JP2013241548A - 塩基発生剤、硬化膜形成用樹脂組成物、硬化膜及び硬化膜の形成方法 - Google Patents

塩基発生剤、硬化膜形成用樹脂組成物、硬化膜及び硬化膜の形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、熱及び放射線に対する感度が高く、硬化膜形成用樹脂組成物に用いた際の室温条件下での保存安定性により優れる塩基発生剤を提供することである。また、このような塩基発生剤を含有する硬化膜形成用樹脂組成物、この硬化膜形成用樹脂組成物を用いて形成され、耐溶媒性に優れる硬化膜、このような硬化膜の形成方法を提供することである。
【解決手段】本発明は、下記式(1)で表される化合物からなる塩基発生剤である。また、本発明は、上記塩基発生剤及びエポキシ基を有する化合物を含有する硬化膜形成用樹脂組成物も含む。

Figure 2013241548

【選択図】なし

Description

本発明は、塩基発生剤、硬化膜形成用樹脂組成物、硬化膜及び硬化膜の形成方法に関する。
硬化膜形成用樹脂組成物は、簡便な塗布プロセスによって硬化膜を大量かつ容易に形成することができることから、広く用いられている。特に感放射線性を有する硬化膜形成用樹脂組成物は、その硬化膜のパターン形成も容易であるため、液晶デバイス、半導体デバイス等の材料の他、光硬化性インキ、感光性印刷板等にも広く利用されている。このような硬化膜形成用樹脂組成物は、一般的に樹脂及び硬化剤を含有する。
この硬化剤の代表的なものとしては、熱又は放射線の作用で塩基を発生する塩基発生剤が挙げられる。この塩基発生剤によれば、熱や放射線の作用によって発生する塩基を触媒として上記樹脂を化学変性により硬化させ、硬化膜を形成することができる。また、この樹脂の化学変性前後における溶解性の違いを利用してパターンの形成も可能となる。さらに、熱や放射線の刺激を受けない限り塩基発生剤は安定に存在するため、硬化膜形成用樹脂組成物とした際の保存安定性にも優れる。
このような塩基発生剤としては、[[(2−ニトロベンジル)オキシ]カルボニル]シクロヘキシルアミン等のニトロベンジルカーバメート系の光塩基発生剤が広く用いられている。(特開2006−189591号公報、特開平7−140663号公報参照)。また、熱により塩基を発生する熱塩基発生剤としては、N−アリル−N’,N’−ジアルキルウレア、N−フェニルイミダゾールカルボキサミド等が提案されている(Journal of Polymer Science,Part A,Polymer Chemistry,Vol.48,5298−5305,2010、Journal of Applied Polymer Science,Vol.104,3292−3300,2007)。しかし、これら従来の塩基発生剤は、熱及び放射線に対する感度、硬化膜形成用樹脂組成物とした際の室温条件下での保存安定性を十分満足するものではない。また、従来の塩基発生剤を用いた硬化膜形成用樹脂組成物から形成される硬化膜は、耐溶媒性等の特性が不十分である。
特開2006−189591号公報 特開平7−140663号公報
Journal of Polymer Science,Part A,Polymer Chemistry,Vol.48,5298−5305,2010 Journal of Applied Polymer Science,Vol.104,3292−3300,2007
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、熱及び放射線に対する感度が高く、硬化膜形成用樹脂組成物に用いた際の室温条件下での保存安定性により優れる塩基発生剤を提供することである。また、このような塩基発生剤を含有する硬化膜形成用樹脂組成物、この硬化膜形成用樹脂組成物を用いて形成され、耐溶媒性に優れる硬化膜、このような硬化膜の形成方法を提供することである。
上記課題を解決するためになされた発明は、
下記式(1)で表される化合物(以下、「(a)化合物」ともいう)からなる塩基発生剤(以下、「[A]塩基発生剤」ともいう)である。
Figure 2013241548
(式(1)中、Rは、水素原子、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基又は炭素数4〜20の複素環基である。上記芳香族炭化水素基及び複素環基が有する水素原子の一部又は全部は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、ニトロソ基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、スルフィノ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、ケト基、エステル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシル基、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基又はスルホ基で置換されてもよい。Rは、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基である。R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜20のアルキル基である。mは0〜2の整数である。但し、mが2の場合、2つのRは、同一でも異なっていてもよい。nは1又は2である。但し、nが2の場合、2つのRは、同一でも異なっていてもよい。rは0〜12の整数である。但し、rが2以上の場合、複数のRは、同一でも異なっていてもよい。)
また、上記課題を解決するための別の発明は、
上記[A]塩基発生剤及びエポキシ基を有する化合物(以下、「[B]化合物」ともいう)を含有する硬化膜形成用樹脂組成物である。また、当該硬化膜形成用樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂(以下、「[C]アルカリ可溶性樹脂」ともいう)をさらに含有することが好ましい。さらに、当該硬化膜形成用樹脂組成物は、感放射線性を有することが好ましい。
本発明には、当該硬化膜形成用樹脂組成物から形成された硬化膜も含まれる。
さらに、本発明には、
(1)当該硬化膜形成用樹脂組成物を用い、基板上に塗膜を形成する工程、
(2)上記塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程、
(3)上記放射線を照射された塗膜を現像する工程、及び
(4)上記現像された塗膜を加熱する工程
を有する硬化膜の形成方法も含まれる。
本発明の塩基発生剤は、熱及び放射線に対する感度、並びに室温条件下での保存安定性に優れる。そのため、当該塩基発生剤を用いた硬化膜形成用樹脂組成物は、熱及び放射線に対する感度、保存安定性に優れると共に、正確なパターン及び十分な耐溶剤性を有する硬化膜を形成することができる。従って、このような硬化膜は、液晶デバイス、半導体デバイス等の材料として各種用途に好適に用いることができる。
以下、本発明の実施の形態を、塩基発生剤、硬化膜形成用樹脂組成物、硬化膜、硬化膜の形成方法の順に詳説する。
<[A]塩基発生剤>
本発明の[A]塩基発生剤は(a)化合物からなる。当該塩基発生剤は、(a)化合物からなることにより、室温下での安定性に優れると共に、熱及び光に対する感度が高い。そのため、当該塩基発生剤を熱塩基発生剤として用いた硬化膜形成用樹脂組成物は、150℃程度の比較的低い温度でも良好な硬化性を示し、光塩基発生剤として用いた硬化膜形成用樹脂組成物は高い硬化性と正確なパターン形成性を示す。さらに、このような硬化膜形成用樹脂組成物は、十分な耐溶剤性を有する硬化膜を形成することができる。以下、(a)化合物について詳述する。
[(a)化合物]
(a)化合物は、上記式(1)で表される化合物である。(a)化合物は、上記特定構造を有することにより、熱及び放射線に対する感度、並びに室温下での保存安定性にも優れる。
上記式(1)中、Rは、水素原子、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基又は炭素数4〜20の複素環基である。上記芳香族炭化水素基及び複素環基が有する水素原子の一部又は全部は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、ニトロソ基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、スルフィノ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、ケト基、エステル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシル基、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基又はスルホ基で置換されてもよい。Rは、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基である。R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜20のアルキル基である。mは0〜2の整数である。但し、mが2の場合、2つのRは同一でも異なっていてもよい。nは1又は2である。但し、nが2の場合、2つのRは同一でも異なっていてもよい。rは0〜12の整数である。但し、rが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよい。
上記Rで表される炭素数6〜20の芳香族炭化水素基としては、例えばフェニル基、ナフタレニル基、アントラセニル基等が挙げられる。
上記Rで表される炭素数4〜20の複素環基としては、例えばピリジル基、ピリミジル基、フリル基、チェニル基、テトラヒドロフリル基、ジオキソラニル基、ベンゾオキサゾール−2−イル基、テトラヒドロピラニル基、ピロリジル基、イミダゾリシル基、ピラゾリシル基、チアゾリシル基、インチアゾリシル基、オキサゾリシル基、イソオキサゾリシル基、ピペリジル基、ピペラジル基、モルホリニル基等が挙げられる。これらのうち、強塩基を発生するという観点から窒素含有複素環基が好ましく、ピリジル基がより好ましい。上記Rがピリジル基であると、熱又は放射線照射による結合開劣の結果、アミド結合の電位吸引性により低塩基性であったピリジル部位の窒素原子がアミノピリジンとなることでアミノ基からの電子供与を受けるため、大幅に塩基性を向上させることができる。
上記芳香族炭化水素基及び複素環基が有する水素原子の一部又は全部が置換されていてもよい置換基としての炭素数1〜20のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ドデシル基、n−ペンタデシル基、n−ノナデシル基等が挙げられる。
上記置換基としての炭素数1〜12のアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基等が挙げられる。
上記Rとしては、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基、炭素数4〜20の複素環基が好ましく、炭素数4〜20の複素環基がより好ましく、窒素含有複素環基がさらに好ましく、ピリジル基が特に好ましい。
上記Rで表される炭素数1〜12のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等が挙げられる。これらのうち、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
上記Rで表される炭素数1〜12のアルコキシ基としては、上記置換基としての炭素数1〜12のアルコキシ基と同様の基が挙げられる。
上記Rとしては、炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。
上記R及びRで表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。これらのうち、フッ素原子が好ましい。
上記R及びRで表される炭素数1〜20のアルキル基としては、上記Rの置換基としての炭素数1〜20のアルキル基として例示した基と同様の基を挙げることができる。これらのうち、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基がより好ましい。
上記R及びRとしては、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、水素原子、メチル基、エチル基がより好ましく、水素原子がさらに好ましい。
上記mとしては、0又は1が好ましく、0がより好ましい。
上記rとしては、0〜3が好ましく、0又1がより好ましい。
(a)化合物としては、例えば下記式(1−1)〜(1−4)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2013241548
<(a)化合物の合成方法>
(a)化合物は、公知の技術を組み合わせて合成することができる。例えば上記式(1−1)で表される(a)化合物の合成方法としては、3,4−ジヒドロクマリンに4−アミノピリジンを反応させる方法等が挙げられる。また、上記式(1−2)で表される(a)化合物の合成方法としては、2−クマラノンに4−アミノピリジンを反応させる方法等が挙げられる。これら以外の(a)化合物も上記手順に準じて、又は、上記手順の一部を変更することにより合成することができる。
<硬化膜形成用樹脂組成物>
本発明の硬化膜形成用樹脂組成物は、[A]塩基発生剤及び[B]化合物を含有する。また、当該硬化膜形成用樹脂組成物は、[C]アルカリ可溶性樹脂を含有することが好ましい。さらに、本発明の効果を損なわない限り[D]上記[A]成分以外の塩基発生剤(以下、「[D]その他の塩基発生剤」ともいう)、[E]密着助剤、[F]界面活性剤等のその他の任意成分を含有していてもよい。以下、各成分について詳述する。
<[A]塩基発生剤>
[A]塩基発生剤は、上記(a)化合物からなる。当該硬化膜形成用樹脂組成物は、[A]塩基発生剤を含有することにより、熱及び放射線に対する感度が高く、正確なパターン及び優れた耐溶剤性を有する硬化膜を得ることができる。なお、[A]塩基発生剤については、上述の説明を適用することができる。
<[B]化合物>
[B]化合物は、1分子中に1個又は2個以上のエポキシ基を有する化合物である。当該硬化膜形成用樹脂組成物において、[B]化合物は、塩基反応性物質として機能する。すなわち、当該硬化膜形成用樹脂組成物においては、加熱又は放射線照射により(a)化合物から塩基が発生し、この塩基の作用により[B]化合物を部分的に変性させることができる。これにより当該硬化膜形成用樹脂組成物は、硬化性が向上すると共に、アルカリ現像液により溶け難くなるため、ネガ型のパターン形成用組成物として好適に用いることができる。なお、本発明においてエポキシ基とは、環状エーテル構造を有するものである。代表的な環状エーテル構造としては、三員環(オキシラニル基)、四員環(オキセタニル基)等が挙げられる。
分子内に1個のエポキシ基を有する[B]化合物としては、例えば
(メタ)アクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシブチル、α−エチルアクリル酸3,4−エポキシブチル、(メタ)アクリル酸6,7−エポキシヘプチル、α−エチルアクリル酸6,7−エポキシヘプチル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、3−メチル−3−(メタ)アクリロイロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(メタ)アクリロイロキシメチルオキセタン、フェニルグリシジルエーテル、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジエトキシシラン等が挙げられる。
分子内に2個以上のエポキシ基を有する[B]化合物としては、例えば
ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールADジグリシジルエーテルなどのビスフェノール型ジグリシジルエーテル類;
1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルなどの多価アルコールのポリグリシジルエーテル類;
エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどの脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加することにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル類;
フェノールノボラック型エポキシ樹脂;
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂;
ポリフェノール型エポキシ樹脂;
脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステル類;
高級脂肪酸のグリシジルエステル類;
脂肪族ポリグリシジルエーテル類;
エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油等が挙げられる。
分子内に2個以上のエポキシ基を有する[B]化合物の市販品としては、例えば
ビスフェノールA型エポキシ樹脂として、エピコート1001、同1002、同1003、同1004、同1007、同1009、同1010、同828(以上、ジャパンエポキシレジン社製)等;
ビスフェノールF型エポキシ樹脂として、エピコート807(ジャパンエポキシレジン社製)等;
フェノールノボラック型エポキシ樹脂として、エピコート152、同154、同157S65(以上、ジャパンエポキシレジン社製)、EPPN201、同202(以上、日本化薬社製)等;
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂として、EOCN102、同103S、同104S、1020、1025、1027(以上、日本化薬社製)、エピコート180S75(ジャパンエポキシレジン社製)等;
ポリフェノール型エポキシ樹脂として、エピコート1032H60、同XY−4000(以上、ジャパンエポキシレジン社製)等;
環状脂肪族エポキシ樹脂として、CY−175、同177、同179、アラルダイトCY−182、同192、184(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、ERL−4234、4299、4221、4206(以上、U.C.C社製)、ショーダイン509(昭和電工社製)、エピクロン200、同400(以上、大日本インキ社製)、エピコート871、同872(以上、ジャパンエポキシレジン社製)、ED−5661、同5662(以上、セラニーズコーティング社製)等;
脂肪族ポリグリシジルエーテルとしてエポライト100MF(共栄社化学社製)、エピオールTMP(日本油脂社製)等が挙げられる。
当該硬化膜形成用樹脂組成物における[B]化合物の使用量としては、[A]塩基発生剤1質量部に対して、10質量部以上200質量部以下が好ましく、20質量部以上150質量部以下がより好ましい。[B]化合物の使用量を上記範囲とすることにより、熱及び放射線に対する感度が高く、得られる硬化膜の耐溶剤性に優れる硬化膜形成用樹脂組成物を得ることができる。
<[C]アルカリ可溶性樹脂>
当該硬化膜形成用樹脂組成物は、[C]アルカリ可溶性樹脂をさらに含有することにより、現像性が向上し、より正確なパターンを有する硬化膜を形成することができる。このような[C]アルカリ可溶性樹脂としては、アルカリ現像液に可溶性の樹脂であれば特に限定されないが、カルボキシル基を有するアルカリ可溶性樹脂が好ましく、(c1)不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物(以下、「化合物(c1)」ともいう)と、(c2)上記(c1)以外の不飽和化合物(以下、「化合物(c2)」ともいう)との共重合体(以下、共重合体(C)ともいう)がより好ましい。
上記化合物(c1)としては、例えば
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等のモノカルボン酸;
マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸等のジカルボン酸;
上記ジカルボン酸の酸無水物等が挙げられる。
これらのうち、化合物(c1)としては、共重合反応性、得られる共重合体のアルカリ現像液に対する溶解性等の観点から、アクリル酸、メタクリル酸、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、無水マレイン酸が好ましい。
共重合体(C)の合成において、化合物(c1)は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。共重合体(C)において、化合物(c1)に由来する構造単位の含有率は、5質量%以上60質量%以下が好ましく、7質量%以上50質量%以下がより好ましく、8質量%以上40質量%以下がさらに好ましい。化合物(c1)に由来する構造単位の含有率を上記範囲とすることにより、感度及び現像性等の諸特性がより高いレベルでバランスされた硬化膜形成用樹脂組成物が得られる。
上記化合物(c2)としては、例えば
アクリル酸メチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸t−ブチル等のアクリル酸アルキルエステル;
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸t−ブチル等のメタクリル酸アルキルエステル;
アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−メチルシクロヘキシル、アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル、アクリル酸2−(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルオキシ)エチル、アクリル酸イソボロニル等のアクリル酸脂環式エステル;
メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−メチルシクロヘキシル、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル、メタクリル酸2−(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルオキシ)エチル、メタクリル酸イソボロニル等のメタクリル酸脂環式エステル;
アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル等のアクリル酸のアリールエステル又はアラルキルエステル;
メタクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル、メタクリル酸3−ヒドロキシプロピルエステル等のメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステル類;
メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸のアリールエステル又はアラルキルエステル;
マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル等の不飽和ジカルボン酸ジアルキルエステル;
アクリル酸テトラヒドロフラン−2−イル、アクリル酸テトラヒドロピラン−2−イル、アクリル酸2−メチルテトラヒドロピラン−2−イル等の含酸素複素5員環又は含酸素複素6員環を有するアクリル酸エステル;
メタクリル酸テトラヒドロフラン−2−イル、メタクリル酸テトラヒドロピラン−2−イル、メタクリル酸2−メチルテトラヒドロピラン−2−イル等の含酸素複素5員環又は含酸素複素6員環を有するメタクリル酸エステル;
スチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシスチレン等のビニル芳香族化合物;
1,3−ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン系化合物;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド等が挙げられる。
これらのうち、化合物(c2)としては、共重合反応性の観点からメタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル、スチレン、p−メトキシスチレン、メタクリル酸テトラヒドロフラン−2−イル、1,3−ブタジエン、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル等が好ましい。
共重合体(C)の合成において、化合物(c2)は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。共重合体(C)において、化合物(c2)に由来する構造単位の含有率は、20質量%以上95質量%以下が好ましく、30質量%以上90質量%以下がより好ましく、40質量%以上85質量%以下がさらに好ましい。化合物(c2)に由来する構造単位の含有率を上記範囲とすることにより、感度及び現像性等の諸特性がより高いレベルでバランスされた硬化膜形成用樹脂組成物が得られる。
共重合体(C)は、適当な溶媒中、ラジカル重合開始剤の存在下で化合物(c1)及び化合物(c2)を重合することにより製造することができる。このような重合に用いられる溶媒としては、ジエチレングリコールアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、アルコキシプロピオン酸アルキル、酢酸エステル等が好ましい。これらの溶媒は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
上記ラジカル重合開始剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、4,4’−アゾビス(4―シアノバレリン酸)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等のアゾ化合物等が挙げられる。これらのラジカル重合開始剤は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
上記溶媒としては、例えばアルコール類、エーテル類、グリコールエーテル、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコールアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノアルキルエーテルプロピオネート、芳香族炭化水素類、ケトン類、他のエステル類等が挙げられる。
アルコール類としては、例えばメタノール、エタノール、ベンジルアルコール、2−フェニルエチルアルコール、3−フェニル−1−プロパノール等が挙げられる。
エーテル類としては、例えば環状エーテル、グリコールエーテル、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコールアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノアルキルエーテルプロピオネート等が挙げられる。
環状エーテルとしては、例えばテトラヒドロフラン等が挙げられる。
グリコールエーテルとしては、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。
エチレングリコールアルキルエーテルアセテートとしては、例えばメチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等が挙げられる。
ジエチレングリコールアルキルエーテルとしては、例えばジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル等が挙げられる。
プロピレングリコールモノアルキルエーテルとしては、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテートとしては、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等が挙げられる。
プロピレングリコールモノアルキルエーテルプロピオネートとしては、例えばプロピレンモノグリコールメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノブチルエーテルプロピオネート等が挙げられる。
芳香族炭化水素類としては、例えばトルエン、キシレン等が挙げられる。
ケトン類としては、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン等が挙げられる。
他のエステル類としては、例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ヒドロキシ酢酸メチル、ヒドロキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、3−ヒドロキシプロピオン酸メチル、3−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−ヒドロキシプロピオン酸プロピル、3−ヒドロキシプロピオン酸ブチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸プロピル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸プロピル、エトキシ酢酸ブチル、プロポキシ酢酸メチル、プロポキシ酢酸エチル、プロポキシ酢酸プロピル、プロポキシ酢酸ブチル、ブトキシ酢酸メチル、ブトキシ酢酸エチル、ブトキシ酢酸プロピル、ブトキシ酢酸ブチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸ブチル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−エトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸ブチル、2−ブトキシプロピオン酸メチル、2−ブトキシプロピオン酸エチル、2−ブトキシプロピオン酸プロピル、2−ブトキシプロピオン酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸プロピル、3−エトキシプロピオン酸ブチル、3−プロポキシプロピオン酸メチル、3−プロポキシプロピオン酸エチル、3−プロポキシプロピオン酸プロピル、3−プロポキシプロピオン酸ブチル、3−ブトキシプロピオン酸メチル、3−ブトキシプロピオン酸エチル、3−ブトキシプロピオン酸プロピル、3−ブトキシプロピオン酸ブチル等が挙げられる。
上記溶媒としては、これらのうち、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテートが好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートがより好ましい。
共重合体(C)のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算質量平均分子量(以下、「Mw」という。)は、2,000〜100,000が好ましく、5,000〜50,000がより好ましい。共重合体(C)のMwを上記範囲とすることにより、現像性、放射線感度等がより高いレベルでバランスされた硬化膜形成用樹脂組成物が得られ、耐熱性が高い硬化膜を得ることができる。
当該硬化膜形成用樹脂組成物における[C]アルカリ可溶性樹脂の使用量としては、[A]塩基発生剤1質量部に対して、10質量部以上200質量部以下が好ましく、20質量部以上150質量部以下がより好ましい。[C]アルカリ可溶性樹脂の使用量を上記範囲とすることにより、現像性に優れた硬化膜形成用樹脂組成物を得ることができる。
<その他の任意成分>
当該硬化膜形成用樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない限り、上述の[A]塩基発生剤以外の塩基発生剤(以下、「[D]その他の塩基発生剤」ともいう)、[E]密着助剤、[F]界面活性剤等のその他の任意成分を含有してもよい。以下、各成分について詳述する。
[[D]その他の塩基発生剤]
[D]その他の塩基発生剤としては、例えばN−(2−ニトロベンジルオキシカルボニル)ピロリジン、トリフェニルメタノール、O−カルバモイルヒドロキシアミド、O−カルバモイルオキシム、4−(メチルチオベンゾイル)−1−メチル−1−モルホリノエタン、(4−モルホリノベンゾイル)−1−ベンジル−1−ジメチルアミノプロパン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、ヘキサアンミンコバルト(III)トリス(トリフェニルメチルボレート)等が挙げられる。
[D]その他の塩基発生剤の使用量としては、[A]塩基発生剤1質量部に対して、0.005質量部以上10質量部以下が好ましい。[D]その他の塩基発生剤の使用量を上記範囲とすることによって、当該硬化膜形成用樹脂組成物は、低加熱量又は低露光量の場合でも、高い感度を示し、十分な耐溶剤性を有する硬化膜を形成することができる。
[E]密着助剤
[E]密着助剤は、得られる硬化膜と基板との密着性を向上させるために使用することができる。このような密着助剤としては、カルボキシル基、メタクリロイル基、ビニル基、イソシアネート基、オキシラニル基等の反応性官能基を有する官能性シランカップリング剤が好ましい。密着助剤としては、例えばγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらの密着助剤は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
当該硬化膜形成用樹脂組成物における[E]密着助剤の使用量としては、[A]塩基発生剤1質量部に対して、0.05質量部以上10質量部以下が好ましく、0.05質量部以上8質量部以下がより好ましい。当該硬化膜形成用樹脂組成物は、[E]密着助剤の使用量を上記範囲とすることによって、基板に対する硬化膜の密着性を改善しつつ、パターン形成能を高いレベルに保つことができる。
[F]界面活性剤
[F]界面活性剤は、当該硬化膜形成用樹脂組成物の被膜形成性を向上させるために使用することができる。このような界面活性剤としては、例えばフッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、末端、主鎖及び側鎖の少なくともいずれかの部位にフルオロアルキル基及び/又はフルオロアルキレン基を有する化合物が好ましい。フッ素系界面活性剤としては、例えば1,1,2,2−テトラフルオロ−n−オクチル(1,1,2,2−テトラフルオロ−n−プロピル)エーテル、1,1,2,2−テトラフルオロ−n−オクチル(n−ヘキシル)エーテル、ヘキサエチレングリコールジ(1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロ−n−ペンチル)エーテル、オクタエチレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフルオロ−n−ブチル)エーテル、ヘキサプロピレングリコールジ(1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロ−n−ペンチル)エーテル、オクタプロピレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフルオロ−n−ブチル)エーテル、パーフルオロ−n−ドデカンスルホン酸ナトリウム、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロ−n−デカン、1,1,2,2,3,3,9,9,10,10−デカフルオロ−n−ドデカン、フルオロアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキルリン酸ナトリウム、フルオロアルキルカルボン酸ナトリウム、ジグリセリンテトラキス(フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル)、フルオロアルキルアンモニウムヨージド、フルオロアルキルベタイン、他のフルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル、パーフルオロアルキルポリオキシエタノール、パーフルオロアルキルアルコキシレート、カルボン酸フルオロアルキルエステル等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤の市販品としては、例えばBM−1000、BM−1100(以上、BM CHEMIE社製)、メガファックF142D、同F172、同F173、同F183、同F178、同F191、同F471、同F476(以上、大日本インキ化学工業社製)、フロラードFC−170C、同−171、同−430、同−431(以上、住友スリーエム社製)、サーフロンS−112、同−113、同−131、同−141、同−145、同−382、サーフロンSC−101、同−102、同−103、同−104、同−105、同−106(以上、旭硝子社製)、エフトップEF301、同303、同352(以上、新秋田化成社製)、フタージェントFT−100、同−110、同−140A、同−150、同−250、同−251、同−300、同−310、同−400S、フタージェントFTX−218、同−251(以上、ネオス社製)等が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、例えば市販されている商品名で、トーレシリコーンDC3PA、同DC7PA、同SH11PA、同SH21PA、同SH28PA、同SH29PA、同SH30PA、同SH−190、同SH−193、同SZ−6032、同SF−8428、同DC−57、同DC−190(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)、TSF−4440、TSF−4300、TSF−4445、TSF−4446、TSF−4460、TSF−4452(以上、GE東芝シリコーン社製)、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業社製)等が挙げられる。
当該硬化膜形成用樹脂組成物において、[F]界面活性剤は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。当該硬化膜形成用樹脂組成物における[F]界面活性剤の使用量としては、[A]塩基発生剤1質量部に対して、0.001質量部以上1質量部以下が好ましく、0.005質量部以上0.5質量部以下がより好ましい。[F]界面活性剤の使用量を上記範囲とすることにより、基板上に塗膜を形成する際の塗布ムラを低減することができる。
当該硬化膜形成用樹脂組成物としては、感放射線性を有する組成物であることが好ましい。当該硬化膜形成用樹脂組成物が感放射線性を有すると、フォトマスクを介した放射線照射により、所望のパターンを有する硬化膜を形成することができる。このようなパターンを有する硬化膜は、液晶デバイスや半導体デバイスの保護膜等の硬化膜として好適に用いられる。
<硬化膜形成用樹脂組成物の調製>
当該硬化膜形成用樹脂組成物は、上記の[A]塩基発生剤及び[B]化合物、好適成分である[C]アルカリ可溶性樹脂、並びにその他の任意成分を均一に混合することによって調製される。この硬化膜形成用樹脂組成物は、好ましくは適当な溶媒に溶解されて溶液状態で用いられる。例えば、上記各成分を、溶媒中において所定の割合で混合することにより、溶液状態の硬化膜形成用樹脂組成物を調製することができる。
当該硬化膜形成用樹脂組成物の調製に用いられる上記溶媒としては、[A]塩基発生剤及び[B]化合物、[C]アルカリ可溶性樹脂並びにその他の任意成分を均一に溶解すると同時に、各成分と反応しないものが用いられる。このような溶媒としては、[C]アルカリ可溶性樹脂を製造するために使用できる溶媒として例示したものと同様の溶媒を挙げることができる。
このような溶媒のうち、各成分の溶解性、各成分との非反応性、被膜形成の容易性等の観点から、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、シクロヘキサノールアセテート、ベンジルアルコール、3−メトキシブタノールが好ましい。これらの溶媒は、一種のみを単独で使用してもよいし、二種以上を混合して使用してもよい。
当該硬化膜形成用樹脂組成物を溶液状態として調製する場合、固形分濃度(組成物溶液中に占める溶媒以外の成分の割合)は、使用目的や所望の膜厚の値等に応じて、例えば5質量%〜50質量%に設定することができる。こうして調製された硬化膜形成用樹脂組成物の溶液は、孔径0.2μm〜0.5μm程度のミリポアフィルタ等を用いてろ過した後、使用に供することもできる。
<硬化膜>
本発明の硬化膜形成用樹脂組成物から形成された硬化膜は、優れた耐溶剤性を有する。このような硬化膜は、高い表面硬度や透明性を要する技術用途に好適に用いることができ、例えば液晶デバイスや半導体デバイスの保護膜やパターンレジスト用途等に好適に用いることができる。
<硬化膜の形成方法>
本発明の硬化膜形成用樹脂組成物を用いた当該硬化膜の形成方法としては、下記の工程(1)〜(4)を含む方法が好ましい。この形成方法によると、良好なパターンを有し、耐溶剤性に優れる硬化膜を形成することができる。なお、(2)工程及び(3)工程は、パターン形成が必要な場合において行うことができ、パターン形成の必要がない場合には省略してもよい。
当該硬化膜の形成方法は、
(1)本発明の硬化膜形成用樹脂組成物を用い、基板上に塗膜を形成する工程(以下、「(1)工程」ともいう)、
(2)上記塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程(以下、「(2)工程」ともいう)、
(3)上記放射線を照射された塗膜を現像する工程(以下、「(3)工程」ともいう)、及び
(4)上記現像された塗膜を加熱する工程(以下、「(4)工程」ともいう)
を有する。以下、各工程について説明する。
[(1)工程]
本工程は、本発明の硬化膜形成用樹脂組成物を用い、基板上に塗膜を形成する工程である。上記基板としては特に限定されず、例えば透明基板、金属基板等が挙げられる。この透明基板としては、例えばガラス基板、樹脂基板等が挙げられ、その具体例としては、ソーダライムガラス、無アルカリガラス等のガラス基板;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリイミド等のプラスチックからなる樹脂基板を挙げることができる。
塗布法により塗膜を形成する場合、基板上に当該硬化膜形成用樹脂組成物の溶液を塗布した後、好ましくは塗布面を加熱(プレベーク)することによって塗膜を形成することができる。塗布法に用いる当該硬化膜形成用樹脂組成物溶液の固形分濃度は、5質量%〜50質量%が好ましく、10質量%〜40質量%がより好ましく、15質量%〜35質量%がさらに好ましい。当該硬化膜形成用樹脂組成物溶液の塗布方法としては、特に限定されず、例えばスプレー法、ロールコート法、回転塗布法(スピンコート法)、スリットダイ塗布法、バー塗布法、インクジェット塗布法等の方法を採用することができる。これらの塗布方法の中でも、特にスピンコート法又はスリットダイ塗布法が好ましい。
上記プレベークの条件は、各成分の種類や配合割合等によっても異なるが、好ましくは70℃〜120℃で1分間〜15分間程度である。プレベーク後の被膜の膜厚としては、好ましくは0.3μm〜10μmであり、より好ましくは1.0μm〜7.0μm程度である。
[(2)工程]
本工程は、上記塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程である。このとき、塗膜の一部にのみ照射する際には、例えば所定のパターンを有するフォトマスクを介して照射する方法により行うことができる。
照射に使用される放射線としては、例えば可視光線、紫外線、遠紫外線等が挙げられる。これらのうち波長が250nm〜550nmの範囲にある放射線が好ましい。
放射線照射量(露光量)としては、照射される放射線の波長365nmにおける強度を照度計(OAI model 356、Optical Associates Inc.製)により測定した値として、100J/m〜5,000J/mが好ましく、200J/m〜3,000J/mがより好ましく、250J/m〜2,000J/mがさらに好ましい。当該形成方法によると、当該硬化膜形成用樹脂組成物の放射線感度が高いため、上記放射線照射量をより低減することができる。
[(3)工程]
本工程は、上記放射線を照射された塗膜を現像する工程である。本工程により、不要な部分を除去して、所定のパターンを形成することができる。
現像に使用される現像液としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等の無機アルカリ、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の4級アンモニウム塩等のアルカリ(塩基性化合物)の水溶液を使用することができる。これらのアルカリ水溶液には、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶媒及び/又は界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。アルカリ水溶液におけるアルカリの濃度は、適当な現像性を得る観点から、好ましくは0.1質量%以上5質量%以下とすることができる。現像方法としては、液盛り法、ディッピング法、シャワー法等のいずれでもよく、現像時間は、常温で10〜180秒間程度とすることが好ましい。
[(4)工程]
本工程は、上記現像された塗膜を加熱する工程である。上記(3)工程の後、パターニングされた塗膜に対して、好ましくは流水洗浄を30秒間〜90秒間行った後、圧縮空気や圧縮窒素で風乾することができる(パターン形成の場合)。次いで、ホットプレート、オーブン等の適当な加熱装置により、例えばホットプレート上では5分間〜60分間、オーブン中では30分間〜180分間、加熱(ポストベーク)することにより、高い表面硬度を有する硬化膜を得ることができる。上記加熱温度としては、通常100℃以上250℃以下であり、100℃以上200℃以下が好ましく、100℃以上180℃以下がより好ましい。当該形成方法においては、熱に対する感度に優れる硬化膜形成用樹脂組成物を用いているため、ポストベークの温度を通常より低温にすることが可能である。なお、上記放射線照射を行わない場合には、(1)工程の後、本工程を行うことができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳述するが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるものではない。
<[A]塩基発生剤の調製>
[実施例1]
下記合成スキームに従って下記式(A−1)で表される化合物(以下、「化合物(A−1)」ともいう)を合成した。即ち、加熱乾燥後の二口フラスコに3,4−Dihydrocoumarin 2.96g(20.0 mmol)、4−Aminopyridine 2.82g(30.0mmol)、及びDioxane 3mLを入れ、100℃で24時間還流した。薄層クロマトグラフィー(TLC)により化合物(A−1)の生成を確認した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、実施例5、9〜11において硬化膜形成用樹脂組成物における塩基発生剤(A−1)として用いた。
化合物(A−1)のH−NMRを測定したところ、以下の通りであった。
H−NMR (DMSO−d6, 300 Mhz); δ2.62(2H,t),δ2.83(2H,t),δ6.67−7.09(4H,m),δ7.55(2H,d),δ8.39(2H,d),δ9.45(1H,s),δ10.30(1H,s).
Figure 2013241548
[実施例2]
下記合成スキームに従って下記式(A−2)で表される化合物(以下、「化合物(A−2)」ともいう)を合成した。即ち、加熱乾燥後の二口フラスコに2−Coumaranone 3.35g(25.0 mmol)、4−Aminopyridine 3.53g(37.5mmol)、及びDioxane 10mLを入れ、100℃で24時間還流した。薄層クロマトグラフィー(TLC)により化合物(A−2)の生成を確認した後シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、実施例6及び12において硬化膜形成用樹脂組成物における塩基発生剤(A−2)として用いた。
化合物(A−2)のH−NMRを測定したところ、以下の通りであった。
H−NMR (DMSO−d6, 300 Mhz); δ3.64(2H,s),δ6.73−7.15(4H,m),δ7.58(2H,d),δ8.41(2H,d),δ9.55(1H,s),δ10.49(1H,s).
Figure 2013241548
[実施例3]
下記合成スキームに従って、下記式(A−3)で表される化合物(以下、「化合物(A−3)」ともいう)を合成した。即ち、加熱乾燥後の二口フラスコに6−Methyl−3,4−dihydrochromen−2−one 3.24g(=20.0 mmol)、4−Aminopyridine 2.82g(=30.0mmol)、及びDioxane 10mLを入れ、100℃で24時間還流した。薄層クロマトグラフィー(TLC)により化合物(A−3)の生成を確認した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、実施例7及び13において硬化膜形成用樹脂組成物における塩基発生剤(A−3)として用いた。
化合物(A−3)のH−NMRを測定したところ、以下の通りであった。
H−NMR (DMSO−d6, 300 Mhz); δ2.31(3H,s),δ2.59(2H,t),δ2.83(2H,t),δ6.73−7.02(3H,m),δ7.55(2H,d),δ8.39(2H,d),δ9.48(1H,s),δ10.28(1H,s).
Figure 2013241548
[実施例4]
下記合成スキームに従って、下記式(A−4)で表される化合物(以下、「化合物(A−4)」ともいう)を合成した。即ち、加熱乾燥後の二口フラスコに2−Coumaranone 2.68g(=20.0 mmol)、4−Aminomethylpyridine 3.24g(=30.0mmol)、及びDioxane 10mLを入れ、100℃で24時間還流した。薄層クロマトグラフィー(TLC)により化合物(A−4)の生成を確認した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、実施例8及び14において硬化膜形成用樹脂組成物における塩基発生剤(A−4)として用いた。
化合物(A−4)のH−NMRを測定したところ、以下の通りであった。
H−NMR (DMSO−d6, 300 Mhz); δ3.63(2H,s),δ4.35(2H,d),δ6.69−7.09(4H,m),δ7.55(2H,d),δ8.42(2H,d),δ9.42(1H,s),δ10.30(1H,s).
Figure 2013241548
<[C]アルカリ可溶性樹脂の合成>
[合成例1]
冷却管及び撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル5質量部及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート250質量部を仕込み、続いてメタクリル酸18質量部、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル25質量部、スチレン5質量部、メタクリル酸2―ヒドロキシエチルエステル30質量部、及びメタクリル酸ベンジル22質量部を仕込んで、窒素置換した。次いで、緩やかに攪拌しつつ、溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持して重合することにより、固形分濃度28.8%の共重合体(C−1)溶液を得た。[C]アルカリ可溶性樹脂としての共重合体(C−1)について、以下の装置及び条件を用いてMwを測定したところ、13,000であった。
装置:GPC−101(昭和電工社製)
カラム:GPC−KF−801、GPC−KF−802、GPC−KF−803及びGPC−KF−804を結合
移動相:テトラヒドロフラン
<硬化膜形成用樹脂組成物の調製>
[実施例5]
塩基発生剤(A−1)を1質量部(固形分換算)、[B]化合物としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(B−1:ジャパンエポキシレジン社、エピコート1001)100質量部、界面活性剤としてフッ素系界面活性剤(ネオス社、FTX−218)0.3質量部を混合し、固形分濃度が20質量%となるようにジエチレングリコールエチルメチルエーテルに溶解させた後、口径0.2μmのメンブランフィルタでろ過して、硬化膜形成用樹脂組成物の溶液を調製した。
[実施例6〜14及び比較例1〜3]
表1に記載のとおりの種類及び量の各成分を使用した以外は、実施例5と同様の操作を行い各硬化膜形成用樹脂組成物の溶液を調製した。なお、表1において各成分について記載された「−」は、該当する成分を使用しなかったことを示す。また、放射線感度の評価における「−」は、硬化が起こらなかったために感度の測定ができなかったことを示す。
実施例及び比較例において用いた[B]化合物、及び比較例において用いた塩基発生剤を以下に示す。
<[B]化合物>
B−1:ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社、エピコート1001)
B−2:フェノールノボラック型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社、エピコート152)
<比較例の塩基発生剤>
a−1:4−アミノピリジン
a−2:[[(2−ニトロベンジル)オキシ]カルボニル]シクロヘキシルアミン
<硬化膜形成用樹脂組成物及び硬化膜の特性評価>
上記のようにして調製した硬化膜形成用樹脂組成物、及び各硬化膜形成用樹脂組成物から形成された硬化膜の評価を以下のように実施した。評価結果を表1に示す。
[硬化膜形成用樹脂組成物の放射線感度の評価]
無アルカリガラス基板上に、各硬化膜形成用樹脂組成物の溶液をそれぞれスピンナーにより塗布した後、90℃のホットプレート上で3分間プレベークすることにより、硬化膜形成用樹脂組成物の塗膜(膜厚3.0μm)を形成した。得られた塗膜上にフォトマスクを使用せず,高圧水銀ランプを用い、露光量を変量しつつ塗膜に露光を行い、230℃で30分間ポストベークし、硬化膜を形成した。得られた硬化膜について、JIS−K5400−1990の8.4.1鉛筆引っかき試験により鉛筆硬度(表面硬度)を測定した。この時、表面硬度がHとなるのに必要な最低露光量を求め、放射線感度(J/m)とした。この最低露光量が1,000J/m以下の場合、放射線感度が良好であると言える。
[耐溶剤性の評価]
上記硬化膜形成用樹脂組成物の放射線感度の評価と同様にして、ガラス基板上に膜厚3.0μmの塗膜を形成した。得られた塗膜に水銀ランプによって積算照射量が2,000J/mとなるように紫外線を照射し、230℃で30分間ポストベークし、硬化膜を形成した。この硬化膜の膜厚(T1)を測定した。次いで、この硬化膜をアセトン中に20分間浸漬させ、浸漬後の膜厚(t1)を測定した。これらの値を下記式へ適用することで膜厚変化率(%)を求めた。なお、膜厚変化率が5%以下の場合、耐溶剤性が良好と言える。
膜厚変化率(%)={(t1−T1)/T1}×100
[保存安定性の評価]
上記硬化膜形成用樹脂組成物を40℃のオーブン中で1週間放置した。1週間後、ゲル化せず、溶液の色が変化していなければ、保存安定性は良好と判断できる。一方、ゲル化したり、溶液の色が黄色に変化した場合は、保存安定性は不良と判断できる。
Figure 2013241548
表1に示した結果から、本発明の塩基発生剤を含有する実施例5〜14の硬化膜形成用樹脂組成物では、比較例と比較して高い放射線感度を示し、保存安定性も良好であることが分かった。また、実施例の硬化膜形成用樹脂組成物から得られる硬化膜の耐溶剤性は、比較例に比べて著しく優れていることが分かった。
本発明の塩基発生剤は、熱及び放射線に対する感度、並びに室温条件下での保存安定性に優れる。そのため、当該塩基発生剤を用いた硬化膜形成用樹脂組成物は、熱及び放射線に対する感度、保存安定性に優れると共に、正確なパターン及び十分な耐溶剤性を有する硬化膜を形成することができる。従って、このような硬化膜は、液晶デバイス、半導体デバイス等の材料として各種用途に好適に用いることができる。

Claims (6)

  1. 下記式(1)で表される化合物からなる塩基発生剤。
    Figure 2013241548
    (式(1)中、Rは、水素原子、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基又は炭素数4〜20の複素環基である。上記芳香族炭化水素基及び複素環基が有する水素原子の一部又は全部は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、ニトロソ基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、スルフィノ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、ケト基、エステル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシル基、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基又はスルホ基で置換されてもよい。Rは、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基である。R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜20のアルキル基である。mは0〜2の整数である。但し、mが2の場合、2つのRは、同一でも異なっていてもよい。nは1又は2である。但し、nが2の場合、2つのRは、同一でも異なっていてもよい。rは0〜12の整数である。但し、rが2以上の場合、複数のRは、同一でも異なっていてもよい。)
  2. 請求項1に記載の塩基発生剤及びエポキシ基を有する化合物を含有する硬化膜形成用樹脂組成物。
  3. アルカリ可溶性樹脂をさらに含有する請求項2に記載の硬化膜形成用樹脂組成物。
  4. 感放射線性を有する請求項2又は請求項3に記載の硬化膜形成用樹脂組成物。
  5. 請求項2、請求項3又は請求項4に記載の硬化膜形成用樹脂組成物から形成された硬化膜。
  6. (1)請求項4に記載の硬化膜形成用樹脂組成物を用い、基板上に塗膜を形成する工程、
    (2)上記塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程、
    (3)上記放射線を照射された塗膜を現像する工程、及び
    (4)上記現像された塗膜を加熱する工程
    を有する硬化膜の形成方法。
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