JP6235137B2 - 表示装置及びテレビジョン受信機 - Google Patents

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Description

本発明は、二つのスタンドを備える表示装置及びテレビジョン受信機に関する。
液晶ディスプレイ又はEL(electroluminescence)ディスプレイ等の薄型の表示装置には、スタンドを備えたものがある。スタンドを下側の中央に配置した表示装置では、大型化に伴って転倒の虞が増し、転倒を防止するためにはスタンドが大型化する。そこで、表示装置の大型化に応じて、二つのスタンドを左右に離隔して配置する必要が出てきた。特許文献1には、二つのスタンドを備えた表示装置が開示されている。
また、スタンドは、表示装置の重心に応じてバランスを保ちながら筐体を支持することができるように設計されている。このため、スタンドを正規の向きとは異なる向きで筐体に取り付けた場合は、スタンドが筐体をうまく支持することができなくなり、表示装置が転倒し易くなる虞がある。そこで、特許文献2には、スタンドを間違った向きで筐体に取り付けることができないようにした表示装置が開示されている。
特許第4092589号公報 特開2007−310318号公報
通常、表示装置は、筐体からスタンドが外されて梱包されており、表示装置を購入した使用者がスタンドを筐体に取り付けることになる。この際、使用者が二つのスタンドを正しい位置とは逆の位置に取り付けてしまう虞がある。スタンドは、正しい位置に取り付けられた状態で筐体を適切に支持できるように構成されているので、逆の位置に取り付けられた場合は、筐体を適切に支持できず表示装置が転倒する虞がある。このため、スタンドが左右逆に取り付けられることを防止する必要がある。部品の形状又は部品の固定位置を左右で異ならせることにより、二つのスタンドを左右逆に取り付けることは防止できるものの、部品形状が左右で異なるので、表示装置の製造コストが上昇するという問題がある。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、製造コストを抑制しながらも、スタンドが左右逆に取り付けられることを防止することができる表示装置及びテレビジョン受信機を提供することにある。
また、表示装置の薄型化に伴い、スタンドの支柱部を細くし、支柱部を取り付けるための取付具を小型化することが求められている。このため、スタンド及び取付具の強度が低下し、表示装置の剛性が低下して変形しやすくなるという問題がある。従って、表示装置を薄型化した場合に、表示装置の剛性を確保する必要がある。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、間違った向きでスタンドを取り付けることを防止しながら剛性を確保した表示装置及びテレビジョン受信機を提供することにある。
本発明に係る表示装置は、前側に画像を表示する表示部と、該表示部の後に配置され、該表示部を保持する保持体と、支柱を夫々に有する二つのスタンドと、前記保持体の後部に取り付けられており、夫々に前記支柱の後側及び両横側を囲んで前記支柱を前記保持体に固定するための二つの固定部とを備える表示装置において、前記二つの固定部の夫々は、固定された前記支柱の後に位置する第1板状部材と、前記支柱の両横の一方に位置し、前記支柱へ向けて突出した第1突出部が前記支柱の軸方向に沿って形成された第2板状部材と、前記支柱の両横の他方に位置し、前記第1突出部に比べて後寄りの位置で前記支柱へ向けて突出した第2突出部が前記支柱の軸方向に沿って形成された第3板状部材とを有し、前記二つの固定部の間で、前記支柱に対する前記第2板状部材及び前記第3板状部材の位置が互いに逆になっていることを特徴とする。
本発明に係る表示装置は、前記支柱は、両側部の一方のみに、前記第1突出部に係合する第1溝が軸方向に沿って形成され、両側部の他方のみに、前記第2突出部に係合する第2溝が軸方向に沿って形成されており、前記二つのスタンドの間で、前記第1溝及び前記第2溝が形成された前記支柱の側部の位置が互いに逆になっていることを特徴とする。
本発明に係る表示装置は、前記第1板状部材には、前記支柱を固定するためのビスが貫通する貫通部分が形成されており、前記支柱の後側には、前記ビスが螺入されるねじ孔が形成されており、前記支柱の前側にはねじ孔が形成されていないことを特徴とする。
本発明に係る表示装置は、前側で映像を表示する表示部と、該表示部を保持する保持体と、該保持体の後部に沿って取り付けられる支柱部を有し、前記保持体を支持するスタンドと、前記支柱部の後側及び両横側を囲んで前記支柱部を前記保持体に取り付けるための取付具とを備える表示装置において、前記取付具は、取り付けられた前記支柱部の後側に位置する板状の後側部材と、前記支柱部の両横側の一方に位置し、一部が内側へ突出した第3突出部が前記支柱部の長手方向に沿って形成された板状の第1横側部材と、前記支柱部の両横側の他方に位置し、前記第3突出部よりも前後方向に短い長さで一部が内側へ突出した第4突出部が前記支柱部の長手方向に沿って形成された板状の第2横側部材とを有し、前記支柱部は、前記第3突出部を前後方向に挟むように、前記第3突出部の前後方向の長さを超過する距離で先端から長手方向に沿って開口した開口部と、該開口部の反対側の位置に、前後方向の長さを前記第3突出部より短く前記第4突出部より長くして長手方向に沿って凹んでおり、前記第4突出部に係合する凹部とを有することを特徴とする。
本発明に係る表示装置は、夫々に前記支柱部を有する前記スタンドを二つ備えるか、又は前記スタンドが二つの前記支柱部を有し、二つの前記取付具が前記保持体の後部に並列に設けられており、二つの前記取付具は、夫々に取り付けられた前記支柱部に対する前記第1横側部材及び前記第2横側部材の横方向の位置が互いに逆になっていることを特徴とする。
本発明に係る表示装置は、前記取付具は、取り付けられた前記支柱部の長手方向に対称な形状であり、前記支柱部は、取り付けられた状態の前後方向に対称な形状であることを特徴とする。
本発明に係る表示装置は、前記第1横側部材及び前記第2横側部材は、端を含まない部分に前記第3突出部及び前記第4突出部が形成されており、前記支柱部は、先端の一部が他の部分よりも延長し、中心側へ傾いた複数の延長部を有することを特徴とする。
本発明に係るテレビジョン受信機は、本発明に係る表示装置と、テレビジョン放送を受信する受信部とを備え、前記受信部で受信したテレビジョン放送に基づいて前記表示装置で映像を表示するようにしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、固定部の形状によって、二つのスタンドが逆の位置で筐体に取り付けられることが防止される。また、共通の部品を逆向きにして配置することで二つの固定部を実現するようになっている。従って、表示装置は、製造コストを抑制しながらも、二つのスタンドが左右逆に取り付けられることを防止することが可能となる等、本発明は優れた効果を奏する。
表示装置の模式的斜視図である。 表示装置の後側を示す模式的斜視図である。 表示装置の後側を示す模式的斜視図である。 リアキャビネットを外した表示装置の後側を示す模式的斜視図である。 固定部及びスタンドを示す模式的斜視図である。 固定部及びスタンドを示す模式的斜視図である。 実施形態1に係る固定部及び支柱の断面図である。 実施形態2に係る固定部及び支柱の断面図である。 実施形態3に係る固定部及び支柱の断面図である。 実施形態4に係る表示装置の模式的正面図である。 実施形態4に係る表示装置の後側を示す模式的斜視図である。 リアキャビネットを外した実施形態4に係る表示装置の後側を示す模式的斜視図である。 リアキャビネットを外した実施形態4に係る表示装置の後側を示す模式的斜視図である。 取付具及び支柱部の断面図である。 実施形態4に係る取付具と比較対象の取付具とを示す模式的斜視図である。 実施形態4に係る取付具と比較対象の取付具とを示す模式的斜視図である。 構造解析のための条件を説明する説明図である。 構造解析の結果を示す図表である。 実施形態6に係る支柱部の先端部分を示す模式的斜視図である。
以下本発明をその実施形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
<実施形態1>
図1は、表示装置の模式的斜視図である。表示装置は、前後方向の長さが直交する他の方向の長さに比べて著しく短い薄型に構成されている。表示装置は、液晶パネル又はELパネル等の表示パネルを含んだ表示部3を備えている。表示部3は表示パネルを用いて前面に画像を表示する。表示部3は、矩形平板状であり、筐体2に収納されている。筐体2は、薄型の直方体状になっている。筐体2は、表示部3の表示面が前側で露出するようにして、表示部3を収納している。表示部3の短辺に沿った方向を上下方向とし、長辺に沿った方向を左右方向(横方向)とする。筐体2の下面は、表示部3の長辺に沿った面である。
更に、表示装置は、表示部3を下から支持する二つのスタンド1を備えている。表示装置は、更に、図示しない受信部、入出力インタフェース、画像処理部、スピーカ及び電源等の他の部品を備えており、本発明に係るテレビジョン受信機として構成されている。図示しない受信部は、テレビジョン放送を受信し、表示部3は、受信部で受信したテレビジョン放送に基づいた画像を表示する。なお、本発明に係るテレビジョン受信機は、表示装置と分離された受信部を備える形態であってもよい。また、本実施形態に係る表示装置は、テレビジョン受信機以外の表示装置であってもよい。
図2及び図3は、表示装置の後側を示す模式的斜視図である。図3には、スタンド1を取り付ける前の状態を示している。筐体2は、表示装置の後面を構成するリアキャビネット21を含んでいる。スタンド1は、床面等の載置面に接する脚部11と、脚部11に固定された支柱12とを有している。支柱12は、前後方向及び横方向に交差する上下方向に沿っている。筐体2の下面には、二つの支柱12を挿入されるための二つの挿入孔が形成されている。図3中に矢印で示したように、各挿入孔へ支柱12が挿入され、リアキャビネット21の後からビス止めされて支柱12が固定される。
図4は、リアキャビネット21を外した表示装置の後側を示す模式的斜視図である。図中には、スタンド1を筐体2に取り付ける前の状態を示している。実際には、スタンド1はリアキャビネット21が存在する状態で筐体2に取り付けられる。筐体2内には、表示部3を保持するシャーシ(保持体)5が備えられている。シャーシ5は、ほぼ板状に形成されており、表示部3の後ろに配置され、後から表示部3を保持する。シャーシ5の後部には、夫々に支柱12を固定するための二つの固定部4が設けられている。
図5及び図6は、固定部4及びスタンド1を示す模式的斜視図である。図6は、スタンド1が固定部4に固定された状態を示している。固定部4は、長尺の部材であり、長手方向に直交する断面がU字状に形成されている。固定部4は、前側がU字の開口側になるように、シャーシ5の後面に取り付けられている。固定部4の横方向の位置は、筐体2の下面に設けられた挿入孔の位置に対応している。挿入孔から筐体2内へ挿入された支柱12は、図4中に矢印で示すように、固定部4及びシャーシ5の後面からなる四角筒状の部分に挿入され、挿入された支柱12の後側及び両横側は固定部4に囲われ、前側はシャーシ5に囲われる。二つの固定部4は、二つの支柱12が並列に挿入されるように、上下方向を長手方向として並列に配置されている。固定部4は、固定された支柱12の後に位置する第1板状部材41を有する。第1板状部材41には貫通孔(貫通部分)42が形成されている。また、支柱12の後側にはねじ孔13が形成されている。支柱12が固定部4に挿入された状態で、リアキャビネット21の後からビスが螺入され、ビスがねじ孔13に螺合して、支柱12は固定部4に固定される。支柱12が固定された状態では、固定部4の長手方向は支柱12の軸方向に一致する。このようにして、スタンド1はシャーシ5に取り付けられる。取り付けられたスタンド1は、表示部3及びシャーシ5を下から支持する。
図7は、実施形態1に係る固定部4及び支柱12の断面図である。図7は、支柱12が固定部4に固定された状態を示す。また、図7は、支柱12の軸方向に直交する断面を示している。図7中の下側が表示装置の前側に対応し、上側が表示装置の後側に対応する。前述したように、固定部4の断面は、前側を開口したU字状に形成されている。固定部4は、固定された支柱12の後に位置する板状の第1板状部材41と、支柱12の両横に位置する第2板状部材43及び第3板状部材45とを有している。第2板状部材43及び第3板状部材45は、横方向に並列配置されており、間に支柱12を挟む。支柱12の前側にはシャーシ5が位置している。支柱12の断面は、前側を開口したU字状に形成されている。即ち、支柱12の前側は開口部になっており、ねじ孔は形成されていない。
固定された支柱12の両横の一方に位置する第2板状部材43には、一部が外側から凹んで内側へ突出した第1突出部44が形成されている。また、支柱12の両横の他方に位置する第3板状部材45には、一部が外側から凹んで内側へ突出した第2突出部46が形成されている。第1突出部44及び第2突出部46が突出した向きは、固定された支柱12に向かう向きである。第1突出部44及び第2突出部46は、長手方向に沿って連続的に形成されている。また、第1突出部44及び第2突出部46の前後方向の位置は互いに異なっており、第2突出部46は、第1突出部44に比べて後寄りの位置に形成されている。第1突出部44及び第2突出部46は、例えば絞り加工によって形成されている。なお、第1突出部44及び第2突出部46は、長手方向に沿って連続的に形成されたものに限るものではなく、長手方向に沿って断続的に形成されたものであってもよい。
支柱12の側部には、外側から凹んだ溝が形成されている。具体的には、第1突出部44に対向する部分に、第1溝14が形成されており、第2突出部46に対向する部分に、第2溝15が形成されている。第1溝14及び第2溝15は、支柱12の先端から長手方向に沿って連続して形成されている。支柱12の断面内での第1溝14の前後方向の長さは、第1突出部44の第2板状部材43内面での前後方向の長さを超過する長さになっており、第2溝15の前後方向の長さは、第2突出部46の第3板状部材45内面での前後方向の長さを超過する長さになっている。第2溝15は、第1溝14に比べて後寄りの位置に形成されている。また、支柱12の第1溝14が形成された側部には、第1溝14よりも後側に溝は形成されておらず、支柱12の第2溝15が形成された側部には、第2溝15よりも前側に溝は形成されていない。
支柱12は、開口部を前へ向けた向きで固定部4へ下から挿入される。第1溝14は、開口部を前へ向けて支柱12が固定部4へ挿入された場合に第1突出部44と係合する位置に形成されている。同様に、第2溝15は、第2突出部46と係合する位置に形成されている。第1溝14が第1突出部44と係合し、第2溝15が第2突出部46と係合することによって、支柱12は固定部4に内嵌する。支柱12が固定部4に内嵌することで、軸方向に直交する断面内で支柱12の位置が定まる。第1板状部材41の後からビスが螺入され、支柱12が固定部4に確実に固定される。
図7に示すように、二つの固定部4の間では、固定された支柱12に対する第2板状部材43及び第3板状部材45の位置が互いに左右逆になっている。即ち、一方の固定部4では、支柱12の右側に第2板状部材43があり左側に第3板状部材45があるのに対し、他方の固定部4では、支柱12の左側に第2板状部材43があり右側に第3板状部材45がある。このため、第1突出部44及び第2突出部46の位置も、二つの固定部4の間で左右逆になっている。また、固定部4の形状に応じて、二つの支柱12では、第1溝14及び第2溝15が形成された側部の位置が互いに左右逆になっている。即ち、一方の支柱12では、右側部に第1溝14があり左側部に第2溝15があるのに対し、他方の支柱12では、左側部に第1溝14があり右側部に第2溝15がある。
仮に、使用者が二つのスタンド1を左右逆の位置に取り付けようとした場合は、支柱12の第1溝14及び第2溝15は固定部4の第1突出部44及び第2突出部46と係合する位置には無い。このため、支柱12は第1突出部44及び第2突出部46に干渉して固定部4へ挿入されない。支柱12が挿入されないので、支柱12を固定することができない。従って、使用者は、スタンド1を取り付けることができない。このようにして、二つのスタンド1が左右逆に取り付けられることが防止されている。
また、支柱12の開口部を横へ向けた状態で使用者がスタンド1を取り付けようとした場合は、支柱12は第1突出部4又は第2突出部46に干渉して固定部4へ挿入されない。また、支柱12の開口部を後へ向けた状態で使用者がスタンド1を取り付けようとした場合は、支柱12の後部が開口しているので、後からビスを螺入することができず、支柱12を固定することができない。このようにして、支柱12の開口部を前へ向けた向き以外の向きでスタンド1が筐体2に取り付けられることが防止されている。なお、支柱12の開口部を後へ向けた状態では、第1溝14が第2突出部46に係合せず第2溝15が第1突出部44に係合しないように、第1突出部44及び第2突出部46の位置を定めてあってもよい。この場合は、支柱12の開口部を横へ向けた状態では、支柱12は固定部4へ挿入されず、スタンド1が取り付けられることが防止される。
以上のように、表示装置では、二つのスタンド1が正しい位置とは逆の位置に取り付けられること、及び誤った向きでスタンド1が筐体2に取り付けられることが防止される。従って、筐体2に取り付けられたスタンド1は筐体2を適切に支持することが可能であり、表示装置の転倒が防止される。
図5及び図6に示すように、固定部4は、長手方向に対称に形成されている。即ち、固定部4の形状は、長手方向に固定部4を二等分する面に対して面対称になっている。例えば、固定部4は二つの貫通孔42を備え、一端から一方の貫通孔42までの距離と、他端から他方の貫通孔42までの距離とは同一になっている。二つの固定部4は、同一の形状であり、上下を互いに逆にして配置されている。これによって、二つの固定部4の間で、第2板状部材43及び第3板状部材45の位置が互いに左右逆になっている。即ち、二つの固定部4は、共通の部品であり、しかも、二つのスタンド1が左右逆に取り付けられることを防止することができる形状になっている。二つの固定部4が共通の部品であるので、表示装置の製造コストは抑制される。従って、表示装置は、製造コストを抑制しながらも、二つのスタンド2が左右逆に取り付けられることを防止することが可能となる。
なお、固定部4は、面対称になった構成に限るものではない。例えば、固定部4は、非対称な位置に三個以上の貫通孔を備え、いずれかの貫通孔がねじ孔13に対応するようになっていてもよい。また、第1突出部4及び第2突出部46も、面対称ではなくてもよい。第1突出部4及び第2突出部46が面対称でなくとも、固定部4の長手方向に沿った形状であれば、上下逆にして配置した二つの固定部4の夫々に支柱12が挿入されることが可能である。また、第1板状部材41に形成された貫通部分は、貫通孔に限るものではない。例えば、固定部4は、ビスが貫通できる貫通溝が第1板状部材41に形成されている形態であってもよい。
<実施形態2>
図8は、実施形態2に係る固定部4及び支柱12の断面図である。図8は、支柱12が固定部4に固定された状態を示し、支柱12の軸方向に直交する断面を示している。実施形態1では、支柱12の前側が開口部になっている形態を示したが、実施形態2では、支柱12は開口部を有していない。本実施形態では、支柱12は、四角筒状になっており、第1溝14及び第2溝15が形成されている。二つの支柱12では、第1溝14及び第2溝15が形成された側部の位置が互いに左右逆になっている。また、支柱12の前側にはねじ孔が形成されていないことが望ましい。支柱12以外の表示装置の各部の構成は、実施形態1と同様である。
本実施形態においても、二つのスタンド1が左右逆に取り付けられることが防止されている。また、支柱12の前側にねじ孔が形成されていないことによって、支柱12の前後を逆にして使用者がスタンド1を取り付けようとした場合に支柱12を固定することができない。このようにして、スタンド1が間違った向きで筐体2に取り付けられることが防止されている。従って、本実施形態においても、表示装置は、製造コストを抑制しながらも、二つのスタンド2が左右逆に取り付けられることを防止することが可能となる。
<実施形態3>
図9は、実施形態3に係る固定部4及び支柱12の断面図である。図9は、支柱12が固定部4に固定された状態を示し、支柱12の軸方向に直交する断面を示している。実施形態1では、支柱12の前側が開口部になっている形態を示したが、実施形態3では、支柱12の前側は開口部になっておらず、支柱12の両側部の一方が開口部になっている。支柱12の両側部の他方には、第1溝14が形成されている。第1溝14が第1突出部44と係合し、開口部が第2突出部46と対向することによって、支柱12は固定部4に内嵌する。二つの支柱12では、開口部になっている側部と、第1溝14が形成された側部との位置が互いに左右逆になっている。仮に、使用者が二つのスタンド1を左右逆の位置に取り付けようとした場合は、支柱12は第2突出部46に干渉して固定部4へ挿入されない。また、支柱12の前側にはねじ孔が形成されていないことが望ましい。支柱12以外の表示装置の各部の構成は、実施形態1と同様である。
本実施形態においても、二つのスタンド1が左右逆に取り付けられることが防止されている。また、支柱12の前側にねじ孔が形成されていないことによって、支柱12の前後を逆にして使用者がスタンド1を取り付けようとした場合に支柱12を固定することができない。このようにして、スタンド1が間違った向きで筐体2に取り付けられることが防止されている。従って、本実施形態においても、表示装置は、製造コストを抑制しながらも、二つのスタンド2が左右逆に取り付けられることを防止することが可能となる。なお、支柱12は、両側部の一方が開口部になっており、両側部の他方に第2溝15が形成されていてもよい。なお、支柱12は、両側部の一方が開口部になっており、両側部の他方に第2溝15が形成されていてもよい。
以上の実施形態1〜3においては、断面形状がU字状になった固定部4を備える形態を示したが、表示装置は、四角筒状に形成された固定部4を備える形態であってもよい。また、固定部4の第1突出部44及び第2突出部46が絞り加工によって形成された形態を示したが、固定部4は、第2板状部材43及び第3板状部材45の外面に第1突出部44及び第2突出部46に伴う凹みが形成されていない形態であってもよい。また、支柱12は角柱状に限るものではなく、円柱状であってもよい。
以上のように、本発明に係る表示装置は、前側に画像を表示する表示部(2)と、該表示部(2)の後に配置され、該表示部(2)を保持する保持体(5)と、支柱(12)を夫々に有する二つのスタンド(1)と、前記保持体(5)の後部に取り付けられており、夫々に前記支柱(12)の後側及び両横側を囲んで前記支柱(12)を前記保持体(5)に固定するための二つの固定部(4)とを備える表示装置において、前記二つの固定部(4)の夫々は、固定された前記支柱(12)の後に位置する第1板状部材(41)と、前記支柱(12)の両横の一方に位置し、前記支柱(12)へ向けて突出した第1突出部(44)が前記支柱(12)の軸方向に沿って形成された第2板状部材(43)と、前記支柱(12)の両横の他方に位置し、前記第1突出部(44)に比べて後寄りの位置で前記支柱(12)へ向けて突出した第2突出部(46)が前記支柱(12)の軸方向に沿って形成された第3板状部材(45)とを有し、前記二つの固定部(4)の間で、前記支柱(12)に対する前記第2板状部材(43)及び前記第3板状部材(45)の位置が互いに逆になっていることを特徴とする。
本発明に係る表示装置は、前記支柱(12)は、両側部の一方のみに、前記第1突出部(44)に係合する第1溝(14)が軸方向に沿って形成され、両側部の他方のみに、前記第2突出部(46)に係合する第2溝(15)が軸方向に沿って形成されており、前記二つのスタンド(1)の間で、前記第1溝(14)及び前記第2溝(15)が形成された前記支柱(12)の側部の位置が互いに逆になっていることを特徴とする。
本発明に係る表示装置は、前記第1板状部材(41)には、前記支柱(12)を固定するためのビスが貫通する貫通部分(42)が形成されており、前記支柱(12)の後側には、前記ビスが螺入されるねじ孔(13)が形成されており、前記支柱(12)の前側にはねじ孔が形成されていないことを特徴とする。
本発明に係るテレビジョン受信機は、本発明に係る表示装置と、テレビジョン放送を受信する受信部とを備え、前記受信部で受信したテレビジョン放送に基づいて前記表示装置で映像を表示するようにしてあることを特徴とする。
本発明においては、テレビジョン受信機としても用いられる表示装置は、表示部(3)と、表示部(3)を保持する保持体(5)と、支柱(12)を有する二つのスタンド(1)と、支柱(12)を固定するための固定部(4)とを備える。固定部(4)は、固定された支柱(12)の後に位置する第1板状部材(41)と、支柱(12)の両横に位置する第2板状部材(43)及び第3板状部材(45)とを有する。第2板状部材(43)には、支柱(12)へ向けて突出した第1突出部(44)が形成され、第3板状部材(45)には、第1突出部(44)に比べて後寄りの位置で突出した第2突出部(46)が形成されている。二つの固定部(4)の間で、第2板状部材(43)及び第3板状部材(45)の位置が互いに逆になっている。支柱(12)の形状によっては、二つのスタンド(1)を左右逆に取り付けようとした場合に、支柱(12)の形状が固定部(4)の第1突出部(44)及び第2突出部(46)の形状に合わず、取り付けができない。また、固定部(4)の形状は、一方の固定部(4)の支柱(12)の軸方向に沿った向きを逆にすると他方の固定部(4)になるようになっており、二つの固定部(4)は共通の部品である。
また、本発明においては、支柱(12)の一方の側部のみに、第1突出部(44)に係合する第1溝(14)が形成され、他方の側部のみに、第2突出部(46)に係合する第2溝(15)が形成されている。二つのスタンド(1)の間で、第1溝(14)が形成された側部と第2溝(15)が形成された側部との位置は互いに逆になっている。二つのスタンド(1)を左右逆に取り付けようとした場合には、支柱(12)の第1溝(14)及び第2溝(15)が固定部(4)の第1突出部(44)及び第2突出部(46)に係合せず、取り付けができない。
また、本発明においては、支柱(12)の後側にはねじ孔(13)が形成されており、前側にはねじ孔は無い。支柱(12)は後ろからビス止めされて固定される。スタンド(1)を前後逆に取り付けようとした場合は、支柱(12)の後ろからビス止めをすることができず、取り付けができない。
<実施形態4>
図10は、実施形態4に係る表示装置の模式的正面図である。表示装置は、前後方向の長さが前後方向に直交する方向の長さに比べて著しく短い薄型に構成されている。表示装置は、液晶パネル又はELパネル等の表示パネルを含んだ表示部3を備えており、表示部3は表示パネルを用いて前面に映像を表示する。表示部3は、筐体2に収納されている。筐体2は、薄型の直方体状になっている。更に、表示装置は、筐体2を下側から支持する二つのスタンド6を備えている。表示装置は、更に、図示しない受信部、入出力インタフェース、映像処理部、スピーカ及び電源等の他の部品を備えており、本発明に係るテレビジョン受信機として構成されている。図示しない受信部は、テレビジョン放送を受信し、表示部3は、受信部で受信したテレビジョン放送に基づいた映像を表示する。なお、本発明に係るテレビジョン受信機は、表示装置と分離された受信部を備える形態であってもよい。また、本実施形態に係る表示装置は、テレビジョン受信機以外の表示装置であってもよい。
図11は、実施形態4に係る表示装置の後側を示す模式的斜視図である。図11には、スタンド6を筐体2に取り付ける前の状態を示している。筐体2は、表示装置の後面を構成するリアキャビネット21を含んでいる。スタンド6は、床面等の載置面に接する脚部61と、脚部61に固定されており、筐体2内に取り付けられる支柱部62とを有している。脚部61が載置面に接している状態では、支柱部62は載置面に対してほぼ垂直になっている。筐体2の下面には、二つの支柱部62を挿入されるための二つの挿入孔22が形成されている。各挿入孔22へ支柱部62が挿入され、リアキャビネット21の後側からビス止めされて支柱部62が筐体2に固定される。
図12及び図13は、リアキャビネット21を外した実施形態4に係る表示装置の後側を示す模式的斜視図である。図12には、スタンド6を筐体2に取り付ける前の状態を示しており、図13には、スタンド6を取り付けた状態でリアキャビネット21を外した表示装置の後側を示している。実際には、スタンド6はリアキャビネット21が存在する状態で筐体2に取り付けられる。筐体2内には、表示部3を保持するシャーシ(保持体)5が備えられている。シャーシ5は、ほぼ板状に形成されており、後側から表示部3を保持する。シャーシ5の後側には、支柱部62を取り付けるための取付具7が設けられている。取付具7は、長尺の部材であり、長手方向に直交する断面がU字状に形成されている。取付具7は、前側がU字の開口側になるように、シャーシ5の後面に取り付けられている。取付具7の横方向の位置は、挿入孔22の位置に対応している。挿入孔22から筐体2内へ挿入された支柱部62は、取付具7及びシャーシ5の後面からなる四角筒状の部分に挿入され、挿入された支柱部62の後側及び両横側は取付具7に囲われ、前側はシャーシ5に囲われる。二つの取付具7は、二つの支柱部62が並列に挿入されるように、上下方向を長手方向として並列に配置されている。取付具7は、支柱部62の後側を覆う板状の後側部材71を有し、後側部材71には貫通孔72が形成されている。また、支柱部62にはねじ孔63が形成されている。支柱部62が取付具7に挿入された状態で、リアキャビネット21の後側からビスが螺入され、ビスがねじ孔63に螺合して、支柱部62は取付具7に固定される。このようにして、支柱部62はシャーシ5に取り付けられる。支柱部62がシャーシ5に取り付けられた状態では、スタンド6はシャーシ5を下側から支持する。
図14は、取付具7及び支柱部62の断面図である。図14は、支柱部62が取付具7へ挿入されて固定された状態を示す。また、図14は、取付具7及び支柱部62の長手方向に直交する断面を示している。図14中の下側が表示装置の前側に対応し、上側が表示装置の後側に対応する。前述したように、取付具7の断面は、前側を開口したU字状に形成されている。取付具7は、取り付けられた支柱部62の後側に位置する板状の後側部材71と、支柱部62の両横側に位置する板状の第1横側部材73及び第2横側部材75とを有している。支柱部62の前側にはシャーシ5が位置している。支柱部62の断面は、開口部64を有するU字状に形成されている。開口部64は、支柱部62の長手方向に沿って開口している。
取り付けられた支柱部62の両横側の一方に位置する第1横側部材73には、一部が外側から凹んで内側へ突出した第3突出部74が形成されている。また、支柱部62の両横側の他方に位置する第2横側部材75には、一部が外側から凹んで内側へ突出した第4突出部76が形成されている。第3突出部74及び第4突出部76が形成されていることによって、第1横側部材73及び第2横側部材75の外面の一部が凹んで溝状になっており、内面の一部が内側へ突出している。第3突出部74及び第4突出部76は、長手方向に沿って形成されている。図14に示すように、取り付けられた支柱部62の両横側に第3突出部74及び第4突出部76が形成されており、第3突出部74及び第4突出部76は対向している。前後方向の長さは、第3突出部74よりも第4突出部76の方が狭い。第3突出部74及び第4突出部76は、例えば絞り加工によって形成されている。
支柱部62の断面内で開口部64が開口した距離は、第3突出部74の第1横側部材73内面での前後方向の長さを超過する長さになっている。断面内で横方向の支柱部62の長さは、対向する第3突出部74及び第4突出部76の間の距離を超過しており、第1横側部材73及び第2横側部材75の両壁の第3突出部74及び第4突出部76が形成されていない内面間の距離未満である。また、断面内で前後方向の支柱部62の長さは、対向する第3突出部74及び第4突出部76の間の距離を超過している。また、支柱部62の開口部64とは反対側の位置に、外側から凹んだ凹部65が形成されている。凹部65は、支柱部62の先端から長手方向に沿って連続して形成されている。支柱部62の断面内での凹部65の前後方向の長さは、第3突出部74の第1横側部材73内面での前後方向の長さ未満であり、第4突出部76の第2横側部材75内面での前後方向の長さを超過する長さになっている。
支柱部62は、図14に示すように、開口部64を第1横側部材73へ向けた向きで取付具7へ挿入される。開口部64は、取付具7の内側で、第3突出部74を前後方向に挟む。凹部65は、開口部64が第3突出部74を挟むように支柱部62が取付具7へ挿入された場合に第4突出部76と係合するような位置に形成されている。即ち、凹部65は外側から凹んでいるので、第2横側部材75の内側へ突出した第4突出部76と係合する。開口部64が第3突出部74を挟み、凹部65が第4突出部76と係合することによって、支柱部62は取付具7に内嵌される。支柱部62が取付具7に内嵌されることで、長手方向に直交する断面内で支柱部62の位置が定まり、支柱部62が取付具7に確実に固定される。第3突出部74及び第4突出部76によって支柱部62の位置が定まるようになっているので、取付具7と支柱部62との間の隙間は、取付具7及び支柱部62の形状のみによって調整することができる。スタンド6のがたつきを抑える等の目的で隙間を調整する際は、取付具7及び支柱部62以外の部品に影響しないように調整が可能である。
凹部65を第3突出部74へ向けた向きで支柱部62を取付具7へ挿入しようとした場合は、凹部65の前後方向の長さが第3突出部74よりも短いので、支柱部62は第3突出部74と干渉して取付具7へ挿入できない。また、開口部64を前側又は後側へ向けた向きで支柱部62を取付具7へ挿入しようとした場合は、支柱部62の左右方向の長さは第3突出部74及び第4突出部76の間の距離を超過しているので、支柱部62は第3突出部74及び第4突出部76と干渉して取付具7へ挿入できない。従って、支柱部62は、開口部64を第3突出部74へ向けた向きのみで取付具7へ挿入されることが可能であり、他の向きでは取付具7へ挿入されない。このため、スタンド6が間違った向きで取り付けられることが防止される。
第3突出部74及び第4突出部76が取付具7に形成されていることによって、第3突出部74及び第4突出部76は取付具7を補強するリブとして作用する。このため、取付具7は、第3突出部74及び第4突出部76が形成されていない状態に比べて強度が向上している。強度が向上した取付具7に支柱部62が固定されるので、スタンド6が筐体2を支持してなる表示装置全体の剛性が確保される。また、二つの取付具7は、取り付けられた支柱部62に対する第1横側部材73及び第2横側部材75の横側の位置が互いに逆になるように構成されている。具体的には、二つの取付具7はいずれも、シャーシ5の端に近い側に第1横側部材73が位置し、シャーシ5の中央に近い側に第2横側部材75が位置するように構成されている。これに合わせて、図12及び図13に示すように、二つのスタンド6は、支柱部62の開口部64及び凹部65の位置が互いに逆になるように構成されている。具体的には、二つの支柱部62はいずれも、シャーシ5の端に近い側に開口部64が位置し、シャーシ5の中央に近い側に凹部65が位置するように構成されている。このような構成によって、二つの取付具7及び支柱部62の構造がシャーシ5の中央を中心として左右対称となる。これにより、二つの取付具7及び支柱部62に対する外力の作用も左右対称となり、二つのスタンド6はシャーシ5をバランス良く支持することができる。なお、二つの取付具7は、シャーシ5の中央に近い側に第1横側部材73が位置し、シャーシ5の端に近い側に第4突出部76が位置するように構成され、二つの支柱部62は、シャーシ5の中央に近い側に開口部64が位置し、シャーシ5の端に近い側に凹部65が位置するように構成されていてもよい。
本実施形態に係る表示装置の剛性を検証するために、本実施形態に係る表示装置と他の形状の取付具を備えた表示装置とを比較した。取付具の強度を確保するためには、一部を切り欠いて折り曲げることが考えられる。そこで、本実施形態に係る表示装置と切り欠きを設けた取付具を備えた表示装置との構造解析を行い、剛性を比較した。図15A及び図15Bは、実施形態4に係る取付具7と比較対象の取付具とを示す模式的斜視図である。図15Aは取付具7を示し、図15Bは比較対象の取付具を示す。図15Bに示す比較対象の取付具には、第3突出部74及び第4突出部76が形成されておらず、内面が対向する二つの板状の横側部材に長手方向に沿って切込みを入れ、横側部材の一部が内側へ折り曲げられている。折り曲げられた部分は、横側部材の面と交差しており、取付具の強度を向上させる役割を果たしている。
図16は、構造解析のための条件を説明する説明図である。図16には、リアキャビネット21を外した表示装置の模式的な斜視図を示している。構造解析では、二つの取付具を備え二つのスタンド6で筐体2を支持した表示装置に対して、所定箇所に所定強度の外力を所定の向きに加え、外力が加わった部分の変位量をシミュレーションした。本実施形態に係る表示装置と比較対象の表示装置とで、取付具以外の構造は同じである。構造解析は、外力が異なる三つの条件について行った。第1の条件は、表示装置の上面中央に前向きの外力100Nを加える条件であり、図16中に外力を(1)で示す。第2の条件は、表示装置の上面中央に後向きの外力100Nを加える条件であり、図16中に外力を(2)で示す。第3の条件は、表示装置の上面の一端に下向きの外力100Nを加える条件であり、図16中に外力を(3)で示す。夫々の条件で構造解析を行い、表示装置の外力が加わった部分の変位量を計算した。
図17は、構造解析の結果を示す図表である。本実施形態に係る表示装置と図15Bに示す切り欠きを設けた取付具を備える比較対象の表示装置とについて、夫々の条件に従った外力を加えた部分の最大変位量をmmの単位で示している。図17中に(1)で示した第1の条件と、(2)で示した第2の条件とでは、どちらの表示装置でも最大変位量は20mmであり、差は確認できなかった。図17中に(3)で示した第3の条件では、本実施形態に係る表示装置での最大変位量は11mmであり、比較対象の表示装置での最大変位量は13mmであり、本実施形態に係る表示装置での変位量が小さくなった。第3の条件では、取付具に、前後方向の軸回りに回転させる力が加わる。比較対象の取付具は、横側部材の切り欠いて折り曲げた部分以外の部分で力に耐える必要がある。これに対し、本実施形態に係る取付具7は、第1横側部材73及び第2横側部材75の全体で力に耐えればよい。本実施形態に係る表示装置では、比較対象に比べて、取付具7にかかる力がより分散されているので、変位量が小さくなると推測される。この構造解析の結果により、一部を切り欠いて折り曲げた取付具を備えた表示装置に比べて、第3突出部74及び第4突出部76を有する取付具7を備えた表示装置の方が剛性が高いことが明らかとなった。
<実施形態5>
本実施形態においては、取付具7は、長手方向に対称に形成されている。即ち、取付具7の形状は、長手方向に取付具7を二等分する面に対して面対称になっている。例えば、取付具7は二つの貫通孔72を備え、一端から一方の貫通孔72までの距離と、他端から他方の貫通孔72までの距離とは同一になっている。本実施形態では、二つの取付具7は、上下を互いに逆にしてシャーシ5に取り付けられている。長手方向に対称な二つの取付具7が互いに上下逆に取り付けられているので、実施形態4と同様に、二つの取付具7の第1横側部材73及び第2横側部材75の位置は互いに逆になっている。従って、二つの取付具7は共通の部品である。
また、支柱部62は、取付具7に取り付けられるときの前後方向に対称に形成されている。即ち、支柱部62の形状は、図14に示した形状と同様に、長手方向に沿って開口部64を二等分する面に対して面対称になっている。このため、一方の取付具7に取り付けられることが可能な支柱部62と同一形状の他の支柱部62は、前後を逆にして他方の取付具7に取り付けられることが可能である。従って、二つのスタンド6の支柱部62は共通の部品である。表示装置のその他の構成は実施形態4と同様である。
以上のように、本実施形態においては、二つの取付具7は共通の部品で構成され、二つの支柱部62も共通の部品で構成されている。従って、表示装置の製造コストは抑制される。
<実施形態6>
図18は、実施形態6に係る支柱部62の先端部分を示す模式的斜視図である。本実施形態においては、支柱部62には、先端の一部が延長し、中心側へ傾いた二つの延長部66が設けられている。延長部66は、開口部64及び凹部65以外の部分の一部が延長した部分である。二つの延長部66が中心側へ傾いていることにより、支柱部62の先端は先細りになっている。支柱部62の先端が先細りになっていることにより、支柱部62を取付具7に挿入する作業が容易となる。また、図15Aに示した取付具7と同様に、取付具7の第3突出部74及び第4突出部76は第1横側部材73及び第2横側部材75の端には形成されておらず、第1横側部材73及び第2横側部材75の両端からある程度離れた部分に第3突出部74及び第4突出部76が形成されている。このため、取付具7は、第3突出部74及び第4突出部76が形成されている部分に比べて、両端部分は内側がより広くなっている。取付具7の両端部分が広くなっていることにより、取付具7の端に支柱部62を挿入する作業が容易となる。表示装置のその他の構成は実施形態4と同様である。従って、本実施形態においては、筐体2にスタンド6を取り付ける作業が容易となり、作業者の負担が軽減される。実施形態6に係る表示装置の構成は、実施形態5に係る表示装置の構成と組み合わせることが可能である。
なお、以上の実施形態4〜6においては、断面形状がU字状になった取付具7を備える形態を示したが、本発明に係る表示装置は、四角筒状に形成された取付具を備える形態であってもよい。また、実施形態4〜6においては、取付具7の第3突出部74及び第4突出部76が絞り加工によって形成された形態を示したが、取付具7は、第1横側部材73及び第2横側部材75の外面に第3突出部74及び第4突出部76に伴う凹みが形成されていない形態であってもよい。また、実施形態4〜6においては、シャーシ5を二つのスタンド6で支持する形態を示したが、本発明に係る表示装置は、一つのスタンド6又は三つ以上のスタンド6でシャーシ5を支持する形態であってもよい。また、実施形態4〜6においては、一つのスタンド6が一つの支柱部62を有する形態を示したが、本発明に係る表示装置は、一つの脚部と複数の支柱部とを有するスタンドを備える形態であってもよい。また、スタンドは筐体2を上から吊り下げて支持する形態であってもよい。
以上のように、本発明に係る表示装置は、前側で映像を表示する表示部(3)と、該表示部(3)を保持する保持体(5)と、該保持体(5)の後部に沿って取り付けられる支柱部(62)を有し、前記保持体(5)を支持するスタンド(6)と、前記支柱部(62)の後側及び両横側を囲んで前記支柱部(62)を前記保持体(5)に取り付けるための取付具(7)とを備える表示装置において、前記取付具(7)は、取り付けられた前記支柱部(62)の後側に位置する板状の後側部材(71)と、前記支柱部(62)の両横側の一方に位置し、一部が内側へ突出した第3突出部(74)が前記支柱部(62)の長手方向に沿って形成された板状の第1横側部材(73)と、前記支柱部(62)の両横側の他方に位置し、前記第3突出部(74)よりも前後方向に短い長さで一部が内側へ突出した第4突出部(76)が前記支柱部(62)の長手方向に沿って形成された板状の第2横側部材(75)とを有し、前記支柱部(62)は、前記第3突出部(74)を前後方向に挟むように、前記第3突出部(74)の前後方向の長さを超過する距離で先端から長手方向に沿って開口した開口部(64)と、該開口部(64)の反対側の位置に、前後方向の長さを前記第3突出部(74)より短く前記第4突出部(76)より長くして長手方向に沿って凹んでおり、前記第4突出部(76)に係合する凹部(65)とを有することを特徴とする。
本発明に係る表示装置は、夫々に前記支柱部(62)を有する前記スタンド(6)を二つ備えるか、又は前記スタンド(6)が二つの前記支柱部(62)を有し、二つの前記取付具(7)が前記保持体(5)の後部に並列に設けられており、二つの前記取付具(7)は、夫々に取り付けられた前記支柱部(62)に対する前記第1横側部材(73)及び前記第2横側部材(75)の横方向の位置が互いに逆になっていることを特徴とする。
本発明に係る表示装置は、前記取付具(7)は、取り付けられた前記支柱部(62)の長手方向に対称な形状であり、前記支柱部(62)は、取り付けられた状態の前後方向に対称な形状であることを特徴とする。
本発明に係る表示装置は、前記第1横側部材(73)及び前記第2横側部材(75)は、端を含まない部分に前記第3突出部(74)及び前記第4突出部(76)が形成されており、前記支柱部(62)は、先端の一部が他の部分よりも延長し、中心側へ傾いた複数の延長部(66)を有することを特徴とする。
本発明に係るテレビジョン受信機は、本発明に係る表示装置と、テレビジョン放送を受信する受信部とを備え、前記受信部で受信したテレビジョン放送に基づいて前記表示装置で映像を表示するようにしてあることを特徴とする。
本発明においては、テレビジョン受信機としても用いられる表示装置は、表示部(3)を保持する保持体(5)に取り付けられる支柱部(62)を有し保持体(5)を支持するスタンド(6)と、支柱部(62)の後側及び両横側を囲んで支柱部(62)を取り付けるための取付具(7)とを備える。取付具(7)は、支柱部(62)の両横側の一方に、内側へ突出した第3突出部(74)が長手方向に形成された第1横側部材(73)と、第3突出部(74)よりも前後方向に短い第4突出部(76)が長手方向に形成された第2横側部材(75)とを有する。支柱部(62)には、第3突出部(74)の前後方向の長さを超過する距離で開口した開口部(64)が長手方向に沿って形成され、反対側の位置に、前後方向に第3突出部(74)より短く第4突出部(76)より長い長さで外側から凹んだ凹部(65)が形成されている。支柱部(62)の取り付け時には、開口部(64)が第3突出部(74)を挟み、凹部(65)が第4突出部(76)と係合することで、支柱部(62)の位置が固定される。支柱部(62)を逆向きに取り付けようとした場合は、凹部(65)が第3突出部(74)と干渉し、取付ができない。取付具(7)は、第3突出部(74)及び第4突出部(76)が形成されていることによって強度が向上しており、強度が向上した取付具(7)で支柱部(62)が取り付けられていることによって、スタンド(6)が保持体(5)を支持してなる表示装置全体の剛性が確保される。
また、本発明においては、保持体(5)に設けられた並列な二つの取付具(7)に二つの支柱部(62)が取り付けられる。二つの取付具(7)は、第1横側部材(73)及び第2横側部材(75)の位置が互いに逆になっている。このため、取り付けられた二つの支柱部(62)は、開口部(64)及び凹部(65)の位置が互いに逆になる。二つの取付具(7)及び支柱部(62)の構造が左右対称となり、保持体(5)は二つのスタンド(6)によりバランス良く支持される。
また、本発明においては、取付具(7)は長手方向に対称な形状であり、支柱部(62)は取り付け時の前後方向に対称な形状である。二つの取付具(7)は、上下を互いに逆にしてシャーシ(5)に取り付けることで、共通の部品とすることができる。また、一方の取付具(7)に取り付けられることが可能な支柱部(62)は、前後を逆にして他方の取付具(7)に取り付けられることが可能であり、二つの支柱部(62)は共通の部品とすることができる。
また、本発明においては、第3突出部(74)及び第4突出部(76)は第1横側部材(73)及び第2横側部材(75)の端を含まない部分に形成されている。また支柱部(62)の先端には、先細りになるように複数の延長部(66)を設けている。取付具(7)の端が広く、支柱部(62)の先端が細いので、支柱部(62)を取付具(7)へ挿入して取り付ける作業が容易である。
(付記1)
前側で映像を表示する表示部と、該表示部を保持する保持体と、該保持体の後部に沿って取り付けられる支柱部を有し、前記保持体を支持するスタンドと、前記支柱部の後側及び両横側を囲んで前記支柱部を前記保持体に取り付けるための取付具とを備える表示装置において、
前記取付具は、
取り付けられた前記支柱部の後側に位置する板状の後側部材と、
前記支柱部の両横側の一方に位置し、一部が内側へ突出した第1突出部が前記支柱部の長手方向に沿って形成された板状の第1横側部材と、
前記支柱部の両横側の他方に位置し、前記第1突出部よりも前後方向に短い長さで一部が内側へ突出した第2突出部が前記支柱部の長手方向に沿って形成された板状の第2横側部材とを有し、
前記支柱部は、
前記第1突出部を前後方向に挟むように、前記第1突出部の前後方向の長さを超過する距離で先端から長手方向に沿って開口した開口部と、
該開口部の反対側の位置に、前後方向の長さを前記第1突出部より短く前記第2突出部より長くして長手方向に沿って凹んでおり、前記第2突出部に係合する凹部とを有すること
を特徴とする表示装置。
(付記2)
夫々に前記支柱部を有する前記スタンドを二つ備えるか、又は前記スタンドが二つの前記支柱部を有し、
二つの前記取付具が前記保持体の後部に並列に設けられており、
二つの前記取付具は、夫々に取り付けられた前記支柱部に対する前記第1横側部材及び前記第2横側部材の横方向の位置が互いに逆になっていること
を特徴とする付記1に記載の表示装置。
(付記3)
前記取付具は、取り付けられた前記支柱部の長手方向に対称な形状であり、
前記支柱部は、取り付けられた状態の前後方向に対称な形状であること
を特徴とする付記2に記載の表示装置。
(付記4)
前記第1横側部材及び前記第2横側部材は、端を含まない部分に前記第1突出部及び前記第2突出部が形成されており、
前記支柱部は、先端の一部が他の部分よりも延長し、中心側へ傾いた複数の延長部を有すること
を特徴とする付記1から3までのいずれか一つに記載の表示装置。
(付記5)
付記1から4までの何れか一つに記載の表示装置と、
テレビジョン放送を受信する受信部とを備え、
前記受信部で受信したテレビジョン放送に基づいて前記表示装置で映像を表示するようにしてあること
を特徴とするテレビジョン受信機。
1、6 スタンド
11 脚部
12 支柱
13 ねじ孔
14 第1溝
15 第2溝
2 筐体
3 表示部
4 固定部
41 第1板状部材
42 貫通孔(貫通部分)
43 第2板状部材
44 第1突出部
45 第3板状部材
46 第2突出部
5 シャーシ(保持体)
61 脚部
62 支柱部
64 開口部
65 凹部
66 延長部
7 取付具
71 後側部材
73 第1横側部材
74 第3突出部
75 第2横側部材
76 第4突出部

Claims (4)

  1. 前側に画像を表示する表示部と、該表示部の後に配置され、該表示部を保持する保持体と、支柱を夫々に有する二つのスタンドと、前記保持体の後部に取り付けられており、夫々に前記支柱の後側及び両横側を囲んで前記支柱を前記保持体に固定するための二つの固定部とを備える表示装置において、
    前記二つの固定部の夫々は、
    固定された前記支柱の後に位置する第1板状部材と、
    前記支柱の両横の一方に位置し、前記支柱へ向けて突出した第1突出部が前記支柱の軸方向に沿って形成された第2板状部材と、
    前記支柱の両横の他方に位置し、前記第1突出部に比べて後寄りの位置で前記支柱へ向けて突出した第2突出部が前記支柱の軸方向に沿って形成された第3板状部材とを有し、
    前記二つの固定部の間で、前記支柱に対する前記第2板状部材及び前記第3板状部材の位置が互いに逆になっていること
    を特徴とする表示装置。
  2. 前記支柱は、両側部の一方のみに、前記第1突出部に係合する第1溝が軸方向に沿って形成され、両側部の他方のみに、前記第2突出部に係合する第2溝が軸方向に沿って形成されており、
    前記二つのスタンドの間で、前記第1溝及び前記第2溝が形成された前記支柱の側部の位置が互いに逆になっていること
    を特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記第1板状部材には、前記支柱を固定するためのビスが貫通する貫通部分が形成されており、
    前記支柱の後側には、前記ビスが螺入されるねじ孔が形成されており、
    前記支柱の前側にはねじ孔が形成されていないこと
    を特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。
  4. 請求項1から3までの何れか一つに記載の表示装置と、
    テレビジョン放送を受信する受信部とを備え、
    前記受信部で受信したテレビジョン放送に基づいて前記表示装置で映像を表示するようにしてあること
    を特徴とするテレビジョン受信機。
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