JP2023089892A - 細胞培養システム、細胞培養システムの使用方法、及び細胞培養ユニット - Google Patents

細胞培養システム、細胞培養システムの使用方法、及び細胞培養ユニット Download PDF

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郷史 田中
Goshi Tanaka
貴彦 戸谷
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喬晴 西山
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Abstract

【課題】 培養バッグを設置して細胞を培養でき、その培養に必要な各種用具をひとまとまりにした状態で容易に持ち運びすることができ、培養バッグを汎用の顕微鏡による観察に供することの可能な細胞培養システムを提供する。【解決手段】 軟包材からなる培養バッグにより細胞を培養する細胞培養システムであり、バッグを押圧する押圧部材を備えたバッグ収容具を載置する切り欠き部を有する培養ユニットを備え、ユニット上にバッグ収容具に配置されたバッグと、バッグに培地を供給する培地容器と、バッグから培地が排出される廃液容器と、バッグと培地容器を接続する部材に配設された送液手段と、バッグと廃液容器を接続する部材に配設された送液手段とを備え、ユニットの底面から培養面までの距離が20mm未満であり、バッグを押圧部材が押圧することで培地の液厚が均一化され、ユニットの表面、押圧部材の上面及び下面、バッグの上面及び培養面が略平行となる。【選択図】 図12

Description

本発明は、細胞培養技術に関し、特に細胞を培養して観察するための細胞培養システムに関する。
培養容器を用いて細胞を培養するにあたり、顕微鏡やカメラで培養容器内の培養中の細胞の状態を観察することは、培養作業をする上で非常に重要である。また、細胞の大量培養を行うにあたっては、培養面積の大きい培養容器を容易に製造可能な軟包材からなる培養バッグを用いることが好ましい。
培養中の細胞の状態を観察可能にするための技術としては、専用のインキュベータ内に専用の観察機構を設置した培養装置がある。また、汎用の顕微鏡上に載置可能な小型の培養装置も存在している。
国際公開第2005/059091号パンフレット 実用新案登録第3115673号公報
特許文献1に記載の細胞培養装置は、専用のインキュベータ内に専用の観察機構を設置した培養装置である。
このような培養装置においては、手動で観察操作ができないため、例えばピント合わせのような人が手動で行えば簡単な動作であっても、自動で動作可能な観察機構が必要となる。このため、装置が大掛かりとなり、また観察機構が非常に高額になるという問題があった。
また、複数の培養容器を用いて細胞培養を行い、培養容器内の細胞を観察するためには、各培養容器にそれぞれ個別に観察機構を設けるか、あるいは自動で培養容器又は顕微鏡を移動させる機構が必要になるため、益々高額になるという問題があった。
さらに、このような培養装置において、軟包材からなる培養バッグを用いる場合は、そのままでは光の乱反射が生じ易く、培養バッグ内の細胞の観察を行うことが難しいという問題もあった。
また、特許文献2に記載のシャーレは、汎用の顕微鏡上に載置可能な小型の培養装置である。
このような培養装置によれば、シャーレ内における培養中の細胞の観察は可能であるものの、シャーレの蓋に培地の排出や充填を行うためのパイプを固定する必要がある。このため、パイプの先端の位置が培養面から離れている場合は、培地の排出時の残量が多くなって培地交換率が上げられないという問題があった。
また、パイプの先端が培養面に近い場合は、培地の排出時に細胞を吸い出してしまうおそれがあり、また培養面に凹凸を備えてスフェア細胞を培養する際には、培地の充填時にスフェア細胞が移動してしまう問題もあった。
さらに、この培養装置は、軟包材からなる培養バッグを用いて細胞培養を行う場合には、適用することができないという問題もあった。
そこで、本発明者らは鋭意研究して、これらの問題を解消可能な細胞培養システムを開発することに成功した。
すなわち、本発明は、培養バッグを設置して細胞を培養でき、その培養に必要な各種用具をひとまとまりにした状態で容易に持ち運びすることができ、培養バッグを汎用の顕微鏡による観察に供することの可能な細胞培養システム、細胞培養システムの使用方法、及び細胞培養ユニットの提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の細胞培養システムは、軟包材からなる培養バッグにより細胞を培養する細胞培養システムであって、前記培養バッグを押圧する押圧部材を備えたバッグ収容具を載置する切り欠き部又は透明な載置部を有する培養ユニットを備えると共に、前記培養ユニット上に、前記バッグ収容具に配置された培養バッグと、前記培養バッグに培地を供給する培地容器と、前記培養バッグから培地が排出される廃液容器と、前記培養バッグと前記培地容器を接続する第一管状部材に配設された第一送液手段と、前記培養バッグと前記廃液容器を接続する第二管状部材に配設された第二送液手段とを備え、前記培養ユニットの底面から前記培養バッグの培養面までの距離が20mm未満であり、培地が充填された前記培養バッグを前記押圧部材が押圧することで、前記培養バッグ内の培地の液厚が均一化され、前記培養ユニットの表面、前記押圧部材の上面及び下面、並びに前記培養バッグの上面及び培養面が略平行となる構成としてある。
また、本発明の細胞培養システムを、前記培養ユニットが、前記第一送液手段を収容する第一送液手段収容部と、前記第二送液手段を収容する第二送液手段収容部を有する構成とすることが好ましい。
また、本発明の細胞培養システムを、前記培養ユニットの底面から、前記第一送液手段収容部の上面、及び/又は、前記第二送液手段収容部の上面までの距離が65mm以下である構成とすることが好ましい。
また、本発明の細胞培養システムを、前記培地容器が2つのポートを備え、1つのポートを介して前記培地容器が前記培養バッグに接続された状態で、他の1つのポートを介して前記培地容器における培地を交換できる構成とすることが好ましい。
また、本発明の細胞培養システムを、前記バッグ収容具に液厚計測部が備えられ、当該液厚計測部が制御装置に接続され、前記培養バッグ内の培地の液厚が、前記液厚計測部によって測定された値にもとづき前記制御装置によって算出される構成とすることが好ましい。
また、本発明の細胞培養システムを、前記制御装置が前記第一送液手段及び前記第二送液手段に接続され、前記第一送液手段及び前記第二送液手段が、前記培養バッグ内の培地の液厚にもとづき前記制御装置により制御される構成とすることが好ましい。
また、本発明の細胞培養システムの使用方法は、上記のいずれかに記載の細胞培養システムの使用方法であって、前記細胞培養システムをインキュベータ内に配置し、前記第一送液手段により前記培地容器から培地を前記培養バッグに供給して細胞培養を行い、前記細胞培養システムをインキュベータ外に運び出して顕微鏡に配置し、前記培養バッグを前記押圧部材により押圧して前記培養バッグ内の培地の液厚を均一化した状態で、前記培養バッグ内の細胞を、前記切り欠き部又は前記透明な載置部を介して前記顕微鏡を用いて観察する方法としてある。
また、本発明の細胞培養システムの使用方法を、前記培地容器から前記培養バッグに培地を送液し、かつ、前記培養バッグから前記廃液容器へ培地を送液させた状態で、前記培養バッグ内の細胞を、前記顕微鏡を用いて観察する方法とすることが好ましい。
また、本発明の細胞培養ユニットは、培養バッグを設置して細胞培養が行われる細胞培養ユニットであって、前記細胞培養ユニットは、前記培養バッグを収容する培養バッグ収容具が載置される切り欠き部又は透明な載置部を有すると共に、前記培養バッグに管状部材を介して接続される送液手段を設置できる2つの送液手段収容部を有する本体部と、一方の送液手段に管状部材を介して接続される培地供給バッグを傾斜可能に載置できる載置板とを備え、他方の送液手段に管状部材を介して接続される廃液バッグを前記載置板の下側に載置できる構成としてある。
また、本発明の細胞培養ユニットを、前記培養バッグを収容した培養バッグ収容具、前記培地供給バッグ、及び前記廃液バッグが備えられ、前記培養バッグ、前記培地供給バッグ、及び前記廃液バッグの配置が維持されたまま持ち運びできる構成とすることが好ましい。
本発明によれば、培養バッグを設置して細胞を培養でき、その培養に必要な各種用具をひとまとまりにした状態で容易に持ち運びすることができ、培養バッグを汎用の顕微鏡による観察に供することの可能な細胞培養システム、細胞培養システムの使用方法、及び細胞培養ユニットの提供が可能となる。
本発明の実施形態に係る細胞培養ユニットの構成を示す模式図(斜視図)である。 本発明の実施形態に係る細胞培養ユニットの構成を示す模式図(正面図)である。 本発明の実施形態に係る細胞培養ユニットの構成を示す模式図(背面図)である。 本発明の実施形態に係る細胞培養ユニットの構成を示す模式図(平面図)である。 本発明の実施形態に係る細胞培養ユニットの構成を示す模式図(底面図)である。 本発明の実施形態に係る細胞培養ユニットの構成を示す模式図(右側面図)である。 本発明の実施形態に係る細胞培養ユニットの構成を示す模式図(左側面図)である。 本発明の実施形態に係る細胞培養ユニットの構成を示す模式図(培養バッグ収容具を載置した図)である。 本発明の実施形態に係る細胞培養ユニットの使用状態を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る細胞培養ユニットに載置できる培養バッグ収容具を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る細胞培養ユニットの制御機構を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る細胞培養システムの構成を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る細胞培養システムにおける培養ユニットの底面から培養バッグの培養面までの距離(L1)を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る細胞培養システムにおける培養ユニットの底面から送液手段収容部の上面までの距離(L2)を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る細胞培養システムを顕微鏡に配置した状態を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る細胞培養システムの制御機構を示す模式図である。
以下、本発明の細胞培養システム、細胞培養システムの使用方法、及び細胞培養ユニット等の実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施形態の具体的な内容に限定されるものではない。
[細胞培養ユニット]
はじめに、本実施形態の細胞培養ユニットについて説明する。本実施形態の細胞培養ユニットは、培養バッグを設置して細胞培養が行われる治具である。
図1~7に示すように、本実施形態の細胞培養ユニット1は、本体部11と、載置板12とを備えている。
本体部11は、培養バッグを収容する培養バッグ収容具が載置される切り欠き部111と、培養バッグにチューブなどの管状部材を介して接続されるポンプ20などの送液手段を設置できる2つの送液手段収容部112を有している。
切り欠き部111の周縁部には、培養バッグ収容具を支持可能な支持溝が形成されている。
載置板12には、一方のポンプ20に管状部材を介して接続される培地供給バッグを傾斜可能に載置することができる。
すなわち、図2に示すように、載置板12には載置板支持部121が備えられており、この載置板支持部121によって載置板12の傾斜角度を水平な状態から傾けた状態にまで調節することが可能になっている。
また、傾斜させた載置板12に培地供給バッグを載置することで、培地供給バッグ内の気泡を上方に集めることができ、培養バッグに気泡が送られることを防止できるようになっている。
載置板12の下側には、他方のポンプ20に管状部材を介して接続される廃液バッグを載置することができる。
また、ポンプ20を設置できる2つの送液手段収容部112が本体部11の背面側両端部に備えられ、培養バッグ収容部30を本体部11の正面側中央部に載置でき、2つの送液手段収容部112の間に載置板12が備えられている。このため、載置板12の上に培地供給バッグ50を載置し、載置板12の下側に廃液バッグ60を載置することで、これらのバッグを細胞培養ユニットにおいてコンパクトに配置できると共に、細胞培養に必要な各種用具をバランス良く持ち運ぶことが可能になっている。
また、本体部11には、センサコード孔113及びセンサコード孔114が設けられており、後述する培養バッグ収容部30に備えられる測長センサなどの液厚計測部31から延びるコード(信号線など)が、これらのコード孔を通じて制御装置70に接続され、液厚計測部31からの信号が制御装置70に送信されるようになっている。
さらに、本体部11には、コネクタ接続部115が設けられており、ポンプ20から延びるコード(電源線など)がコネクタ接続部115に接続されるコネクタを介して制御装置70に接続され、制御装置70によってポンプ20を制御できるようになっている。
ポンプ20としては、例えばペリスタポンプやシリンジポンプのような低速で高精度な送液を行うことが可能なポンプを用いることが好ましい。
図8に示すように、本体部11の切り欠き部111には、培養バッグを収容する培養バッグ収容部30を載置することができる。
このように切り欠き部111に培養バッグ収容部30を載置することで、培養バッグ収容部30の下方から培養バッグ内の細胞を顕微鏡で観察できるようになっている。
また、この切り欠き部111に代えて、本体部11に透明な載置部を設け、この載置部に培養バッグ収容部30を設置する構成にして、培養バッグ収容部30の下方から培養バッグ内の細胞を観察可能にすることもできる。
図9は、本実施形態の細胞培養ユニット1に、培養バッグ40を収容した培養バッグ収容具30と、培地供給バッグ50と、廃液バッグ60とを載置して、培養バッグ40と培地供給バッグ50をポンプ20を介してチューブ21で接続し、培養バッグ40と廃液バッグ60をポンプ20を介してチューブ21で接続した状態を示している。培養バッグ収容部30には液厚計測部31が備えられ、この液厚計測部31からセンサコード32が延びている。
このような細胞培養ユニットによれば、培養バッグ40、培地供給バッグ50、及び廃液バッグ60の配置を維持したまま持ち運びすることが可能である。
また、このような培養に必要な各種用具をひとまとまりに配置した細胞培養ユニットをインキュベータ内において積層させて細胞培養を行うことも好ましい。
このように、本実施形態の細胞培養ユニットをインキュベータ内において積層させて細胞培養を行うことによって、培養面積を容易に拡張させることが可能である。
培養バッグ40は、細胞と培地が充填されて細胞培養が行われるガス透過性に優れた軟包材からなる袋状で閉鎖系の培養容器である。
培養バッグ40の材料としては、樹脂フィルムなどを好適に用いることができ、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂等を用いることができる。例えば、ポリエチレン、エチレンとα-オレフィンの共重合体、エチレンと酢酸ビニルの共重合体、エチレンとアクリル酸やメタクリル酸共重合体と金属イオンを用いたアイオノマー等を挙げることができる。また、ポリオレフィン、スチレン系エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等を用いることもできる。さらに、軟質塩化ビニル樹脂、ポリブタジエン樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、シリコーン系熱可塑性エラストマー、スチレン系エラストマー、例えば、SBS(スチレン・ブタジエン・スチレン)、SIS(スチレン・イソプレン・スチレン)、SEBS(スチレン・エチレン・ブチレン・スチレン)、SEPS(スチレン・エチレン・プロピレン・スチレン)、ポリオレフィン樹脂、フッ素系樹脂等を用いてもよい。
培養バッグ40を用いて培養する細胞は、特に限定されず、浮遊性細胞、接着性細胞、スフェア(細胞塊)、又は数種類の細胞を凝集させて作成されるオルガノイドであってもよい。
具体的には、神経細胞、膵島細胞、腎細胞、肝細胞、筋肉細胞、心筋細胞、角膜内皮細胞、血管内皮細胞、間葉系幹細胞、リンパ球等の細胞を挙げることができる。また、人工多能性幹細胞(iPS細胞)、胚性幹細胞(ES細胞)、及びそれらの幹細胞から上記各種細胞に分化誘導された細胞を挙げることもできる。さらに、分化誘導の過程で発生する前駆細胞などの中間体を培養することも可能である。
本実施形態において、培養バッグ40には、培地の供給に用いられるポート41と、培地の排出に用いられるポート41が備えられている。なお、培養バッグ40に3つ以上のポートを備えてもよい。
培地供給バッグ50は、培養バッグ40に送液するための培地が充填された容器であり、チューブ21とポンプ20を介して培養バッグ40に連通される。
廃液バッグ60は、培養バッグ40から使用済みの培地を送液される容器であり、チューブ21とポンプ20を介して培養バッグ40に連通される。
培地供給バッグ50と廃液バッグ60の材料としては、培養バッグ40と同様のものを用いることができる。なお、培地供給バッグ50と廃液バッグ60は、ガス透過性が低いガスバリア性のバッグとしても良く、これらの材料は、特に限定されない。
本実施形態によれば、このような細胞培養ユニットを汎用のインキュベータ内に配置して、液厚計測部31から延びるコードとポンプ20から延びるコードを制御装置70に接続し、ポンプ20を作動させて培地供給バッグ50から培養バッグ40に培地を供給して、細胞培養を行うことが可能になっている。また、培養バッグ40内の培地を廃液バッグ60へ排出することもできる。
そして、培養バッグ40内で細胞培養が行われた細胞培養ユニットからコードを取り外して、培養バッグ40、培地供給バッグ50、及び廃液バッグ60の配置を維持したまま細胞培養ユニットをインキュベータから取り出し、閉鎖系を維持したまま汎用の顕微鏡に移動させて、培養バッグ内の細胞を切り欠き部111を介して顕微鏡により観察することが可能になっている。
すなわち、このような細胞培養ユニットによれば、大掛かりで高額な観察機構を必要とせず、軟包材からなる培養バッグ40を設置して細胞を培養でき、その培養に必要な各種用具をひとまとまりにした状態で閉鎖系を維持したまま容易に持ち運びすることができ、培養バッグ40を顕微鏡による観察に供することが可能になっている。
次に、図10を参照して、培養バッグ40を収容した培養バッグ収容部30の構成について説明する。
培養バッグ収容具30には、押圧部材33が備えられており、培地が充填された培養バッグ40を押圧部材33が押圧することによって、培養バッグ40内における培地の液厚(培養バッグ40の上面フィルムの内面から下面フィルムの内面(培養面)までの距離)を均一化することが可能になっている。
図10において、押圧部材33は、押圧部331と取付部332とからなっており、天板部の周辺部にガイドピン333が備えられ、ガイドピン333が取付部332に設けられたガイド穴に貫通し、押圧部材33は、ガイドピン333に沿って垂直方向に移動可能になっている。
この押圧部材33は、永久磁石や押圧部材33の自重などにより、培養バッグ40の上面フィルムに対して垂直に押圧した状態で、垂直方向に移動可能になっている。
すなわち、培養バッグ40内に培地が充填されているときは、培養バッグ40により押圧部材33が押し上げられた状態となり、培養バッグ40から培地が排出されると、それに従って、培養バッグ40における培地の液厚は減少し、これに伴って押圧部材33は下降する。
このような培養バッグ収容部30を用いれば、培養バッグ40における培地の液量に応じて押圧部材33が培養バッグ40の上面フィルムに追従して押圧することができるため、培地の送液中であっても培養バッグ40の細胞を観察することが可能である。
また、このような培養バッグ収容部30を用いることにより、例えば培養バッグ40内の培地の液厚を1mm以下の小さい状態にした場合でも、培養バッグ40の上面フィルムと下面フィルムが接触しないようにすることが可能になっている。
押圧部材33は、例えば、ポリカーボネートのような合成樹脂で形成してもよいし、ガラスで形成してもよい。また、押圧部材33は、一部又は全部が透明性を有している。
培養バッグ収容部30の天 板部には、天板開口部が設けられており、この天板開口部を通じて培養バッグ収容部30の内部が視認できるようになっている。
また、本実施形態の細胞培養ユニットにおいて、本体部11の表面と、押圧部材33の上面及び下面、並びに培養バッグ40の上面及び培養面が略平行になっている。
このため、培養バッグ40の上方から光りを照射して、培養バッグ40内の細胞を下方から顕微鏡で観察するに際して、光が乱反射することを防止でき、好適に観察することが可能になっている。
また、本実施形態の細胞培養ユニットにおいて、本体部11の底面から培養バッグ40内の培養面までの距離(本体部11の架台の厚み+培養バッグ収容部30の載置台の厚み+培養バッグ40の下面フィルムの厚み)が、20mm未満であることが好ましく、10mm未満であることがより好ましく、5~6mm程度であることが特に好ましい。
本実施形態の細胞培養ユニットをこのような構成にすれば、培養バッグ40内の細胞を汎用の位相差顕微鏡などを用いて好適に観察することが可能である。
また、培養バッグ収容部30の天板部に液厚計測部31が固定されており、これに対面するように、押圧部材33の取付部332に金属部材3321が取り付けられている。
そして、液厚計測部31によって金属部材3321までの距離が測定されて制御装置70へ出力され、制御装置70により培養バッグ40における培地の液厚が算出されるようになっている。
また、ポンプ20は、培養バッグ40における培地の液厚にもとづき制御装置70により制御されるようになっている。
すなわち、制御装置70は、液厚計測部31によって測定された値(出力電圧、又は出力電流)にもとづき培養バッグ40における培地の液厚を算出して、液厚にもとづきポンプ20の動作の開始と停止、及び回転速度等を制御して、液厚を所望の大きさに制御することが可能になっている。
図11に示すように、制御装置70は、入出力部71、制御部72、操作部73、及び電源部74を有するものとすることができる。
入出力部71は、ポンプ20に接続され、制御部72からの入力情報にもとづいて、ポンプ20の動作を制御する。これによって、培養バッグ40に培地供給バッグ50から培地が供給され、また培養バッグ40から使用済み培地を廃液バッグ60に排出することができる。
制御部72は、PLC(programmable logic controller,プログラマブルロジックコントローラ)などにより構成され、所望の制御内容を予めプログラミングして記憶させ、これにもとづいて各部の動作を制御することができる。すなわち、制御部72は、ポンプを制御するための情報を所定のタイミングで入出力部71に送信する。
操作部73は、タッチパネルなどの表示部を備え、ユーザによる入力情報を制御部72に送信してPLCの設定などを実行する。また、制御部72からの入力情報を表示する。
電源部74(安定化電源など)は、制御装置60内の各部に電気を供給する。
また、図示しないが、制御装置60において、さらに継電部(リレー)や配線遮断部(ブレーカー)を備えた構成とすることができる。また、制御装置60における制御部72や操作部73などの一部又は全部の構成をマイコンやコンピュータにより実現してもよい。
[細胞培養ユニットの使用方法]
本実施形態の細胞培養ユニットの使用方法は、上述した細胞培養ユニットをインキュベータ内に配置し、一方のポンプ20により培地供給バッグ50からチューブ21を介して培地を培養バッグ40に供給して細胞培養を行う。
また、他方のポンプ20により培養バッグ40からチューブ21を介して培地を廃液バッグ60に排出することもできる。
そして、細胞培養ユニットを、培養バッグ40、培地供給バッグ50、及び廃液バッグ60の配置が維持されたままインキュベータの外部に運び出し、培養バッグ40を、切り欠き部111又は透明な載置部を介して細胞の顕微鏡観察に供する。
このような細胞培養ユニットの使用方法によれば、大掛かりで高額な観察機構を必要とせず、汎用のインキュベータ内に細胞培養ユニットを配置して細胞培養を行うことができる。また、細胞培養ユニットをインキュベータから取り出して、閉鎖系を維持したまま容易に持ち運びすることができ、汎用の顕微鏡に配置して培養バッグ内の細胞を観察することが可能である。
[細胞培養システム]
次に、本実施形態の細胞培養システムについて説明する。本実施形態の細胞培養システムは、上述した細胞培養ユニットと細胞培養に必要な各種用具とからなり、培養バッグで細胞培養を行っている状態のまま持ち運ぶことができ、培養バッグ内の細胞の顕微鏡観察に好適に用いることの可能な特徴を備えている。
具体的には、図12に示すように、本実施形態の細胞培養システムは、軟包材からなる培養バッグ40により細胞を培養する細胞培養システムであって、培養バッグ40を押圧する押圧部材を備えたバッグ収容具30を載置する切り欠き部111又は透明な載置部を有する培養ユニット1を備えている。
また、培養ユニット1上に、バッグ収容具30に配置された培養バッグ40と、培養バッグ40に培地を供給する培地容器50と、培養バッグ40から培地が排出される廃液容器60と、培養バッグ40と培地容器50を接続(連通)する第一管状部材21-1に配設された第一送液手段20-1と、培養バッグ40と廃液容器60を接続する第二管状部材21-2に配設された第二送液手段20-2を備えている。
なお、培地容器50及び廃液容器60は、軟包材からなるバッグであっても、リジッドな容器であっても良い。
また、本実施形態の細胞培養システムは、図13に示す培養ユニット1の底面(11b)から培養バッグ40の培養面(40b)までの距離L1(本体部11の架台の厚み+培養バッグ収容部30の載置台の厚み+培養バッグ40の下面フィルムの厚み)が、20mm未満であることが好ましく、10mm未満であることがより好ましく、7~8mmであることがさらに好ましく、5~6mmであることが特に好ましい。
本実施形態の細胞培養システムをこのような構成にすれば、細胞培養システムを汎用の位相差顕微鏡などに配置した場合に、焦点距離を容易かつ適切に合わせることができるため、培養バッグ40内の細胞を顕微鏡を用いて好適に観察することが可能となる。
また、本実施形態の細胞培養システムでは、図13に示すように、培地が充填された培養バッグ40を押圧部材33が押圧することで、培養バッグ40内の培地の液厚が均一化され、培養ユニット1の表面(11a)、押圧部材33の上面(33a)及び下面(33b)、並びに培養バッグ40の上面(40a)及び培養面(40b)が略平行となる。
このため、培養バッグ40の上方から光りを照射して、培養バッグ40内の細胞を下方から顕微鏡で観察するに際して、光が乱反射することを防止でき、好適に観察することが可能になっている。
また、本実施形態の細胞培養システムは、図14に示すように、培養ユニット1が、第一送液手段20-1を収容する第一送液手段収容部112-1と、第二送液手段20-2を収容する第二送液手段収容部112-2を有している。
また、培養ユニット1の底面から、第一送液手段収容部の上面、及び/又は、第二送液手段収容部の上面までの距離L2が、65mm以下であることが好ましく、60mm以下であることがより好ましく、55mm以下であることがさらに好ましい。
すなわち、汎用の位相差顕微鏡は、一般的に、光源部にレンズと光源を備え、光が観察対象に収束するように配置されているため、光源部が固定されており、上下に移動できないようになっている。細胞培養システムを顕微鏡に設置する場合、光源部の下を通過させることが必要であるため、少なくとも一方の送液手段収容部の高さを、光源部と観察台の距離よりも小さくすることが望ましい。
そこで、本実施形態の細胞培養システムは、上記の構成によって、細胞培養システムを汎用の位相差顕微鏡などに載置するに際し、顕微鏡の光源部に遮られることなく、観察台に容易かつ適切に配置させることができ、培養バッグ40内の細胞を顕微鏡を用いて好適に観察することが可能となっている。
本実施形態の細胞培養システムを汎用の位相差顕微鏡に配置した状態を図15に示す。
この細胞培養システムによれば、培養バッグ40により細胞培養を行っている状態のまま持ち運んで汎用の位相差顕微鏡M1の観察台M10に載置し、培養バッグ40内の細胞を容易に観察することが可能になっている。また、このとき、汎用の位相差顕微鏡M1の光源部M11に遮られることなく、細胞培養システムを簡単に観察台M10に配置できる。
一方、従来、培養バッグ内の細胞を観察する場合は、培養バッグを収容したバッグ収容具と培地容器と廃液容器と2つの送液手段とこれらを接続するチューブを台に載せて顕微鏡に持ち運び、培養バッグ内の細胞を観察することが必要であり、大変煩雑であった。
これに対して、本実施形態の細胞培養システムによれば、培養バッグを用いて細胞を培養するにあたり、細胞の状態を観察する作業の手間を大きく低減させることが可能になっている。このような手間の低減は、同一作業を繰り返し行う必要のある培養現場においては極めて重要である。
また、本実施形態の細胞培養システムによれば、培養中の細胞の状態をそのまま観察することが可能であり、後述の細胞培養システムの使用方法において説明しているように、培地の送液を行いながら細胞の状態を観察することも可能である。このように本実施形態の細胞培養システムによれば、従来は簡単にはなし得なかった観察方法を容易に実現することが可能となっている。
また、本実施形態の細胞培養システムは、図12に示すように、培地容器50が2つのポートを備えることが好ましく、1つのポートを介して培地容器50が培養バッグ40に接続された状態で、他の1つのポートを介して培地容器50における培地を交換できることが好ましい。
すなわち、本実施形態の細胞培養システムを用いて、iPS細胞のスフェアの分化誘導などを行う場合には、頻繁に培地の種類を交換する必要が生じる。分化誘導の種類によっては、毎日培地を交換する場合もある。
このとき、細胞培養システムをクリーンベンチ内などに持ち運んで、培地容器50内の培地を全量交換することになるが、クリーンベンチ内は、空中はクリーンであるが、物に触れると汚染するリスクがあるために触れてはならず、触れてしまった場合は作業をやり直す必要がある。
本実施形態の細胞培養システムでは、図12に示すように、培地容器50がポート51とポート52を備えているため、培養バッグ40に接続されたポート51と反対側のポート52を開放してシリンジなどを接続し、培地の交換を行うことができる。このように、本実施形態の細胞培養システムによれば、培地容器50のポート52の1カ所のみを開放すればよいため、操作が行い易く、汚染リスクを抑えることが可能となっている。
一方、本実施形態の細胞培養システムにおいて、仮に培養バッグ40と接続するための1つのポート51のみを備えた培地容器50を用いる場合は、ポンプ20-1の付近でチューブとの接続を解除して、培地交換を行う必要が生じるため、チューブが物に触れやすいという問題があった。
また、培養バッグ40側のチューブと培地容器50側のポート51の2カ所が開放されてしまうと共に、チューブとポート51の2カ所を持って作業を行う必要があるため、汚染リスクが高まるという問題もあった。さらに、入り組んだ状態での作業になるため、大変煩雑であった。
これに対して、培地容器50が2つのポートを備えた本実施形態の細胞培養システムでは、培地容器50内の培地交換が行い易いため、培養作業を簡便化させることが可能になっている。
また、本実施形態の細胞培養システムにおいて、汚染リスク低減の観点から、廃液容器60に2つのポートを備えるようにすることも好ましい。勿論、大きな廃液容器60を用いることで、廃液容器60からの培地の排出を省略させることもできる。
また、本実施形態の細胞培養システムは、上述した細胞培養ユニットと同様に、制御装置を備えることが好ましい。
すなわち、図16に示すように、本実施形態の細胞培養システムにおいて、バッグ収容具30に液厚計測部31が備えられ、当該液厚計測部31が制御装置70に接続され、培養バッグ40内の培地の液厚が、液厚計測部31によって測定された値にもとづき制御装置70によって算出される。
また、制御装置70がポンプ20-1及びポンプ20-2に接続され、ポンプ20-1及びポンプ20-2が、培養バッグ40内の培地の液厚にもとづき制御装置70により制御される。
制御装置70の具体的な構成については、細胞培養ユニットについての説明において上述しているため省略する。
[細胞培養システムの使用方法]
本実施形態の細胞培養システムの使用方法は、上述した細胞培養システムの使用方法であって、細胞培養システムをインキュベータ内に配置し、ポンプ20-1により培地容器50から培地を培養バッグ40に供給して細胞培養を行い、細胞培養システムをインキュベータ外に運び出して顕微鏡M1に配置し、培養バッグ40を押圧部材33により押圧して培養バッグ40内の培地の液厚を均一化した状態で、培養バッグ40内の細胞を、切り欠き部111又は透明な載置部を介して顕微鏡M1を用いて観察することを特徴とする。
また、本実施形態の細胞培養システムの使用方法は、培地容器50から培養バッグ40に培地を送液し、かつ、培養バッグ40から廃液容器50へ培地を送液させた状態で、培養バッグ40内の細胞を、顕微鏡M1を用いて観察する方法とすることも好ましい。
細胞培養システムをインキュベータ外に運び出すときは、培養ユニット1に接続されている、液厚計測部31から延びるコード及びポンプ20-1,20-2から延びるコードを取り外し、細胞培養システムを顕微鏡M1に載置した後、これらのコードを再度培養ユニット1に接続する。
そして、ポンプ20-1,20-2を動作させることによって、送液中の細胞の状態を顕微鏡M1により観察することができる。
このような本実施形態の細胞培養システムの使用方法によれば、例えば送液によるスフェアの移動の有無などの挙動を観察することができるため、培養中の細胞の状態を把握できるのみならず、より良い培養バッグの開発やスフェアを移動させない送液条件の把握に活かすことも可能となる。
以上説明したように、本実施形態の細胞培養システム、細胞培養システムの使用方法、及び細胞培養ユニットによれば、大掛かりで高額な観察機構を必要とせず、汎用のインキュベータ内に細胞培養ユニットを配置して細胞培養を行うことができる。また、細胞培養ユニットをインキュベータから取り出して、閉鎖系を維持したまま容易に持ち運びすることができ、汎用の顕微鏡に配置して培養バッグ内の細胞を観察することが可能である。
また、細胞培養システムを汎用の顕微鏡などに配置した場合に、焦点距離を容易かつ適切に合わせることができ、光が乱反射することを防止でき、また観察台に容易かつ適切に配置させることができるため、培養バッグ内の細胞を好適に観察することが可能となる。
さらに、細胞の状態を観察する作業の手間を大きく低減させることができ、培地の交換の操作が行い易く、汚染リスクを抑えることも可能となっている。
また、培養中の細胞の状態を培地の送液を行いながら観察することも可能であり、送液によるスフェアの移動の有無などの挙動を観察することができるため、培養中の細胞の状態を把握できるのみならず、より良い培養バッグの開発などに活かすことも可能となっている。
なお、本発明の細胞培養ユニットを、上述した構成に加えて、以下の構成とすることも好ましい。
すなわち、本発明の細胞培養ユニットを、前記培養バッグ内の細胞が、前記切り欠き部又は前記透明な載置部を介して観察可能である構成とすることも好ましい。
また、本発明の細胞培養ユニットを、前記培養バッグ収容具に押圧部材が備えられ、培地が充填された前記培養バッグを前記押圧部材が押圧して、前記培養バッグ内における培地の液厚が均一化される構成とすることも好ましい。
また、本発明の細胞培養ユニットを、前記本体部の表面、前記押圧部材の上面及び下面、並びに前記培養バッグの上面及び培養面が略平行である構成とすることも好ましい。
また、本発明の細胞培養ユニットを、前記本体部の底面から前記培養バッグ内の培養面までの距離が20mm未満である構成とすることも好ましい。
また、本発明の細胞培養ユニットを、前記培養バッグ収容具に液厚計測部が備えられ、当該液厚計測部が制御装置に接続され、前記培養バッグ内における培地の液厚が、前記液厚計測部によって測定された値にもとづき前記制御装置によって算出される構成とすることも好ましい。
また、本発明の細胞培養ユニットを、前記制御装置が前記送液手段に接続され、前記送液手段が、前記培養バッグ内における培地の液厚にもとづき前記制御装置により制御される構成とすることも好ましい。
また、本発明の細胞培養ユニットの使用方法は、上記のいずれかに記載の細胞培養ユニットの使用方法であって、前記細胞培養ユニットをインキュベータ内に配置し、前記一方の送液手段により前記培地供給バッグから管状部材を介して培地を前記培養バッグに供給して細胞培養を行い、前記他方の送液手段により前記培養バッグから管状部材を介して培地を前記廃液バッグに排出でき、前記細胞培養ユニットを、前記培養バッグ、前記培地供給バッグ、及び前記廃液バッグの配置が維持されたままインキュベータの外部に運び出し、前記培養バッグを、前記切り欠き部又は前記透明な載置部を介して細胞の顕微鏡観察に供する方法としてある。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において、種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。例えば、細胞培養ユニットにおける送液手段収容部や載置板、及び切り欠き部等の配置を適宜変更することなどが可能である。
本発明は、細胞培養に必要な各種用具をコンパクトにひとまとまりにした状態で培養を行うと共にそれらを持ち運びし、培養細胞を顕微鏡観察に供する場合に好適に利用することが可能である。
1 細胞培養ユニット
11 本体部
111 切り欠き部
112,112-1,112-2 送液手段収容部
113 センサコード孔
114 センサコード孔
115 コネクタ接続部
12 載置板
121 載置板支持部
20,20-1,20-2 ポンプ(送液手段)
21,21-1,21-2 チューブ(管状部材)
30 培養バッグ収容具(バッグ収容具)
31 液厚計測部
32 センサコード
33 押圧部材
331 押圧部
332 取付部
3321 金属部材
333 ガイドピン
40 培養バッグ
41 ポート
50 培地供給バッグ(培地容器)
51,52 ポート
60 廃液バッグ(廃液容器)
70 制御装置
71 入出力部
72 制御部
73 操作部
74 電源部

Claims (10)

  1. 軟包材からなる培養バッグにより細胞を培養する細胞培養システムであって、
    前記培養バッグを押圧する押圧部材を備えたバッグ収容具を載置する切り欠き部又は透明な載置部を有する培養ユニットを備えると共に、
    前記培養ユニット上に、前記バッグ収容具に配置された培養バッグと、前記培養バッグに培地を供給する培地容器と、前記培養バッグから培地が排出される廃液容器と、前記培養バッグと前記培地容器を接続する第一管状部材に配設された第一送液手段と、前記培養バッグと前記廃液容器を接続する第二管状部材に配設された第二送液手段と、を備え、
    前記培養ユニットの底面から前記培養バッグの培養面までの距離が20mm未満であり、
    培地が充填された前記培養バッグを前記押圧部材が押圧することで、前記培養バッグ内の培地の液厚が均一化され、前記培養ユニットの表面、前記押圧部材の上面及び下面、並びに前記培養バッグの上面及び培養面が略平行となる
    ことを特徴とする細胞培養システム。
  2. 前記培養ユニットが、前記第一送液手段を収容する第一送液手段収容部と、前記第二送液手段を収容する第二送液手段収容部を有する
    ことを特徴とする請求項1記載の細胞培養システム。
  3. 前記培養ユニットの底面から、前記第一送液手段収容部の上面、及び/又は、前記第二送液手段収容部の上面までの距離が65mm以下であることを特徴とする請求項2記載の細胞培養システム。
  4. 前記培地容器が2つのポートを備え、1つのポートを介して前記培地容器が前記培養バッグに接続された状態で、他の1つのポートを介して前記培地容器における培地を交換できることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の細胞培養システム。
  5. 前記バッグ収容具に液厚計測部が備えられ、当該液厚計測部が制御装置に接続され、前記培養バッグ内の培地の液厚が、前記液厚計測部によって測定された値にもとづき前記制御装置によって算出されることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の細胞培養システム。
  6. 前記制御装置が前記第一送液手段及び前記第二送液手段に接続され、
    前記第一送液手段及び前記第二送液手段が、前記培養バッグ内の培地の液厚にもとづき前記制御装置により制御されることを特徴とする請求項5記載の細胞培養システム。
  7. 請求項1~6のいずれかに記載の細胞培養システムの使用方法であって、
    前記細胞培養システムをインキュベータ内に配置し、前記第一送液手段により前記培地容器から培地を前記培養バッグに供給して細胞培養を行い、
    前記細胞培養システムをインキュベータ外に運び出して顕微鏡に配置し、前記培養バッグを前記押圧部材により押圧して前記培養バッグ内の培地の液厚を均一化した状態で、前記培養バッグ内の細胞を、前記切り欠き部又は前記透明な載置部を介して前記顕微鏡を用いて観察する
    ことを特徴とする細胞培養システムの使用方法。
  8. 前記培地容器から前記培養バッグに培地を送液し、かつ、前記培養バッグから前記廃液容器へ培地を送液させた状態で、前記培養バッグ内の細胞を、前記顕微鏡を用いて観察することを特徴とする請求項7記載の細胞培養システムの使用方法。
  9. 培養バッグを設置して細胞培養が行われる細胞培養ユニットであって、
    前記細胞培養ユニットは、前記培養バッグを収容する培養バッグ収容具が載置される切り欠き部又は透明な載置部を有すると共に、前記培養バッグに管状部材を介して接続される送液手段を設置できる2つの送液手段収容部を有する本体部と、一方の送液手段に管状部材を介して接続される培地供給バッグを傾斜可能に載置できる載置板と、を備え、他方の送液手段に管状部材を介して接続される廃液バッグを前記載置板の下側に載置できる
    ことを特徴とする細胞培養ユニット。
  10. 前記培養バッグを収容した培養バッグ収容具、前記培地供給バッグ、及び前記廃液バッグが備えられ、
    前記培養バッグ、前記培地供給バッグ、及び前記廃液バッグの配置が維持されたまま持ち運びできる
    ことを特徴とする請求項9記載の細胞培養ユニット。
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