JP2014143954A - 多能性幹細胞を効率的に作製する方法 - Google Patents

多能性幹細胞を効率的に作製する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ニワトリ、ブタ、ウシ等、マウス又はヒト以外の動物においても、多能性幹細胞を効率的作製する方法等を提供することを目的とする。
【解決手段】細胞培養時の培地のpHを厳密に制御することで、ニワトリ、ブタ、ウシ等の動物において、多能性幹細胞を効率的に樹立し、安定にその形質を維持する。
【選択図】なし

Description

本発明は、多能性幹細胞を効率的に樹立し、安定にその形質を維持する方法に関する。より詳細には、培地のpHを厳密に制御することで、ニワトリ、ウシ、ブタ等、マウス又はヒト以外の動物種由来でも多能性幹細胞を効率的に作製する方法に関する。
1981年に、マウス胚盤胞の内部細胞塊から胚性幹細胞(embryonic stem cell,ES細胞)の樹立が報告された。さらに、Oct3/4遺伝子、Sox2遺伝子、Klf4遺伝子、c-Myc遺伝子の4つの遺伝子を導入することでマウス体細胞を初期化することによる、人工多能性幹細胞(induced pluripotent stem cell,iPS細胞)の樹立が、2006年に山中らにより初めて報告された(非特許文献1)。加えて、2007年にはヒトiPS細胞の樹立も報告される等(非特許文献2)、マウス及びヒトiPS細胞等の多能性幹細胞に関し、多数の報告がなされている。
一方、ブタ、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ニワトリ等の家畜は、例えば、ヒツジの乳腺内にアンチトロンビンのような有用タンパク質を発現させて乳汁から当該タンパク質を得る、あるいは、ニワトリの卵白に医療用タンパク質や抗体を発現させてこれらを得るなど、比較的大型な動物を遺伝子組み換え動物(いわゆる動物工場)として使用することが産業上注目されている(特許文献1、2)。また、イヌ、ネコ等の愛玩動物もヒト同様、再生医療の需要が将来的に期待され、ラットやイヌ等の実験動物では、ヒトへのトランスレーションリサーチとしての価値も存在する。
しかしながら、上述のブタ、イヌ、ウサギ、ラット等の動物に、マウス又はヒトiPS細胞と同様の手法を適用した場合、コロニー形成は認められるものの、その多能性が個体形成まで至っているという報告は、ほぼ皆無、あるいは、数少ない報告例でも、再現性が全くとれていないのが現状である。当該原因として、動物種及び細胞種の相違等が考えられるものの、具体的な原因は未知のままである。そのため、マウス及びヒト以外のブタ、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ニワトリ等の動物においても、iPS細胞のような多能性幹細胞を効率的に樹立し、安定にその形質を維持する方法の開発が望まれている。また、既存のマウス及びヒトのiPS細胞作製法についても、詳細なメカニズムは解明されておらず、樹立効率や継代維持の向上など、改善の余地がある。
さらに、マウスES細胞と同様の手法をラット、ウサギ、ウシ、ブタ等の動物種に適用し、これらの種におけるES細胞株の樹立も試みられているが、いずれもマウスES細胞に似た細胞が得られたという報告であり、マウス及び霊長類以外の動物種からのES細胞の樹立も困難であるのが現状である。
特表2002-528117号公報 特表2005-535331号公報
Cell. 2006;126(4):663-676 Cell. 2007;131(5):861-872
本発明は、ニワトリ、ブタ、ウシ等、マウス又はヒト以外の動物種においても、多能性幹細胞を効率的に樹立し、安定にその形質を維持する方法及び当該方法に使用する装置等を提供することを目的とする。さらに、本発明は、既存の多能性幹細胞の作製方法と比較して、効率よく当該細胞を樹立し、安定にその形質を維持する方法等を提供することも目的とする。
本発明者らは、従来の多能性幹細胞の樹立及び維持培養において、培地のpH制御が厳密でなかった(即ち、基礎培地に血清、サイトカイン類、増殖因子等を添加した後の最終pHについては、pH指示薬により著しいpH変化をチェックする以外は、基礎培地の緩衝能に委ねて厳密な管理はなされていなかった)ことに着目し、pH調整薬を用いて培地のpHを種々の値に厳密に制御することで、iPS/ES細胞の樹立/維持増幅効率がどのように変化するかを検討した。その結果、培地のpHをある特定の範囲内の値に厳密に制御すると、ニワトリ、ブタ、ウシ等の動物種においてiPS細胞様コロニーの形成効率の顕著な上昇が認められることを見出した。加えて、ES細胞及びiPS細胞を容易に樹立し得るマウスにおいても、至適pH値や好適pH範囲は異なるものの、樹立及び維持培養期間を通じて培地pHを、好適pH範囲内のあるpH値に厳密に制御することで、従来の培養方法に比べてコロニーの形成効率及び多能性細胞の増幅効率が顕著に上昇することも確認し、本手法が広く温血動物一般に適用可能であることを実証した。
本発明者らは、また、マウスiPS細胞とマウスES細胞とを同様のpH条件下で培養した結果、pHの違いによりコロニー形態の変化に違いが認められること、当該相違は両細胞において傾向が類似することも見出した。即ち、培地pHを設定値に厳密に制御することにより、pHの設定を変化させることで、質的に異なる多能性幹細胞を誘導できることに成功した。
以上の知見に基づき、本発明が完成された。
即ち、本発明は下記のとおりである:
[1]温血動物の多能性幹細胞を樹立または維持する方法であって、該多能性幹細胞の樹立または維持培養において、培養期間を通じて培地のpHを一定に制御することを特徴とする、多能性幹細胞を作製する方法。
[2]pHがpH6.5〜8のある値に制御される、[1]に記載の方法。
[3]pHがpH7.0〜7.8のある値に制御される、[1]に記載の方法。
[4]多能性幹細胞がマウス及びヒトを除く動物由来である、[1]〜[3]のいずれかに記載の方法。
[5]多能性幹細胞がニワトリ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウサギ、ウマ、イヌ、ネコ及びラットからなる群から選択される動物由来である、[1]〜[4]のいずれかに記載の方法。
[6]多能性幹細胞がニワトリ、ブタ、ウシからなる群から選択される動物由来である、[5]に記載の方法。
[7]多能性幹細胞が、胚性幹細胞又は人工多能性幹細胞である、[1]〜[6]のいずれかに記載の方法。
[8][1]〜[7]に記載の方法により得られる、多能性幹細胞。
[9][8]に記載のマウス及びヒト以外の多能性幹細胞に所望の遺伝子を導入し、該細胞を含有する移植用胚を調製し、該移植用胚を該多能性幹細胞と同種の雌個体に導入してF1個体を産出させ、該多能性幹細胞が生殖系列に寄与したF1個体を異性個体と交配して、導入遺伝子を発現するF2個体を産出させることを含む、遺伝子改変非マウス・非ヒト温血動物の作製方法。
[10][9]に記載の方法により得られる遺伝子改変非マウス・非ヒト温血動物。
[11][10]に記載の動物の乳又は卵から、導入遺伝子にコードされるタンパク質を回収することを含む、該タンパク質の製造方法。
[12]多能性幹細胞を作製及び/又は維持する装置であって、
細胞培養部、
前記細胞培養部内の培地pHをモニタリングするpH検出部、
pHの変化に応じてpHを調節するpH調節部、及び
細胞培養部内の培地pHを維持するように、新鮮な培地を供給する培地供給部
を備える装置。
本発明により、ニワトリ、ブタ、ウシ等、産業上有用な動物の多能性幹細胞を効率的に樹立し、その形質を安定に維持することができる。これらの細胞は個体形成に至る蓋然性が高く、産業上極めて有用な発明である。
図1Aは、レトロウイルスにより初期化因子(Oct4、Sox2、Klf4、c-Myc)を導入したニワトリ胎仔線維芽細胞を、種々のpHに制御したマウスES細胞用培地で培養した場合の、アルカリホスファターゼ陽性のコンパクトなコロニーの形成頻度を示す。図1Bは、図1Aの各pH条件下でのコロニー形態を示す。 図2Aは、レトロウイルスにより初期化因子(Oct4、Sox2、Klf4、c-Myc)を導入したブタ胎仔線維芽細胞を、種々のpHに制御したマウスES細胞用培地で培養した場合の、アルカリホスファターゼ陽性のコンパクトなコロニーの形成頻度を示す。図2Bは、図2Aの各pH条件下でのコロニー形態を示す。 図3Aは、レトロウイルスにより初期化因子(Oct4、Sox2、Klf4、c-Myc)を導入したウシ胎仔線維芽細胞を、種々のpHに制御したマウスES細胞用培地で培養した場合の、アルカリホスファターゼ陽性のコンパクトなコロニーの形成頻度を示す。図3Bは、図3Aの各pH条件下でのコロニー形態を示す。 図4Aは、レトロウイルスにより初期化因子(Oct4、Sox2、Klf4、c-Myc)を導入した、Oct4-GFPレポーター遺伝子が組み込まれたマウス胎仔線維芽細胞を、種々のpHに制御したマウスES細胞用培地で培養した場合の、ウイルス感染から21日後の、GFP陽性及びGFP陰性のコンパクトなコロニーの形成頻度を示す。図4Bは、図4Aの各pH条件下でのコロニー形態を示す。phase: 位相差像; GFP: GFP染色像; AP: アルカリホスファターゼ染色像。 図5Aは、Oct4-GFPレポーター遺伝子が組み込まれたマウスES細胞を、種々のpHに制御した無血清培地(15%KSRのマウスES細胞用培地)で培養した場合の、3日目のコロニー形態を示す。phase: 位相差像; GFP: GFP染色像; AP: アルカリホスファターゼ染色像。図5Bは、図5Aの細胞中、各pH条件下でのGFP陽性細胞数を示す。
以下、本発明の詳細を説明する。本発明は、pHを厳密に制御することで、ニワトリ、ブタ、ウシ等、マウス又はヒト以外の温血動物でも多能性幹細胞を効率よく作製及び維持増幅することのできる方法等を提供する。
本発明において「温血動物」とは、哺乳類もしくは鳥類に属する動物である限りいかなるものであってもよく、例えば、ヒト、サル等の霊長類、マウス、ラット等の齧歯類、ニワトリ(家畜、愛玩鶏等)、ブタ(家畜ブタ、ミニブタ、マイクロピッグ等)、ウマ(家畜ウマ、競走馬等)、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ウサギ、ネコ、イヌ等が挙げられるが、これらに限定されない。本発明は、従来、キメラ作製能を有し且つ生殖系列への寄与し得る、遺伝子改変動物の作製に有用な多能性幹細胞を樹立するのが困難であった温血動物種、即ち、マウス、並びにヒト等の霊長類以外の温血動物種、好ましくは、遺伝子改変により乳や卵等に組換えタンパク質を大量に産生することのできる家畜類、より好ましくはニワトリ、ブタ、ウシ等の多能性幹細胞を得るのに、特に有用である。
本発明において、「多能性幹細胞」とは、未分化状態を保持したまま増殖できる「自己再生能」と三胚葉系列すべてに分化できる「分化多能性」とを有する未分化細胞であれば特に制限されず、例えば、人工多能性幹細胞(iPS細胞)の他、胚性幹細胞(ES細胞)、骨髄間葉系細胞から単離されるMuse細胞、始原生殖細胞に由来する胚性生殖細胞(EG細胞)、精巣組織からのGS細胞の樹立培養過程で単離されるmutipotent germline stem細胞(mGS細胞)等が挙げられる。ES細胞は体細胞から核初期化されて生じたES細胞であってもよい。好ましくはiPS細胞またはES細胞である。本発明の方法は、いずれかの多能性幹細胞が樹立されているか、本来的に樹立可能である、任意の温血動物において適用することができる
(A)iPS細胞
iPS細胞は、特定の初期化因子を、DNA、RNA又はタンパク質の形態で体細胞に導入することによって作製することができる、ES細胞とほぼ同等の特性、例えば分化多能性と自己複製による増殖能、を有する体細胞由来の人工の幹細胞である(Takahashi K. and Yamanaka S. (2006) Cell, 126:663-676; Takahashi K. et al. (2007), Cell, 131:861-872; Yu J. et al. (2007), Science, 318:1917-1920; Nakagawa, M.ら,Nat. Biotechnol. 26:101-106 (2008);国際公開第 2007/069666号)。
iPS細胞を作製するための体細胞としては、上述の温血動物由来であって、生殖細胞以外の任意の細胞が挙げられる。例えば、皮膚細胞、視覚細胞、脳細胞、有毛細胞、口腔粘膜、肺細胞、肝細胞、胃粘膜細胞、腸細胞、脾細胞、膵細胞、腎細胞、神経幹細胞、造血幹細胞、智歯などに由来する間葉系幹細胞、組織幹細胞、組織前駆細胞、血液細胞(例、末梢血単核球細胞(T細胞および非T細胞を含む)、末梢血リンパ球、臍帯血細胞など)、上皮細胞、内皮細胞(例、血管内皮細胞)、筋肉細胞、線維芽細胞、等が挙げられるが、これらに限定されない。また、これらの初代培養細胞、継代細胞なども含まれる。
温血動物から分離した体細胞は、核初期化工程に供するに先立って、細胞の種類に応じてその培養に適した自体公知の培地で前培養することができる。そのような培地としては、例えば、約5〜20%の胎仔ウシ血清(FBS)を含む最小必須培地(MEM)、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)、RPMI1640培地、199培地、F12培地、それらの混合培地などが挙げられるが、それらに限定されない。尚、初期化因子との接触に際し、例えば、カチオニックリポソームなど導入試薬を用いる場合には、導入効率の低下を防ぐため、無血清培地に交換しておくことが好ましい場合がある。
初期化因子は、ES細胞に特異的に発現している遺伝子、その遺伝子産物もしくはnon-cording RNAまたはES細胞の未分化維持に重要な役割を果たす遺伝子、その遺伝子産物もしくはnon-coding RNA、あるいは低分子化合物によって構成されてもよい。初期化因子に含まれる遺伝子として、例えば、Oct3/4、Sox2、Sox1、Sox3、Sox15、Sox17、Klf4、Klf2、c-Myc、N-Myc、L-Myc、Nanog、Lin28、Fbx15、ERas、ECAT15-2、Tcl1、beta-catenin、Lin28b、Sall1、Sall4、Esrrb、Nr5a2、Tbx3またはGlis1等が例示され、これらの初期化因子は、単独で用いても良く、組み合わせて用いても良い。初期化因子の組み合わせとしては、WO2007/069666、WO2008/118820、WO2009/007852、WO2009/032194、WO2009/058413、WO2009/057831、WO2009/075119、WO2009/079007、WO2009/091659、WO2009/101084、WO2009/101407、WO2009/102983、WO2009/114949、WO2009/117439、WO2009/126250、WO2009/126251、WO2009/126655、WO2009/157593、WO2010/009015、WO2010/033906、WO2010/033920、WO2010/042800、WO2010/050626、WO 2010/056831、WO2010/068955、WO2010/098419、WO2010/102267、WO 2010/111409、WO 2010/111422、WO2010/115050、WO2010/124290、WO2010/147395、WO2010/147612、Huangfu D, et al. (2008), Nat. Biotechnol., 26: 795-797、Shi Y, et al. (2008), Cell Stem Cell, 2: 525-528、Eminli S, et al. (2008), Stem Cells. 26:2467-2474、Huangfu D, et al. (2008), Nat Biotechnol. 26:1269-1275、Shi Y, et al. (2008), Cell Stem Cell, 3, 568-574、Zhao Y, et al. (2008), Cell Stem Cell, 3:475-479、Marson A, (2008), Cell Stem Cell, 3, 132-135、Feng B, et al. (2009), Nat Cell Biol. 11:197-203、Judson R.L. et al., (2009), Nat. Biotech., 27:459-461、Lyssiotis CA, et al. (2009), Proc Natl Acad Sci U S A. 106:8912-8917、Kim JB, et al. (2009), Nature. 461:649-643、Ichida JK, et al. (2009), Cell Stem Cell. 5:491-503、Heng JC, et al. (2010), Cell Stem Cell. 6:167-74、Han J, et al. (2010), Nature. 463:1096-100、Mali P, et al. (2010), Stem Cells. 28:713-720、Maekawa M, et al. (2011), Nature. 474:225-229に記載の組み合わせが例示される。
上記初期化因子には、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤[例えば、バルプロ酸 (VPA)、トリコスタチンA、酪酸ナトリウム、MC 1293、M344等の低分子阻害剤、HDACに対するsiRNAおよびshRNA(例、HDAC1 siRNA Smartpool(商標) (Millipore)、HuSH 29mer shRNA Constructs against HDAC1 (OriGene)等)等の核酸性発現阻害剤など]、MEK阻害剤(例えば、PD184352、PD98059、U0126、SL327およびPD0325901)、Glycogen synthase kinase-3阻害剤(例えば、BioおよびCHIR99021)、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、5-azacytidine)、ヒストンメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、BIX-01294 等の低分子阻害剤、Suv39hl、Suv39h2、SetDBlおよびG9aに対するsiRNAおよびshRNA等の核酸性発現阻害剤など)、L-channel calcium agonist (例えばBayk8644)、酪酸、TGFβ阻害剤またはALK5阻害剤(例えば、LY364947、SB431542、616453およびA-83-01)、p53阻害剤(例えばp53に対するsiRNAおよびshRNA)、ARID3A阻害剤(例えば、ARID3Aに対するsiRNAおよびshRNA)、miR-291-3p、miR-294、miR-295およびmir-302などのmiRNA、Wnt Signaling(例えばsoluble Wnt3a)、神経ペプチドY、プロスタグランジン類(例えば、プロスタグランジンE2およびプロスタグランジンJ2)、hTERT、SV40LT、UTF1、IRX6、GLISl、PITX2、DMRTBl等の樹立効率を高めることを目的として用いられる因子も含まれており、本明細書においては、これらの樹立効率の改善目的にて用いられた因子についても初期化因子と別段の区別をしないものとする。
初期化因子は、タンパク質の形態の場合、例えばリポフェクション、細胞膜透過性ペプチド(例えば、HIV由来のTATおよびポリアルギニン)との融合、マイクロインジェクションなどの手法によって体細胞内に導入してもよい。
一方、DNAの形態の場合、例えば、ウイルス、プラスミド、人工染色体などのベクター、リポフェクション、リポソーム、マイクロインジェクションなどの手法によって体細胞内に導入することができる。ウイルスベクターとしては、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター(以上、Cell, 126, pp.663-676, 2006; Cell, 131, pp.861-872, 2007; Science, 318, pp.1917-1920, 2007)、アデノウイルスベクター(Science, 322, 945-949, 2008)、アデノ随伴ウイルスベクター、センダイウイルスベクター(WO 2010/008054)などが例示される。また、人工染色体ベクターとしては、例えばヒト人工染色体(HAC)、酵母人工染色体(YAC)、細菌人工染色体(BAC、PAC)などが含まれる。プラスミドとしては、哺乳動物細胞用プラスミドを使用しうる(Science, 322:949-953, 2008)。ベクターには、核初期化物質が発現可能なように、プロモーター、エンハンサー、リボゾーム結合配列、ターミネーター、ポリアデニル化サイトなどの制御配列を含むことができるし、さらに、必要に応じて、薬剤耐性遺伝子(例えばカナマイシン耐性遺伝子、アンピシリン耐性遺伝子、ピューロマイシン耐性遺伝子など)、チミジンキナーゼ遺伝子、ジフテリアトキシン遺伝子などの選択マーカー配列、緑色蛍光タンパク質(GFP)、βグルクロニダーゼ(GUS)、FLAGなどのレポーター遺伝子配列などを含むことができる。また、上記ベクターには、体細胞への導入後、初期化因子をコードする遺伝子もしくはプロモーターとそれに結合する初期化因子をコードする遺伝子を共に切除するために、それらの前後にLoxP配列を有してもよい。
また、RNAの形態の場合、例えばリポフェクション、マイクロインジェクションなどの手法によって体細胞内に導入しても良く、分解を抑制するため、5-メチルシチジンおよびpseudouridine (TriLink Biotechnologies)を取り込ませたRNAを用いても良い(Warren L, (2010) Cell Stem Cell. 7:618-630)。
初期化因子との接触から4〜7日後に、上記体細胞用の培地からiPS細胞誘導用の培地に換え、フィーダー細胞もしくは細胞外基質上での培養を開始することができる。iPS細胞誘導のための基本培地としては、動物細胞の培養に用いられる任意の培地を使用することができる。例えば、イーグル培地(例:DMEM、BME、MEM、αMEM)、ハム培地(例:F10培地、F12培地)、RPMI培地(例:RPMI1640培地、RPMI1630培地)、MCDB培地(例:MCDB104、107、131、151、153培地)、フィッシャー培地、199培地、又は市販の培養液[霊長類ES細胞用培地(霊長類ES/iPS細胞用培養液、リプロセル社)、マウスES細胞用培地(TX-WES培養液、トロンボX社)、無血清培地(mTeSR、Stemcell Technology社)、ReproFF、StemSpan(登録商標)SFEM、StemSpan(登録商標)H3000、StemlineII、ESF-B培地、ESF-C培地、CSTI-7培地等]、が挙げられるがこれらに限定されない。細胞の種類、フィーダー細胞の有無等に合わせて、当業者は適宜培地を選択することができる。さらに、これらの培地は、必要に応じて、混合等して使用することもできる。
上記基本培地には、10〜20%の血清(ウシ胎児血清(FBS)、ヒト血清、ウマ血清)又は血清代替物(KSR等)、インシュリン、各種ビタミン、L-グルタミン、非必須アミノ酸等の各種アミノ酸、β-メルカプトエタノール、各種サイトカイン(インターロイキン類、幹細胞因子(SCF)、アクチビン等)、各種ホルモン、各種増殖因子(白血病抑制因子(LIF)、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)、TGF-β等)、各種細胞外マトリックス、各種細胞接着分子、ペニシリン/ストレプトマイシン、ピューロマイシン等の抗生物質、フェノールレッド等のpH指示薬などを適宜添加することができる。
iPS細胞をはじめとする従来の多能性幹細胞の樹立・維持培養においては、培地のpHは厳密に制御されていなかった。培地に含まれる塩類溶液は、無機イオンの供給と、浸透圧及びpH調節の機能を果たしており、培地のpH制御は塩類溶液の緩衝能に委ねられ、pH変化は、添加されたpH指示薬による培地の色の変化を指標にして行われる程度であった。上記のiPS細胞誘導用培地では、pH調節に主として炭酸緩衝液が使用される。炭酸緩衝液を用いる培地のpHは重炭酸塩(例:NaHCO3)と空気中の炭酸ガスとの平衡によって決まるが、培地の緩衝能を強めるために、細胞は通常5% CO2雰囲気下で培養されるため、培地交換の際に平衡状態が崩れて、培地pHが若干変化すると考えられる。また、培地交換の間隔が長いと、細胞増殖による酸の分泌のため、培地pHは低下する。本発明は、従来軽視されてきた、多能性幹細胞の樹立及び維持培養における培地pHの変化に着目し、培養期間を通じて培地pHを、培養対象である動物種に好適なpH範囲内の所定のpH値(好ましくは至適pH)で一定に制御することを特徴とする。ここで「所定のpH値で一定に制御する」とは、培養期間を通じて所定のpH値±0.1の範囲内に培地pHを維持することを意味する。
新鮮な培地のpH調整は、重炭酸塩、L-グルタミン等の試薬を培地へ添加することにより行うことができるが、好ましくはNaHCO3等の重炭酸塩が使用される。pH調整試薬は、Henderson-Hasselbalchの式に従って、所定のpH値で平衡となる量を計算して添加する。即ち、培地中の炭酸緩衝系の平衡関係は実質上、[CO2]+[H2O]⇔[H+]+[HCO3 -]で表わせるが、この際の解離定数をKaとしてHenderson-Hasselbalchの式を導くと、pH = pKa’+ log[HCO3 -]/[CO2]となり、pKa’は6.10、液相のCO2濃度は溶解計数(0.03)x CO2分圧(5% CO2の場合、760mmHg x 0.05)で求められるので、CO2インキュベーター内のCO2濃度に応じて、所定のpHで平衡化するための重炭酸塩量を算出することができる。
培養対象である動物種に「好適なpH範囲」は、例えば、通常、温血動物の培養に用いられるpH範囲(pH6.5〜8)内で種々のpHに設定した培地を用いて、当該pH値に制御しながら培養を行って、各pH値での未分化細胞コロニーの出現頻度を比較することにより、決定することができる。例えば、後述の実施例の条件下で、ニワトリiPS細胞を樹立するには、pH6.7〜7.5、好ましくはpH6.8〜7.4、より好ましくは7.0〜7.2の範囲内、ウシiPS細胞を樹立するには、pH6.7〜8、好ましくはpH6.8〜7.8、より好ましくはpH7.0〜7.4の範囲内、ブタiPS細胞を樹立するには、pH6.7〜8、好ましくは、pH6.8〜7.8、より好ましくはpH7.0〜7.8の範囲内、マウスiPS細胞を樹立するには、pH6.7〜8、好ましくは、pH6.8〜7.8、より好ましくはpH7.2〜7.4の範囲内にpHを調整することが望ましい。ニワトリ、ウシ、ブタ等の非マウス・非ヒトiPS細胞の樹立に関しては、マウスでの至適pH(pH7.4程度)よりもやや低いpH値で培地pHを制御することにより、未分化細胞コロニーの出現頻度がより高くなる傾向にある。
培養は、1〜10%、好ましくは2〜5% CO2含有大気下、30〜40℃、好ましくは37〜38.5℃で、25〜50日程度行われる。
好ましい培養法の例としては、たとえば、37℃、5%CO2存在下にて、10%FBS含有DMEM又はDMEM/F12培養液上で体細胞と初期化因子とを接触させ約4〜7日間培養し、その後、細胞をフィーダー細胞(たとえば、マイトマイシンC処理STO細胞、SNL細胞等)上にまきなおし、体細胞と初期化因子の接触から約10日後からbFGF含有霊長類ES細胞培養用培養液で培養し、該接触から約30〜約45日又はそれ以上ののちにiPS様コロニーを生じさせることができる。
あるいは、37℃、5% CO2存在下にて、フィーダー細胞(たとえば、マイトマイシンC処理STO細胞、SNL細胞等)上で10%FBS含有DMEM培養液(これにはさらに、LIF、ペニシリン/ストレプトマイシン、ピューロマイシン、L-グルタミン、非必須アミノ酸類、β-メルカプトエタノールなどを適宜含むことができる。)で培養し、約25〜約30日又はそれ以上ののちにES様コロニーを生じさせることができる。フィーダー細胞の代わりに、初期化される体細胞そのものを用いるか(Takahashi K, et al. (2009), PLoS One. 4:e8067またはWO2010/137746)、もしくは細胞外基質(例えば、Laminin(WO2009/123349)およびマトリゲル(BD社))を用いてもよい。
この他にも、血清を含有しない培地を用いて培養する方法も例示される(Sun N, et al. (2009), Proc Natl Acad Sci U S A. 106:15720-15725)。さらに、樹立効率を上げるため、低酸素条件(0.1%以上、15%以下の酸素濃度)によりiPS細胞を樹立しても良い(Yoshida Y, et al. (2009), Cell Stem Cell. 5:237-241またはWO2010/013845)。
上記培養の間には、培養開始2日目以降から1〜2日に1回新鮮な培地と培地交換を行う。また、核初期化に使用する体細胞の細胞数は、限定されないが、培養ディッシュ100cm2あたり約5×103〜約5×106細胞の範囲である。
培養中の培地pHの制御は、例えば、pHセンサーを用いて培地pHを随時モニタリングし、所定のpH値±0.1の範囲を維持するように、必要に応じてpH調節試薬を添加するか、あるいはインキュベーター内のCO2濃度を変化させることにより行うこともできるが、通常2〜5% CO2含有大気下では、毎日新鮮な培地に交換することで、培地の緩衝能のみで培地pHを一定に制御することが可能な場合が多いので、培養中のpHモニタリングを省略することもできる。この場合、モニタリングのタイミングとしては、培地交換時などが挙げられるが、これらに限定されない。培地交換に際しては、CO2分圧の変化による培地pHの変動を防ぐため、予めCO2インキュベーター内と同じCO2濃度下でインキュベートして平衡状態にした、新鮮培地が用いられる。
iPS細胞の候補コロニーの選択は、薬剤耐性とレポーター活性を指標とする方法と目視による形態観察による方法とが挙げられる。前者としては、例えば、分化多能性細胞において特異的に高発現する遺伝子(例えば、Fbx15、Nanog、Oct3/4など、好ましくはNanogまたはOct3/4)の遺伝子座に、薬剤耐性遺伝子および/またはレポーター遺伝子をターゲッティングした組換え体細胞を用い、薬剤耐性および/またはレポーター活性陽性のコロニーを選択するというものである。そのような組換え体細胞としては、例えばFbx15遺伝子座にβgeo(β-ガラクトシダーゼとネオマイシンホスホトランスフェラーゼとの融合タンパク質をコードする)遺伝子をノックインしたマウス由来のMEF(Takahashi K. & Yamanaka S., Cell, 126, 663-676 (2006))、あるいはNanog遺伝子座に緑色蛍光タンパク質(GFP)遺伝子とピューロマイシン耐性遺伝子を組み込んだトランスジェニックマウス由来のMEF(Okita et al., Nature, 448, 313-317 (2007))等が挙げられる。他の温血動物についても、同様の手法によりレポーター細胞を取得することができる。一方、目視による形態観察で候補コロニーを選択する方法としては、例えばTakahashi K. et al., Cell, 131, 861-872 (2007)に記載の方法が挙げられる。
選択されたコロニーの細胞がiPS細胞であることの確認は、上記したNanog(もしくはOct3/4)レポーター陽性(ピューロマイシン耐性、GFP陽性など)および目視によるES細胞様コロニーの形成によっても行い得るが、より正確を期すために、アルカリホスファターゼ染色や、各種ES細胞特異的遺伝子の発現を解析したり、選択された細胞をマウスに移植してテラトーマ形成を確認する等の試験を実施することもできる。
(B)ES細胞
ES細胞は、ヒトやマウスなどの哺乳動物の初期胚(例えば胚盤胞)の内部細胞塊から樹立された、多能性と自己複製による増殖能を有する幹細胞である。
ES細胞は、受精卵の8細胞期、桑実胚後の胚である胚盤胞の内部細胞塊に由来する胚由来の幹細胞であり、成体を構成するあらゆる細胞に分化する能力、いわゆる分化多能性と、自己複製による増殖能とを有している。ES細胞は、マウスで1981年に発見され(M.J. Evans and M.H. Kaufman (1981), Nature 292:154-156)、その後、ヒト、サルなどの霊長類でもES細胞株が樹立された (Thomson J.A. et al. (1998), Science 282:1145-1147; Thomson J.A. et al. (1995), Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 92:7844-7848; Thomson J.A. et al. (1996), Biol. Reprod., 55:254-259; Thomson J.A. and Marshall V.S. (1998), Curr. Top. Dev. Biol., 38:133-165)。
ES細胞は、対象動物の受精卵の胚盤胞から内部細胞塊を取出し、内部細胞塊を線維芽細胞のフィーダー上で培養することによって樹立することができる。また、継代培養による細胞の維持は、LIF、bFGFなどの物質を添加した培養液を用いて行うことができる。ヒトおよびサルのES細胞の樹立と維持の方法については、例えばUSP5,843,780; Thomson JA, et al. (1995), Proc Natl. Acad. Sci. U S A. 92:7844-7848; Thomson JA, et al. (1998), Science. 282:1145-1147; Suemori H. et al. (2006), Biochem. Biophys. Res. Commun., 345:926-932; Ueno M. et al. (2006), Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 103:9554-9559;Suemori H. et al. (2001), Dev. Dyn., 222:273-279; Kawasaki H. et al. (2002), Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 99:1580-1585;Klimanskaya I, et al. (2006), Nature. 444:481-485などに記載されている。また、ラット、ウシ、ヒツジ、ブタ等の非マウス・非霊長類ES細胞の樹立と維持については、WO2008/015418などに記載されている。また、ニワトリES細胞は、ニワトリ胚stage XのBlastdermal細胞から、Development, 122: 2339-2348 (1996)、Mech. Dev., 121: 1159-1168 (2004)等に記載の方法により樹立することができる。
ES細胞作製のための培地として、例えば0.1mM 2-メルカプトエタノール、0.1mM 非必須アミノ酸、2mM L-グルタミン酸、15〜20% KSR又はFBSおよび4ng/ml bFGF(ヒト等の霊長類)又は1000U/ml LIF(非霊長類)を補充したDMEM/F-12培地を使用し、37℃、2% CO2/98% 空気の湿潤雰囲気下でES細胞を樹立することができる(例えば、ヒトES細胞についてはFumitaka O. et al. (2008), Nat. Biotechnol., 26:215-224参照)。LIFは対象となる動物種由来のLIFを用いることが特に好ましい。また、ES細胞は、3〜4日おきに継代する必要があり、このとき、継代は、例えば1mM CaCl2および20% KSRを含有するPBS中の0.25% トリプシンおよび0.1mg/mlコラゲナーゼIVを用いて行うことができる。
ES細胞用培地のpH制御は、上記iPS細胞用培地の場合と同様に行うことができる。
ES細胞の選択は、一般に、アルカリホスファターゼ、Oct-3/4、Nanogなどの遺伝子マーカーの発現を指標にしてReal-Time PCR法で行うことができる。
(C)mGS細胞
mGS細胞は、精巣由来の多能性幹細胞であり、精子形成のための起源となる細胞である。この細胞は、ES細胞と同様に、種々の系列の細胞に分化誘導可能であり、例えばマウス胚盤胞に移植するとキメラマウスを作出できるなどの性質をもつ(Kanatsu-Shinohara M. et al. (2003) Biol. Reprod., 69:612-616; Shinohara K. et al. (2004), Cell, 119:1001-1012)。神経膠細胞系由来神経栄養因子(glial cell line-derived neurotrophic factor (GDNF))を含む培養液で自己複製可能であるし、またES細胞と同様の培養条件下で継代を繰り返すことによって、mGS細胞を得ることができる(竹林正則ら(2008),実験医学,26巻,5号(増刊),41〜46頁,羊土社(東京、日本))。
mGS細胞用培地のpH制御は、上記iPS細胞用培地の場合と同様に行うことができる。
(D)EG細胞
EG細胞は、胎生期の始原生殖細胞から樹立される、ES細胞と同様な多能性をもつ細胞であり、LIF、bFGF、SCFなどの物質の存在下で始原生殖細胞を培養することによって樹立しうる(Matsui Y. et al. (1992), Cell, 70:841-847; Resnick J.L. et al. (1992), Nature, 359:550-551)。
EG細胞用培地のpH制御は、上記iPS細胞用培地の場合と同様に行うことができる。
(E)核移植により得られたクローン胚由来のES細胞(nt ES細胞)
nt ES細胞は、核移植技術によって作製されたクローン胚由来のES細胞であり、受精卵由来のES細胞とほぼ同じ特性を有している(Wakayama T. et al. (2001), Science, 292:740-743;Wakayama S. et al. (2005), Biol. Reprod., 72:932-936; Byrne J. et al. (2007), Nature, 450:497-502)。すなわち、未受精卵の核を体細胞の核と置換することによって得られたクローン胚由来の胚盤胞の内部細胞塊から樹立されたES細胞がnt ES(nuclear transfer ES)細胞である。nt ES細胞の作製のためには、核移植技術(Cibelli J.B. et al. (1998), Nature Biotechnol., 16:642-646)とES細胞作製技術(上記)との組み合わせが利用される(若山清香ら(2008),実験医学,26巻,5号(増刊), 47〜52頁)。核移植においては、哺乳動物の除核した未受精卵に、体細胞の核を注入し、数時間培養することで初期化することができる。
nt ES細胞用培地のpH制御は、上記iPS細胞用培地の場合と同様に行うことができる。
(F)Multilineage-differentiating Stress Enduring cells(Muse細胞)
Muse細胞は、WO2011/007900に記載された方法にて製造された多能性幹細胞であり、詳細には、線維芽細胞または骨髄間質細胞を長時間トリプシン処理、好ましくは8時間または16時間トリプシン処理した後、浮遊培養することで得られる多能性を有した細胞であり、SSEA-3およびCD105が陽性である。
Muse細胞用培地のpH制御は、上記iPS細胞用培地の場合と同様に行うことができる。
本発明の方法は、多能性幹細胞の樹立培養において樹立効率を改善するだけでなく、樹立された多能性幹細胞の維持培養において、未分化状態や多能性の維持、並びに多能性幹細胞の増殖効率の改善にも有用である。
維持培養に供する多能性幹細胞は、上記の方法によって樹立されたものであってもよいし、他の方法により得られたものであってもよい。多能性幹細胞が市販されている場合には、それを用いてもよい(例えば、マウスES細胞は市販品(大日本住友製薬株式会社等))。
多能性幹細胞の維持培養方法については、従来公知の手法を適宜用いられる。最近、接着基質が不要な浮遊培養(suspension culture)法が報告され、注目されている(WO2011/058558、WO2009/116951、WO2008/120218、WO2008/015682、WO2007/002086、Nat. Protoc., 325, 572-579 (2011)、Nat. Protoc., 318, 689-700 (2011)、Nat. Biotechnol., 28, 361-364 (2010)、Stem Cell Rev. Rep., 6, 248-259 (2010)、Stem Cell Res., 4, 165-179 (2010)、Stem Cell Res., 7, 97-111 (2011))。この方法によれば三次元的な培養が可能なため、より小さなスペースでの大量培養が可能となる。
まず、樹立され、フィーダー細胞やマトリゲル、コラーゲン等のマトリクス上で付着培養されていた多能性幹細胞を酵素処理により解離した後、好ましくは細胞死を抑制するためにROCK阻害剤(例えば、Y-27632等)を添加した培地(上記において多能性幹細胞の培養用培地として例示したものを同様に使用することができる。好ましくは無血清培地が使用される。)に懸濁し、非接着性の培養容器(例えば、フラスコ、組織培養用フラスコ、デッシュ、ペトリデッシュ、組織培養用デッシュ、マルチデッシュ、マイクロプレート、マイクロウエルプレート、マルチプレート、マルチウエルプレート、チャンバースライド、シャーレ、チューブ、トレイ、培養バック、ローラーボトル等)中に、例えば0.5〜50×104細胞/cm2、好ましくは1〜10×104細胞/cm2の細胞密度となるように播種する。翌日ROCK阻害剤を含まない培地と交換し、以後は1-2日毎に新鮮な培地と交換することが望ましい。培養は、例えば、CO2インキュベーター中、1〜10%、好ましくは2〜5%のCO2濃度の雰囲気下、30〜40℃、好ましくは37〜38.5℃で、1〜7日間、好ましくは3〜6日間、より好ましくは4〜5日間行うことができる。
維持培養中の培地pHの制御は、例えば、pHセンサーを用いて培地pHを随時モニタリングし、所定のpH値±0.1の範囲を維持するように、必要に応じてpH調節試薬を添加するか、あるいはインキュベーター内のCO2濃度を変化させることにより行うことができる。付着培養の場合は、樹立培養時と同様、毎日新鮮な培地に交換することで、培地の緩衝能のみで培地pHを一定に制御することが可能な場合が多いので、培養中のpHモニタリングを省略することもできるが、浮遊培養法により大量増幅培養を行う場合には、細胞培養部、前記細胞培養部内のpHをモニタリングするpH検出部、pHの変化に応じてpHを調節するpH調節部、及び細胞培養部内の培地pHを維持するように、新鮮な培地を供給する培地供給部を備えた培養装置を用いることがより好ましい。ここで、培地供給部は、培地交換に際してCO2分圧の変化による培地pHの変動を防ぐため、予めCO2インキュベーター内と同じCO2濃度下でインキュベートして平衡状態にした新鮮培地を供給できるように、CO2濃度及び温度を調節可能なチャンバーを含む。該チャンバーとしては、CO2インキュベーターの一部スペースを使用してもよい。pH調節部は、pH検出部からのpH値情報を受け取ってコンピュータにより添加すべき試薬及びその量を計算し、その結果に応じて所定のpH調整試薬を所定の量添加することができるように設計される。あるいは、pH調節部は、pH調整試薬に代えて、CO2インキュベーター内のCO2濃度を調節するように設計されていてもよい。例えば、市販の細胞自動培養システム(例:DigInfo;川崎重工業株式会社製)に、pH検出部、pH調節部、及び培地供給部を加えるだけで、目的の培養装置を作製することができる。
このようにして樹立・維持された多能性幹細胞は、種々の目的で使用することができる。例えば、既に報告されている分化誘導法を利用して、多能性幹細胞から種々の細胞(例、心筋細胞、血液細胞、神経細胞、血管内皮細胞、インスリン分泌細胞等)への分化を誘導することができる。したがって、患畜自身やMHCの型が同一もしくは実質的に同一である他個体から多能性細胞を誘導すれば、そこから所望の細胞(即ち、該患畜が罹病している臓器の細胞や疾患に対する治療効果を発揮する細胞など)に分化させて該患畜に移植するという、自家もしくは同種異系移植による幹細胞療法が可能となる。さらに、多能性幹細胞から分化させた機能細胞(例、肝細胞)は、対応する既存の細胞株よりも実際の生体内での該機能細胞の状態をより反映していると考えられるので、動物薬候補化合物の薬効や毒性のin vitroスクリーニング等にも好適に用いることができる。
さらに、本発明により樹立・維持された、ニワトリ、ウシ、ブタ等の家畜動物由来の多能性幹細胞は、所望の遺伝子を導入し、該細胞を含有する移植用胚を調製し、該移植用胚を該多能性幹細胞と同種の雌個体に導入してF1個体を産出させ、該多能性幹細胞が生殖系列に寄与したF1個体を異性個体と交配して、導入遺伝子を発現するF2個体を産出させることにより、遺伝子改変動物を作製することができる。例えば、有用タンパク質(ホルモン、サイトカイン等の生理活性タンパク質、治療用抗体など)の遺伝子を組み込んだ多能性幹細胞を用いれば、得られる遺伝子改変ニワトリの卵から、あるいは遺伝子改変ウシ、ブタ等の乳汁から、当該有用タンパク質を大量に採取することができる。機能性タンパク質等の遺伝子を組み込むことで、卵や乳汁の品質を改良し、高付加価値の飲食品としての乳汁もしくは卵を製造することもできる。さらに疾患特異的な多能性幹細胞を用いて動物個体を作製することにより、当該疾患の形質を保持した疾患モデル動物を作製することもできる。
以下の実施例により本発明をより具体的に説明するが、実施例は本発明の単なる例示にすぎず、本発明の範囲を何ら限定するものではない。
細胞及び培地
ニワトリ胎仔線維芽細胞(独立行政法人家畜改良センターより入手した有精卵を発生させた胎仔より調製)、ブタ胎仔線維芽細胞(静岡県畜産技術研究所中小家畜研究センターより入手したブタ胎仔より調製)、ウシ胎仔線維芽細胞(農業・食品産業技術総合研究機構畜産草地研究所より入手したウシ胎仔より調製)、GOF18(Oct4)-EGFPレポーター遺伝子を組み込んだマウス線維芽細胞(独立行政法人理化学研究所より入手)、マウスES細胞(独立行政法人理化学研究所より入手)、STOフィーダー細胞(American Type Cuture Collection(ATCC)より入手)を使用した。
マウスES細胞用培地として、15% Knockout Serum Replacement (KSR)(Gibco社製) を添加したGMEM(Sigma Aldrich社製)、体細胞用培地として10% FBS(PAA Laboratories GmbH製)を添加したGMEM(Sigma Aldrich社製)を使用した。
実施例1 ニワトリiPS細胞の樹立
マウス及びヒト以外の動物種におけるiPS細胞樹立に及ぼす細胞外pHの影響を調べるため、ニワトリ胎仔線維芽細胞に初期化因子を導入し、種々のpHで培養して未分化細胞コロニーの形成を調べた。即ち、ニワトリ胎仔線維芽細胞(1.0x105 cells/mL)へ、レトロウイルスによりマウス由来初期化因子(Oct4、Sox2、Klf4、c-Myc)を導入した。レトロウイルスを感染させた日をd0とし、d4まで、体細胞用培地を用い、38.5℃で培養した。その後、STOフィーダー細胞上に当該細胞を播きなおし、Henderson-Hasselbalchの式に従ってNaHCO3の添加濃度を変化させることにより、5% CO2雰囲気下で種々のpHをとるように調整し、1/1000量のマウスLIF(ESG1106;Millipore社製)を加えて終濃度1000 U/mLとしたマウスES細胞用培地を用いて、5% CO2、38.5℃で培養し、コロニー形成を観察した。培地交換は毎日行い、培地交換時のpHの変動が±0.1以下になるように、あらかじめ5% CO2でインキュベートして平衡状態にした新鮮培地を交換用の培地として使用した。フィーダー継代後、5日目でアルカリホスファターゼ染色を行い、各処理区のアルカリホスファターゼ活性の認められるコンパクトなコロニーを計測した。結果を図1に示す。従来のマウスES細胞用培地(pH7.4前後)のコロニー形成数(約200)と比較して、pH7.0で約4倍(約800)の効率でアルカリホスファターゼ陽性コロニーが形成された(図1A)。また、pH7.0以下ではコロニー形態がコンパクトであるのに対し、pHが高くなるにつれ、一つ一つのコロニーに、上皮系の細胞が出現する割合が多くなる傾向が見られた(図1B)。
実施例2 ブタ及びウシiPS細胞の樹立
実施例1と同様の手法により、大型動物であるブタ及びウシのiPS細胞樹立に及ぼす細胞外pHの影響を調べた。ブタ胎仔線維芽細胞(1.0x105 cells/mL)、又は、ウシ胎仔線維芽細胞(1.0x105 cells/mL)へ、レトロウイルスによりマウス由来初期化因子(Oct4、Sox2、Klf4、c-Myc)を導入した。フィーダー継代後、5日目でアルカリホスファターゼ染色を行い、各処理区のアルカリホスファターゼ活性の認められるコンパクトなコロニーを計測した。結果を図2(ブタ)、図3(ウシ)に示す。
実施例3 マウスiPS細胞の樹立とマウスES細胞の維持増幅
次に、マウスiPS細胞の樹立及びマウスES細胞の維持に及ぼす細胞外pHの影響を調べた。まず、Oct4-GFPレポーターが組み込まれているマウス線維芽細胞(1.0x105 cells/mL)へ、レトロウイルスによりマウス由来初期化因子(Oct4、Sox2、Klf4、c-Myc)を導入した。レトロウイルスを感染させた日をd0とし、d4まで、体細胞用培地を用い、37℃で培養した。その後、STOフィーダー細胞上に当該細胞を播きなおし、Henderson-Hasselbalchの式に従ってNaHCO3の添加濃度を変化させることにより、5% CO2雰囲気下で種々のpHをとるように調整し、1/1000量のマウスLIF(ESG1106;Millipore社製)を加えて終濃度1000 U/mLとしたマウスES細胞用培地を用いて、5% CO2、37℃で培養し、コロニー形成数、並びにGFP発現及びアルカリホスファターゼ活性を測定した。培地交換は毎日行い、培地交換時のpHの変動が±0.1以下になるように、あらかじめ5% CO2でインキュベートして平衡状態にした新鮮培地を交換用の培地として使用した。結果を図4に示す。
d21でコンパクトなコロニーを数えたところ、pH7.4でコロニー数が最大となった(図4A)。さらに、低pH、高pHで形成されたコロニー形態には相違が認められ、pHが低いほどコロニー形態はコンパクトになり、大きさも小さくなった。これに対し、pHが高いほど、コロニー形態はより扁平になるものが現れる傾向が見られた(図4B)。
次に、マウスES細胞(2.0x104 cells/mL)を用いて、上記同様にpH条件を調整し、コロニーの形態変化を観察した。該ES細胞は、無血清培養条件下で増殖させ、できる限り均一な集団を用いた。各pH処理区へ割り振る際、STOフィーダー細胞上へ播き、培地交換を毎日行い、3日後に、形態等を観察した。結果を図5に示す。pHが低いほどコロニー形態はコンパクトになり、pHが高いほど、コロニー形態はより扁平に広がる傾向が見られた(図5A)。また、細胞の増殖は、pH7.6まで、pHの増加とともに高まった(図5B)。
d21のコロニー形成の各処理区での結果、及びマウスES細胞の増殖率から、初期の細胞のコロニー形成の機構と、その後のコロニーの維持の機構とは異なり、おそらく、至適pHでは初期化が効率的に誘導されるとともに、当該条件では、更に細胞の生存性や増殖能に好適な条件を与えていることが示唆される。
以上の結果から、細胞外環境の変化により、様々な動物種で、得られるコロニー形態、コロニー数が相違し、iPS細胞樹立において、それぞれの動物種に特異的な細胞外pHが存在することが示唆された。さらに、マウスiPS細胞及びES細胞の形態変化に共通点が認められ、その傾向がニワトリにおいて特に顕著に現れていることから、細胞外pHの変化が、細胞の初期化だけでなく、細胞の分化の方向性を決める機構に関与している可能性を示唆している。
本発明を好ましい態様を強調して説明してきたが、好ましい態様が変更され得ることは当業者にとって自明である。
ここで述べられた明細書等を含む全ての刊行物に記載された内容は、ここに引用されたことによって、その全てが明示されたと同程度に本明細書に組み込まれるものである。
本発明によれば、培地pHを厳密に制御することで、ニワトリ、ブタ、ウシ等のマウス及びヒト以外の動物種においても、多能性幹細胞を効率的に作製することができる。さらに、pHの変化に応じて得られる多能性幹細胞に質的な差異があり、マウス及びヒト以外の動物種においても、適切なpHに制御すればマウス多能性幹細胞に類似したコンパクトな細胞を得ることができるので、当該細胞を用いれば、多能性幹細胞が生殖系列に寄与した動物個体を得ることができる。当該個体は動物工場、疾患モデル動物、医療、家畜、ペット等として使用することができる等、様々な分野に応用可能であり、本発明は産業上極めて有用である。

Claims (12)

  1. 温血動物の多能性幹細胞を樹立または維持する方法であって、該多能性幹細胞の樹立または維持培養において、培養期間を通じて培地のpHを一定に制御することを特徴とする、多能性幹細胞を作製する方法。
  2. pHがpH6.5〜8のある値に制御される、請求項1に記載の方法。
  3. pHがpH7.0〜7.8のある値に制御される、請求項1に記載の方法。
  4. 多能性幹細胞がマウス及びヒトを除く動物由来である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 多能性幹細胞がニワトリ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウサギ、ウマ、イヌ、ネコ及びラットからなる群から選択される動物由来である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 多能性幹細胞がニワトリ、ブタ及びウシからなる群から選択される動物由来である、請求項5に記載の方法。
  7. 多能性幹細胞が、胚性幹細胞又は人工多能性幹細胞である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法により得られる、多能性幹細胞。
  9. 請求項8に記載のマウス及びヒト以外の多能性幹細胞に所望の遺伝子を導入し、該細胞を含有する移植用胚を調製し、該移植用胚を該多能性幹細胞と同種の雌個体に導入してF1個体を産出させ、該多能性幹細胞が生殖系列に寄与したF1個体を異性個体と交配して、導入遺伝子を発現するF2個体を産出させることを含む、遺伝子改変非マウス・非ヒト温血動物の作製方法。
  10. 請求項9に記載の方法により得られる遺伝子改変非マウス・非ヒト温血動物。
  11. 請求項10に記載の動物の乳又は卵から、導入遺伝子にコードされるタンパク質を回収することを含む、該タンパク質の製造方法。
  12. 多能性幹細胞を作製及び/又は維持する装置であって、
    細胞培養部、
    前記細胞培養部内の培地pHをモニタリングするpH検出部、
    pHの変化に応じてpHを調節するpH調節部、及び
    細胞培養部内の培地pHを維持するように、新鮮な培地を供給する培地供給部
    を備える装置。
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