JP7379824B2 - 液厚制御機構、培養装置、及び液厚制御方法 - Google Patents

液厚制御機構、培養装置、及び液厚制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、細胞培養技術に関し、特にスフェアの作成などを効率化する技術に関する。
近年、iPS細胞やES細胞などの幹細胞等の接着細胞を大量に培養する場合には、細胞を培養容器に接着させて増殖させるだけではなく、細胞に対して接着性の低い材料を塗工したマイクロウェルプレートなどを備えた培養容器を使用して、スフェア(スフェロイド,凝集塊)やオルガノイドを形成させることによって、細胞をより生体内に近い三次元的な状態で培養する方法が用いられている。
このような培養容器を使用したスフェアの大量培養においては、スフェアがウェル(凹部)から飛び出して他のウェルに移動してしまい、所望の大きさや形状のスフェアを得ることが難しいという問題があった。
例えば、培地交換を行うために、多数のウェルを培養部に備えた培養バッグ(袋状の培養容器)内に培地を送液すると、スフェアは簡単にウェルから飛び出して他のウェルに移動するため、培地の流速を極めて遅くする必要があり、迅速な培地交換が非常に困難であった。このため、このような培養バッグは、頻繁に培地交換が必要な長期間培養には不向きであった。
また、このような培養バッグでは、振動を与えただけでもスフェアが簡単にウェルから飛び出してしまうため、スフェアの培養中に培養バッグを安全に移動させることは、容易にはできなかった。
国際公開2016/190312号パンフレット 国際公開2016/190314号パンフレット 特開2018-108032号公報
そこで、スフェアの大量培養を行う場合などにおいて、軟包材からなる培養バッグを使用し、培養バッグに充填された培地の液厚を制御することによって、培養バッグの上面フィルムとウェルを備えた下面フィルムの間隙をスフェアが移動できない大きさに制御することができれば、上記のようなスフェアの移動の問題を解消することが可能となる。
しかしながら、このように培養バッグにおける培地の液厚を制御することは、従来は、実現されていなかった。
ここで、培養する細胞の数に対して適切な量の培地を培養バッグに充填するために、培養バッグに送液する培地の量を制御することは、従来から行われていた。
例えば、重量センサを用いて、培養バッグとこれを保持する保持プレートなどを合わせた重量を測定し、この重量にもとづき培地の重量を算出して、培養バッグへの培地の送液を制御することが行われていた。
このような重量センサを用いた測定は、ロードセル式が一般的であり、培養バッグや保持プレート全ての重量をロードセルの微小ポイントに荷重させる必要があるため、固定が困難であり、また衝撃にも弱いという問題があった。また、重量センサは、低温などの温度特性に弱く、複数箇所に均等に取り付ける必要があるなど、取付が困難であるという問題もあった。さらに、チューブなどの配管がある場合には、チューブを介して他の筐体などと接触してしまうため、チューブのテンションが重量センサにかかり、測定値に誤りが生じるという問題もあった。
また、このような重量センサを用いた従来の測定では、培地の重量にもとづいて送液量を制御することはできるが、培養バッグにおける培地の液厚を制御することはできなかった。
培養バッグへの培地の送液の制御に関連する技術として、特許文献1に記載の培養装置を挙げることができる。
この培養装置では、距離センサをスペーサに配置して、保持板とスペーサとの距離が一定以上に大きくなった状態を把握可能にしている。
しかしながら、この培養装置では、培養バッグにおける培地の液厚を検出しておらず、培地の液厚の制御は行われていない。
また、特許文献2に記載の培養装置では、重量検出部を用いて、培養バッグとその保持部の重量の検出が行われている。しかしながら、この培養装置でも、培養バッグにおける培地の液厚を検出しておらず、培地の液厚の制御は行われていない。
また、スフェアの移動の問題を解消可能な技術として、特許文献3に記載の培養容器を挙げることができる。この培養容器は、隔室が形成された底部と底部の周縁部分から立ち上がった周壁部とを備える容器本体と、底部と対向する位置に配置される仕切り部材とを備え、仕切り部材が少なくとも一部が容器本体内の培養液中に浸漬されている。そして、これにより、培養容器の移動や培地交換の際にスフェアが移動することを抑制している。
しかしながら、このような培養容器では、隔室の周壁部と仕切り部材の位置合わせや、隔室と仕切り部材間のギャップの調整が難しいという問題があった。また、底部や仕切り部材の反りがある場合には、これらは更に難しくなるため、この培養容器を軟包材からなる培養バッグに適用することは困難であった。
そこで、本発明者らは鋭意研究して、軟包材からなる培養バッグに充填された培地の液厚を検出し、その検出情報にもとづき培養バッグと培地バッグを連結する管状部材に配設された送液手段の動作を制御して、培地の送液を制御することにより、培養バッグにおける培地の液厚を制御することに成功して、本発明を完成させた。
このような培養バッグの液厚制御機構によれば、培養バッグにおける培地の液厚を把握できるため、培養バッグ内の培地の残量を把握することが可能となる。
また、培養バッグの上面フィルムと下面フィルムが接触するタイミングを把握できるため、ポンプの故障や設置不良などの異常検出を行うことも可能となる。
また、培養バッグにおける培地の液厚を制御することができるため、培養バッグの上面フィルムと複数の凹部を有する下面フィルムの間隙を、スフェアが移動できない大きさに制御することが可能となる。
さらに、このように培養バッグ内における凹部間でスフェアが移動できないようにした状態のままで、培地を送液して、培地交換を行うことも可能である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、細胞培養において用いられる培養バッグ内の培地の液厚を制御することが可能な液厚制御機構、培養装置、及び液厚制御方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の液厚制御機構は、少なくとも一つのポートが備えられた軟包材からなる培養バッグに充填された培地の液厚を制御する液厚制御機構であって、前記培地の液厚の変化に応じて生じる変化を測定する検出部と、前記検出部から入力した検出情報にもとづいて、前記培養バッグ及び培地バッグを連結する管状部材に配設された送液手段の動作を制御して、前記培養バッグ及び前記培地バッグ間における培地の送液を制御する制御部とを有する構成としてある。
また、本発明の培養装置は、少なくとも一つのポートが備えられた軟包材からなる培養バッグに充填された培地の液厚を制御する培養装置であって、前記培養バッグが載置される架台と、前記培養バッグを前記架台に対して押圧することにより、前記培養バッグ内の液厚を均一にする押圧部材と、前記押圧部材に対面して配置された天板部と、前記天板部に対して前記押圧部材を垂直方向に移動可能に支持する支持機構と、前記培地の液厚の変化に応じて生じる変化を測定する検出部と、前記検出部から入力した検出情報にもとづいて、前記培養バッグ及び培地バッグを連結する管状部材に配設された送液手段の動作を制御して、前記培養バッグ及び前記培地バッグ間における培地の送液を制御する制御部と有する構成としてある。
また、本発明の液厚制御方法は、少なくとも一つのポートが備えられた軟包材からなる培養バッグに充填された培地の液厚を制御する液厚制御方法であって、前記培養バッグが載置される架台と、前記培養バッグを前記架台に対して押圧することにより、前記培養バッグ内の液厚を均一にする押圧部材と、前記押圧部材に対面して配置された天板部と、前記天板部に対して前記押圧部材を垂直方向に移動可能に支持する支持機構と、前記培地の液厚の変化に応じて生じる変化を測定する検出部と、前記検出部から入力した検出情報にもとづいて、前記培養バッグ及び培地バッグを連結する管状部材に配設された送液手段の動作を制御して、前記培養バッグ及び前記培地バッグ間における培地の送液を制御する制御部を有する培養装置を用いて、前記制御部により、前記培地の液厚がゼロである第一の状態に対応する第一の情報を記憶し、第一の情報に所定の変化量を加算して第二の情報を算出し、前記第二の情報にもとづき前記送液手段の動作を制御して、前記培地の液厚を第二の情報に対応する第二の状態に制御する方法としてある。
本発明によれば、細胞培養において用いられる培養バッグ内の培地の液厚を制御することが可能な液厚制御機構、培養装置、及び液厚制御方法の提供が可能となる。
本発明の実施形態に係る液厚制御機構において用いられる培養バッグの概略を示す説明図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。 本発明の実施形態に係る液厚制御機構において用いられる培養バッグの各種の凹部を備えた培養部の一部を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る培養装置の概略を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る培養装置における培養バッグ収容部の概略を示す平面図である。 本発明の実施形態に係る培養装置における培養バッグ収容部の概略を示す正面図であり、培養バッグに培地が封入された状態を示している。 本発明の実施形態に係る培養装置における培養バッグ収容部の概略を示す左側面図であり、培養バッグに培地が封入された状態を示している。 本発明の実施形態に係る培養装置における培養バッグ収容部の概略を示す正面図であり、培養バッグに培地が封入されていない状態を示している。 本発明の実施形態に係る培養装置における培養バッグ収容部の概略を示す左側面図であり、培養バッグに培地が封入されていない状態を示している。 本発明の実施形態に係る液厚制御機構において用いられる2ポートの培養バッグの概略を示す説明図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。 本発明の実施形態に係る培養装置の概略を示す説明図であり、2ポートの培養バッグを用いる場合を示している。
以下、本発明の液厚制御機構、培養装置、及び液厚制御方法の実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施形態の具体的な内容に限定されるものではない。
まず、本実施形態に係る液厚制御機構において用いられる培養バッグについて、図1及び図2を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る液厚制御機構において用いられる培養バッグの概略を示す説明図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。図2は、本実施形態に係る液厚制御機構において用いられる培養バッグの各種の凹部を備えた培養部の一部を示す模式図である。
本実施形態の培養バッグ10は、軟包材からなる培養バッグであり、底部側フィルム11(下面フィルム)と天板側フィルム12(上面フィルム)の周辺部をヒートシールなどにより貼り合わせることにより形成することができる。また、培養バッグ10には、少なくとも一つのポート13が設けられている。このポート13にはチューブが接続され、チューブに配設された送液手段により、このポート13を介して、培養バッグ10への培地の注入、及び培養バッグ10からの培地の排出などの培地の送液が行われるようになっている。
そして、培養バッグ10に注入される培地の量に応じて、底部側フィルム11と天板側フィルム12の間隔(液厚)が変化するようになっている。
培養バッグ10内における底部側フィルム11の表面は、細胞やスフェアを培養するための培養部として用いられる。この底部側フィルム11の培養部には、図2に示すように、細胞やスフェアなどの培養対象物を収容するための複数の凹部が形成されている。このような凹部を形成することにより、スフェアを好適に形成させて培養することが可能である。また、培養部11における複数の凹部の配置は、例えば千鳥状や格子状等とすることができる。
図1において、培養バッグ10の底部側フィルム11は平面状であり、培地の流入に伴って、天板側フィルム12が上方に膨らむようになっている。培養バッグ10をこのようにすることで、培養バッグ10内における培地の液厚を均一化することができ、全ての凹部を載置面に接触させることができる。このため、培養対象物の増殖性の差異や細胞播種時の細胞数のバラツキを低減することが可能となる。
なお、本実施形態に係る液厚制御機構において用いられる培養バッグは、このような形状のものに限定されず、同一形状の底部側フィルム11と天板側フィルム12をヒートシールなどにより貼り合わせることによって形成してもよい。
また、図1において、培養バッグ10は、培養部のポート付近の形状がポートに対して傾斜して形成され、これによって培地がポートに流れやすくなっている。ただし、培養部の形状は、このような形状に限定されず、培養部を例えば長方形などの矩形状としてもよい。さらに、後述するように、培養バッグに二つ以上のポートを好適に備えることもできる。
底部側フィルム11の培養部に形成される凹部の形状は、図2(a)に示すような円錐や四角錐などの錐状や、図2(b)に示すような半球状やアール状とすることができる。
また、底部側フィルム11の培養部に形成される凹部の形状を、図2(c)に示すように、側壁の少なくとも一部が略垂直状に形成されたものとすることも好ましい。これらの凹部において、側壁の略垂直部分の垂直方向の長さは、培養対象物の最大径の半分より長くなっている。また、凹部における側壁が略垂直である領域の形状は、例えば、円柱状、四角柱状等とすることができる。
培養バッグ10における凹部をこのような形状にすることで、ポート13から培養バッグ10内に培地を送液する場合に、その流速を1ml/分以上にしても、凹部から培養対象物が飛び出して、他の凹部へ移動することを防止することが可能である。
培養対象物がスフェアである場合、凹部の深さとしては、50~500μmとすることが好ましい。凹部の深さを500μmより大きくすると、培養バッグ10に培地を送液しても、凹部内の培地を十分に置換することが困難になる場合があるためであり、500μmより深い凹部を備えた培養容器は、加工難易度が高くなるためである。また、スフェアの大きさは、小さいもので、50μm~100μm程度であり、大きいものでは、200μm~300μm程度であるためである。
凹部内の底部の形状は、特に限定されないが、培養対象物がスフェアの場合には、シングルセルを凝集し易くしてスフェアの形成を好適に行えるようにするため、錐体状、半球状、又はアール状とすることが好ましい。
培養対象物がシングルセルである場合、凹部の深さ(a)としては、5~50μmとすることが好ましい。シングルセルの大きさは、6μm~15μm程度であり、10μm程度のものが多いためである。
凹部の開口部の形状は、特に限定されず、円形、又は正方形などの矩形状とすることができる。また、凹部の開口部の幅は、培養対象物のサイズに合わせて、適宜設定することができる。
例えば、培養対象物をスフェアとする場合、凹部の開口部の円又は内接円の直径の下限を、60μm以上,70μm以上,80μm以上,90μm以上,100μm以上,110μm以上,120μm以上,150μm以上等としてもよい。また、凹部の開口部の円又は内接円の直径の上限を、1mm以下,900μm以下,800μm以下,700μm以下,500μm以下等としてもよい。
また、培養対象物をシングルセルとする場合、凹部の開口部の円又は内接円の直径の下限を、5μm以上,6μm以上,8μm以上等としてもよい。また、凹部の開口部の円又は内接円の直径の上限を、50μm以下,40μm以下,30μm以下等としてもよい。
本実施形態に係る液厚制御機構において用いられる培養バッグ10の材料としては、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂などを好適に用いることができる。例えば、ポリエチレン、エチレンとα-オレフィンの共重合体、エチレンと酢酸ビニルの共重合体、エチレンとアクリル酸やメタクリル酸共重合体と金属イオンを用いたアイオノマー等を挙げることができる。また、ポリオレフィン、スチレン系エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、シリコーン系熱可塑性エラストマー、シリコーン樹脂等を用いることもできる。さらに、シリコーンゴム、軟質塩化ビニル樹脂、ポリブタジエン樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、シリコーン系熱可塑性エラストマー、スチレン系エラストマー、例えば、SBS(スチレン・ブタジエン・スチレン)、SIS(スチレン・イソプレン・スチレン)、SEBS(スチレン・エチレン・ブチレン・スチレン)、SEPS(スチレン・エチレン・プロピレン・スチレン)、ポリオレフィン樹脂、フッ素系樹脂等を用いてもよい。
また、底部側フィルム11の培養部には、スフェアやシングルセルが接着しないように、低接着性表面処理塗工を行うことが好ましい。具体的には、細胞接着抑制剤(細胞低接着処理剤)を塗布しておくことが好ましい。
細胞接着抑制剤としては、リン脂質ポリマー、ポリビニルアルコール誘導体、リン脂質・高分子複合体、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、アガロース、キトサン、ポリエチレングリコール、アルブミン等を用いることができる。また、これらを組み合わせて用いてもよい。
さらに、培養バッグ10におけるポート13の材料としては、例えば、ポリエチレン
、ポリプロピレン、塩化ビニル、ポリスチレン系エラストマー、FEPなどの熱可塑性樹
脂で成形することができる。
次に、本実施形態に係る液厚制御機構について説明する。本実施形態の液厚制御機構は、少なくとも一つのポートが備えられた軟包材からなる培養バッグに充填された培地の液厚を制御する液厚制御機構であって、培地の液厚の変化に応じて生じる変化を測定する検出部と、検出部から入力した検出情報にもとづいて、培養バッグ及び培地バッグを連結する管状部材に配設された送液手段の動作を制御して、培養バッグ及び培地バッグ間における培地の送液を制御する制御部とを有することを特徴とする。
培地の液厚の変化に応じて生じる変化としては、部材の位置の変位とすることができ、検出部として測長センサを好適に用いることができる。
また、制御部により検出情報にもとづき培地の液厚を算出させ、この液厚にもとづき送液手段の動作を制御することができる。
測長センサとしては、電磁誘導タイプ、レーザタイプ、超音波タイプ、及び磁気タイプ等の各種センサを用いることができる。また、アナログ(リニア)式とスイッチ式があるが、常時測定するタイプであるアナログ式のセンサを用いることが好ましい。
また、電磁誘導タイプの測長センサなどを用いる場合、測定する位置に金属部材を取り付けることが好ましい。これにより、センサの感度を向上させることができるためである。なお、レーザタイプや超音波タイプの測長センサなどを用いる場合は、測定する位置に金属部材を取り付けることなく、測定することができる。
具体的には、測長センサとして、アナログ近接センサ(電磁誘導タイプ,測定距離1~6mm,センサテック株式会社製,MDA-C5)を用いる場合、出力電圧(又は出力電流)と測定距離は概ね比例し、当該測定距離の範囲において、出力電圧0.01Vごとに、0.01mmの液厚(培養バッグ内における培地の液厚)の変化を検出することができる。
例えば、培養部の面積が50cmの培養バッグを用いる場合、0.01mmの液厚の培地の液量は、0.05mlである。この場合、送液速度を2ml/分とすると、1.5秒で培地を送液でき、液厚を0.01mm増減させることができる。また、送液速度を0.5ml/分とすると、6秒で培地を送液でき、液厚を0.01mm増減させることができる。
また、測長センサとして、アナログ距離センサ(電磁誘導タイプ,測定距離0~12mm,富士電機機器制御株式会社製,PE2-LA10D)を用いることで、例えば8mm程度のより大きい液厚まで制御可能にすることもできる。
測長センサを用いて、液厚を直接的に測定する場合は、例えば、培養バッグを載置する架台に測長センサを配置すると共に、押圧部材に金属部材を配置して、測長センサにより金属部材までの距離を測定することができる。
この場合、液厚は、測長センサの出力電圧に所定の係数を乗算し、フィルムの厚みなどを減算する補正を行うことで得ることができる。
また、後述するように、押圧部材を支持する天板部に測長センサを配置すると共に、押圧部材に金属部材を配置して、測長センサにより金属部材までの距離を測定することもできる。
この場合、液厚は、測長センサの出力電圧に所定の係数を乗算して測長センサから金属部材までの距離を算出し、培養バッグが載置された架台の上面から測長センサの下面までの距離から、上記の算出された距離と金属部材の厚みと押圧部材の高さとフィルムの厚みを減算することで得ることができる。
また、培地の液厚の変化に応じて生じる変化を、培養バッグが載置された培養バッグ収容部の重量の変化とし、検出部として重量センサを用いることもできる。そして、制御部により重量の変化にもとづき培地の液厚を算出させて、この液厚にもとづき送液手段の動作を制御することもできる。
すなわち、測定時点の重量から培養バッグの液厚がゼロの時点の重量を減算して体積に換算し、これを培養部の面積で除算することによって液厚を算出し、この液厚にもとづき送液手段の動作を制御することも可能である。
このような本実施形態の液厚制御機構によれば、培養バッグにおける培地の液厚を把握できるため、培養バッグ内の培地の残量を把握することが可能となる。
また、培養バッグの上面フィルムと下面フィルムが接触するタイミングを把握できる。これにより、培養バッグ内に培地が無い状態になることを防止することができる。また、ポンプの故障や設置が不適切であることによる送液エラーを検出することも可能となる。
また、培地の液厚の検出値を制御部にフィードバックすることにより、培養バッグにおける培地の液厚を制御することができるため、培養バッグの上面フィルムと複数の凹部を有する下面フィルムの間隙を、スフェアが移動できない大きさ(約50μmの隙間)に制御することが可能である。
次に、本実施形態に係る培養装置及び液厚制御方法について、図3~図8を参照して説明する。図3は、本実施形態に係る培養装置の概略を示す説明図である。図4は、本実施形態に係る培養装置における培養バッグ収容部の概略を示す平面図である。図5は、同培養バッグ収容部の概略を示す正面図であり、培養バッグに培地が封入された状態を示しており、図6は、同培養バッグ収容部の概略を示す左側面図であり、培養バッグに培地が封入された状態を示している。図7は、同培養バッグ収容部の概略を示す正面図であり、培養バッグに培地が封入されていない状態を示しており、図8は、同培養バッグ収容部の概略を示す左側面図であり、培養バッグに培地が封入されていない状態を示している。なお、これらの図において、チューブの流路を閉塞するピンチバルブ等の閉塞手段については省略している。
本実施形態の培養装置は、少なくとも一つのポートが備えられた軟包材からなる培養バッグに充填された培地の液厚を制御する培養装置であって、培養バッグが載置される架台と、培養バッグを架台に対して押圧することにより、培養バッグ内の液厚を均一にする押圧部材と、押圧部材に対面して配置された天板部と、天板部に対して押圧部材を垂直方向に移動可能に支持する支持機構と、培地の液厚の変化に応じて生じる変化を測定する検出部と、検出部から入力した検出情報にもとづいて、培養バッグ及び培地バッグを連結する管状部材に配設された送液手段の動作を制御して、培養バッグ及び培地バッグ間における培地の送液を制御する制御部と有することを特徴とする。
具体的には、図3に示すように、培養バッグ収容部20と、これに載置された培養バッグ10と、培地バッグ40と、培養バッグ10と培地バッグ40を連結するチューブに配設された送液手段30と、測長センサ25及び送液手段30に接続された制御部60とを有している。制御部60以外の構成は、培養時においては、インキュベータ50内に配置される。
培養バッグ収容部20において、架台21の四隅に天板支持部22が立設されており、天板支持部22に天板部23が固定されている。また、天板部23の周辺部にガイドピン273が備えられており、押圧部材27の取付部272に設けられたガイド穴に貫通し、押圧部材27は、ガイドピン273に沿って垂直方向に移動可能に備えられている。
さらに、天板部23には、天板開口部231が設けられており、この天板開口部231を通じて培養装置20の内部が視認できるようになっている。
また、天板部23の四隅には、押圧部材27を下方へ付勢する付勢手段として永久磁石26が備えられており、取付部272において永久磁石26に対応する位置に付勢手段として永久磁石2721が備えられている。これらの永久磁石は、互いに同極側を対向させて配置され、永久磁石26と永久磁石2721の間に働く斥力により、押圧部材27の押圧部271が培養バッグ10の天板側フィルム12に対して垂直に押圧した状態で、垂直方向に移動可能になっている。
なお、付勢手段73は、永久磁石に限定されない。また、付勢手段73を省略して、押圧部材27の自重により、押圧部材27を天板側フィルム12に対して上下に移動させてもよい。
また、押圧部271の底面が、培養バッグ10における培養部の内側に配置されるように、押圧部材27は寸法決めされている。
このように、押圧部材27により培養バッグ10を押圧することによって、天板側フィルム12の起伏の発生が抑制される。その結果、培地の注入又は排出を行う間、天板側フィルム12が架台21の載置面と平行に保たれ、培養バッグ10における培地の液厚が均一となる。
押圧部材27は、例えば、ポリカーボネートのような合成樹脂で形成してもよいし、ガラスで形成してもよい。また、押圧部材27は、培養の進行状況や培養対象物の状態などを確認できるように、その一部又は全部が透明性を有していることが好ましい。
培養バッグ10内に培地が充填されているときは、図5及び図6に示すように、培養バッグ10により押圧部材27が押し上げられた状態となる。
一方、培養バッグ10のポート13に連結されたチューブ14を介して、チューブ14に配置された送液手段30により培養バッグ10から培地が排出されると、それに従って、培養バッグ10における培地の液厚は減少し、これに伴って押圧部材27は下降する。
そして、培養バッグ10から培地が完全に排出されると、図7及び図8に示すように、培養バッグ10は、押圧部材27により上面フィルムと下面フィルムが接触した状態(天板側フィルム12により底部側フィルム11に形成された複数の凹部が閉塞された状態)にまで押圧される。このとき、培養バッグ10における培地の液厚はゼロとなる。
センサ支持部24は、天板部23の周辺部に固定されており、その先端部に測長センサ25が取り付けられている。また、測長センサ25に対面するように、押圧部材27の取付部272に金属部材2722が取り付けられている。なお、センサ支持部24及び測長センサ25の配置はこれに限定されず、金属部材2722までの距離を測定できる範囲で、天板部23に対して任意の位置に取り付けることができる。
そして、測長センサ25により、金属部材2722までの距離を測定して、培養バッグ10における培地の液厚を算出することで、当該液厚を検出することが可能になっている。
例えば、液厚は、測長センサ25の出力電圧に所定の係数を乗算して測長センサ25から金属部材2722までの距離を算出し、架台21の上面から測長センサ25の下面までの距離から、上記の算出された距離と金属部材2722の厚みと押圧部材の高さと上面フィルム及び下面フィルムの厚みを減算することによって得ることが可能である。
送液手段30は、培養バッグ10と培地バッグ40を連結するチューブに配設される。この送液手段30としては、例えばペリスタポンプやシリンジポンプのような低速で高精度な送液を行うことが可能なポンプを用いることが好ましい。なお、送液手段30は、これらのポンプに限定されず、水頭差(自重)や加圧等によるものとすることも可能である。
このような送液手段30を動作させることによって、培地バッグ40から培養バッグ10への培地の充填、及び培養バッグ10から培地バッグ40への培地の排出することができる。
送液手段30の動作は、測長センサ25からの検出情報にもとづいて、制御部60により制御される。このとき、制御部60は、測長センサ25から入力した(送信されてきた)出力電圧(又は出力電流)にもとづき培養バッグ10における培地の液厚を算出して、液厚にもとづき送液手段30の動作の開始と停止、及び回転速度等を制御して、液厚を所望の大きさに制御することが可能になっている。
培地バッグ40は、培地を供給するための培地供給バック、又は培地を排出するための培地排出バックとして用いることができる。
インキュベータ50は、培養バッグ10、培養バッグ収容部20、送液手段30、及び培地バッグ40を収容して一定の温度及び湿度を保ち、培養バッグ10内における細胞やスフェアの培養環境を維持する。
制御部60(制御ユニット)は、測長センサ25からの検出情報にもとづき送液手段30の動作を制御可能なものであれば特に限定されないが、入出力部61(入出力ユニット)と、PLC(programmable logic controller,プログラマブルロジックコントローラ)62と、継電部63(リレー)と、操作部64(タッチパネルなど)と、電源部65(安定化電源など)と、配線遮断部66(ブレーカー)とを備えた構成とすることができる。また、このような構成をマイコンやコンピュータにより実現してもよい。
PLC62に所望の制御内容を予めプログラミングして記憶させ、これにもとづいて送液手段30の動作を制御させることができる。
例えば、制御部60におけるPLC62により、培地の液厚がゼロである第一の状態に対応する第一の情報を記憶させ、第一の情報に所定の変化量を加算して第二の情報を算出し、第二の情報にもとづき送液手段30の動作を制御して、培地の液厚を第二の情報に対応する第二の状態に制御することができる。なお、第一の情報及び第二の情報は、電圧、電流、トランジスタ出力、又は培地の液厚等とすることができる。
具体的には、培養バッグ10における培地を排出して、液厚がゼロの状態に対応する出力電圧を記憶させた後、測長センサ25からの検出情報にもとづき培養バッグ10における培地が所望の液厚になるように、ポンプなどの送液手段30の駆動を制御して培養バッグ10に培地を供給させることができる。
本実施形態に係る培養装置及び液厚制御方法は、上述した構成や方法に限定されるものではなく、本実施形態に係る液厚制御機構を実施できるものであれば、その他の構成や方法にすることもできる。
例えば、培養バッグを載置する架台に測長センサを配置すると共に、押圧部材に金属部材を配置して、培養装置を構成することもできる。また、重量センサを用いて、培養バッグ10における培地を含む重量を検出して制御部60に出力し、制御部60が、培地の重量にもとづき培地の液厚を算出して、送液手段30の動作を制御する構成とすることもできる。
さらに、本実施形態に係る液厚制御機構において用いられる培養バッグとして、二つのポートが備えられた培養バッグを用いて、第一のポート及び第一のバッグを連結する管状部材に第一の送液手段を配設すると共に、第二のポート及び第二のバッグを連結する管状部材に第二の送液手段を配設し、制御部により、検出部から入力した検出情報にもとづいて、第一の送液手段及び第二の送液手段の動作を制御することも好ましい。
すなわち、二つのポートのそれぞれに連結されたチューブにポンプなどを配設して、本実施形態に係る培養装置及び液厚制御方法を実現することも好ましい。
具体的には、図9及び図10に示すような二つのポート13aを備えた培養バッグ10aを好適に用いることができる。
これらの図において、培養バッグ10aの一方のポート13aには、チューブを介して培地バッグ40が連結され、これに送液手段30が配設されている。このとき、培地バッグ40は、培地供給バッグなどとして用いることができる。また、培養バッグ10aの他方のポート13aには、チューブを介して廃液バッグ40aが連結され、これに送液手段30aが配設されている。なお、各ポートにチューブを介して連結するバッグは、その他の用途のものであってもよい。
本実施形態に係る培養装置をこのような構成にすれば、測長センサ25からの検出情報にもとづいて、送液手段30及び送液手段30aの動作を制御することができる。
このため、例えば培養バッグ10aにおける培地の液厚を、スフェアが移動できない大きさ(約50μmの隙間)にした状態のままで、培地を培地バッグ40から培養バッグ10aへ送液し、かつ、培地を培養バッグ10aから廃液バッグ40aへ送液して、培地の交換を行うことが可能となる。また、このとき、送液手段30及び送液手段30aの動作を制御して、培地の送液スピードを制御することも可能である。
また、本実施形態に係る液厚制御機構において用いられる培養バッグとして、天板側フィルム12において、培養バッグ10の内側に天板突起部を備えて、天板突起部の幅を底部側フィルム11に形成された凹部の開口部の幅よりも小さくし、かつ、天板突起部の高さを培養対象物の最小径より小さくして、天板突起部が培養部の上端面の一部に接触した場合に、上端面と天板側フィルム12の下面に間隙が形成される構成とすることも好ましい。
本実施形態に係る液厚制御機構において用いられる培養バッグをこのような構成にすれば、天板突起部を上端面の一部に接触させて、培養対象物のサイズよりも小さい間隙を上端面と天板部に形成させた状態にすることができる。これにより、培地などの液状物を間隙から通液可能としつつ、スフェアなどの培養対象物の移動を防止することが可能となる。
培養対象物をスフェアとする場合、本実施形態に係る培養装置は、スフェアを形成する工程、スフェア状態を維持したまま培養して増殖させる工程、及びスフェア状態で分化誘導する工程等に用いることができる。
また、iPS細胞やES細胞、その他幹細胞から既に分化誘導工程を経て得られた分化細胞を使用してスフェアを形成させる方法や、分化誘導した細胞を一度凍結保存し、再度解凍後にスフェアを形成する方法等において用いることもできる。
以上説明したように、本発明の実施形態に係る液厚制御機構、培養装置、及び液厚制御方法によれば、培養バッグにおける培地の液厚を把握できるため、培養バッグ内の培地の残量を把握することが可能となる。
また、培養バッグの上面フィルムと下面フィルムが接触するタイミングを把握でき、これにより、培養バッグ内に培地が無い状態になることを防止することが可能である。また、ポンプの故障や設置が不適切であることによる送液エラーを検出することも可能である。
さらに、培地の液厚の検出値を制御部にフィードバックすることにより、培養バッグにおける培地の液厚を制御することができるため、培養バッグの上面フィルムと複数の凹部を有する下面フィルムの間隙を、スフェアが移動できない大きさに制御することが可能である。
また、培養バッグとして、ポートを二つ備えたものを用いると共に、二つのポートに連結された各チューブにポンプを配設することにより、例えば培養バッグにおける培地の液厚を、スフェアが移動できない大きさにした状態のままで、培地を培地バッグから培養バッグへ送液し、かつ、培地を培養バッグから廃液バッグへ送液して、培地の交換を行うことなどが可能となる。
本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において、種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。例えば、培養バッグとしてポートを3つ以上備え、これらに連結された各チューブにポンプを配設して、検出器からの情報にもとづきこれらのポンプを制御する構成としたり、培養装置における押圧部材や測長センサの配置を変更するなど適宜変更することが可能である。
本発明は、均一なサイズのスフェアなどを効率的に大量に作成する場合などに、好適に利用することが可能である。
10 培養バッグ
11,11a,11b 底部側フィルム
111,111a,111b 凹部
12 天板側フィルム
13 ポート
14 チューブ(管状部材)
20 培養バッグ収容部
21 架台
22 天板支持部
23 天板部
231 天板開口部
24 センサ支持部
25 測長センサ
26 永久磁石
27 押圧部材
271 押圧部
272 取付部
2721 永久磁石
2722 金属部材
273 ガイドピン
30 送液手段
40 培地バッグ
50 インキュベータ
60 制御部
61 入出力部
62 PLC(プログラマブルロジックコントローラ)
63 継電部
64 操作部
65 電源部
66 配線遮断部

Claims (12)

  1. 少なくとも一つのポートが備えられた軟包材からなる培養バッグに充填された培地の液厚を制御する培養装置であって、
    前記培養バッグが載置される架台と、
    前記培養バッグを前記架台に対して押圧することにより、前記培養バッグ内の液厚を均一にする押圧部材と、
    前記押圧部材に対面して配置された天板部と、
    前記天板部に対して前記押圧部材を垂直方向に移動可能に支持する支持機構と、
    前記培地の液厚の変化に応じて生じる変化を測定するアナログ式の測長センサである検出部と、
    前記検出部から入力した検出情報にもとづいて、前記培養バッグ及び培地バッグを連結する管状部材に配設された送液手段の動作を制御して、前記培養バッグ及び前記培地バッグ間における培地の送液を制御する制御部と、有し、
    前記制御部は、前記送液手段の動作を制御することにもとづいて前記培地の液厚を制御することを特徴とする培養装置。
  2. 前記培地の液厚の変化に応じて生じる変化が、部材の位置の変位であり、前記検出部が前記測長センサであることを特徴とする請求項記載の培養装置。
  3. 前記制御部が前記培地の液厚を算出し、この液厚にもとづき前記送液手段の動作を制御することを特徴とする請求項1又は2記載の培養装置。
  4. 前記測長センサが前記天板部に配置され、前記測長センサが前記押圧部材に配置された金属部材までの距離を測定することを特徴とする請求項2又は3に記載の培養装置。
  5. 前記測長センサが前記架台に配置され、前記測長センサが前記押圧部材に配置された金属部材までの距離を測定することを特徴とする請求項2又は3に記載の培養装置。
  6. 前記押圧部材における前記培養バッグを押圧する押圧部の水平面の形状が、前記培養バッグにおける培養部の水平面の形状と同一であり、前記押圧部が前記培養部の領域内のみを押圧することを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の培養装置。
  7. 前記培養バッグにおける培養部に培養対象物を収容する複数の凹部が形成され、
    前記制御部は、前記送液手段の動作を制御することにもとづいて前記培地の液厚を前記培養対象物が移動できない大きさに制御可能であることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の培養装置。
  8. 少なくとも一つのポートが備えられた軟包材からなる培養バッグに充填された培地の液厚を制御する液厚制御方法であって、
    前記培養バッグが載置される架台と、前記培養バッグを前記架台に対して押圧することにより、前記培養バッグ内の液厚を均一にする押圧部材と、前記押圧部材に対面して配置された天板部と、前記天板部に対して前記押圧部材を垂直方向に移動可能に支持する支持機構と、前記培地の液厚の変化に応じて生じる変化を測定するアナログ式の測長センサである検出部と、前記検出部から入力した検出情報にもとづいて、前記培養バッグ及び培地バッグを連結する管状部材に配設された送液手段の動作を制御して、前記培養バッグ及び前記培地バッグ間における培地の送液を制御する制御部を有する培養装置を用いて、
    前記制御部により、前記培地の液厚がゼロである第一の状態に対応する第一の情報を記憶し、第一の情報に所定の変化量を加算して第二の情報を算出し、前記第二の情報にもとづき前記送液手段の動作を制御して、前記培地の液厚を第二の情報に対応する液厚に制御する
    ことを特徴とする液厚制御方法。
  9. 前記培地の液厚の変化に応じて生じる変化が、部材の位置の変位であり、前記検出部が前記測長センサであることを特徴とする請求項に記載の液厚制御方法。
  10. 前記第一の情報及び前記第二の情報が、電圧、電流、トランジスタ出力、又は前記培地の液厚のいずれかであることを特徴とする請求項8又は9記載の液厚制御方法。
  11. 二つのポートが備えられた前記培養バッグを用いて、第一のポート及び第一のバッグを連結する管状部材に第一の送液手段を配設すると共に、第二のポート及び第二のバッグを連結する管状部材に第二の送液手段を配設し、前記制御部により、前記検出部から入力した検出情報にもとづいて、前記第一の送液手段及び前記第二の送液手段を介して送液される培地の液厚を、前記第一の送液手段及び前記第二の送液手段の動作を制御することにもとづいて制御することを特徴とする請求項8~10のいずれかに記載の液厚制御方法。
  12. 前記培養バッグにおける培養部に培養対象物を収容する複数の凹部が形成され、
    前記制御部は、前記送液手段の動作を制御することにもとづいて前記培地の液厚を前記培養対象物が移動できない大きさに制御可能であることを特徴とする請求項8~11のいずれかに記載の液厚制御方法。
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