JP2016140296A - 細胞培養装置、及び細胞培養方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】可撓性材料からなる容器を保持する載置面20を有する基台2を備え、載置面20上に保持された容器を押圧して容器内を加圧するための押圧板23を、容器の内容量に応じて上下動可能に基台2に取り付けた細胞培養装置100。
【選択図】図1
Description
まず、本実施形態に係る細胞培養装置について説明する。
なお、図1は、本実施形態に係る細胞培養装置の概略を示す斜視図である。
なお、容器1の形状は、正方形状、楕円形状、円形状などとする場合もあり、必要に応じて種々の形状とすることができる。
具体的には、例えば、シリコーンゴム、軟質塩化ビニル樹脂、ポリブタジエン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、シリコーン系熱可塑性エラストマー、スチレン系エラストマー等を用いることができる。また、スチレン系エラストマーとしては、例えば、SBS(スチレン・ブタジエン・スチレン)、SIS(スチレン・イソプレン・スチレン)、SEBS(スチレン・エチレン・ブチレン・スチレン)、SEPS(スチレン・エチレン・プロピレン・スチレン)等を用いることができる。
次に、上記した培養装置100を好適に用いて実施することができる本実施形態に係る細胞培養方法について、培養装置100の動作とともに説明する。
なお、図4〜図7は、培養装置100の動作を説明するための説明図であり、これらの図に示す断面は、図1のA−A断面に相当する。
これにより、細胞Cが培地Mに懸濁された状態で容器1に供給されると、その後、浮遊系細胞であるか足場依存性細胞であるかにかかわらず、細胞Cは容器1の底面に沈降するが、沈降した細胞Cが各区画10の培養面に集まることで、細胞密度が高められた状態で細胞Cを培養することができる。
なお、各区画10における培養面の面積は、培養する細胞Cの種類や接種濃度などに応じて、従前より継代培養に用いられてきたウェルプレート(例えば、24ウェルプレートなど)の各ウェルの底面積と同程度となるようにするのが好ましい。
このようにすることで、容器1を培養装置100に取り付けた後に、押圧板23を図3に示す状態から元に戻して容器1に押し当てるとともに、押圧板23の短辺側の二辺にフック41,42を係止することで、載置面20上に保持された容器1の上面側を押圧板23で押圧して、容器内を加圧する。容器内を加圧した状態とすることで、容器内での内容液の過度の流動を抑制して、培養中の細胞Cにダメージを与えないようにすることができる。さらに、培地Mに溶存するガスが気化して容器内に気泡が滞留してしまうと、容器内を観察する際に微細な気泡が照明の光路を屈折させ鮮明な観察ができないという不具合や、容器外から容器内の培養液に酸素などのガスが拡散する際に、ガスとフィルム、フィルムと培養液の二ヵ所の境膜ガス移動であったものが、容器内に気泡が滞留することで、ガスとフィルム、フィルムと気泡、気泡と培養液の三ヵ所の境膜ガス移動となり、容器内の培養液へのガス拡散の低下という不具合が生じてしまう虞がある。容器内を加圧することによって、培地Mに溶存するガスの気化を抑制することもでき、これによって、上記したような不具合が生じないようにすることができる。
すなわち、養生培養工程では、容器1の底面が、仕切片3によって押し上げられて撓んだ部分が載置面20から浮き上がるように隆起して、複数の区画10に仕切られているのは前述した通りであるが、仕切片3を基台2内に収容し、その上端面を載置面20と面一にして区画10を解消すると、当該部分が、内容液の重さによって平らにならされて培養面として利用できるようになり、その分だけ容器内の培養面積が拡大する(図10参照)。
すなわち、本実施形態では、基台2の回動軸が設けられた側とは反対側の短辺側に設けられた当接部材50に、上動してきた突き上げ部材5を当接させることによって、基台2を上方に回動させているところ、当接部材50には、梁状の当接片51が架設されている。そして、突き上げ部材5が当接部材50に当接して基台2を上方に回動させると、図5に示すように、かかる当接片51が一方のフック41の下側舌片41aに当接して当該フック41が回動し、これによって係止が解除されるようにしてある。そして、基台2をさらに上方に回動させると、図6に示すように、他方のフック42が基台2に押されるように回動して、かかるフック42の係止も解除されるようにしてある。
この際、支持フレーム4が基台2を受けた衝撃によって、基台2の載置面20上に保持された容器1に振動が伝わるようにすれば、突き上げ部材5を上下動させて基台2の回動動作を繰り返すことによって、容器1を初期位置よりも上方に移動させた後に、容器1を初期位置まで戻すとともに、初期位置に戻った容器1に振動を加える動作が繰り返されて、容器1の内容液を撹拌することができる。
図11に示す例では、カム面5c,5dの曲率、板カム5bを回転させる駆動軸5eの位置及び駆動軸5eの回転速度を適宜設定し、第一カム面5cが受け板5aを押し上げることによって突き上げ部材5が上動し(図11(a)〜(e)参照)、第二カム面5dに切り替わる際に板カム5bが受け板5aから離れて、突き上げ部材5が落下するようにして(図11(f)〜(h)参照)、板カム5bが一定方向に回転することによって突き上げ部材5の上下動が繰り返されるようにしている。当該駆動機構をこのように構成すれば、基台2が下方に回動して初期状態の位置に戻る際に、基台2が落下するように回動して、支持フレーム4が基台2を受けたときに衝撃が生じるようになる。
また、拡大培養工程では、フックFの係止を解除することで、押圧板23が上動できるようにする。そして、支持棒26aがガイド孔24aの上縁に達すると、押圧板23は、それよりも上には動くことができなくなって上方位置に固定される。これによって、培地Mが追加供給され、内容量が増加して厚みが増した容器1の上面側を押圧板23で押圧して、容器内を加圧できるようにしてある(図14参照)。
なお、フックFの係止を解除するには、前述した実施形態と同様にして基台2の回動動作を行ったときに、基台2の傾きによって、フックFがその重さで回動するようにすればよい。
2 基台
20 載置面
23 押圧板
24 ガイド孔
25 環状立ち上り片
26 ピン
3 仕切片
4 支持フレーム
41,42 フック
C 細胞
M 培地
Claims (4)
- 可撓性材料からなる容器に、細胞とともに培地を供給して細胞培養を行う細胞培養装置であって、
前記容器を保持する載置面を有する基台を備え、
前記基台に、前記載置面上に保持された前記容器を押圧して容器内を加圧するための押圧板が、前記容器の内容量に応じて上下動可能に取り付けられたことを特徴とする細胞培養装置。 - 前記基台の四隅に、長穴状のガイド孔を形成する環状立ち上り片を立設し、前記ガイド孔に、前記押圧板の四隅に突設されたピンを挿通することによって、前記押圧板を上下動可能に取り付けるとともに、
前記押圧板に係止され、前記押圧板を所定位置に固定するフックが設けられた請求項1に記載の細胞培養装置。 - 前記基台が、支持フレームに回動可能に軸支されており、
前記基台の回動動作により前記フックの係止が解除される請求項2に記載の細胞培養装置。 - 可撓性材料からなる容器に、細胞とともに培地を供給して細胞培養を行う細胞培養方法であって、
上下動可能に取り付けられた押圧板を下方位置に固定して、当該押圧板により、所定の内容量に調整された前記容器を押圧して容器内を加圧した状態で細胞培養を行い、
しかる後に、前記容器に培地を追加供給するとともに、前記押圧板を上方位置で固定して、当該押圧板により、内容量が増加した前記容器を押圧して容器内を加圧した状態で細胞培養を継続することを特徴とする細胞培養方法。
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