JP2771425B2 - 細胞の継代方法 - Google Patents

細胞の継代方法

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JP2771425B2
JP2771425B2 JP12681193A JP12681193A JP2771425B2 JP 2771425 B2 JP2771425 B2 JP 2771425B2 JP 12681193 A JP12681193 A JP 12681193A JP 12681193 A JP12681193 A JP 12681193A JP 2771425 B2 JP2771425 B2 JP 2771425B2
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兼久 横山
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  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、細胞培養における接着
性細胞の継代方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】細胞培養の分野においては、株化細胞の
ような際限なく増殖し続ける細胞を長期間培養を続ける
場合、細胞密度が過剰になったとき、細胞数を減じて新
しい培養器に移す必要がある。この操作を継代という。
【0003】従来の接着性細胞の継代の手順の1例を挙
げるとつぎのようである。先ず、培養用のフラスコやシ
ャーレで細胞を培養し増殖させる。培養容器の培養面い
っぱいに細胞が増殖したら、トリプシンやプロナーゼ等
の蛋白分解酵素を作用させ、培地を加える。その後、ピ
ペッティングにより細胞を培養面から剥がし、培地中に
細胞を分散させた後、この細胞浮遊液を遠沈管に回収す
る。このとき細胞浮遊液中にはトリプシン等の酵素がま
だ含まれているため、これらの酵素を取り除く目的で、
遠心により細胞を遠沈し、上清の培地を除く。その後、
新しい培地を加えて細胞を分散させ、この細胞浮遊液を
適度に希釈し、新しい培養容器に分注して培養を行な
う。
【0004】この方法では、細胞を剥離させる工程があ
るが、これがトリプシン等の酵素の作用条件により、細
胞の生存率に大きく影響する。トリプシン等の酵素を作
用させない場合は、セルスクレーパーにより物理的に細
胞を剥離させるが、蛋白分解酵素を作用させるのに比べ
て細胞へのダメージは少ないものの、全く影響がないと
はいえない。また、細胞を分解させる際のピペッティン
グも細胞へ与える影響が大きい。これらの細胞へのダメ
ージは、継代後の細胞の生存率に影響するほか、細胞の
増殖能の回復に要する時間へも影響する。
【0005】このように、従来の継代方法では細胞の継
代操作を行なう際に細胞へダメージを与えて、細胞のコ
ンディションを悪くするだけでなく、作業者にとっても
負担が大きい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、細胞培養の
分野での細胞の継代培養におけるこのような問題点を解
決しようとしたもので、その目的とするところは、細胞
へのダメージを少なくし、継代後の増殖能の回復を早め
ると共に、操作の簡便化を図ろうとすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに鋭意研究した結果、本発明者らは、細胞をまず厚さ
の薄いゴム状の培養用小片上で培養し、その一部をその
まま、別の培養容器の培養面に密着させて再び培養を続
けることにより、細胞の継代が可能であることを見いだ
し、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち本発明は、容器本体内の底面に、容易
に剥がすことができ培養面となる透明なゴム状の被覆部
を設けた培養容器で細胞を培養した後、被覆部を裁断し
てその一部を剥がし、前記と同様な被覆部を設けた培養
容器の被覆部培養面に密着し、培地を充填して培養を継
続することを特徴とする細胞の継代方法である。
【0009】以下、図面を参照して本発明について詳細
に説明する。本発明において使用する培養容器の形状と
しては、特に制限はないが、一般には図1に示したよう
に、容器本体(2)と蓋(1)からなるペトリ皿(a)
や、複数のウェルを有するマルチプレート(b)が用い
られる。これら培養容器の材質としては、透明性を有す
ること、細胞毒性のないこと、耐水性を有すること等が
必要とされるが、このほか、後述する被覆部(3)との
剥離性を加味して、成形品表面の極性の小さいものが好
ましい。そのような樹脂としては、ポリスチレン、ポリ
エステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビ
ニール、ポリメチルペンテン等が挙げられる。
【0010】被覆部(3)を形成する材質としては、透
明性を有すること、細胞毒性のないこと、及び柔軟性を
有することと共に、前記のような材質の容器本体の表面
から容易に剥がすことができること、耐水性を有するこ
と等の条件を満たしていればよい。このような材質とし
てはシリコーンゴムが好適である。シリコーンゴムの被
覆部(3)の形成方法は、液状の室温硬化型シリコーン
ゴムを、培養容器の容器本体(2)内に一定量づつ分注
し、水平に保ちながら室温で放置すればよく、液状シリ
コーンゴムは容器の底面に一様に広がり、やがて硬化す
る。
【0011】硬化した被覆部(3)は厚さは均一で、透
明性を有し表面は平滑である。被覆部(3)の厚さは、
液状シリコーンゴムの容器内への分注量により調整可能
であり、0.05〜0.5mmにするのが良い。0.0
5mmより薄いと容器から剥離した後の被覆部(3)の
取扱いがしにくく、また、0.5mmより厚いと、図2
に示すような被継代細胞を保持した被覆部(3′)か
ら、周りの新しい被覆部(3)への細胞の移動、増殖が
難しくなる。
【0012】このようして形成されたシリコーンゴム被
覆部(3)は表面が疎水性であるため、このままでは被
覆部(3)表面に細胞が接着しにくいので、表面を親水
化する。親水化の方法としては、コロナ放電処理、低温
プラズマ処理、紫外線照射等の物理化学的手段を用いる
のが良い。
【0013】また、本発明の方法で使用する培養容器
は、透明なプラスチック製の成形品よりなる容器に、予
め被覆部(3)を形成し、その表面を親水化処理したも
のを用いても良いが、細胞培養を行なう前に、前記のよ
うな手順で被覆部の形成と親水化処理を行なっても何ら
差しつかえはない。
【0014】次に、本発明の細胞の継代方法の一実施例
の手順について説明する。先ず、前記ような培養容器を
用意し、目的とする細胞を被覆部(3)上に播種し、常
法に従って培養を行ない、細胞数が1cm2 当たり100
00個程度になるまで増殖させる。続いて、滅菌したナ
イフ等で被覆部(3)を10〜20mm角程度に刳り貫
き、刳り貫いた被覆部(3′)を滅菌したピンセット等
を使って剥離し、図2に示すように新しい培養容器の被
覆部(3)上に、剥離した被覆部(3′)を細胞が接着
している面を上にして、密着固定する。このとき被覆部
(3)はゴム状弾性体で表面が平滑なため密着固定が確
実に行なえる。
【0015】最後に、培地を加えて蓋(1)をし、イン
キュベーター内で培養を行ない、細胞の継代培養の操作
は完了する。培養後は、被覆部(3′)上の細胞が新し
い被覆部(3)へ移行し増殖する。被覆部(3)上で細
胞が過密になってきたら、再び上記のような手順により
継代操作を行なう。
【0016】以上からわかるように、従来の細胞の継代
方法に比べて、遠心やピペッティング、蛋白分解酵素処
理等細胞にダメージを与える操作が全くないので、細胞
の回復が早くなり、又、操作が簡便になり、細胞の継代
に要する時間的コストを削減できる。
【0017】
【発明の効果】本発明による細胞の継代方法は、操作が
簡便で、かつ操作過程で発生する細胞へのダメージが少
なく、接着性細胞の継代方法として最適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法で使用する培養用容器の一例を示
す断面図である。
【図2】本発明の方法で継代した直後の状態を示す横断
面図である。
【符号の説明】
1 蓋 2 容器本体 3,3′ 被覆部

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器本体内の底面に、容易に剥がすこと
    ができ培養面となる透明なゴム状の被覆部を設けた培養
    容器で細胞を培養した後、被覆部を裁断してその一部を
    剥がし、前記と同様な被覆部を設けた培養容器の被覆部
    培養面に密着し、培地を充填して培養を継続することを
    特徴とする細胞の継代方法。
  2. 【請求項2】 被覆部が厚さ0.05〜0.5mmのシ
    リコーンゴム被膜であり、その表面が親水化処理されて
    いることを特徴とする、請求項1記載の細胞の継代方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の方法において、培養容器
    が透明なプラスチック製の成形品よりなり、その容器本
    体に液状のシリコーンゴムを注入し硬化させて被覆部を
    形成し、該被覆部の表面に物理化学的手段により親水化
    処理を施した後、細胞の培養に供することを特徴とする
    細胞の継代方法。
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JPH06335386A JPH06335386A (ja) 1994-12-06
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP6424447B2 (ja) * 2014-03-28 2018-11-21 東洋製罐グループホールディングス株式会社 細胞培養方法、及び細胞培養システム
JP6879504B2 (ja) * 2017-03-30 2021-06-02 ベセル株式会社 細胞培養プレートおよびその製造方法、ならびに細胞培養方法

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