JP6424447B2 - 細胞培養方法、及び細胞培養システム - Google Patents

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Description

本発明は、細胞や組織、微生物などを人工的な環境下で培養する細胞培養方法、及び細胞培養システムに関する。
近年、医薬品の生産や、遺伝子治療、再生医療、免疫療法等の分野において、細胞や組織、微生物などを人工的な環境下で効率良く大量に培養することが求められている。このような細胞培養にあっては、培地内の細胞密度が高くなるにつれて、増殖に必要な成分の枯渇、細胞自身の代謝産物の蓄積が起こり、増殖速度が低下し細胞密度は飽和に達してしまう。このため、細胞をある程度の規模で培養する場合には、通常、細胞密度が適性に維持されるよう継代を繰り返しながら培養を行っている。
この継代の際に、容量の小さい培養容器から、容量のより大きい培養容器に細胞を移し替える場合がある。例えば、細胞培養ウェルプレートを用いて培養の初期段階に適した細胞密度となるように、培地と共に細胞を個々のウェルに加えて培養を開始し、ウェル内で細胞を十分に増殖させてから細胞培養フラスコに移し替え、細胞増殖に合わせて培地を追加して培養することが行われていた。また、細胞が一定量に増殖した時点で、さらに容量の大きいバックなどに移し替え、培地の補給と継代を繰り返し行って、細胞が大量培養されていた(例えば、特許文献1[0027]段落等参照)。
また、凍結保存された細胞を使用する際に、融解して復元した後に、細胞本来の機能を回復するためにウェルプレートを用いて数日間の培養を行い(以下、養生培養と称する場合がある)、細胞の機能を本来の状態に回復させた後にフラスコに移し替えて培養し(以下、拡大培養と称する場合がある)、その後、活性化培養を行う方法もあった(例えば、特許文献2[0057]段落等参照)。
しかしながら、このような細胞培養においては、ウェルプレートからフラスコに移し替える際にピペッティング作業を何回も繰り返す必要があり、継代のたびに新たなフラスコやバックなどの培養容器に細胞を移さなければならず、作業が煩雑になるだけでなく、細胞にダメージを与える可能性があった。また、コンタミネーションのリスクが高いという問題もあった。
一方、コンタミネーションのリスクを低減し得る細胞培養装置等が、特許文献3及び特許文献4に記載されている。
すなわち、特許文献3には、インキュベータ内に気密に形成された細胞の培養器を設置し、培養器に気密に接続された送液管を介して培地容器と洗浄液容器と骨髄液容器の液を選択的に培養器に注入する送液手段と、培養器内の液を排液管を介して排出する排液手段とを備えた自動培養装置が開示されている。そして、この構成により、培養器に接着した幹細胞を選択的に分離した後、培地を培養器に注入して幹細胞を培養し、次いで、分化培養用の培地を培養器に注入して目的の組織細胞に分化させる技術が開示されている。
また、特許文献4には、複数の培養容器を用いて、密閉系で付着細胞の継代培養を行うことが可能な自動継代培養装置が開示されている。具体的には、複数の培養容器に、培地が収容された培地供給タンクと、洗浄液が収容された洗浄液供給タンクと、剥離液が収容された剥離液供給タンクと、処理容器とが接続され、処理容器内に細胞の通過を阻止するためのフィルタが設けられ、フィルタの表面に細胞を集めた後に、フィルタの外側から培地を供給して、細胞を培地により押し流して移送する技術が開示されている。
特開2011−241159号公報 特開2013−215141号公報 特開2007−312668号公報 特開2005−198626号公報
しかしながら、これらの細胞培養装置等は、複数の培養容器を用いて細胞を大量に培養する場合に、最適なものであるとは言えなかった。
すなわち、特許文献3の細胞培養装置によれば、一つの培養器で幹細胞を培養し、かつ目的の組織細胞に分化させることはできるが、細胞を大量に培養するために必要となる継代などに好適に利用し得るものではなかった。
また、特許文献4の自動継代培養装置では、複数の培養容器を用いて細胞の継代培養が行われるが、最初に一つの培養容器で培養した細胞をフィルタの表面に集めた後、フィルタの外側から培地を供給して細胞を三つの培養容器に移送して再度培養し、この再度培養した細胞をフィルタの表面に集めた後、フィルタの外側から培地を供給して細胞の一部又は全部を回収する構成となっている。この培養装置では、再度培養した細胞の一部を継代培養することはできるが、全部は行えないことから細胞の大量培養に最適なものとは言えず、また操作手順が煩雑であるという問題があった。さらに細胞を培地や洗浄液と共に送流してフィルタで堰き止めた後に、培養容器への移送や細胞の取出しを行うものであるため、細胞にダメージを与えるおそれがあった。
また、複数の培養容器を用いて細胞培養を行う場合、従来は、細胞の移送に際して、培養容器内に細胞が残存してしまうという問題があった。このような培養容器内における細胞の残存が生じると、全ての細胞を利用することができず、細胞の一部廃棄につながるため、細胞の増殖効率が低減することから重大な問題となっていた。
さらに、細胞培養において用いる培地は、低温で保存しなければ品質が劣化するため、使用するまでは冷却して保存されている。ところが、細胞培養は37℃程度で行われるため、この冷却された培地を細胞と培地が封入された培養容器にそのまま供給すると、細胞の増殖効率が低下してしまうという問題があった。
そこで、従来は、例えば特許文献3の段落0018に記載されているように、ヒータなどの加温機構により培地を加温してから培養容器に供給することで、このような問題を解決していた。
しかしながら、細胞培養システムにおいて加温機構を設けると、構成が煩雑かつ大型化するため、加温機構は設けないことが望ましい。
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、複数の培養容器を用いて細胞培養を行う場合に、コンタミネーションのリスクを低減すると共に、細胞の移送に際して、培養容器内における細胞の残存を減少させ、さらに培地の加温機構を省略することの可能な細胞培養方法、及び細胞培養システムの提供を目的とする。
本発明に係る細胞培養方法は、複数の培養容器を用いて細胞を培養する細胞培養方法であって、前記複数の培養容器が、それぞれ他の容器との内容物の移送用のポートを一つ備え、
前記複数の培養容器における第一の培養容器に細胞及び培地を含む細胞懸濁液を収容し、
前記複数の培養容器に培地を供給する培地供給容器と前記第一の培養容器とをチューブを用いて接続すると共に、前記第一の培養容器に前記複数の培養容器におけるその他の培養容器を順次チューブを用いて接続して、前記第一の培養容器において細胞の培養を開始し、前記第一の培養容器での培養が終了した後、前記第一の培養容器に接続された第二の培養容器に前記第一の培養容器から培養された細胞を含む細胞懸濁液を移送し、次いで前記第一の培養容器に前記培地供給容器から培地を供給して、所定時間経過後、温度が上昇した培地を、前記第一の培養容器から前記第二の培養容器に供給して、前記第二の培養容器において細胞の培養を行い、前記第二の培養容器での培養が終了した後、培養が終了した培養容器に接続された次の培養容器がある場合、前記次の培養容器への細胞懸濁液の移送、前記培養が終了した培養容器への培地の供給、前記次の培養容器への前記培養が終了した培養容器からの培地の供給、及び前記次の培養容器における細胞の培養を、前記培養が終了した培養容器に接続された前記次の培養容器がなくなるまで、繰り返して行う方法としてある。
また、本発明に係る細胞培養システムは、浮遊系の細胞を培養するための複数の培養容器を備えた細胞培養システムであって、前記複数の培養容器に培地を供給する培地供給容器と、前記複数の培養容器として、ダメージを受けて細胞本来の機能が衰えた細胞を、その細胞本来の機能を回復させるための細胞培養に用いる養生培養容器と、培養する細胞を活性化させるために好適な抗体に結合させて当該細胞を活性化させるための細胞培養に用いる活性化培養容器と、細胞を増殖させるための細胞培養に用いる一又は二以上の増幅培養容器を備え、前記養生培養容器と、前記活性化培養容器と、前記増幅培養容器とが、それぞれ他の容器との内容物の移送用のポートを一つ備え、前記培地供給容器と、前記養生培養容器と、前記活性化培養容器と、前記増幅培養容器とが、この順番でチューブを用いて接続され、先に接続された前記養生培養容器又は前記活性化培養容器における培養が終了し、次に接続された前記活性化培養容器又は前記増幅培養容器で培養を行うにあたり、先に接続された前記養生培養容器又は前記活性化培養容器に、前記培地供給容器から培地を供給し、所定時間経過、温度が上昇した培地を、前記養生培養容器又は前記活性化培養容器から次に接続された前記活性化培養容器又は前記増幅培養容器に供給することを可能にした構成としてある。
さらに、本発明に係る細胞培養システムは、接着系の細胞を培養するための複数の培養容器を備えた細胞培養システムであって、前記複数の培養容器に培地を供給する培地供給容器と、前記複数の培養容器として、培養面積の異なる培養容器を備え、前記複数の培養容器が、それぞれ他の容器との内容物の移送用のポートを一つ備え、前記培地供給容器に前記複数の培養容器が培養面積の小さい順にチューブを用いて接続され、先に接続された前記培養容器における培養が終了し、次に接続された前記培養容器で培養を行うにあたり、先に接続された前記培養容器に、前記培地供給容器から培地を供給し、所定時間経過、温度が上昇した培地を、先に接続された前記培養容器から次に接続された前記培養容器に供給することを可能にした構成としてある。
本発明によれば、複数の培養容器を用いて細胞培養を行う場合に、コンタミネーションのリスクを低減すると共に、細胞の移送に際して、培養容器内における細胞の残存を減少させ、さらに培地の加温機構を省略することが可能となる。
本発明の第一実施形態に係る細胞培養システムの概略を示す説明図である。 本発明の第一実施形態に係る細胞培養システムにおける攪拌手段の概略を示す説明図である。 本発明の第一実施形態に係る細胞培養方法における一次培養工程を示す斜視図である。 本発明の第一実施形態に係る細胞培養方法における細胞移送工程を示す斜視図である。 本発明の第二実施形態に係る細胞培養システムの概略を示す説明図である。 本発明の第二実施形態に係る細胞培養システムにおける養生容器及び保持具の概略を示す斜視図である。 本発明の第三実施形態に係る細胞培養システムの概略を示す説明図である。 本発明の第四実施形態に係る細胞培養システムの概略を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態に係る細胞培養方法、及び細胞培養システムの好ましい実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(第一実施形態)
まず、本発明の第一実施形態に係る細胞培養方法、及び細胞培養システムについて、図1及び図2を参照して説明する。
[細胞培養システム]
本実施形態に係る細胞培養システムは、図1に示すように、培地供給容器1(以下、培地容器1と称する場合がある)と、複数の培養容器2(一次培養容器2a,二次培養容器2b,三次培養容器2c)と、移送チューブ3(以下、単にチューブ(導管)と称する場合がある)とを備えている。
複数の培養容器2には、それぞれ他の容器との内容物の移送を行うためのポートが一つ備えられており、培地容器1と複数の培養容器2とが、チューブを用いて接続されている。
本実施形態に係る細胞培養システムによれば、これら複数の培養容器2を用いて、閉鎖系で細胞の継代培養を行うことができるため、コンタミネーションのリスクを低減することが可能になっている。
また、本実施形態に係る細胞培養システムを用いて、ある培養容器2における培養が終了し、次の培養容器2で培養を行うにあたり、当該次の培養容器2に培地を注入する前に、既に培養が終了した培養容器2に培地を注入して所定時間待った後、次に培養を行う培養容器2へ培地を移送することで、培養が終了した培養容器2に残存する細胞を低減でき、かつ次に培養を行う培養容器2へ移送する培地の温度を上昇させることができる。このため、細胞の増殖効率をより向上させることが可能になっている。
これらの効果は、以降の実施形態においても同様に得ることが可能である。
[培地供給容器]
培地容器1は、細胞を培養するための培地を培養容器に供給する容器であり、複数の培養容器2に供給する培地を格納する。この培地容器1は、同一の又は異なる培地を供給するために、複数の容器を用いて構成しても良い。
培地容器1は、格納している培地のpHが培養期間中に大きく変化しないように、酸素及び二酸化炭素に対するガスバリア性を有することが好ましい。これは、培地中に含まれている高濃度の炭酸ガスが空気中に抜け、培地中の炭酸ガス濃度が低下し、結果としてpHが上昇することを回避するために、培地容器1の内部から二酸化炭素が外部に漏れ出るのをできるだけ少なくすることが望ましいからである。また培地の酸化を防ぐことが望ましいからである。
培地容器1には、一つのポートが備えられ、このポートに移送チューブ3が接続され、この移送チューブ3を介して複数の培養容器2に接続されている。この培地容器1から培地を、培養細胞の増殖等に合わせて、ポンプを用いて培養容器2に供給することができる。
なお、培地容器1は、培養が完了して空になった後に、廃液回収容器(以下、廃液容器と称する場合がある)として用いることができる。そして、培養容器2から細胞懸濁液の上澄みを廃液容器としての培地容器1に送流することで、培養容器2における細胞懸濁液を濃縮することが可能になっている。さらに、二以上の培地容器1を接続して、一方を廃液容器として使用すると共に、他方を細胞回収容器として使用し、濃縮された細胞懸濁液を培養容器2から培地容器1に送流して、細胞を回収することなども可能である。
[培養容器]
培養容器2は、細胞を継代培養などにより増殖させるための容器であり、複数の容器からなる。図1の例では、培養容器2として、一次培養容器2a、二次培養容器2b、三次培養容器2cが備えられており、この順番に細胞培養を行うことを想定している。なお、培養容器2の個数は、三個に限定されるものではなく、例えば二個としても良く、四個や五個、又はそれ以上にしても良い。
培養容器2の容量及び培養面積は、継代培養などを効率的に行えるように、後に接続されるものほど大きくすることが好ましい。例えば、二次培養容器2bとして、一次培養容器2aの容量の2倍以上のものを好適に用いることができ、一次培養容器2aの培養面積の1.5倍以上のものを好適に用いることができる。また、三次培養容器2cとして、二次培養容器2bの容量の10倍程度のものを好適に用いることができ、二次培養容器2bの培養面積の6倍以上のものを好適に用いることができる。なお、一次培養容器2a、二次培養容器2b、三次培養容器2cの容量及び培養容器の比率は、これらに限定されない。
本実施形態に係る細胞培養システムでは、まず一次培養容器2aで細胞培養を行った後、培養された細胞を一次培養容器2aから二次培養容器2bに移送する。次いで培地を培地容器1から一次培養容器2aに流加する。そして、一次培養容器2aに培地が収容された状態で、所定時間が経過するのを待つことにより、培地温度を上昇させる。この待ち時間としては、培地量と培養温度によるが例えば5分間から10分間程度とすることができる。次いで培地を一次培養容器2aから二次培養容器2bに移送する。
また、培地容器1から一次培養容器2aへの培地の移送にあたり、移送速度を通常よりも遅くすることが好ましい。この移送速度としては、例えば通常の移送速度の5%〜50%程度とすることが好ましい。具体的には、例えば5mL/min〜50mL/minとすることが好ましく、10mL/min〜30mL/minとすることがより好ましい。このように、培地の移送速度を通常よりも遅くすることにより、次の培養を行う培養容器2(二次培養容器2b)に移送する前に、培地の温度を上昇させることが可能になっている。
また、培地を一次培養容器2aに移送してから二次培養容器2bに移送するため、一次培養容器2aに残存していた細胞を、培地と共に二次培養容器2bに移送することができる。このため、培養が終了した培養容器2(一次培養容器2a)における残存細胞を低減することが可能になっている。
また、二次培養容器2bで細胞培養を行った後についても同様に、培養された細胞を二次培養容器2bから三次培養容器2cに移送し、次いで培地を培地容器1から一次培養容器2aに流加する。そして、一次培養容器2aに培地が収容された状態で、そのまま所定時間が経過するのを待って培地温度を上昇させ、次いで培地を一次培養容器2aから二次培養容器2bに移送する。そして、二次培養容器2bに培地が収容された状態で、所定時間が経過するのを待って培地温度を上昇させ、次いで培地を二次培養容器2bから三次培養容器2cに移送する。
このとき、培地を一次培養容器2aと二次培養容器2bに移送してから三次培養容器2cに移送するため、一次培養容器2aと二次培養容器2bに残存していた細胞を、培地と共に三次培養容器2cに移送することができる。
なお、二次培養容器2bで細胞培養を行った後に、一次培養容器2aのみに培地を流加して培地温度を上昇させた後、この培地を三次培養容器2cに移送しても良く、二次培養容器2bのみに培地を移送させて培地温度を上昇させた後、この培地を三次培養容器2cに移送しても良い。また、一次培養容器2a及び二次培養容器2b両者に培地を流加して培地温度を上昇させた後、これらの培地を三次培養容器2cに移送しても良い。
このように、本実施形態に係る細胞培養システムによれば、培養容器内における細胞の残存を顕著に減少させることができると共に、培地の温度を上昇させてから培養容器に移送することができ、細胞の増殖効率を一層向上させることが可能になっている。
これらの培養容器2は、軟包材を材料として袋状(バッグ型)に形成されており、内容物を確認できるように、一部又は全部が透明性を有している。
また、培養容器2は、細胞の培養に必要なガス透過性(酸素及び二酸化炭素透過性)を有していることが必要であり、37℃、5%二酸化炭素濃度の培養環境下で使用することが好ましい。さらに、培養容器2は、高い細胞増殖効率を実現するために、低細胞毒性、低溶出性、及び放射線滅菌適性を有することが好ましい。
このような条件を満たす培養容器2の材料としては、ポリエチレン系樹脂が好ましい。このポリエチレン系樹脂としては、ポリエチレン、エチレンとα−オレフィンの共重合体、エチレンと酢酸ビニルの共重合体、エチレンとアクリル酸やメタクリル酸共重合体と金属イオンを用いたアイオノマー等が挙げられる。また、ポリオレフィン、スチレン系エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、シリコーン系熱可塑性エラストマー、シリコーン樹脂等を用いることもできる。
培養容器2の形状は、特に限定されないが、図1に示すように、長方形状とすることができ、他の容器との内容物の移送用のポートを一つ備えている。この内容物の移送用のポートには、移送チューブ3が接続され、この移送チューブ3を介して、培地容器1から培養容器2への培地の注入、及び培養容器2から次の培養容器2への培地や細胞懸濁液の移送を行う構成になっている。
この移送用ポートは、培養容器2を傾斜させることで、内容物を次の培養容器2に自然送流することができるように、培養容器2を傾斜させたときに下側になる位置に配置させることが望ましい。
また、最後に培養が行われる培養容器2(通常、最後に接続される培養容器2、図1では三次培養容器2c)は、サンプリング用のポートを備えており、このポートにサンプリングチューブ2c−1が接続されている。サンプリングチューブ2c−1は、培養された細胞の状態を確認することなどを目的として、培養容器2から培養された細胞の一部を取り出すために用いられる。サンプリングチューブ2c−1における培養容器2のポートと反対側の自由端の先端部には、二段シールが施されており、サンプリングチューブ2c−1をしごくことによって、培養容器2からサンプリングチューブ2c−1内に細胞懸濁液を充填させることができる。そして、サンプリングチューブ2c−1をヒートシール(熱溶着)した後に切断することで、細胞培養システムの閉鎖系を維持した状態で、細胞をサンプリングすることが可能になっている。
なお、サンプリング用のポートを中間の培養容器2(図1では二次培養容器2b)に備え、このポートにサンプリングチューブを接続して細胞のサンプリングを行えるようにすることも好ましい。
培養容器2の四辺はヒートシールにより密封されている。培養容器2の収容部の形状は、長方形状としてもよく、また図1に示すように、ポートに向かって次第に狭くなるように構成することも好ましい。なお、培養容器2は、ブロー成形による一体成型バッグでもよい。
[移送チューブ]
移送チューブ3は、培地容器1と複数の培養容器2とを接続し、これによって、培地容器1から培養容器2への培地の注入、及び複数の培養容器2間における培地や細胞懸濁液の移送を行うことを可能にしている。
移送チューブ3の流路には流路開閉手段とポンプを適宜配置し、流路開閉手段によって送液流路を制御している。流路開閉手段としては、例えばピンチバルブや二方活栓、三方活栓等を用いることができ、特に限定されない。図1では、三方活栓を用いて培地容器1と複数の培養容器2とが接続され、ポンプにより培地容器1から培養容器2への培地の移送が行われる。また、同図では、培養容器2(一次培養容器2a,二次培養容器2b)と移送チューブ3の接続や移送チューブ3同士の接続を、ルアーコネクターを用いて行っているが、その他の方法で接続しても良い。
移送チューブ3の材料は、使用環境に合わせて適宜選択すれば良いが、ガス透過性に優れるものが望ましい。例えば、シリコーンゴム、軟質塩化ビニル樹脂、ポリブタジエン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、シリコーン系熱可塑性エラストマー、スチレン系エラストマー等を用いることができる。また、スチレン系エラストマーとしては、例えば、SBS(スチレン・ブタジエン・スチレン)、SIS(スチレン・イソプレン・スチレン)、SEBS(スチレン・エチレン・ブチレン・スチレン)、SEPS(スチレン・エチレン・プロピレン・スチレン)等を用いることができる。
図1では、移送チューブ3におけるポンプを取り付ける部分にはシリコーンチューブが用いられ、その他の部分には軟質塩化ビニル樹脂チューブが用いられている。
[攪拌手段]
培養容器2を用いて細胞培養を行うにあたり、培養容器2の内容液中の細胞の分布や培地の成分濃度を均一にして良好な培養環境を維持して細胞の増殖を促進するために、培養開始および培地供給時などに培養容器2の内容液を撹拌する攪拌手段を設けることが好ましい。なお、攪拌手段は、以降の実施形態においても培養容器の内容液を攪拌することなどを目的として用いることができる。
このとき、攪拌手段により、培養容器2を初期位置よりも上方に移動させる上動工程と、培養容器2を初期位置まで戻すとともに、初期位置に戻った培養容器2に振動を加える下動工程とを繰り返すことによって培養容器2の内容液を撹拌することができる。
なお、上動工程と下動工程とを繰り返すにあたり、培養容器2の内容液の撹拌が確実になされるように、必要に応じて下動工程後にインターバルをおいて、所定の時間が経過してから上動工程が繰り返されるようにしてもよい。
このようにすることで、培養容器2の上下動による内容液の撹拌に加えて、下動工程において培養容器2に加わる振動によって細胞が内容液中を舞い上がるように拡散する。これにより、培養容器2の内容液が上下方向にも効率よく攪拌され、細胞が培養容器2の培養面を転がり落ちる際のずり応力を軽減して、細胞に与えるダメージを少なくしつつ、培養容器2の内容液中の細胞の分布や培地の成分濃度を均一にして良好な培養環境を維持するとともに、細胞が容器内壁に付着したり、過度に凝集したりするのを抑制して、細胞の増殖を促進することができる。さらに、培養する細胞が接着系の細胞である場合には、下動工程において培養容器2に加わる振動により、培養容器2の培養面からの細胞の剥離を促すことも可能である。
上記のようにして培養容器2の内容液を撹拌するために、攪拌手段として、例えば図2に示すように、一端縁に設けられた回動軸42を基台6に軸支した平板状の保持板41を有する積載部4と、保持板41をフォロワとするカム機構とを備え、培養容器2が積載部4に保持されて、カム機構により回動軸42を中心に保持板41を上下に繰り返し回動させるとともに、保持板41が下動して基台6に当接したときに生じる振動を培養容器2に加えることにより培養容器2の内容液を撹拌する装置を用いるのが好ましい。複数の培養容器2は、それぞれ別個の保持板41に保持させるようにしても良く、一つの保持板41に一括して保持させるようにしても良い。
このような装置において、上動工程では、積載部4に保持された培養容器2は、カム機構によって保持板41が上方に回動するに伴って、初期位置よりも上方に移動しながら傾いていき、これによって軟包材を用いて形成された培養容器2が撓み変形しつつ、その内容液が回動軸42側に偏るように流動する(図2(a)〜(e)参照)。下動工程では、保持板41は、最大傾斜角度θmaxに達した後、下方に回動し、これに伴って培養容器2は初期位置に戻るが(図2(f),(g)参照)、その際に培養容器2の内容液に揺り戻しが生じ、これとともに、保持板41が基台6に当接したときの衝撃によって生じた振動で細胞が内容液中を舞い上がるように拡散し、これによって培養容器2の内容液が撹拌される。
このようにして培養容器2の内容液を撹拌するにあたり、細胞に与えるダメージをより少なくして、培養容器2の内容液をより効率よく撹拌するためには、基台6に水平に支持した保持板41を緩やかに上方に回動させ、保持板41が最大傾斜角度θmaxに達した後に、保持板41を落下により下方に回動させて、落下する保持板41を基台6が受けたときに生じる衝撃によって、培養容器2に振動が加わるようにするのが好ましい。特に図示しないが、保持板41が基台6に当接したときの衝撃によって生じた振動を培養容器2に加えるに際しては、培養容器2の内容液をより効率よく撹拌する上で培養容器2に振動を加えるのに好適な位置に応じて、保持板41に当接する凸部を基台6に設けておくことができる。
また、保持板41を落下により下方に回動させるには、例えば、輪郭が円弧状の第一カム面51と、輪郭が直線状の第二カム面52とを有する板カム5によってカム機構を構成し、カム面51,52の曲率、板カム5を回転させる駆動軸53の位置及び回転速度を適宜設定し、第一カム面51によって保持板41を上方に回動させ、第二カム面52に切り替わる際に板カム5が保持板41から離れるようにすることで(図2(f)参照)、保持板41を落下により下方に回動させることができる。
また、第二カム面52に切り替わる際に板カム6が保持板41に接したままになるようにすると共に、カム面51,52の曲率、駆動軸53の位置及び回転速度を適宜設定することにより、培養容器2に衝撃を加えることなく、培養容器2を揺動して、培養容器2の内容液をゆるやかに攪拌することも可能である。
なお、前述したように、培養容器2の形状は、長方形状とすることができ、保持板41の形状も培養容器2の形状に合わせて設計するが、保持板41を長方形状とした場合、回動軸42を設ける一端縁は、短辺側であっても、長辺側であってもよい。
また、このような培養容器2の内容液の攪拌手段を、浮遊系の細胞を活性化させた後に細胞を培養面から剥離する場合や、前述したように接着系の細胞を培養面から剥離する場合に、細胞剥離手段として用いることも可能である。
なお、図示しないが、細胞培養システムには、各培養容器2内の細胞や培地の状態を観察するための観察装置を備えることが好ましい。観察装置としては、例えばCCDカメラ、対物レンズ、照明、及び情報処理装置等からなるものを用いることができる。この場合、観察孔を有する積載台に水平に載置された培養容器2の上方から光を照らし、観察孔の下方からCCDカメラと対物レンズにより培養容器2内の細胞などを所定のタイミングで自動的に撮影することができる。そして、得られた画像データを情報処理装置に送信し、情報処理装置において画像データを解析して、培養容器2内の細胞数や細胞密度などを算出することができる。これは以降の実施形態についても同様である。
[細胞培養方法]
次に、本実施形態に係る細胞培養方法について図1〜図4を参照して詳細に説明する。
本実施形態に係る細胞培養方法は、複数の培養容器を用いて細胞を培養する細胞培養方法であって、複数の培養容器が、それぞれ他の容器との内容物の移送用のポートを一つ備え、複数の培養容器における第一の培養容器に細胞及び培地を含む細胞懸濁液を収容し、複数の培養容器に培地を供給する培地供給容器と第一の培養容器とをチューブを用いて接続すると共に、第一の培養容器に複数の培養容器におけるその他の培養容器を順次チューブを用いて接続して、第一の培養容器において細胞の培養を開始し、第一の培養容器での培養が終了した後、第一の培養容器に接続された第二の培養容器に第一の培養容器から培養された細胞を含む細胞懸濁液を移送し、次いで第一の培養容器に培地供給容器から培地を供給して、所定時間経過後、第二の培養容器に第一の培養容器から培地を供給して、第二の培養容器において細胞の培養を行い、第二の培養容器での培養が終了した後、培養が終了した培養容器に接続された次の培養容器がある場合、次の培養容器への細胞懸濁液の移送、培養が終了した培養容器への培地の供給、次の培養容器への培養が終了した培養容器からの培地の供給、及び次の培養容器における細胞の培養を、培養が終了した培養容器に接続された次の培養容器がなくなるまで、繰り返して行うことを特徴とする。
具体的には、本実施形態に係る細胞培養方法は、(1)容器接続工程と、(2)一次培養工程と、(3)細胞移送工程1と、(4)培地流加工程1と、(5)二次培養工程と、(6)細胞移送工程2と、(7)培地流加工程2と、(8)三次培養工程と、(9)サンプリング工程と、(10)濃縮工程とを有するものとすることができる。
なお、細胞培養システムにおける培養容器2の個数が二個の場合は、(6)〜(8)を省略すると共に、二次培養容器2bにサンプリングチューブを備えて(9)〜(10)を行うことができる。また、細胞培養システムにおける培養容器2の個数が四個以上の場合は、四個以上の分について(6)〜(8)を繰り返し行う。さらに、(9)及び(10)を省略することもできる。
(1)容器接続工程
まず、本実施形態に係る細胞培養方法において用いる培地容器1と複数の培養容器2を、図1に示すように接続して、閉鎖系の細胞培養システムを構成する。
すなわち、培地容器1と、一次培養容器2aと、二次培養容器2bと、三次培養容器2cとを、この順番で移送チューブ3を用いて接続する。
このとき、一次培養容器2aには、培養を行う細胞と培地を含む細胞懸濁液を収容して接続する。また、培地容器1には培養容器2に供給するための培地を充填して接続する。二次培養容器2bと三次培養容器2cは、空のまま接続する。培地容器1と培養容器2の間の移送チューブ3上にはポンプが備えられ、このポンプにより培地の移送等が行われる。また、移送チューブ3上には適宜三方活栓が備えられており、これらによって送液流路を制御できるようになっている。
また、図3に示すように、複数の培養容器2は、培地容器1により近く接続されたものほど相対的に高い位置になるように配置される。すなわち、一次培養容器2aが最も高い位置に配置され、二次培養容器2bが次に高い位置に配置され、三次培養容器2cが最も低い位置に配置される。培養容器2をこのように配置して、一次培養容器2aを図4に示すように傾けることで、一次培養容器2aの内容液を、一次培養容器2aの下側のポートと移送チューブ3を経由して、二次培養容器2bに自然送流によって移送することが可能になっている。また、図示しないが、同様にして二次培養容器2bを傾けることで、二次培養容器2bの内容液を、二次培養容器2bの下側のポートと移送チューブ3を経由して、三次培養容器2cに自然送流によって移送することが可能になっている。なお、図3,図4において、攪拌手段は省略してある。
また、図示しないが、培地容器1は、培養容器2よりも相対的に低い位置に配置することが好ましく、例えば培養容器を配置している積載台13の下側に配置することができる。これによって、培地が培養系に意図せず流入することを防止することが可能になる。
このような複数の培養容器2と培地容器1の配置は、以下の実施形態においても同様に採ることが好ましい。
さらに、本実施形態に係る細胞培養システムにおいて、培養容器2を載置した基台6の重量を計測するための計測手段を備えることも好ましい。このような計測手段を用いて、培養容器2を載置した基台6の重量の減少をモニターすることによって、培養容器2から液漏れが生じた場合に、これを検出することが可能になる。
(2)一次培養工程
このように細胞培養システムを構成すると、まず一次培養容器2aにおいて細胞培養が行われる。また、培養細胞の増殖等に合わせて、培地が培地容器1からポンプを用いて一次培養容器2aに供給される。このとき、培地の移送速度を通常よりも遅くして、培地の温度を上昇させつつ、移送することが好ましい。この移送速度としては、例えば通常の移送速度の5%〜50%程度とすることが好ましく、具体的には5mL/min〜50mL/minとすることが好ましく、10mL/min〜30mL/minとすることがより好ましい。
また、この一次培養工程において、一次培養容器2a内における細胞を分散させるために、前述した攪拌手段を用いて、一次培養容器2aに繰り返し振動を加えて、一次培養容器2aの内容液を撹拌することが好ましい。このような内容液の攪拌は、その他の培養容器2についても同様に行うことが好ましい。
(3)細胞移送工程1
一次培養容器2a内の細胞密度が所定の細胞密度になり、一次培養工程が完了すると、次に一次培養容器2aから二次培養容器2bに培養細胞の移送が行われる。
このとき、図4に示すように、一次培養容器2aを、二次培養容器2bへ接続するためのポートが下側になるように傾斜させて、一次培養容器2a内の内容液(細胞懸濁液)を二次培養容器2bに送流する。これによって、一次培養容器2aで培養された細胞が、二次培養容器2bに移送される。このように、一次培養容器2aで培養された細胞は、二次培養容器2bに自然送流されるが、この送流が完了した時点では、通常、一次培養容器2aには、細胞が残存している。
(4)培地流加工程1
次に、培地を培地容器1から一次培養容器2aに流加する。このとき、前述した一次培養工程において培地を供給する場合と同様に、培地の移送速度を通常よりも遅くして、培地の温度を上昇させつつ、移送することが好ましい。
そして、一次培養容器2aに培地が収容された状態で、所定時間が経過するのを待つことにより、培地温度を上昇させる。この待ち時間としては、例えば2分間から20分間程度とすることが好ましく、5分間から10分間程度とすることがより好ましい。
次いで、前述した攪拌手段によって、一次培養容器2a内の培地を攪拌する。そして、培地を一次培養容器2aから二次培養容器2bに移送する。
これにより、例えば培地容器1において15℃以下であった培地の温度を、20℃以上にしてから二次培養容器2bに移送することができる。このため、低温の培地がそのまま二次培養容器2bに移送されることがなく、低温の培地によって細胞の増殖効率が低下することを抑止することが可能になっている。その後、培地の温度は、室温(例えば37℃)まで自然に上昇する。
また、このように培地を一次培養容器2aに移送してから二次培養容器2bに移送することにより、一次培養容器2aに残存していた細胞を培地と共に二次培養容器2bに移送することができ、細胞培養における残存細胞を低減することが可能になっている。
(5)二次培養工程
二次培養容器2bに培養細胞及び培地が移送されると、二次培養容器2bにおいて、引き続き細胞の培養が行われる。また、培養細胞の増殖等に合わせて、培地を培地容器1から供給することができるが、このときも培地流加工程1と同様にして行うことができる。
(6)細胞移送工程2
二次培養容器2b内の細胞密度が所定の細胞密度になり、二次培養工程が完了すると、次に二次培養容器2bから三次培養容器2cに培養細胞の移送が行われる。
このとき、二次培養容器2bを、三次培養容器2cへ接続するためのポートが下側になるように傾斜させて、二次培養容器2b内の内容液(細胞懸濁液)を三次培養容器2cに送流する。これによって、二次培養容器2bで培養された細胞が、三次培養容器2cに移送される。このように、二次培養容器2bで培養された細胞は、三次培養容器2cに自然送流されるが、この送流が完了した時点では、通常、二次培養容器2bには、細胞が残存している。
(7)培地流加工程2
次に、培地を培地容器1から一次培養容器2aに流加する。このとき、培地流加工程1と同様に、培地の移送速度を通常よりも遅くして、培地の温度を上昇させつつ移送しても良い。そして、培地流加工程1と同様に、一次培養容器2aに培地が収容された状態で、所定時間が経過するのを待つことにより、培地温度を上昇させる。
次いで、攪拌手段により一次培養容器2a内の培地を攪拌した後、培地を一次培養容器2aから二次培養容器2bに移送する。そして、二次培養容器2bに培地が収容された状態で、所定時間が経過するのを待って培地温度を上昇させ、次いで攪拌手段により二次培養容器2b内の培地を攪拌した後、培地を二次培養容器2bから三次培養容器2cに移送する。
このとき、培地を一次培養容器2aと二次培養容器2bに移送してから三次培養容器2cに移送するため、一次培養容器2aと二次培養容器2bに残存していた細胞を、培地と共に三次培養容器2cに移送することができ、細胞培養における残存細胞を顕著に低減することが可能になっている。
(8)三次培養工程
三次培養容器2cに培養細胞及び培地が移送されると、三次培養容器2cにおいて、引き続き細胞の培養が行われる。また、培養細胞の増殖等に合わせて、培地を培地容器1から供給することができるが、このときも培地流加工程2と同様にして行っても良い。
なお、三次培養容器2cにおける培地量は、一次培養容器2aや二次培養容器2bに比べて大きく、冷えた培地による影響が比較的小さいため、三次培養容器2cへの培地の移送速度は、通常の移送速度とすることができ、例えば100mL/min程度にすることができる。
培地容器1における全ての培地が培養容器2に供給され、培地容器1が空になると、空になった培地容器1は、廃液容器又は細胞回収容器として用いることができる。
(9)サンプリング工程
三次培養容器2cにおける細胞が、所定の細胞数又は細胞密度になると、細胞のサンプリングが行われる。なお、このサンプリング工程は、増幅培養工程の途中において、行っても良い。
このとき、細胞のサンプリングは、サンプリングチューブ2c−1をしごくことによって、サンプリングチューブ2c−1内に三次培養容器2cから内容液を充填し、サンプリングチューブ2c−1を熱溶着した後に切断して行うことができる。このようにすれば、細胞培養システムにおける閉鎖系を維持したまま無菌的に細胞のサンプリングを行うことができる。
(10)濃縮工程
次に、三次培養容器2cから内容液の上澄みを、廃液容器としての培地容器1にポンプを用いて送流する。これによって、三次培養容器2c内の内容液における細胞密度を高めることができ、高濃度の細胞懸濁液を得ることが可能となる。そして、このようにして得られた高濃度の細胞懸濁液を収容する三次培養容器2cから細胞を回収することができる。
このように本実施形態に係る細胞培養方法、及び細胞培養システムでは、培養容器に培地を供給するにあたり、既に培養が終了した培養容器に培地を注入して所定時間経過した後に、培養容器に培地を移送するようにしてある。このため、培養が終了した培養容器に残存する細胞を低減できると共に、培地の温度を上昇させてから培養容器に培地を移送することができ、細胞の増殖効率をより向上させることが可能になっている。
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態に係る細胞培養方法、及び細胞培養システムについて、図5を参照して説明する。
[細胞培養システム]
本実施形態に係る細胞培養システムは、主として、リンパ球などの浮遊系の細胞をより効率的に培養するためのものであり、図5に示すように、複数の培地容器1と、機能の異なる複数の培養容器が、移送チューブ3により接続された構成となっている。これら複数の培養容器は、他の容器との内容物の移送を行うためのポートが一つ備えられており、培地容器1と複数の培養容器2とが、チューブを用いて接続されている。
具体的には、本実施形態に係る細胞培養システムは、培地容器1として、培地A供給容器1aと培地B供給容器1bを備えると共に、複数の培養容器として、養生拡大培養容器20a(以下、養生培養容器、又は養生容器20aと称する場合がある)、活性化培養容器20b(以下、活性化容器20bと称する場合がある)、及び増幅培養容器20c(以下、増幅容器20cと称する場合がある)を備え、これらの容器を、移送チューブ3を用いて接続した構成となっている。
なお、複数の培養容器は、これら三個に限定されるものではなく、例えば養生容器20aを除いて活性化容器20bと増幅容器20cの二個としても良く、またその他の培養容器等を用いて四個や五個、又はそれ以上にしても良い。
本実施形態に係る細胞培養システムによれば、養生容器20aにおける培養が終了し、活性化容器20bで培養を行うにあたり、活性化容器20bに培地を注入する前に、まず養生容器20aに培地を注入して所定時間待った後、活性化容器20bへ培地を移送することで、養生容器20aに残存する細胞を低減でき、かつ活性化容器20bへ移送する培地の温度を上昇させることができる。また、増幅容器20cで培養を行うにあたり、増幅容器20cに培地を注入する前に、養生容器20a及び/又は活性化容器20bに培地を注入して所定時間待った後、増幅容器20cへ培地を移送することで、養生容器20a及び/又は活性化容器20bに残存する細胞を低減でき、かつ増幅容器20cへ移送する培地の温度をさらに上昇させることができる。このため、細胞の増殖効率をより向上させることが可能になっている。
[培地供給容器]
培地容器1は、細胞を培養するための培地を培養容器に供給する容器であり、養生容器20a、活性化容器20b、及び増幅容器20cに供給する培地を格納する。
培地容器1は、図5において、養生容器20aと活性化容器20bに培地Aを供給するための培地A供給容器1aと、増幅容器20cに培地Bを供給するための培地B供給容器1bとから構成されている点で第一実施形態と相違している。その他の点については第一実施形態におけるものと同様の構成とすることができる。
[養生拡大培養容器]
養生容器20aは、ダメージを受けた細胞の機能を回復させるための細胞培養に用いる容器である。すなわち、患者から採取したばかりの細胞や、凍結保存後に解凍されたばかりの細胞のような、ダメージを受けて機能が衰えた細胞は、そのままの状態では活性化させようとしても十分に行うことができず、細胞の大量培養に用いることができない。そこで、このような細胞を増殖させるため、細胞本来の機能が回復するように、細胞培養の初期の段階において当該細胞を養生しつつ培養する培養工程(養生培養工程)が行われる。そして、細胞本来の機能が回復し、細胞の増殖がある程度進んでから培養面積を拡大して、所定の細胞密度となるまで細胞の培養を継続する培養工程(拡大培養工程)が行われる。
養生容器20aは、このような養生培養工程と拡大培養工程において用いられる培養容器であり、図6に示すように、養生容器20aを保持する保持具7と共に用いられる。
養生容器20aは、軟包材を材料として袋状(バッグ型)に形成されている。軟包材とは、可撓性及び柔軟性を包装体に与える包装材料をいう。
また、養生容器20aは、細胞培養に必要なガス透過性(酸素及び二酸化炭素透過性)を有している。これにより、細胞培養を閉鎖系(密閉系)で行うことができる。養生容器2は、37℃、5%二酸化炭素濃度の培養環境下で使用することが好ましい。これは、活性化容器20b、及び増幅容器20cについても同様である。
さらに、養生容器20aは、内容物を確認できるように、一部又は全部が透明性を有している。また、養生容器20aは、低細胞毒性、低溶出性、及び放射線滅菌適性を有することが好ましい。
このような条件を満たす養生容器20aの材料としては、ポリエチレン系樹脂が好ましい。このポリエチレン系樹脂としては、ポリエチレン、エチレンとα−オレフィンの共重合体、エチレンと酢酸ビニルの共重合体、エチレンとアクリル酸やメタクリル酸共重合体と金属イオンを用いたアイオノマー等が挙げられる。また、ポリオレフィン、スチレン系エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、シリコーン系熱可塑性エラストマー、シリコーン樹脂等を用いることもできる。
このような養生容器20aの形状は、特に限定されないが、例えば長方形状とすることができ、短辺側の一辺に一つのポートが備えられ、これに移送チューブ3が接続されている。そして、この移送チューブ3を介して、活性化容器20bへの細胞懸濁液の移送、培地A供給容器1aから養生容器20aへの培地の流加、及び養生容器20aから活性化容器20bへの培地の移送が行われる。
また、養生容器20aの四辺はヒートシールにより密封されると共に、養生容器20a内の収容部が移送チューブ3の取り付け部分に向かって次第に狭くなるようにするのが好ましい。なお、養生容器20aは、ブロー成形による一体成型バッグでもよい。
養生容器20aを保持する保持具7には、複数の凹部701が設けられ、養生容器20aの幅方向中央部を保持する底板70と、底板70の両側端縁に沿って設けられて養生容器20aの幅方向側縁部を保持し、鉛直又は斜め方向に立ち上った状態と、底板70と水平に倒れた状態とに可変となるように、その下端側を軸に回動可能な側板71とを有している。図6は、側板71を底板70と水平に倒した状態を示している。なお、複数の凹部701を貫通孔として構成することもできる。
養生容器20aを保持具7に取り付けて保持するために、保持具7の側板71には、止め部材が立設されている。これと共に、養生容器20aの四隅には、止め部材に係止される孔が穿設されている。これにより、止め部材のそれぞれに養生容器20aの各孔を係止することで、養生容器20aが保持具7に取り付けられて、図6に示すように、側板71が底板70と水平に倒れた状態の保持具7のほぼ全面で養生容器20aが保持されるようになっている。そして、側板71が立ち上った状態から、底板70と水平に倒れた状態となるように回動するのに伴って、養生容器20aの四隅が引っ張られて、養生容器20aに張力が加わるようにしてある。
すなわち、側板71が立ち上った状態にあるときには、底板70上に保持された養生容器20aが、内容物の重さで凹部701内に部分的に落ち込むように撓むことによって、養生容器20aの底面に窪み20a−1が形成されるようになっている。そして、側板71が回動して底板70と水平に倒れた状態になると、養生容器20aの幅方向端縁部も側板71と一緒に倒れ、これに伴って、止め部材によって養生容器20aの四隅が引っ張られて張力が加わり、養生容器20aの撓みが解消されて、養生容器20aの底面に形成された窪み20a−1が消失するようになっている。
このような養生容器20aによれば、細胞培養の開始にあたって、養生容器20aに細胞と培地を含む細胞懸濁液を収容すると、細胞は養生容器20aの底面に沈降するが、このとき側板71を立ち上がった状態にしておくと、沈降した細胞が養生容器20aの底面に形成された窪み20a−1に集まって、細胞密度が高められる。
このため、細胞培養の開始時に細胞密度を高めた状態で培養を行うことができ、細胞本来の機能をより効率的に回復させることができるようになっている。具体的には、例えば、リンパ球などの浮遊系細胞を培養する場合には、養生容器20aの底面に形成された窪み20a−1に細胞が集まることにより、細胞が生成するサイトカインなどの活性化物質の濃度が局所的に高まり、また、細胞間の相互作用が生じることにより、細胞活性を高めた状態で培養することが可能になっている。
そして、養生容器20aに張力を加えて撓みを解消することによって、養生容器20aの底面に形成された窪み20a−1を消失させつつ、養生容器20a内の培養面積を拡大することができる。このため、容器の移し替えを行うことなく、養生培養工程から拡大培養工程に移行することができ、細胞へのダメージの低減、コンタミネーションのリスクの低減が可能になっている。
また、細胞の増殖がある程度進んでから養生容器20a内の培養面積を拡大させることで、同一容器内で適正な細胞密度を維持しながら、効率的に細胞を培養することができる。
このため、本実施形態における養生容器20aは、患者から採取したばかりの細胞や、凍結保存後に解凍されたばかりの細胞のようなダメージを受けて機能が衰えた細胞を養生して、細胞本来の機能を回復しつつ、効率よく培養するのに特に好適に利用することができるものとなっている。
[活性化培養容器]
活性化容器20bは、細胞を活性化させるための細胞培養に用いる容器である。活性化容器20b内の底面上には、抗CD3抗体などの、細胞を活性化させる物質が固相化されており、活性化容器20bに収容された細胞は、当該物質に結合して活性化される。抗CD3抗体は、リンパ球を活性化させるために好適に用いられる。
活性化容器20bは、養生容器と同様に、軟包材を材料として袋状(バッグ型)に形成されており、内容物を確認できるように、一部又は全部が透明性を有している。また、活性化容器20bは、養生容器20aと同様に、細胞培養に必要なガス透過性(酸素及び二酸化炭素透過性)を有し、低細胞毒性、低溶出性、及び放射線滅菌適性を有することが好ましい。活性化容器20bの材料としては、養生容器20aと同様のものを用いることができる。
活性化容器20bの形状は、特に限定されないが、例えば長方形状とすることができ、短辺側の一辺に一つのポートが備えられ、これに移送チューブ3が接続されている。そして、この移送チューブ3を介して、増幅容器20cへの細胞懸濁液の移送、培地A供給容器1a又は養生容器20aから活性化容器20bへの培地の流加、及び活性化容器20bから増幅容器20cへの培地の移送が行われる。
また、活性化容器20bの四辺はヒートシールにより密封されると共に、活性化容器20b内の収容部が移送チューブ3の取り付け部分に向かって次第に狭くなるようにするのが好ましい。なお、活性化容器20bは、ブロー成形による一体成型バッグでもよい。
活性化容器20bの容量は、養生容器20aの容量よりも大きくすることが好ましく、例えば養生容器20aの容量の2倍以上のものを好適に用いることができる。
[増幅培養容器]
増幅容器20cは、細胞を大量に増殖させるための細胞培養に用いる容器である。
増幅容器20cの形状は、特に限定されないが、例えば長方形状とすることができ、その一辺に他の容器との内容物の移送を行うためのポートが一つ備えられ、これに移送チューブ3が接続されている。そして、この移送チューブ3を介して、廃液容器としての培地容器1への上澄みの移送、回収容器としての培地容器1への細胞懸濁液の移送、培地B供給容器1b又は養生容器20a又は活性化容器20bから増幅容器20cへの培地の流加が行われる。またサンプリングチューブ20c−1を接続するためのポートも備えられている。
増幅容器20cは、細胞を大量に増殖させるために用いるため、容量の大きなものを用いることが好ましく、例えば活性化容器20bの容量の10倍程度のものを好適に用いることが可能である。
本実施形態に係る細胞培養システムにおける増幅容器20cについてのその他の点は、第一実施形態における培養容器2(三次培養容器2c)と同様の構成とすることができる。また、移送チューブ3も第一実施形態と同様のものとすることができる。
[細胞培養方法]
次に、本実施形態に係る細胞培養方法について、図5及び図6を参照して詳細に説明する。
本実施形態に係る細胞培養方法は、培養する細胞が浮遊系の細胞である場合に、複数の培養容器として、ダメージを受けた細胞の機能を回復させるための細胞培養に用いる養生培養容器、細胞を活性化させるための細胞培養に用いる活性化培養容器、及び、細胞を増殖させるための細胞培養に用いる増幅培養容器を用い、養生培養容器に細胞及び培地を含む細胞懸濁液を収容して、培地供給容器と、養生培養容器と、活性化培養容器と、増幅培養容器とを、この順番で接続し、養生培養容器においてダメージを受けた細胞の機能を回復させた後、活性化培養容器に、養生培養容器から培養された細胞を含む細胞懸濁液を移送し、養生培養容器に培地供給容器から培地を供給して、所定時間経過後、培地の温度が所定の値以上に上昇した後に、活性化培養容器に養生培養容器から培地を供給して、活性化培養容器において細胞の培養を行い、活性化培養容器において細胞を活性化させた後、増幅培養容器に、活性化培養容器から活性化された細胞を含む細胞懸濁液を移送し、養生培養容器及び/又は活性化培養容器に培地供給容器から培地を供給して、所定時間経過後、培地の温度が所定の値以上に上昇した後に、増幅培養容器に養生培養容器及び/又は活性化培養容器から培地を供給して、増幅培養容器において細胞の培養を行い、細胞を増殖させることを特徴とする。
具体的には、本実施形態に係る細胞培養方法は、(1)容器接続工程と、(2)養生培養工程と、(3)拡大培養工程と、(4)細胞移送工程1と、(5)培地流加工程1と、(6)活性化培養工程と、(7)細胞移送工程2と、(8)培地流加工程2と、(9)増幅培養工程と、(10)サンプリング工程と、(11)濃縮工程とを有するものとすることができる。
なお、増幅容器20cを二個以上接続して用いる場合には、各増幅容器20c毎に(7)〜(9)を繰り返し行う。また、(10)と(11)を省略することもできる。本実施形態では、(10)と(11)を第一実施形態と同様に行うことができるため、以下においてこれらの説明は省略する。
(1)容器接続工程
まず、本実施形態に係る細胞培養方法において用いる培地容器1と複数の培養容器2を、図5に示すように接続して、閉鎖系の細胞培養システムを構成する。
すなわち、培地容器1と、養生容器20aと、活性化容器20bと、増幅容器20cとをこの順番で移送チューブ3を用いて接続する。
このとき、養生容器20aには、培養を行う細胞と培地を含む細胞懸濁液を収容して接続する。また、培地容器1のうち、培地A供給容器1aには養生容器20a及び活性化容器20bに供給するための培地Aを、培地B供給容器1bには増幅容器20cに供給するための培地Bを充填して接続する。活性化容器20bと増幅容器20cは、空のまま接続する。培地容器1と養生容器20aの間の移送チューブ3上にはポンプが備えられ、このポンプにより培地の移送等が行われる。また、移送チューブ3上には適宜三方活栓が備えられており、これらによって送液流路を制御できるようになっている。
(2)養生培養工程
このように細胞培養システムを構成すると、まず養生容器20aにおいて細胞培養が行われ、ダメージを受けた細胞の機能回復が行われる。
このとき、養生容器20aを保持する保持具7は、側板を立ち上げた状態にして用いられる。養生容器20a内の底面は、内容物の重さで部分的に撓んで、窪みが形成されている。そして、この窪みに細胞が集められて、細胞培養の開始時に好適な細胞密度で培養が行われる。
また、培養細胞の増殖等に合わせて、培地Aが培地A供給容器1aからポンプを用いて養生容器20aに供給される。このとき、第一実施形態と同様に、培地の移送速度を通常よりも遅くして、培地の温度を上昇させつつ、移送することが好ましい。
養生培養工程において、養生容器20a内における細胞を分散させるために、第一実施形態において前述した攪拌手段を用いて、養生容器20aの内容液を撹拌することが好ましい。また、このような培養容器の内容液の攪拌を、後述する活性化培養工程において活性化容器20bに対して行っても良く、増幅培養工程において増幅容器20cに対して行うことが好ましい。なお、後述する活性化培養工程と増幅培養工程の説明において、このような培養容器の内容液の攪拌の説明は省略する。
(3)拡大培養工程
ダメージを受けた細胞の機能が回復して、細胞の増殖がある程度進んで養生培養工程が完了すると、次に拡大培養工程が行われる。
この工程では、図6に示すように、保持具7の側板を水平に倒れた状態に展開して、養生容器20aにおける培養面積を拡大して培養を行う。
このとき、保持具7に保持された養生容器20aは、その四隅が引っ張られて、張力が加えられて撓みが解消し、養生容器20a内の底面に形成されていた窪みは消失する。このため、養生容器20aにおいて細胞を底面全体に分散させて、所定の細胞密度になるまで培養することが可能になる。
この工程においても、培養細胞の増殖等に合わせて、培地Aが培地A供給容器1aからポンプを用いて養生容器20aに供給される。また、このときも第一実施形態と同様に、培地の移送速度を通常よりも遅くして、培地の温度を上昇させつつ、移送することが好ましい。
(4)細胞移送工程1
養生容器20a内の細胞密度が所定の細胞密度になり、養生培養工程が完了すると、次に養生容器20aから活性化容器20bに培養細胞の移送が行われる。
このとき、養生容器20aを、活性化容器20bへ接続するためのポートが下側になるように傾斜させて、養生容器20a内の内容液を活性化容器20bに送流する。これによって、養生容器20aで培養された細胞が、活性化容器20bに移送される。このように、養生容器20aで培養された細胞は、活性化容器20bに自然送流されるが、この送流が完了した時点では、通常、養生容器20aには、細胞が残存している。
(5)培地流加工程1
次に、培地を培地A供給容器1aから養生容器20aに流加する。このとき、第一実施形態と同様に、培地の移送速度を通常よりも遅くして、培地の温度を上昇させつつ、移送することが好ましい。
そして、養生容器20aに培地が収容された状態で、第一実施形態と同様に、そのまま所定時間が経過するのを待つことにより、培地温度を上昇させる。
次いで、前述した攪拌手段によって、養生容器20aの内容液を攪拌する。そして、培地を養生容器20aから活性化容器20bに移送する。
このように培地を養生容器20aに移送してから活性化容器20bに移送することにより、養生容器20aに残存していた細胞を培地と共に活性化容器20bに移送することができ、細胞培養における残存細胞を低減することが可能になっている。
(6)活性化培養工程
活性化容器20bへの培養細胞と培地の移送が完了すると、活性化容器20bにおいて、細胞の活性化が行われる。リンパ球を培養する場合には、活性化容器20b内の底面に抗CD3抗体が固相化されており、リンパ球はこの抗CD3抗体に結合することで活性化される。
活性化培養工程においても、培養細胞の増殖等に合わせて、培地を活性化容器20bに供給することができる。このときも培地流加工程1と同様にして培地の流加を行うことが好ましい。
(7)細胞移送工程2
活性化容器20bにおいて細胞が十分に活性化されて、活性化培養工程が完了すると、次に活性化容器20bから増幅容器20cに培養細胞の移送が行われる。
このとき、前述した攪拌手段を細胞剥離手段として用い、活性化容器20bに比較的強い振動を与えて、培養面に固相化された抗体に結合している細胞を、培養面から剥離することができる。
そして、活性化容器20bを、増幅容器20cへ接続するためのポートが下側になるように傾斜させて、活性化容器20b内の内容液を増幅容器20cに送流する。これによって、活性化容器20bで培養された細胞が、増幅容器20cに移送される。このように、活性化容器20bで活性化された細胞は、増幅容器20cに自然送流されるが、この送流が完了した時点では、通常、活性化容器20bには、細胞が残存している。
(8)培地流加工程2
次に、培地を培地B供給容器1bから養生容器20aに流加する。このときも培地流加工程1と同様に、培地の移送速度を通常よりも遅くして、培地の温度を上昇させつつ移送することができる。そして、培地流加工程1と同様に、養生容器20aに培地が収容された状態で、所定時間が経過するのを待つことにより、培地温度を上昇させる。
次いで、攪拌手段により養生容器20aの内容液を攪拌した後、培地を養生容器20aaから活性化容器20bに移送する。そして、活性化容器20bに培地が収容された状態で、所定時間が経過するのを待って培地温度を上昇させ、次いで攪拌手段により活性化容器20bの内容液を攪拌した後、培地を活性化容器20bから増幅容器20cに移送する。
このとき、培地を養生容器20aと活性化容器20bに移送してから増幅容器20cに移送するため、養生容器20aと活性化容器20bに残存していた細胞を、培地と共に増幅容器20cに移送することができ、細胞培養における残存細胞を顕著に低減することが可能になっている。
(9)増幅培養工程
増幅容器20cへの培養細胞と培地の移送が完了すると、増幅容器20cにおいて、細胞の大量増殖が行われる。細胞の増殖は、増幅容器20cにおける細胞数又は細胞密度が所定の大きさになるまで行われる。
培養細胞の増殖等に合わせて、培地Bが培地B供給容器1bからポンプを用いて増幅容器20cに供給される。このときも培地流加工程2と同様にして培地の流加を行っても良い。
培地B供給容器1bにおける全ての培地が増幅容器20cに供給され、培地B供給容器1bが空になると、空になった培地B供給容器1bは、廃液容器又は細胞回収容器として用いることができる。
このように本実施形態に係る細胞培養方法、及び細胞培養システムによれば、浮遊系の細胞を培養する場合において、培養が終了した培養容器に残存する細胞を低減できると共に、培地の温度を上昇させてから培養容器に培地を移送することができる。このため、細胞の増殖効率をより向上させることが可能になっている。
(第三実施形態)
次に、本発明の第三実施形態に係る細胞培養方法、及び細胞培養システムについて、図7を参照して説明する。
本実施形態は第二実施形態の変形例であり、本実施形態に係る細胞培養システムは、図7に示すように、培地容器1と、活性化容器20bと、増幅容器20cと、回収容器8とが、移送チューブ3により接続された構成となっている。
すなわち、本実施形態に係る細胞培養システムは、第二実施形態の細胞培養システムから養生容器20aと培地A供給容器1aが省略され、回収容器8が追加された構成となっている。なお、本実施形態において、回収容器8を複数備えることもできる。
本実施形態に係る細胞培養方法では、養生培養工程は行われず、細胞培養は活性化培養工程から開始される。そして、回収容器8によって、増幅容器20cの上澄みを回収したり、増幅容器20cから細胞懸濁液を回収したりすることが可能になっている。
その他の点については、第二実施形態と同様のものとすることができる。
このように本実施形態に係る細胞培養方法、及び細胞培養システムによれば、養生培養を行う必要のない浮遊系の細胞を培養する場合などにおいて、培養が終了した培養容器に残存する細胞を低減できると共に、培地の温度を上昇させてから培養容器に培地を移送することができる。このため、細胞の増殖効率をより向上させることが可能になっている。
(第四実施形態)
次に、本発明の第四実施形態に係る細胞培養方法、及び細胞培養システムについて、図8を参照して説明する。
[細胞培養システム]
本実施形態に係る細胞培養システムは、主として、繊維芽細胞などの接着系の細胞をより効率的に培養するためのものであり、図8に示すように、廃液回収容器12(以下、廃液容器12と称する場合がある)と、培地容器1と、洗浄液供給容器9(以下、洗浄液容器9と称する場合がある)と、酵素溶液供給容器10(以下、酵素容器10と称する場合がある)と、阻害剤溶液供給容器11(以下、阻害剤容器11と称する場合がある)と、培養面積の異なる複数の培養容器2(一次培養容器2a,二次培養容器2b,三次培養容器2c)とが、移送チューブ3を用いて接続された構成となっている。以下、第一実施形態と同様の構成については、説明を省略する。
[洗浄液供給容器]
洗浄液容器9は、洗浄液を培養容器2に供給する容器であり、図8に示すように、培地容器1と一次培養容器2aの間にチューブを用いて接続される。
洗浄液は、培養容器2内に酵素溶液を供給するのに先立って、培養容器2内に残存する培地を洗い流すために用いられる。
この洗浄液としては、生理食塩水やPBS(リン酸緩衝生理食塩水)など、一般的に使用されているものを用いることができる。
[酵素溶液供給容器]
酵素容器10は、培養された細胞を培養容器2内の底面から剥離するための酵素溶液を、培養容器2に供給する容器である。
酵素溶液は、培養容器2の培養面全体に細胞が増殖して当該培養容器2における細胞培養が完了すると、培養された細胞を次の培養容器2へ移送するのに先だって、細胞を培養容器2内の底面から剥離するために用いられる。この酵素溶液としては、接着系の細胞を容器内の底面から剥離する際に通常使用可能なものを用いることができ、例えばトリプシンなどのプロテアーゼを用いることができる。
[阻害剤溶液供給容器]
阻害剤容器11は、上記酵素溶液における酵素の活性を阻害するための阻害剤溶液を、培養容器2に供給する容器である。
阻害剤溶液は、細胞を培養容器2内の底面から剥離するために用いられた酵素の活性を阻害させるために用いられる。この阻害剤溶液としては、上記酵素を活性阻害させる際に通常使用可能なものを用いることができ、例えばトリプシンインヒビターなどのプロテアーゼインヒビターを用いることができる。なお、酵素を培地によって活性阻害させることができる場合には、本実施形態に係る細胞培養システムにおいて阻害剤容器11を省略しても良い。
[廃液回収容器]
廃液容器12は、培養容器2から洗浄液、酵素溶液、阻害剤溶液、及び培地等の廃液を回収する容器であり、これらをポンプにより移送チューブ3を介して回収することができる。
[細胞培養方法]
次に、本実施形態に係る細胞培養方法について、図8を参照して詳細に説明する。
本実施形態に係る細胞培養方法は、培養する細胞が接着系の細胞である場合に、複数の培養容器として、培養面積の異なる培養容器を用い、複数の培養容器における培養面積の最も小さい第一の培養容器に細胞及び培地を含む細胞懸濁液を収容し、複数の培養容器に培地を供給する培地供給容器に複数の培養容器を培養面積の小さい順に接続して、第一の培養容器において細胞の培養を開始し、第一の培養容器での培養が終了した後、第一の培養容器に接続された第二の培養容器に第一の培養容器から培養された細胞を含む細胞懸濁液を移送し、次いで第一の培養容器に培地供給容器から培地を供給して、所定時間経過後、第二の培養容器に第一の培養容器から培地を供給して、第二の培養容器において細胞の培養を行い、第二の培養容器での培養が終了した後、培養が終了した培養容器に接続された次の培養容器がある場合、次の培養容器への細胞懸濁液の移送、培養が終了した培養容器への培地の供給、次の培養容器への培養が終了した培養容器からの培地の供給、及び次の培養容器における細胞の培養を、培養が終了した培養容器に接続された次の培養容器がなくなるまで、繰り返して行うことを特徴とする。
具体的には、本実施形態に係る細胞培養方法は、(1)容器接続工程と、(2)一次培養工程と、(3)培地排出工程1と、(4)洗浄工程1と、(5)細胞剥離工程1と、(6)酵素活性阻害工程1と、(7)細胞移送工程1と、(8)培地流加工程1と、(9)酵素等排出工程1と、(10)培地流加工程2と、(11)二次培養工程と、(12)培地排出工程2と、(13)洗浄工程2と、(14)細胞剥離工程2と、(15)酵素活性阻害工程2と、(16)細胞移送工程2と、(17)培地流加工程3と、(18)酵素等排出工程2と、(19)培地流加工程4と、(20)三次培養工程とを有するものとすることができる。なお、培養容器2を4個以上接続して用いる場合には、四次培養以降の工程として、各培養容器2について(12)〜(20)の工程をさらに繰り返し行う。
(1)容器接続工程
まず、本実施形態に係る細胞培養方法において用いる培地容器1と複数の培養容器2等を、図8に示すように接続して、閉鎖系の細胞培養システムを構成する。
具体的には、廃液容器12と、培地容器1と、洗浄液容器9と、酵素容器10と、阻害剤容器11と、一次培養容器2aと、二次培養容器2bと、三次培養容器2cとを移送チューブ3を用いて接続する。また、培地容器1には培養容器2に供給するための培地を、洗浄液容器9には洗浄液を、酵素容器10には酵素溶液を、阻害剤容器11には阻害剤溶液をそれぞれ充填して接続する。二次培養容器2b、三次培養容器2c、及び廃液容器12は空のまま接続する。培地容器1と培養容器2の間の移送チューブ3上にはポンプが備えられ、このポンプにより培地の移送等が行われる。また、移送チューブ3上には適宜三方活栓が備えられており、これらによって送液流路を制御できるようになっている。
(2)一次培養工程
このように細胞培養システムを構成すると、まず培養面積の最も小さい一次培養容器2aにおいて、細胞培養が開始する。一次培養容器2aでは、細胞の一次培養が行われる。また、培養細胞の増殖等に合わせて、培地が培地容器1からポンプを用いて一次培養容器2aに供給される。このとき、第一実施形態と同様に、培地の移送速度を通常よりも遅くして、培地の温度を上昇させつつ、移送することが好ましい。
(3)培地排出工程1
一次培養容器2aの培養面全体に細胞が増殖すると、一次培養は完了である。そして、培養に使用された培地を、ポンプを用いて一次培養容器2aから廃液容器12に移送して排出する。
(4)洗浄工程1
次に、洗浄液容器9から洗浄液を一次培養容器2aに送流し、前述した攪拌手段を用いて一次培養容器2a内の洗浄液を攪拌してから排出する。
これによって、一次培養容器2aに残存する培地を除去することができ、次の細胞剥離工程1において一次培養容器2aに酵素溶液を送流するに際し、酵素の活性が培地により阻害されることを防止することが可能となる。
(5)細胞剥離工程1
次に、酵素容器10から酵素溶液を一次培養容器2aに送流して、一次培養容器2a内の底面に接着している細胞を剥離する。
このとき、細胞の剥離を、前述した攪拌手段を用いて、一次培養容器2aの内容液を攪拌することによって促進することが好ましい。このような攪拌手段を用いた細胞の剥離促進は、二次培養容器2b及びこれ以降に接続されるその他の培養容器についても同様に適用することができる。
(6)酵素活性阻害工程1
次に、阻害剤容器11から阻害剤溶液を一次培養容器2aに送流して、一次培養容器2a内の酵素を活性阻害させる。
(7)細胞移送工程1
次に、剥離された細胞を、一次培養容器2aから二次培養容器2bへ移送する。
このとき、一次培養容器2aを、二次培養容器2bへ接続するためのポートが下側になるように傾斜させることで、剥離された細胞を含む内容液を一次培養容器2aから二次培養容器2bに自然送流することができる。
なお、剥離された細胞を、二次培養容器2bから三次培養容器2cへ移送する場合も同様に、二次培養容器2bを、三次培養容器2cへ接続するためのポートが下側になるように傾斜させて行うことができる。
(8)培地流加工程1
次に、培地を培地容器1から一次培養容器2aに流加する。このとき、第一実施形態と同様に、培地の移送速度を通常よりも遅くして、培地の温度を上昇させつつ移送することが好ましい。そして、一次培養容器2aに培地が収容された状態で、所定時間が経過するのを待つことにより、培地温度を上昇させる。
次いで、攪拌手段により一次培養容器2aの内容液を攪拌した後、培地を一次培養容器2aから二次培養容器2bに移送する。
このように培地を一次培養容器2aに移送してから二次培養容器2bに移送することにより、培地の温度を上昇させてから二次培養容器2bに供給でき、かつ一次培養容器2aにおける残存細胞を低減することもできるため、細胞の増殖効率をより向上させることが可能になっている。
(9)酵素等排出工程1
二次培養容器2b内において、細胞が底面に接着したら、二次培養容器2bから酵素溶液、阻害剤溶液、及び培地を、ポンプを用いて廃液容器12に排出する。
(10)培地流加工程2
次に、二次培養容器2bに再度培地を供給するが、このときも培地流加工程1と同様に、培地を培地容器1から一次培養容器2aに流加して、培地の温度を上昇させてから二次培養容器2bに移送することが好ましい。
これにより、培地の温度を上昇させてから二次培養容器2bに供給できると共に、一次培養容器2aにおける残存細胞をさらに低減することができ、細胞の増殖効率をより向上させることが可能になっている。
(11)二次培養工程
以上の工程によって、培養面積のより大きい二次培養容器2bにおいて、細胞培養が行われる。また、培養細胞の増殖等に合わせて、培地が培地容器1からポンプを用いて二次培養容器2bに供給される。このときも培地流加工程1と同様にして培地の流加を行うことが好ましい。
そして、(12)培地排出工程2〜(19)培地流加工程4の工程として、前述した(3)培地排出工程1〜(10)培地流加工程2と同様の工程が行われる。このとき、培地の流加は、第一実施形態における培地流加工程2と同様に行うことが好ましい。
次に、(20)三次培養工程で、培養面積のさらに大きい三次培養容器2cにおいて細胞培養が行われ、培養細胞の増殖等に合わせて、培地が培地容器1からポンプを用いて三次培養容器2cに供給される。このときも第一実施形態における培地流加工程2と同様にして培地の流加を行っても良い。
そして、三次培養容器2cの培養面全体に細胞が増殖すると、三次培養が完了し、三次培養容器2cから大量に増殖した培養細胞を回収することが可能となる。
このように本実施形態に係る細胞培養方法、及び細胞培養システムによれば、接着系の細胞を培養する場合において、培養が終了した培養容器に残存する細胞を低減できると共に、培地の温度を上昇させてから培養容器に培地を移送することができる。このため、細胞の増殖効率をより向上させることが可能になっている。
以上、本発明について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、前述した第二実施形態では、養生容器20a、活性化容器20b、及び増幅容器20cを用いる例について説明したが、機能が異なるその他の複数の容器を用いて、本発明の実施形態に係る細胞培養システムを構成したり、あるいは上記各実施形態における構成を組み合わせたりするなど適宜変更することが可能である。
本発明は、細胞の培養容器を用いて、閉鎖系で細胞を大量に培養する再生医療や抗体医薬生産などにおいて好適に利用することが可能である。
1 培地供給容器(培地容器)
1a 培地A供給容器
1b 培地B供給容器
2 培養容器
2a 一次培養容器
20a 養生拡大培養容器(養生培養容器,養生容器)
20a−1 窪み
2b 二次培養容器
20b 活性化培養容器(活性化容器)
2c 三次培養容器
2c−1 サンプリングチューブ
20c 増幅培養容器(増幅容器)
20c−1 サンプリングチューブ
3 移送チューブ
4 積載部
41 保持板
42 回動軸
5 板カム
51 第一カム面
52 第二カム面
53 駆動軸
6 基台
7 保持具
70 底板
701 凹部
71 側板
8 回収容器
9 洗浄液供給容器(洗浄液容器)
10 酵素溶液供給容器(酵素容器)
11 阻害剤溶液供給容器(阻害剤容器)
12 廃液回収容器(廃液容器)
13 積載台

Claims (11)

  1. 複数の培養容器を用いて細胞を培養する細胞培養方法であって、
    前記複数の培養容器が、それぞれ他の容器との内容物の移送用のポートを一つ備え、
    前記複数の培養容器における第一の培養容器に細胞及び培地を含む細胞懸濁液を収容し、
    前記複数の培養容器に培地を供給する培地供給容器と前記第一の培養容器とをチューブを用いて接続すると共に、前記第一の培養容器に前記複数の培養容器におけるその他の培養容器を順次チューブを用いて接続して、
    前記第一の培養容器において細胞の培養を開始し、
    前記第一の培養容器での培養が終了した後、前記第一の培養容器に接続された第二の培養容器に前記第一の培養容器から培養された細胞を含む細胞懸濁液を移送し、次いで前記第一の培養容器に前記培地供給容器から培地を供給して、所定時間経過後、温度が上昇した培地を、前記第一の培養容器から前記第二の培養容器に供給して、前記第二の培養容器において細胞の培養を行い、
    前記第二の培養容器での培養が終了した後、培養が終了した培養容器に接続された次の培養容器がある場合、前記次の培養容器への細胞懸濁液の移送、前記培養が終了した培養容器への培地の供給、前記次の培養容器への前記培養が終了した培養容器からの培地の供給、及び前記次の培養容器における細胞の培養を、前記培養が終了した培養容器に接続された前記次の培養容器がなくなるまで、繰り返して行う
    ことを特徴とする細胞培養方法。
  2. 培養する細胞が浮遊系の細胞であり、前記複数の培養容器として、
    ダメージを受けて細胞本来の機能が衰えた細胞を、その細胞本来の機能を回復させるための細胞培養に用いる養生培養容器、
    培養する細胞を活性化させるために好適な抗体に結合させて当該細胞を活性化させるための細胞培養に用いる活性化培養容器、及び、
    細胞を増殖させるための細胞培養に用いる増幅培養容器を用い、
    前記養生培養容器に細胞及び培地を含む細胞懸濁液を収容して、前記培地供給容器と、前記養生培養容器と、前記活性化培養容器と、前記増幅培養容器とを、この順番で接続し、
    前記養生培養容器において、ダメージを受けて細胞本来の機能が衰えた細胞の細胞本来の機能を回復させた後、前記活性化培養容器に、前記養生培養容器から培養された細胞を含む細胞懸濁液を移送し、次いで前記養生培養容器に前記培地供給容器から培地を供給して、所定時間経過後、培地の温度が所定の値以上に上昇した後に、前記活性化培養容器に前記養生培養容器から培地を供給して、前記活性化培養容器において細胞の培養を行い、
    前記活性化培養容器において細胞を活性化させた後、前記増幅培養容器に、前記活性化培養容器から活性化された細胞を含む細胞懸濁液を移送し、次いで前記養生培養容器及び/又は前記活性化培養容器に前記培地供給容器から培地を供給して、所定時間経過後、培地の温度が所定の値以上に上昇した後に、前記増幅培養容器に前記養生培養容器及び/又は前記活性化培養容器から培地を供給して、前記増幅培養容器において細胞の培養を行い、細胞を増殖させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の細胞培養方法。
  3. 前記活性化培養容器において細胞を活性化させた後、前記増幅培養養容器に、前記活性化培養容器から活性化された細胞を含む細胞懸濁液を移送し、前記養生培養容器に前記培地供給容器から培地を供給して、所定時間経過後、前記活性化培養容器に前記養生培養容器から培地を供給して、所定時間経過後、前記増幅培養容器に前記活性化培養容器から培地を供給して、前記増幅培養容器において細胞の培養を行い、細胞を増殖させる
    ことを特徴とする請求項2に記載の細胞培養方法。
  4. 培養する細胞が浮遊系の細胞であり、前記複数の培養容器として、
    培養する細胞を活性化させるために好適な抗体に結合させて当該細胞を活性化させるための細胞培養に用いる活性化培養容器、及び、
    細胞を増殖させるための細胞培養に用いる増幅培養容器を用い、
    前記活性化培養容器に細胞及び培地を含む細胞懸濁液を収容して、前記培地供給容器と、前記活性化培養容器と、前記増幅培養容器とを、この順番で接続し、
    前記活性化培養容器において細胞を活性化させた後、前記増幅培養容器に、前記活性化培養容器から活性化された細胞を含む細胞懸濁液を移送し、次いで前記活性化培養容器に前記培地供給容器から培地を供給して、所定時間経過後、培地の温度が所定の値以上に上昇した後に、前記増幅培養容器に前記活性化培養容器から培地を供給して、前記増幅培養容器において細胞の培養を行い、細胞を増殖させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の細胞培養方法。
  5. 培養する細胞が接着系の細胞であり、前記複数の培養容器として、培養面積の異なる培養容器を用い、
    前記複数の培養容器における培養面積の最も小さい第一の培養容器に細胞及び培地を含む細胞懸濁液を収容し、前記複数の培養容器に培地を供給する培地供給容器に前記複数の培養容器を培養面積の小さい順に接続して、前記第一の培養容器において細胞の培養を開始する
    ことを特徴とする請求項1に記載の細胞培養方法。
  6. 培養された細胞を前記培養容器内の底面から剥離するための酵素溶液を前記培養容器に供給する酵素溶液供給容器を、前記培地供給容器と前記第一の培養容器の間にチューブを用いて接続し、
    前記酵素溶液供給容器から前記培養容器に前記酵素溶液を送流し、培養された細胞を前記培養容器内の底面から剥離して、培養された細胞を含む細胞懸濁液の移送を行う
    ことを特徴とする請求項5に記載の細胞培養方法。
  7. 前記培地供給容器に接続された第一の培養容器と、
    前記第一の培養容器に接続された第二の培養容器と、その他に接続された培養容器がある場合は、これらのその他の培養容器とを、前記培地供給容器により近く接続されたものほど相対的に高い位置に配置し、
    それぞれの前記培養容器を傾けることで、前記培養容器から次に接続された培養容器への細胞懸濁液の移送を行う
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の細胞培養方法。
  8. 一端縁に設けられた回動軸を基台に軸支した平板状の一又は二以上の保持板を有する積載部に前記複数の培養容器を別個に又は一括して保持し、
    前記回動軸を中心に前記保持板を上方に回動させることにより、前記複数の培養容器を別個に又は同時に傾けつつ初期位置よりも上方に移動させ、
    次いで、前記回動軸を中心に前記保持板を下方に回動させて、前記複数の培養容器が別個に又は同時に初期位置に戻る際に前記保持板を前記基台に当接させることによって、前記複数の培養容器に加える振動を生じさせる請求項1〜7のいずれかに記載の細胞培養方法。
  9. 浮遊系の細胞を培養するための複数の培養容器を備えた細胞培養システムであって、
    前記複数の培養容器に培地を供給する培地供給容器と、
    前記複数の培養容器として、
    ダメージを受けて細胞本来の機能が衰えた細胞を、その細胞本来の機能を回復させるための細胞培養に用いる養生培養容器と、
    培養する細胞を活性化させるために好適な抗体に結合させて当該細胞を活性化させるための細胞培養に用いる活性化培養容器と、
    細胞を増殖させるための細胞培養に用いる一又は二以上の増幅培養容器を備え、
    前記養生培養容器と、前記活性化培養容器と、前記増幅培養容器とが、それぞれ他の容器との内容物の移送用のポートを一つ備え、
    前記培地供給容器と、前記養生培養容器と、前記活性化培養容器と、前記増幅培養容器とが、この順番でチューブを用いて接続され、
    先に接続された前記養生培養容器又は前記活性化培養容器における培養が終了し、次に接続された前記活性化培養容器又は前記増幅培養容器で培養を行うにあたり、
    先に接続された前記養生培養容器又は前記活性化培養容器に、前記培地供給容器から培地を供給し、所定時間経過、温度が上昇した培地を、前記養生培養容器又は前記活性化培養容器から次に接続された前記活性化培養容器又は前記増幅培養容器に供給することを可能にした
    ことを特徴とする細胞培養システム。
  10. 接着系の細胞を培養するための複数の培養容器を備えた細胞培養システムであって、
    前記複数の培養容器に培地を供給する培地供給容器と、
    前記複数の培養容器として、培養面積の異なる培養容器を備え、
    前記複数の培養容器が、それぞれ他の容器との内容物の移送用のポートを一つ備え、
    前記培地供給容器に前記複数の培養容器が培養面積の小さい順にチューブを用いて接続され、
    先に接続された前記培養容器における培養が終了し、次に接続された前記培養容器で培養を行うにあたり、
    先に接続された前記培養容器に、前記培地供給容器から培地を供給し、所定時間経過、温度が上昇した培地を、先に接続された前記培養容器から次に接続された前記培養容器に供給することを可能にした
    ことを特徴とする細胞培養システム。
  11. 一端縁に設けられた回動軸を基台に軸支した平板状の一又は二以上の保持板を有する積載部と、
    前記保持板をフォロワとするカム機構と、を備え、
    前記複数の培養容器が別個に又は一括して前記積載部に保持されて、
    前記カム機構により前記回動軸を中心に前記保持板を上下に繰り返し回動させるとともに、前記保持板が下動して前記基台に当接したときに生じる振動を前記複数の培養容器に別個に又は同時に加えることにより前記複数の培養容器の内容液を撹拌する
    ことを特徴とする請求項9又は10に記載の細胞培養システム。
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