する時、少なくとも1つの炭素原子は水素原子で置換されていることが好ましく、水素原子の数がフッ素原子より多いことがより好ましい。炭素数5以上のパーフロロアルキル基を有さないことにより生態への毒性が軽減する。
Rc1の最も好ましい様態としては、Rc7−Ax−Rc6−で表される基である。
Rc6は炭素数4以下、より好ましくは2〜4、更に好ましくは2〜3のパーフロロアルキレン基、1〜4個のフッ素原子及び/または1〜3個のフロロアルキル基で置換されたフェニレン基。
Axは連結基(好ましくは単結合、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SON(Rd1)−)。Rd1は水素原子、アルキル基を表し、Rc7と結合して環構造を形成してもよい。
Rc7は、水素原子、フッ素原子、置換していてもよい直鎖、分岐、単環または多環環状アルキル基、置換していてもよいアリール基を表す。置換していてもよいアルキル基、アリール基は置換基としてフッ素原子を含有しないことが好ましい。
Rc3、Rc4、Rc5は有機基を表す。
Rc3、Rc4、Rc5の有機基として好ましくはRc1における好ましい有機基と同じものを挙げることができる。
Rc3とRc4が結合して環を形成していてもよい。
Rc3とRc4が結合して形成される基としてはアルキレン基、アリーレン基が挙げられる。好ましくは炭素数2〜4のパーフロロアルキレン基である。Rc3とRc4が結合して環を形成することにより光照射によって発生した酸の酸性度が上がり、感度が向上し、好ましい。
201、R202及びR203としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1〜20である。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。
201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
201、R202及びR203としての有機基の具体例としては、後述する化合物(ZI−1)、(ZI−2)、(ZI−3)における対応する基を挙げることができる。
尚、一般式(Z1)で表される構造を複数有する化合物であってもよい。例えば、一般式(ZI)で表される化合物のR201〜R203の少なくともひとつが、一般式(ZI)で表されるもうひとつの化合物のR201〜R203の少なくともひとつと結合した構造を有する化合物であってもよい。
更に好ましい(Z1)成分として、以下に説明する化合物(ZI−1)、(ZI−2)、及び(ZI−3)を挙げることができる。
化合物(ZI−1)は、上記一般式(ZI)のR201〜R203の少なくとも1つがアリール基である、アリールスルホニム化合物、即ち、アリールスルホニウムをカチオンとする化合物である。
アリールスルホニウム化合物は、R201〜R203の全てがアリール基でもよいし、R201〜R203の一部がアリール基で、残りがアルキル基でもよい。
アリールスルホニウム化合物としては、例えば、トリアリールスルホニウム化合物、ジアリールアルキルスルホニウム化合物、アリールジアルキルスルホニウム化合物を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基などのアリール基、インドール残基、ピロール残基、などのヘテロアリール基が好ましく、更に好ましくはフェニル基、インドール残基である。アリールスルホニム化合物が2つ以上のアリール基を有する場合に、2つ以上あるアリール基は同一であっても異なっていてもよい。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているアルキル基は、炭素数1〜15の直鎖、分岐又は環状アルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
201〜R203のアリール基、アルキル基は、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、アリール基(例えば炭素数6−から14)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基を置換基として有してもよい。好ましい置換基としては炭素数1〜12の直鎖、分岐又は環状アルキル基、炭素数1〜12の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基であり、最も好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基である。置換基は、3つのR201〜R203のうちのいずれか1つに置換していてもよいし、3つ全てに置換していてもよい。また、R201〜R203がアリール基の場合に、置換基はアリール基のp−位に置換していることが好ましい。
次に、化合物(ZI−2)について説明する。
化合物(ZI−2)は、式(ZI)におけるR201〜R203が、各々独立に、芳香環を含有しない有機基を表す場合の化合物である。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を含有する芳香族環も包含するものである。
201〜R203としての芳香環を含有しない有機基は、一般的に炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20である。
201〜R203は、各々独立に、好ましくはアルキル基、2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基、アリル基、ビニル基であり、更に好ましくは直鎖、分岐、環状2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基、最も好ましくは直鎖、分岐2−オキソアルキル基である。
201〜R203としてのアルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)、炭素数3〜10の環状アルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。
201〜R203としての2−オキソアルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、好ましくは、上記のアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
201〜R203としてのアルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基としては、好ましくは炭素数1〜5のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)を挙げることができる。
201〜R203は、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1〜5)、水酸基、シアノ基、ニトロ基によって更に置換されていてもよい。
201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
化合物(ZI−3)とは、以下の一般式(ZI−3)で表される化合物であり、フェナシルスルフォニウム塩構造を有する化合物である。
Figure 0004934470
1c〜R5cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、又はハロゲン原子を表す。
6c及びR7cは、水素原子又はアルキル基を表す。
Rx及びRyは、各々独立に、アルキル基、2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基、アリル基、又はビニル基を表す。
1c〜R5c中のいずれか2つ以上、及びRxとRyは、それぞれ結合して環構造を形成しても良く、この環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合を含んでいてもよい。
1c〜R5cとしてのアルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜20個のアルキル基、好ましくは炭素数1〜12個の直鎖及び分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、直鎖又は分岐プロピル基、直鎖又は分岐ブチル基、直鎖又は分岐ペンチル基)、炭素数3〜8個の環状アルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基)を挙げることができる。
1c〜R5cとしてのアルコキシ基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜10のアルコキシ基、好ましくは、炭素数1〜5の直鎖及び分岐アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、直鎖又は分岐プロポキシ基、直鎖又は分岐ブトキシ基、直鎖又は分岐ペントキシ基)、炭素数3〜8の環状アルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)を挙げることができる。
好ましくはR1c〜R5cのうちいずれかが直鎖、分岐、環状アルキル基、又は直鎖、分岐、環状アルコキシ基であり、更に好ましくはR1cからR5cの炭素数の和が2〜15である。これにより、より溶剤溶解性が向上し、保存時にパーティクルの発生が抑制される。
x及びRyとしてのアルキル基は、R1c〜R5cとしてのアルキル基と同様のものを挙げることができる。
2−オキソアルキル基は、R1c〜R5cとしてのアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
アルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基については、R1c〜R5cとしてのアルコキシ基と同様のものを挙げることができる。
x及びRyが結合して形成する基としては、ブチレン基、ペンチレン基等を挙げることができる。
x、Ryは、好ましくは炭素数4個以上のアルキル基であり、より好ましくは6個以上、更に好ましくは8個以上のアルキル基である。
一般式(ZII)、(ZIII)中、R204〜R207は、各々独立に、置換基を有しててもよいアリール基又は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。
204〜R207のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。
204〜R207としてのアルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)、炭素数3〜10の環状アルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。
204〜R207が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜15)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基等を挙げることができる。
-は、非求核性アニオンを表し、一般式(I)に於けるX-の非求核性アニオンと同様のものを挙げることができる。
併用してもよい活性光線又は放射線の照射により分解して酸を発生する化合物の内で好ましい化合物として、更に、下記一般式(ZIV)、(ZV)、(ZVI)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 0004934470
一般式(ZIV)〜(ZVI)中、Ar3及びAr4は、各々独立に、置換若しくは未置換のアリール基を表す。
206は、置換若しくは未置換のアルキル基又は置換若しくは未置換のアリール基を表す。
207及びR208置換若しくは未置換のアルキル基又は置換若しくは未置換のアリール基、電子吸引性基を表す。R207として好ましくは置換若しくは未置換のアリール基である。
208として好ましくは電子吸引性基であり、より好ましくはシアノ基、フロロアルキル基である。
Aは、置換若しくは未置換のアルキレン基、置換若しくは未置換のアルケニレン基又は置換若しくは未置換のアリーレン基を表す。
活性光線又は放射線の照射により分解して酸を発生する化合物の内でより好ましくは、一般式(ZI)〜(ZIII)で表される化合物であり、更に好ましくは(ZI)で表される化合物であり、最も好ましくは(ZI−1)〜(ZI−3)で表される化合物である。
更に、活性光線又は放射線の照射により、下記一般式AC1〜AC3で表される酸を発生する化合物が好ましい。
Figure 0004934470
すなわち、最も好ましい(A)成分の様態としては一般式(ZI)の構造においてX−がAN1、AN3、AN4から選ばれるアニオンである化合物である。
活性光線又は放射線の照射により分解して酸を発生する化合物の中で、特に好ましいものの例を以下に挙げる。
Figure 0004934470
Figure 0004934470
Figure 0004934470
Figure 0004934470

Figure 0004934470

酸発生剤は、市販のものを用いても、公知の方法で合成したものを用いてもよい。
酸発生剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
なお、有機スルホン酸のトリアリールスルホニウム塩と、ジアゾジスルホンあるいは有機スルホン酸のオキシムエステルの組み合わせが現像欠陥数がより低減され好ましい。
有機スルホン酸のトリアリールスルホニウム塩とジアゾジスルホンあるいは有機スルホン酸のオキシムエステルの総量の割合(質量比)は、好ましくは20/80〜80/20、より好ましくは30/70〜70/30である。
また、活性光線又は放射線の照射により有機スルホン酸を発生する化合物と、活性光線又は放射線の照射によりカルボン酸又はイミド酸を発生する化合物の組み合わせはラインエッジラフネスがより低減され好ましい。
活性光線又は放射線の照射により有機スルホン酸を発生する化合物と活性光線又は放射線の照射によりカルボン酸又はイミド酸を発生する化合物の総量の割合(質量比)は、好ましくは90/10〜30/70、より好ましくは80/20〜50/50である。
2種以上を組み合わせて使用する際には、水素原子を除く全原子数が2以上異なる2種の有機酸を発生する化合物を組み合わせることが好ましい。
酸発生剤の組成物中の含量は、レジスト組成物の全固形分を基準として、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%、更に好ましくは1〜7質量%である。
〔3〕(B)酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂
本発明のポジ型レジスト組成物において用いられる酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する化合物(以下、「(B)成分」ともいう)としては、樹脂の主鎖又は側鎖、あるいは、主鎖及び側鎖の両方に、酸で分解し得る基を有する樹脂が好ましい。この内、酸で分解し得る基を側鎖に有する樹脂がより好ましい。
酸で分解し得る基として好ましい基は、−COOA0、−O−B0基であり、更にこれらを含む基としては、−R0−COOA0、又は−Ar−O−B0で示される基が挙げられる。
ここでA0は、−C(R01)(R02)(R03)、−Si(R01)(R02)(R03)もし
くは−C(R04)(R05)−O−R06基を示す。
0 は、A0 又は−CO−O−A0基を示す。
Arは、アリーレン基(好ましくは炭素数6〜12)であり、特にフェニレン基が好ましい。
0は、単結合、アルキレン基(好ましくは炭素数1〜6)であり、好ましくは、単結合、炭素数1〜4のアルキレン基であり、特に好ましくは、単結合又は炭素数1又は2のアルキレン基である。
01〜R03は、各々独立に、アルキル基(好ましくは炭素数1〜8)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数4〜10)、アリール基(好ましくは炭素数6〜15)であり、これらの基は互いに共同して環(有橋式環を含む)を形成してもよい。
01〜R03として、好ましくは、各々独立に、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基であり、特に好ましくは、各々独立に、炭素数1〜4のアルキル基、シクロヘキシル基、フェニル基である。
04及びR05は、各々独立に、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜8)、好ましくは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基であり、特に好ましくは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。
06は、エーテル基又はチオエーテル基を含んでいてもよいアルキル基(好ましくは炭素数1〜15)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数4〜10)、アリール基(好ましくは炭素数6〜15)、又はこれらの基を組み合わせた基である。R06として、好ましくは、エーテル基又はチオエーテル基を含んでいてもよい炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、又はこれらの基を組み合わせた基であり、特に好ましくは、エーテル基又はチオエーテル基を含んでいてもよい炭素数1〜8のアルキル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ナフチル基又はこれらの基を組み合わせた基である。
さらに、R06は、R04又はR05と共同して環を形成するのも好ましい。
酸分解性基としては好ましくは、シリルエーテル基、クミルエステル基、アセタール基、テトラヒドロピラニルエーテル基、エノールエーテル基、エノールエステル基、第3級のアルキルエーテル基、第3級のアルキルエステル基、第3級のアルキルカーボネート基等である。更に好ましくは、第3級アルキルエステル基、第3級アルキルカーボネート基、クミルエステル基、アセタール基、テトラヒドロピラニルエーテル基である。
次に、これら酸で分解し得る基が側鎖として結合する場合の母体樹脂としては、側鎖に−OHもしくは−COOH、好ましくは−R0−COOHもしくは−Ar−OH基を有するアルカリ可溶性樹脂である。例えば、後述するアルカリ可溶性樹脂を挙げることができる。
これらアルカリ可溶性樹脂のアルカリ溶解速度は、0.261Nテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)で測定(23℃)して170Å/秒以上のものが好ましい。特に好ましくは330Å/秒以上のものである。
このような観点から、特に好ましいアルカリ可溶性樹脂は、o−,m−,p−ポリ(ヒドロキシスチレン)及びこれらの共重合体、水素化ポリ(ヒドロキシスチレン)、ハロゲンもしくはアルキル置換ポリ(ヒドロキシスチレン)、ポリ(ヒドロキシスチレン)の一部、O−アルキル化もしくはO−アシル化物、スチレン−ヒドロキシスチレン共重合体、α−メチルスチレン−ヒドロキシスチレン共重合体及び水素化ノボラック樹脂である。
本発明に用いられる(B)成分は、欧州特許254853号、特開平2−25850号、同3−223860号、同4−251259号等に開示されているように、アルカリ可溶性樹脂に酸で分解し得る基の前駆体を反応させる、もしくは、酸で分解し得る基の結合したアルカリ可溶性樹脂モノマーを種々のモノマーと共重合して得ることができる。
(B)成分は、下記一般式(A1)又は(A2)で表される繰り返し単位を有する樹脂であることが好ましい。
Figure 0004934470
一般式(A1)に於いて、
1は、−C(R01)(R02)(R03)、−C(R04)(R05)−O−R06、又は−CH(R06)(R07)で表される酸の作用により脱離する基を表し、複数ある場合は同じでも異なっていてもよい。
式中、R01〜R03は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。これらの基は、互いに結合して環(有橋式環を含む)を形成してもよい。R04及びR05は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。R06は、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。R07はアリール基を表す。
1は、置換基を表し、複数存在する場合は、同じでも異なっていてもよい。
nは、0〜3の整数を示す。mは、0〜3の整数を示す。但し、m+n≦5である。
一般式(A1)に於ける、R01〜R06のアルキル基は、炭素数1〜8のアルキル基が好ましい。
01〜R06のシクロアルキル基は、炭素数4〜10のシクロアルキル基が好ましい。
01〜R06のアリール基は、炭素数6〜15のアリール基が好ましい。
Xのアルキル基は、置換基を有していてもよい。置換基を有するアルキル基としては、例えば、CF3基、アルキルオキシカルボニルメチル基、アルキルカルボニルオキシメチル基、ヒドロキシメチル基、アルコキシメチル基等を挙げることができる。
1の置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、アシル基、アシロキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アラルキル基等が挙げられる。
以下、一般式(A1)で示される繰り返し単位に相当するモノマーの具体例を示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
Figure 0004934470
Figure 0004934470
Figure 0004934470
一般式(A2)中、
2 は、−C(R 01 )(R 02 )(R 03 )で表される酸の作用により脱離する基を表す。
01 〜R 03 は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。これらの基は、互いに結合して環を形成してもよい。
Xは、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はアルキルオキシカルボニル基を表す。
一般式(A2)において、Xとしてのアルキル基は、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。Xとしてのアルキル基は、フッ素原子等で置換されていてもよい。置換されたアルキル基としては、ペルフルオロ基(Cm2m+1基を表し、mは1〜4の整数)を挙げることができる。
Xとして好ましくは、水素原子、メチル基、又はCm2m+1基(mは好ましくは1)であり、特に好ましくは水素原子又はメチル基である。
一般式(A2)において、A2としての酸の作用により脱離する基とは、露光により発生した酸の作用により脱離し、一般式(A2)の構造においてエステル基に由来するカルボン酸を発生させる基である。
2としての−C(R01)(R02)(R03)で表される基におけるR01〜R03は、一般
式(A1)におけるA2としての基におけるR01〜R03と同様であり、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表し、これらの基は互いに結合して環(有橋式環を含む)を形成してもよい。
2としての酸の作用により脱離する基は、脂環基を有していることが好ましく、脂環基は、有橋脂環基であってもよい。
2としての酸の作用により脱離する基は、好ましくは、下記一般式(pI)〜一般式(pVI)で示される基である。
Figure 0004934470
式中、R11は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基又はsec−ブチル基を表す。
Zは、炭素原子とともに脂環式炭化水素基を形成するのに必要な原子団を表す。
12〜R16は、各々独立に、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表す。
17〜R21は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表す。但し、R19、R21のいずれかは炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表す。
22〜R25は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表す。R23とR24は、互いに結合して環を形成していてもよい。
一般式(pI)〜(pVI)において、R12〜R25におけるアルキル基としては、置換もしくは非置換のいずれであってもよい、1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐のアルキル基を表す。そのアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
また、上記アルキル基の更なる置換基としては、炭素数1〜4個のアルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アシル基、アシロキシ基、シアノ基、水酸基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、ニトロ基等を挙げることができる。
12〜R25における脂環式炭化水素基あるいはZと炭素原子が形成する脂環式炭化水素基としては、単環式でも、多環式でもよい。具体的には、炭素数5以上のモノシクロ、ビシクロ、トリシクロ、テトラシクロ構造等を有する基を挙げることができる。その炭素数は6〜30個が好ましく、特に炭素数7〜25個が好ましい。これらの脂環式炭化水素基は置換基を有していてもよい。
以下に、脂環式炭化水素基のうち、脂環式部分の構造例を示す。
Figure 0004934470
本発明においては、上記脂環式部分の好ましいものとしては、アダマンチル基、ノルアダマンチル基、デカリン残基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、ノルボルニル基、セドロール基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデカニル基、シクロドデカニル基を挙げることができる。より好ましくは、アダマンチル基、デカリン残基、ノルボルニル基、セドロール基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデカニル基、シクロドデカニル基である。
これらの脂環式炭化水素基の置換基としては、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基が挙げられる。アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の低級アルキル基が好ましく、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基である。上記アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のものを挙げることができる。アルキル基、アルコキシ基は、更なる置換基を有していてもよい。アルキル基、アルコキシ基の更なる置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基を挙げることができる。
以下、一般式(A2)で示される繰り返し単位に相当するモノマーの具体例を示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
Figure 0004934470
Figure 0004934470

本発明に使用される(B)成分の具体例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 0004934470

Figure 0004934470
上記具体例において、tBuはt−ブチル基を表す。
Figure 0004934470
Figure 0004934470
(B)成分の重量平均分子量(Mw)は、2,000〜200,000の範囲であることが好ましい。より好ましくは、5,000〜100,000の範囲であり、更に好ましくは8,000〜50,000の範囲である。
また、分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは1.0〜4.0、より好ましくは1.0〜2.0、特に好ましくは1.0〜1.6である。
ここで、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーのポリスチレン換算値をもって定義される。
(B)成分の樹脂は、ラジカル重合法など公知の重合法にて合成することができる。
(B)成分は、2種類以上組み合わせて使用してもよい。
(B)成分の添加量は、ポジ型レジスト組成物の固形分に対し、80〜98質量%が適当であり、好ましくは85〜96質量%である。
〔4〕(D)アルカリ可溶性化合物
アルカリ可溶性化合物は、アルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。
アルカリ可溶性樹脂は、アルカリ溶解速度が0.261Nテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)で測定(23℃)して20Å/秒以上が好ましい。特に好ましくは200Å/秒以上である。
なお、本発明のレジスト組成物は、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂の代わりに、(D)アルカリ可溶性化合物及び架橋剤を用いることで、ネガ型レジストにも使用することが出来る。
アルカリ可溶性樹脂としては、例えばノボラック樹脂、水素化ノボラツク樹脂、アセトン−ピロガロール樹脂、o−ポリヒドロキシスチレン、m−ポリヒドロキシスチレン、p−ポリヒドロキシスチレン、水素化ポリヒドロキシスチレン、ハロゲンもしくはアルキル置換ポリヒドロキシスチレン、ヒドロキシスチレン−N−置換マレイミド共重合体、o/p−及びm/p−ヒドロキシスチレン共重合体、ポリヒドロキシスチレンの水酸基に対する一部O−アルキル化物(例えば、5〜30モル%のO−メチル化物、O−(1−メトキシ)エチル化物、O−(1−エトキシ)エチル化物、O−2−テトラヒドロピラニル化物、O−(t−ブトキシカルボニル)メチル化物等)もしくはO−アシル化物(例えば、5〜30モル%のo−アセチル化物、O−(t−ブトキシ)カルボニル化物等)、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ヒドロキシスチレン共重合体、α−メチルスチレン−ヒドロキシスチレン共重合体、カルボキシル基含有メタクリル系樹脂及びその誘導体、ポリビニルアルコール誘導体を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
特に好ましいアルカリ可溶性樹脂はノボラック樹脂及びo−ポリヒドロキシスチレン、m−ポリヒドロキシスチレン、p−ポリヒドロキシスチレン及びこれらの共重合体、アルキル置換ポリヒドロキシスチレン、ポリヒドロキシスチレンの一部O−アルキル化、もしくはO−アシル化物、スチレン−ヒドロキシスチレン共重合体、α−メチルスチレン−ヒドロキシスチレン共重合体である。
該ノボラック樹脂は所定のモノマーを主成分として、酸性触媒の存在下、アルデヒド類と付加縮合させることにより得られる。
アルカリ溶解性樹脂の重量平均分子量は、2000以上、好ましくは5000〜200000、より好ましくは5000〜100000である。
ここで、重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーのポリスチレン換算値をもって定義される。
アルカリ可溶性樹脂は2種類以上組み合わせて使用してもよい。
アルカリ可溶性化合物の使用量は、レジスト組成物の全組成物の固形分に対し、40〜97質量%、好ましくは60〜90質量%である。
〔5〕その他の成分
本発明のレジスト組成物には必要に応じて、さらにラジカル発生剤、含窒素塩基性化合物、染料、界面活性剤などを含有させることができる。
<含窒素塩基性化合物>
本発明のレジスト組成物は、含窒素化合物(C)以外に、更に、含窒素塩基性化合物を含有することができる。
本発明で用いる含窒素塩基性化合物は、フェノールよりも塩基性の強い含窒素塩基性化合物が好ましい。
好ましい化学的環境として、下記式(A)〜(E)の構造を挙げることができる。
Figure 0004934470
ここで、R250 、R251 及びR252 は、同一でも異なってもよく、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)又はアリール基(好ましくは炭素数6〜20)を表す。アルキル基、シクロアルキル基、アリール基は、アミノ基、ヒドロキシル基等で置換されていてもよい。R251とR252は、互いに結合して環を形成してもよい。
253 、R254 、R255 及びR256 は、同一でも異なってもよく、炭素数1〜6個のアルキル基を表す。
更に好ましい化合物は、一分子中に異なる化学的環境の窒素原子を2個以上有する含窒素塩基性化合物であり、特に好ましくは、置換もしくは未置換のアミノ基と窒素原子を含む環構造の両方を含む化合物もしくはアルキルアミノ基を有する化合物である。
好ましい具体例としては、置換もしくは未置換のグアニジン、置換もしくは未置換のアミノピリジン、置換もしくは未置換のアミノアルキルピリジン、置換もしくは未置換のアミノピロリジン、置換もしくは未置換のインダゾール、イミダゾール、置換もしくは未置換のピラゾール、置換もしくは未置換のピラジン、置換もしくは未置換のピリミジン、置換もしくは未置換のプリン、置換もしくは未置換のイミダゾリン、置換もしくは未置換のピラゾリン、置換もしくは未置換のピペラジン、置換もしくは未置換のアミノモルフォリン、置換もしくは未置換のアミノアルキルモルフォリン等が挙げられる。好ましい置換基は、アミノ基、アミノアルキル基、アルキルアミノ基、アミノアリール基、アリールアミノ基、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ニトロ基、水酸基、シアノ基である。
特に好ましい化合物として、グアニジン、1,1−ジメチルグアニジン、1,1,3,3,−テトラメチルグアニジン、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、N−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4,5−ジフェニルイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、2−アミノピリジン、3−アミノピリジン、4−アミノピリジン、2−ジメチルアミノピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2−ジエチルアミノピリジン、2−(アミノメチル)ピリジン、2−アミノ−3−メチルピリジン、2−アミノ−4−メチルピリジン、2−アミノ−5−メチルピリジン、2−アミノ−6−メチルピリジン、3−アミノエチルピリジン、4−アミノエチルピリジン、
3−アミノピロリジン、ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペリジン、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ピペリジノピペリジン、2−イミノピペリジン、1−(2−アミノエチル)ピロリジン、ピラゾール、3−アミノ−5−メチルピラゾール、5−アミノ−3−メチル−1−p−トリルピラゾール、ピラジン、2−(アミノメチル)−5−メチルピラジン、ピリミジン、2,4−ジアミノピリミジン、4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−ピラゾリン、3−ピラゾリン、N−アミノモルフォリン、N−(2−アミノエチル)モルフォリンなどが挙げられるがこれに限定されるものではない。
含窒素塩基性化合物の使用量は本発明のエステル結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレイド結合から選ばれた結合を少なくとも2つ以上有するアミン化合物と合わせて、レジスト組成物の固形分を基準として、通常0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%である。十分な添加効果を得る上で0.001質量%以上が好ましく、感度や非露光部の現像性の点で10質量%以下が好ましい。
<染料>
好適な染料としては油性染料及び塩基性染料がある。具体的にはオイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS,オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工業株式会社製)、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、ローダミンB(CI45170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)等を挙げることができる。
<溶剤類>
本発明の組成物は、上記各成分を溶解する溶媒に溶かして支持体上に塗布する。ここで使用する溶媒としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン等が好ましく、これらの溶媒を単独あるいは混合して使用する。
<界面活性剤類>
本発明のレジスト組成物は、界面活性剤を含有することが好ましい。
使用し得る界面活性剤としては、具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテ−ト、
ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤、エフトップEF301,EF303,EF352(新秋田化成(株)製)、メガファックF171,F173(大日本インキ(株)製)、フロラ−ドFC430,FC431(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG710,サーフロンS−382,SC101,SC102,SC103,SC104,SC105,SC106(旭硝子(株)製)等のフッ素系界面活性剤、トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)やアクリル酸系もしくはメタクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75,No.95(共栄社油脂化学工業(株)製)等を挙げることができる。
界面活性剤の配合量は、本発明の組成物中の固形分100質量部当たり、通常、2質量部以下、好ましくは1質量部以下である。
これらの界面活性剤は単独で添加してもよいし、また、いくつかの組み合わせで添加することもできる。
精密集積回路素子の製造などにおいてレジスト膜上へのパターン形成工程は、基板(例:シリコン/二酸化シリコン皮覆、ガラス基板、ITO基板等の透明基板等)上に、本発明のレジスト組成物を塗布し、次に活性光線又は放射線を照射し、加熱、現像、リンス、乾燥することにより良好なレジストパターンを形成することができる。ここで活性光線又は放射線としては、好ましくは電子線、X線、150〜250nmの波長の光(KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)、F2エキシマレーザー(157nm)など)等を挙げることができるが、特に好ましくは、電子線、KrFエキシマレーザーである。
本発明においては、必要により、市販の無機あるいは有機反射防止膜を使用することができる。更にレジスト上層に反射防止膜を塗布して用いることもできる。
レジストの下層として用いられる反射防止膜としては、チタン、二酸化チタン、窒化チタン、酸化クロム、カーボン、アモルファスシリコン等の無機膜型と、吸光剤とポリマー材料からなる有機膜型のいずれも用いることができる。前者は膜形成に真空蒸着装置、CVD装置、スパッタリング装置等の設備を必要とする。有機反射防止膜としては、例えば特公平7−69611号記載のジフェニルアミン誘導体とホルムアルデヒド変性メラミン樹脂との縮合体、アルカリ可溶性樹脂、吸光剤からなるものや、米国特許5294680号記載の無水マレイン酸共重合体とジアミン型吸光剤の反応物、特開平6−118631号記載の樹脂バインダーとメチロールメラミン系熱架橋剤を含有するもの、特開平6−118656号記載のカルボン酸基とエポキシ基と吸光基を同一分子内に有するアクリル樹脂型反射防止膜、特開平8−87115号記載のメチロールメラミンとベンゾフェノン系
吸光剤からなるもの、特開平8−179509号記載のポリビニルアルコール樹脂に低分子吸光剤を添加したもの等が挙げられる。
また、有機反射防止膜として、ブリューワーサイエンス社製のDUV30シリーズや、DUV−40シリーズ、シプレー社製のAR−2、AR−3、AR−5等の市販の有機反射防止膜を使用することもできる。
本発明のポジ型レジスト組成物の現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノーアミン等のアルコ−ルアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピペリジン等の環状アミン類、等のアルカリ類の水溶液を使用することができる。更に、上記アルカリ類の水溶液にイソプロピルアルコール等のアルコール類、ノニオン系等の界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
これらの現像液の中で好ましくは第四アンモニウム塩、更に好ましくは、テトラメチルアンモニウムヒドロオキシド、コリンである。
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明の内容がこれにより限定されるものではない。なお、実施例8、10、11、13、14、25、27、28及び30は、参考例である。
〔合成例1:樹脂例(R−7)の合成〕
p−アセトキシスチレン32.4g(0.2モル)、アクリル酸t−ブチル7.01g(0.07モル)、スチレン(0.04モル)を酢酸ブチル120mlに溶解し、窒素気流及び攪拌下、80℃にてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.033gを2.5時間置きに3回添加し、最後に更に5時間攪拌を続けることにより、重合反応を行った。反応液をヘキサン1200mlに投入し、白色の樹脂を析出させた。得られた樹脂を乾燥後、メタノール200mlに溶解した。
これに水酸化ナトリウム7.7g(0.19モル)/水50mlの水溶液を添加し、1時間加熱還流することにより加水分解させた。その後、水200mlを加えて希釈し、塩酸にて中和し白色の樹脂を析出させた。この樹脂を濾別し、水洗・乾燥させた。更にテトラヒドロフラン200mlに溶解し、5Lの超純水中に激しく攪拌しながら滴下、再沈を行った。この再沈操作を3回繰り返した。得られた樹脂を真空乾燥器中で120℃、12時間乾燥し、ポリ(スチレン/p−ヒドロキシスチレン/アクリル酸t−ブチル)共重合体を得た。
以下に実施例で用いた各樹脂における繰り返し単位のモル比率(構造式における左から順)、重量平均分子量、分散度を示す。
Figure 0004934470
〔実施例1〕
(1)レジスト組成物の調製と塗設
(A成分):酸発生剤z2 0.05g
(B成分):樹脂(R−1) 0.94g
をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート8.5gに溶解させ、C成分として、(C1−1)0.01gを添加し、さらに界面活性剤としてメガファックF176(大日本インキ化学工業(株)製、以下W−1と略す)0.001gを添加、溶解させ、得られた溶液を0.1μm口径のメンブレンフィルターで精密ろ過して、レジスト組成物を得た。
このレジスト組成物を、有機反射防止膜(ブリューワーサイエンス社製(DUV−42))を塗設した6インチシリコンウェハー上に、東京エレクトロン製スピンコーターMark8を用いて塗布し、110℃、90秒ベークして膜厚0.30μmの均一膜を得た。
(2)レジストパターンの作成とその評価
上記のようにして形成したレジスト膜を、KrFエキシマステッパー(キャノン(株)製FPA3000EX−5、波長248nm)を用いて、パターン露光した後に、110℃、90秒ベークし、2.38質量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液を用いて60秒間浸漬した後、30秒間、水でリンスして乾燥した。
得られたパターンを下記の方法で評価した。
(2−1)レジストパターン形状
得られたパターンの断面形状を走査型電子顕微鏡を用いて観察した。
(2−2)ラインエッジラフネス
1:1ライン/スペースパターン(線幅170nm)におけるの長手方向のエッジ5μmの範囲について、エッジがあるべき基準線からの距離を測長SEM((株)日立製作所製S−8840)により30点測定し、標準偏差を求め、3σを算出した。値が小さいほど良好な性質であることを示す。
(2−2)現像欠陥
KrF露光によりライン/スペース(1:1)をパターン形成した8インチウェハーの全面をKLAテンコール社製現像欠陥検査装置により欠陥数を測定した。
評価結果を表2に示した。
〔実施例2〜17及び比較例1〕
表2に示した化合物を用いる以外は、実施例1におけるのと全く同様にして、レジスト組成物を調製、塗設、露光、パターン形成し、評価を行った。
評価結果を表2に示した。
表2で用いたその他の化合物を以下に示した。
C2: ビス(ヒドロキシエチル)メチルアミン
W-2: ポリシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)
Figure 0004934470
<KrF・サイドローブマージン評価>
スピンコーターにてヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコン基板上にブリューワーサイエンス社製反射防止膜DUV-44を85nmの厚さに均一に塗布し、100℃で90秒間ホットプレート上で乾燥した後、200℃で240秒間加熱乾燥を行った。
その後、実施例1〜17及び比較例1のレジスト組成物をスピンコーターで塗布し110℃で90秒乾燥を行い0.40μmのレジスト膜を形成させた。
このレジスト膜に対し、透過率6%のハーフトーン位相シフトマスクを用いてKrFエキシマレーザーステッパーで露光し、露光後直ぐに115℃で90秒間ホットプレート上で加熱した。さらに2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で23℃で60秒間現像し、30秒間純水にてリンスした後、乾燥し、コンタクトホールパターンを得た。
ホールサイズ180nm、Duty比1:2のマスクパターンを露光し、作製したパターンを日立製作所製測長SEM S−9260を使用して観察し、140nmのコンタクトホールを再現する露光量を最適露光量Eoptとし、サイドローブが発生する露光量をElimitとして、以下の式で定義されるサイドローブマージンを算出した。値が大きいほどサイドローブ耐性が高いことを示す。
サイドローブマージン(%)=[(Elimit−Eopt)/Eopt]×100
結果を表3に示す。
Figure 0004934470
表3から、本発明のポジ型レジスト組成物は、KrFエキシマレーザー光による露光にて、ラインエッジラフネス、パターンプロファイル、現像欠陥数とともに、解像力、サイドローブマージンにも優れていることが明らかである。
<合成例2(樹脂(R−21)の合成)>
窒素気流下、シクロヘキサノン8.6gを3つ口フラスコに入れ、これを80℃に加熱した。これに2−アダマンチルイソプロピルメタクリレート9.8g、ジヒドロキシアダマンチルメタクリレート4.4g、ノルボルナンラクトンメタクリレート8.9g、重合開始剤V−601(和光純薬工業製)をモノマーに対し8mol%をシクロヘキサノン79gに溶解させた溶液を6時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに80℃で2時間反応させた。反応液を放冷後ヘキサン800m/酢酸エチル200mlの混合液に20分かけて滴下し、析出した粉体をろ取、乾燥すると、樹脂(R−21)が19g得られた。得られた樹脂の重量平均分子量は、標準ポリスチレン換算で8500、分散度(Mw/Mn)は1.85であった。
実施例で用いた各樹脂における繰り返し単位のモル比率(構造式における左から順)、重量平均分子量、分散度を示す。
Figure 0004934470
〔実施例18〕
(3)レジスト組成物の調製と塗設
(A成分):酸発生剤z2 0.05g
(B成分):樹脂(R−21) 0.94g
をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート14.5gに溶解させ、C成分として、(C1−1)0.01gを添加し、さらに界面活性剤としてメガファックF176(大日本インキ化学工業(株)製、以下W−1と略す)0.001gを添加、溶解させ、得られた溶液を0.1μm口径のメンブレンフィルターで精密ろ過して、レジスト組成物を得た。
シリコンウェハー上に有機反射防止膜ARC29A(日産化学社製)を塗布し、205℃で、60秒間ベークを行い、78nmの反射防止膜を形成した。その上に調製したレジスト組成物を塗布し、130℃で、60秒間ベークを行い、250nmのレジスト膜を形成した。
(4)レジストパターンの作成とその評価)
上記のようにして形成したレジスト膜をArFエキシマレーザースキャナー(ASML社製 PAS5500/1100、NA0.75、σo/σi=0.85/0.55)を用いてパターン露光した。その後130℃で、60秒間加熱した後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(2.38質量%)で30秒間現像し、純水でリンスした後、スピン乾燥してレジストパターンを得た。
(4−1)レジストパターン形状
得られたパターンの断面形状を走査型電子顕微鏡を用いて観察した。
(4−2)ラインエッジラフネス
1:1ライン/スペースパターン(線幅90nm)におけるの長手方向のエッジ5μmの範囲について、エッジがあるべき基準線からの距離を測長SEM((株)日立製作所製S−8840)により30点測定し、標準偏差を求め、3σを算出した。値が小さいほど良好な性質であることを示す。
(4−3)現像欠陥
ArF露光によりライン/スペース(1:1)をパターン形成した8インチウェハーの全面をKLAテンコール社製現像欠陥検査装置により欠陥数を測定した。
〔実施例19〜34及び比較例2〕
表5に示す化合物を用いる以外は、実施例18におけるのと全く同様にして、レジスト組成物を調製、塗設、露光、パターンを形成し、評価を行った。
評価結果を表5に示した。
表5で用いたその他の化合物を以下に示した。
C2:ビス(ヒドロキシエチル)メチルアミン
W−2:ポリシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)
Figure 0004934470
表5から、本発明のポジ型レジスト組成物は、ArFエキシマレーザー光による露光にて、ラインエッジラフネス、現像欠陥の発生が抑制されるとともに、パターンプロファイルも良好であることがわかる。

Claims (8)

  1. アミド結合、ウレタン結合、及びウレイド結合から選ばれた結合を少なくとも2つ以上有する3級アミン化合物を含有することを特徴とする化学増幅型レジスト組成物。
  2. 当該3級アミン化合物の分子量が290〜1000であることを特徴とする請求項1に記載の化学増幅型レジスト組成物。
  3. 更に、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂、及び、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物を含有し、ポジ型レジスト組成物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の化学増幅型レジスト組成物。
  4. 当該酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂が、下記一般式(A
    1)又は(A2)で表される繰り返し単位の少なくとも1種を含有する樹脂であり、ポジ型レジスト組成物であることを特徴とする請求項3に記載の化学増幅型レジスト組成物。
    Figure 0004934470

    一般式(A1)中、
    1は、−C(R01)(R02)(R03)、−C(R04)(R05)−O−R06、又は−CH(R06)(R07)で表される酸の作用により脱離する基を表し、複数ある場合は同じでも異なっていてもよい。
    01〜R03は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。これらの基は、互いに結合して環を形成してもよい。R04及びR05は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。R06は、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。R07はアリール基を表す。
    1は置換基を表し、複数ある場合は同じでも異なっていてもよい。
    nは、0〜3の整数を示す。mは、0〜3の整数を示す。但し、m+n≦5である。
    一般式(A2)中、
    2は、−C(R01)(R02)(R03)で表される酸の作用により脱離する基を表す。
    01〜R03は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。これらの基は、互いに結合して環を形成してもよい。
    Xは、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はアルキルオキシカルボニル基を表す。
  5. 当該活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物として、有機スルホン酸のトリアリールスルホニウム塩から選ばれる少なくとも1種、並びに、ジアゾジスルホン及び有機スルホン酸のオキシムエステルから選ばれる少なくとも1種を含有し、ポジ型レジスト組成物であることを特徴とする請求項3又は4に記載の化学増幅型レジスト組成物。
  6. 当該活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物として、活性光線又は放射線の照射により有機スルホン酸を発生する化合物から選ばれる少なくとも1種、及び、活性光線又は放射線の照射によりカルボン酸又はイミド酸を発生する化合物から選ばれる少なくとも1種を含有し、ポジ型レジスト組成物であることを特徴とする請求項3又は4に記載の化学増幅型レジスト組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の化学増幅型レジスト組成物により形成されたレジスト膜。
  8. 請求項7に記載のレジスト膜を露光、現像する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
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