JP7215297B2 - 細胞培養トレイ - Google Patents

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Description

本発明は、細胞培養トレイに係り、より詳細には、可撓性の細胞培養バッグを内部に保持する細胞培養トレイに関する。
近年、医薬品の生産や、遺伝子治療、再生医療、免疫療法などの分野において、細胞(組織、微生物、ウイルスなどを含む)を人工的な環境下で効率良く大量に培養・分化誘導することが求められている。そのような細胞培養においては、コンタミネーションのリスクを回避するため、閉鎖系の細胞培養バッグが使用されることがある。細胞培養バッグは、例えば、周辺部をシールしたプラスチックフィルムで構成されたバッグ本体と、バッグ本体に取り付けられたポートとから構成されている。
このような細胞培養バッグのバッグ本体は、可撓性材料からなるため変形しやすく、形状が安定しない。このため、持ち運ぶ際にバッグが変形してしまい、内容液が流動してしまう。その結果、細胞のスフェロイド(クラスター)が壊れたり、細胞にダメージを与えてしまったりして、培養に支障をきたすことがある。
そこで、細胞培養バッグ内を安定した状態に維持するために、細胞培養バッグをトレイの床面と押さえ板との間に挟んで圧迫する培養用トレイが、特許文献1に記載されている。
特許文献1に記載された培養用トレイは、押さえ板の上方に配置されたトレイの蓋体と、押さえ板との間にばね部材を備え、ばね部材の反発力によって、押さえ板をトレイ床面方向に付勢して細胞培養バッグを押圧している。これにより、細胞培養バッグの変形による内容液の流動が抑制される。
このように、ばね部材の反発力を利用して押さえ板をトレイ床面方向へ近づけるように構成すると、細胞培養バッグの厚みにばらつきが存在しても、内容量の増減に応じて押さえ板を上方及び下方に移動させるように取り付け位置を調整することなく、細胞培養バッグに圧力をかけることができるため好ましいが、細胞培養バッグ方向へ押さえ板を付勢する手段としては、ばね部材の他にも、例えば、磁石の斥力を利用することが考えられる。
特開2005-150523号公報
細胞培養は、温度や二酸化炭素濃度等が管理されたインキュベータ内に細胞培養トレイを載置して行われるが、インキュベータ内部はその面積に限りがあるため、細胞培養トレイは上下に積み重ねて使用することが想定される。
ところで、細胞培養バッグを押圧する付勢手段として磁石を設け、細胞培養トレイを積み重ねた場合、上下に位置する細胞培養トレイにそれぞれ設けられた磁石が互いに反発して、細胞培養トレイを安定して積み重ねることができないことがあった。細胞培養トレイが不用意に動いてしまうと、バッグ中の細胞が動き、沈降している細胞の濃度が不均一となってしまったり、動いた細胞同士がぶつかり合うなどして、細胞がダメージを受ける場合がある。
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、細胞培養バッグを磁石で押圧する複数の細胞培養トレイを安定して積み重ねることができる細胞培養トレイの提供を目的とする。
本発明に係る細胞培養トレイは、周辺部をシールした上面及び下面フィルムから構成された細胞培養バッグを内部に保持する細胞培養トレイであって、前記細胞培養バッグが載置される載置面を有する基板と、前記載置面と実質的に平行な底面を有し、該底面が細胞培養バッグの前記上面フィルムを上方から押圧する押圧部材と、前記押圧部材の上方に配置される蓋体と、前記基板と前記押圧部材とを互いに接近させる方向に作用する磁力を発生させる磁力発生部と、強磁性体部材とを備え、前記強磁性体部材は、前記磁力発生部の上方及び下方の一方又は双方に設けられることを特徴としている。
本発明の細胞培養トレイによれば、細胞培養バッグを磁力で押圧する複数の細胞培養トレイを安定して積み重ねることが可能となる。
本発明の第一実施形態に係る細胞培養トレイの断面模式図である。 本発明の第一実施形態に係る細胞培養トレイを上下に積み重ねた状態を示す断面模式図である。 本発明の第二実施形態に係る細胞培養トレイの断面模式図である。 本発明の第三実施形態に係る細胞培養トレイの断面模式図である。 本発明の第三実施形態に係る細胞培養トレイを上下に積み重ねた状態を示す断面模式図である。 本発明の第四実施形態に係る細胞培養トレイの断面模式図である。 本発明の第四実施形態に係る細胞培養トレイを上下に積み重ねた状態を示す断面模式図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(第一実施形態)
まず、図1及び図2を参照して本発明の第一実施形態を説明する。
図1は、本発明の第一実施形態に係る細胞培養装置の断面模式図であり、図2は、本発明の第一実施形態に係る細胞培養トレイを上下に積み重ねた状態を示す断面模式図である。
本実施形態の細胞培養トレイ1は、培養の対象となる細胞(培養細胞)Cと培地とが供給された細胞培養バッグ10を内部に保持して、細胞培養を行うために使用される。
ここで、本実施形態の細胞培養トレイ1の説明に先立ち、本実施形態で使用する細胞培養バッグ10について簡単に説明する。
本実施形態で使用する細胞培養バッグ10は、バッグ本体10aと、このバッグ本体10aに取り付けられたポート13とを備えている。
細胞培養バッグ10のバッグ本体10aは、略長方形の平面形状を有し、バッグ本体10aの寸法は特に限定されない。
なお、細胞培養バッグ10の平面形状は、正方形状、六角形等の多角形状、楕円形状、又は円形状のような種々の形状とすることができる。
バッグ本体10aは、重ね合わせて周辺部をヒートシールした上面フィルム11及び下面フィルム12から構成され、上面フィルム11及び下面フィルム12は、ガス透過性を有するプラスチックフィルムで形成される。
図示する例では、バッグ本体10aの下面フィルム12に、各々が細胞培養部となる複数の凹部が形成されているが、下面フィルム12の形状は、上面フィルム11と同様に平面状としてもよく、特に限定されない。
ポート13は、培地や細胞などが流通可能な管状の部材からなり、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル、ポリスチレン系エラストマー、FEPなどの熱可塑性樹脂で成形することができる。
このような細胞培養バッグ10を、細胞培養トレイ1内部に保持し、上下から圧迫することによって、細胞培養バッグ10内の内容液の流動を抑制することが可能となる。
本実施形態の細胞培養トレイ1は、細胞培養バッグ10が載置される基板2と、細胞培養バッグ10の上面フィルム11を上方から押圧する押圧部材3と、押圧部材3の上方に配置される蓋体4と、基板2と押圧部材3とを互いに接近させる方向に作用する磁力を発生させる磁力発生部5と、強磁性体部材6とを備えている。
基板2は、細胞培養バッグ10の下面フィルム12の面積より大きい略長方形の平面形状を有する板状部材であり、細胞培養バッグ10が水平に載置される載置面2aを有している。
基板2は、細胞培養の進行状況や細胞の状態などを確認できるように、一部又は全部が透明性を有していてもよく、その場合、当該部分は、例えば、ポリカーボネートのような合成樹脂やガラスで形成することができる。
載置面2aの形状は、細胞培養バッグが水平に載置できるものであれば、細胞培養バッグ10の下面フィルム12の形状に応じて適宜変更しても、平面状としてもよく、特に限定されない。
図示する例では、基板2の載置面2aに、細胞培養バッグ10の下面フィルム12に形成された複数の凹部の各々を受け入れる形状として、開口部21が形成されている。これにより、下面フィルム12に複数の凹部が形成された細胞培養バッグ10を用いる場合、載置面2aが下面フィルム12を凹部に非接触で支持するので、凹部の潰れ、変形が回避されて凹部内の細胞の流出が防止され、さらに、下面フィルム12からのガス透過性が高まるため好ましい。なお、複数の凹部の各々を受け入れる形状は、開口部21に限定されず、例えば、凹部であってもよいし、金網状であってもよい。
押圧部材3は、細胞培養バッグ10の上面フィルム11の面積に合わせた略長方形の平面形状を有する板状部材であり、基板の載置面2aと実質的に平行で平坦な底面3aを有している。この底面3aが、細胞培養バッグ10の上面フィルム11と接して、細胞培養バッグ10を上方から押圧する。
押圧部材3には、底面3aとは反対面となる上面3bの四隅から、上方に延びるガイドピン8が設けられており、ガイドピン8は、上下動可能なように蓋体4に貫通して取り付けられている。
押圧部材3は、細胞培養の進行状況や細胞の状態などを確認できるように、一部又は全部が透明性を有しているのが好ましく、当該部分は、例えば、ポリカーボネートのような合成樹脂やガラスで形成することができる。
蓋体4は、基板2から垂直方向に延伸するように設けられた支持フレーム7によって、基板2の載置面2aに対して実質的に平行となるよう、所定の高さに位置決めされている。
蓋体4は、一方の支持フレーム7に設けられたヒンジなどによって基板2に対して開閉自在に取り付けられ、基板2に対してほぼ90°に開くことができ、また、基板2と実質的に平行となるように閉じて固定される構造になっている。
また、蓋体4は、押圧部材3から延伸されたガイドピン8を貫通させるガイド孔41を有しており、ガイドピン8を上下動可能な状態で支持している。ガイド孔41の大きさは、ガイドピン8が貫通して上下動可能な状態で支持されることを妨げない範囲で構成されれば特に限定されないが、ガイドピン8が上下動した際にも蓋体4と押圧部材3とがほぼ平行に維持されるように、ガイドピン8の太さに応じた大きさとすることが好ましい。
なお、図示する例では、蓋体4の上面4aに、押圧部材3とは反対方向に突出する支持部42が設けられている。このような構成とすることで、細胞培養トレイの上部に他の細胞培養トレイなどが積み重ねられた場合や、細胞培養トレイを移動する際に、ガイドピン8の動きが妨げられないため好ましいが、具体的な形態は特に限定されない。
また、蓋体4は、細胞培養バッグ10内部の細胞の状態などを確認できるように、蓋体4の中央部が広く開口して、開口部から押圧部材3の一部が露出するように構成することが好ましいが、蓋体4の一部が透明性を有するなどして細胞培養バッグ10内部の状態が視認できるように構成されていれば、蓋体4の形態は特に限定されない。
磁力発生部5は、基板2と押圧部材3とを互いに接近させる方向に作用する磁力を発生させ、基板2と押圧部材3とで細胞培養バッグ10を挟み込むように、基板2又は押圧部材3を細胞培養バッグ方向へ付勢する。
本実施形態では、磁力発生部5を、同極の磁極同士(図示する例ではN極側)を上下方向に対向させた少なくとも一組の磁石51,52で構成し、磁石51,52を、押圧部材3の上面3bと蓋体4の下面4bとに設けることで、磁石51と磁石52の間に働く斥力により、押圧部材3が基板2方向に接近するように付勢して、細胞培養バッグ10が押圧される。
なお、磁石51,52は、永久磁石で構成してもよいし、電磁石で構成してもよい。また、図示する例では、二組の磁石51,52が示されているが、細胞培養バッグ10を偏りなく押圧できれば、その組数は限定されない。このような磁石51,52は、細胞培養バッグ10内部の観察の妨げにならないように配置されると好ましい。
上下動可能なガイドピン8によって支持された押圧部材3を、このような磁力発生部5によって基板2方向へ付勢するようにすると、細胞培養バッグ10の内容量の増減に対応させて押圧部材3の上下方向における位置をその都度調整することなく、細胞培養バッグ10の厚みに応じて押圧部材3が細胞培養バッグ10に圧力を与えることができる。
このようにして細胞培養バッグ10に圧力を与え、容器内を加圧することで、細胞培養バッグ10内部の内容液の流動を好適に抑制することができる。
強磁性体部材6は、磁力発生部5において、基板2と押圧部材3とを互いに接近させる方向に作用する力に使用していない磁極側の磁力が、他の細胞培養トレイ1に設けられた磁石による磁力と互いに影響することを抑制するように、磁力発生部5の上方及び下方の一方又は双方に設けられる。
強磁性体部材6を構成する磁性体材料としては、例えば、鉄、ニッケル、コバルトが挙げられ、その中でも、特に好ましくは鉄が挙げられる。より具体的には、鉄製品として、ステンレス鋼のSUS430が好ましく挙げられる。
本実施形態では、複数の細胞培養トレイ1を積み重ねる際に、細胞培養トレイ1に設けられた磁力発生部5における磁石51の磁力が、他の細胞培養トレイ1の磁石52の磁力と互いに反発することを抑制するように、蓋体4の上面4aにおいて、磁石51が配置されている直上を含む位置に、磁石51の磁束を収束させる強磁性体部材6を設けている。
強磁性体部材6は、磁力発生部5の上方及び下方の一方に設けられればよく、その配置位置は、細胞培養バッグ10に圧力を与える作用に影響を及ぼさない範囲で適宜変更することができる。また、強磁性体部材6の大きさは、使用する磁石51,52の大きさや磁力の強度に応じて適宜選択することができる。
例えば、前述した構成以外にも、押圧部材3の底面3aにおいて、磁石52が配置されている直下を含む位置に強磁性体部材6を設けてもよい。
または、蓋体4の下面4bと磁石51との間、又は押圧部材3の上面3bと磁石52との間とに強磁性体部材6を設けてもよい。
このように構成することで、複数の細胞培養トレイ1を積み重ねる際に、一方の細胞培養トレイ1に設けられた磁石51,52と、他の一方の細胞培養トレイ1に設けられた磁石52,51とが互いに影響して、上下に位置するトレイ同士が反発してしまうことを抑制し、複数の細胞培養トレイ1を安定して積み重ねることが可能となる。
さらに、強磁性体部材6を、磁力発生部5の上方及び下方の双方に設けてもよい。これにより、本発明の細胞培養トレイ1を構成する強磁性体部材6以外の強磁性体に対する磁力の影響を抑制することができるため好ましい。
また、細胞培養トレイ1を構成する蓋体4及び押圧部材3の少なくとも一部を、蓋体4の下面4b側と押圧部材3の上面3b側とが互いに同極側(図示する例ではN極側)で対向するように配置された磁石51及び磁石52で形成して、蓋体4と押圧部材3とが磁力発生部5を兼ねるように構成してもよい。
この場合、磁石51及び/又は磁石52の磁束を収束させる強磁性体部材6は、磁石51,52の位置や大きさに応じて設ければよく、例えば、磁石51で形成された蓋体4の上面41aに設けることができる。
(第二実施形態)
次に、図3を参照して、本発明の第二実施形態について説明する。
図3は、本発明の第二実施形態に係る細胞培養トレイの断面模式図である。
本実施形態は、第一実施形態における細胞培養トレイと同じ構成部分については同一の符号を付して詳細な説明を省略し、第一実施形態と異なっている点について説明する。
本実施形態の細胞培養トレイにおいては、細胞培養トレイ1を構成する蓋体4を磁性体材料で形成して、蓋体4が強磁性体部材6を兼ねるように構成されている。
または、押圧部材3及び基板2の少なくとも一つを磁性体材料で形成して、押圧部材3及び基板2の少なくとも一つが強磁性体部材6を兼ねるように構成されていてもよい。
このように、細胞培養トレイを構成する基板2、押圧部材3、及び蓋体4の少なくとも一つを、強磁性体部材を兼ねるように構成することで、強磁性体部材6を別部材として設けなくとも、複数の細胞培養トレイ1を積み重ねる際に、一方の細胞培養トレイ1に設けられた磁石51,52と、他の一方の細胞培養トレイ1に設けられた磁石52,51とが互いに影響して、上下に位置するトレイ同士が反発してしまうことを抑制し、複数の細胞培養トレイ1を安定して積み重ねることが可能となる。
さらに、基板2と、押圧部材3又は蓋体4とを強磁性体部材を兼ねるように構成して、磁力発生部5の上方及び下方の双方に設けるように構成してもよい。
または、細胞培養トレイを構成する基板2、押圧部材3、及び蓋体4の少なくとも一つが、強磁性体部材を兼ねるように構成するとともに、第一実施形態において説明されたような、基板2、押圧部材3、及び蓋体4とは別部材として設けられた強磁性体部材6をさらに設けて、これらを組み合わせて、磁力発生部5の上方及び下方の双方に強磁性体部材を設けるように構成してもよい。
(第三実施形態)
次に、図4及び図5を参照して、本発明の第三実施形態について説明する。
図4は、本発明の第三実施形態に係る細胞培養トレイの断面模式図であり、図5は、本発明の第三実施形態に係る細胞培養トレイを上下に積み重ねた状態を示す断面模式図である。
本実施形態は、第一実施形態における細胞培養トレイと同じ構成部分については同一の符号を付して詳細な説明を省略し、第一実施形態と異なっている点について説明する。
本実施形態の基板2には、下面2bの四隅から下方に延びるガイドピン8が設けられており、ガイドピン8は、基板2が上下動可能なように、基板2の下方に配置された底体9に貫通して取り付けられている。本実施形態の場合、押圧部材3は、図示するように蓋体4に固定されていてもよい。または、蓋体4と押圧部材3とが、一体として設けられていてもよい。
底体9の端部には底体9から垂直方向に延伸するように支持フレーム7が設けられており、蓋体4は、支持フレーム7によって、底体9の上面9aに対して実質的に平行となるよう、所定の高さに位置決めされている。
蓋体4は、一方の支持フレーム7に設けられたヒンジなどによって底体9に対して開閉自在に取り付けられ、底体9に対してほぼ90°に開くことができ、また、基板2と実質的に平行となるように閉じて固定される構造になっている。
また、底体9は、基板2から延伸されたガイドピン8を貫通させるガイド孔91を有しており、ガイドピン8を上下動可能な状態で支持している。ガイド孔91の大きさは、ガイドピン8が貫通して上下動可能な状態で支持されることを妨げない範囲で構成されれば特に限定されないが、ガイドピン8が上下動した際にも底体9と基板2とがほぼ平行に維持されるように、ガイドピン8の太さに応じた大きさとすることが好ましい。
なお、底体9の下面9bには、細胞培養トレイを載置した場合や、他の細胞培養トレイなどの上部に積み重ねられた場合に、ガイドピン8の動きが妨げられないように、基板2とは反対方向に突出する支持部92が設けられている。
底体9は、細胞培養トレイ1の下方から細胞培養バッグ10内部を観察するように、前述した蓋体4と同様に、その一部が透明性を有するように構成したり、中央部を広く開口するように構成してもよい。
本実施形態の磁力発生部5は、基板2の下面2bと、底体9の上面9aとに互いに同極側を対向させて配置した二組の磁石51及び磁石52で構成されている。
このように、磁力発生部5を、同極の磁極同士を上下方向に対向させた少なくとも一組の磁石51及び磁石52で構成し、基板2と底体9とに配置することで、磁石51及び磁石52の間に働く斥力により、基板2が押圧部材3方向に接近するように付勢されて、細胞培養バッグ10が押圧される。
本実施形態では、複数の細胞培養トレイ1を積み重ねる際に、細胞培養トレイ1に設けられた磁力発生部5における磁石52の磁力が、他の細胞培養トレイ1の磁石51の磁力と互いに反発することを抑制するように、底体9の下面9bにおいて、磁石52が配置されている直下を含む位置に、磁石52の磁束を収束させる強磁性体部材6を設けている。
または、前述した構成に替えて、基板2の載置面2aにおいて、磁石51が配置されている直上を含む位置に強磁性体部材6を設けてもよい。
または、基板2の下面2bと磁石51との間、又は底体9の上面9aと磁石51との間に強磁性体部材6を設けてもよい。
または、細胞培養トレイ1を構成する蓋体4、押圧部材3、基板2及び底体9の少なくとも一つが、強磁性体部材6を兼ねるように構成されていてもよい。
さらに、強磁性体部材6を、前述した配置を組み合わせて、磁力発生部5の上方及び下方の双方に設けてもよい。
また、細胞培養トレイ1を構成する基板2及び底体9の少なくとも一部を、基板2の下面2b側と底体9の上面9a側とが互いに同極側(図示する例ではN極側)で対向するように配置された磁石51及び磁石52で形成して、基板2と底体9とが磁力発生部5を兼ねるように構成してもよい。
この場合、磁石51及び/又は磁石52の磁束を収束させる強磁性体部材6は、磁石51,52の位置や大きさに応じて設ければよく、例えば、磁石52で形成された底体9の下面9bに設けることができる。
(第四実施形態)
次に、図6及び図7を参照して、本発明の第四実施形態について説明する。
図6は、本発明の第四実施形態に係る細胞培養トレイの断面模式図であり、図7は、本発明の第四実施形態に係る細胞培養トレイを上下に積み重ねた状態を示す断面模式図である。
本実施形態は、第一実施形態における細胞培養トレイと同じ構成部分については同一の符号を付して詳細な説明を省略し、第一実施形態と異なっている点について説明する。
前述した第一実施形態では、磁力発生部5を、互いに同極側を対向させて配置した磁石51及び磁石52で構成したが、本実施形態では、磁力発生部5を、異極の磁極同士を上下方向に対向させた少なくとも一組の磁石51及び磁石52で構成し、一方の磁石51を押圧部材3の底面3aに取り付け、他方の磁石52を基板2の載置面2aに取り付けている。これにより、磁石51及び磁石52の間に働く引力により、押圧部材3が基板2の方向へ付勢される。
このような磁石51及び磁石52の配置によれば、本実施形態の細胞培養トレイ1を積み重ねようとすると、下に配置された細胞培養トレイ1の磁石51の磁極と、上に配置された細胞培養トレイ1の磁石52磁極が異極となるように対向することになり、磁石51,52同士の間に働く引力により、上下に配置された細胞培養トレイ1同士が引き合って、不用意に動いてしまったりして、細胞培養バッグ10内に影響が出ないように積み重ねることが困難となる。
そこで、本実施形態においては、細胞培養トレイ1に設けられた磁力発生部5における磁石51の、基板2と押圧部材3とを近づける方向に作用する力に使用していない磁極側の磁力が、他の細胞培養トレイ1に設けられた磁石による磁力と互いに引き合うことを抑制するように、押圧部材3の上面3bにおいて、磁石51が配置されている直上を含む位置に磁石51の磁束を収束させる強磁性体部材6を設けている。
または、前述した構成に替えて、基板2の下面2bにおいて、磁石52が配置されている直下を含む位置に強磁性体部材6を設けてもよい。
または、押圧部材3の底面3aと磁石51との間、又は基板2の載置面2aと磁石52との間に強磁性体部材6を設けてもよい。
または、細胞培養トレイ1を構成する基板2、押圧部材3及び蓋体4の少なくとも一つが、強磁性体部材6を兼ねるように構成されていてもよい。
さらに、強磁性体部材6を、前述した配置を組み合わせて磁力発生部5の上方及び下方の双方に設けてもよい。
また、細胞培養トレイ1を構成する押圧部材3及び基板2の少なくとも一部を、押圧部材3の底面3a側と基板2の載置面2a側とが互いに異極側で対向するように配置された磁石51及び磁石52で形成して、押圧部材3と基板2とが磁力発生部5を兼ねるように構成してもよい。
この場合、磁石51及び/又は磁石52の磁束を収束させる強磁性体部材6は、磁石51,52の位置や大きさに応じて設ければよく、例えば、磁石51で形成された押圧部材3の上面3bに設けることができる。
または、押圧部材3の上面3b又は底面3aに磁石51を配置するか、押圧部材3の少なくとも一部を磁石51で形成するとともに、基板2の少なくとも一部を磁性体材料で形成して、基板2が強磁性体部材6を兼ねる構成とすることで、磁石51を、基板2と押圧部材3とを互いに接近させる磁力を発生させる磁力発生部5としてもよい。
このように構成することで、磁石51と基板2(強磁性体部材6)との間に働く引力により、押圧部材3が基板2方向に接近するように付勢されて、細胞培養バッグ10が押圧される。
この場合、強磁性体部材6が磁力発生部5の下方に設けられている構成となっているため、細胞培養トレイ1を積み重ねる際には、上下に配置されたそれぞれの細胞培養トレイ1に設けられた磁力発生部5における磁石51が互いに与える影響は小さく、磁力の影響を抑制しながら、複数の細胞培養トレイ1を安定して積み重ねることが可能となる。
以上、本発明について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、前述した実施形態では、押圧部材3は平板状であるが、押圧部材3の形状はこれに限定されず、例えば、押圧部材3の底面3aにおいて、細胞培養バッグ10の形状に応じて突起部を有してもよい。
本発明は、種々の細胞を効率良く培養する技術として利用できる。
1 細胞培養トレイ
2 基板
2a 載置面
2b 下面
3 押圧部材
3a 底面
3b 上面
4 蓋体
41 ガイド孔
42 支持部
4a 上面
4b 下面
5 磁力発生部
51 磁石
52 磁石
6 強磁性体部材
7 支持フレーム
8 ガイドピン
9 底体
91 ガイド孔
92 支持部
9a 上面
9b 下面
10 細胞培養バッグ
11 上面フィルム
12 下面フィルム
13 ポート
C 細胞、スフェロイド

Claims (5)

  1. 周辺部をシールした上面及び下面フィルムから構成された細胞培養バッグを内部に保持する細胞培養トレイであって、
    前記細胞培養バッグが載置される載置面を有する基板と、
    前記載置面と実質的に平行な底面を有し、該底面が細胞培養バッグの前記上面フィルムを上方から押圧する押圧部材と、
    前記押圧部材の上方に配置される蓋体と、
    前記基板と前記押圧部材とを互いに接近させる方向に作用する磁力を発生させる磁力発生部と、
    強磁性体部材と
    を備え、
    前記強磁性体部材は、前記磁力発生部の上方及び下方の一方又は双方に設けられることを特徴とする細胞培養トレイ。
  2. 前記細胞培養トレイを構成する前記基板、前記押圧部材、及び前記蓋体の少なくとも一つが、前記強磁性体部材を兼ねていることを特徴とする請求項1に記載の細胞培養トレイ。
  3. 前記磁力発生部は、同極の磁極同士を上下方向に対向させた少なくとも一組の磁石で構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の細胞培養トレイ。
  4. 前記少なくとも一組の磁石は、前記押圧部材と前記蓋体との間に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の細胞培養トレイ。
  5. 前記細胞培養トレイは、少なくとも二つ以上積み重ねて使用することを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の細胞培養トレイ。
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