JP5962546B2 - 感放射線性樹脂組成物、硬化膜、その形成方法、及び表示素子 - Google Patents
感放射線性樹脂組成物、硬化膜、その形成方法、及び表示素子 Download PDFInfo
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Description
例えば、薄膜トランジスタ型液晶表示素子は、層間絶縁膜の上に透明電極膜を形成し、さらにその上に液晶配向膜を形成する工程を経て製造される。そのため層間絶縁膜には、透明電極膜の形成工程において高温条件にさらされたり、電極のパターン形成に使用されるレジストの剥離液に曝されることとなるため、これらに対する十分な耐熱性及び耐溶媒性が必要となる。
近年、ナフトキノンジアジド等の酸発生剤を用いたポジ型感放射線性樹脂組成物よりも高い感度で表示素子用の硬化膜の形成することを目的として、例えば特開2004−4669号公報には、架橋剤、酸発生剤、及びそれ自体はアルカリ水溶液に不溶又は難溶であるが、酸の作用により解裂しうる保護基を有し、該保護基が解裂した後はアルカリ水溶液に可溶性となる樹脂を含有することを特徴とするポジ型化学増幅材料が提案されている。また特開2004−264623号公報、特開2008−304902号公報等には、アセタール構造及び/又はケタール構造並びにエポキシ基を含有する樹脂と酸発生剤とを含有することを特徴とするポジ型感放射線性組成物が提案されている。
[A]同一又は異なる重合体中に、酸解離性基を含む構造単位(I)と架橋性基を含む構造単位(II)を含む重合成分、並びに
[B]光酸発生剤
[C]下記式(1)で示される化合物を含有する感放射線性樹脂組成物によって達成される。
また、上記課題を解決するためになされた別の発明は、当該感放射線性樹脂組成物から形成される硬化膜、及び当該硬化膜を備える表示素子
を含む。
(1)当該感放射線性樹脂組成物を用い、基板上に塗膜を形成する工程、
(2)上記塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程、
(3)上記放射線が照射された塗膜を現像する工程、及び
(4)上記現像された塗膜を加熱する工程
を有する硬化膜の形成方法である。
本発明の感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体成分、[B]光酸発生剤、[C]式(1)で示される化合物を含有する。また、当該感放射線性樹脂組成物は、好適成分として[D]環状エーテル基を有し[A]重合体成分が有する重合体とは異なる化合物(以下、「[D]化合物」ともいう)、[E]酸化防止剤を含有してもよい。さらに、当該感放射線性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の任意成分を含有してもよい。以下、各成分について詳述する。
[A]同一又は異なる重合体中に、酸解離性基を含む構造単位(I)と架橋性基を含む構造単位(II)を含む重合成分である。[A]重合体成分が上記構造単位を有するため、当該感放射線性樹脂組成物は、感度に優れると共に、現像工程後やポストベーク工程後における未露光部の膜厚変化を抑制することができる。また、[A]重合体成分は、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の構造単位を有していてもよい。なお、[A]重合体成分は、各構造単位を2種以上有していてもよい。
(i)同一の重合体分子中に、構造単位(I)及び構造単位(II)を有する態様;
(ii)同一の重合体分子中に、構造単位(I)を有し、それとは異なる重合体分子中に構造単位(II)を有する態様等が挙げられる。
以下、各構造単位について詳述する。
[構造単位(I)]
構造単位(I)は、酸解離性基を有する構造単位であり、[A]重合体成分が構造単位(I)を有することで、当該感放射線性樹脂組成物の高感度化を達成し、得られるコンタクトホール等のパターン形状安定性を向上することが可能となる。酸解離性基は、カルボキシル基やフェノール性水酸基等を保護する保護基であり、酸解離性基を有する重合体はアルカリ水溶液に不溶又は難溶であるが、酸の作用により保護基が解裂し、該保護基が解裂した後は重合体をアルカリ水溶液に可溶性とすることができる基である。
酸解離性基を含む構造単位(I)としては、下記式(3)で表される構造単位及び下記式(4)で表される構造単位が好ましく、構造単位(I)としては、式(3)で表される構造単位及び式(4)で表される構造単位から選ばれる少なくとも一方できる。
[構造単位(II)]
構造単位(II)は、架橋性基を含んでいる。[A]重合体成分が架橋性基を含む構造単位(II)を有することで、当該感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体成分を構成する重合体同士又は[A]重合体成分を構成する重合体と後述する[D]化合物との架橋により、形成される硬化膜の強度を高めることができる。
[その他の構造単位]
[A]重合体成分は、本発明の効果を損なわない範囲で、構造単位(I)、構造単位(II)以外のその他の構造単位を有していてもよい。
その他の構造単位を与える単量体としては、例えば、不飽和モノカルボン酸、水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸鎖状アルキルエステル、(メタ)アクリル酸環状アルキルエステル、(メタ)アクリル酸アリールエステル、不飽和芳香族化合物、共役ジエン、テトラヒドロフラン骨格等をもつ不飽和化合物が挙げられる。
不飽和モノカルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等が挙げられる。不飽和ジカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸等が挙げられる。不飽和ジカルボン酸の無水物としては、例えば、上記ジカルボン酸として例示した化合物の無水物等が挙げられる。多価カルボン酸のモノ[(メタ)アクリロイルオキシアルキル]エステルとしては、例えば、コハク酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕、へキサヒドロフタル酸モノ2−(メタクリロイルオキシ)エチル等が挙げられる。両末端にカルボキシル基と水酸基とを有するポリマーのモノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。カルボキシル基を有する不飽和多環式化合物及びその無水物としては、例えば、5−カルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン無水物等が挙げられる。
<[A]重合体成分の合成方法>
[A]重合体成分は、例えば、所定の各構造単位に対応する単量体を、ラジカル重合開始剤を使用し、適当な溶媒中で重合することにより製造できる。例えば、単量体及びラジカル開始剤を含有する溶液を、反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法、単量体を含有する溶液と、ラジカル開始剤を含有する溶液とを各別に、反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法、各々の単量体を含有する複数種の溶液と、ラジカル開始剤を含有する溶液とを各別に、反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法等の方法で合成することが好ましい。
<[B]光酸発生剤>
[B]光酸発生剤は、放射線の照射によって酸を発生する化合物である。放射線としては、例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等を使用できる。当該感放射線性樹脂組成物が[B]光酸発生剤を含有することで、当該感放射線性樹脂組成物は感放射線特性を発揮することができ、かつ良好な感度を有することができる。[B]光酸発生剤の当該感放射線性樹脂組成物における含有形態としては、後述するような化合物である光酸発生剤(以下、適宜「[B]光酸発生剤」ともいう)の形態でも、[A]重合体成分を構成する重合体の一部として組み込まれた光酸発生基の形態でも、これらの両方の形態でもよい。
[オキシムスルホネート化合物]
オキシムスルホネート化合物としては、下記式(5)で表されるオキシムスルホネート基を含む化合物が好ましい。
式(5−3)中、Xは、アルキル基、アルコキシ基、又はハロゲン原子である。bは、0〜3の整数である。但し、Xが複数の場合、複数のXは同一であっても異なっていてもよい。
上記(5―3)で表されるオキシムスルホネート化合物としては、例えば、下記式(5−4)〜(5−8)で表される化合物等が挙げられる。
[オニウム塩]
オニウム塩としては、例えば、ジフェニルヨードニウム塩、トリフェニルスルホニウム塩、スルホニウム塩、ベンゾチアゾニウム塩、テトラヒドロチオフェニウム塩等が挙げられる。
[スルホンイミド化合物]
スルホンイミド化合物としては、例えば、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(カンファスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(カンファスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(2−フルオロフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(カンファスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(フェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ノナフルオロブタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(カンファスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(カンファスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(カンファスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N−(カンファスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N−(フェニルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N−(ペンタフルオロエチルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N−(ヘプタフルオロプロピルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N−(エチルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N−(プロピルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N−(ブチルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N−(ペンチルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N−(ヘキシルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N−(ヘプチルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N−(オクチルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N−(ノニルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド等が挙げられる
[ハロゲン含有化合物]
ハロゲン含有化合物としては、例えば、ハロアルキル基含有炭化水素化合物、ハロアルキル基含有ヘテロ環状化合物等が挙げられる。
[ジアゾメタン化合物]
ジアゾメタン化合物としては、例えば、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トリルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−キシリルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−クロロフェニルスルホニル)ジアゾメタン、メチルスルホニル−p−トルエンスルホニルジアゾメタン、シクロヘキシルスルホニル(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルスルホニル(ベンゾイル)ジアゾメタン等が挙げられる。
[スルホン化合物]
スルホン化合物としては、例えば、β−ケトスルホン化合物、β−スルホニルスルホン化合物、ジアリールジスルホン化合物等が挙げられる。
[スルホン酸エステル化合物]
スルホン酸エステル化合物としては、例えば、アルキルスルホン酸エステル、ハロアルキルスルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステル、イミノスルホネート等が挙げられる。
[カルボン酸エステル化合物]
カルボン酸エステル化合物としては、例えば、カルボン酸o−ニトロベンジルエステル等が挙げられる。
また、上記オニウム塩としては、テトラヒドロチオフェニウム塩、ベンジルスルホニウム塩が好ましく、4,7−ジ−n−ブトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェートがより好ましく、4,7−ジ−n−ブトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネートがさらに好ましい。上記スルホン酸エステル化合物としては、ハロアルキルスルホン酸エステルが好ましく、N−ヒドロキシナフタルイミド−トリフルオロメタンスルホン酸エステルがより好ましい。[B]光酸発生剤を上記化合物とすることで、当該感放射線性樹脂組成物は、感度及び溶解性を向上させることができる。
<[C]化合物>
本発明における[C]化合物は、下記式(1)で示される化合物である。[C]化合物は、ポジ型化学増幅材料に特有に見られる露光後の引き置きにより、露光時に発生した酸の未露光部への拡散によるパターン形状不良、基板との低密着性を低減する効果がある。
通常、化学増幅材料は、酸の過剰な拡散による弊害を防止するため、微量の塩基性化合物を含有する場合がある。塩基性化合物は酸の過剰な拡散防止に効果はあるが、塩基性化合物を多量に含むことで感度低下を引き起こす弊害が知られている。
本発明における[C]化合物は、式(1)の−NH−CO−NH−部位や−NH−CS−NH−部位を有する。これらの部位が弱い求核性を有することから、通常の塩基性化合物に比べれば、酸の拡散低減効果は低いが、多量に使用しても感度低下を誘発しない利点がある。
R1、R2の好ましい例としては、単結合、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、へプチレン基、ヘキサメチレン基、フェニレン基、−(C2H4O)mC2H4−、−(C3H6O)mC2H4−(mは1〜5の整数を表す。)、下記式(6)、下記式(7)で表される基等を挙げることができる。
R3、R4はそれぞれ独立に、不飽和複素環基、炭素数11〜20のアルキル基、オキシラニル基、オキセタニル基、ビニル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、水酸基、カルボキシル基、アルコキシシリル基、メルカプト基、スルホ基を示す。
不飽和複素環基は、アリール(Aryl)基(芳香族炭化水素基)とは、区別されるものであり、不飽和結合を有する複素環基を示す。具体的には、2−フリル基、フルフリル基、2−チエニル基、2−テニル基、2−テノイル基、2−ピロリル基、2−ピリジル基、2−キノイル基、カルバゾール基、イミダゾール基、ベンゾイミダゾール基、インドール基等を示す。n,mはそれぞれ独立に1から3の整数を示す。
[C]化合物の中で、特に下記式(2)で示されるような、両末端に重合性基を有する化合物が特に好ましい。このような化合物は上述した[C]化合物の効果に加え、重合性基がポストベーク時の加熱で、熱架橋することで、硬化膜の高度を一層高めることが可能となり、得られるパターンの耐熱性や熱に対する形状安定性を向上することが可能となる。
R1、R2は式(1)と同義である。
<[D]環状エーテル基を有する化合物>
[D]化合物は、環状エーテル基を有し、かつ[A]重合体成分が有する重合体とは異なる化合物である。当該感放射線性樹脂組成物が[D]化合物を含有することで、[D]化合物の熱反応性により[A]重合体成分等の架橋を促進し、形成される硬化膜の硬度をより高めることができると共に、当該感放射線性樹脂組成物の感度を高めることができる。なお、[C]化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせてもちいてもよい。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂として、エピコート1001、同1002、同1003、同1004、同1007、同1009、同1010、同828(以上、ジャパンエポキシレジン製)等;
ビスフェノールF型エポキシ樹脂として、エピコート807(ジャパンエポキシレジン製)等;
フェノールノボラック型エポキシ樹脂として、エピコート152、同154、同157S65(以上、ジャパンエポキシレジン製)、EPPN201、同202(以上、日本化薬製)等;
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂として、EOCN102、同103S、同104S、1020、1025、1027(以上、日本化薬製)、エピコート180S75(ジャパンエポキシレジン製)等;
ポリフェノール型エポキシ樹脂として、エピコート1032H60、同XY−4000(以上、ジャパンエポキシレジン製)等;
環状脂肪族エポキシ樹脂として、CY−175、同177、同179、アラルダイトCY−182、同192、184(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)、ERL−4234、4299、4221、4206(以上、U.C.C製)、ショーダイン509(昭和電工製)、エピクロン200、同400(以上、大日本インキ製)、エピコート871、同872(以上、ジャパンエポキシレジン製)、ED−5661、同5662(以上、セラニーズコーティング製)等;
脂肪族ポリグリシジルエーテルとして、エポライト100MF(共栄社化学製)、エピオールTMP(日本油脂製)等が挙げられる。
<[E]酸化防止剤>
[E]酸化防止剤は、露光若しくは加熱により発生したラジカルの捕捉により、又は酸化によって生成した過酸化物の分解により、重合体分子の結合の解裂を抑制する成分である。当該感放射線性樹脂組成物が[E]酸化防止剤を含有することで、形成される硬化膜中における重合体分子の解裂劣化が抑制され、例えば、耐光性等を向上させることができる。なお、[E]酸化防止剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<その他の任意成分>
当該感放射線性樹脂組成物は、上記[A]〜[E]成分に加え、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて[F]塩基性化合物、[G]界面活性剤、[H]密着助剤等のその他の任意成分を含有してもよい。各その他の任意成分は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。以下、各成分を詳述する。
<[F]塩基性化合物>
[F]塩基性化合物としては、化学増幅レジストで用いられるものから任意に選択して使用でき、例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン、複素環式アミン、4級アンモニウムヒドロキシド、カルボン酸4級アンモニウム塩等が挙げられる。当該感放射線性樹脂組成物が[F]塩基性化合物を含有することで、露光により[B]光酸発生剤から発生した酸の拡散長を適度に制御することができ、パターン現像性を良好にできる。
<[G]界面活性剤>
[G]界面活性剤は、当該感放射線性樹脂組成物の塗膜形成性を高める成分である。[G]界面活性剤としては、例えば、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等が挙げられる。当該感放射線性樹脂組成物が[G]界面活性剤を含有することで、塗膜の表面平滑性を向上でき、その結果、形成される硬化膜の膜厚均一性をより向上できる。
<[H]密着助剤>
[H]密着助剤は、基板となる無機物、例えばシリコーン、酸化シリコーン、窒化シリコーン等のシリコーン化合物、金、銅、アルミニウム等の金属と硬化膜との接着性を向上させる成分である。[H]密着助剤としては、官能性シランカップリング剤が好ましい。上記官能性シランカップリング剤としては、例えば、カルボキシ基、メタクリロイル基、イソシアネート基、エポキシ基(好ましくはオキシラニル基)、チオール基等の反応性置換基を有するシランカップリング剤等が挙げられる。
<感放射線性樹脂組成物の調製方法>
当該感放射線性樹脂組成物は、溶媒に[A]重合体、[B]光酸発生剤、[C]化合物、必要に応じて好適成分、その他の任意成分を混合することによって溶解又は分散させた状態に調製される。例えば、溶媒中で各成分を所定の割合で混合することにより、当該感放射線性樹脂組成物を調製できる。
<硬化膜の形成方法>
当該感放射線性樹脂組成物は、硬化膜の形成に好適に用いることができる。
(1)当該感放射線性樹脂組成物を用い、基板上に塗膜を形成する工程、
(2)上記塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程、
(3)上記放射線が照射された塗膜を現像する工程、及び
(4)上記現像された塗膜を加熱する工程
を有する。
[工程(1)]
本工程では、当該感放射線性樹脂組成物を用い、基板上に塗布して塗膜を形成する。好ましくは塗布面をプレベークすることによって溶媒を除去する。
上記基板としては、例えば、ガラス、石英、シリコーン、樹脂等が挙げられる。上記樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリイミド、環状オレフィンの開環重合体及びその水素添加物等が挙げられる。プレベークの条件としては、各成分の種類、配合割合等によっても異なるが、70℃〜120℃、1分〜10分間程度とすることができる。
[工程(2)]
本工程では、上記形成された塗膜の少なくとも一部に放射線を照射し露光する。露光する際には、通常所定のパターンを有するフォトマスクを介して露光する。露光に使用される放射線としては、波長が190nm〜450nmの範囲にある放射線が好ましく、365nmの紫外線を含む放射線がより好ましい。露光量としては、放射線の波長365nmにおける強度を、照度計(OAI model356、OAI Optical Associates製)により測定した値で、500J/m2〜6,000J/m2が好ましく、1,500J/m2〜1,800J/m2がより好ましい。
[工程(3)]
本工程では、上記放射線が照射された塗膜を現像する。露光後の塗膜を現像することにより、不要な部分(放射線の照射部分)を除去して所定のパターンを形成する。この現像工程に使用される現像液としては、アルカリ性の水溶液が好ましい。アルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア等の無機アルカリ;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の4級アンモニウム塩、ケトン系有機溶剤、アルコール系有機溶剤等が挙げられる。
アルカリ水溶液には、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。アルカリ水溶液におけるアルカリの濃度しては、適当な現像性を得る観点から、0.1質量%以上5質量%以下が好ましい。現像方法としては、例えば、液盛り法、ディッピング法、揺動浸漬法、シャワー法等が挙げられる。現像時間としては、当該感放射線性樹脂組成物の組成によって異なるが、10秒〜180秒間程度である。このような現像処理に続いて、例えば流水洗浄を30秒〜90秒間行った後、例えば圧縮空気や圧縮窒素で風乾させることによって、所望のパターンを形成できる。
現像前の塗膜の膜厚T0に対する現像後の膜厚T1の膜厚変化率は、90%以上であることが好ましい。上述したように、当該感放射線性樹脂組成物を用いた当該形成方法によると、現像時間に対する未露光部の膜厚変化量を抑制でき、現像後の膜厚は、現像前の膜厚の90%以上を維持することができる。
[工程(4)]
本工程では、上記現像された塗膜を加熱する。加熱には、ホットプレート、オーブン等の加熱装置を用い、パターニングされた薄膜を加熱することで、[A]重合体成分の硬化反応を促進して、硬化膜を形成することができる。加熱温度としては、例えば、120℃〜250℃程度である。加熱時間としては、加熱機器の種類により異なるが、例えば、ホットプレートでは5分〜30分間程度、オーブンでは30分〜90分間程度である。また、2回以上の加熱工程を行うステップベーク法等を用いることもできる。このようにして、目的とする硬化膜に対応するパターン状薄膜を基板の表面上に形成できる。形成された硬化膜の膜厚としては、0.1μm〜8μmが好ましく、0.1μm〜6μmがより好ましい。
本発明の硬化膜は、当該感放射線性樹脂組成物から形成される。当該硬化膜は、当該感放射線性樹脂組成物から形成されているため、高い表面硬度、耐熱性等を有し、かつ膜厚の変化が少ない。当該硬化膜は、上記性質を有しているため、例えば、表示素子の層間絶縁膜、スペーサー、保護膜、カラーフィルタ用着色パターン等として好適である。なお、当該硬化膜の形成方法としては特に限定されないが、上述の当該硬化膜の形成方法を用いることが好ましい。
本発明の表示素子は、当該硬化膜を備えている。当該表示素子は、例えば、後述する液晶セル、偏光板等により構成されている。当該表示素子は、当該硬化膜を備えているため、例えば、耐熱性等の信頼性に優れる。
[重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)]
下記条件下、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。また、分散度(Mw/Mn)は、Mw及びMnの測定結果より算出した。
カラム:GPC−KF−801、GPC−KF−802、GPC−KF−803及びGPC−KF−804を結合
移動相:テトラヒドロフラン
カラム温度:40℃
流速:1.0mL/分
試料濃度:1.0質量%
試料注入量:100μL
検出器:示差屈折計
標準物質:単分散ポリスチレン
[合成例1](重合体(A−1)の合成)
冷却管及び攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)7質量部、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル200質量部を仕込んだ。引き続きメタクリル酸10質量部、メタクリル酸1−ブトキシエチル50質量部、3−メタクリロイルオキシメチル−3−エチルオキセタン40質量部、メタクリル酸ヒドロキシエチル10質量部を仕込み窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持し重合体(A−1)を含む重合体溶液を得た。重合体(A−1)のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は10,000であった。また、ここで得られた重合体溶液の固形分濃度は、31.6質量%であった。
冷却管及び攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)7質量部、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル200質量部を仕込んだ。引き続きメタクリル酸10質量部、テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルメタクリレート40質量部、メタクリル酸グリシジル40質量部、スチレン10質量部を仕込み窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持し重合体(A−2)を含む重合体溶液を得た。重合体(A−2)のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は9,500であった。また、ここで得られた重合体溶液の固形分濃度は、31.6質量%であった。
冷却管及び攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)7質量部、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル200質量部を仕込んだ。引き続きテトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルメタクリレート40質量部、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタアクリレート40質量部、メタクリル酸ヒドロキシエチル10質量部、スチレン10質量部を仕込み窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持し重合体(A−3)を含む重合体溶液を得た。重合体(A−3)のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は11,000であった。また、ここで得られた重合体溶液の固形分濃度は、32.4質量%であった。
冷却管及び攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)7質量部、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル200質量部を仕込んだ。引き続きテトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルメタクリレート50量部、メタクリル酸ベンジル35質量部、メタクリル酸ヒドロキシエチル15質量部を仕込み窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持し重合体(a−1)を含む重合体溶液を得た。重合体(a−1)のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は10,500であった。また、ここで得られた重合体溶液の固形分濃度は、31.8質量%であった。
冷却管及び攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)7質量部、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル200質量部を仕込んだ。引き続きメタクリル酸グリシジル40質量部、スチレン30質量部、メタクリル酸ベンジル30質量部を仕込み窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持し重合体(a−2)を含む重合体溶液を得た。重合体(a−2)のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は10,000であった。また、ここで得られた重合体溶液の固形分濃度は、32.0質量%であった。
[合成例6](C−1)
<式(2−1)の化合物: 1,3−ビス(メタアクリロイルオキシエチル)ウレアの合成>
冷却管と撹拌機を備えたフラスコに、2−メタアクリロイルオキシエチルイソシアネート10部およびテトラヒドロフラン30部を仕込んだ。引き続き蒸留水2部を仕込み、溶液の温度を40℃に上昇させ1時間緩やかに撹拌を行った。減圧留去によりテトラヒドロフラン、蒸留水を除去した後、エタノール50部より再結晶を行い、針状白色結晶を得た。 得られた化合物が1,3−ビス(メタアクリロイルオキシエチル)ウレア(C−1)であることを、溶媒として重DMSO、基準としてTMSを用いて、1H−NMRにより確認した。結果を以下に示す。ケミカルシフト(プロトン比、分裂);1.82(3H,s)、3.26(2H,q)、3.99(2H,t)、5.61(1H,s)、6.00(1H,s)、6.08(1H,t)。
<式(2−2)の化合物: 1,3−ビス(アクリロイルオキシエチル)ウレアの合成>
冷却管と撹拌機を備えたフラスコに、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート10部、テトラヒドロフラン30部を仕込んだ。引き続き蒸留水2部を仕込み、40℃に上昇させ1時間緩やかに撹拌を行った。減圧留去によりテトラヒドロフラン、蒸留水を除去した後、エタノール50部より再結晶を行い、針状白色結晶を得た。得られた化合物が1,3−ビス(アクリロイルオキシエチル)ウレア(C−2)であることを、溶媒として重DMSO、基準としてTMSを用いて、1H−NMRにより確認した。結果を以下に示す。ケミカルシフト(プロトン比、分裂);3.25(2H,q)、4.02(2H,t)、5.62(1H,s)、6.06(1H,s)、6.14(1H,t)。
<式(2−3)の化合物:1,3−ビス(メタアクリロイルオキシ−2−エトキシエチル)ウレアの合成>
冷却管と撹拌機を備えたフラスコに、2−メタアクリロイルオキシ−2−エトキシエチルイソシアネート12部、テトラヒドロフラン30部を仕込んだ。引き続き蒸留水2部を仕込み、40℃に上昇させ1時間緩やかに撹拌を行った。減圧留去によりテトラヒドロフラン、蒸留水を除去し、無色液体を得た。得られた化合物が1,3−ビス(メタアクリロイルオキシ−2−エトキシエチル)ウレア(C−3)であることを、溶媒として重DMSO、基準としてTMSを用いて、1H−NMRにより確認した。結果を以下に示す。ケミカルシフト(プロトン比、分裂);1.87(3H,s)、3.36(2H,q)、3.62(2H,t)、3.75(2H,t)3.99(2H,t)、4.30(2H,t)5.63(1H,s)、5.94(1H,t)、6.01(1H,s)。
< 式(2−5)の化合物>
冷却管と撹拌機を備えたフラスコに、2−メタアクリロイルオキシエチルイソチオシアネート10部およびテトラヒドロフラン30部を仕込んだ。引き続き蒸留水2部を仕込み、溶液の温度を40℃に上昇させ1時間緩やかに撹拌を行った。減圧留去によりテトラヒドロフラン、蒸留水を除去した後、エタノール50部より再結晶を行い、針状白色結晶を得た。 得られた化合物が「式(2−5)の化合物」であることを、溶媒として重DMSO、基準としてTMSを用いて、1H−NMRにより確認した。結果を以下に示す。ケミカルシフト(プロトン比、分裂);1.80(3H,s)、3.22(2H,q)、3.91(2H,t)、5.58(1H,s)、6.02(1H,s)、6.02(1H,t)。
感放射線性樹脂組成物の調製に用いた[B]光酸発生剤、[C]化合物及び[D]環状エーテル基を有する化合物、[E]酸化防止剤、[E]塩基性化合物を以下に示す。
B−1:5−プロピルスルフォニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル(IRGACURE PAG 103、BASF製)
B−2:(5−p−トルエンスルフォニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル(IRGACURE PAG 121、BASF製)
B−3:(5−オクチルスルフォニルオキシイミノ)−(4−メトキシフェニル)アセトニトリル(CGI−725、BASF製)
B−4:下記式(8)で示されるオキシムエステル化合物(IRGACURE PAG 203、BASF製)
C−1: 式(2−1)の化合物得 1,3−ビス(メタアクリロイルオキシエチル)ウレア
C−2: 式(2−2)の化合物得 1,3−ビス(アクリロイルオキシエチル)ウレア
C−3: 式(2−3)の化合物得 1,3−ビス(メタアクリロイルオキシ−2−エトキシエチル)ウレア
C−4:式(2−5)の化合物
D−1:イソフタル酸=ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル]
D−2:1,4−ビス[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシメチル]ベンゼン
E−1:ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ-tert-ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](アデカスタブAO−60、アデカ製)
E−2:トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト(アデカスタブAO−20、アデカ製)
F−1:4−ジメチルアミノピリジン
[A]重合体成分としての(A−1)を含む重合体溶液((A−1)100質量部(固形分)に相当する量)に、[B]光酸発生剤としての(B−1)3質量部、[C]化合物としての(C−1)10質量部を混合し、孔径0.2μmのメンブランフィルタで濾過することにより、感放射線性樹脂組成物を調製した。表1に示す。
下記表1に示す種類及び配合量の各成分を用いた以外は、実施例1と同様に操作し、各感放射線性樹脂組成物を調製した。なお、表1中の「−」は、該当する成分を配合しなかったことを示す。
(a−1)を含む重合体溶液((a−1)50質量部(固形分)に相当する量)と、(a−2)を含む重合体溶液((a−2)50質量部(固形分)に相当する量)とを混合して[A]重合体成分とし、これに[B]光酸発生剤としての(B−2)3質量部、[C]化合物としての(C−1)10質量部を混合し、次いで、孔径0.2μmのメンブランフィルタで濾過することにより、感放射線性樹脂組成物を調製した。表1に示す。
[実施例7]
下記表1に示す種類及び配合量の各成分を用いた以外は、実施例6と同様に操作し、各感放射線性樹脂組成物を調製した。表1に示す。
調製した各感放射線性樹脂組成物を用い、下記の評価を実施した。結果を表1に示す。
[感度(J/m2)]
ガラス基板上に、各感放射線性樹脂組成物溶液をスピンナを用いて塗布した後、90℃にて2分間ホットプレート上でプレベークして膜厚3.0μmの塗膜を形成した。続いて、露光機(MPA−600FA、ghi線混合、キヤノン製)を用い、60μmのライン・アンド・スペース(10対1)のパターンを有するマスクを介して、塗膜に対し露光量を変量として放射線を照射した。その後、0.5質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液にて25℃において80秒間液盛り法で現像した。次いで、超純水で1分間流水洗浄を行い、その後乾燥することにより、HMDS処理後のクロム成膜ガラス基板上にパターンを形成した。このとき、6μmのスペース・パターンが完全に溶解するために必要な露光量を調べた。この露光量の値が500(J/m2)以下の場合、感度は良好と判断できる。
[耐光性の評価]
シリコン基板上に、各感放射線性樹脂組成物溶液をスピンナを用いて塗布した後、90℃にて2分間ホットプレート上でプレベークして膜厚3.0μmの塗膜を形成した。このシリコン基板をクリーンオーブン内にて220℃で1時間加熱して硬化膜を得た。得られた各硬化膜に、UV照射装置(ウシオ社製の「UVX−02516S1JS01」)にて130mWの照度で800000J/m2照射した。照射前の膜厚に比較して、照射後の膜厚の膜減り量が3%以下であれば硬化膜の耐光性が良好であると言える。
[透過率の評価]
上記耐光性の評価と同様に、シリコン基板上に塗膜を形成した。このシリコン基板をクリーンオーブン内にて220℃で1時間加熱して硬化膜を形成した。得られた各硬化膜について、波長400nmにおける透過率を、分光光度計(日立製作所社製の「150−20型ダブルビーム」)を用いて測定して評価した。このとき、90%未満の場合に透明性が不良と言える。
感度の評価で形成したパターンが形成された基板をクリーンオーブン内にて230℃で1時間追加加熱して、形成したパターンをSEM(走査電子顕微鏡)で形状を観察した。
追加加熱により、パターン形状が矩形形状からドーム形状にメルトフローした場合、パターン形状の熱安定性が不良と判断した。判断基準を以下に示す。
メルトフローによるパターン形状の変形がほとんど見られない場合: 「○」、
メルトフローによるパターン形状の変形が見られた場合: 「△」
メルトフローによりパターン形状が大きく変形した場合: 「×」
ガラス基板上に、各感放射線性樹脂組成物溶液をスピンナを用いて塗布した後、90℃にて2分間ホットプレート上でプレベークして膜厚3.0μmの塗膜を形成した。続いて、露光機(MPA−600FA、ghi線混合、キヤノン製)を用い、10μmのライン・アンド・スペース(1対1)のパターンを有するマスクを介して、700(J/m2)の露光量で露光した。その後、1時間クリーンルーム内で放置し、その後0.5質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液にて25℃において80秒間液盛り法で現像した。次いで、超純水で1分間流水洗浄を行い、その後乾燥し、ガラス基板上にパターンを形成した。現像後基板を光学顕微鏡で観察し、パターンの剥がれの有無を確認した。パターンの剥がれ見られない場合、密着性良好と判断できる。
判断基準を以下に示す。
パターン剥がれがほとんど見られない場合: 「○」、
パターン剥がれがわずかに見られた場合: 「△」
パターンが剥がれ、基板上にパターンがほとんど残っていない場合: 「×」
とした。結果を表1に示す。
Claims (10)
- 上記[A]の酸解離性基を含む構造単位(I)が、下記式(3)で表される構造単位及び下記式(4)で表される構造単位から選ばれる少なくとも一方である請求項1または請求項2のいずれか一項に記載の感放射線性樹脂組成物。
(式(3)中、R7は、水素原子又はメチル基を示す。R8は、炭素数1〜12のアルキル基であり、R9は、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基を示す。
式(4)中、R10は、水素原子又はメチル基を示す。R11からR17は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基である。aは、1又は2の整数であり、aが2の場合、複数のR16及びR17は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。 - 上記[A]の架橋性基が、(メタ)アクリロイル基、オキシラニル基及びオキセタニル基からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の感放射線性樹脂組成物。
- [D]環状エーテル基を有する化合物をさらに含有し、上記[D]化合物が[A]重合体成分が有する重合体とは異なる請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の感放射線性樹脂組成物。
- [E]酸化防止剤をさらに含有する請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の感放射線性樹脂組成物。
- 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の感放射線性樹脂組成物から形成される硬化膜。
- (1)請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の感放射線性樹脂組成物を用い、基板上に塗膜を形成する工程、
(2)上記塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程、
(3)上記放射線が照射された塗膜を現像する工程、及び
(4)上記現像された塗膜を加熱する工程
を有する硬化膜の形成方法。 - 請求項8に記載の硬化膜を備える表示素子。
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