JP2015188390A - 細胞培養方法、及び細胞培養システム - Google Patents
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Abstract
【課題】細胞を複数の培養容器に順に移し替えて培養する場合に、コンタミネーションのリスクを低減すると共に、培養容器内における細胞の残存を減少させることを可能とする。
【解決手段】他の容器との内容物移送用ポートを二つ有する複数の培養容器2,3,4における第一培養容器2に細胞及び培地を含む細胞懸濁液を収容し、培養容器に培地を供給する培地容器1と培養容器とをチューブ5を用いてループ状に接続して細胞の培養を開始し、第一培養容器での培養が終了した後、第一培養容器に接続された第二培養容器3に第一培養容器から培養された細胞を含む細胞懸濁液を移送し、第一培養容器を流路として第二培養容器に培地容器から培地を供給し、第二培養容器において細胞培養を行い、上記の細胞懸濁液の移送、培地の供給、及び細胞培養を、残りの培養容器について繰り返して行う。
【選択図】 図1
【解決手段】他の容器との内容物移送用ポートを二つ有する複数の培養容器2,3,4における第一培養容器2に細胞及び培地を含む細胞懸濁液を収容し、培養容器に培地を供給する培地容器1と培養容器とをチューブ5を用いてループ状に接続して細胞の培養を開始し、第一培養容器での培養が終了した後、第一培養容器に接続された第二培養容器3に第一培養容器から培養された細胞を含む細胞懸濁液を移送し、第一培養容器を流路として第二培養容器に培地容器から培地を供給し、第二培養容器において細胞培養を行い、上記の細胞懸濁液の移送、培地の供給、及び細胞培養を、残りの培養容器について繰り返して行う。
【選択図】 図1
Description
本発明は、細胞や組織、微生物などを人工的な環境下で培養する細胞培養方法、及び細胞培養システムに関する。
近年、医薬品の生産や、遺伝子治療、再生医療、免疫療法等の分野において、細胞や組織、微生物などを人工的な環境下で効率良く大量に培養することが求められている。このような細胞培養にあっては、培地内の細胞密度が高くなるにつれて、増殖に必要な成分の枯渇、細胞自身の代謝産物の蓄積が起こり、増殖速度が低下し細胞密度は飽和に達してしまう。このため、細胞をある程度の規模で培養する場合には、通常、細胞密度が適性に維持されるよう継代を繰り返しながら培養を行っている。
この継代の際に、容量の小さい培養容器から、容量のより大きい培養容器に細胞を移し替える場合がある。例えば、細胞培養ウェルプレートを用いて培養の初期段階に適した細胞密度となるように、培地と共に細胞を個々のウェルに加えて培養を開始し、ウェル内で細胞を十分に増殖させてから細胞培養フラスコに移し替え、細胞増殖に合わせて培地を追加して培養することが行われていた。また、細胞が一定量に増殖した時点で、さらに容量の大きいバックなどに移し替え、培地の補給と継代を繰り返し行って、細胞が大量培養されていた(例えば、特許文献1[0027]段落等参照)。
また、凍結保存された細胞を使用する際に、融解して復元した後に、細胞本来の機能を回復するためにウェルプレートを用いて数日間の培養を行い(以下、養生培養と称する場合がある)、細胞の機能を本来の状態に回復させた後にフラスコに移し替えて培養し(以下、拡大培養と称する場合がある)、その後、細胞を活性化させる活性化培養、細胞を大量に増殖させる増幅培養を行う方法もあった(例えば、特許文献2[0057]段落等参照)。
また、凍結保存された細胞を使用する際に、融解して復元した後に、細胞本来の機能を回復するためにウェルプレートを用いて数日間の培養を行い(以下、養生培養と称する場合がある)、細胞の機能を本来の状態に回復させた後にフラスコに移し替えて培養し(以下、拡大培養と称する場合がある)、その後、細胞を活性化させる活性化培養、細胞を大量に増殖させる増幅培養を行う方法もあった(例えば、特許文献2[0057]段落等参照)。
しかしながら、このような細胞培養においては、ウェルプレートからフラスコに移し替える際にピペッティング作業を何回も繰り返す必要があり、継代のたびに新たなフラスコやバックなどの培養容器に細胞を移さなければならず、作業が煩雑になるだけでなく、細胞にダメージを与える可能性があった。また、コンタミネーションのリスクが高いという問題もあった。
一方、コンタミネーションのリスクを低減し得る細胞培養装置等が、特許文献3及び特許文献4に記載されている。
すなわち、特許文献3には、インキュベータ内に気密に形成された細胞の培養器を設置し、培養器に気密に接続された送液管を介して培地容器と洗浄液容器と骨髄液容器の液を選択的に培養器に注入する送液手段と、培養器内の液を排液管を介して排出する排液手段とを備えた自動培養装置が開示されている。そして、この構成により、培養器に接着した幹細胞を選択的に分離した後、培地を培養器に注入して幹細胞を培養し、次いで、分化培養用の培地を培養器に注入して目的の組織細胞に分化させる技術が開示されている。
また、特許文献4には、複数の培養容器を用いて、密閉系で付着細胞の継代培養を行うことが可能な自動継代培養装置が開示されている。具体的には、複数の培養容器に、培地が収容された培地供給タンクと、洗浄液が収容された洗浄液供給タンクと、剥離液が収容された剥離液供給タンクと、処理容器とが接続され、処理容器内に細胞の通過を阻止するためのフィルタが設けられ、フィルタの表面に細胞を集めた後に、フィルタの外側から培地を供給して、細胞を培地により押し流して移送する技術が開示されている。
すなわち、特許文献3には、インキュベータ内に気密に形成された細胞の培養器を設置し、培養器に気密に接続された送液管を介して培地容器と洗浄液容器と骨髄液容器の液を選択的に培養器に注入する送液手段と、培養器内の液を排液管を介して排出する排液手段とを備えた自動培養装置が開示されている。そして、この構成により、培養器に接着した幹細胞を選択的に分離した後、培地を培養器に注入して幹細胞を培養し、次いで、分化培養用の培地を培養器に注入して目的の組織細胞に分化させる技術が開示されている。
また、特許文献4には、複数の培養容器を用いて、密閉系で付着細胞の継代培養を行うことが可能な自動継代培養装置が開示されている。具体的には、複数の培養容器に、培地が収容された培地供給タンクと、洗浄液が収容された洗浄液供給タンクと、剥離液が収容された剥離液供給タンクと、処理容器とが接続され、処理容器内に細胞の通過を阻止するためのフィルタが設けられ、フィルタの表面に細胞を集めた後に、フィルタの外側から培地を供給して、細胞を培地により押し流して移送する技術が開示されている。
しかしながら、これらの細胞培養装置等は、養生培養、拡大培養、活性化培養、増幅培養、継代培養などの一連の培養工程を行うことによって、細胞を大量に培養する場合に、最適なものであるとは言えなかった。
すなわち、特許文献3の細胞培養装置によれば、一つの培養器で幹細胞を培養し、かつ目的の組織細胞に分化させることはできるが、細胞を大量に培養するために必要となる継代に利用し得るものではなかった。
また、特許文献4の自動継代培養装置では、複数の培養容器を用いて細胞の継代培養が行われるが、最初に一つの培養容器で培養した細胞をフィルタの表面に集めた後、フィルタの外側から培地を供給して細胞を三つの培養容器に移送して再度培養し、この再度培養した細胞をフィルタの表面に集めた後、フィルタの外側から培地を供給して細胞の一部又は全部を回収する構成となっている。この培養装置では、再度培養した細胞の一部を継代培養することはできるが、全部は行えないことから細胞の大量培養に最適なものとは言えず、また操作手順が煩雑であるという問題があった。さらに細胞を培地や洗浄液と共に送流してフィルタで堰き止めた後に、培養容器への移送や細胞の取出しを行うものであるため、細胞にダメージを与えるおそれがあった。
すなわち、特許文献3の細胞培養装置によれば、一つの培養器で幹細胞を培養し、かつ目的の組織細胞に分化させることはできるが、細胞を大量に培養するために必要となる継代に利用し得るものではなかった。
また、特許文献4の自動継代培養装置では、複数の培養容器を用いて細胞の継代培養が行われるが、最初に一つの培養容器で培養した細胞をフィルタの表面に集めた後、フィルタの外側から培地を供給して細胞を三つの培養容器に移送して再度培養し、この再度培養した細胞をフィルタの表面に集めた後、フィルタの外側から培地を供給して細胞の一部又は全部を回収する構成となっている。この培養装置では、再度培養した細胞の一部を継代培養することはできるが、全部は行えないことから細胞の大量培養に最適なものとは言えず、また操作手順が煩雑であるという問題があった。さらに細胞を培地や洗浄液と共に送流してフィルタで堰き止めた後に、培養容器への移送や細胞の取出しを行うものであるため、細胞にダメージを与えるおそれがあった。
また、複数の培養容器を用いて細胞の一連の培養工程を行う場合、従来は、細胞の移送に際して、培養容器内に細胞が残存してしまうという問題があった。このような培養容器内における細胞の残存が生じると、全ての細胞を利用することができず、細胞の一部廃棄につながるため、細胞の増殖効率が低減することから重大な問題となっていた。
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、複数の培養容器を用いて養生培養、拡大培養、活性化培養、増幅培養、継代培養などの一連の培養工程を行う場合に、コンタミネーションのリスクを低減すると共に、細胞の移送に際して、培養容器内における細胞の残存を減少させることの可能な細胞培養方法、及び細胞培養システムの提供を目的とする。
本発明に係る細胞培養方法は、複数の培養容器を用いて細胞を培養する細胞培養方法であって、前記複数の培養容器として、それぞれ他の容器との内容物の移送用のポートを二つ有する培養容器を用い、前記複数の培養容器における第一の培養容器に細胞及び培地を含む細胞懸濁液を収容し、前記複数の培養容器に培地を供給する培地供給容器と前記複数の培養容器とをチューブを用いてループ状に接続して、前記第一の培養容器において細胞の培養を開始し、前記第一の培養容器での培養が終了した後、前記第一の培養容器に接続された第二の培養容器に前記第一の培養容器から培養された細胞を含む細胞懸濁液を移送し、前記第一の培養容器を流路として、前記第二の培養容器に前記培地供給容器から培地を供給して、前記第二の培養容器において細胞の培養を行い、前記第二の培養容器での培養が終了した後、培養が終了した培養容器に接続された次の培養容器がある場合、前記次の培養容器への細胞懸濁液の移送、前記培養が終了した培養容器を流路としての前記次の培養容器への培地の供給、及び前記次の培養容器における細胞の培養を、前記培養が終了した培養容器に接続された前記次の培養容器がなくなるまで、繰り返して行う方法としてある。
なお、前記第一の培養容器において細胞の培養を開始した後に、培養細胞の増殖等に合わせて、前記培地供給容器に接続された前記第一の培養容器に前記培地供給容器から培地を供給して、前記第一の培養容器において細胞の培養を継続することも好ましい。
なお、前記第一の培養容器において細胞の培養を開始した後に、培養細胞の増殖等に合わせて、前記培地供給容器に接続された前記第一の培養容器に前記培地供給容器から培地を供給して、前記第一の培養容器において細胞の培養を継続することも好ましい。
また、本発明に係る細胞培養システムは、浮遊系の細胞を培養するための複数の培養容器を備えた細胞培養システムであって、前記複数の培養容器に培地を供給する培地供給容器と、前記複数の培養容器として、ダメージを受けた細胞の機能を回復させるための細胞培養に用いる養生培養容器と、細胞を活性化させるための細胞培養に用いる活性化培養容器と、細胞を増殖させるための細胞培養に用いる一又は二以上の増幅培養容器を備え、前記培地供給容器と、前記養生培養容器と、前記活性化培養容器と、前記増幅培養容器とが、それぞれ他の容器との内容物の移送用のポートを二つ有し、この順番でチューブを用いてループ状に接続された構成としてある。
さらに、本発明に係る細胞培養システムは、浮遊系の細胞を培養するための複数の培養容器を備えた細胞培養システムであって、前記複数の培養容器に培地を供給する培地供給容器と、前記複数の培養容器として、細胞を活性化させるための細胞培養に用いる活性化培養容器と、細胞を増殖させるための細胞培養に用いる一又は二以上の増幅培養容器を備え、前記培地供給容器と、前記活性化培養容器と、前記増幅培養容器とが、それぞれ他の容器との内容物の移送用のポートを二つ有し、この順番でチューブを用いてループ状に接続された構成としてある。
本発明によれば、複数の培養容器を用いて養生培養、拡大培養、活性化培養、増幅培養、継代培養などの一連の培養工程を行う場合に、コンタミネーションのリスクを低減すると共に、細胞の移送に際して、培養容器内における細胞の残存を減少させることが可能となる。
以下、本発明の実施形態に係る細胞培養方法、及び細胞培養システムの好ましい実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
[細胞培養システム]
まず、本実施形態に係る細胞培養システムについて、図1〜図3を参照して説明する。
本実施形態に係る細胞培養システムは、主として、リンパ球などの浮遊系の細胞を培養するための細胞培養システムであって、機能の異なる複数の培養容器と培地供給容器とをチューブ(導管)によりループ状(直列かつ環状)に接続した構成となっている。
具体的には、図1に示すように、本実施形態に係る細胞培養システムは、培地供給容器1(以下、培地容器1と称する場合がある)を備えると共に、複数の培養容器として、養生拡大培養容器2(以下、養生培養容器、又は養生容器2と称する場合がある)、活性化培養容器3(以下、活性化容器3と称する場合がある)、及び増幅培養容器4(以下、増幅容器4と称する場合がある)を備え、これらの容器を、移送チューブ5(以下、単にチューブと称する場合がある)を用いてループ状に接続した構成となっている。
なお、複数の培養容器は、これら三個に限定されるものではなく、例えば養生容器2を除いて活性化容器3と増幅容器4の二個としても良く、またその他の培養容器を用いて四個や五個、又はそれ以上にしても良い。
まず、本実施形態に係る細胞培養システムについて、図1〜図3を参照して説明する。
本実施形態に係る細胞培養システムは、主として、リンパ球などの浮遊系の細胞を培養するための細胞培養システムであって、機能の異なる複数の培養容器と培地供給容器とをチューブ(導管)によりループ状(直列かつ環状)に接続した構成となっている。
具体的には、図1に示すように、本実施形態に係る細胞培養システムは、培地供給容器1(以下、培地容器1と称する場合がある)を備えると共に、複数の培養容器として、養生拡大培養容器2(以下、養生培養容器、又は養生容器2と称する場合がある)、活性化培養容器3(以下、活性化容器3と称する場合がある)、及び増幅培養容器4(以下、増幅容器4と称する場合がある)を備え、これらの容器を、移送チューブ5(以下、単にチューブと称する場合がある)を用いてループ状に接続した構成となっている。
なお、複数の培養容器は、これら三個に限定されるものではなく、例えば養生容器2を除いて活性化容器3と増幅容器4の二個としても良く、またその他の培養容器を用いて四個や五個、又はそれ以上にしても良い。
本実施形態に係る細胞培養システムによれば、これら複数の培養容器を用いて、閉鎖系で細胞の一連の培養工程を行うことができるため、コンタミネーションのリスクを低減することが可能になっている。
また、養生容器2で細胞培養を行った後、培養された細胞が養生容器2から活性化容器3に移送され、次いで培地が活性化容器3に流加される。このとき、培地は、培地容器1から養生容器2を流路として活性化容器3に供給されるため、養生容器2に残存していた細胞も培地と共に活性化容器3に移送される。また、活性化容器3で細胞培養を行った後、培養された細胞を増幅容器4に移送して培地を流加するときも、同様に、培地は、培地容器1から養生容器2と活性化容器3を流路として増幅容器4に供給されるため、活性化容器3に残存していた細胞も培地と共に増幅容器4に移送される。したがって、本実施形態に係る細胞培養システムによれば、培養容器内における細胞の残存を顕著に減少させることが可能となっている。
また、養生容器2で細胞培養を行った後、培養された細胞が養生容器2から活性化容器3に移送され、次いで培地が活性化容器3に流加される。このとき、培地は、培地容器1から養生容器2を流路として活性化容器3に供給されるため、養生容器2に残存していた細胞も培地と共に活性化容器3に移送される。また、活性化容器3で細胞培養を行った後、培養された細胞を増幅容器4に移送して培地を流加するときも、同様に、培地は、培地容器1から養生容器2と活性化容器3を流路として増幅容器4に供給されるため、活性化容器3に残存していた細胞も培地と共に増幅容器4に移送される。したがって、本実施形態に係る細胞培養システムによれば、培養容器内における細胞の残存を顕著に減少させることが可能となっている。
[培地供給容器]
培地容器1は、細胞を培養するための培地を培養容器に供給する容器であり、養生容器2、活性化容器3、及び増幅容器4に供給する培地を格納する。
培地容器1は、図1において、培地Aを供給するための培地A供給容器1aと、培地Bを供給するための培地B供給容器1bとから構成されているが、このような異なる培地を供給するものに限定されず、同一の培地を供給するための複数の容器を用いて構成しても良く、また一個や三個以上の容器を用いて構成しても良い。
培地容器1は、細胞を培養するための培地を培養容器に供給する容器であり、養生容器2、活性化容器3、及び増幅容器4に供給する培地を格納する。
培地容器1は、図1において、培地Aを供給するための培地A供給容器1aと、培地Bを供給するための培地B供給容器1bとから構成されているが、このような異なる培地を供給するものに限定されず、同一の培地を供給するための複数の容器を用いて構成しても良く、また一個や三個以上の容器を用いて構成しても良い。
培地容器1は、格納している培地のpHが培養期間中に大きく変化しないように、酸素及び二酸化炭素に対するガスバリア性を有することが好ましい。これは、培地中に含まれている高濃度の炭酸ガスが空気中に抜け、培地中の炭酸ガス濃度が低下し、結果としてpHが上昇することを回避するために、培地容器1の内部から二酸化炭素が外部に漏れ出るのをできるだけ少なくすることが望ましいからである。また培地の酸化を防ぐことが望ましいからである。
培地容器1のうち、培地A供給容器1aには、一つのポートが備えられ、このポートに培地B供給容器1bと養生容器2とを連結する移送チューブ5に接続するためのチューブが接続されている。この培地A供給容器1aから、養生容器2と活性化容器3における細胞培養で用いられる培地Aを、培養細胞の増殖等に合わせて、ポンプを用いて養生容器2と活性化容器3に供給することができる。
培地容器1のうち、培地B供給容器1bは、移送チューブ5により複数の培養容器とループ状に接続されており、二つのポートを備えている。このうち一つのポートには、養生容器2に連結する移送チューブ5が接続され、培地B供給容器1bから、増幅容器4における細胞培養で用いられる培地Bを、養生容器2と活性化容器3を流路として、培養細胞の増殖等に合わせて、ポンプを用いて増幅容器4に供給することができるようになっている。
また、培地B供給容器1bの他の一つのポートには、増幅容器4に連結する移送チューブ5が接続されている。培地B供給容器1bは、培養が完了して空になった後に、廃液回収容器(以下、廃液容器と称する場合がある)として用いることができる。そして、増幅容器4から細胞懸濁液の上澄みを廃液容器としての培地B供給容器1bに送流することで、増幅容器4における細胞懸濁液を濃縮することが可能になっている。さらに、二以上の培地B供給容器1bを直列に接続して、一方を廃液容器として使用すると共に、増幅容器4に連結するものを細胞回収容器として使用し、濃縮された細胞懸濁液を増幅容器4から培地B供給容器1bに送流して、細胞を回収することなども可能である。
また、培地B供給容器1bの他の一つのポートには、増幅容器4に連結する移送チューブ5が接続されている。培地B供給容器1bは、培養が完了して空になった後に、廃液回収容器(以下、廃液容器と称する場合がある)として用いることができる。そして、増幅容器4から細胞懸濁液の上澄みを廃液容器としての培地B供給容器1bに送流することで、増幅容器4における細胞懸濁液を濃縮することが可能になっている。さらに、二以上の培地B供給容器1bを直列に接続して、一方を廃液容器として使用すると共に、増幅容器4に連結するものを細胞回収容器として使用し、濃縮された細胞懸濁液を増幅容器4から培地B供給容器1bに送流して、細胞を回収することなども可能である。
[養生拡大培養容器]
養生容器2は、ダメージを受けた細胞の機能を回復させるための細胞培養に用いる容器である。すなわち、患者から採取したばかりの細胞や、凍結保存後に解凍されたばかりの細胞のような、ダメージを受けて機能が衰えた細胞は、そのままの状態では活性化させようとしても十分に行うことができず、細胞の大量培養に用いることができない。そこで、このような細胞を増殖させるため、細胞本来の機能が回復するように、細胞培養の初期の段階において当該細胞を養生しつつ培養する培養工程(養生培養工程)が行われる。そして、細胞本来の機能が回復し、細胞の増殖がある程度進んでから培養面積を拡大して、所定の細胞密度となるまで細胞の培養を継続する培養工程(拡大培養工程)が行われる。
養生容器2は、このような養生培養工程と拡大培養工程において用いられる培養容器であり、図2に示すように、養生容器2を保持する保持具6と共に用いられる。
養生容器2は、ダメージを受けた細胞の機能を回復させるための細胞培養に用いる容器である。すなわち、患者から採取したばかりの細胞や、凍結保存後に解凍されたばかりの細胞のような、ダメージを受けて機能が衰えた細胞は、そのままの状態では活性化させようとしても十分に行うことができず、細胞の大量培養に用いることができない。そこで、このような細胞を増殖させるため、細胞本来の機能が回復するように、細胞培養の初期の段階において当該細胞を養生しつつ培養する培養工程(養生培養工程)が行われる。そして、細胞本来の機能が回復し、細胞の増殖がある程度進んでから培養面積を拡大して、所定の細胞密度となるまで細胞の培養を継続する培養工程(拡大培養工程)が行われる。
養生容器2は、このような養生培養工程と拡大培養工程において用いられる培養容器であり、図2に示すように、養生容器2を保持する保持具6と共に用いられる。
養生容器2は、軟包材を材料として袋状(バッグ型)に形成されている。軟包材とは、可撓性及び柔軟性を包装体に与える包装材料をいう。
また、養生容器2は、細胞培養に必要なガス透過性(酸素及び二酸化炭素透過性)を有している。これにより、細胞培養を閉鎖系(密閉系)で行うことができる。養生容器2は、37℃、5%二酸化炭素濃度の培養環境下で使用することが好ましい。これは、活性化容器3、及び増幅容器4についても同様である。
また、養生容器2は、細胞培養に必要なガス透過性(酸素及び二酸化炭素透過性)を有している。これにより、細胞培養を閉鎖系(密閉系)で行うことができる。養生容器2は、37℃、5%二酸化炭素濃度の培養環境下で使用することが好ましい。これは、活性化容器3、及び増幅容器4についても同様である。
さらに、養生容器2は、内容物を確認できるように、一部又は全部が透明性を有している。また、養生容器2は、低細胞毒性、低溶出性、及び放射線滅菌適性を有することが好ましい。
このような条件を満たす養生容器2の材料としては、ポリエチレン系樹脂が好ましい。このポリエチレン系樹脂としては、ポリエチレン、エチレンとα−オレフィンの共重合体、エチレンと酢酸ビニルの共重合体、エチレンとアクリル酸やメタクリル酸共重合体と金属イオンを用いたアイオノマー等が挙げられる。また、ポリオレフィン、スチレン系エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、シリコーン系熱可塑性エラストマー、シリコーン樹脂等を用いることもできる。
このような条件を満たす養生容器2の材料としては、ポリエチレン系樹脂が好ましい。このポリエチレン系樹脂としては、ポリエチレン、エチレンとα−オレフィンの共重合体、エチレンと酢酸ビニルの共重合体、エチレンとアクリル酸やメタクリル酸共重合体と金属イオンを用いたアイオノマー等が挙げられる。また、ポリオレフィン、スチレン系エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、シリコーン系熱可塑性エラストマー、シリコーン樹脂等を用いることもできる。
このような養生容器2の形状は、特に限定されないが、例えば長方形状とすることができ、短辺側の対抗する二辺にポートが備えられ、それぞれに移送チューブ5が接続されている。養生容器2に接続されるチューブのうち、1本は養生容器2に培地を注入するために用いられ、他の1本は細胞や培地を活性化容器3に移送するために用いられる。
また、養生容器2の四辺はヒートシールにより密封されると共に、養生容器2内の収容部が移送チューブ5の取り付け部分に向かって次第に狭くなるようにするのが好ましい。なお、養生容器2は、ブロー成形による一体成型バッグでもよい。
また、養生容器2の四辺はヒートシールにより密封されると共に、養生容器2内の収容部が移送チューブ5の取り付け部分に向かって次第に狭くなるようにするのが好ましい。なお、養生容器2は、ブロー成形による一体成型バッグでもよい。
養生容器2を保持する保持具6には、複数の凹部601が設けられ、養生容器2の幅方向中央部を保持する底板60と、底板60の両側端縁に沿って設けられて養生容器2の幅方向側縁部を保持し、鉛直又は斜め方向に立ち上った状態と、底板60と水平に倒れた状態とに可変となるように、その下端側を軸に回動可能な側板61とを有している。図2は、側板61を底板60と水平に倒した状態を示している。なお、複数の凹部601を貫通孔として構成することもできる。
養生容器2を保持具6に取り付けて保持するために、保持具6の側板61には、止め部材が立設されている。これと共に、養生容器2の四隅には、止め部材に係止される孔が穿設されている。これにより、止め部材のそれぞれに養生容器2の各孔を係止することで、養生容器2が保持具6に取り付けられて、図2に示すように、側板61が底板60と水平に倒れた状態の保持具6のほぼ全面で養生容器2が保持されるようになっている。そして、側板61が立ち上った状態から、底板60と水平に倒れた状態となるように回動するのに伴って、養生容器2の四隅が引っ張られて、養生容器2に張力が加わるようにしてある。
すなわち、側板61が立ち上った状態にあるときには、底板60上に保持された養生容器2が、内容物の重さで凹部601内に部分的に落ち込むように撓むことによって、養生容器2の底面に窪み20が形成されるようになっている。そして、側板61が回動して底板60と水平に倒れた状態になると、養生容器2の幅方向端縁部も側板61と一緒に倒れ、これに伴って、止め部材によって養生容器2の四隅が引っ張られて張力が加わり、養生容器2の撓みが解消されて、養生容器2の底面に形成された窪み20が消失するようになっている。
このような養生容器2によれば、細胞培養の開始にあたって、養生容器2に細胞と培地を含む細胞懸濁液を収容すると、細胞は養生容器2の底面に沈降するが、このとき側板61を立ち上がった状態にしておくと、沈降した細胞が養生容器2の底面に形成された窪み20に集まって、細胞密度が高められる。
このため、細胞培養の開始時に細胞密度を高めた状態で培養を行うことができ、細胞本来の機能をより効率的に回復させることができるようになっている。具体的には、例えば、リンパ球などの浮遊系細胞を培養する場合には、養生容器2の底面に形成された窪み20に細胞が集まることにより、細胞が生成するサイトカインなどの活性化物質の濃度が局所的に高まり、また、細胞間の相互作用が生じることにより、細胞活性を高めた状態で培養することが可能になっている。
そして、養生容器2に張力を加えて撓みを解消することによって、養生容器2の底面に形成された窪み20を消失させつつ、養生容器2内の培養面積を拡大することができる。このため、容器の移し替えを行うことなく、養生培養工程から拡大培養工程に移行することができ、細胞へのダメージの低減、コンタミネーションのリスクの低減が可能になっている。
このため、細胞培養の開始時に細胞密度を高めた状態で培養を行うことができ、細胞本来の機能をより効率的に回復させることができるようになっている。具体的には、例えば、リンパ球などの浮遊系細胞を培養する場合には、養生容器2の底面に形成された窪み20に細胞が集まることにより、細胞が生成するサイトカインなどの活性化物質の濃度が局所的に高まり、また、細胞間の相互作用が生じることにより、細胞活性を高めた状態で培養することが可能になっている。
そして、養生容器2に張力を加えて撓みを解消することによって、養生容器2の底面に形成された窪み20を消失させつつ、養生容器2内の培養面積を拡大することができる。このため、容器の移し替えを行うことなく、養生培養工程から拡大培養工程に移行することができ、細胞へのダメージの低減、コンタミネーションのリスクの低減が可能になっている。
また、細胞の増殖がある程度進んでから養生容器2内の培養面積を拡大させることで、同一容器内で適正な細胞密度を維持しながら、効率的に細胞を培養することができる。
このため、本実施形態における養生容器2は、患者から採取したばかりの細胞や、凍結保存後に解凍されたばかりの細胞のようなダメージを受けて機能が衰えた細胞を養生して、細胞本来の機能を回復しつつ、効率よく培養するのに特に好適に利用することができるものとなっている。
このため、本実施形態における養生容器2は、患者から採取したばかりの細胞や、凍結保存後に解凍されたばかりの細胞のようなダメージを受けて機能が衰えた細胞を養生して、細胞本来の機能を回復しつつ、効率よく培養するのに特に好適に利用することができるものとなっている。
[攪拌手段]
このような養生容器2を用いて細胞培養を行うにあたり、養生容器2の内容液中の細胞の分布や培地の成分濃度を均一にして良好な培養環境を維持すると共に、細胞が容器内壁に付着したり、過度に凝集したりするのを抑制して、細胞の増殖を促進するために培養開始および培地供給時などに養生容器2の内容液を撹拌する攪拌手段を設けることが好ましい。
このような養生容器2を用いて細胞培養を行うにあたり、養生容器2の内容液中の細胞の分布や培地の成分濃度を均一にして良好な培養環境を維持すると共に、細胞が容器内壁に付着したり、過度に凝集したりするのを抑制して、細胞の増殖を促進するために培養開始および培地供給時などに養生容器2の内容液を撹拌する攪拌手段を設けることが好ましい。
このとき、攪拌手段により、養生容器2を初期位置よりも上方に移動させる上動工程と、養生容器2を初期位置まで戻すとともに、初期位置に戻った養生容器2に振動を加える下動工程とを繰り返すことによって養生容器2の内容液を撹拌することができる。
なお、上動工程と下動工程とを繰り返すにあたり、養生容器2の内容液の撹拌が確実になされるように、必要に応じて下動工程後にインターバルをおいて、所定の時間が経過してから上動工程が繰り返されるようにしてもよい。
なお、上動工程と下動工程とを繰り返すにあたり、養生容器2の内容液の撹拌が確実になされるように、必要に応じて下動工程後にインターバルをおいて、所定の時間が経過してから上動工程が繰り返されるようにしてもよい。
このようにすることで、養生容器2の上下動による内容液の撹拌に加えて、下動工程において養生容器2に加わる振動によって細胞が内容液中を舞い上がるように拡散する。これにより、養生容器2の内容液が上下方向にも効率よく攪拌され、細胞が養生容器2の培養面を転がり落ちる際のずり応力を軽減して、細胞に与えるダメージを少なくしつつ、養生容器2の内容液中の細胞の分布や培地の成分濃度を均一にして良好な培養環境を維持するとともに、細胞が容器内壁に付着したり、過度に凝集したりするのを抑制して、細胞の増殖を促進することができる。
上記のようにして養生容器2の内容液を撹拌するために、例えば図3に示すように、一端縁に設けられた回動軸72を基台9に軸支した平板状の保持板71を有する積載部7と、保持板71をフォロワとするカム機構とを備え、養生容器2が積載部7に保持されて、カム機構により回動軸72を中心に保持板71を上下に繰り返し回動させるとともに、保持板71が下動して基台9に当接したときに生じる振動を養生容器2に加えることにより養生容器2の内容液を撹拌する装置を用いるのが好ましい。
このような装置において、上動工程では、積載部7に保持された養生容器2は、カム機構によって保持板71が上方に回動するに伴って、初期位置よりも上方に移動しながら傾いていき、これによって可撓性材料を用いて形成された養生容器2が撓み変形しつつ、その内容液が回動軸72側に偏るように流動する(図3(a)〜(e)参照)。下動工程では、保持板71は、最大傾斜角度θmaxに達した後、下方に回動し、これに伴って養生容器2は初期位置に戻るが(図3(f),(g)参照)、その際に養生容器2の内容液に揺り戻しが生じ、これとともに、保持板71が基台9に当接したときの衝撃によって生じた振動で細胞が内容液中を舞い上がるように拡散し、これによって養生容器2の内容液が撹拌される。
このようにして養生容器2の内容液を撹拌するにあたり、細胞に与えるダメージをより少なくして、養生容器2の内容液をより効率よく撹拌するためには、基台9に水平に支持した保持板71を緩やかに上方に回動させ、保持板71が最大傾斜角度θmaxに達した後に、保持板71を落下により下方に回動させて、落下する保持板71を基台9が受けたときに生じる衝撃によって、養生容器2に振動が加わるようにするのが好ましい。特に図示しないが、保持板71が基台9に当接したときの衝撃によって生じた振動を養生容器2に加えるに際しては、養生容器2の内容液をより効率よく撹拌する上で養生容器2に振動を加えるのに好適な位置に応じて、保持板71に当接する凸部を基台9に設けておくことができる。
また、保持板71を落下により下方に回動させるには、例えば、輪郭が円弧状の第一カム面81と、輪郭が直線状の第二カム面82とを有する板カム8によってカム機構を構成し、カム面81,82の曲率、板カム8を回転させる駆動軸83の位置及び回転速度を適宜設定し、第一カム面81によって保持板71を上方に回動させ、第二カム面82に切り替わる際に板カム8が保持板71から離れるようにすることで(図3(f)参照)、保持板71を落下により下方に回動させることができる。
また、第二カム面82に切り替わる際に板カム8が保持板71に接したままになるようにすると共に、カム面81,82の曲率、駆動軸83の位置及び回転速度を適宜設定することにより、培養容器2に衝撃を加えることなく、培養容器2を揺動して、培養容器2の内容液をゆるやかに攪拌することも可能である。
また、第二カム面82に切り替わる際に板カム8が保持板71に接したままになるようにすると共に、カム面81,82の曲率、駆動軸83の位置及び回転速度を適宜設定することにより、培養容器2に衝撃を加えることなく、培養容器2を揺動して、培養容器2の内容液をゆるやかに攪拌することも可能である。
なお、前述したように、養生容器2の形状は、長方形状とすることができ、保持板71の形状も養生容器2の形状に合わせて設計するが、保持板71を長方形状とした場合、回動軸72を設ける一端縁は、短辺側であっても、長辺側であってもよい。
また、このような攪拌手段を養生容器2以外の他の培養容器(活性化容器3,増幅容器4など)の内容液を撹拌するために設けることも好ましい。このとき、これら複数の培養容器を、それぞれ別個の保持板71に保持させるようにしても良く、一つの保持板71に一括して保持させるようにしても良い。
また、このような攪拌手段を養生容器2以外の他の培養容器(活性化容器3,増幅容器4など)の内容液を撹拌するために設けることも好ましい。このとき、これら複数の培養容器を、それぞれ別個の保持板71に保持させるようにしても良く、一つの保持板71に一括して保持させるようにしても良い。
[活性化培養容器]
活性化容器3は、細胞を活性化させるための細胞培養に用いる容器である。活性化容器3内の底面上には、抗CD3抗体などの、細胞を活性化させる物質が固相化されており、活性化容器3に収容された細胞は、当該物質に結合して活性化される。抗CD3抗体は、リンパ球を活性化させるために好適に用いられる。
活性化容器3は、細胞を活性化させるための細胞培養に用いる容器である。活性化容器3内の底面上には、抗CD3抗体などの、細胞を活性化させる物質が固相化されており、活性化容器3に収容された細胞は、当該物質に結合して活性化される。抗CD3抗体は、リンパ球を活性化させるために好適に用いられる。
活性化容器3は、養生容器2と同様に、軟包材を材料として袋状(バッグ型)に形成されており、内容物を確認できるように、一部又は全部が透明性を有している。また、活性化容器3は、養生容器2と同様に、細胞培養に必要なガス透過性(酸素及び二酸化炭素透過性)を有し、低細胞毒性、低溶出性、及び放射線滅菌適性を有することが好ましい。活性化容器3の材料としては、養生容器2と同様のものを用いることができる。
活性化容器3の形状は、養生容器2と同様に、特に限定されないが、例えば長方形状とすることができ、短辺側の対抗する二辺にポートが備えられ、それぞれに移送チューブ5が接続されている。活性化容器3に接続されるチューブのうち、1本は活性化容器3に細胞や培地を注入するために用いられ、他の1本は細胞や培地を増幅容器4に移送するために用いられる。
活性化容器3の形状は、養生容器2と同様に、特に限定されないが、例えば長方形状とすることができ、短辺側の対抗する二辺にポートが備えられ、それぞれに移送チューブ5が接続されている。活性化容器3に接続されるチューブのうち、1本は活性化容器3に細胞や培地を注入するために用いられ、他の1本は細胞や培地を増幅容器4に移送するために用いられる。
また、活性化容器3の四辺はヒートシールにより密封されると共に、活性化容器3内の収容部が移送チューブ5の取り付け部分に向かって次第に狭くなるようにするのが好ましい。なお、活性化容器3は、ブロー成形による一体成型バッグでもよい。
活性化容器3の容量は、養生容器2の容量よりも大きくすることが好ましく、例えば養生容器2の容量の2倍以上のものを好適に用いることができる。
活性化容器3の容量は、養生容器2の容量よりも大きくすることが好ましく、例えば養生容器2の容量の2倍以上のものを好適に用いることができる。
養生容器2を用いた細胞培養によって細胞本来の機能が回復し、細胞の増殖がある程度進んでから培養面積を拡大して所定の細胞密度となるまで細胞の培養を行った後、養生容器2から培養された細胞を含む細胞懸濁液を、移送チューブ5を介して活性化容器3に移送する。また、培地Aを培地A供給容器1aから、養生容器2を流路として、ポンプを用いて活性化容器3に供給する。このように養生容器2を流路として、培地Aを活性化容器3に供給することにより、養生容器2に残存する細胞を大きく低減することができる。そして、活性化容器3において、細胞を活性化させるための細胞培養が行われる。培地A供給容器1aから活性化容器3への培地Aの供給は、培養細胞の増殖等に合わせて、適宜行うことができる。
[増幅培養容器]
増幅容器4は、細胞を大量に増殖させるための細胞培養に用いる容器である。
増幅容器4は、軟包材を材料として袋状(バッグ型)に形成されており、内容物を確認できるように、一部又は全部が透明性を有している。
増幅容器4は、細胞の培養に必要なガス透過性(酸素及び二酸化炭素透過性)を有していることが必要である。また、増幅容器4は、高い細胞増殖効率を実現するために、低細胞毒性、低溶出性、及び放射線滅菌適性を有することが好ましい。
このような条件を満たす増幅容器4の材料としては、養生容器2と同様のものを用いることができる。
増幅容器4は、細胞を大量に増殖させるための細胞培養に用いる容器である。
増幅容器4は、軟包材を材料として袋状(バッグ型)に形成されており、内容物を確認できるように、一部又は全部が透明性を有している。
増幅容器4は、細胞の培養に必要なガス透過性(酸素及び二酸化炭素透過性)を有していることが必要である。また、増幅容器4は、高い細胞増殖効率を実現するために、低細胞毒性、低溶出性、及び放射線滅菌適性を有することが好ましい。
このような条件を満たす増幅容器4の材料としては、養生容器2と同様のものを用いることができる。
増幅容器4の形状は、特に限定されないが、図1において、長方形状とされており、一方の短辺側に三つのポートが備えられ、このうち二つに移送チューブ5が接続され、もう一つにサンプリングチューブ40が接続されている。
増幅容器4に接続される移送チューブ5のうち、1本は活性化容器3に接続され、活性化容器3から増幅容器4に細胞や培地を注入するために用いられる。他の1本は培地容器1に接続され、空になった培地容器1を廃液容器として用いる場合に、増幅容器4から細胞懸濁液の上澄みを培地容器1に送流して、増幅容器4における細胞懸濁液を濃縮するために用いることができる。また、空になった培地容器1を細胞回収容器として用いる場合に、細胞懸濁液を増幅容器4から培地容器1に送流して、細胞を回収するために用いることもできる。
増幅容器4に接続される移送チューブ5のうち、1本は活性化容器3に接続され、活性化容器3から増幅容器4に細胞や培地を注入するために用いられる。他の1本は培地容器1に接続され、空になった培地容器1を廃液容器として用いる場合に、増幅容器4から細胞懸濁液の上澄みを培地容器1に送流して、増幅容器4における細胞懸濁液を濃縮するために用いることができる。また、空になった培地容器1を細胞回収容器として用いる場合に、細胞懸濁液を増幅容器4から培地容器1に送流して、細胞を回収するために用いることもできる。
サンプリングチューブ40は、培養された細胞の状態を確認することなどを目的として、増幅容器4から培養された細胞の一部を取り出すために用いられる。サンプリングチューブ40における増幅容器4のポートと反対側の自由端の先端部には、二段シールが施されており、サンプリングチューブ40をしごくことによって、増幅容器4からサンプリングチューブ40内に細胞懸濁液を充填させることができる。そして、サンプリングチューブ40をヒートシール(熱溶着)した後に切断することで、細胞培養システムの閉鎖系を維持した状態で、細胞をサンプリングすることが可能になっている。
また、増幅容器4の四辺はヒートシールにより密封されている。図1において、増幅容器4内の収容部は長方形状としてあるが、チューブの取り付け部分に向かって次第に狭くなるようにしたシール部を、増幅容器4においてチューブ毎に設けることもできる。なお、増幅容器4は、ブロー成形による一体成型バッグでもよい。
増幅容器4は、細胞を大量に増殖させるために用いるため、容量の大きなものを用いることが好ましく、例えば活性化容器3の容量の10倍程度のものを好適に用いることが可能である。
増幅容器4は、細胞を大量に増殖させるために用いるため、容量の大きなものを用いることが好ましく、例えば活性化容器3の容量の10倍程度のものを好適に用いることが可能である。
活性化容器3において細胞の活性化が行われた後、活性化容器3から細胞を含む細胞懸濁液を、移送チューブ5を介して増幅容器4に移送する。また、培地Bを培地B供給容器1bから、養生容器2と活性化容器3を流路として、ポンプを用いて増幅容器4に供給する。このように養生容器2と活性化容器3を流路として、培地Bを増幅容器4に供給することにより、活性化容器3に残存する細胞を大きく低減することができる。そして、増幅容器4において、細胞を大量に増殖させるための培養が行われる。培地B供給容器1bから増幅容器4への培地Bの供給は、培養細胞の増殖等に合わせて、適宜行うことができる。
本実施形態に係る細胞培養システムにおいて、二個以上の増幅容器4を、移送チューブ5を介して直列的に備えることも好ましい。このとき容量の異なる増幅容器4を用いて、容量の小さい順に接続することが好ましい。このように細胞培養システムにおいて二個以上の増幅容器4を備えれば、細胞の増幅培養をさらに連続して行うことが可能になる。
[移送チューブ]
移送チューブ5は、培地容器1と複数の培養容器とをループ状に接続する。これによって、これらの容器間で細胞や培地の移送を行うことを可能にしている。
移送チューブ5の材料は、使用環境に合わせて適宜選択すれば良いが、ガス透過性に優れるものが望ましい。例えば、シリコーンゴム、軟質塩化ビニル樹脂、ポリブタジエン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、シリコーン系熱可塑性エラストマー、スチレン系エラストマー等を用いることができる。また、スチレン系エラストマーとしては、例えば、SBS(スチレン・ブタジエン・スチレン)、SIS(スチレン・イソプレン・スチレン)、SEBS(スチレン・エチレン・ブチレン・スチレン)、SEPS(スチレン・エチレン・プロピレン・スチレン)等を用いることができる。
図1では、移送チューブ5におけるポンプを取り付ける部分にはシリコーンチューブが用いられ、その他の部分には軟質塩化ビニル樹脂チューブが用いられている。また、サンプリングチューブ40にも軟質塩化ビニル樹脂チューブが用いられている。
移送チューブ5は、培地容器1と複数の培養容器とをループ状に接続する。これによって、これらの容器間で細胞や培地の移送を行うことを可能にしている。
移送チューブ5の材料は、使用環境に合わせて適宜選択すれば良いが、ガス透過性に優れるものが望ましい。例えば、シリコーンゴム、軟質塩化ビニル樹脂、ポリブタジエン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、シリコーン系熱可塑性エラストマー、スチレン系エラストマー等を用いることができる。また、スチレン系エラストマーとしては、例えば、SBS(スチレン・ブタジエン・スチレン)、SIS(スチレン・イソプレン・スチレン)、SEBS(スチレン・エチレン・ブチレン・スチレン)、SEPS(スチレン・エチレン・プロピレン・スチレン)等を用いることができる。
図1では、移送チューブ5におけるポンプを取り付ける部分にはシリコーンチューブが用いられ、その他の部分には軟質塩化ビニル樹脂チューブが用いられている。また、サンプリングチューブ40にも軟質塩化ビニル樹脂チューブが用いられている。
移送チューブ5の流路には流路開閉手段とポンプを適宜配置し、流路開閉手段によって送液流路を制御している。流路開閉手段としては、例えばピンチバルブや二方活栓、三方活栓等を用いることができ、特に限定されない。
また、図1では、各培養容器と移送チューブ5の接続や移送チューブ5同士の接続を、ルアーコネクターを用いて行っているが、その他の方法で接続しても良い。
また、図1では、各培養容器と移送チューブ5の接続や移送チューブ5同士の接続を、ルアーコネクターを用いて行っているが、その他の方法で接続しても良い。
なお、図示しないが、細胞培養システムには、各培養容器内の細胞や培地の状態を観察するための観察装置を備えることが好ましい。観察装置としては、例えばCCDカメラ、対物レンズ、照明、及び情報処理装置等からなるものを用いることができる。この場合、観察孔を有する積載台に水平に載置された培養容器の上方から光を照らし、観察孔の下方からCCDカメラと対物レンズにより培養容器内の細胞などを所定のタイミングで自動的に撮影することができる。そして、得られた画像データを情報処理装置に送信し、情報処理装置において画像データを解析して、培養容器内の細胞数や細胞密度などを算出することが可能である。
[細胞培養方法]
次に、本実施形態に係る細胞培養方法について図1、及び図4〜図7を参照して詳細に説明する。
本実施形態に係る細胞培養方法は、複数の培養容器を用いて細胞を培養する細胞培養方法であって、複数の培養容器として、それぞれ他の容器との内容物の移送用のポートを二つ有する培養容器を用い、複数の培養容器における第一の培養容器に細胞及び培地を含む細胞懸濁液を収容し、複数の培養容器に培地を供給する培地供給容器と複数の培養容器とをチューブを用いてループ状に接続して、第一の培養容器において細胞の培養を開始し、第一の培養容器での培養が終了した後、第一の培養容器に接続された第二の培養容器に第一の培養容器から培養された細胞を含む細胞懸濁液を移送し、第一の培養容器を流路として、第二の培養容器に培地供給容器から培地を供給して、第二の培養容器において細胞の培養を行い、第二の培養容器での培養が終了した後、培養が終了した培養容器に接続された次の培養容器がある場合、次の培養容器への細胞懸濁液の移送、培養が終了した培養容器を流路としての次の培養容器への培地の供給、及び次の培養容器における細胞の培養を、培養が終了した培養容器に接続された次の培養容器がなくなるまで、繰り返して行うことを特徴とする。
次に、本実施形態に係る細胞培養方法について図1、及び図4〜図7を参照して詳細に説明する。
本実施形態に係る細胞培養方法は、複数の培養容器を用いて細胞を培養する細胞培養方法であって、複数の培養容器として、それぞれ他の容器との内容物の移送用のポートを二つ有する培養容器を用い、複数の培養容器における第一の培養容器に細胞及び培地を含む細胞懸濁液を収容し、複数の培養容器に培地を供給する培地供給容器と複数の培養容器とをチューブを用いてループ状に接続して、第一の培養容器において細胞の培養を開始し、第一の培養容器での培養が終了した後、第一の培養容器に接続された第二の培養容器に第一の培養容器から培養された細胞を含む細胞懸濁液を移送し、第一の培養容器を流路として、第二の培養容器に培地供給容器から培地を供給して、第二の培養容器において細胞の培養を行い、第二の培養容器での培養が終了した後、培養が終了した培養容器に接続された次の培養容器がある場合、次の培養容器への細胞懸濁液の移送、培養が終了した培養容器を流路としての次の培養容器への培地の供給、及び次の培養容器における細胞の培養を、培養が終了した培養容器に接続された次の培養容器がなくなるまで、繰り返して行うことを特徴とする。
具体的には、本実施形態に係る細胞培養方法は、(1)容器接続工程と、(2)養生培養工程と、(3)拡大培養工程と、(4)細胞移送工程1と、(5)培地流加工程1と、(6)活性化培養工程と、(7)細胞移送工程2と、(8)培地流加工程2と、(9)増幅培養工程と、(10)サンプリング工程と、(11)濃縮工程とを有するものとすることができる。なお、増幅容器4を二個以上接続して用いる場合には、各増幅容器4毎に(7)〜(9)の工程を繰り返し行う。
(1)容器接続工程
まず、本実施形態に係る細胞培養方法において用いる培地容器1と複数の培養容器を、図1に示すように接続して、閉鎖系の細胞培養システムを構成する。
すなわち、培地B供給容器1bと、養生容器2と、活性化容器3と、増幅容器4とをこの順番で移送チューブ5を用いて接続する。また、培地A供給容器1aは、培地B供給容器1bと養生容器2を連結する移送チューブ5に接続する。
このとき、養生容器2には、培養を行う細胞と培地を含む細胞懸濁液を収容して接続する。また、培地A供給容器1aには養生容器2及び活性化容器3に供給するための培地Aを、培地B供給容器1bには増幅容器4に供給するための培地Bを充填して接続する。培地B供給容器1bと養生容器2の間、及び培地B供給容器1bと増幅容器4の間の移送チューブ5上にはポンプが備えられ、これらのポンプにより培地や細胞等の移送が行われる。また、培地A供給容器1aと培地B供給容器1bの間と、養生容器2と活性化容器3の間と、活性化容器3と増幅容器4の間にはピンチバルブが備えられ、これらのピンチバルブにより細胞培養システムにおける送液流路が制御される。
まず、本実施形態に係る細胞培養方法において用いる培地容器1と複数の培養容器を、図1に示すように接続して、閉鎖系の細胞培養システムを構成する。
すなわち、培地B供給容器1bと、養生容器2と、活性化容器3と、増幅容器4とをこの順番で移送チューブ5を用いて接続する。また、培地A供給容器1aは、培地B供給容器1bと養生容器2を連結する移送チューブ5に接続する。
このとき、養生容器2には、培養を行う細胞と培地を含む細胞懸濁液を収容して接続する。また、培地A供給容器1aには養生容器2及び活性化容器3に供給するための培地Aを、培地B供給容器1bには増幅容器4に供給するための培地Bを充填して接続する。培地B供給容器1bと養生容器2の間、及び培地B供給容器1bと増幅容器4の間の移送チューブ5上にはポンプが備えられ、これらのポンプにより培地や細胞等の移送が行われる。また、培地A供給容器1aと培地B供給容器1bの間と、養生容器2と活性化容器3の間と、活性化容器3と増幅容器4の間にはピンチバルブが備えられ、これらのピンチバルブにより細胞培養システムにおける送液流路が制御される。
また、図4に示すように、複数の培養容器は、培地容器1により近く接続されたものほど相対的に高い位置になるように配置される。すなわち、養生容器2が最も高い位置に配置され、活性化容器3が次に高い位置に配置され、増幅容器4が最も低い位置に配置される。これにより、それぞれの培養容器を傾けることで、培養細胞を含む内容液を次に接続された培養容器に自然送流によって移送することが可能になっている。なお、図4〜図7において、攪拌手段は省略してある。
また、図示しないが、培地容器1は、培養容器よりも相対的に低い位置に配置することが好ましく、例えば培養容器を配置している積載台10の下側に配置することができる。これによって、培地が培養系に意図せず流入することを防止することが可能になる。
また、図示しないが、培地容器1は、培養容器よりも相対的に低い位置に配置することが好ましく、例えば培養容器を配置している積載台10の下側に配置することができる。これによって、培地が培養系に意図せず流入することを防止することが可能になる。
さらに、本実施形態に係る細胞培養システムにおいて、養生容器2、活性化容器3、増幅容器4をそれぞれ載置した基台の重量を計測するための計測手段を備えることも好ましい。このような計測手段を用いて、養生容器2、活性化容器3、増幅容器4をそれぞれ載置した基台の重量の減少をモニターすることによって、これらの容器から液漏れが生じた場合に、これを検出することが可能になる。
(2)養生培養工程
このように細胞培養システムを構成すると、まず養生容器2において細胞培養が行われ、ダメージを受けた細胞の機能回復が行われる。
このとき、養生容器2を保持する保持具6は、図4に示すように、側板を立ち上げた状態にして用いられる。養生容器2内の底面は、内容物の重さで部分的に撓んで、窪みが形成されている。そして、この窪みに細胞が集められて、細胞培養の開始時に好適な細胞密度で培養が行われる。
また、培養細胞の増殖等に合わせて、培地Aが培地A供給容器1aからポンプを用いて養生容器2に供給される。
このように細胞培養システムを構成すると、まず養生容器2において細胞培養が行われ、ダメージを受けた細胞の機能回復が行われる。
このとき、養生容器2を保持する保持具6は、図4に示すように、側板を立ち上げた状態にして用いられる。養生容器2内の底面は、内容物の重さで部分的に撓んで、窪みが形成されている。そして、この窪みに細胞が集められて、細胞培養の開始時に好適な細胞密度で培養が行われる。
また、培養細胞の増殖等に合わせて、培地Aが培地A供給容器1aからポンプを用いて養生容器2に供給される。
養生培養工程において、養生容器2内における細胞を分散させるために、前述した攪拌手段を用いて、養生容器2の内容液を撹拌することが好ましい。また、このような培養容器の内容液の攪拌を、後述する活性化培養工程において活性化容器3に対して行っても良く、増幅培養工程において増幅容器4に対して行うことが好ましい。なお、後述する活性化培養工程と増幅培養工程の説明において、このような培養容器の内容液の攪拌の説明は省略する。
(3)拡大培養工程
ダメージを受けた細胞の機能が回復して、細胞の増殖がある程度進んで養生培養工程が完了すると、次に拡大培養工程が行われる。
この工程では、図5に示すように、保持具6の側板を水平に倒れた状態に展開して、養生容器2における培養面積を拡大して培養を行う。
このとき、保持具6に保持された養生容器2は、その四隅が引っ張られて、張力が加えられて撓みが解消し、養生容器2内の底面に形成されていた窪みは消失する。このため、養生容器2において細胞を底面全体に分散させて、所定の細胞密度になるまで培養することが可能になる。
この工程においても、培養細胞の増殖等に合わせて、培地Aが培地A供給容器1aからポンプを用いて養生容器2に供給される。
ダメージを受けた細胞の機能が回復して、細胞の増殖がある程度進んで養生培養工程が完了すると、次に拡大培養工程が行われる。
この工程では、図5に示すように、保持具6の側板を水平に倒れた状態に展開して、養生容器2における培養面積を拡大して培養を行う。
このとき、保持具6に保持された養生容器2は、その四隅が引っ張られて、張力が加えられて撓みが解消し、養生容器2内の底面に形成されていた窪みは消失する。このため、養生容器2において細胞を底面全体に分散させて、所定の細胞密度になるまで培養することが可能になる。
この工程においても、培養細胞の増殖等に合わせて、培地Aが培地A供給容器1aからポンプを用いて養生容器2に供給される。
(4)細胞移送工程1
養生容器2内の細胞密度が所定の細胞密度になり、養生培養工程が完了すると、次に養生容器2から活性化容器3に培養細胞の移送が行われる。
このとき、図6に示すように、養生容器2を、活性化容器3へ接続するためのポートが下側になるように傾斜させて、養生容器2内の内容液を活性化容器3に送流する。これによって、養生容器2で培養された細胞が、活性化容器3に移送される。このように、養生容器2で培養された細胞は、活性化容器3に自然送流されるが、この送流が完了した時点では、通常、養生容器2には、細胞が残存している。
養生容器2内の細胞密度が所定の細胞密度になり、養生培養工程が完了すると、次に養生容器2から活性化容器3に培養細胞の移送が行われる。
このとき、図6に示すように、養生容器2を、活性化容器3へ接続するためのポートが下側になるように傾斜させて、養生容器2内の内容液を活性化容器3に送流する。これによって、養生容器2で培養された細胞が、活性化容器3に移送される。このように、養生容器2で培養された細胞は、活性化容器3に自然送流されるが、この送流が完了した時点では、通常、養生容器2には、細胞が残存している。
(5)培地流加工程1
次に、培地Aを培地A供給容器1aから、養生容器2を流路にして、ポンプを用いて活性化容器3に流加する。
このとき、養生容器2を流路にすることによって、養生容器2に残存している細胞が、培地と共に活性化容器3に移送されるため、養生容器2における残存細胞を顕著に低減することが可能になっている。
次に、培地Aを培地A供給容器1aから、養生容器2を流路にして、ポンプを用いて活性化容器3に流加する。
このとき、養生容器2を流路にすることによって、養生容器2に残存している細胞が、培地と共に活性化容器3に移送されるため、養生容器2における残存細胞を顕著に低減することが可能になっている。
(6)活性化培養工程
活性化容器3への培養細胞と培地の移送が完了すると、活性化容器3において、細胞の活性化が行われる。リンパ球を培養する場合には、活性化容器3内の底面に抗CD3抗体が固相化されており、リンパ球はこの抗CD3抗体に結合することで活性化される。
活性化培養工程においても、培養細胞の増殖等に合わせて、培地Aを培地A供給容器1aからポンプを用いて活性化容器3に供給することができる。
活性化容器3への培養細胞と培地の移送が完了すると、活性化容器3において、細胞の活性化が行われる。リンパ球を培養する場合には、活性化容器3内の底面に抗CD3抗体が固相化されており、リンパ球はこの抗CD3抗体に結合することで活性化される。
活性化培養工程においても、培養細胞の増殖等に合わせて、培地Aを培地A供給容器1aからポンプを用いて活性化容器3に供給することができる。
(7)細胞移送工程2
活性化容器3において細胞が十分に活性化されて、活性化培養工程が完了すると、次に活性化容器3から増幅容器4に培養細胞の移送が行われる。また、この培養細胞の移送に先立って、前述した攪拌手段を細胞剥離手段として用い、活性化容器3に比較的強い振動を与えて、培養面に固相化された抗体に結合している細胞を、培養面から剥離することが好ましい。
このとき、図7に示すように、活性化容器3を、増幅容器4へ接続するためのポートが下側になるように傾斜させて、活性化容器3内の内容液を増幅容器4に送流する。これによって、活性化容器3で培養された細胞が、増幅容器4に移送される。このように、活性化容器3で活性化された細胞は、増幅容器4に自然送流されるが、この送流が完了した時点では、通常、活性化容器3には、細胞が残存している。
活性化容器3において細胞が十分に活性化されて、活性化培養工程が完了すると、次に活性化容器3から増幅容器4に培養細胞の移送が行われる。また、この培養細胞の移送に先立って、前述した攪拌手段を細胞剥離手段として用い、活性化容器3に比較的強い振動を与えて、培養面に固相化された抗体に結合している細胞を、培養面から剥離することが好ましい。
このとき、図7に示すように、活性化容器3を、増幅容器4へ接続するためのポートが下側になるように傾斜させて、活性化容器3内の内容液を増幅容器4に送流する。これによって、活性化容器3で培養された細胞が、増幅容器4に移送される。このように、活性化容器3で活性化された細胞は、増幅容器4に自然送流されるが、この送流が完了した時点では、通常、活性化容器3には、細胞が残存している。
(8)培地流加工程2
次に、培地Bを培地B供給容器1bから、養生容器2と活性化容器3を流路にして、ポンプを用いて増幅容器4に流加する。
このとき、活性化容器3を流路にすることによって、活性化容器3に残存している細胞が、培地と共に増幅容器4に移送されるため、活性化容器3における残存細胞を顕著に低減することが可能になっている。
次に、培地Bを培地B供給容器1bから、養生容器2と活性化容器3を流路にして、ポンプを用いて増幅容器4に流加する。
このとき、活性化容器3を流路にすることによって、活性化容器3に残存している細胞が、培地と共に増幅容器4に移送されるため、活性化容器3における残存細胞を顕著に低減することが可能になっている。
(9)増幅培養工程
増幅容器4への培養細胞と培地の移送が完了すると、増幅容器4において、細胞の大量増殖が行われる。細胞の増殖は、増幅容器4における細胞数又は細胞密度が所定の大きさになるまで行われる。
増幅容器4として、容量の異なる複数の培養容器を用い、これらの培養容器を容量が順により大きくなるように直列に接続することも好ましい。そして、最初に接続された培養容器における細胞培養が完了した後に、最初に接続された培養容器から次に接続された培養容器に細胞を移送すると共に培地を流加し、次に接続された培養容器において細胞培養を行うなど、増幅培養工程においてさらに継代培養を繰り返すことも可能である。
増幅容器4への培養細胞と培地の移送が完了すると、増幅容器4において、細胞の大量増殖が行われる。細胞の増殖は、増幅容器4における細胞数又は細胞密度が所定の大きさになるまで行われる。
増幅容器4として、容量の異なる複数の培養容器を用い、これらの培養容器を容量が順により大きくなるように直列に接続することも好ましい。そして、最初に接続された培養容器における細胞培養が完了した後に、最初に接続された培養容器から次に接続された培養容器に細胞を移送すると共に培地を流加し、次に接続された培養容器において細胞培養を行うなど、増幅培養工程においてさらに継代培養を繰り返すことも可能である。
また、このときも、先に接続された培養容器を流路にして、培地の流加が行われるため、先に接続された培養容器に残存している細胞が、培地と共に次に接続された培養容器に移送される。このため、このような増幅容器4における残存細胞も顕著に低減することが可能になっている。
さらに、培養細胞の増殖等に合わせて、培地Bが培地B供給容器1bからポンプを用いて増幅容器4に供給される。培地B供給容器1bから増幅容器4に全ての培地が供給されて培地B供給容器1bが空になると、空になった培地B供給容器1bは、廃液回収容器又は細胞回収容器として用いることができる。
さらに、培養細胞の増殖等に合わせて、培地Bが培地B供給容器1bからポンプを用いて増幅容器4に供給される。培地B供給容器1bから増幅容器4に全ての培地が供給されて培地B供給容器1bが空になると、空になった培地B供給容器1bは、廃液回収容器又は細胞回収容器として用いることができる。
(10)サンプリング工程
増幅容器4において細胞が所定の細胞数又は細胞密度になり増幅培養工程が完了すると、増幅容器4から細胞のサンプリングが行われる。なお、このサンプリング工程は、増幅培養工程の途中において、適宜行うこともできる。
このとき、細胞のサンプリングは、サンプリングチューブ40をしごくことによって、サンプリングチューブ40内に増幅容器4から内容液を充填し、サンプリングチューブ40を熱溶着した後に切断して行うことができる。このようにすれば、細胞培養システムにおける閉鎖系を維持したまま無菌的に細胞のサンプリングを行うことが可能になる。
増幅容器4において細胞が所定の細胞数又は細胞密度になり増幅培養工程が完了すると、増幅容器4から細胞のサンプリングが行われる。なお、このサンプリング工程は、増幅培養工程の途中において、適宜行うこともできる。
このとき、細胞のサンプリングは、サンプリングチューブ40をしごくことによって、サンプリングチューブ40内に増幅容器4から内容液を充填し、サンプリングチューブ40を熱溶着した後に切断して行うことができる。このようにすれば、細胞培養システムにおける閉鎖系を維持したまま無菌的に細胞のサンプリングを行うことが可能になる。
(11)濃縮工程
次に、増幅容器4から内容液の上澄みを、廃液容器としての培地B供給容器1bにポンプを用いて送流する。これによって、増幅容器4内の内容液における細胞密度を高めることができ、高濃度の細胞懸濁液を得ることが可能となる。そして、このようにして得られた高濃度の細胞懸濁液を収容する増幅容器4から細胞を回収することができる。
次に、増幅容器4から内容液の上澄みを、廃液容器としての培地B供給容器1bにポンプを用いて送流する。これによって、増幅容器4内の内容液における細胞密度を高めることができ、高濃度の細胞懸濁液を得ることが可能となる。そして、このようにして得られた高濃度の細胞懸濁液を収容する増幅容器4から細胞を回収することができる。
以上説明した通り、本実施形態の細胞培養システム及びこれを用いる細胞培養方法によれば、複数の培養容器を用いて、閉鎖系で養生培養、拡大培養、活性化培養、増幅培養などの一連の培養工程を行うことができるため、コンタミネーションのリスクを低減することが可能になっている。
また、培地供給容器と複数の培養容器とをチューブを用いてループ状に接続して、複数の培養容器間で培養された細胞を移送した後に、先に接続された培養容器を流路にして、培地の流加が行われるため、先に接続された培養容器に残存している細胞を、培地と共に次に接続された培養容器に送流することができる。このため、培養容器内における細胞の残存を減少させることが可能となっている。
また、培地供給容器と複数の培養容器とをチューブを用いてループ状に接続して、複数の培養容器間で培養された細胞を移送した後に、先に接続された培養容器を流路にして、培地の流加が行われるため、先に接続された培養容器に残存している細胞を、培地と共に次に接続された培養容器に送流することができる。このため、培養容器内における細胞の残存を減少させることが可能となっている。
以上、本発明について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、前述した実施形態では、養生容器2、活性化容器3、及び増幅容器4を用いる例について説明したが、機能が異なるその他の複数の容器を用いて、本発明の実施形態に係る細胞培養システムを構成するなど適宜変更することが可能である。この場合でも、培地の供給にあたり、先に接続された容器を流路とすることができるため、容器に残存する細胞を顕著に低減する効果を得ることが可能である。
例えば、前述した実施形態では、養生容器2、活性化容器3、及び増幅容器4を用いる例について説明したが、機能が異なるその他の複数の容器を用いて、本発明の実施形態に係る細胞培養システムを構成するなど適宜変更することが可能である。この場合でも、培地の供給にあたり、先に接続された容器を流路とすることができるため、容器に残存する細胞を顕著に低減する効果を得ることが可能である。
本発明は、細胞の培養容器を用いて、閉鎖系で細胞を大量に培養する再生医療や抗体医薬生産などにおいて好適に利用することが可能である。
1 培地供給容器(培地容器)
1a 培地A供給容器
1b 培地B供給容器
2 養生拡大培養容器(養生培養容器,養生容器)
20 窪み
3 活性化培養容器(活性化容器)
4 増幅培養容器(増幅容器)
40 サンプリングチューブ
5 移送チューブ
6 保持具
60 底板
601 凹部
61 側板
7 積載部
71 保持板
72 回動軸
8 板カム
81 第一カム面
82 第二カム面
83 駆動軸
9 基台
10 積載台
1a 培地A供給容器
1b 培地B供給容器
2 養生拡大培養容器(養生培養容器,養生容器)
20 窪み
3 活性化培養容器(活性化容器)
4 増幅培養容器(増幅容器)
40 サンプリングチューブ
5 移送チューブ
6 保持具
60 底板
601 凹部
61 側板
7 積載部
71 保持板
72 回動軸
8 板カム
81 第一カム面
82 第二カム面
83 駆動軸
9 基台
10 積載台
Claims (13)
- 複数の培養容器を用いて細胞を培養する細胞培養方法であって、
前記複数の培養容器として、それぞれ他の容器との内容物の移送用のポートを二つ有する培養容器を用い、
前記複数の培養容器における第一の培養容器に細胞及び培地を含む細胞懸濁液を収容し、前記複数の培養容器に培地を供給する培地供給容器と前記複数の培養容器とをチューブを用いてループ状に接続して、前記第一の培養容器において細胞の培養を開始し、
前記第一の培養容器での培養が終了した後、前記第一の培養容器に接続された第二の培養容器に前記第一の培養容器から培養された細胞を含む細胞懸濁液を移送し、前記第一の培養容器を流路として、前記第二の培養容器に前記培地供給容器から培地を供給して、前記第二の培養容器において細胞の培養を行い、
前記第二の培養容器での培養が終了した後、培養が終了した培養容器に接続された次の培養容器がある場合、前記次の培養容器への細胞懸濁液の移送、前記培養が終了した培養容器を流路としての前記次の培養容器への培地の供給、及び前記次の培養容器における細胞の培養を、前記培養が終了した培養容器に接続された前記次の培養容器がなくなるまで、繰り返して行う
ことを特徴とする細胞培養方法。 - 培養する細胞が浮遊系の細胞である場合に、前記複数の培養容器として、
ダメージを受けた細胞の機能を回復させるための細胞培養に用いる養生培養容器、
細胞を活性化させるための細胞培養に用いる活性化培養容器、及び、
細胞を増殖させるための細胞培養に用いる増幅培養容器を用い、
前記養生培養容器に細胞及び培地を含む細胞懸濁液を収容して、前記培地供給容器と、前記養生培養容器と、前記活性化培養容器と、前記増幅培養容器とを、この順番でループ状に接続し、
前記養生培養容器においてダメージを受けた細胞の機能を回復させた後、前記活性化培養容器に、前記養生培養容器から培養された細胞を含む細胞懸濁液を移送し、
前記養生培養容器を流路として、前記活性化培養容器に前記培地供給容器から培地を供給して、前記活性化培養容器において細胞の培養を行い、
前記活性化培養容器において細胞を活性化させた後、前記増幅培養容器に、前記活性化培養容器から活性化された細胞を含む細胞懸濁液を移送し、
前記養生培養容器及び前記活性化培養容器を流路として、前記増幅培養容器に前記培地供給容器から培地を供給して、前記増幅培養容器において細胞の培養を行い、細胞を増殖させる
ことを特徴とする請求項1に記載の細胞培養方法。 - 前記養生培養容器が、軟包材からなり、内容物の重さで部分的に撓んで、前記養生培養容器の底面に窪みが形成されるように保持具に保持し、
前記窪みに細胞を集めて培養し、しかる後に、前記養生培養容器に張力を加えて撓みを解消することによって、前記窪みを消失させつつ、前記養生培養容器内の培養面積を拡大して、前記養生培養容器での細胞の培養を行う
ことを特徴とする請求項2に記載の細胞培養方法。 - 培養する細胞が浮遊系の細胞である場合に、前記複数の培養容器として、
細胞を活性化させるための細胞培養に用いる活性化培養容器、及び、
細胞を増殖させるための細胞培養に用いる増幅培養容器を用い、
前記活性化培養容器に細胞及び培地を含む細胞懸濁液を収容して、前記培地供給容器と、前記活性化培養容器と、前記増幅培養容器とを、この順番で接続し、
前記活性化培養容器において細胞を活性化させた後、前記増幅培養容器に、前記活性化培養容器から活性化された細胞を含む細胞懸濁液を移送し、
前記活性化培養容器を流路として、前記増幅培養容器に前記培地供給容器から培地を供給して、前記増幅培養容器において細胞の培養を行い、細胞を増殖させる
ことを特徴とする請求項1に記載の細胞培養方法。 - 前記培地供給容器に接続された第一の培養容器と、
前記第一の培養容器に接続された第二の培養容器と、その他に接続された培養容器がある場合は、これらのその他の培養容器とを、前記培地供給容器により近く接続されたものほど相対的に高い位置に配置し、
それぞれの前記培養容器を傾けることで、前記培養容器から次に接続された培養容器への細胞懸濁液の移送を行う
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の細胞培養方法。 - 前記培地供給容器を、前記複数の培養容器よりも相対的に低い位置に配置することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の細胞培養方法。
- 前記培地供給容器が、前記複数の培養容器のうち最後に接続された培養容器からの上澄みの廃液用、又は、細胞懸濁液の回収用として用いられることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の細胞培養方法。
- 前記複数の培養容器のうち最後に接続された培養容器がサンプリングチューブを備え、前記サンプリングチューブをしごくことにより前記サンプリングチューブに前記最後に接続された培養容器から細胞懸濁液を充填し、前記サンプリングチューブを熱溶着した後に切断することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の細胞培養方法。
- 一端縁に設けられた回動軸を基台に軸支した平板状の一又は二以上の保持板を有する積載部に前記複数の培養容器を別個に又は一括して保持し、
前記回動軸を中心に前記保持板を上方に回動させることにより、前記複数の培養容器を別個に又は同時に傾けつつ初期位置よりも上方に移動させ、
次いで、前記回動軸を中心に前記保持板を下方に回動させて、前記複数の培養容器が別個に又は同時に初期位置に戻る際に前記保持板を前記基台に当接させることによって、前記複数の培養容器に加える振動を生じさせる請求項1〜8のいずれかに記載の細胞培養方法。 - 浮遊系の細胞を培養するための複数の培養容器を備えた細胞培養システムであって、
前記複数の培養容器に培地を供給する培地供給容器と、
前記複数の培養容器として、
ダメージを受けた細胞の機能を回復させるための細胞培養に用いる養生培養容器と、
細胞を活性化させるための細胞培養に用いる活性化培養容器と、
細胞を増殖させるための細胞培養に用いる一又は二以上の増幅培養容器を備え、
前記培地供給容器と、前記養生培養容器と、前記活性化培養容器と、前記増幅培養容器とが、それぞれ他の容器との内容物の移送用のポートを二つ有し、この順番でチューブを用いてループ状に接続された
ことを特徴とする細胞培養システム。 - 前記養生培養容器を保持する保持具を備え、
前記養生培養容器が、軟包材からなり、
前記保持具が、
複数の凹部及び/又は貫通孔が設けられていると共に、前記養生培養容器の幅方向中央部を保持する底板と、
前記底板の両側端縁に沿って設けられて前記養生培養容器の幅方向側縁部を保持し、鉛直又は斜め方向に立ち上った状態と、前記底板と水平に倒れた状態とに可変となる側板と、を有する
ことを特徴とする請求項10に記載の細胞培養システム。 - 浮遊系の細胞を培養するための複数の培養容器を備えた細胞培養システムであって、
前記複数の培養容器に培地を供給する培地供給容器と、
前記複数の培養容器として、
細胞を活性化させるための細胞培養に用いる活性化培養容器と、
細胞を増殖させるための細胞培養に用いる一又は二以上の増幅培養容器を備え、
前記培地供給容器と、前記活性化培養容器と、前記増幅培養容器とが、それぞれ他の容器との内容物の移送用のポートを二つ有し、この順番でチューブを用いてループ状に接続された
ことを特徴とする細胞培養システム。 - 一端縁に設けられた回動軸を基台に軸支した平板状の一又は二以上の保持板を有する積載部と、
前記保持板をフォロワとするカム機構と、を備え、
前記複数の培養容器が別個に又は一括して前記積載部に保持されて、
前記カム機構により前記回動軸を中心に前記保持板を上下に繰り返し回動させるとともに、前記保持板が下動して前記基台に当接したときに生じる振動を前記複数の培養容器に別個に又は同時に加えることにより前記複数の培養容器の内容液を撹拌する
ことを特徴とする請求項10〜12のいずれかに記載の細胞培養システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014068972A JP2015188390A (ja) | 2014-03-28 | 2014-03-28 | 細胞培養方法、及び細胞培養システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014068972A JP2015188390A (ja) | 2014-03-28 | 2014-03-28 | 細胞培養方法、及び細胞培養システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015188390A true JP2015188390A (ja) | 2015-11-02 |
Family
ID=54423467
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014068972A Pending JP2015188390A (ja) | 2014-03-28 | 2014-03-28 | 細胞培養方法、及び細胞培養システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2015188390A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016121292A1 (ja) * | 2015-01-30 | 2016-08-04 | 東洋製罐グループホールディングス株式会社 | 細胞培養方法、及び細胞培養装置 |
WO2018034269A1 (ja) * | 2016-08-16 | 2018-02-22 | 東洋製罐グループホールディングス株式会社 | 細胞培養装置 |
JP2020505024A (ja) * | 2017-01-16 | 2020-02-20 | メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングMerck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung | 滅菌培地を放出するためのシステムおよび器具 |
-
2014
- 2014-03-28 JP JP2014068972A patent/JP2015188390A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016121292A1 (ja) * | 2015-01-30 | 2016-08-04 | 東洋製罐グループホールディングス株式会社 | 細胞培養方法、及び細胞培養装置 |
US10731122B2 (en) | 2015-01-30 | 2020-08-04 | Toyo Seikan Group Holdings, Ltd. | Cell culture method and cell culture apparatus |
US11390842B2 (en) | 2015-01-30 | 2022-07-19 | Toyo Seikan Group Holdings, Ltd. | Cell culture method and cell culture apparatus |
WO2018034269A1 (ja) * | 2016-08-16 | 2018-02-22 | 東洋製罐グループホールディングス株式会社 | 細胞培養装置 |
JP2018027030A (ja) * | 2016-08-16 | 2018-02-22 | 東洋製罐グループホールディングス株式会社 | 細胞培養装置 |
JP2020505024A (ja) * | 2017-01-16 | 2020-02-20 | メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングMerck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung | 滅菌培地を放出するためのシステムおよび器具 |
JP7227910B2 (ja) | 2017-01-16 | 2023-02-22 | メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 滅菌培地を放出するためのシステムおよび器具 |
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