JP6024047B2 - 多能性幹細胞の培養方法及びそのための基材 - Google Patents

多能性幹細胞の培養方法及びそのための基材 Download PDF

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Description

本発明は、胚性幹細胞(ES細胞)や人工多能性幹細胞(iPS細胞)などの多能性幹細胞、特にヒト多能性幹細胞の培養に適した培養基材、並びにそれを用いた多能性幹細胞の培養方法に関する。より詳細には、本発明は、ゼラチン、コラーゲン、セルロース等の生体高分子からなるナノファイバー(バイオナノファイバー)を用いた多能性幹細胞の培養用基材、並びにそれを用いて、継代時、酵素処理を行うことなく単一細胞にまで分散させることによる、多能性幹細胞の維持増幅方法に関する。
ヒト多能性幹細胞は適切な条件下において無制限に増殖が可能であり、また生体組織のどの細胞にも分化できる性質(多分化能)を持つことから、細胞移植治療・創薬スクリーニング・再生医療など様々な分野への応用が期待されている。しかし、従来のヒト多能性幹細胞の培養法では、フィーダー細胞や各種高分子などを細胞培養基材として用いてきたが、これらの方法は準備操作が煩雑であり、また品質が安定していないため、安定したヒト多能性幹細胞の培養・供給は困難であった。特に、ヒト多能性幹細胞の高品質・大量・全自動培養法の開発には、より安定・安価な方法が必要であるが、未だにそのような方法は確立されていない。
近年、フィーダー細胞を用いない新規ヒト多能性幹細胞培養法の開発が盛んに行われている。現在、広く使用されている細胞培養基材としては、マトリゲルや組換えタンパク質(非特許文献1)等が挙げられるが、これらの材料はコストが高く、また、ロット間による品質の差が大きいなど安定性に欠けている。このような条件で培養されたヒト多能性幹細胞は不安定な状態になり、その結果、細胞増殖速度の異常、非常に不均一な細胞群への変質、分化能の損失、核型の変異等の異常を引き起こしてしまう。
これに代わるものとして、ポリマーなどの高分子を用いた細胞培養基材の開発も報告され(非特許文献2、3)、製品化されるようになってきたが、安定した製品は得られるものの、やはり非常に高価であり、また細胞株によっては適さない場合もあるなど、安定・安価な細胞培養基材を作製するには至っていない。
細胞培養基材は、目的の細胞群に必要な酸素と栄養を供給し、しかも安定的な形状を保持することが条件であるが、そこでナノファイバーが注目されている。ナノファイバーは、繊維径がナノメートルのオーダーの極細繊維であり、ナノファイバーからなる構造体は細胞外マトリクスと近似したサイズであり、比表面積の増大により細胞接着性が向上する、三次元培養が可能となる等の利点があることから、合成ポリマー(非特許文献4)や合成ポリマーとコラーゲンやゼラチン等の生体高分子との混合物(非特許文献4、5)からなるナノファイバーが作製されているが、フィーダー細胞を用いない培養系では、ヒトES細胞を維持増殖することができないと報告されている(非特許文献5)。
一方、生体高分子のみからなるナノファイバーを多能性幹細胞の培養用基材として用いたという報告は皆無である。
また、従来、ヒト多能性幹細胞の継代には、コラゲナーゼ、ディスパーゼ、トリプシン、等の酵素を用いた手法か、セルストレイナーやピペッティング等による機械的継代方法が行われてきたが、酵素を用いた手法では、酵素反応による細胞へのダメージがあり、また細胞に対する酵素反応が不均一である。単一細胞まで分散させると細胞が死滅してしまうといった問題点がある。一方、機械的な継代方法は、やはり細胞のダメージが非常に大きく、問題点が多い。
Nataure Biotechnology, 28(6): 581-583 (2010) Nataure Biotechnology, 28(6): 606-610 (2010) Nataure Biotechnology, 28(6): 611-615 (2010) Advanced Drug Delivery Reviews, 61(12): 1084-1096 (2009) Journal of Cellular and Molecular Medicine, 13(9B): 3475-3484 (2009)
本発明の目的は、ヒト多能性幹細胞を安定して供給することができる、安価な新規培養基材を提供し、それを用いた安価かつ簡便なヒト多能性幹細胞の培養方法を提供することである。また、本発明の別の目的は、継代時に酵素処理を必要とせず、かつ単一細胞に分散させても細胞が死滅しないような、ヒト多能性幹細胞の培養用基材を提供し、もってより均一なヒト多能性幹細胞の培養物を提供することである。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく、ヒト多能性幹細胞の培養用基材として、もともと生体適合性が高く安価な生体材料をに用いることに着目した。しかし、従来法では、限られた生体材料しかヒト多能性幹細胞の培養用基材として用いることができなかった。そこで、本発明者らは、この問題点を改善するために生体材料をナノファイバー化することを考案した。近年の研究で、細胞は一般的に平坦な基材上での培養法に比べ、ナノメートルレベルでの凹凸がある方が、基材への細胞接着性、細胞増殖度が向上することが明らかとなっている。これは、基材の凹凸化により細胞接着因子であるインテグリン等がより効率的に活性化されることによるものと考えられている。ナノファイバーはこのような基材の凹凸化を容易にし、生体材料の高機能化を図ることができる。また、ナノファイバーは細胞培養の3次元化も可能にし、ヒト多能性幹細胞培養の3次元化、大量培養の実現化に大きく寄与することが期待される。
そこで、本発明者らは、エレクトロスピニング法を用いて、ゼラチンやコラーゲンといった生体材料をナノファイバー化することによってその機能を効率化し、ヒト多能性幹細胞の培養用基材として用いることを試みた。エレクトロスピニング法は、ゼラチンやコラーゲンだけでなく、セルロースやキトサンなど様々な生体材料を原料としてナノファイバーを作製することが可能な汎用性の高い方法である。しかしながら、合成ポリマーや合成ポリマーと生体材料との混合物をナノファイバー化した培養基材は既に作製され、ある種の分化細胞や組織幹細胞の培養、あるいはMEFフィーダーを用いるヒトES細胞の培養では増殖改善効果が示されてはいるものの、フィーダーを用いないヒトES細胞の培養では、維持増殖ができなかったとの報告もあり、生体材料からなるナノファイバーが、ヒト多能性幹細胞の非フィーダー培養に効果を有するか否かは全く不明であった。
本発明者らは、エレクトロスピニング法により、ガラス上に作製したゼラチンからなるナノファイバーを、架橋剤を用いて架橋処理した後、単一細胞にまで分散させたヒトES細胞又はヒトiPS細胞の懸濁液をこのゼラチンナノファイバー基材の上に載せ、ES細胞用培地中で培養した。その結果、意外にも、ゼラチンナノファイバー基材上で培養したヒト多能性幹細胞は、マトリゲルでコーティングしたディッシュ上での培養と同等の優れた増殖を示し、しかもマトリゲル上で培養した細胞に比べて細胞密度がより高かった。
特に重要なことに、このナノファイバー基材を用いて継代培養を行うと、酵素処理を行うことなく、わずかなピペッティング操作のみで単一細胞にまで分散させることができ、なおかつ、従来法でみられるような細胞死が顕著に抑制されることが明らかとなった。
さらに本発明者らは、このナノファイバー基材を用いて長期継代培養した後においても、多能性幹細胞が多能性及び正常な核型を維持していることを確認し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りのものである。
[1] ゼラチン、コラーゲン及びセルロースからなる群より選択される生体高分子からなるナノファイバーを含有してなる、多能性幹細胞の維持増幅培養用基材。
[2] 該ナノファイバーが架橋処理されている、上記[1]記載の基材。
[3] 生体高分子がゼラチン又はコラーゲンである、上記[1]又は[2]記載の基材。
[4] 生体高分子がゼラチンである、上記[1]又は[2]記載の基材。
[5] ナノファイバーがエレクトロスピニング法により得られる、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の基材。
[6] 多能性幹細胞がES細胞又はiPS細胞である、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の基材。
[7] 多能性幹細胞がヒト由来である、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の基材。
[8] 上記[1]〜[5]のいずれかに記載の基材上に多能性幹細胞を播種し、該細胞を静置培養することを特徴とする、多能性幹細胞の維持増幅方法。
[9] 酵素を含まない解離液を用いて基材から多能性幹細胞を解離させ、該細胞を上記[1]〜[5]のいずれかに記載の基材上に播種し、該細胞をさらに静置培養することを特徴とする、上記[8]記載の方法。
[10] 継代時に、多能性幹細胞を単一細胞にまで分散させることを特徴とする、上記[9]記載の方法。
[11] 多能性幹細胞を無血清培地で培養することを特徴とする、上記[8]〜[10]のいずれかに記載の方法。
[12] 無血清培地がxenoフリー培地である、上記[11]記載の方法。
[13] 無血清培地がタンパク質不含培地である、上記[11]記載の方法。
[14] 多能性幹細胞がES細胞又はiPS細胞である、上記[8]〜[13]のいずれかに記載の方法。
[15] 多能性幹細胞がヒト由来である、上記[8]〜[14]のいずれかに記載の方法。
本発明の培養基材は生体適合性が高く安価であるので、安定供給が容易となる。また、エレクトロスピニング法によるナノファイバー化技術は汎用性が高いので、他の生体材料にも応用可能である。また、ナノファイバー基材を用いることにより3次元培養が可能となり、省スペース化を実現しつつ多能性幹細胞の大量供給が可能となる。さらには、ナノファイバーに機能性ペプチド等を結合することにより、培養基材に有用な機能性を付与することが容易となる。
また、本発明の培養基材を用いると、継代時に酵素解離を必要とすることなく容易に多能性幹細胞を単一細胞まで分散させることができ、しかも、単一細胞化された多能性幹細胞は、従来法で得られるものと比べて顕著に細胞死が抑制されるので、より均一な多能性幹細胞の培養物を得ることが可能となる。
種々の濃度のゼラチン溶液から作製されたナノファイバーの電顕写真である。 異なる分子量のゼラチンからのナノファイバーの作製結果を示す電顕写真である。 8 kDaのゼラチン上(左)又は30 kDaのゼラチンナノファイバー上(右)で培養したヒトiPS細胞(253G1)の顕微鏡写真である。 合成ポリマーであるポリメチルグルタミドを用いて作製したナノファイバー上で培養したヒトiPS細胞(253G1)の顕微鏡写真である。 ゼラチン、ゼラチンナノファイバー及びマトリゲル上で培養したヒトiPS細胞(253G1)の顕微鏡写真である。 Xenoフリー無血清培地を用いてゼラチンナノファイバー上で培養したヒトiPS細胞(253G1)の顕微鏡写真である。 ゼラチンナノファイバー上とマトリゲル上とでそれぞれ培養したヒトiPS細胞(253G1)の増殖曲線を示す図である。 ゼラチンナノファイバー上で20回継代培養した(A)ヒトES細胞(H9)と(B)ヒトiPS細胞(253G1)における多能性幹細胞マーカーの発現を示す免疫細胞染色写真である。 (A)ゼラチンナノファイバー上で10回継代したヒトiPS細胞(253G1)と、(B)マトリゲル上で1回継代したヒトiPS細胞(253G1)とにおける多能性幹細胞マーカーの発現を示すフローサイトメトリーの結果を示す図である。 ゼラチンナノファイバー上で23回継代したヒトiPS細胞(253G1)の核型解析の結果を示す図である。
本発明は、ゼラチン、コラーゲン及びセルロースからなる群より選択される生体高分子からなるナノファイバーを含有してなる、多能性幹細胞の維持増幅培養用基材(以下、本発明の培養基材と略記する場合がある)を提供する。
本発明の培養基材が適用可能な多能性幹細胞は、未分化状態を保持したまま増殖できる「自己再生能」と三胚葉系列すべてに分化できる「分化多能性」とを有する未分化細胞であれば特に制限されず、例えば、ES細胞、iPS細胞の他、始原生殖細胞に由来する胚性生殖(EG)細胞、精巣組織からのGS細胞の樹立培養過程で単離されるmultipotent germline stem(mGS)細胞、骨髄から単離されるmultipotent adult progenitor cell(MAPC)等が挙げられる。ES細胞は体細胞から核初期化されて生じたES細胞であってもよい。好ましくはES細胞またはiPS細胞である。
本発明の方法は、いずれかの多能性幹細胞が樹立されているか、樹立可能である、任意の哺乳動物において適用することができ、例えば、ヒト、マウス、サル、ブタ、ラット、イヌ等が挙げられるが、好ましくはヒトまたはマウス、より好ましくはヒトである。
I. 多能性幹細胞の調製
ES細胞は、対象動物の受精卵の胚盤胞から内部細胞塊を取出し、内部細胞塊を線維芽細胞のフィーダー上で培養することによって樹立することができる。また、継代培養による細胞の維持は、白血病抑制因子(leukemia inhibitory factor (LIF))、塩基性線維芽細胞成長因子(basic fibroblast growth factor (bFGF))などの物質を添加した培養液を用いて行うことができる。ヒトおよびサルのES細胞の樹立と維持の方法については、例えばUSP5,843,780; Thomson JA, et al. (1995), Proc Natl. Acad. Sci. U S A. 92:7844-7848;Thomson JA, et al. (1998), Science. 282:1145-1147;H. Suemori et al. (2006), Biochem. Biophys. Res. Commun., 345:926-932; M. Ueno et al. (2006), Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 103:9554-9559; H. Suemori et al. (2001), Dev. Dyn., 222:273-279;H. Kawasaki et al. (2002), Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 99:1580-1585;Klimanskaya I, et al. (2006), Nature. 444:481-485などに記載されている。
ES細胞作製のための培養液として、例えば0.1 mM 2-メルカプトエタノール、0.1 mM 非必須アミノ酸、2 mM L-グルタミン酸、20% KSRおよび4 ng/ml bFGFを補充したDMEM/F-12培養液(もしくは、合成培地:mTeSR、Stem Proなど)を使用し、37℃、2% CO2/98% 空気の湿潤雰囲気下でヒトES細胞を維持することができる(O. Fumitaka et al. (2008), Nat. Biotechnol., 26:215-224)。また、ES細胞は、3〜4日おきに継代する必要があり、このとき、継代は、例えば1 mM CaCl2および20% KSRを含有するPBS中の0.25% トリプシンおよび0.1 mg/mlコラゲナーゼIVを用いて行うことができる。
ES細胞の選択は、一般に、アルカリホスファターゼ、Oct-3/4、Nanogなどの遺伝子マーカーの発現を指標にしてReal-Time PCR法で行うことができる。特に、ヒトES細胞の選択では、OCT-3/4、NANOG、ECADなどの遺伝子マーカーの発現を指標とすることができる(E. Kroon et al. (2008), Nat. Biotechnol., 26:443-452)。
ヒトES細胞株は、例えばWA01(H1)およびWA09(H9)は、WiCell Reserch Instituteから、KhES-1、KhES-2およびKhES-3は、京都大学再生医科学研究所(京都、日本)から入手可能である。
精子幹細胞は、精巣由来の多能性幹細胞であり、精子形成のための起源となる細胞である。この細胞は、ES細胞と同様に、種々の系列の細胞に分化誘導可能であり、例えばマウス胚盤胞に移植するとキメラマウスを作出できるなどの性質をもつ(M. Kanatsu-Shinohara et al. (2003) Biol. Reprod., 69:612-616; K. Shinohara et al. (2004), Cell, 119:1001-1012)。神経膠細胞系由来神経栄養因子(glial cell line-derived neurotrophic factor (GDNF))を含む培養液で自己複製可能であるし、またES細胞と同様の培養条件下で継代を繰り返すことによって、精子幹細胞を得ることができる(竹林正則ら(2008),実験医学,26巻,5号(増刊),41〜46頁,羊土社(東京、日本))。
胚性生殖細胞は、胎生期の始原生殖細胞から樹立される、ES細胞と同様な多能性をもつ細胞であり、LIF、bFGF、幹細胞因子(stem cell factor)などの物質の存在下で始原生殖細胞を培養することによって樹立しうる(Y. Matsui et al. (1992), Cell, 70:841-847; J.L. Resnick et al. (1992), Nature, 359:550-551)。
人工多能性幹(iPS)細胞は、特定の初期化因子を、DNA又はタンパク質の形態で体細胞に導入することによって作製することができる、ES細胞とほぼ同等の特性、例えば分化多能性と自己複製による増殖能、を有する体細胞由来の人工の幹細胞である(K. Takahashi and S. Yamanaka (2006) Cell, 126:663-676; K. Takahashi et al. (2007), Cell, 131:861-872; J. Yu et al. (2007), Science, 318:1917-1920; Nakagawa, M.ら,Nat. Biotechnol. 26:101-106 (2008);国際公開WO 2007/069666)。初期化因子は、ES細胞に特異的に発現している遺伝子、その遺伝子産物もしくはnon-coding RNAまたはES細胞の未分化維持に重要な役割を果たす遺伝子、その遺伝子産物もしくはnon-coding RNA、あるいは低分子化合物によって構成されてもよい。初期化因子に含まれる遺伝子として、例えば、Oct3/4、Sox2、Sox1、Sox3、Sox15、Sox17、Klf4、Klf2、c-Myc、N-Myc、L-Myc、Nanog、Lin28、Fbx15、ERas、ECAT15-2、Tcl1、beta-catenin、Lin28b、Sall1、Sall4、Esrrb、Nr5a2、Tbx3またはGlis1等が例示され、これらの初期化因子は、単独で用いても良く、組み合わせて用いても良い。初期化因子の組み合わせとしては、WO2007/069666、WO2008/118820、WO2009/007852、WO2009/032194、WO2009/058413、WO2009/057831、WO2009/075119、WO2009/079007、WO2009/091659、WO2009/101084、WO2009/101407、WO2009/102983、WO2009/114949、WO2009/117439、WO2009/126250、WO2009/126251、WO2009/126655、WO2009/157593、WO2010/009015、WO2010/033906、WO2010/033920、WO2010/042800、WO2010/050626、WO 2010/056831、WO2010/068955、WO2010/098419、WO2010/102267、WO 2010/111409、WO 2010/111422、WO2010/115050、WO2010/124290、WO2010/147395、WO2010/147612、Huangfu D, et al. (2008), Nat. Biotechnol., 26: 795-797、Shi Y, et al. (2008), Cell Stem Cell, 2: 525-528、Eminli S, et al. (2008), Stem Cells. 26:2467-2474、Huangfu D, et al. (2008), Nat Biotechnol. 26:1269-1275、Shi Y, et al. (2008), Cell Stem Cell, 3, 568-574、Zhao Y, et al. (2008), Cell Stem Cell, 3:475-479、Marson A, (2008), Cell Stem Cell, 3, 132-135、Feng B, et al. (2009), Nat Cell Biol. 11:197-203、R.L. Judson et al., (2009), Nat. Biotech., 27:459-461、Lyssiotis CA, et al. (2009), Proc Natl Acad Sci U S A. 106:8912-8917、Kim JB, et al. (2009), Nature. 461:649-643、Ichida JK, et al. (2009), Cell Stem Cell. 5:491-503、Heng JC, et al. (2010), Cell Stem Cell. 6:167-74、Han J, et al. (2010), Nature. 463:1096-100、Mali P, et al. (2010), Stem Cells. 28:713-720、Maekawa M, et al. (2011), Nature. 474:225-9.に記載の組み合わせが例示される。
上記初期化因子には、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤[例えば、バルプロ酸 (VPA)、トリコスタチンA、酪酸ナトリウム、MC 1293、M344等の低分子阻害剤、HDACに対するsiRNAおよびshRNA(例、HDAC1 siRNA Smartpool(登録商標) (Millipore)、HuSH 29 mer shRNA Constructs against HDAC1 (OriGene)等)等の核酸性発現阻害剤など]、MEK阻害剤(例えば、PD184352、PD98059、U0126、SL327およびPD0325901)、Glycogen synthase kinase-3阻害剤(例えば、BioおよびCHIR99021)、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、5-azacytidine)、ヒストンメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、BIX-01294 等の低分子阻害剤、Suv39hl、Suv39h2、SetDBlおよびG9aに対するsiRNAおよびshRNA等の核酸性発現阻害剤など)、L-channel calcium agonist (例えばBayk8644)、酪酸、TGFβ阻害剤またはALK5阻害剤(例えば、LY364947、SB431542、616453およびA-83-01)、p53阻害剤(例えばp53に対するsiRNAおよびshRNA)、ARID3A阻害剤(例えば、ARID3Aに対するsiRNAおよびshRNA)、miR-291-3p、miR-294、miR-295およびmir-302などのmiRNA、Wnt Signaling(例えばsoluble Wnt3a)、神経ペプチドY、プロスタグランジン類(例えば、プロスタグランジンE2およびプロスタグランジンJ2)、hTERT、SV40LT、UTF1、IRX6、GLISl、PITX2、DMRTBl等の樹立効率を高めることを目的として用いられる因子も含まれており、本明細書においては、これらの樹立効率の改善目的にて用いられた因子についても初期化因子と別段の区別をしないものとする。
初期化因子は、タンパク質の形態の場合、例えばリポフェクション、細胞膜透過性ペプチド(例えば、HIV由来のTATおよびポリアルギニン)との融合、マイクロインジェクションなどの手法によって体細胞内に導入してもよい。
一方、DNAの形態の場合、例えば、ウイルス、プラスミド、人工染色体などのベクター、リポフェクション、リポソーム、マイクロインジェクションなどの手法によって体細胞内に導入することができる。ウイルスベクターとしては、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター(以上、Cell, 126, pp.663-676, 2006; Cell, 131, pp.861-872, 2007; Science, 318, pp.1917-1920, 2007)、アデノウイルスベクター(Science, 322, 945-949, 2008)、アデノ随伴ウイルスベクター、センダイウイルスベクター(WO 2010/008054)などが例示される。また、人工染色体ベクターとしては、例えばヒト人工染色体(HAC)、酵母人工染色体(YAC)、細菌人工染色体(BAC、PAC)などが含まれる。プラスミドとしては、哺乳動物細胞用プラスミドを使用しうる(Science, 322:949-953, 2008)。ベクターには、核初期化物質が発現可能なように、プロモーター、エンハンサー、リボゾーム結合配列、ターミネーター、ポリアデニル化サイトなどの制御配列を含むことができるし、さらに、必要に応じて、薬剤耐性遺伝子(例えばカナマイシン耐性遺伝子、アンピシリン耐性遺伝子、ピューロマイシン耐性遺伝子など)、チミジンキナーゼ遺伝子、ジフテリアトキシン遺伝子などの選択マーカー配列、緑色蛍光タンパク質(GFP)、βグルクロニダーゼ(GUS)、FLAGなどのレポーター遺伝子配列などを含むことができる。また、上記ベクターには、体細胞への導入後、初期化因子をコードする遺伝子もしくはプロモーターとそれに結合する初期化因子をコードする遺伝子を共に切除するために、それらの前後にLoxP配列を有してもよい。
また、RNAの形態の場合、例えばリポフェクション、マイクロインジェクションなどの手法によって体細胞内に導入しても良く、分解を抑制するため、5-メチルシチジンおよびpseudouridine (TriLink Biotechnologies)を取り込ませたRNAを用いても良い(Warren L, (2010) Cell Stem Cell. 7:618-630)。
iPS細胞誘導のための培養液としては、例えば、10〜15% FBSを含有するDMEM、DMEM/F12又はDME培養液(これらの培養液にはさらに、LIF、penicillin/streptomycin、puromycin、L-グルタミン、非必須アミノ酸類、β-メルカプトエタノールなどを適宜含むことができる。)または市販の培養液[例えば、マウスES細胞培養用培養液(TX-WES培養液、トロンボX社)、霊長類ES細胞培養用培養液(霊長類ES/iPS細胞用培養液、リプロセル社)、無血清培地(mTeSR、Stemcell Technology社)]などが含まれる。
培養法の例としては、たとえば、37℃、5% CO2存在下にて、10% FBS含有DMEM又はDMEM/F12培養液上で体細胞と初期化因子とを接触させ約4〜7日間培養し、その後、細胞をフィーダー細胞(たとえば、マイトマイシンC処理STO細胞、SNL細胞等)上にまきなおし、体細胞と初期化因子の接触から約10日後からbFGF含有霊長類ES細胞培養用培養液で培養し、該接触から約30〜約45日又はそれ以上ののちにiPS様コロニーを生じさせることができる。
あるいは、37℃、5% CO2存在下にて、フィーダー細胞(たとえば、マイトマイシンC処理STO細胞、SNL細胞等)上で10% FBS含有DMEM培養液(これにはさらに、LIF、ペニシリン/ストレプトマイシン、ピューロマイシン、L-グルタミン、非必須アミノ酸類、β-メルカプトエタノールなどを適宜含むことができる。)で培養し、約25〜約30日又はそれ以上ののちにES様コロニーを生じさせることができる。望ましくは、フィーダー細胞の代わりに、初期化される体細胞そのものを用いる(Takahashi K, et al. (2009), PLoS One. 4:e8067またはWO2010/137746)、もしくは細胞外基質(例えば、Laminin(WO2009/123349)およびマトリゲル(BD社))を用いる方法が例示される。
この他にも、血清を含有しない培地を用いて培養する方法も例示される(Sun N, et al. (2009), Proc Natl Acad Sci U S A. 106:15720-15725)。さらに、樹立効率を上げるため、低酸素条件(0.1%以上、15%以下の酸素濃度)によりiPS細胞を樹立しても良い(Yoshida Y, et al. (2009), Cell Stem Cell. 5:237-241またはWO2010/013845)。
上記培養の間には、培養開始2日目以降から毎日1回新鮮な培養液と培養液交換を行う。また、核初期化に使用する体細胞の細胞数は、限定されないが、培養ディッシュ100cm2あたり約5×103〜約5×106細胞の範囲である。
iPS細胞は、形成したコロニーの形状により選択することが可能である。一方、体細胞が初期化された場合に発現する遺伝子(例えば、Oct3/4、Nanog)と連動して発現する薬剤耐性遺伝子をマーカー遺伝子として導入した場合は、対応する薬剤を含む培養液(選択培養液)で培養を行うことにより樹立したiPS細胞を選択することができる。また、マーカー遺伝子が蛍光タンパク質遺伝子の場合は蛍光顕微鏡で観察することによって、発光酵素遺伝子の場合は発光基質を加えることによって、また発色酵素遺伝子の場合は発色基質を加えることによって、iPS細胞を選択することができる。
II. 生体高分子
本発明の培養基材に用いられる生体高分子は、ゼラチン、コラーゲン及びセルロースからなる群より選択される。
ゼラチンは、主として牛骨および牛皮、豚皮を原料として製造されるが、鮭などの魚の皮や鱗を原料とする場合もあり、その由来については特に限定されない。これらの原料からゼラチンを抽出・精製する方法は周知である。また、市販のゼラチンを用いることもできる。
コラーゲンは、ゼラチン製造の過程で酸・アルカリによる変性前のコラーゲン原料から精製することができる。コラーゲンの由来にも特に限定はない。また、市販のコラーゲン、例えば、細胞培養用のコーティング基質として市販されているもの等を用いることもできる。
セルロースは植物等から周知の方法によって抽出・精製することができ、いかなるものを用いてもよい。
生体高分子の分子量は特に限定されないが、分子量が小さいとエレクトロスピニング法によりナノファイバーを形成できない場合があるので、例えば、ゼラチンの場合、10 kDa以上、好ましくは20-70 kDa、より好ましくは30-40 kDaの範囲で適宜選択することができる。
III. ナノファイバーの作製
これらの生体高分子からナノファイバーを作製する方法は特に限定されず、例えばエレクトロスピニング法、コンジュゲート溶融紡糸法、メルトブロー法等が挙げられるが、簡便で応用性が広いエレクトロスピニング法が好ましく用いられる。
エレクトロスピニング法による場合、まず生体高分子を適当な溶媒に溶解する。ここで用いられる溶媒としては、ゼラチン、コラーゲン、セルロースを溶解し得る溶媒であれば、無機溶媒、有機溶媒を問わずいかなるものも使用可能であるが、例えば、ゼラチンナノファイバーの作製においては、酢酸やギ酸等が好ましく用いられ得る。コラーゲンナノファイバーの作製においては、例えば、1,1,1,2,2,2-ヘキサフルオロ-2-プロパノール等が用いられ得る。あるいは、セルロースナノファイバーの作製においては、高極性イオン液体が用いられ得る。
生体高分子溶液の濃度は特に限定されないが、好ましい繊維径及び均一性を得るためには、例えば、ゼラチンの酢酸溶液を用いる場合には、5-15 w/v%、好ましくは8-12 w/v%の濃度範囲で使用することが望ましい。
エレクトロスピニング法は自体公知の手法に従って実施することができる。エレクトロスピニング法の原理は、電気の力で材料をスプレーし、ナノサイズの繊維にすることである。生体高分子溶液をシリンジに充てんし、先端に注射針のようなノズルを設置したものに、シリンジポンプを接続して流速を与えるようにする。ノズルから適当な距離の位置にナノファイバーが収集するコレクタ(平板でもよいし、巻き取り式とすることもできる。平板なコレクタ上に基板、例えばガラス等を設置して、基板上にナノファイバーが形成された培養基材とすることもできる)を設置し、ノズル側に電源の+極、コレクタ側に−極を接続する。シリンジポンプの電源を入れるとともに、電圧をかけることにより、コレクタ上に生体高分子が噴射され、ナノファイバーが形成される。ここで、電圧、ノズルからコレクタまでの距離、ノズルの内径などにより、繊維形態や繊維径が変動するが、当業者であれば、これらを適宜選択して所望の繊維径を有し、かつ均一なナノファイバーを作製することができる。例えば、後述の実施例で用いた各種条件を採用することもできるし、上述の非特許文献4および5に記載の条件を適宜用いることもできる。
上記のようにして生成するナノファイバーは、1-1000 nm、好ましくは10-800 nm、より好ましくは50-500 nmの繊維径を有するものであればよい。
ナノファイバーに好適な三次元特性を与え、かつ継代時の細胞の解離を容易にするために、生成したナノファイバーは適当な架橋剤を用いて架橋処理することが好ましい。架橋剤の種類は特に制限はないが、好ましい架橋剤として、水溶性カルボジイミド(WSC)、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)等が挙げられる。2種類以上の架橋剤を混合して用いてもよい。架橋処理は、例えば、架橋剤を適当な溶媒に溶解し、該架橋剤溶液中に得られたナノファイバーを浸漬することにより行うことができる。当業者であれば、架橋剤の種類に応じて、溶液濃度、架橋処理時間を適宜設定することができる。
尚、架橋剤と培養基材に機能性を付与する公知のペプチドをコンジュゲートしておけば、当該架橋処理により、同時にナノファイバー基材上に機能性ペプチドが付与されることになるので、この点でも有用である。
IV. ナノファイバー基材を用いた多能性幹細胞の維持増幅培養
このようにして得られた生体高分子からなるナノファイバーを含有してなる本発明の培養基材は、多能性幹細胞の維持増幅培養のために使用される。従って、本発明はまた、本発明の培養基材上に多能性幹細胞を播種し、該細胞を静置培養することによる、多能性幹細胞の維持増幅方法を提供する。
まず、樹立され、フィーダー細胞やマトリゲル、コラーゲン等のマトリクス上で付着培養されていた多能性幹細胞を酵素処理により解離した後、好ましくは細胞死を抑制するためにROCK阻害剤(例えば、Y-27632等)を添加した培地(上記I.において多能性幹細胞の培養用培地として例示したものを同様に使用することができる。好ましくは無血清培地であり、より好ましくは培養される多能性幹細胞とは異種の動物由来のタンパク質を含まない(Xenoフリー)培地であり、さらに好ましくは血清アルブミンやbFGF等のタンパク質を含まない培地が使用される。)に懸濁し、培養容器(例えば、デッシュ、ペトリデッシュ、組織培養用デッシュ、マルチデッシュ、マイクロプレート、マイクロウエルプレート、マルチプレート、マルチウエルプレート、チャンバースライド、シャーレ、チューブ、トレイ、培養バック等)中に載置した、上記本発明の培養基材上に、約0.5-約10×104細胞/cm2、好ましくは約2-約6×104細胞/cm2の細胞密度となるように播種する。該培養基材は、多能性幹細胞の播種に先立って、上記培地と同じ組成(ROCK阻害剤は不要)の培地を含浸させ、本培養と同様の条件下でプレインキュベートしておくことが望ましい。
多能性幹細胞を播種後、好ましくは培養容器から培地を除去し、新鮮な培地(ROCK阻害剤を含むことが望ましい)と交換し、1日培養する。培養は、例えば、CO2インキュベーター中、約1-約10%、好ましくは約2-約5%のCO2濃度の雰囲気下、約30-約40℃、好ましくは約37℃で行われる。翌日ROCK阻害剤を含まない培地と交換し、以後は1-2日毎に新鮮な培地と交換することが望ましい。培養は1-7日間、好ましくは3-6日間、より好ましくは4-5日間行われる。
本発明はまた、酵素を含まない解離液を用いて基材から多能性幹細胞を解離させ、該細胞を本発明の培養基材上に再播種し、該細胞をさらに静置培養することによる、多能性幹細胞の維持増幅方法を提供する。ヒト多能性幹細胞は、従来の継代培養法で単一細胞化すると、細胞死を起こしやすいという問題点があるため、ある程度のサイズの細胞塊として継代されたりもするが、本発明の培養基材を用いた場合、酵素を含まない解離液を用いて容易に基材から細胞を解離させることができ、さらにわずかなピペッティング操作により単一細胞まで分散させることができる。上記の架橋された基材を用いれば、基材の形態は保持されるので、より基材と細胞の分離が容易になる。
酵素を含まない解離液としては、従来より、機械的に細胞を解離する方法において使用されている解離液を同様に用いることができ、例えば、ハンクス液やクエン酸とEDTAを組み合わせた溶液等が挙げられる。
本発明の特筆すべき点は、ヒト多能性幹細胞を単一細胞にまで分散させた際、単一細胞化された多能性幹細胞において、細胞死の割合が顕著に抑制されることが挙げられる。これにより、より均一なヒト多能性幹細胞の細胞集団を調製することが可能となるからである。したがって、本発明はまた、本発明の培養基材を用いて、継代時に、酵素処理を行うことなく多能性幹細胞を単一細胞にまで分散させることによる、細胞死が抑制され、かつ細胞の均一化を可能とする、多能性幹細胞の維持増幅方法を提供する。基材から解離された細胞を、単一細胞にまで分散させるには、ROCK阻害剤を含む培地中で該細胞を10回程度緩やかにピペッティングするだけでよい。本方法によれば単一細胞化された細胞の死滅が顕著に抑制されるので、ROCK阻害剤を培地に添加するのは約1日間で十分である。ROCK阻害剤を長期間細胞に接触させるのは安全面から避けることが望ましいので、本発明の当該効果は極めて有意義である。
多能性幹細胞、とりわけヒト多能性幹細胞は移植医療等への応用が期待されることから、安全な移植を可能とするため、ウイルスやその他に人体にとって有害な夾雑物質の混入を極力避ける必要がある。従って、特にヒト多能性幹細胞の維持増幅培養においては、無血清培地の使用、より好ましくは異種動物由来成分を含まないxenoフリー培地の使用、さらに好ましくはタンパク質不含培地の使用が望まれる。本発明の培養基材を用いて継代培養を続ければ、これらのいずれの培地を用いた場合でも血清含有培地などと遜色ない増殖効率を得ることができる。
ここで、無血清培地の例としては、組換え動物タンパク質を含むmTeSR培地などが、xenoフリー培地の例としては、ヒト血清アルブミン、ヒトbFGFを含むTeSR2培地などが、タンパク質不含培地の例としては、E8培地などが、それぞれ挙げられる。
本発明の培養基材から解離された(好ましくは単一細胞にまで分散させた)多能性幹細胞は、継代培養の際には、上記のフィーダー細胞等を用いた付着培養から本発明の培養基材上に移行させる場合と同様に、約0.5-約10×104細胞/cm2、好ましくは約2-約6×104細胞/cm2の細胞密度となるように、新しい培養基材上に播種する。この培養基材も、上記と同様、多能性幹細胞の播種に先立って、本培養の際と同じ組成(ROCK阻害剤は不要)の培地を含浸させ、本培養と同様の条件下でプレインキュベートしておくことが望ましい。
多能性幹細胞を再播種後、好ましくは培養容器から培地を除去し、新鮮な培地(ROCK阻害剤を含むことが望ましい)と交換し、1日培養する。培養は、例えば、CO2インキュベーター中、約1-約10%、好ましくは約2-約5%のCO2濃度の雰囲気下、約30-約40℃、好ましくは約37℃で行われる。翌日ROCK阻害剤を含まない培地と交換し、以後は1-2日毎に新鮮な培地と交換することが望ましい。培養は1-7日間、好ましくは3-6日間、より好ましくは4-5日間行われる。
上記の操作を繰り返し実施することにより、多能性幹細胞を、長期にわたって多能性と正常な形質を維持した状態で、極めて良好な増殖効率で維持増幅することあができる。このようにして、良質の多能性幹細胞を安定して大量に増幅することが可能となり、細胞移植治療や薬剤スクリーニングのための分化細胞のソースとして十分な量の多能性幹細胞を供給することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1 ゼラチンナノファイバーの作製
(1)材料
ゼラチン溶液
・ゼラチン (SIGMA G2625 MW: 30 kDa; ニッピ ニッピハイグレードゼラチン AP MW: 8 kDa)
・氷酢酸 (AA; SIGMA P-338826)
・無水酢酸エチル (EA; SIGMA P270989)

架橋バッファー
・水溶性カルボジイミド (WSC; DOJINDO Catalog344-03633)
・N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS; SIGMA Catalog56480)
・99.5% エタノール (Wako)

カルチャーカバーガラス25mmφ及び32mmφ
シリコンウェハー
高圧電源 (TECHDEMPAZ Japan)
真空ポンプ(Vacuum Pump)
(2)操作手順
10%w/v ゼラチン溶液(AA:EA = 3:2) 1 mLの調製
2 mLチューブに30 kDaゼラチン0.08 g、0.1 gもしくは0.12 g(最終濃度8, 10, 12%w/v)、または8 kDaゼラチン0.1 g(最終濃度10%w/v)と、滅菌蒸留水0.2 mLを入れた。次にドラフト内で氷酢酸0.42 mL(最終濃度42%w/v)、無水酢酸エチル0.31 mL(最終濃度28%w/v)を加え、チューブをボルテックスしてよく攪拌した。ゼラチンが十分に溶けたら、チューブをローターにセットし、一昼夜転倒混和した(室温度:20℃以上)。
エレクトロスピニング法によるゼラチンナノファイバーの作製
上記のようにして調製した各種濃度のゼラチン溶液を23Gのブラント針(ニプロ)を付けたシリンジに入れ、気泡を抜いた後、マイクロシリンジポンプに流速0.2 mL/hでセットした。シリコンウェハーの中央にカルチャーカバーガラスを2枚並べて置き、ガラスの両端の一部をセロテープで固定した。シリコンウェハーを万力で垂直に固定し、マイクロシリンジポンプにセットするシリンジの針から10 cmほどの距離に置いた。ブラント針に+電極(赤線)、シリコンウェハーに−電極(緑線)を取り付け、マイクロシリンジポンプのスイッチを入れ、11 kVの電圧をかけて、シリコンウェハー上のガラスにファイバーを噴出させた。電圧を止め、シリコンウェハーを180度回転させて再度ファイバーを同じ時間ファイバーを噴出させた。ファイバー噴出後、ウェハー上のガラスを静かに外してシャーレに入れた。このシャーレをデシケーターに入れ、真空ポンプをかけながら一昼夜乾燥させた。
0.2 M WSC/NHS架橋バッファーの調製(40 mL)
50 mLファルコンチューブにWSC を1.52 g、NHSを0.92 g入れた。該チューブに99.5% エタノールを30 mL加えてボルテックスし、試薬を溶かしたのち、40 mLになるように99.5%エタノールで定量し、再度ボルテックスした。
架橋処理
デシケーターで乾燥させたゼラチンナノファイバーを表面が浸る程度の量の架橋バッファーに4時間浸漬した。ナノファイバーを取り出し、99.5%エタノールに5〜10分浸けて洗浄した(この操作を2回繰り返した)。次にキムワイプを敷いたシャーレの上でナノファイバーを風乾した後、デシケーターに入れ、一昼夜乾燥させた。
実施例1 ヒト多能性幹細胞のゼラチンナノファイバー上への継代方法
(1)材料
mTeSR 1 STEM CELL ペリタス ST-05850
Y-27632 Wako 257-00511(1 mg)253-00513(5 mg)
Cell Dissociation Buffer enzyme-free, Hanks’-based GIBCO 13150-016
TrypLE Express GIBCO 12605-010
ヒト人工多能性幹細胞:253G1
ヒト胚性幹細胞:H9
(2)操作手順
ナノファイバーの前処理
35 mmディッシュ (6-well プレート) にゼラチンナノファーバーをセットし、99.5%エタノール1 mLで3回洗浄し滅菌処理した。3回目は丁寧に吸引し、クリーンベンチ内で乾燥した。ゼラチンナノファイバーを培地に浸し、37℃でインキュベートした。25 mmガラスに作製したナノファイバーにはmTeSR 1を250 μL、32 mmガラスに作製したナノファイバーにはmTeSR 1を1 mL、表面張力を利用してゼラチンナノファーバー上にのせた。
MEFフィーダーからナノファイバー上へのヒト多能性幹細胞の移行
MEFフィーダー上のヒト多能性幹細胞コロニー(60 mmディッシュ)に、酵素解離液TrypLE Express 2mlを加え、そのままインキュベートし、約2分でディッシュをゆすって顕微鏡下で、MEFがはがれてきていること及びコロニーが丸くなっていることを確認した後、酵素解離液を吸引除去した(必要に応じてmTeSR 1 1〜2 mlでリンスした)。10 μM Y-27632を含有するmTeSR 1(mTeSR 1(+Y27632))4 mlで細胞を回収して、10回ぐらいピペッティングし、シングルセルにした。細胞数をカウントした後、1000 rpmで3分間遠心し上清を吸引除去し、mTeSR 1(+Y27632)で、必要な細胞濃度に再懸濁した。前処理していたナノファイバー上の培地を吸引除去し、25 mmガラスに作製したナノファイバーには、250 μl(細胞密度は1.5〜2 X 105 cells/sample)を、32 mmガラスに作製したナノファイバーには1〜1.5 ml(細胞密度は2.25〜3 X 105 cells/sample)を、表面張力を利用してナノファイバー上にのせた。翌日の培地mTeSR 1(+Y27632)を1.5 mLに交換し、2日目からY-27632を含まないmTeSR 1で培養し、毎日培地交換を行った。
ナノファイバーからナノファイバーへの継代
PBSで2回細胞をリンスした後、酵素不含細胞解離液Cell Dissociation Buffer 1 mLを加え、37℃で5分間インキュベートした後、該解離液を吸引除去した(TrypLE Expressを用いる場合1 mLを加えたら、すぐ吸引除去した後、2分ほどインキュベートした)。mTeSR 1(+Y27632)2 mlで細胞を回収し (1 mL×2回)、10回ぐらいピペッティングし、シングルセルにした。以後の操作はMEFフィーダーからの移行の場合と同様に行った。
(3)結果
ゼラチンナノファイバーの形態に及ぼすゼラチン濃度の効果
30 kDaゼラチンを用い種々の濃度のゼラチン溶液を作製し、これらを用いてエレクトロスピニング法によりゼラチンナノファイバーを作製した。得られたナノファイバーの透過型電子顕微鏡写真を図1に示す。濃度依存的にナノファイバーの直径が増大し、不均一性が増すことが分かった。以後の実験は比較的均一な10%w/vのゼラチン溶液から作製したナノファイバーを用いた。
ゼラチンの至適分子量の同定
8 kDaのゼラチンと30 kDaのゼラチンとを用いて、同様の方法によりナノファイバーを作製した。結果を図2に示す。低分子量の8 kDaゼラチンではナノファイバーは形成されなかった。
ゼラチンナノファイバー上でのヒトiPS細胞の培養
30 kDaのゼラチン溶液(10%w/v)を用いて作製したナノファイバー、及び8 kDaのゼラチン上で、それぞれヒトiPS細胞253G1株を培養した。結果を図3に示す。30 kDaゼラチンから作製されたナノファイバー上で培養したヒトiPS細胞はきれいなコロニーを形成したが、8 kDaゼラチン上では細胞接着が弱く、細胞は増殖することができなかった。
合成ポリマーを用いて作製したナノファイバー上で培養したヒトiPS細胞
合成ポリマーであるポリメチルグルタミド(PMGI)を用いて、同様の方法により作製したナノファイバー上でヒトiPS細胞253G1株を培養した。しかし、このPMGIナノファイバー上では細胞接着が非常に弱く、細胞は増殖することができなかった(図4)。この結果から、ヒト多能性幹細胞の培養には、生体適合性の高い材料、特にゼラチン等の生体材料を使用することが重要であることが示された。
ゼラチンナノファイバー上におけるヒトiPS細胞の接着及びコロニー形成
0.1% ゼラチンでコーティングしたディッシュ、マトリゲルでコーティングしたディッシュ、またはゼラチンナノファイバー上で、ヒトiPS細胞253G1株をmTeSR 1培地中5日間培養し、細胞接着及びコロニー形成を比較した。結果を図5に示す。0.1%ゼラチン上ではヒトiPS細胞は培養できないことが確認できた。ゼラチンナノファイバー上で培養したヒトiPS細胞は、従来法であるマトリゲル上のものと似たコロニーを形成したが、細胞密度が高かった。
Xenoフリー培地を用いたゼラチンナノファイバー上での培養
動物由来タンパクフリー合成無血清培地TeSR2を用いて、ヒトiPS細胞253G1株を、ゼラチンナノファイバー上で培養した。結果を図6に示す。動物タンパク質を用いないTeSR2においても、ヒトiPS細胞がナノファイバー上で培養可能であることが示された。
ゼラチンナノファイバー上におけるヒトiPS細胞の増殖効率
ゼラチンナノファイバー上で培養したヒトiPS細胞253G1株の細胞数を培養4日目まで毎日測定した。対照実験として、マトリゲル上でヒトiPS細胞253G1株の増殖も測定した。結果を図7に示す。ゼラチンナノファイバーを用いても、マトリゲルと同程度の増殖速度を保てることが確認できた。
免疫細胞染色法による多能性幹細胞マーカー発現の確認
ヒトES細胞H9株とヒトiPS細胞253G1株とを、ゼラチンナノファイバー上で20回継代培養した後の細胞について、免疫細胞染色により、多能性幹細胞マーカーであるNanogとOct4の発現を調べた。結果を図8に示す。ヒトES細胞、ヒトiPS細胞のいずれにおいても、多能性幹細胞マーカーが強く発現していることが確認された。
フローサイトメトリーによる多能性幹細胞マーカーの定量的発現量解析
ゼラチンナノファイバー上でヒトiPS細胞253G1株を10回継代した後の細胞における多能性幹細胞マーカー(SSEA4とTRA-1-60)の発現を、フローサイトメトリーを用いて解析した。比較のために、マトリゲル上で1回継代したヒトiPS細胞253G1株における当該マーカーの発現も調べた。結果を図9に示す。ゼラチンナノファイバー上で培養したヒトiPS細胞の90.5%でSSEA4とTRA-1-60の両方が強く発現していることが確認できた。また、マトリゲル上で培養したものと比べ、細胞群がより均一であることも確認できた。
ゼラチンナノファイバー上で長期継代したヒトiPS細胞の核型解析
ゼラチンナノファイバー上で23回継代したヒトiPS細胞253G1株の細胞について核型解析を行った。結果を図10に示す。ゼラチンナノファイバー上で長期培養後も、ほとんどの細胞が正常な核型を有していることが確認できた。
細胞を継続培養して増殖生産できる効率速度としては、今回の発明では5日間毎に10倍の生産速度に到達している。この効率速度は、既報のヒト多能性幹細胞の分散培養における5倍程度などに比較して格段に優れている。また従来の実験室レベルで複雑な手作業による接着培養方法(4日毎に4倍程度、または3日毎に3倍程度)に比較しても、優れた増殖速度である。35 mm培養皿を試用した場合、本発明で開発したナノファイバーは、マトリゲルの約2/3、シンセマックスの約1/20、ラミニン511組換えタンパクの約1/15のコストで済み、格段に優れていることから、多能性幹細胞の大量生産に非常に有用である。

Claims (12)

  1. 分子量30−40kDaのゼラチンからなる、架橋処理されたナノファイバーを含有してなる、多能性幹細胞の維持増幅培養用基材。
  2. ナノファイバーがエレクトロスピニング法により得られる、請求項1記載の基材。
  3. 多能性幹細胞がES細胞又はiPS細胞である、請求項1又は2記載の基材。
  4. 多能性幹細胞がヒト由来である、請求項1〜のいずれかの1項に記載の基材。
  5. 請求項1又は2記載の基材上に多能性幹細胞を播種し、該細胞を静置培養することを特徴とする、多能性幹細胞の維持増幅方法。
  6. 酵素を含まない解離液を用いて基材から多能性幹細胞を解離させ、該細胞を請求項1又は2記載の基材上に播種し、該細胞をさらに静置培養することを特徴とする、請求項記載の方法。
  7. 継代時に、多能性幹細胞を単一細胞にまで分散させることを特徴とする、請求項記載の方法。
  8. 多能性幹細胞を無血清培地で培養することを特徴とする、請求項のいずれか1項に記載の方法。
  9. 無血清培地がxenoフリー培地である、請求項記載の方法。
  10. 無血清培地がタンパク質不含培地である、請求項記載の方法。
  11. 多能性幹細胞がES細胞又はiPS細胞である、請求項10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 多能性幹細胞がヒト由来である、請求項11のいずれか1項に記載の方法。
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