しかしながら、ウェル内で液状体により浮遊状態となる収容物は、非常に軽い。さらに、収容物が細胞の場合は周囲に粘性のある分泌物質を放出して細胞自身を覆っているため、従来の細胞収容装置をひっくり返して、ウェルの開放端を鉛直下向きにしても、収容物を接着面に自重で自然落下させて転写することは困難であった。仮に1個を落下させて転写できたとしても、複数のウェルから大多数を確実に転写することは困難であった。
収容物を接着面に落下させ易くするために、細胞収容装置全体を人の手で掴み、傾斜させたり、あるいは揺動させたりすることも行われていた。しかし、このように傾斜・揺動したとき、同時に個々の収容物がウェルから飛び出さないようにして、接着面の意図した位置に落下させることは困難であった。
また、ピペット等の器具を用いて、収容物を1個ずついったんピペット内へ吸引し、その後別の容器へ吐出して転写するとしても、人の目による確認と人の手による操作であるため、個々の収容物を個別に認識しながら、接着面の意図した位置に正確に落下させることは困難であった。仮に1個は落下及び転写が可能であったとしても、複数の収容物を隣接した収容物と狭間隔を保ちつつ落下及び転写させることは困難であった。さらに、ピペット先端の誤操作によって、既に転写できた収容物にピペット先端を当ててしまい、剥離させてしまう問題が発生した。この作業を数百個から数千個の収容物に関して行うことは煩雑であり、さらに、非効率性、時間経過による細胞への温度ダメージ、成功率の低さが大きな問題となっていた。
このように、従来の細胞収容装置では、ウェル内で浮遊状態となる大量の収容物を接着面の意図した位置に、確実かつ正確に排出して転写することは非常に困難であった。特に、個々の収容物を転写の前後で追跡して確認できる程度に、個々の収容物を意図した位置に、確実かつ正確に排出して転写することは非常に困難であった。さらに、細胞収容装置が格子状に整列したウェルを備えるものである場合、格子状に整列させて収容していた収容物を、同じく接着面に格子状に整列させて、確実かつ正確に排出して転写することは非常に困難であった。特に、狭間隔の格子状や千鳥状の細胞収容装置において、ピペット等の器具の先端寸法より小さなウェルから転写をする場合には、人の手による作業は不可能であった。
ここで、対照実験を行う上では、未分化又は分化途中段階の細胞集合体のそれぞれを極力等価な環境下に置くことが重要となる。未分化又は分化途中段階の細胞集合体の分化状態は、細胞集合体の大きさ、隣接する細胞集合体までの間隔や1個の細胞集合体形成時の細胞密集度合い等に左右されることが知られている。従来の方法では、図13(a)に示すように、大きな広い容器中(ディッシュ、フラスコ、スライドチャンバ等)で細胞集合体を細胞非接着面上で浮遊培養により不均一に形成し、それぞれの大小様々な寸法の複数細胞集合体を、同じく大きな広い細胞接着面の容器中へ同時に一気に播種して転写させていた。その結果、図13(b)に示すように、寸法の異なる細胞集合体同士が様々な個数で不均一に凝集してしまっていた。細胞集合体同士が等価な状態にないために細胞の分化状態も不均一となり、対照実験を行う上で問題があった。
また、1つの細胞を培養して分化させるプロセスの中で、どのように分化していくかを追跡調査するニーズがあるが、従来の細胞収容装置は収容物である細胞集合体を確実に真下に落下させることができず、個々の細胞集合体が転写面のどこに落下したのか正確に把握することができずに、追跡調査することができなかった。
したがって、収容物を意図した位置に、確実かつ正確に、個別で離散的に整列させつつ個別に排出することが可能な細胞収容装置、特に、等間隔に配置して排出することが可能な細胞収容装置が求められている。
ゆえに、本発明は、複数のウェル内で液状体により浮遊させて収容した収容物を、接着面の意図した位置に、確実かつ正確に、離散的に整列させつつ個別に排出することを可能とする細胞収容装置を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、ウェル内で液状体により浮遊させて収容物を収容又は浮遊形成した細胞収容装置において、前記ウェル内の前記液状体を除く部分の容積を強制的に小さくして前記収容物を前記ウェル外部に排出する排出手段を備え、前記ウェルは、底をなす底部と、側面をなす側面部と、開放端とを備え、前記排出手段は、前記ウェル内の前記液状体に、前記底部側から前記開放端に向かう成分の流束を生じさせて前記収容物を排出することを特徴とする、細胞収容装置である。
請求項2に係る発明は、請求項1記載の細胞収容装置であって、前記排出手段は、前記ウェルの一部又は全部を変位させて当該ウェルの容積を小さくすることを特徴とするものである。
請求項3に係る発明は、請求項2記載の細胞収容装置であって、前記排出手段が前記ウェルに与える変位は、前記底部の一部又は全部に対する前記開放端に向けた変位であることを特徴とするものである。
請求項4に係る発明は、請求項3記載の細胞収容装置であって、その板を貫通する柱体状の空間であるウェル孔を有するウェル板と、弾性体からなる部分を有する板である底板とを備え、前記ウェル板と前記底板を接触させて重ねた場合に前記ウェルが形成され、前記ウェル板の前記ウェル孔を形成する表面が前記側面部となり、前記底板のうち、前記底板に接触する前記ウェル孔の開口の縁が囲む領域であって、前記弾性体からなる部分を含む領域が前記底部となり、前記ウェル孔が前記ウェル板になす2つの開口のうち、前記底板に接触しない方の開口が前記開放端となり、前記排出手段が前記底部に与える変位は、前記底部が前記開放端とは反対側から吸引されて変形した状態から吸引を停止して起こる反動による変位であることを特徴とし、又は、前記排出手段は、押圧手段を有し、前記排出手段が前記底部に与える変位は、吸引を停止して起こる反動に加えて前記押圧手段の前記底部に対する前記開放端とは反対側からの押圧による変位であることを特徴とするものである。
請求項5に係る発明は、請求項4記載の細胞収容装置であって、前記液状体は、細胞の培養液であり、前記収容物は、細胞の集合体であり、前記ウェル板と前記底板を接触させて重ねた場合に形成される前記ウェルは複数であり、複数の前記開放端の各々は、面積が75μm2〜0.80mm2の楕円又は多角形であることを特徴とするものである。
請求項6に係る発明は、請求項1から3のいずれかに記載の細胞収容装置であって、前記排出手段は、前記底部の一部又は全部を前記開放端とは反対方向に吸引により変位させ、吸引を停止することによる反動により、前記底部の一部又は全部を前記開放端側に変位させて当該ウェルの容積を小さくすることを特徴とするものである。
請求項7に係る発明は、請求項1記載の細胞収容装置であって、突起と、前記底部の前記開放端とは反対側に、前記突起が貫通可能な空間であるガイド孔とをさらに備え、前記排出手段は、前記突起を前記ガイド孔の中で、前記開放端に向けて変位させることを特徴とするものである。
請求項8に係る発明は、請求項7記載の細胞収容装置であって、前記排出手段は、前記突起を前記開放端に向けて変位させることにより、前記底部の一部又は全部を前記開放端側に変位させて前記ウェルの容積を小さくすることを特徴とするものである。
請求項9に係る発明は、請求項7記載の細胞収容装置であって、前記底部は、前記液状体を通過させると共に、前記収容物を非通過とする大きさの底孔を備え、前記ウェルの内部と前記ガイド孔とが前記底孔を介して通じており、前記突起は、前記ガイド孔の中を摺動することを特徴とするものである。
請求項10に係る発明は、請求項1記載の細胞収容装置であって、前記排出手段は、前記ウェルの内部に存在するものを光照射又は温度変化によって変形させることを特徴とするものである。
なお、上記において、前記ウェル内に収容する前記収容物が細胞集合体である場合、当該細胞集合体は、前記ウェル外で形成されたものでもよいし、前記ウェル内に集合体を形成していない細胞を入れた後に前記ウェル内で形成されたものでもよい。前記ウェル内で細胞集合体を形成する方法は、特に限定しない。例えば1つの細胞から培養する方法でもよいし、複数の細胞が集合する方法でもよいし、その組み合わせであってもよい。
また、上記において、細胞収容装置から排出した個々の前記収容物を同じ環境下に置くためには、例えば、細胞収容装置に前記ウェルを等間隔に複数設ける構成とすることが有効である。
また、上記において、前記底部の一部又は全部を前記開放端に向けて変位させる手段として、例えば、当該底部自体を前記開放端に向けて直接的に変位させてもよいし、当該底部に衝撃を加えることによって当該底部を変形させることで変位させてもよいし、当該底部に衝撃を加えることによって当該底部を突き破ることで変位させてもよいし、その他の手段を用いてもよい。
また、請求項5に係る発明において、楕円は定義からして円を含むものである。
また、請求項10に係る発明において、前記ウェルの内部に存在するものとして、例えば、前記側面部若しくは前記底部を光照射又は熱変化によって収縮する樹脂で形成してもよいし、前記ウェルの内部に、熱変化によって変形する形状記憶合金で成形したもの、又は、光照射若しくは熱変化によって収縮する樹脂で成形したものを設置してもよいし、その他のものを存在させる構成としてもよい。
本願各請求項に係る発明によれば、ウェル内で液状体により浮遊させて収容した収容物を、排出手段を用いて、ウェル内の液状体を除く部分の容積を強制的に小さくすることで、ウェル外部に排出することが可能となる。したがって、細胞収容装置をひっくり返して重力に任せる手段に比べて、確実に収容物を排出して接着面に転写することが容易となる。
また、本願各請求項に係る発明によれば、細胞収容装置を傾斜させる方法やピペット等の器具を用いる以外の方法で、収容物をウェルの鉛直下向きに確実に排出することが容易となる。したがって、収容物を接着面の意図した位置に転写することが容易となる。例えば、複数の収容物を狭間隔で落下及び転写することが可能となり、また、個々の収容物を転写の前後で追跡して確認できる程度に、個々の収容物を意図した位置に、確実かつ正確に、排出して転写することも可能となる。
特に、細胞収容装置が格子状に整列したウェルを備えるものである場合、格子状に整列させて収容していた収容物を、同じく接着面に格子状に離散的に整列させて、確実かつ正確に、個別に排出して転写することが可能となる。収容物をウェルの鉛直下向きに確実に排出させることにより転写した位置が正確に把握できるため、例えば、転写面に落下させて分化させた細胞の位置を正確に把握し、追跡調査のための観察や取り出しを行うことが容易となる。
また、離散的に等間隔にウェルを配置させた場合、例えば、収容物が未分化又は分化途中段階の細胞集合体である場合、細胞収容装置から排出した細胞集合体のそれぞれを等価な環境下に置くことが容易となるため、分化に関する対照実験を精密に行うことが容易となる。
さらに、細胞集合体を離散的に落下させることが可能となるため、従来は不均一に凝集した複数の細胞集合体を単位面積当たりの平均値としてしか評価できなかったパラメータを、1個ずつの細胞集合体毎に遺伝子発現状態などを蛍光画像解析により評価可能となる。したがって、平均値ではなく単体での評価パラメータを用いて1個ずつ状態評価が可能となり、個々の細胞から培養した細胞集合体の追跡調査が可能となる。
さらに、本願請求項4から6に係る発明によれば、底部が吸引によって変形可能である。そのため、吸引によって底部を凹ませておき、その凹みを利用して細胞集合体をウェル内で形成することも可能となる。底部がフラットな形状のウェルで培養する場合と比較して、底部がU字型に凹んだウェルで培養する方が、細胞は素早く球状の集合体を形成する。
このように、細胞集合体の形成を促進させつつ、強制的に排出することができる細胞収容装置はこれまでに提案されていない。本願請求項4から6に係る細胞収容装置は、細胞集合体の収容に加えて培養促進と強制排出の機能を併せ持つものである。
以下に、本発明を実施するための形態について説明する。なお、本発明を実施するための形態は、以下に述べる実施例に限定されるものではない。
まず、図1から図3を用いて、実施例1の細胞収容装置の構成を説明する。
図1は、本発明に係る細胞収容装置の実施例1を構成する4つの板を鉛直方向に分離した様子を示す斜視図である。
細胞収容装置1は、ウェル板3と底板5とガイド板7と突起板9とからなり、この順序で鉛直方向に重ねることが可能である。ウェル板3には、ウェル板3を鉛直方向に貫通する孔であるウェル孔11が複数形成されている。これらのウェル孔11は、同一の形状をしており、等間隔に形成されている。底板5には、孔も突起も形成されていない。ガイド板7には、ガイド板7を鉛直方向に貫通し、ウェル孔11の位置に対応して位置する孔であるガイド孔13が形成されている。突起板9には、鉛直方向のガイド板7側に突き出る突起15が形成されている。突起15は、ウェル孔11及びガイド孔13の位置に対応して形成されており、突起15はガイド孔13の内部に進入し、貫通することが可能である。
図2は、本発明に係る細胞収容装置の実施例1を構成する4つの板のうち、ウェル板3と底板5とガイド板7の3つの板を重ねた様子を示す斜視図である。
図2において、細胞収容装置1には、ウェル孔11と底板5により、井戸型の空間であるウェル17が複数形成されている。ウェル17は、ウェル板3に設けられてウェル17の内部と外部とをつなぐ開口である開放端19と、ウェル17の側面をなす側面部21と、底板5が形成するウェル17の底である底部23とからなる。ここで、上述のように、ウェル板3のウェル孔11と、ガイド板7のガイド孔13と、突起板9の突起15は、鉛直方向に対応した位置に形成されていることから、図2に示すように、ウェル17とガイド孔13と突起15とは鉛直方向からみて同じ位置にあり、鉛直方向に対応した位置関係にある。
また、ウェル17には、図2には図示を省略しているが、液状体25及び収容物27を収容可能である。以下では、細胞収容装置1の例として細胞収容容器(細胞培養容器を含む)を用い、液状体25の例として細胞の培養液を用い、収容物27の例として細胞の集合体を用いる場合を想定する。
図2においては、鉛直上向きにウェル17の開放端19が開口している。ウェル17の開放端19は、面積が75μm2〜0.80mm2の円形をしているとする。ウェル17にて液状体25及び収容物27を浮遊形成又は収容した後、細胞収容装置1をひっくり返して開放端19が鉛直下向きに開口するようにしても、ウェル17の開放端19が上記のように十分に小さいとき、収容された液状体25及び収容物27は、ウェル17の外部に容易には自重で自然落下しない。
図3は、本発明に係る細胞収容装置の実施例1を構成する4つの板を鉛直方向に全て重ねた様子を示す斜視図である。
図3において、突起15は、ガイド孔13の内部に進入して貫通し、ウェル17の底部23に接触している。
以下では、細胞収容装置1から収容物27を、確実にかつ鉛直下向きに、排出する細胞収容装置1の使用方法について図を用いて説明する。
図4は、実施例1の細胞収容装置1の使用状態を示した図である。図4(a)は、図2に示すA−A線を通って開放端19の円の中心を通る面で、細胞収容装置1を鉛直方向に切断したときの切断部端面図である。図4(b)は、図3に示すB−B線を通って開放端19の円の中心を通る面で、細胞収容装置1を鉛直方向に切断したときの切断部端面図である。
図4(a)の細胞収容装置1における収容物27は、予めウェル17の内部に液状体25を収容しておいて単細胞から浮遊培養して集合体形成したものでもよく、液状体25とともに一括して収容したものでもよい。また、開放端19は鉛直下向きになるように位置している。ウェル板3と底板5とガイド板7は互いに重なっているが、突起板9は重ねられていない。このとき、収容物27は、浮遊状態(すなわち、液状体25の中で側面部21又は底部23に接触又は非接触にて浮かんで漂う状態)となっており、ウェル17の外部に容易には落下しない。なお、実施例2以降の実施例においても、排出手段を用いずに細胞収容装置1を開放端19が鉛直下向きになるように位置させただけでは、収容物27がウェル17の外部に容易には自重で自然落下しない点は同様である。
続いて、図4(b)において、突起板9をウェル板3と底板5とガイド板7とに対して接近させ、図4に斜線で示す突起15をガイド孔13に貫通させて底部23に衝突させる。このとき、底部23は変形しないが、衝突による振動によって底部23から開放端19に向かって、鉛直下向きの液状体25の流束が生じる。衝突に伴って生じた鉛直下向きの流束によって収容物27は、鉛直下向き成分の力を受け、確実に、かつ、鉛直下向きに、開放端19からウェル17の外部に排出される。このとき、ウェル17内の液状体25を除く部分の容積である、収容物27がウェル17内に占める容積は、収容物27が排出されるにつれて小さくなる。ここでは、突起15、ガイド孔13、ウェル17が全体として排出手段として機能している。
排出された収容物27は、収容物27に加えられた鉛直下向き成分の力によって、開放端19の鉛直真下に設けられた接着面に確実に接着する。
続いて、本発明に係る細胞収容装置の実施例2について説明する。
図5は、実施例2の細胞収容装置1の使用状態を示した図である。図5(a)は、図4(a)に対応する図である。図5(b)は、図4(b)に対応する図である。
実施例2の細胞収容装置1は、実施例1の細胞収容装置1とほぼ同じ構成となっているが、実施例2において、突起15は、底部23に衝突した際に底部23を変形させるのに十分な頑丈さを備える。
図5(a)の細胞収容装置1における収容物27は、予めウェル17の内部に液状体25を収容しておいて単細胞から浮遊培養して集合体形成したものでもよく、液状体25とともに一括して収容したものでもよい。また、開放端19は鉛直下向きになるように位置している。ウェル板3と底板5とガイド板7は互いに重なっているが、突起板9は重ねられていない。収容物27は、液状体25の中で浮遊状態となっている。
続いて、図5(b)において、突起板9をウェル板3と底板5とガイド板7とに対して接近させ、図5に斜線で示す突起15をガイド孔13に貫通させて底部23に衝突させる。このとき、衝突によって突起15は底部23をウェル17の内部に向かって変形させる。変形した底部23は、開放端19に向かって、鉛直下向きの液状体25の流束を生じる。収容物27は、変形した底部23によって、又は、衝突に伴って生じた鉛直下向きの流束によって、鉛直下向き成分の力を受け、確実に、かつ、鉛直下向きに、開放端19からウェル17の外部に排出される。このとき、ウェル17内の液状体25を除く部分の容積である、収容物27がウェル17内に占める容積は、収容物27が排出されるにつれて小さくなる。ここでは、突起15、ガイド孔13、ウェル17が全体として排出手段として機能している。
排出された収容物27は、収容物27に加えられた鉛直下向き成分の力によって、開放端19の鉛直真下に設けられた接着面に確実に接着する。
続いて、本発明に係る細胞収容装置の実施例3について説明する。
図6は、実施例3の細胞収容装置1の使用状態を示した図である。図6(a)は、図4(a)に対応する図である。図6(b)は、図4(b)に対応する図である。
実施例3の細胞収容装置1は、実施例1の細胞収容装置1とほぼ同じ構成となっているが、実施例3において、突起15は、底部23に衝突した際に底部23を突き破るのに十分に鋭利な先端を備える。
図6(a)の細胞収容装置1における収容物27は、予めウェル17の内部に液状体25を収容しておいて単細胞から浮遊培養して集合体形成したものでもよく、液状体25とともに一括して収容したものでもよい。また、開放端19は鉛直下向きになるように位置している。ウェル板3と底板5とガイド板7は互いに重なっているが、突起板9は重ねられていない。収容物27は、液状体25の中で浮遊状態となっている。
続いて、図6(b)において、突起板9をウェル板3と底板5とガイド板7とに対して接近させ、図6に斜線で示す突起15をガイド孔13に貫通させて底部23に衝突させる。このとき、衝突によって突起15は底部23をウェル17の内側に変形させながら突き破る。ウェル17の内部に進入した突起15又は変形した底部23は、開放端19に向かって、鉛直下向きの液状体25の流束を生じる。収容物27は、突起15若しくは破損した底部23によって、又は、衝突に伴って生じた鉛直下向きの流束によって、鉛直下向き成分の力を受け、確実に、かつ、鉛直下向きに、開放端19からウェル17の外部に排出される。このとき、ウェル17内の液状体25を除く部分の容積である、収容物27がウェル17内に占める容積は、収容物27が排出されるにつれて小さくなる。ここでは、突起15、ガイド孔13、ウェル17が全体として排出手段として機能している。
排出された収容物27は、収容物27に加えられた鉛直下向き成分の力によって、開放端19の鉛直真下に設けられた接着面に確実に接着する。
なお、上記の実施例1から3において、ウェル板3と底板5とガイド板7とは別々に構成するとしたが、ウェル板3と底板5とを一体として構成してもよいし、底板5とガイド板7とを一体として構成してもよいし、ウェル板3とガイド板7とを一体として構成してもよいし、これら全てを一体として構成してもよい。
続いて、本発明に係る細胞収容装置の実施例4について説明する。
図7は、実施例4の細胞収容装置1の使用状態を示した図である。図7(a)は、図4(a)に対応する図である。図7(b)は、図4(b)に対応する図である。
実施例4の細胞収容装置は、実施例1の細胞収容装置とは異なり、底板5及びガイド板7が不要である。突起15は、ウェル孔11の内部に進入可能である。
図7(a)の細胞収容装置1における収容物27は、予めウェル17の内部に液状体25を収容しておいて単細胞から浮遊培養して集合体形成したものでもよく、液状体25とともに一括して収容したものでもよい。また、開放端19は鉛直下向きになるように位置している。図7に斜線で示す突起15の一部がウェル孔11に進入しており、突起15と側面部21とは、突起15と側面部21との間からウェル17に収容された液状体25が漏れない程度に密着している。実施例4においては、実施例1から3における底板5の代わりに、突起15の開放端19側の末端が底部23を構成している。収容物27は、液状体25の中で浮遊状態となっている。
続いて、図7(b)において、突起板9をウェル板3に対して接近させる。すなわち、底部23をなす突起15をウェル17の内部に開放端19に向かって進入させる。ウェル17の内部に進入した突起15は、開放端19に向かって、鉛直下向きの液状体25の流束を生じる。収容物27は、突起15によって、又は、突起15の進入に伴って生じた鉛直下向きの流束によって、鉛直下向き成分の力を受け、確実に、かつ、鉛直下向きに、開放端19からウェル17の外部に排出される。このとき、ウェル17内の液状体25を除く部分の容積である、収容物27がウェル17内に占める容積は、収容物27が排出されるにつれて小さくなる。ここでは、突起15、ガイド孔13、側面部21が全体として排出手段として機能している。
排出された収容物27は、収容物27に加えられた鉛直下向き成分の力によって、開放端19の鉛直真下に設けられた接着面に確実に接着する。
続いて、本発明に係る細胞収容装置の実施例5について説明する。
図8は、実施例5の細胞収容装置1の使用状態を示した図である。図8(a)は、図4(a)に対応する図である。図8(b)は、図4(b)に対応する図である。
実施例5の細胞収容装置は、実施例1の細胞収容装置とは異なり、底板5は、底孔29を備える。底孔29は、液状体25が通り抜け可能で、収容物27が通り抜け不可能なサイズに形成されている。ガイド孔13は、底孔29を通じてウェル17の内部と通じている。ここで、ガイド孔13は、隣接する別のガイド孔13と一体となっている。突起15は、ガイド孔13に対応して、隣接する突起15と一体となって、図8に斜線で示すピストン31を構成している。ピストン31は、ガイド孔13の内部に進入可能である。
図8(a)の細胞収容装置1における収容物27は、予めウェル17の内部に液状体25を収容しておいて単細胞から浮遊培養して集合体形成したものでもよく、液状体25とともに一括して収容したものでもよい。また、開放端19は鉛直下向きになるように位置している。ウェル板3と底板5とガイド板7とは互いに重なっており、突起板9はピストン31の一部のみがガイド孔13の内部に進入する程度に重ねられており、ピストン31とガイド孔13とは、ピストン31とガイド孔13との間から液状体25が漏れない程度に密着している。ガイド孔13とピストン31が形成する空間の内部にも液状体25が存在する。収容物27は、液状体25の中で浮遊状態となっている。
続いて、図8(b)において、突起板9をウェル板3と底板5とガイド板7とに対して接近させる。すなわち、ピストン31をさらにガイド孔13の奥に鉛直下向きに摺動させる。このとき、ピストン31の摺動に伴い、ガイド孔13の内部に存在していた液状体25は、鉛直下向きの圧力を受け、鉛直下向きの液状体25の流束が生じる。生じた流束は底孔29を通じてウェル17の内部で鉛直下向きの流束を生じる。収容物27は、ピストン31の進入に伴ってウェル17の内部に生じた鉛直下向きの流束によって、鉛直下向き成分の力を受け、確実に、かつ、鉛直下向きに、開放端19からウェル17の外部に排出される。このとき、ウェル17内の液状体25を除く部分の容積である、収容物27がウェル17内に占める容積は、収容物27が排出されるにつれて小さくなる。ここでは、突起15、ガイド孔13、ウェル17が全体として排出手段として機能している。
排出された収容物27は、収容物27に加えられた鉛直下向き成分の力によって、開放端19の鉛直真下に設けられた接着面に確実に接着する。
なお、上記の実施例5において、底板5はピストン31を動かす前から底孔29を備える構成としたが、ピストン31の摺動に伴ってウェル17の内部で液状体25の鉛直下向きの流束が生じればよく、ピストン31が鉛直下向きの摺動の結果として底部23を突き破ることにより底孔29を設ける構成としてもよい。
また、上記の実施例5において、ガイド孔13は隣接する別のガイド孔13と一体となっているとしたが、ピストン31が鉛直下向きに変位するに伴ってウェル17の内部に鉛直下向きの流束が生じればよく、ガイド孔13をウェル17毎に別々に形成してもよい。同様に、ピストン31をウェル17毎に別々に形成してもよい。
さらに、上記の実施例5において、ウェル板3と底板5とガイド板7とは別々に構成するとしたが、ウェル板3と底板5とを一体として構成してもよいし、底板5とガイド板7とを一体として構成してもよいし、これら全てを一体として構成してもよい。
続いて、本発明に係る細胞収容装置の実施例6について説明する。
図9は、実施例6の細胞収容装置1の使用状態を示した図である。図9(a)及び図9(b)は、それぞれ図4(a)及び図4(b)に相当する図である。
実施例6の細胞収容装置は、実施例1の細胞収容装置とは異なり、突起板9が不要である。図9に斜線で示す底部23は、弾力性のあるシリコン樹脂で形成されており、吸引装置による吸引によって変形する程度に十分な柔軟さと吸引を停止したときに元の形に戻る弾性とを備える。
図9(a)の細胞収容装置1における収容物27は、予めウェル17の内部に液状体25を収容しておいて単細胞から浮遊培養して集合体形成したものでもよく、液状体25とともに一括して収容したものでもよい。また、開放端19は鉛直下向きになるように位置している。底部23は、図示していない吸引装置による吸引によって、一部が鉛直上向きに引っ張られて変形している。収容物27は、液状体25の中で浮遊状態となって、収容物27が細胞の場合には単細胞から浮遊培養して集合体形成するか、もしくは一括して収容されている。
続いて、図9(b)において、吸引装置による吸引を停止すると、鉛直上向きに引っ張られて変形していた底部23は、反動によって鉛直下向きにウェル17の内部へと変形して進入する。ウェル17の内部に進入した底部23は、開放端19に向かって、鉛直下向きの液状体25の流束を生じる。収容物27は、底部23によって、又は、底部23のウェル17内部への進入に伴って生じた鉛直下向きの流束によって、鉛直下向き成分の力を受け、確実に、かつ、鉛直下向きに、開放端19からウェル17の外部に排出される。このとき、ウェル17内の液状体25を除く部分の容積である、収容物27がウェル17内に占める容積は、収容物27が排出されるにつれて小さくなる。ここでは、ウェル17、特に、底部23が排出手段として機能している。
排出された収容物27は、収容物27に加えられた鉛直下向き成分の力によって、開放端19の鉛直真下に設けられた接着面に確実に接着する。
なお、上記の実施例6において、細胞収容装置1を細胞培養装置として用いることも可能である。すなわち、図9に示していない吸引装置を用いた吸引によって底部23を開放端19とは反対の向きにU字型に変形させる。ウェル17に入れたこのU字型の凹みを利用して細胞を細胞集合体を形成するように培養する。その後、吸引を停止することで形成された細胞集合体が強制的にウェル17の外に排出される。フラットな底部を有するウェル内で細胞集合体を形成させる場合と比較して、U字型の底部を有するウェル内で細胞集合体を形成させる方が、球状の細胞集合体が素早く形成される。なお、吸引によって底部をU字型に変形させるステップと、ウェル17内に培養前の細胞を入れるステップとはどちらが先であってもよい。
また、上記の実施例6において、底部23は液状体25及び収容物27を一括して収容する空間を有する構成としたが、吸引によって柔軟に変形した状態で液状体25及び収容物27を保持できればよい。例えば、吸引前にはウェル板3の厚み寸法が薄く十分に収容物27を収容可能なウェル17を形成せずとも、底部23を吸引して変形させて形成したウェル17において、収容物27を収容し、又は、収容物27が細胞の場合には単細胞から細胞集合体を浮遊培養して形成する構成としてもよい。
また、上記の実施例6において、ウェル板3と、底板5と、ガイド板7とは別々に構成するとしたが、ウェル板3と底板5とを一体として構成してもよいし、底板5とガイド板7とを一体として構成してもよいし、これら全てを一体として構成してもよい。
さらに、上記の実施例6において、底部23は、シリコン樹脂で形成されているとした。しかし、底部23は、吸引装置による吸引によって変形する程度に十分な柔軟さを備えて、吸引を停止したときに吸引がもたらした変形を自らなくそうとする弾性体である限り、シリコン樹脂以外の材料で形成してもよい。
さらに、上記の実施例6において、吸引装置による吸引を停止すると、鉛直上向きに引っ張られて変形していた底部23は、反動によって鉛直下向きにウェル17の内部へと変形して進入するとした。しかし、底部23を鉛直下向きに変形させるための手段として、吸引を停止したことによる反動という消極的な鉛直下向きへの変形のみならず、排出手段が有する押圧手段が底部23に対して鉛直下向きに加圧して底部23を積極的に鉛直下向きに変形させることとしてもよい。なお、押圧手段は図9に示していない。
続いて、本発明に係る細胞収容装置の実施例7について説明する。
図10は、実施例7の細胞収容装置1の使用状態を示した図である。図10(a)及び図10(b)は、それぞれ図4(a)及び図4(b)に相当する図である。
実施例7の細胞収容装置は、実施例1の細胞収容装置とは異なり、底板5とガイド板7と突起板9が不要である。ウェル17は、開放端19と、ウェル孔11の内部に備わる側面部21及び底部23とから構成されている。図10に斜線で示す底部23は、光照射又は熱変化によって収縮する樹脂からなる。また、側面部21は、弾力性のあるシリコン樹脂で形成されており、底部23の変形に伴って変形しうる程度に十分な柔軟さを備える。
図10(a)の細胞収容装置1における収容物27は、予めウェル17の内部に液状体25を収容しておいて単細胞から浮遊培養して集合体形成したものでもよく、液状体25とともに一括して収容したものでもよい。また、開放端19は鉛直下向きになるように位置している。収容物27は、液状体25の中で浮遊状態となっている。
続いて、図10(b)において、底部23に対して光照射又は熱変化をもたらすと、底部23は収縮する。底部23が収縮したウェル17の内部では、底部23から開放端19に向かって、鉛直下向きの液状体25の流束が生じる。収容物27は、底部23の収縮に伴って生じた鉛直下向きの流束によって、鉛直下向き成分の力を受け、確実に、かつ、鉛直下向きに、開放端19からウェル17の外部に排出される。このとき、ウェル17内の液状体25を除く部分の容積である、収容物27がウェル17内に占める容積は、収容物27が排出されるにつれて小さくなる。なお、排出手段が備える光照射手段又は熱変化手段(加熱手段又は冷却手段)は図10に示していない。ここでは、ウェル17及び、光照射手段又は熱変化手段が排出手段として機能している。
排出された収容物27は、収容物27に加えられた鉛直下向き成分の力によって、開放端19の鉛直真下に設けられた接着面に確実に接着する。
なお、上記の実施例7において、底部23が光照射又は熱変化によって収縮するとした。しかし、収容物27を絞り出すようにウェル17が変形する限り、底部23は変形せずに側面部21のみが変形するとしてもよい。
また、上記の実施例7において、側面部21は、シリコン樹脂で形成されるとした。しかし、側面部21は、底部23の変形に伴って変形しうる程度に十分な柔軟さを備える限り、シリコン樹脂以外の材料で形成してもよい。
さらに、上記の実施例7において、底部23は、光照射又は熱変化によって収縮する樹脂で形成されるとした。しかし、底部23は、光照射又は熱変化によって収縮する限り、他の材料で形成してもよい。
続いて、本発明に係る細胞収容装置の実施例8について説明する。
図11は、実施例8の細胞収容装置1の使用状態を示した図である。図11(a)及び図11(b)は、それぞれ図4(a)及び図4(b)に相当する図である。
実施例8の細胞収容装置は、実施例1の細胞収容装置とは異なり、ガイド板7及び突起板9が不要である。ウェル17の内部には、側面部21又は底部23に固定された支持台33と、支持台33に固定された掻き出し棒35とが備えられている。掻き出し棒35は、ニッケル―チタン合金のような形状記憶合金で形成されており、加熱により形状が直線状からL字型に変形する。
図11(a)の細胞収容装置1における収容物27は、予めウェル17の内部に液状体25を収容しておいて単細胞から浮遊培養して集合体形成したものでもよく、液状体25とともに一括して収容したものでもよい。また、開放端19は鉛直下向きになるように位置している。収容物27は、液状体25の中で浮遊状態となっている。図11に斜線で示す直線状の掻き出し棒35は、側面部21に沿うように設置されている。
続いて、図11(b)において、掻き出し棒35を加熱すると、直線状だった掻き出し棒35は、L字型に変形する。掻き出し棒35の変形によって、底部23から開放端19に向かって、鉛直下向きの液状体25の流束が生じる。収容物27は、変形した掻き出し棒35によって、又は、掻き出し棒35の変形に伴って生じた鉛直下向きの流束によって、鉛直下向き成分の力を受け、確実に、かつ、鉛直下向きに、開放端19からウェル17の外部に排出される。このとき、ウェル17内の液状体25を除く部分の容積である、収容物27がウェル17内に占める容積は、収容物27が排出されるにつれて小さくなる。なお、排出手段が備える加熱手段は図11に示していない。ここでは、ウェル17、支持台33、掻き出し棒35、加熱手段が全体として排出手段として機能している。
排出された収容物27は、収容物27に加えられた鉛直下向き成分の力によって、開放端19の鉛直真下に設けられた接着面に確実に接着する。
なお、上記の実施例8において、掻き出し棒35は、加熱の前後で直線状からL字型に変形するとした。しかし、収容物27に鉛直下向きの力を加えられる限り、他の変形を生じるものであってもよい。
また、上記の実施例8において、掻き出し棒35は、ニッケル―チタン合金で形成されるとした。しかし、掻き出し棒35は、加熱によって所定の形状へと変化する形状記憶の特性を有する材料である限り、ニッケル―チタン合金以外の材料で形成してもよい。
さらに、上記の実施例8において、ウェル板3と、底板5とは別々に構成するとしたが、ウェル板3と底板5とを一体として構成してもよいし、底板5とガイド板7とを一体として構成してもよいし、これら全てを一体として構成してもよい。
続いて、本発明に係る細胞収容装置の実施例9について説明する。
図12は、実施例9の細胞収容装置1の使用状態を示した図である。図12(a)及び図12(b)は、それぞれ図4(a)及び図4(b)に相当する図である。
実施例9の細胞収容装置は、実施例1の細胞収容装置とは異なり、ガイド板7及び突起板9が不要である。ウェル17の内部には、底部23付近にリング37を備える。リング37は、光照射又は熱変化によって収縮する樹脂からなる。
図12(a)の細胞収容装置1における収容物27は、予めウェル17の内部に液状体25を収容しておいて単細胞から浮遊培養して集合体形成したものでもよく、液状体25とともに一括して収容したものでもよい。また、開放端19は鉛直下向きになるように位置している。収容物27は、液状体25の中で浮遊状態となっている。図12に斜線で示すリング37は、開口の向きが鉛直方向となるように、底部23付近に設置されている。
続いて、図12(b)において、リング37に対して光照射又は熱変化をもたらすと、リング37は収縮する。リング37の収縮によってリング37の内部に存在していた液状体25は鉛直下向きに押し出され、底部23から開放端19に向かって、鉛直下向きの液状体25の流束が生じる。収容物27は、底部23の収縮に伴って生じた鉛直下向きの流束によって、鉛直下向き成分の力を受け、確実に、かつ、鉛直下向きに、開放端19からウェル17の外部に排出される。このとき、ウェル17内の液状体25を除く部分の容積である、収容物27がウェル17内に占める容積は、収容物27が排出されるにつれて小さくなる。なお、排出手段が備える光照射手段又は熱変化手段(加熱手段又は冷却手段)は図12に示していない。ここでは、リング37及び、光照射手段又は熱変化手段が排出手段として機能している。
排出された収容物27は、収容物27に加えられた鉛直下向き成分の力によって、開放端19の鉛直真下に設けられた接着面に確実に接着する。
なお、上記の実施例9において、リング37は、光照射又は熱変化によって収縮する樹脂で形成されるとした。しかし、リング37は、光照射又は熱変化によって収縮する限り、他の材料で形成してもよい。
また、上記の実施例9において、板3と、底板5とは別々に構成するとしたが、ウェル板3と底板5とを一体として構成してもよいし、底板5とガイド板7とを一体として構成してもよいし、これら全てを一体として構成してもよい。
なお、上記の実施例1から9において、ウェル17が構成される限り、細胞収容装置1の形状、すなわち、ウェル板3、底板5、ガイド板7、突起板9、ウェル孔11、ガイド孔13、突起15の形状は上記の実施例で示した形状に限定する必要はなく、多面体、球形、楕円体、その他の形状であってもよい。
また、上記の実施例1から9において、液状体25及び収容物27の例として、それぞれ細胞の培養液及び細胞の集合体を想定した。しかし、開放端19が鉛直下向きに開口する状態で、ウェル17に収容された液状体25及び収容物27が容易に自重で自然落下しないものである限り、液状体25及び収容物27はその他のものであってもよい。すなわち、細胞収容装置1は、細胞を収容する容器である細胞収容容器に限定されるものではない。
さらに、上記の実施例1から9では、ウェル17の開放端19は、面積が75μm2〜0.80mm2の円形としたが、開放端19は円形に限定する必要はなく、多角形、楕円、その他の形状であってもよい。さらに、開放端19が鉛直下向きに開口する状態で、ウェル17に収容された液状体25及び収容物27が容易に落下しないサイズである限り、開放端19はその他のサイズであってもよい。