JP6427872B2 - 細胞培養方法、及び細胞培養装置 - Google Patents

細胞培養方法、及び細胞培養装置 Download PDF

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Description

本発明は、細胞や組織、微生物などを人工的な環境下で培養する細胞培養方法、及び細胞培養装置に関する。
近年、医薬品の生産や、遺伝子治療、再生医療、免疫療法等の分野において、細胞や組織、微生物などを人工的な環境下で効率良く大量に培養することが求められている。このような細胞培養にあっては、培地内の細胞密度が高くなるにつれて、増殖に必要な成分の枯渇、細胞自身の代謝産物の蓄積が起こり、増殖速度が低下し細胞密度は飽和に達してしまう。このため、細胞をある程度の規模で培養する場合には、通常、細胞密度が適性に維持されるよう継代を繰り返しながら培養を行っている。
この継代の際、ウェルプレートからフラスコなどに移し替える場合がある。例えば、細胞培養ウェルプレートを用いて適度の細胞密度となるように、培養液とともに細胞を個々のウェルに加えて培養を開始し、ウェル内で細胞を十分に増殖させてから細胞培養フラスコに移し替え、細胞増殖に合わせて培養液を追加して培養するとともに継代を行い、一定量に増殖した時点で、より容量の大きいバックなどに移し替えて、さらに培養と培養液の補給、継代を繰り返し、細胞の大量培養が行われていた(例えば、特許文献1[0027]段落等参照)。
また、凍結保存された細胞を使用する際には、融解して復元した後に、細胞本来の機能を回復するためにウェルプレートを用いて数日間の培養(以後、「養生培養」と呼ぶ)が行われ、細胞の機能を本来の状態に回復させた後にフラスコに移し替えて培養し(以後、「拡大培養」と呼ぶ)、その後、活性化培養を行なう方法もある(例えば、特許文献2[0057]段落等参照)。
特開2011−241159号公報 特開2013−215141号公報
しかしながら、このような細胞培養においては、ウェルプレートからフラスコに移し替える際にピペッティング作業を何回も繰り返す必要があり、また、継代のたびに新たなフラスコやバックなどの培養容器に細胞の一部を移さなければならず、作業が煩雑になるだけでなく、細胞にダメージを与える可能性がある。さらに、コンタミネーション(contamination:汚染)のリスクが高いという問題もあった。
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、培養時の細胞密度を適性に維持し、さらに細胞を大量に増殖させる際に培養容器の移し替え作業をなくし、細胞へのダメージの低減、コンタミネーションのリスクの低減を可能とする細胞培養方法、及び細胞培養装置の提供を目的とする。
本発明に係る細胞培養方法は、軟包材からなる容器に、細胞とともに培地を供給して細胞培養を行う細胞培養方法であって、前記容器が内容物の重さで部分的に撓んで、前記容器の底面に窪みが形成されるように前記容器を保持具に保持して、前記窪みに前記細胞を集めて培養し、しかる後に、前記容器に張力を加えて撓みを解消することによって、前記窪みを消失させつつ、前記容器内の培養面積を拡大する方法としてある。
また、本発明に係る細胞培養装置は、軟包材からなる容器と、前記容器を保持する保持具とを備え、前記保持具が、複数の凹部及び/又は貫通孔が設けられているとともに、前記容器の幅方向中央部を保持する底板と、前記底板の両側端縁に沿って設けられて前記容器の幅方向側縁部を保持し、鉛直に立ち上った状態と、前記底板と水平に倒れた状態とに可変となる側板とを有し、前記側板が鉛直に立ち上った状態にあるときには、前記容器の撓みが許容され、前記底板上に保持された前記容器が、内容物の重さで前記凹部内及び/又は前記貫通孔内に部分的に落ち込むように撓んで、前記容器の底面に窪みが形成され、前記側板が前記底板と水平に倒れた状態になると、前記容器に張力が加わり、前記容器の撓みが解消されて、前記容器の底面に形成された窪みが消失する構成としてある。
本発明によれば、細胞密度を高めた状態で細胞を培養し、増殖した細胞の底面積密度が一定以上に増大して、細胞の細胞密度が培養に適した範囲を超えたときに、容器内の培養面積を拡大することによって、継代を行うことなく適正な培養環境を維持して、細胞を効率的に増殖することが可能になる。また、培養容器の移し替え作業が不要なため、細胞へのダメージの低減、コンタミネーションのリスクの低減が可能となる。
本発明の実施形態に係る細胞培養方法の概略を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る細胞培養方法の概略を示す説明図であり、(a)は図1(a)のA−A断面図、(b)は図1(b)のB−B断面図である。 本発明の実施形態に係る細胞培養方法の概略を示す説明図であり、(a)は図1(a)のC−C断面図、(b)は図1(b)のD−D断面図である。 本発明の実施形態に係る細胞培養装置の概略を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る細胞培養装置が備える保持具の概略を示す平面図であり、(a)は側板を立てた状態を示し、(b)は側板を倒した状態を示している。 図5(b)のE−E断面図である。 本発明の実施形態に係る細胞培養装置が備える保持具の側板を立てた状態から倒した状態とする過程を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る細胞培養方法の変形例の概略を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る細胞培養方法の変形例の概略を示す説明図であり、(a)は図8(a)のF−F断面図、(b)は図8(b)のG−G断面図である。 本発明の実施形態に係る細胞培養方法の変形例の概略を示す説明図であり、(a)は図8(a)のH−H断面図、(b)は図8(b)のI−I断面図である。 本発明の実施形態に係る細胞培養装置の変形例の概略を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る細胞培養装置の変形例が備える保持具の概略を示す平面図であり、(a)は側板を立てた状態を示し、(b)は側板を倒した状態を示している。 図12(b)のJ−J断面図である。 本発明の実施形態に係る細胞培養装置の変形例が備える保持具の側板を立てた状態から倒した状態とする過程を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る細胞培養方法の他の変形例の概略を示す説明図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
[細胞培養方法]
まず、本実施形態に係る細胞培養方法について説明する。
本実施形態に係る細胞培養方法は、軟包材からなる容器1に、培養の対象となる細胞(培養細胞)とともに、この細胞を培養するための培地(培養液や培養基を含む)を供給して細胞培養を行う細胞培養方法であり、特に、患者から採取した細胞や凍結された細胞などのダメージを受けた細胞を養生して、細胞本来の機能を回復しつつ、培養するのに好適な細胞培養方法である。
本実施形態において、容器1は、軟包材を材料として袋状(バッグ型)に形成されている。軟包材とは、可撓性及び柔軟性を包装体に与える包装材料をいう。軟包材については、例えば、特開2004−323077号公報などに記載されており、周知技術である。
また、容器1は、細胞培養に必要なガス透過性(酸素透過性)を有している。これにより、細胞培養を閉鎖系(密閉系)で行うことができる。さらに、容器1は、内容物を確認できるように、一部又は全部が透明性を有している。このような容器1としての条件を満たす包装材料の具体例としては、ポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン系エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、シリコーン系熱可塑性エラストマー、シリコーンゴムなどが挙げられる。
このような容器1の形状は、通常、長方形状とされ、短辺側の対抗する二辺にチューブ12が接続されている。そして、容器1の四辺はヒートシールにより密封されるとともに、容器1内の収容部がチューブ12の取り付け部分に向かって次第に狭くなるようにするのが好ましい。
なお、容器1は、ブロー成形による一体成型バッグでもよい。
容器1に接続されるチューブ12のうち、1本は細胞や培地を外部から容器1に供給するための供給用、他の1本は細胞や培地を容器1から回収するための回収用である。このチューブ12の材質としては、適宜使用環境に合わせて選択すれば良いが、特にガス透過性に優れるものが望ましい。例えば、シリコーンゴム、軟質塩化ビニル樹脂、ポリブタジエン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、シリコーン系熱可塑性エラストマー、スチレン系エラストマー等を用いることができる。また、スチレン系エラストマーとしては、例えば、SBS(スチレン・ブタジエン・スチレン)、SIS(スチレン・イソプレン・スチレン)、SEBS(スチレン・エチレン・ブチレン・スチレン)、SEPS(スチレン・エチレン・プロピレン・スチレン)等を用いることができる。
また、本実施形態に係る細胞培養方法は、患者から採取したばかりの細胞や、凍結保存後に解凍されたばかりの細胞のようなダメージを受けて機能が衰えた細胞の細胞本来の機能が回復するように、細胞培養の初期の段階において当該細胞を養生しつつ培養する養生培養工程と、細胞の増殖がある程度進んでから容器1内の培養面積(容器1の底面積)を拡大して、所定の細胞密度となるまで細胞の培養を継続する拡大培養工程とを含む。
なお、本実施形態の概略を図1に示すが、図1(a)は養生培養工程を示し、図1(b)は拡大培養工程を示している。また、図2(a)は図1(a)のA−A断面図、図2(b)は図1(b)のB−B断面図であり、図3(a)は図1(a)のC−C断面図、図3(b)は図1(b)のD−D断面図である。
本実施形態において、養生培養工程では、細胞とともに培地が供給された容器1が、内容物の重さで部分的に撓んで、容器1の底面に窪み10が形成されるように、保持具2に保持される。例えば、容器1を保持する保持具2が、複数の凹部201が設けられているとともに、容器1の幅方向中央部を保持する底板20を有しており、この底板20上に保持された容器1が、内容物の重さにより、底板20に設けられた凹部201内に部分的に落ち込むように撓むことによって、容器1の底面に窪み10が形成されるようにする(図2(a)及び図3(a)参照)。
これにより、細胞が培地に懸濁された状態で容器1に供給されると、その後、浮遊系細胞であるか足場依存性細胞であるかにかかわらず、細胞は容器1の底面に沈降するが、このとき、沈降した細胞が容器1の底面に形成された窪み10に集まって細胞密度が高められる。そして、容器1の底面に形成された窪み10に細胞を集めて細胞密度を高めた状態で培養し、これによって増殖した細胞の底面積密度(単位底面積あたりの細胞の密度)が一定以上に増大した後に、拡大培養工程に移行する。
なお、養生培養工程にあっては、容器1の底面に形成される窪み10の数、間隔、大きさなどを調整することで、窪み10に集まる細胞の細胞密度を適正な範囲に調整することができる。
拡大培養工程では、容器1に張力を加えて撓みを解消することによって、容器1の底面に形成された窪み10を消失させつつ、容器1内の培養面積を拡大する。例えば、容器1を保持する保持具2が、底板20の両側端縁に沿って設けられて容器1の幅方向側縁部を保持する側板21を有しており、かかる側板21は、鉛直に立ち上った状態と、底板20と水平に倒れた状態とに可変となるように、その下端側を軸に回動可能とする。このとき、容器1の四隅は側板21に係止され、側板21が鉛直に立ち上った状態から、底板20と水平に倒れた状態となるように回動するのに伴って外側に引っ張られ、その張力によって容器1の撓みが解消されて容器1の底面に形成された窪み10が消失する(図2(b)及び図3(b)参照)。
また、養生培養工程では、細胞とともに容器1に供給する培地の量を調整して、側板21とともに容器1の幅方向側縁部が鉛直に立ち上った状態(図3(a)参照)のときに、底板20上に保持された容器1の幅方向中央部にだけに内容物が存在するようにして、容器1内の培養面積が、その範囲に限られるようにしておく。そうすることで、拡大培養工程において、その下端側を軸に側板21を回動させて、側板21を鉛直に立ち上った状態から、底板20と水平に倒した状態とすると、容器1の幅方向端縁部も側板21と一緒に倒れて、容器1の幅方向中央部と水平となり、内容物が容器1の幅方向端縁部にも行き渡るようになり、その結果、容器1内の培養面積が拡大される(図3(b)参照)。このとき、必要に応じて容器1に培地を追加供給してもよい。
このように、本実施形態によれば、養生培養工程において、細胞密度を高めた状態で細胞を養生しつつ培養し、増殖した細胞の底面積密度が一定以上に増大して、細胞の細胞密度が培養に適した範囲を超えたときに拡大培養工程に移行して、容器1内の培養面積を拡大することによって、継代を行うことなく培養時の細胞密度を適正に維持して、細胞を効率的に増殖することが可能になる。また、培養容器の移し替え作業が不要なため、細胞へのダメージの低減、コンタミネーションのリスクの低減が可能となる。
したがって、本実施形態を適用して、例えば、リンパ球などの浮遊系細胞を培養する場合には、容器1の底面に形成された窪み10に細胞が集まることにより、細胞が生成するサイトカインなどの活性化物質の濃度が局所的に高まり、また、細胞間の相互作用が生じることにより、細胞活性を高めた状態で培養することができる。そして、細胞の増殖がある程度進んでから容器1内の培養面積を拡大させることで、同一容器内で適正な細胞密度を維持しながら、効率的に細胞を培養することができる。このため、本実施形態は、患者から採取したばかりの細胞や、凍結保存後に解凍されたばかりの細胞のようなダメージを受けて機能が衰えた細胞を養生して、細胞本来の機能を回復しつつ、効率よく培養するのに特に好適に利用することができる。
また、本実施形態を適用して、例えば、皮膚細胞、iPS細胞、間葉系幹細胞などの足場依存性細胞を培養する場合には、容器1の底面に形成された窪み10に細胞が接着して増殖し、しかる後に、当該窪み10を消失させつつ、容器1内の培養面積を拡大することで、細胞が増殖できる培養面を適度な配置をもって拡大することができる。このため、継代培養のように、培養面から細胞を剥離して回収し、新たな培養容器への細胞播種を行うというような、煩雑で増殖効率の低下を招く虞もある作業を必要とせずに、同一容器内で継代培養と同様の培養環境で細胞培養を効率よく行うことができる。
[細胞培養装置]
次に、前述した細胞培養方法に好適に用いられる本実施形態に係る細胞培養装置について、より詳細に説明する。
本実施形態において、細胞培養装置100は、前述したような容器1と、かかる容器1を保持する保持具2とを備えている。保持具2が、複数の凹部201が設けられているとともに、容器1の幅方向中央部を保持する底板20と、底板20の両側端縁に沿って設けられて容器1の幅方向側縁部を保持し、鉛直に立ち上った状態と、底板20と水平に倒れた状態とに可変となるように、その下端側を軸に回動可能な側板21とを有しているのも前述したのと同様であり、図4は、側板21を底板20と水平に倒した状態を示している。
容器1を保持具2に取り付けて保持するために、保持具2の側板21には、止め部材211が立設されている。これとともに、容器1の四隅には、止め部材211に係止される孔11が穿設されている。これにより、止め部材211のそれぞれに容器1の各孔11を係止することで、容器1が保持具2に取り付けられて、図4に示すように、側板21が底板20と水平に倒れた状態の保持具2のほぼ全面で容器1が保持されるようになっている。そして、側板21が鉛直に立ち上った状態から、底板20と水平に倒れた状態となるように回動するのに伴って、容器1の四隅が引っ張られて、容器1に張力が加わるようにしてある。
すなわち、側板21が鉛直に立ち上った状態にあるときには、容器1の幅方向端縁部と幅方向中央部との間が長手方向に沿って折れ曲がり、容器1の幅方向端縁部が、止め部材211にぶら下がるようにして側板21と一緒に立ち上った状態となって、容器1の撓みが許容される。これによって、底板20上に保持された容器1が、内容物の重さで凹部201内に部分的に落ち込むように撓むことによって、容器1の底面に窪み10が形成されるようになっている。そして、側板21が回動して底板20と水平に倒れた状態になると、容器1の幅方向端縁部も側板21と一緒に倒れ、これに伴って、止め部材211によって容器1の四隅が引っ張られて張力が加わり、容器1の撓みが解消されて、容器1の底面に形成された窪み10が消失するようになっている。
なお、前述したように、養生培養工程にあっては、容器1の底面に形成される窪み10の数、間隔、大きさなどを調整することで、窪み10に集まる細胞の細胞密度を適正な範囲に調整する。このため、窪み10を形成するために底板20に設ける凹部201の数、間隔、大きさなどは、窪み10に集まる細胞の細胞密度に応じて適宜設計することができる。
また、本実施形態では、底板20に凹部201を設けて、底板20上に保持された容器1が、内容物の重さで凹部201内に部分的に落ち込むように撓むことによって、容器1の底面に窪み10が形成されるようにしているが、凹部201の底面は平坦な面とするのが好ましい。このとき、凹部201の深さは、容器1の底面に形成される窪み10の底部が、凹部201の底面に接するように適宜調整する。このようにすることで、当該窪み10の底部が平らになって、窪み10に集まる細胞を平らにならすことが容易になる。このような態様は、例えば、リンパ球やiPS細胞など、二次元での細胞密度を高めて培養するのが好ましい細胞を培養する場合に好適である。
また、このような態様にあっては、必要に応じて、培養過程における容器1内の細胞密度の変化を測定できるように、それぞれの凹部201には測定孔を穿設することができる。このような測定孔を穿設する場合、特に図示しないが、窪み10の中央部における細胞密度を測定するために底板20の幅方向中央に一つの測定孔を穿設した凹部201と、窪み10の端側における細胞密度を測定するために底板20の幅方向両端側に二つの測定孔を穿設した凹部201とを交互に配列させるのが好ましい。このような測定孔を凹部201に穿設するのは、凹部201内の通気性を確保して、細胞培養に必要なガス(酸素)の容器1内への供給が妨げられないようにする上でも好ましい。
また、保持具2の底板20の一端には、その長手方向に沿ってスライド可能な可動片202が設けられており、かかる可動片202の幅方向両端には、係止部203が突出して形成されている。係止部203は、側板21が底板20と水平に倒れた状態にあるときには、側板21の長手方向の端縁と係合可能とされ(図6参照)、また、側板21が鉛直に立ち上った状態にあるときには、側板21の長手方向の端縁側を挟み込める間隔で形成される。
なお、図5は、保持具2の概略を示す平面図であり、図5(a)は側板21を立てた状態を示し、図5(b)は側板21を倒した状態を示している。また、図6は、図5(b)のE−E断面図である。
このような可動片202を底板2の一端に設けることで、側板21が鉛直に立ち上った状態にあるときには、可動片202の幅方向両端に形成された係止部203が、側板21の長手方向の端縁側を挟み込み、側板21が鉛直に立ち上った状態に保たれるようにしており(図7(a)参照)、この状態で前述した細胞培養方法における養生培養工程を行うことができるようにしてある。そして、底板20の長手方向に沿って可動片202を引き出すようにスライドさせて、係止部203を側板21から離間させることで(図7(b)参照)、側板21を回動可能な状態とし、側板21を底板20と水平に倒した状態とする(図7(c)参照)。次いで、可動片202を押し戻すようにスライドさせて、係止部203を側板21の長手方向の端縁と係合させることで(図6及び図7(d)参照)、側板21を底板20と水平に倒した状態が保たれるようにして、この状態で前述した細胞培養方法における拡大培養工程を行うことができるようにしてある。
以上、本発明について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、前述した実施形態では、底板20に複数の凹部201が設けられた保持具2に容器1を保持する例を示したが、容器1が内容物の重さで部分的に撓んで、その底面に窪み10が形成されるようになっていれば、底板20に設けるのは貫通孔201aであってもよい。この変形例を図9〜図15に示すが、これらは、前述した実施形態を説明する図1〜図7に対応するものであり、同一の機能を奏する部材又は部位については同一の符号を付して、その説明を省略する。
このような変形例にあっては、窪み10の底部が曲面となるように垂れ下がって形成されるため、例えば、ES細胞や軟骨細胞など、三次元での細胞密度を高めて凝集塊を形成するのが好ましい細胞を培養する場合に好適である。
なお、底板20には、必要に応じて、凹部201と貫通孔201aとを混在させて設けることもできる。
また、本発明に係る細胞培養方法において、容器1を保持する保持具2は、容器1が内容物の重さで部分的に撓んで、その底面に窪み10が形成されるようになっているとともに、容器1に張力を加えて撓みを解消することによって、窪み10を消失させつつ、容器1内の培養面積を拡大することができれば、その具体的な形態は特に限定されない。例えば、図16(a)に示すように、複数の棒状部材2aを所定の間隔で配列させ、これらの棒状部材2aの間に、容器1が波打って垂れ下がるように載置することでも、容器1が内容物の重さで部分的に撓んで、その底面に窪み10が形成されるようにすることができる。そして、図16(b)に示すように、棒状部材2aの間隔を広げて容器1を水平方向に引き延ばすことで、容器1に張力を加えて撓みを解消することによって、窪み10を消失させつつ、容器1内の培養面積を拡大することができる。
本発明は、細胞培養容器を用いて、無菌的かつ簡便に閉鎖系で細胞を培養する再生医療や抗体医薬生産に好適に利用することが可能である。
1 容器
10 窪み
2 保持具
20 底板
201 凹部
201a 貫通孔
202 可動片
203 係止部
21 側板

Claims (6)

  1. 軟包材からなる容器に、細胞とともに培地を供給して細胞培養を行う細胞培養方法であって、
    前記容器が内容物の重さで部分的に撓んで、前記容器の底面に窪みが形成されるように前記容器を保持具に保持して、前記窪みに前記細胞を集めて培養し、しかる後に、前記容器に張力を加えて撓みを解消することによって、前記窪みを消失させつつ、前記容器内の培養面積を拡大することを特徴とする細胞培養方法。
  2. 前記保持具が、
    複数の凹部及び/又は貫通孔が設けられているとともに、前記容器の幅方向中央部を保持する底板を有し、
    前記底板上に保持された前記容器が、前記凹部内及び/又は前記貫通孔内に部分的に落ち込むように撓んで前記窪みが形成される請求項1に記載の細胞培養方法。
  3. 前記保持具が、
    前記底板の両側端縁に沿って設けられて前記容器の幅方向側縁部を保持し、鉛直に立ち上った状態と、前記底板と水平に倒れた状態とに可変となる側板を有し、
    前記側板を前記底板と水平に倒れた状態とすることによって、前記容器に張力が加わるとともに、前記容器内の培養面積が拡大する請求項2に記載の細胞培養方法。
  4. 軟包材からなる容器と、前記容器を保持する保持具とを備え、
    前記保持具が、
    複数の凹部及び/又は貫通孔が設けられているとともに、前記容器の幅方向中央部を保持する底板と、
    前記底板の両側端縁に沿って設けられて前記容器の幅方向側縁部を保持し、鉛直に立ち上った状態と、前記底板と水平に倒れた状態とに可変となる側板とを有し
    前記側板が鉛直に立ち上った状態にあるときには、前記容器の撓みが許容され、前記底板上に保持された前記容器が、内容物の重さで前記凹部内及び/又は前記貫通孔内に部分的に落ち込むように撓んで、前記容器の底面に窪みが形成され、
    前記側板が前記底板と水平に倒れた状態になると、前記容器に張力が加わり、前記容器の撓みが解消されて、前記容器の底面に形成された窪みが消失することを特徴とする細胞培養装置。
  5. 前記底板に複数の凹部が設けられており、前記凹部の底面を平坦な面とした請求項に記載の細胞培養装置。
  6. 前記底板の一端に、長手方向に沿ってスライド可能な可動片が設けられており、前記可動片の幅方向両端に、前記側板が前記底板と水平に倒れた状態にあるときに前記側板の長手方向の端縁と係合可能とされた係止部を、前記側板が鉛直に立ち上った状態にあるときに前記側板の長手方向の端縁側を挟み込める間隔で形成した請求項4又は5に記載の細胞培養装置。
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