JP6227846B2 - 細胞保持容器及びそれを用いた細胞培養方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ゴム材料で形成された弾性体上に誘導性多能性幹細胞(iPS細胞)や胚性幹細胞(ES細胞)を、凝集させて細胞集塊を形成したり培養したりする細胞保持容器、及びそれを用いた細胞培養方法に関するものである。
従来から接着細胞や浮遊細胞など様々な細胞の継代培養が行われている。例えば、接着細胞は、培養容器に接着して増殖した細胞を、セルスクレーパーやピペッティングなどを用いた物理的方法や酵素を用いた生理学的方法により剥離して、新鮮な培地を含む新たな培養容器に播種し、継代することで培養される。なかでも接着細胞である多能性幹細胞は、単一細胞化すると細胞死を起こし易いため、細胞塊の状態で継代する必要があり、例えば、多能性幹細胞をコロニーとして剥離し、ピペッティングなどで適当な大きさの細胞塊に砕き、その後新しい培養容器に播種されて継代培養される。
この様な継代培養において、物理的方法である剥離手段を用いた場合では、非常に大きなダメージを細胞へ与えてしまう問題が生じる。一方、生理学的方法である剥離手段を用いた場合では、物理的方法ほどでは無いが細胞にダメージを与え、さらに細胞に対する酵素反応が不均一であったり単一細胞まで分化させると細胞が死滅したりする問題が生じる。また、ピペッティング作業を行う場合、細胞塊の大きさが変化したり、均等な細胞塊が得難かったりすることで、継代後の培養において生じるコロニーの大きさがばらつく問題が生じる。この様な各コロニーの大きさのばらつきは、一部が一定の大きさに達したとしても他のコロニーが十分に培養されていない状態を引き起こし、細胞の品質管理に悪影響を与え、生産効率の低下を招く原因となる。
これらの剥離手段による細胞へのダメージや継代培養におけるコロニーの不均一を改善するものとして、例えば、特許文献1に生体高分子からなるナノファイバーを含有してなる多能性幹細胞の維持増幅培養用基材及びそれを用いた培養方法が開示されている。この基材を用いることで、継代時に酵素処理を行うことなくわずかなピペッティング操作のみで単一細胞まで分散させることができ、細胞死の割合を抑制しつつ均一化された細胞を得ることが可能となる。
また、この多能性幹細胞は、分化し易く、一度分化を開始すると未分化状態に戻すことが困難なため、細胞を分化し易い状態に変化させずに維持培養することを必要とする。さらに、培養中に細胞が分化を開始した場合には、周囲の細胞に悪影響を及ぼしたり、未分化細胞の収率や純度を低下させたりするため、分化を開始した細胞を培養容器から除去する必要がある。
細胞培養には、開放系培養と閉鎖系培養とが用いられ、ディッシュを用いた通常の開放系培養では、培地の交換や継代培養において、ディッシュの蓋を開けて作業が行われるため、アスピレータやマイクロピペットをディッシュに挿入し、分化を開始した細胞を吸引除去することができる。開放系培養は、安価で操作性に優れ、研究用として有用である。一方、閉鎖系培養では、アスピレータを挿入することができないため、培養途中で分化を開始した細胞を選択的に除去することは困難である。その反面、閉鎖系培養は、開放系培養に比べてコンタミネーションの発生率や感染リスクを軽減させることが可能であるため医療用として有用であり、簡便な操作により分化を開始した細胞を選択除去することが可能な技術や構造が望まれている。
閉鎖系培養においても選択的な細胞の除去や回収を可能とする方法として、例えば特許文献2に、高周波振動により接着面から領域選択的に細胞を剥離させる方法が開示されている。この方法によれば、閉鎖系又は開放系の培養容器の接着面から非接触的な手段で選択的に細胞を剥離させることが可能となる。
また、閉鎖系培養及び開放系培養を問わずマルチプレートのように細胞集塊を形成させるための窪んだ凹みであるウェルが成型されている容器を用いた細胞培養方法及び継代培養では、そのウェル内の細胞を観察するため、視認性に優れたものを用いる必要がある。この細胞培養方法は、培養する細胞を分散させた細胞懸濁液を容器内に導入し、ウェル内に細胞を沈降させて播種し、細胞集塊を形成して、それを培養し、必要に応じてピペッティング操作や高周波振動や細胞剥離液の送液により培養した細胞を回収する方法である。さらに、これらの工程を繰返すことで継代培養することができる。
しかし、この様な予めウェルが成型された形状固定容器では、容器の凹凸形状により視認性が優れず、加えて細胞懸濁液を容器内に導入した際に気泡が噛み易い所為で、ウェル内に気泡と細胞とが存在することで細胞の定着位置が不安定な状態になったり、気泡により光の透過性や屈折率が変化したりして、さらに視認性を低下させるため、観察が困難となる問題を有している。
この様に従来種々の継代培養が行われているが、前記の問題を解消しつつ、さらに大量の多能性幹細胞の未分化状態を維持しつつ培養する維持培養や、容器の外方向からの細胞状態の観察や検査などを可能とし、より効率が良く、均一な継代培養に資するような容器及びその細胞培養方法が望まれている。
特開2013−247943号公報 特開2014−018185号公報
本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、細胞の保持が可能なゴム材料で形成された弾性体上で細胞集塊の形成や培養をすることができ、ダメージを与えることなく細胞の未分化状態を維持しつつ、効率良く均一な継代培養をすることができ、選択的な細胞の除去や回収が可能で、加工性が高く視認性に優れ外方向から細胞状態の観察や検査が可能な細胞保持容器及びそれを用いた細胞培養方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するためになされた、細胞保持容器は、幹細胞、前駆細胞、体細胞及び生殖細胞から選ばれる接着細胞と、血球系細胞、T細胞及びB細胞から選ばれる浮遊細胞との少なくとも何れかを含む細胞を保持する弾性体を有する細胞保持容器であって、前記弾性体が、付加架橋型シリコーンゴムを含有するゴム成分を含み前記細胞を保持できるゴム材料で、形成されており、前記弾性体が、変形可能な軟質部と、非変形性の硬質部とからなることを特徴とする。
前記細胞保持容器で保持される前記幹細胞が誘導性多能性幹細胞又は胚性幹細胞であると好ましい。
前記細胞保持容器は、細胞培養用であってもよい。
前記細胞保持容器は、前記付加架橋型シリコーンゴムに、乾式シリカ粉末及び/又は湿式シリカ粉末を含むフィラーが含有されていることが好ましい。
前記細胞保持容器は、前記付加架橋型シリコーンゴムに、乾式シリカ粉末及び/又は湿式シリカ粉末を含むフィラーが、全ゴム成分100質量部に対し5〜40質量部含有されていることが好ましい。
前記細胞保持容器は、前記弾性体が透明であることが好ましい。
前記細胞保持容器は、前記弾性体が、厚さを最大で0.1mm、硬さをショアA硬度で最大でA40/S、引張強さを最大で3.5MPaとすることが好ましい。
前記細胞保持容器は、前記弾性体の一部が、支持体と側壁とに挟まれ、それらを篏合して固定されていてもよい。
前記細胞保持容器は、前記弾性体が、外力を受けることによって、平板形状から窪んだ凹み及び/又は起伏した凸みを有する凹凸形状へ可逆的に変形してもよい。
前記細胞保持容器は、前記弾性体が、前記硬質部と、前記硬質部の各升目内又は格子内に存する前記軟質部とからなるものであってもよい。
前記細胞保持容器は、前記軟質部が、厚みを最大で0.1mmとすることが好ましい。
前記細胞保持容器は、前記弾性体の細胞接触面側が開放されていることが好ましい。
前記細胞保持容器は、前記ゴム成分が、エチレンプロピレンジエンゴム、フッ素ゴム、付加架橋型シリコーンゴム、及びフッ素エラストマーから選ばれる少なくとも何れかを含むものであってもよい。
前記の目的を達成するためになされた、細胞培養方法は、前記細胞保持容器を用いた細胞培養方法であって、幹細胞、前駆細胞、体細胞及び生殖細胞から選ばれる接着細胞と、血球系細胞、T細胞及びB細胞から選ばれる浮遊細胞との少なくとも何れかを含む細胞を分散させた細胞懸濁液を前記細胞保持容器に導入した後、前記細胞保持容器の弾性体を平板形状から窪んだ凹みを有する凹凸形状に変形する工程と、その凹みに前記細胞を播種して細胞集塊を形成した後、前記凹凸形状を前記平板形状に変形する工程とを有することを特徴とする。
本発明の細胞保持容器は、ゴム成分として少なくとも付加架橋型シリコーンゴムを含むゴム材料で形成された弾性体の上で、誘導性多能性幹細胞や胚性幹細胞のような細胞を保持し、播種された細胞を凝集して細胞集塊を形成したり培養したりすることができ、またそれらを観察したり検査したりすることができる。この細胞保持容器の弾性体が平板形状及び凹凸形状の何れの状態であっても、細胞保持容器は視認性を低下させることがないため、開放系細胞保持容器であっても閉鎖系細胞保持容器であっても弾性体上に保持された細胞を、顕微鏡を用いて観察することができる。また、この細胞保持容器は、凹凸形状に成型又は変形された弾性体上で均一な大きさの細胞集塊を形成することができ、また細胞にダメージを与えることなく効率良く継代培養をすることができる。
この細胞保持容器は、弾性体の厚さを任意の形状への可逆的な変形が可能となる0.1mm以下とすることができ、その様な薄さであっても優れた加工性を示すことができる。それにより伸縮性に優れ、可逆的な変形が可能であり、任意の形状に変形することができるとともに、歪みなく元の形状に戻すことができる。また、その弾性体を任意のタイミングで可逆的に変形させることができるので、必要に応じて視認性の向上を図ることができ、さらに細胞保持容器内に気泡を混在させることなく、細胞を保持又は培養することができる。
本発明の細胞培養方法によれば、細胞にダメージを与えることなく細胞の未分化状態を維持しつつ、効率良く均一な継代培養をすることができる。また、この細胞培養方法によれば、細胞保持容器のウェル内に気泡を混入させることがなく、細胞の定着位置を安定化させて培養することができ、さらに選択的に細胞保持容器の弾性体の形状を変化させることができるため、視認性に優れ、外方向から培養前後や培養中における細胞状態の観察や検査をすることができる。
本発明を適用する細胞保持容器の模式斜視図及びそのA−A矢視模式断面図である。 本発明を適用する細胞保持容器の変形性弾性体における変形前後を示す模式斜視図である。 本発明を適用する細胞保持容器の別な変形性弾性体の模式平面図及びそのA−A矢視模式断面図である。 本発明を適用する細胞保持容器の別な変形性弾性体の模式平面図及びそのA−A矢視模式断面図である。 本発明を適用する細胞保持容器の別な変形性弾性体の模式平面図及びそのA−A矢視模式断面図である。 本発明を適用する別な細胞保持容器の模式斜視図である。 本発明を適用する別な細胞保持容器の模式平面図である。 図7におけるA−A矢視模式断面図である。 本発明を適用する細胞培養方法における細胞保持容器の弾性体を変形する工程を示す模式断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの形態に限定されるものではない。
本発明の細胞保持容器の一形態は、ゴム材料で形成された弾性体を有する開放系の細胞保持容器であって、誘導性多能性幹細胞(iPS細胞)や胚性幹細胞(ES細胞)のような万能細胞を弾性体上で保持し、細胞集塊の形成や培養や観察に用いるものである。
開放系細胞保持容器として、その一形態を示す図1を参照して説明する。
本発明の細胞保持容器1は、ゴム材料で形成された弾性体20と、その周囲を囲む側壁2と、弾性体20を固定する支持体7とを有するものである。この細胞保持容器1の弾性体20は、図1(a)及び(b)に示すように、その一部が支持体7と側壁2とに挟まれ、支持体7の溝8に側壁2が篏合することにより物理的に固定されているものである。
具体的には、細胞保持容器1は、溝8を有する枠状の支持体7の上にシート状の弾性体20を重ね、その上から支持体7の溝8に側壁2の一部を嵌め合せることで弾性体20を固定することができるというものである。弾性体20は、その弾性及び伸縮性により、歪んだり撓んだりすることなく適度な張りを有し、細胞を保持する細胞接触面21及びその反対側で外側となる細胞非接触面22を平面形状とする。細胞保持容器1は、その弾性体20の上で細胞を接着させて保持し、培養や観察や検査をすることができる。また、細胞保持容器1は、弾性体20を底部として、側壁2で囲われた細胞接触面21の一部に均一又は不均一な点状に細胞を保持させてもよく、側壁2で囲われた細胞接触面21の全面を浸漬して細胞を保持させたものであってもよい。保持した細胞を培養する際には、側壁2で囲われた内側が培養室4となる。このような細胞培養容器1は、細胞接触面21すなわち培養室4が開放された状態であり、煩雑な工程を必要とすることなく選択的な細胞の除去や回収が簡便であり、作業性が高いものである。さらにこの細胞培養容器1によれば、細胞にダメージを与えることなく、細胞状態を維持しつつ効率よく作業することができる。
細胞保持容器1を形成する弾性体20は、ゴム成分として少なくとも付加架橋型シリコーンゴムを含むゴム材料で形成されているものである。ゴム成分は、付加架橋型シリコーンゴムであってもよく、縮合型シリコーンゴムであってもよく、それらの少なくとも何れかのシリコーンゴムと、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、フッ素ゴム、及びフッ素エラストマーから選ばれる少なくとも一種とを含有していてもよい。これらのフッ素ゴムやフッ素エラストマーはゴム材料中に非溶融的に混練することができる。弾性体20は、加工性の観点から、ゴム成分として付加架橋型シリコーンゴムのみからなるものが好ましい。
付加架橋型シリコーンゴムとしては、具体的に、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製のLSR7005、LSR7030、LSR7060、LSR7070、LSR7080が挙げられる。
ゴム材料は、フィラーを含有していてもよい。フィラーを含有する場合は、付加架橋型シリコーンゴム中に含有されていることが好ましい。また、ゴム成分中に付加架橋型シリコーンゴム以外にエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、フッ素ゴム、又はフッ素エラストマーを含有する際には、フッ素ゴム及びフッ素エラストマー以外のゴム成分に含有されることが好ましい。例えば、ゴム材料中、フッ素ゴムやフッ素エラストマーを非溶融的に混練する際に、それ以外のゴム成分にフィラーを含有することができる。
フィラーとしては、例えば、乾式シリカ粉末、湿式シリカ粉末、これらの混合物などが挙げられる。ゴム成分として付加架橋型シリコーンゴムのみを用いる場合、乾式シリカ粉末が配合されているとより好ましい。これらのフィラーは、弾性体20上で培養する際に、安定して細胞を培養することができる。また、このゴム材料がフィラーを含有することで、後述する側壁のような他の部材との接着性を向上させることができる。なお、フィラーを用いない場合や乾式シリカを20phrまで用いる場合や湿式シリカを5phrまで用いる場合の細胞保持容器では培養性や視認性が極めて優れるが、湿式シリカを20phr以上用いる場合の細胞保持容器では視認性が幾分低下する。
フィラーの含有量は、フィラーの種類やゴム成分の種類により異なるが、全ゴム成分100質量部に対し、最大で40質量部であり、5〜40質量部であると好ましい。フィラーの含有量が40質量部を超えると培養性が低下し易い。乾式シリカ粉末を用いる場合は、培養性の観点から0〜20質量部であると好ましい。また、湿式シリカ粉末を用いる場合は、培養性の観点から0〜20質量部が好ましく、視認性の観点から0〜5質量部であると好ましい。ゴム成分中にEPDMを含む態様の場合には、乾式シリカ粉末を用いる場合、培養性の観点から0〜30質量部であると好ましい。また、湿式シリカ粉末を用いる場合、培養性の観点から0〜20質量部が好ましく、視認性の観点から0〜5質量部であると好ましい。
このようなゴム材料で形成された弾性体20は、位相差顕微鏡などを用いた顕微鏡観察を容易にする観点から透明で視認性に優れたものであることが好ましく、無色透明であることがより好ましい。透明性の観点からは、ゴム材料に添加されるフィラーは極力少ないことが好ましい。
弾性体20は、伸縮性を有し、細胞を保持することで細胞集塊の形成や培養や観察や検査をする際に、必要に応じて平面形状から凹凸形状に変形し、またそれらの変形を解消して元の形状に戻すことが可能で、可逆的に変形することができる。凹凸形状とは、弾性体20の一部に複数又は単数の凹みや凸みを有する形状である。例えば、弾性体20に対して、細胞接触面21から細胞非接触面22に向かい外力が加えられると、窪んだ凹みを有する凹凸形状に変形し、逆に、細胞非接触面22から細胞接触面21に向かい外力が加えられると、起伏した凸みを有する凹凸形状に変形する。必要に応じて任意の形状に変形可能であり、またその変形を容易に解消させ、歪みなく元の形状に戻ることができるため、状況に応じて、例えば、播種した細胞の細胞集塊を形成するため凹凸形状に変形させたり、培養細胞の観察や検査時に視認性を向上させるため凹凸形状を解消させたりすることができる。
具体的な変形の一例として、複数の軟質部24と硬質部23とからなる弾性体20の場合を例示する。例えば、図2に示すように、通常状態において、弾性体20の細胞接触面21及び細胞非接触面22はともに平面形状を示す。一方、その細胞接触面21に外力Pが与えられると、その硬質部23は変形せず、複数の軟質部24が外方向へと伸び、開口した四角錐の凹み25を形成して変形する。さらに、外力Pが解消されると、この変形は解消され、歪みなく元の形状に戻る。この様に形成された凹み25は、細胞を保持することができ、細胞集塊の形成や培養や観察をすることができる。
凹み25は、細胞集塊を形成させるためのウェルとして用いることができる。このウェルは、通常の細胞培養に用いるマルチプレートの培養室を区画するためのウェルと区別するために「マイクロウェル」と称すが、一辺又は直径1mm以上の開口部を有するウェルを除外することを意図する用語ではなく、一辺又は直径1mm以上の開口部を有するウェルが含まれる。また、以下、マイクロウェルを「凹み」と呼ぶことがある。
マイクロウェルは、細胞保持容器1に注入された細胞懸濁液の細胞が重力などにより沈降し、その沈降した細胞がウェルの底面に集まることで細胞集塊を形成することができる。マイクロウェルの形状は、沈降した細胞が集まる形状であり、その内周が底面に近づくほどすぼんだ形状を有していることが好ましい。例えば、錐形状、丸底、V底、及びU底を有していることが好ましく、四角錐であるとより好ましい。また、市販されているAggrewell(商標)(STEM CELL TECHNOLOGIES社製)のプレート底面に刻まれたマイクロウェルの形状であると好ましい。
マイクロウェルは、その斜面に鏡面磨きが施され、窪みの頂点である先端部が丸み形状であると好ましい。マイクロウェルの大きさは、作製したい細胞集塊に合わせて適宜選択することができ、作製したい細胞集塊の大きさより大きいものを選択することができる。
マイクロウェルの開口部の形状は、加工の容易性やウェルを大量に配置できる形状を考慮して適宜選択することができるが、例えば、三角形、四角形若しくは六角形などの多角形の形状又は円の形状を有することができる。
マイクロウェルの開口部の大きさは、形成させる細胞集塊の大きさにより選択することができる。例えば、直径100μm〜3mm、直径200μm〜800μm、又は直径400μm〜600μmの円と同等の面積を有する開口部を備えることができる。
形成させる細胞集塊は、一定の大きさに揃っていることが好ましく、形成させる細胞集塊の大きさを揃える観点からは、細胞保持容器1の弾性体20に形成させる複数のマイクロウェルは、その形状が均一であり、大きさが等しいことが好ましい。細胞を比較的均一にマイクロウェル中に分散させることが容易となり、結果として均一な大きさの細胞集塊を形成させることが可能となる。
細胞集塊を大量に取得可能とする観点では、マイクロウェルは、弾性体20に多数配置されていることが好ましく、隣り合うウェルの間に平坦な部分が存在しないように隙間無く又はウェルの間の隙間を最小限とするように並列し規則性を有し密に配置されていることが好ましい。また、細胞培養方法において形成した細胞集塊を培養面に均一に播種する観点から、マイクロウェルは平面上に等間隔で整列されていることが好ましい。
この様な変形性の弾性体20は、任意の形状に変形させることができ、図3に示すように複数の軟質部24と硬質部23とからなる弾性体20aであってもよく、図4に示すように一部の厚さが異なる弾性体20bであってもよく、図5に示すように複数の開口部29を形成する硬質フレーム26が付された弾性体20cであってもよい。
図3(a)は、変形箇所である軟質部24と非変形箇所である硬質部23とからなる弾性体20aの細胞非接触面22における模式平面図であり、そのA−A矢視における模式断面図を図3(b)に示す。例えば、細胞非接触面22を吸引する外力が加えられると、前記図2に示すように硬質部23は変形せず、例えばそれの各升目内又は格子内に存する複数の軟質部24a,24a,24a,24aが引付けられ窪んだ凹みを形成し外方向へと伸びて変形する。逆に細胞非接触面22を押圧する外力が加えられると、同じく硬質部23は変形せずに、軟質部24a,24a,24a,24aが押付けられ起伏した凸みを形成し内方向へと伸びて変形する。
同様に、図3(c)の模式断面図に示すように、変形により形成されるマイクロウェルの窪みの頂点である先端部(底端)を鋭くする観点から、非変形箇所である硬質部23と変形箇所である軟質部24とからなり、それらの硬度を徐々に変化させた弾性体20aであってもよい。軟質部24aから軟質部24bにかけて膜の硬度が徐々に低くなり、マイクロウェルの底端を形成する部分である軟質部24bで最も硬度が低くなり、そこから軟質部24aにかけて膜の硬度が徐々に高くなり、非変形箇所である硬質部23の硬度が最も高くなるよう加工することができる。前記と同様に、外力を受けると、例えば複数の升目状又は格子状であって矩形穴が開いた硬質部23は変形せず、軟質部24b,24b,24b,24bを凹みの頂点とし、軟質部24a,24a,24a,24a及び軟質部24b,24b,24b,24bが例えば四角錐状に変形する。硬質部23は縦横に並んだ円形穴が開きその穴が軟質部となったものであってもよい。
これらの硬質部23及び軟質部24を有する弾性体20は、弾性体20の硬度が調整されているものである。硬質部23は、軟質部24と同一のゴム材料で形成されていてもよいが、外力により形状変化を起こさないものであればよく、異なる部材であってもよい。また、このような弾性体20は、インサート成形手法などの公知の方法で形成することができる。
図4(a)は、変形箇所が例えば複数の升目状又は格子状の非変形箇所よりも薄くなるよう厚みに高低が形成された弾性体20bの細胞非接触面22における模式平面図であり、そのA−A矢視における模式断面図を図4(b)に示す。弾性体20bは、細胞接触面21が平らであり、細胞非接触面22が変形箇所と非変形箇所とで厚みが異なるように、変形箇所に薄手部27が形成され加工されているものである。例えば、細胞非接触面22を吸引する外力が加えられると、非変形箇所である厚手部28は変形せず、複数の薄手部27a,27a,27a,27aが引付けられ窪んだ凹みを形成し外方向へと伸びて変形する。逆に細胞非接触面22を押圧する外力が加えられると、同じく非変形箇所である厚手部28は変形せずに、薄手部27a,27a,27a,27aが押付けられ起伏した凸みを形成し内方向へと伸びて変形する。
同様に、図4(c)の模式断面図に示すように、変形により形成されるマイクロウェルの底端を鋭くする観点から、変形箇所と非変形箇所とで厚みが異なり、変形箇所から非変形箇所へと厚みを徐々に変化させた弾性体20bであってもよい。非変形箇所である厚手部28から凹みの頂点にかけて厚みが徐々に薄くなり、マイクロウェルの底端を形成する部分が最も薄くなるようにし、またそこから厚手部28にかけて徐々に厚くなるよう加工することができる。
図5(a)は、複数の開口部29を形成する例えば略矩形の硬質フレーム26が細胞非接触面22に付された弾性体20cの細胞非接触面22における模式平面図であり、そのA−A矢視における模式断面図を図5(b)に示す。硬質フレーム26が非変形箇所に該当し、その硬質フレーム26の開口部29に対応する領域が変形箇所に該当する。例えば、細胞非接触面22を吸引する外力が加えられると、開口部29に対応する領域が変形することができ細胞接触面21に窪んだ凹みを形成し外方向へと伸びて変形する。
弾性体20は、図3〜5に示すように、外力を受けることで可逆的に変形可能に形成された変形性弾性体を例示したが、予め金型による成形加工により凹凸形状や平面形状のような任意の形状となるように成型又は形成された非変形性弾性体であってもよい。
変形性又は非変形性の弾性体20の硬度は、ショアA硬度でA5/S〜A90/Sであることが好ましい。なかでも変形性弾性体20は、A40/S以下であると好ましく、A40/Sを超えると密着性が低下し易い。また、図3(b)及び(c)のように弾性体20の硬度を部分的に調整する場合、変形箇所の硬度はA5/S〜A30/Sで、非変形箇所の硬度はA50/S〜A90/Sであると好ましい。
変形性又は非変形性の弾性体20の厚みは、特に限定されないが、0.05mm〜2.00mmであることが好ましい。なかでも変形性弾性体20は、0.1mm以下であると好ましく、0.1mmを超える場合には変形し難くなる。図4(b)及び(c)のように弾性体20の厚みを部分的に調整する場合、変形箇所の厚みは0.05mm〜0.30mmで、非変形箇所の厚みは0.50mm〜2.00mmであると好ましい。
変形性の弾性体20の引張強さは、3.5MPa以下であると好ましく、3.5MPaを超えると前記のような外力を加える際に吸引し難くなる。
細胞保持容器1は、少なくとも底部の細胞接着面21がゴム材料で形成された弾性体20であればよく、底部、側壁2、及び支持体7がそれぞれ同一又は異なり、同様のゴム材料で形成されたゴム製であってもよく、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、及びアクリルのようなプラスチック材料で形成されたプラスチック製であってもよい。
細胞保持容器1は、溝を有する複数の升目状の支持体と、その溝に嵌め合せることができる升目状の側壁とを用いることで、細胞接触面21が複数に仕切られたものであってもよい。さらに、細胞保持容器1は、ゴム材料で形成され底部となる弾性体20と、その周囲を囲む側壁2とを有するシャーレのような平皿であってもよい。この細胞保持容器1は、平板形状の弾性体20と側壁2とをアクリル変性シリコーン樹脂のような接着剤を介して化学的に接着し固定することができる。細胞保持容器1の弾性体20は、前記と同様に細胞接触面21及び細胞非接触面22をともに平面形状とする。容器1の形状は特に限定されず、円形、楕円形、多角形など種々の形状が挙げられる。
細胞保持容器1は、弾性体20がiPS細胞やES細胞の接着培養用エラストマーであり、それらの少なくとも何れかの細胞を、凝集して細胞集塊を形成したり、培養したり、観察したり、検査したりする際に好適に用いられるが、その他の接着細胞や浮遊細胞であっても凝集・細胞集塊形成・培養・観察・検査に用いることができる。接着細胞としては、多能性幹細胞(Pluripotent stem cell)、幹細胞、前駆細胞、体細胞、生殖細胞が挙げられ、浮遊細胞としては、血球系細胞、T細胞、B細胞が挙げられる。浮遊細胞としては、T細胞、B細胞が好ましい。
本発明の細胞保持容器1は、図6で示されるように、ゴム材料で形成された弾性体20からなるプレートであり、上側である細胞接触面21が四角錐に窪んだ凹み25を複数有する凹凸形状で、下側である細胞非接触面22が平面形状のものであってもよい。この細胞保持容器1は、細胞接触面21側が開放されおり、弾性体20の凹み25に細胞を保持するもので、凹み25内に沈降させて播種した細胞を凝集し細胞集塊を形成したり培養したり、またそれらを観察したり検査したりすることができる。
弾性体20の細胞非接触面22は、平面形状に限られず、細胞接触面21に対応するような凹凸形状を有していてもよい。また、細胞非接触面22は、鏡面磨きが施されていると好ましい。この弾性体20は、変形性弾性体であってもよく非変形性弾性体であってもよい。
さらに別の細胞保持容器として、その一形態を示す図7及び図8を参照して説明する。図7は、細胞保持容器の上方における模式平面図であり、図8は、図7のA−A矢視における模式断面図を示すものである。
この細胞保持容器1は、注入口5及び排出口6を有し、弾性体20と側壁2とにより培養室4及び流路3が形成されているものである。細胞保持容器1は、平板形状の弾性体20上に、アクリル変性シリコーン樹脂のような接着剤を介して培養室4と流路3とを形成する側壁2を接着することで形成することができる。細胞培養容器1の培養室4は、弾性体20の内側面である細胞接触面21の表面のうち一部又は全部に細胞接着性を有することが好ましい。
培養室4には、細胞懸濁液のような細胞含有液や、培地となる細胞培養液が送液され充填される。また必要に応じて細胞剥離液や細胞回収液なども送液される。
細胞保持容器1は、複数の培養室4が流路3で連結されており、送液される液体の注入口5及び排出口6が形成されている。注入口5とは、送液される液体の入口であり、排出口6とは送液される液体の出口である。注入口5より送液された液体は、培養室4の両端に形成される流路3のうち何れか一方の流路3から培養室4に流入した後、他方の流路3から流出される。その後、次の培養室4へ流入し、それに繋がる流路3より流出され、一方向性の流れにより最終的に排出口6から排出される。この安定した一方向性の流れは、細胞保持容器1に細胞懸濁液を注入して培養室4に細胞を播種する際に、均一に播種することができるため好ましい。また、一方向性の安定した流れにより、播種した細胞を培養する際に送液する細胞培養液を均一に灌流することができる。
細胞保持容器1は、複数の培養室4が流路3で連結された形状に限られず、個々の培養室4が流路3を介してそれぞれ注入口5及び排出口6を備え、独立して形成されていてもよい。また培養室4が複数形成されたものに限られず、1つのみであってもよい。さらに注入口5と排出口6とは、必ずしも別々に設けられている必要はなく、一体として設けられていてもよい。
細胞保持容器1を形成する弾性体20は、細胞接触面21及び細胞非接触面22がともに平面形状を有する平板形状に形成された変形性弾性体であってもよく、予め金型により成形加工された非変形性弾性体であってもよい。
変形性の弾性体20の場合、少なくとも培養室4を形成する領域が変形可能なものである。この弾性体20は、前記と同様で図3〜図5に示されるような変形性弾性体20a,20b,20cを用いることができ、培養室4を形成する領域で、細胞を播種し細胞集塊を形成したり、培養したり、観察したり、検査したりする際に、必要に応じて平面形状から凹凸形状に変形し、またそれらの変形を解消して元の形状に戻すことが可能で、可逆的に変形することができる。例えば、弾性体20の細胞非接触面22から培養室4に向かう外力が加えられると、弾性体20のうち培養室4を形成する領域の一部又は全部が、培養室4に向けて起伏した凸みを有する凹凸形状に変形する。逆に、弾性体20の細胞接触面21から弾性体20の外方向へ向かう外力が加えられると、弾性体20のうち培養室4を形成する領域の一部又は全部が、培養室4に向けて窪んだ凹みを有する凹凸形状に変形する。必要に応じて任意の形状に変形可能であり、またその変形を容易に解消させ、歪みなく元の形状に戻るため、例えば、培養細胞の観察や検査時に凹凸形状を解消させることで視認性を向上させたり、状況に応じて凹凸形状を解消することで、培地、試薬、及び試料を節約したりすることができる。
一方、非変形性の弾性体20は、予め細胞接触面21が凹凸形状に成型されたものである。細胞非接触面22は、平面形状であってもよく、細胞接触面21に対応するような凹凸形状を有していてもよい。細胞接触面21の凹凸形状は、開口した四角錐の凹み25が細胞接触面21の培養室4を形成する領域に複数形成されているものである。この凹み25の斜面及び細胞非接触面22はそれぞれ鏡面磨きが施されていると好ましい。
このような細胞保持容器における変形性又は非変形性の弾性体20の凹み25は、前記に例示した細胞保持容器のマイクロウェルと同様であり、細胞を保持し、細胞集塊の形成や培養や観察や検査をすることができる。
側壁2は、弾性体20と同一又は同様のゴム材料で形成されていてもよく、別の材料で形成されていてもよい。また、側壁2は、顕微鏡観察の観点から、視認性に優れた透明であると好ましい。
弾性体20及び側壁2が、同様のゴム材料で形成される場合、そのゴム材料の屈折率と培養室4を満たす細胞培養液(培地)の屈折率との関係から、視認性が向上し、顕微鏡での観察がし易くなる。培養室4を満たす細胞培養液(培地)の殆どは水であり、その屈折率が1.33であるが、付加架橋型シリコーンゴムの屈折率は1.40〜1.43であり、細胞保持容器1の外方向から細胞培養の様子を直接視認することができ、顕微鏡などで観察し易くなる。
側壁2としては、ゴム材料で形成されたゴム製に限られず、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、アクリルなどで形成されたプラスチック製であってもよい。
細胞保持容器1の培養室4は、細胞を接着させる面が細胞接着性を有し、それ以外の面が細胞非接着性を有することが好ましい。培養室4は、そのウェルとなる形成され又は成型された凹み25の全部又は一部に細胞接着性を有することができ、その必要箇所に、選択的に細胞接着性が付与されていてもよい。培養室4は、凹み25の斜面に細胞接着性を有する場合、その斜面に細胞を定着させることができる。一方、培養室4は、凹み25の斜面に細胞接着性を有さない場合、斜面に細胞を定着させることなく凹み25の窪みの頂点に凝集させることができる。また、細胞を接着させる面以外の面において、選択的に細胞非接着性が付与されていてもよい。細胞を接着させる面以外の面において細胞の接着を防ぐことにより、細胞集塊を形成した後に、細胞集塊を効率良く剥離することができる。
細胞接着面は、細胞接着性コーティングにより細胞接着性を付与することができる。細胞接着性コーティングとしては、例えば、マトリゲル(商標)(日本ベクトン・ディッキンソン株式会社製)などの細胞接着性の基底膜マトリックスを用いると接着面に細胞接着性コーティングを施すことができる。市販のコーティング剤を用いるコーティング方法としては、周知の方法を用いることができる。また、紫外線(UV)、プラズマを照射することで細胞接着性を付与してもよい。
細胞非接着面は、細胞非接着コーティングにより細胞非接着性を付与することができる。細胞非接着コーティングとしては、細胞非接着性を有するコーティングであれば特に限定されず、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒロドキシプリピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロース類;ポリエチレンオキサイド;カルボキシビニルポリマー;ポリビニルピロリドン;ポリエチレングリコール;ポリ乳酸;ポリアクリルアミド、ポリN−イソプロピルアクリルアミドなどのポリアミド;キチン、キトサン、ヒアルロン酸、アルキド酸、デンプン、ペクチン、カラギーナン、グアーガム、アラビアゴム、デキストランなどの多糖類、及びこれらの細胞非接着性の誘導体によるコーティングが挙げられる。透明性が高く視認性がよいという観点では、ポリエチレングリコールが好ましい。
本発明の細胞保持容器1は、必要に応じて一時的に細胞接触面21や培養室4や流路3を覆うように着脱可能な蓋、シート、フィルム、プレート、基板などの被覆部材を有するものであってもよい。また、弾性体20の細胞接触面21に対向して培養室4及び流路3を封止して密閉するように平板形状の基板のような被覆部材が当接され着脱不可能に閉鎖的に接着された細胞保持容器であってもよい。この細胞保持容器1は、例えば平板形状の弾性体20とそれに対向して配置される平板形状の被覆部材である基板との間に、培養室4と流路3とを形成する側壁2が介在しつつ接着されているものである。弾性体20及び基板は、それぞれ培養室4を形成するものである。弾性体20の内側面及び基板の内側面の何れかの表面が細胞接着性を有することで、細胞接着面を有する培養室4を形成することができる。また、弾性体20の内側面及び基板の内側面の何れか一方の表面が細胞接着性を有し、他方の表面が細胞非接着性を有することで、細胞接着面と細胞非接着面とが対向して配置された培養室4を形成することができる。この細胞接着性は、弾性体20の内側面及び基板の内側面の何れかの表面のうち全部に付されていてもよく、一部に付されていてもよい。また、培養室4となる領域のうち全部に付されていてもよく、一部に付されていてもよい。
被覆部材は、弾性体20と同一又は同様のゴム材料で形成されたゴム製であってもよく、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、アクリルなどで形成されたプラスチック製であってもよい。被覆部材は、培養室4内の酸素濃度及び二酸化炭素濃度を保つ観点から、ガス透過膜であることが好ましく、例えば、市販品であって、細胞培養用のポリスチレン製ガス透過膜を用いることができる。ガス透過膜は、培養室4内の培地に酸素などを供給する上で重要な役割を果たす。また、被覆部材としてガス透過膜を用いた細胞保持容器1によると、細胞培養方法において培養した細胞を回収する際に、超音波振動により効果的に細胞を膜表面から剥離できるため、細胞の剥離方法に選択肢が増える点で有利である。
この細胞保持容器1の使用時には、培養室4及び流路3が細胞懸濁液や細胞培養液で満たされているため、弾性体20の変形にともない培養室4の容積が変動し、排出口6から排出し調節する必要がある。被覆部材が同様のゴム材料で形成される場合、弾性体20が凹凸形状に変形することによる培養室4の容積変動を、被覆部材が伸縮することにより吸収することができる。これにより、ゴム栓などを用いて注入口5及び排出口6を封止してから弾性体20を凹凸形状に変形させても、注入口5及び排出口6からの液漏れリスクを抑制できる。
本発明における細胞保持容器1は、ゴム材料で形成された弾性体20上で細胞を凝集し細胞集塊を形成したり、培養したり、観察や検査したりする細胞保持システムとして用いることができる。細胞保持システムとしては、細胞保持容器1とその弾性体20を変形させる変形手段とを備えていればよい。この細胞保持システムにより、接着細胞や浮遊細胞の細胞を弾性体20上に保持することができ、均一で効率の良い維持培養や継代培養をすることができる。
この細胞保持容器1を用いた細胞培養方法を以下に説明する。
本発明の細胞培養方法は、細胞を分散させた細胞懸濁液を細胞保持容器1に導入した後、その細胞保持容器1の弾性体20を平板形状から窪んだ凹み25を有する凹凸形状に変形する工程と、その弾性体20の変形により形成された凹みに細胞を播種して細胞集塊を形成した後、その凹凸形状を平板形状に戻すように弾性体20を変形する工程とを、順次行う方法である。
継代時に分散させた細胞90は、細胞塊(以下単に「細胞」ということがある)を含むものであってもよく、接着培養において、生理学的な剥離法や物理的な剥離法により、細胞接着面から剥離させた多能性幹細胞を用いることができる。
生理学的に多能性幹細胞を細胞接着面から剥離させる方法としては、周知の方法を用いることができ、例えば、酵素を用いる方法や、細胞剥離作用を有する化学物質を用いる方法が挙げられる。酵素は、常法で用いられる酵素を用いることができ、例えば、トリプシン、ディスパーゼ、アキュターゼ、コラゲナーゼなどが挙げられる。細胞剥離作用を有する化学物質としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)などの二価イオン(特にMg2+)のキレート剤などが挙げられる。これらの酵素や細胞剥離作用を有する化学物質は、単独で用いてもよく、併用して用いてもよい。
物理的に多能性幹細胞を細胞接着面から剥離させる方法としては、周知の方法を用いることができ、例えば、細胞の接着表面に高周波振動などの振動を与える方法や、セルスクレーパーを用いる方法が挙げられる。これらの生理学的剥離法や物理的剥離法は、適宜選択され、単独で又は組合せて用いることができる。
細胞塊は、単一細胞レベルにまで解離させることができる。細胞塊の解離は、細胞の培養面からの剥離と同時に行ってもよく、細胞塊として剥離させた後に行ってもよい。
細胞90の分散としては、接着面から剥離させた細胞が細胞塊の形状を保っている場合には、剥離させた細胞塊を、例えば、ピペッティングの水流により単一細胞レベルまでに解離させてから分散させることができる。「単一細胞レベルまで分散させる」とは、細胞塊1つ当たりに含まれる細胞数の平均が、1〜100個、好ましくは、1〜10個となるように細胞塊を解離させてから分散させることを意味し、完全に単一細胞にまで解離させてから分散させることを含むものとする。細胞塊は、完全に単一細胞にまで解離させてから分散させてもよく、大部分が単一細胞となるように解離させてから分散させてもよく、大部分が1〜100個、好ましくは、1〜10個の細胞からなる細胞塊となるように解離させてから分散させてもよい。分散後の細胞塊が大きい場合は、細胞塊をマイクロウェルに播種する際に、それぞれのマイクロウェルに播種される細胞数にばらつきが生じやすくなるため、分散後の細胞塊は小さい方が好ましい。
また、培養面から剥離させた細胞塊は、酵素を用いてさらに処理することにより単一細胞レベルにまで分散させてもよい。細胞を単一細胞レベルにまで解離させるために用いることができる酵素としては、周知のものを使用することができ、例えば、細胞−細胞間の結合を切断することのできる酵素や細胞−細胞外基質(ECM)間の結合を切断することのできる酵素を挙げることができる。酵素や水流を用いた細胞塊の解離は、自動化が可能である。
細胞を単一細胞レベルにまで解離させ分散させた後は、分散させた細胞90の懸濁液に、細胞90を分散させたことによる細胞死など細胞への悪影響を抑制する化合物、例えば、Y−27632などのROCK阻害剤を添加することができる。
分散させた細胞90の懸濁液を細胞保持容器1に導入した後、その弾性体20を変形させる工程としては、図9に示すように、弾性体20の外方にそれを変形させるための変形手段30を配置して細胞保持システムとし、減圧して弾性体20を吸引することで変形させることができる。同様に、形成された凹みに細胞を播種して細胞集塊を形成した後、凹凸形状を平板形状に戻すように弾性体20を変形する工程としては、減圧状態を解消することで弾性体20の変形を解除することができる。変形が解除された弾性体20は、細胞集塊を細胞接触面21に保持させたまま歪みなく元の平板形状に戻ることができ、変形を解除することで観察の際に視認性を大幅に向上させることができる。
変形手段30は、図9に示されるように、細胞保持容器1の弾性体20の細胞非接触面22に対向する面である凹凸面31に、接続される吸送気手段で吸気又は送気する吸送気口33を有し、かつ単数又は複数の凹み35を有するものである。細胞保持容器1の弾性体20の細胞非接触面22に対向する面である凹凸面31は、細胞非接触面22に向かい開口し、四角錐に窪んだ複数の凹み35が規則的に形成された凹凸形状であり、それら各凹み35の頂点(四角錐の頂点)に吸送気口33を有するものである。この凹凸面31は、その一部が細胞保持容器1の弾性体20の細胞非接触面22に接触することで、弾性体20との間に各凹み35からなる真空室を形成する。この真空室は、吸送気手段により減圧又は加圧されることで弾性体20の形状を変化させることができる。この真空室は、吸送気口33により吸気されることで減圧状態となり、また送気されることで加圧状態となる。吸送気手段は、真空室から空気を吸気することができ、また真空室へ空気を送気できるものであればよい。ここで、真空とは大気圧から減圧された状態を指す。
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
ポリスチレン製の培養容器に、弾性体として付加架橋型シリコーンゴム(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)のゴム材料で形成された厚さ0.05mmのゴム板をシリコーン系接着剤(セメダイン株式会社製、セメダインスーパーX)で接着して細胞保持容器とし、そのゴム板上に細胞を播種した。また、ゴム材料に添加するフィラーとして、湿式シリカ粉末(東ソー・シリカ株式会社製、ニップシールVN3)及び乾式シリカ粉末(日本アエロジル株式会社製、アエロジル200)を用いた。UV滅菌処理として、GL15滅菌ランプ(株式会社東芝製)を使用した。照射条件は、距離1mとし、照射時間を24時間とした。各ゴム板におけるUV処理の結果、顕微鏡による視認性、ゴム板の厚さが0.1mm以下における加工性、及び培養状況を顕微鏡で観察した結果を下記表1に示す。
(比較例1)
ゴム材料を付加架橋型シリコーンゴムからEPDM(JSR株式会社製)、フッ素ゴム(ダイキン工業株式会社製)に替えたこと以外は実施例1と同様の方法及び条件により細胞保持容器を作製し、細胞を播種した。各ゴム板におけるUV処理の結果、顕微鏡による視認性、加工性、及び培養状況を顕微鏡で観察した結果を下記表1に示す。
Figure 0006227846
表1から明らかであるように、EPDM、フッ素ゴム、又は付加架橋型シリコーンゴムで形成された弾性体は視認性に優れ、その弾性体上で細胞の培養が可能であることが確認された。
(比較例2)
実施例1と同様に弾性体として有機過酸化物型シリコーンゴム(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製TSE221−5U)のゴム板上に細胞を播種したが、培養することができなかった。
本発明の細胞保持容器は、誘導性多能性幹細胞や胚性幹細胞のような接着細胞や浮遊細胞などの各種細胞の細胞集塊形成用、細胞培養用、観察用、検査用の容器として有用である。この細胞保持容器を用いた細胞培養システム及び細胞培養方法は、浮遊細胞又は接着細胞の培養に有用であり、これらの細胞の維持培養及び継代培養に用いることができる。
1は細胞保持容器、2は側壁、3は流路、4は培養室、5は注入口、6は排出口、7は支持体、8は溝、20,20a,20b,20cは弾性体、21は細胞接触面、22は細胞非接触面、23は硬質部、24,24a,24a,24a,24aは軟質部、25は凹み、26は硬質フレーム、27,27a,27a,27a,27aは薄手部、28は厚手部、29は開口部、30は変形手段、31は凹凸面、33は吸送気口、35は凹み、90は細胞、Pは外力である。

Claims (14)

  1. 幹細胞、前駆細胞、体細胞及び生殖細胞から選ばれる接着細胞と、血球系細胞、T細胞及びB細胞から選ばれる浮遊細胞との少なくとも何れかを含む細胞を保持する弾性体を有する細胞保持容器であって、
    前記弾性体が、付加架橋型シリコーンゴムを含有するゴム成分を含み前記細胞を保持できるゴム材料で、形成されており、
    前記弾性体が、変形可能な軟質部と、非変形性の硬質部とからなることを特徴とする細胞保持容器。
  2. 前記幹細胞が誘導性多能性幹細胞又は胚性幹細胞であることを特徴とする請求項1に記載の細胞保持容器。
  3. 細胞培養用であることを特徴とする請求項1に記載の細胞保持容器。
  4. 前記ゴム材料中、前記付加架橋型シリコーンゴムに、乾式シリカ粉末及び/又は湿式シリカ粉末を含むフィラーが含有されていることを特徴とする請求項1に記載の細胞保持容器。
  5. 前記ゴム材料中、前記付加架橋型シリコーンゴムに、乾式シリカ粉末及び/又は湿式シリカ粉末を含むフィラーが、全ゴム成分100質量部に対し5〜40質量部含有されていることを特徴とする請求項1に記載の細胞保持容器。
  6. 前記弾性体が透明であることを特徴とする請求項1に記載の細胞保持容器。
  7. 前記弾性体が、厚さを最大で0.1mm、硬さをショアA硬度で最大A40/S、引張強さを最大で3.5MPaとすることを特徴とする請求項1に記載の細胞保持容器。
  8. 前記弾性体の一部が、支持体と側壁とに挟まれ、それらを篏合して固定されていることを特徴とする請求項1の細胞保持容器。
  9. 前記弾性体が、外力を受けることによって、平板形状から窪んだ凹み及び/又は起伏した凸みを有する凹凸形状へ可逆的に変形することを特徴とする請求項1に記載の細胞保持容器。
  10. 前記弾性体が、前記硬質部と、前記硬質部の各升目内又は格子内に存する前記軟質部とからなることを特徴とする請求項1に記載の細胞保持容器。
  11. 前記軟質部が、厚みを最大で0.1mmとすることを特徴とする請求項10に記載の細胞保持容器。
  12. 前記弾性体の細胞接触面側が開放されていることを特徴とする請求項1に記載の細胞保持容器。
  13. 前記ゴム成分が、エチレンプロピレンジエンゴム、フッ素ゴム、付加架橋型シリコーンゴム、及びフッ素エラストマーから選ばれる少なくとも何れかを含むことを特徴とする請求項1に記載の細胞保持容器。
  14. 請求項1〜13の何れかに記載の細胞保持容器を用いた細胞培養方法であって、幹細胞、前駆細胞、体細胞及び生殖細胞から選ばれる接着細胞と、血球系細胞、T細胞及びB細胞から選ばれる浮遊細胞との少なくとも何れかを含む細胞を分散させた細胞懸濁液を前記細胞保持容器に導入した後、前記細胞保持容器の弾性体を平板形状から窪んだ凹みを有する凹凸形状に変形する工程と、その凹みに前記細胞を播種して細胞集塊を形成した後、前記凹凸形状を前記平板形状に変形する工程とを有することを特徴とする細胞培養方法。
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