JP6215518B2 - 磁性金属基板およびインダクタンス素子 - Google Patents

磁性金属基板およびインダクタンス素子 Download PDF

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Description

本発明は、磁性金属基板およびインダクタンス素子に関し、特に配線構造を内部に有する磁性金属基板およびこの磁性金属基板を適用したインダクタンス素子に関する。
近年のモバイル機器では、薄型化、軽量化、省エネ化、バッテリの長寿命化が要求されている。このためには、特に、電源回路の薄型化・軽量化・省エネ化、バッテリの長寿命化が必要となる。電源回路を構成する部品の内、サイズが最も大きいのは、インダクタンス素子である。
従来のインダクタンス素子に用いられる配線構造には、巻き線型、積層型、薄膜型がある。巻き線型は、強磁性体のコアに銅線を巻きつけたものであり、形状によりトロイダル、ソレノイドなどがある(例えば、特許文献1参照。)。積層型は、例えば、フェリ磁性体の酸化物(フェライトなど)をシート化し、Agなどのペーストを印刷、積層し、焼結させて一体化させたものである(例えば、特許文献2参照。)。積層型では、焼結体内部にコイル状の配線を有している。薄膜型は、スパッタリング、めっき、フォトリソグラフィ等の技術を活用して形成される。薄膜型は、強磁性体の薄膜やスパイラル銅配線などを形成させたものである(例えば、特許文献3および特許文献4参照。)。
特開2004−172396号公報 特開2007−214424号公報 特開平9−139313号公報 特開平8−88119号公報
巻き線型インダクタンス素子は、大きなインダクタンス値が得られ、大電流化が可能であるが、インダクタンス素子のサイズが大きくなり、小型化・薄型化の点で困難である。
積層型インダクタンス素子は、インダクタンス素子のサイズ、インダクタンス値、大電流化、高周波特性などの諸特性の点で優れている。しかしながら、セラミックスで形成されるため、セラミックスにクラックが生じやすく、薄型化には限界がある。
薄膜型インダクタンス素子は、非常に薄く形成可能であり、大規模集積(LSI:Large Scale Integration)回路へのオンチップ化が可能であり、高周波特性にも優れる。しかしながら、インダクタンス値が小さく、大電流化が困難であり、また相対的に実装面積が大きい。
従来のインダクタンス素子においては、セラミックス系の場合、インダクタンス用の配線は、内部に配置されることができるが、金属系の強磁性体を使用する場合、インダクタンス用の配線は、磁性材料の内部ではなく、磁性材料上に形成する構成が主流となっている。
インダクタンス素子をより薄く、実装面積を小さく形成することが望まれる。理想的には、オンチップ化若しくはワンチップ化され、LSIへ内蔵可能な小型・薄型、大きなL値・大電流対応のパワーインダクタンス素子の開発が望まれている。
本発明の目的は、薄型で、大電流化可能で、かつ高周波特性に優れた磁性金属基板、および上記の磁性金属基板を適用し、薄型で、実装面積を小さく形成でき、インダクタンス値が大きく、大電流化可能で、かつ高周波特性に優れたインダクタンス素子を提供することにある。
本発明の一態様によれば、第1透磁率を有する金属基板と、前記金属基板の表面に形成された複数の溝部と、複数の前記溝部の面上に前記溝部に沿って夫々配置された第1絶縁層と、前記第1絶縁層上に配置され、第2透磁率を有する第1金属配線層とを備え、前記第1絶縁層は、前記第1金属配線層の上面以外の面を囲むように形成されている磁性金属基板が提供される。
本発明の他の態様によれば、第1透磁率を有する金属基板と、前記金属基板の表面にコイル形状に形成された溝部と、前記溝部の表面上に前記溝部に沿って配置された第1絶縁層と、前記第1絶縁層上に配置され、第2透磁率を有する第1金属配線層とを備える磁性金属基板と、前記磁性金属基板および前記第1金属配線層の表面上に配置され、第3透磁率を有する第1ギャップ層と、前記第1ギャップ層上に配置され、第4透磁率を有する第1磁束発生層とを備え、前記第1絶縁層は、前記第1金属配線層の上面以外の面を囲むように形成されているインダクタンス素子が提供される。
本発明によれば、薄型で、大電流化可能で、かつ高周波特性に優れた磁性金属基板、および上記の磁性金属基板を適用し、薄型で、実装面積を小さく形成でき、インダクタンス値が大きく、大電流化可能で、かつ高周波特性に優れたインダクタンス素子を提供することができる。
(a)第1の実施の形態に係る磁性金属基板の模式的平面パターン構成図、(b)図1(a)のI−I線に沿う模式的断面構造図、(c)図1(a)のI−I線に沿う別の模式的断面構造図。 (a)第1の実施の形態の変形例に係る磁性金属基板の模式的平面パターン構成図、(b)図2(a)のII−II線に沿う模式的断面構造図。 (a)第1の実施の形態に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子であって、金属基板上に形成された溝部に配置された金属配線層の模式的平面パターン構成図、(b)図3(a)の金属基板10および金属配線層22・23上にギャップ層24を配置した模式的平面パターン構成図、(c)図3(b)のギャップ層上に磁束発生層を配置した模式的平面パターン構成図。 (a)図3(c)のIII−III線に沿う模式的断面構造図、(b)第2金属配線層に対して裏面電極を形成した様子を説明する模式的断面構造図、(c)第2金属配線層に対して裏面電極を形成した様子を説明する別の模式的断面構造図。 (a)比較例に係るインダクタンス素子の動作を説明する模式的鳥瞰構造図、(b)第1の実施の形態に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子の動作を説明する模式的鳥瞰構造図。 (a)第1の実施の形態に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子において、金属配線層を導通する電流によって、金属配線層の周囲に磁界Hが発生する様子を説明する模式的断面構造図、(b)第1の実施の形態に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子において、ギャップ層および磁束発生層の効果によって、磁束密度Bが磁束発生層内に発生する様子を説明する模式的断面構造図。 第1の実施の形態に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子を金属基板からなるウェハ上に複数形成した様子を説明する模式的平面パターン構成図。 第1の実施の形態に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子の周波数特性例。 (a)第1の実施の形態に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子の磁束発生層の磁化特性例、(b)第1の実施の形態に係る磁性金属基板に適用される軟磁性膜の比透磁率μrの周波数特性例、(c)第1の実施の形態に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子の磁束発生層の断面SEM写真例。 (a)第1の実施の形態に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子において、金属基板に溝部を形成した様子を示す模式的鳥瞰構造図、(b)溝部に金属配線層を形成した様子を示す模式的鳥瞰構造図。 (a)第1の実施の形態に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子において、金属基板および金属配線層上にギャップ層を形成した様子を示す模式的鳥瞰構造図、(b)金属基板の裏面に金属配線層23を形成した様子を示す模式的鳥瞰構造図、(c)金属基板の裏面に裏面電極23aを形成した様子を示す模式的鳥瞰構造図。 (a)第1の実施の形態に係る磁性金属基板を適用した別のインダクタンス素子であって、金属基板上に形成された円形状の溝部の模式的平面パターン構成図、(b)図12(a)の円形状の溝部に金属配線層を配置した模式的平面パターン構成図、(c)第1の実施の形態に係る磁性金属基板を適用した更に別のインダクタンス素子であって、金属基板上に形成された八角形状の溝部に金属配線層を配置した模式的平面パターン構成図、(d)第1の実施の形態に係る磁性金属基板を適用した更に別のインダクタンス素子であって、金属基板上に形成された対向する2つの三角形状の溝部に金属配線層を配置した模式的平面パターン構成図。 第1の実施の形態に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子を構成部品として適用する電源回路の構成例。 第1の実施の形態に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子の製造方法の一工程を説明する模式的断面構造であって、(a)矩形状の溝部を形成した例、(b)台形状の溝部を形成した例、(c)三角形状の溝部を形成した例。 第1の実施の形態に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子の製造方法の一工程を説明する模式的断面構造図(その1)。 第1の実施の形態に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子の製造方法の一工程を説明する模式的断面構造図(その2)。 第1の実施の形態に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子の製造方法の一工程を説明する模式的断面構造図(その3)。 (a)第1の実施の形態に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子の製造方法の一工程を説明する模式的断面構造図(その4)、(b)図18(a)のA部分の拡大図。 第1の実施の形態に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子の製造方法の一工程を説明する模式的断面構造図(その5)。 (a)第1の実施の形態に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子の製造方法の一工程を説明する模式的断面構造図(その6)、(b)第1の実施の形態に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子の製造方法の変形例の一工程を説明する模式的断面構造図。 第1の実施の形態に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子の製造方法の一工程を説明する模式的断面構造図(その7)。 第1の実施の形態に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子の製造方法の一工程を説明する模式的断面構造図(その8)。 第1の実施の形態に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子の製造方法の一工程を説明する模式的断面構造図(その9)。 第1の実施の形態に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子の製造方法によって形成されたインダクタンス素子の部分拡大構造図。 (a)第2の実施の形態に係る磁性金属基板の模式的平面パターン構成図、(b)図25(a)のIV−IV線に沿う模式的断面構造図、(c)図25(a)のIV−IV線に沿う別の模式的断面構造図。 (a)第2の実施の形態の変形例に係る磁性金属基板の模式的平面パターン構成図、(b)図26(a)のV−V線に沿う模式的断面構造図。 第2の実施の形態に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子であって、金属基板10にスリットを形成し絶縁層で充填し、かつギャップ層上に分離された磁束発生層を配置した模式的平面パターン構成図。 (a)図27のVI−VI線に沿う模式的断面構造図、(b)図27のVII−VII線に沿う模式的断面構造図。 (a)第2の実施の形態に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子の動作を説明する模式的鳥瞰構造図、(b)金属基板10にスリットを形成し絶縁層で充填した様子を示す拡大された模式的平面パターン構成図。 (a)第2の実施の形態に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子において、金属配線層を導通する電流によって、金属配線層の周囲に磁界Hが発生する様子を説明する模式的断面構造図、(b)第2の実施の形態に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子において、ギャップ層および磁束発生層の効果によって、磁束密度Bが磁束発生層内に発生する様子を説明する模式的断面構造図。 (a)金属基板10に渦電流が発生する様子を説明する模式的鳥瞰図、(b)スリットを形成した金属基板10に渦電流が発生する様子を説明する模式的鳥瞰図。 第2の実施の形態に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子であって、スリットを有する金属基板上に形成された溝部に配置された金属配線層の模式的鳥瞰構成図。 (a)図32のVIII−VIII線に沿う模式的断面構造図、(b)図32のIX−IX線に沿う模式的断面構造図。 第2の実施の形態に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子であって、(a)金属基板に十字状にスリットを備える鳥瞰構成図、(b)金属基板に格子状にスリットを備える鳥瞰構成図、(c)金属基板に十字状かつ格子状にスリットを備える鳥瞰構成図、(d)金属基板に細かい格子状にスリットを備える鳥瞰構成図。 第2の実施の形態に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子であって、スリットSLの数とインダクタンスおよびQの値との関係を示す図。 (a)スリットSLが1本の場合の磁束の漏洩状態を示すシミュレーション結果、(b)スリットSLが4本の場合の磁束の漏洩状態を示すシミュレーション結果。 第1の実施の形態に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子であって、(a)渦電流ループの様子を示す模式的鳥瞰図、(b)図37(a)のX−X線に沿う模式的断面構造図。 第2の実施の形態に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子であって、(a)渦電流ループの様子を示す模式的鳥瞰図、(b)図38(a)のXI−XI線に沿う模式的断面構造図。 第2の実施の形態の変形例2に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子であって、(a)渦電流ループの様子を示す模式的鳥瞰図、(b)図39(a)のXII−XII線に沿う模式的断面構造図。 第2の実施の形態の変形例3に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子であって、図39(a)に対応する構造のXII−XII線に沿う模式的断面構造図。 図40の詳細な模式的断面構造図。 第1の実施の形態に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子の渦電流の様子を示すシミュレーション結果であって、(a)金属基板に流れる電流の密度を示す平面パターン図、(b)図42(a)に対応する金属基板に流れる電流の様子を示す模式的鳥瞰図。 第2の実施の形態の変形例3に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子の渦電流の様子を示すシミュレーション結果であって、(a)金属基板に流れる電流の密度を示す平面パターン図、(b)図43(a)に対応する金属基板に流れる電流の様子を示す模式的鳥瞰図。 金属基板の材料をパラメータとする表皮深さdと周波数との関係を示す図。 第2の実施の形態の変形例3に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子の製造方法の製造工程(その1)であって、(a)表面側の模式的鳥瞰図、(b)裏面側の模式的鳥瞰図、(c)図45(a)のXIII−XIII線に沿う模式的断面構造図。 第2の実施の形態の変形例3に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子の製造方法の製造工程(その2)であって、(a)表面側の模式的鳥瞰図、(b)裏面側の模式的鳥瞰図、(c)図46(a)のXIV−XIV線に沿う模式的断面構造図。 第2の実施の形態の変形例3に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子の製造方法の製造工程(その3)であって、(a)表面側の模式的鳥瞰図、(b)裏面側の模式的鳥瞰図、(c)図47(a)のXV−XV線に沿う模式的断面構造図。 第2の実施の形態の変形例3に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子の製造方法の製造工程(その4)であって、(a)表面側の模式的鳥瞰図、(b)裏面側の模式的鳥瞰図、(c)図48(a)のXVI−XVI線に沿う模式的断面構造図。 第2の実施の形態の変形例3に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子の製造方法の製造工程(その5)であって、(a)表面側の模式的鳥瞰図、(b)裏面側の模式的鳥瞰図、(c)図49(a)のXVII−XVII線に沿う模式的断面構造図。 第2の実施の形態の変形例3に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子の製造方法の製造工程(その6)であって、(a)表面側の模式的鳥瞰図、(b)裏面側の模式的鳥瞰図、(c)図50(a)のXVIII−XVIII線に沿う模式的断面構造図。 第2の実施の形態の変形例3に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子の製造方法の製造工程(その7)であって、(a)表面側の模式的鳥瞰図、(b)裏面側の模式的鳥瞰図、(c)図51(a)のXIX−XIX線に沿う模式的断面構造図。 第2の実施の形態の変形例3に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子の製造方法の製造工程(その8)であって、(a)表面側の模式的鳥瞰図、(b)裏面側の模式的鳥瞰図、(c)図52(a)のXX−XX線に沿う模式的断面構造図。 第2の実施の形態の変形例3に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子の製造方法の製造工程(その9)であって、(a)表面側の模式的鳥瞰図、(b)裏面側の模式的鳥瞰図、(c)図53(a)のXXI−XXI線に沿う模式的断面構造図。
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
又、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の実施の形態は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の実施の形態は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
[第1の実施の形態]
(磁性金属基板)
第1の実施の形態に係る磁性金属基板の模式的平面パターン構成は、図1(a)に示すように表され、図1(a)のI−I線に沿う模式的断面構造は、図1(b)に示すように表され、図1(a)のI−I線に沿う別の模式的断面構造は、図1(c)に示すように表される。
第1の実施の形態に係る磁性金属基板2は、図1に示すように、第1透磁率を有する金属基板10と、金属基板10の内部に配置された第1絶縁層16aと、第1絶縁層16a上に配置され、第2透磁率を有する第1金属配線層22とを備える。
また、第1の実施の形態に係る磁性金属基板2において、金属基板10の第1透磁率は、第1金属配線層22の第2透磁率よりも大である。
また、金属基板10は、磁性材料で形成されていても良い。
また、第1金属配線層22は、図1(b)に示すように、金属基板10の表面に形成された矩形状の溝部(トレンチ)内に第1絶縁層16aを介して配置されていても良い。
また、第1金属配線層22は、図1(c)に示すように、金属基板10の表面に形成されたU字形状の溝部内に第1絶縁層16aを介して配置されていても良い。
また、第1の実施の形態の変形例に係る磁性金属基板の模式的平面パターン構成は、図2(a)に示すように表され、図2(a)のII−II線に沿う模式的断面構造は、図2(b)に示すように表される。
第1の実施の形態の変形例に係る磁性金属基板2は、図2に示すように、金属基板10を貫通する貫通孔(スルーホール)内に配置された第2絶縁層16bと、第2絶縁層16b上に配置され、貫通孔を充填する第2金属配線層23とをさらに備える。
溝部(トレンチ)は、金属基板10のウェットエッチング、レーザ加工、若しくはプレス加工により形成可能である。
貫通孔(スルーホール)は、金属基板10のウェットエッチング、レーザ加工、若しくはプレス加工により形成可能である。
第1金属配線層22は、スパッタリング法、蒸着法、若しくは無電解めっき法により溝部内の第1絶縁層16a上に形成されたシード層18(後述する図18を参照)上に、電解めっき法によって、所定の厚さまで形成されても良い。
第2金属配線層23は、スパッタリング法、蒸着法、若しくは無電解めっき法により貫通孔内の第2絶縁層16b上に形成されたシード層18(後述する図18を参照)上に、電解めっき法によって、貫通孔を充填する所定の厚さまで形成されても良い。
第1金属配線層22は、例えば、Cu、Agなどで形成可能である。同様に、第2金属配線層23は、例えば、Cu、Agなどで形成可能である。
図1においては、第1の実施の形態に係る磁性金属基板2の最小単位の構成が示されている。
図1(b)の構成では、矩形型に形成された溝部(トレンチ)内に、第1絶縁層16aを形成後、第1絶縁層16a上に第1金属配線層22を配置した構造が示されている。
図1(c)の構成では、U字型に形成された溝部内に、第1絶縁層16aを形成後、第1絶縁層16a上に第1金属配線層22を配置した構造が示されている。溝部の断面構造は、台形、三角形、その他の任意の形状であっても良い。
第1の実施の形態およびその変形例に係る磁性金属基板2においては、磁性材料である金属基板に溝部/貫通孔を形成し、その内部に第1金属配線層22/第2金属配線層23を配置している。
(磁性金属基板の製造方法)
磁性金属基板の製造方法の一例は、以下の通りである。
(a)まず、金属基板10となる磁性金属フィルムを洗浄後、化学研磨する。ここで、磁性金属フィルムには、例えば、PCパーマロイ(NiFeMoCu)を適用可能である。化学研磨された磁性金属フィルムの厚さは、例えば、80μm〜100μm程度である。
(b)次に、金属基板10に対して、溝部/貫通孔を形成する。溝部/貫通孔は、例えば、レジストパターニング後、ウェットエッチング、レーザ加工、若しくはプレス加工によって形成可能である。
(c)次に、金属基板10全面に絶縁膜を形成する。例えば、プラズマ気相堆積(PCVD:Plasma Chemical Vapor Deposition)技術を用いて、シリコン酸化膜を約1μm以上となる厚さに形成する。
(d)次に、金属基板10全面にシード層を形成する。シード層は、例えば、Cuのスパッタリング技術を用いて、形成可能である。
(e)次に、シード層を形成した金属基板10全面にフォトレジストを用いて、めっき前パターニング処理を実施する。
(f)次に、めっき前パターニング処理を実施された金属基板10全面のシード層上に、電解めっきを実施して、Cuからなる金属配線層22、23を形成する。
(g)次に、フォトレジストを剥離し、剥離された面上のシード層をエッチングにより除去する。シード層のエッチングには、例えば、ウェットエッチング技術、若しくはドライエッチング技術を適用可能である。この結果、余分なCuを除去することができる。
以上の工程によって、第1の実施の形態およびその変形例に係る磁性金属基板2が完成される。
第1の実施の形態およびその変形例に係る磁性金属基板においては、磁性材料である金属基板内部に配線構造を形成することで、デバイスの厚みを薄く形成することができる。
第1の実施の形態およびその変形例に係る磁性金属基板においては、強磁性体金属や合金からなる金属基板の内部に配線構造を配置できるため、配置面積に対して相対的に大きな値のインダクタンスを得ることができる。
第1の実施の形態およびその変形例によれば、薄型で、大電流化可能で、かつ高周波特性に優れた磁性金属基板を提供することができる。
(インダクタンス素子)
第1の実施の形態に係る磁性金属基板2を適用したインダクタンス素子4であって、金属基板10上に形成された溝部12に配置された金属配線層22・23の模式的平面パターン構成は、図3(a)に示すように表され、図3(a)の金属基板10および金属配線層22・23上にギャップ層24を配置した模式的平面パターン構成は、図3(b)に示すように表され、図3(b)のギャップ層24上に磁束発生層26を配置した模式的平面パターン構成は、図3(c)に示すように表される。
また、図3(c)のIII−III線に沿う模式的断面構造は、図4(a)に示すように表され、第2金属配線層23に対して裏面電極23aを形成した様子を説明する模式的断面構造は、図4(b)に示すように表され、第2金属配線層23に対して裏面電極23aを形成した様子を説明する別の模式的断面構造は、図4(c)に示すように表される。
第1の実施の形態に係る磁性金属基板2を適用したインダクタンス素子4は、図3および図4に示すように、第1透磁率を有する金属基板10と、金属基板10の内部に配置された第1絶縁層16aと、第1絶縁層16a上に配置され、第2透磁率を有する第1金属配線層22とを備える磁性金属基板2と、磁性金属基板2上に配置され、第3透磁率を有するギャップ層24と、ギャップ層24上に配置され、第4透磁率を有する磁束発生層26とを備える。
また、金属基板10の第1透磁率は、第1金属配線層22の第2透磁率およびギャップ層24の第3透磁率よりも大であり、磁束発生層26の第4透磁率は、ギャップ層24の第3透磁率よりも大である。
また、金属基板10と磁束発生層26は、強磁性体で形成され、ギャップ層24は、常磁性体または反磁性体で形成されていても良い。
また、金属基板10と磁束発生層26は異なる材料から形成されていても良い。例えば、磁束発生層26には、高周波特性の優れた軟磁性体膜を適用し、磁場発生層として動作する金属基板10には、大電流駆動に適した磁性金属フィルムを適用することによって、両者の役割を分担することが可能である。
また、第1金属配線層22は、コイル形状を備えていても良い。ここで、コイル形状は、図3に示すように、矩形、後述する図12に示すように、円形・八角形・三角形のいずれかの平面パターンを有していても良い。さらに、コイル形状は、多角形、或いは任意のパターンを有していても良い。
また、金属基板10は、高飽和磁束密度を有する軟磁性体からなり、磁束発生層26は、高周波特性を有する軟磁性体から形成されていても良い。
また、第1金属配線層22は、図4(a)〜図4(c)に示すように、金属基板10の表面に形成された溝部内に第1絶縁層16aを介して配置されていても良い。
また、第1の実施の形態に係る磁性金属基板2を適用したインダクタンス素子4は、図4(a)〜図4(c)に示すように、金属基板10を貫通する貫通孔内に配置された第2絶縁層16bと、第2絶縁層16b上に配置され、貫通孔を充填する第2金属配線層23とをさらに備えていても良い。また、図4(b)〜図4(c)に示すように、金属基板10の裏面には、第1絶縁層16aおよび第2絶縁層16bと同一工程で形成可能な絶縁層16を備える。
また、第1金属配線層22は、図3に示すように、金属基板10の表面においてコイル形状の一端を第2金属配線層23に接続されていても良い。
また、第2金属配線層23は、図4(b)〜図4(c)に示すように、金属基板10の裏面に配置された裏面電極23aで終端されていても良い。裏面電極23aは、図4(b)に示すように、金属基板10の裏面において、第2金属配線層23と接続されていても良い。或いは、裏面電極23aは、図4(c)に示すように、金属基板10の裏面よりも貫通孔側に窪んだ面において、第2金属配線層23と接続されていても良い。
また、溝部12は、金属基板10のウェットエッチング、レーザ加工、若しくはプレス加工により形成可能である。
同様に、貫通孔は、金属基板10のウェットエッチング、レーザ加工、若しくはプレス加工により形成可能である。
また、第1金属配線層22は、スパッタリング法、蒸着法、若しくは無電解めっき法により溝部内の第1絶縁層16a上に形成されたシード層18(後述する図18を参照)上に、電解めっき法によって、所定の厚さまで形成されていても良い。
また、第2金属配線層23は、スパッタリング法、蒸着法、若しくは無電解めっき法により貫通孔内の第2絶縁層16b上に形成されたシード層18(後述する図18を参照)上に、電解めっき法によって、貫通孔を充填する所定の厚さまで形成されていても良い。
第1の実施の形態に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子4においては、磁場発生層として動作する磁性金属基板2と磁束発生層26との間にギャップ層24を設けている。金属基板10に溝部を形成し、溝部内部に金属配線層22・23を配置している。
ここで、磁束発生層26の主な役割は、磁束Φの発生である。磁束発生層26は、強磁性体で形成可能である。この材料の特徴としては、高周波特性に優れる軟磁性体である点にある。
ギャップ層24の主な役割は、磁性金属基板2において発生した磁界Hを集中させる点にある。ギャップ層24は、常磁性体もしくは反磁性体で形成可能である。この材料の特徴としては、薄い厚みを有する点にあり、例えば、約20μm以下、好ましくは5μm以下である。
磁性金属基板2の主な役割は、磁界Hの発生である。金属基板10は、強磁性体で形成可能である。この材料の特徴としては、大きな透磁率を有し、飽和磁束密度が大きい点である。
第1の実施の形態に係る磁性金属基板2を適用したインダクタンス素子4においては、金属基板10は、透磁率が大きいため、同じ電流値に対してより大きな磁界Hを発生することができる。このため、インダクタンス値を大きくすることができる。
また、発生した磁界Hは、ギャップ層24に集中する。このため、周囲へのノイズの影響を低く抑制することができる。
また、磁束発生層26は、高周波特性に優れており、このため、インダクタンス素子4は高周波動作可能である。
また、金属基板10は、飽和磁束密度が大きい材料で形成可能であることから、大電流に対してもインダクタンス素子4は動作可能である。
また、第1の実施の形態に係る磁性金属基板2を適用したインダクタンス素子4は、溝部を利用した効率的な内部構造を備え、例えば、500μm以下、好ましくは200μm以下の薄型化が可能である。
第1の実施の形態に係る磁性金属基板2を適用したインダクタンス素子4においては、小型・薄型で、大電流・高周波特性を有するインダクタンスが実現可能である。
第1の実施の形態に係る磁性金属基板2を適用したインダクタンス素子4においては、例えば、素子面積が2mm角で、厚さが150μm以下、電流容量が約300mA〜600mA程度、動作周波数が数10MHz、インダクタンス値が約0.2μH〜約0.4μH程度のインダクタンス素子が実現されている。
(インダクタンス素子の動作)
比較例に係るインダクタンス素子の動作を説明する模式的鳥瞰構造は、図5(a)に示すように表され、第1の実施の形態に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子の動作を説明する模式的鳥瞰構造は、図5(b)に示すように表される。尚、図5(b)においては、ギャップ層24上には、磁束発生層26が配置されているが、図面の簡略化のため、図示は省略されている。
比較例に係るインダクタンス素子では、インダクタンス素子が空芯の場合に対応しており、図5(a)に示すように、発生する磁界Hと磁束密度Bは、同じ向きとなる。これに対して、第1の実施の形態に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子では、図5(b)に示すように、ギャップ層24・磁束発生層26の効果によって、発生する磁界Hと磁束密度Bは、ベクトルの向きが異なる。磁界Hは、主にZ軸方向に発生し、特にギャップ層24に集中している。また、磁束密度Bは、X−Y方向に発生し、特に磁束発生層26に集中している。
第1の実施の形態に係る磁性金属基板2を適用したインダクタンス素子4において、金属配線層22・23を導通する電流によって、金属配線層22・23の周囲に磁界Hが発生する様子を説明する模式的断面構造は、図6(a)に示すように表され、ギャップ層24および磁束発生層26の効果によって、磁束密度Bが磁束発生層26内に発生する様子を説明する模式的断面構造は、図6(b)に示すように表される。
第1の実施の形態に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子4において、磁界Hと磁束密度Bのベクトルの向きが異なる理由を以下に説明する。
金属配線層22・23に電流を流すことで、磁界Hが発生する。この磁界Hは、自由電流Jの周りに生じる渦状の場である。式で説明すると、▽×H=Jを満たすように生じる磁界Hのことである。磁束密度Bは、磁束Φの単位面積当たりの面密度である。
一方、磁性体に磁界Hを印加すると、磁化Mが発生する。磁束密度Bは、磁性体に生じた磁化Mの分まで考慮に入れる必要がある。よって、磁束密度B=μ0(H+M)で表され、いわば、物質が存在しない場合の磁束密度B=μ0Hに、磁化された物質の磁束密度μ0Mが足し合わされた形になる。ここで、μ0は、真空透磁率である。
また、一般的に、磁化Mは必ずしも外部磁界Hの方向と一致する訳ではなく、ベクトル合成の結果として、磁束密度Bの向きは決定される。
図5(a)に示された空芯コイルの場合は、この磁化Mが存在しないため、磁界Hの向きと磁束密度Bの向きは同じになる。
一方、第1の実施の形態に係る磁性金属基板2を適用したインダクタンス素子4においては、その構成上、金属配線層22・23からなるコイルの上下には、金属基板10・磁束発生層26の強磁性体が配置されている。強磁性体は自発磁化を有しており、磁区に分割され、全体の磁化Mは通常0となっている。ここで、磁区と磁区は、磁区内より高いエネルギーを持つが容易に移動可能な磁壁で区切られている。このとき、外部から磁界Hがかかると、ポテンシャルエネルギーを低下させるように磁化Mが発生する。この磁化Mによる寄与分のために、磁束密度Bの向きは磁界Hとは異なる方向になる。
ベクトルの向きは、マクスウェルの方程式から導かれる磁場解析における基礎方程式を解くことで、確認可能である。実際には、有限要素法などの計算結果を用いて確認することができる。
磁性金属基板2と磁束発生層26とで挟まれるギャップ層24に磁界HがZ軸方向の向きで集中する理由は、以下の通りである。
金属配線層22・23からなるコイルに電流を流すことで、磁界Hが発生する。この磁界Hは銅線の周りを回転するようなループを形成する。第1の実施の形態に係る磁性金属基板2を適用したインダクタンス素子4の構造では、ギャップ層24の上下に金属基板10と磁束発生層26からなる強磁性体が配置されているため、この部分の磁気抵抗は非常に低くなる。一方、ギャップ層24部分は常磁性体になっているが、距離が非常に小さくなっており、磁気回路としては繋がった状態である。このとき、金属基板10と磁束発生層26の透磁率と比較して、金属基板10と磁束発生層26に挟まれたギャップ層24の透磁率が著しく小さくなっていることが第1の実施の形態に係る磁性金属基板2を適用したインダクタンス素子4の構造上重要な点である。
ギャップ層24の部分は常磁性体であるので、B=μrHが成立しているものと考えることができる。つまり、磁界H=B/μrで表される。ここで、μrは、ギャップ層24を構成する常磁性体の透磁率である。
磁気回路における断面積をS、磁束をΦとすれば、磁束密度B=Φ/Sで表されるため、磁界H=Φ/(S・μr)が成立する。ここで、磁束Φは磁気回路では一定で連続、微小領域では断面積も一定と考えられるので、透磁率μrが小さいギャップ層24においては磁界Hが大きくなる。
磁束密度BがXY方向に発生し、磁束発生層26に集中する理由は、以下の通りである。
磁界Hが磁性体に作用すると、磁性体の表面には仮想的に磁荷が発生する。この磁荷には極性があり、外部にはループ状の磁場を形成するが、磁性体の内部には反磁場と呼ばれる逆向きの磁界が形成される。この反磁場の影響で、磁性体内部の有効磁界の値は減少する。
第1の実施の形態に係る磁性金属基板2を適用したインダクタンス素子4の構造では、金属配線層22・23が形成される金属基板10には透磁率が高い強磁性体を採用している。金属配線層22・23から見ると、横側や下側の金属基板10には透磁率が高い強磁性体材料(たとえばパーマロイ)が配置されている。しかし、上側には透磁率が高い強磁性体材料が存在しない。この構造で金属配線層22・23に電流を流すと、図6(a)に示すように、上部空間ではループ状に磁界Hが形成されるが、金属基板10の内部では、反磁場の影響で著しく磁界Hが小さくなる。
この時、ギャップ層24を介して、上部に磁束発生層26を配置すると、この磁界Hによって、磁気抵抗が低い磁束発生層26の磁性体内には大きな磁束密度Bが発生する。
磁束発生層26の透磁率が高い場合、発生する磁束も大きくなり、大きなインダクタンス値が得られる。より正確には、磁界Hと同じ方向の磁束密度Bも発生し、また、下部の金属基板10にも磁束密度Bは発生する。しかしながら、渦電流の影響などがあり、上部の磁束発生層26に発生する磁束密度Bの成分の寄与が大きいため、磁束密度Bが上部の磁束発生層26に集中する。
(ウェハ上に複数形成したインダクタンス素子)
第1の実施の形態に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子4を金属基板10からなるウェハ上に複数形成した様子を説明する模式的平面パターン構成は、図7に示すように表される。この金属基板10からなるウェハは、磁性金属フィルムをウェハ状にカットすることによって形成することができる。ウェハ状にカットされた磁性金属フィルムに対して、半導体プロセスや受動部品の製造プロセスを適用可能である。例えば、図7において、インダクタンス素子4の寸法D1×D2は、約1.5mm×約1.5mmである。
(周波数特性例)
第1の実施の形態に係る磁性金属基板2を適用したインダクタンス素子4のインダクタンス値の周波数特性例は、図8に示すように表される。数10MHz帯の高周波帯域においてもインダクタンス値の低下が抑制され、高周波動作が可能である。尚、図示は省略するが、DC直流バイアス電流に対するインダクタンス値の変化率特性例では、例えば、測定周波数6MHzにおいて、0〜600mAの範囲内で、0.5%以下である。
(磁化特性例)
また、第1の実施の形態に係る磁性金属基板2を適用したインダクタンス素子4の磁束発生層26の磁化特性例は、図9(a)に示すように表される。
また、第1の実施の形態に係る磁性金属基板に適用される軟磁性膜の比透磁率μrの周波数特性例は、図9(b)に示すように表される。
また、第1の実施の形態に係る磁性金属基板2を適用した磁束発生層26の断面SEM写真例は、図9(c)に示すように表される。ここで、磁束発生層26は、図9(c)に示すように、Si基板30上にSiO2膜28を介して配置されている。
磁束発生層26内の磁束密度Bは、図9(a)から明らかなように、外部磁界H(A/m)の変化に対してヒステリシス特性を示している。磁束発生層26には、周波数特性の良好なアモルファス系軟磁性膜として、CoTaZrを形成している。ここで、原子組成比は、例えば、Co:92.5%、Ta:4.6%、Zr:2.9%である。磁束発生層26には、スパッタリング技術による形成条件を最適化することによって、周波数特性の良好なアモルファス系軟磁性膜を形成することができる。
軟磁性膜に関しては、比透磁率μrの値は、30以上、望ましくは100以上であり、かつ高周波まで一定であることが望まれる。例えば、DC−DCコンバータでの使用を考えた場合、低周波では、インダクタンス自身や周辺部品(コンデンサなど)のサイズが大きくなり易く、一方高周波においては、スイッチングロスが大きくなり易い。そのため、例えば、約1MHz〜約30MHzの周波数範囲において、比透磁率μrの値が一定であることが望ましい。
第1の実施の形態に係る磁性金属基板に適用される軟磁性膜の比透磁率μrの周波数特性例は、図9(b)に示すように、約100KHz〜約100MHzの広い周波数範囲に亘り、約500程度の高い値を示している。
第1の実施の形態に係る磁性金属基板2を適用したインダクタンス素子4において、金属基板10に溝部12を形成した様子を示す模式的鳥瞰構造は、図10(a)に示すように表され、溝部12に金属配線層22・23を形成した様子を示す模式的鳥瞰構造は、図10(b)に示すように表される。
さらに、第1の実施の形態に係る磁性金属基板2を適用したインダクタンス素子4において、金属基板10および金属配線層22上にギャップ層24を形成した様子を示す模式的鳥瞰構造は、図11(a)に示すように表され、金属基板10の裏面に金属配線層23を形成した様子を示す模式的鳥瞰構造は、図11(b)に示すように表され、金属基板10の裏面に裏面電極23aを形成した様子を示す模式的鳥瞰構造は、図11(c)に示すように表される。図4(b)〜図4(c)に示すように、金属基板10の裏面には、絶縁層16が形成されていて、裏面電極23aと金属基板10間は、絶縁される。図11(c)から明らかなように、裏面電極23aは、金属基板10の中央部、および4隅に配置されている。これら5個の裏面電極23aの内、図11(b)に示す金属配線層23の対応した2個のみが、金属配線層23と電気的に接続され、残りの3個は、絶縁層16上に配置されており、コンタクトは形成されていない。
例えば、図11(b)に示すように、金属配線層22・23からの電極取出しは、例えば、図11(b)に示すように、中央部、および4隅に配置されている裏面電極23aから行うことができる。
なお、鳥瞰構造は図示を省略するが、ギャップ層24上には、磁束発生層26が、図3(c)、図4(a)〜図4(c)と同様に形成される。また、裏面電極23aの配置パターンは、金属基板10の中央部、および4隅に限定されるものではなく、金属配線層22・23の平面的な配置パターンに応じて適宜選択可能である。また、金属配線層22・23からの電極取出しは、金属基板10の裏面に限定されるものではなく、金属基板10の表面に電極取出し用のパッド電極を形成することによって、金属基板10の表面からも取り出すことができる。
さらに、第1の実施の形態に係る磁性金属基板を適用した別のインダクタンス素子4であって、金属基板10上に形成された円形状の溝部12の模式的平面パターン構成は、図12(a)に示すように表され、図12(a)の円形状の溝部12に金属配線層22・23を配置した模式的平面パターン構成は、図12(b)に示すように表される。
さらに、第1の実施の形態に係る磁性金属基板を適用した別のインダクタンス素子4であって、金属基板10上に形成された円形状の溝部12の模式的平面パターン構成は、図12(a)に示すように表され、図12(a)の円形状の溝部12に金属配線層22・23を配置した模式的平面パターン構成は、図12(b)に示すように表される。また、第1の実施の形態に係る磁性金属基板を適用した更に別のインダクタンス素子4であって、金属基板10上に形成された八角形状の溝部12に金属配線層22・23を配置した模式的平面パターン構成は、図12(c)に示すように表され、第1の実施の形態に係る磁性金属基板を適用した更に別のインダクタンス素子4であって、金属基板10上に形成された対向する2つの三角形状の溝部12に金属配線層22・23を配置した模式的平面パターン構成は、図12(d)に示すように表される。
第1の実施の形態に係る磁性金属基板2を適用したインダクタンス素子4においては、このように、第1金属配線層22は、コイル形状を備え、このコイル形状は、矩形、円形、八角形、若しくは三角形の平面パターンのいずれかを有していても良い。また、このコイル形状は、多角形、若しくは任意の平面パターンを有していても良い。
(電源回路への適用例)
第1の実施の形態に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子4を構成部品として適用する電源回路の構成例は、図13に示すように表される。図13においては、DC−DC降圧コンバータの例が示されている。
第1の実施の形態に係る磁性金属基板2を適用したインダクタンス素子4を適用するDC−DC降圧コンバータは、DC入力電圧VIと、MOSFETQと、ダイオードDと、キャパシタCと、インダクタLとを備える。インダクタLに第1の実施の形態に係る磁性金属基板2を適用したインダクタンス素子4が適用されている。図13に示されるDC−DC降圧コンバータでは、MOSFETQのスイッチ動作によって、DC入力電圧VIからインダクタLに蓄積されるエネルギーをスイッチングさせて、DC入力電圧VIより降圧されたDC出力電圧VOをキャパシタCの両端から得ることができる。尚、第1の実施の形態に係る磁性金属基板2を適用したインダクタンス素子4の適用例は、上述のDC−DC降圧コンバータに限定されるものではなく、DC−DC昇圧コンバータ、ノイズ除去を目的とするチョークコイル用途などにも適用可能である。
(インダクタンス素子の製造方法)
第1の実施の形態に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子の製造方法の一工程を説明する模式的断面構造であって、矩形状・台形状・三角形状の溝部12を形成した例は、それぞれ図14(a)・図14(b)・図14(c)に示すように表される。
また、第1の実施の形態に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子の製造方法の一工程を説明する模式的断面構造は、図15〜図24に示すように表される。
(a)まず、金属基板10となる磁性金属フィルムを洗浄後、化学研磨する。ここで、磁性金属フィルムには、例えば、PCパーマロイ(NiFeMoCu)を適用可能である。化学研磨された磁性金属フィルムの厚さは、例えば、80μm〜100μm程度である。
(b)次に、図15に示すように、金属基板10の表面に対して、U字構造の溝部(トレンチ)12を形成する。溝部12は、例えば、レジストパターニング後、ウェットエッチング(リン酸を含むエッチング液を使用)、レーザ加工、若しくはプレス加工によって形成可能である。
(c)次に、図16に示すように、金属基板10の裏面に対して、U字構造の溝部(トレンチ)14を形成し、溝部12・14からなる貫通孔を形成する。溝部14は、例えば、金属基板10の裏面をレジストパターニング後、ウェットエッチング(リン酸を含むエッチング液を使用)、レーザ加工、若しくはプレス加工によって形成可能である。
(d)次に、図17に示すように、金属基板10全面に絶縁層16を形成する。例えば、PCVD技術を用いて、シリコン酸化膜を約1〜2μm程度となる厚さに形成する。
(e)次に、図18に示すように、金属基板10全面にシード層18を形成する。シード層(両面)18の形成には、例えば、Cuのスパッタリング技術を用いる。シード層18は、詳細には、Tiバリア層17とCu層19の積層構造を有する。Cu層19の厚さは、例えば、約3000オングストロームであり、Tiバリア層17の厚さは、例えば、約500オングストローム以下である。
(f)次に、図19に示すように、シード層18を形成した金属基板10全面にフォトレジスト20を用いて、めっき前パターニング処理を実施する。溝部12の幅は、例えば、約60μm〜80μm、溝部12の深さは、例えば、約30μmである。また、溝部12のピッチは、例えば、約90μmである。
(g)次に、図20(a)に示すように、めっき前パターニング処理を実施された金属基板10全面のシード層18上に、電解めっきを実施して、Cuからなる金属配線層22、23を形成する。金属配線層22の厚さは、例えば、約30μmである。
尚、第1の実施の形態に係る磁性金属基板2を適用したインダクタンス素子4の製造方法の変形例の一工程を説明する模式的断面構造は、図20(b)に示すように表される。図20(b)においては、図19に示されたフォトレジスト20の代わりに厚膜レジスト21を適用する断面構造例が示されている。その他の工程は同様である。
(h)次に、図21に示すように、金属基板10全面のフォトレジスト20を剥離する。
(i)次に、図22に示すように、剥離された金属基板10表面上のシード層18をエッチングにより除去する。シード層18のエッチングには、例えば、ドライエッチング技術を適用可能である。この結果、余分なCu層19およびTiバリア層17を除去することができる。
(j)次に、図22に示すように、剥離された裏面上のシード層18をエッチングにより除去する。裏面のシード層18のエッチングには、例えば、ウェットエッチング技術を適用可能である。この結果、裏面の余分なCu層19およびTiバリア層17を除去することができる。
(k)次に、図23に示すように、金属基板10表面上にギャップ層24を形成する。ギャップ層24は、例えば、PCVD技術により堆積されたシリコン窒化膜、シリコン酸化膜、若しくは、順次堆積されたシリコン窒化膜/シリコン酸化膜の積層膜により形成可能である。ギャップ層24の厚さは、例えば、約1μmである。
(l)次に、図23に示すように、ギャップ層24上に磁束発生層26を形成する。磁束発生層26は、例えば、スパッタリング技術を用いて、CoTaZrアモルファス膜により形成可能である。磁束発生層26の厚さは、例えば、約6μmである。
(m)次に、図示は省略するが、パッシベーション膜を形成し、リフトオフ法によって、パッド電極を形成する。パッシベーション膜としては、例えば、PCVD技術により堆積されたシリコン酸化膜を用いることができる。パッド電極には、例えば、Ag/Ni/Ti積層金属層を用いることができる。
以上の工程によって、第1の実施の形態に係る磁性金属基板2を適用したインダクタンス素子4が完成される。
インダクタンス素子の部分拡大構造例は、図24に示すように表される。図24の例は、図14(a)に示された矩形状の溝部12を有するインダクタンス素子4に対応している。図24では、溝部12の矩形形状にしたがって、絶縁層16、Tiバリア層17・Cu層19からなるシード層18、金属配線層22、ギャップ層24、磁束発生層26が順次形成される。製造工程は、上記と同様である。また、図14(b)・図14(c)に示された台形形状・三角形状の溝部12を有するインダクタンス素子4も同様に形成することができる。
尚、図23および図24の構造においては、溝部12に配置される金属配線層22の表面の高さは、金属基板10の表面の高さよりも高い位置に形成されているが、この構造に限定されるものではなく、金属配線層22の表面の高さは、金属基板10の表面の高さとほぼ同程度であっても、また完全に一致していてもよく、或いは、金属基板10の表面の高さよりも低い位置に形成されていても良い。
第1の実施の形態に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子においては、金属基板は、透磁率が大きいため、同じ電流値に対してより大きな磁界Hを発生することができ、インダクタンス値を大きくすることができる。
第1の実施の形態に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子において、発生した磁界Hは、ギャップ層に集中するため、周囲へのノイズの影響を低く抑制することができる。
また、第1の実施の形態に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子において、磁束発生層は、高周波特性に優れており、このため、インダクタンス素子は高周波動作可能である。
また、第1の実施の形態に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子においては、金属基板は、飽和磁束密度が大きい材料で形成可能であることから、大電流に対してもインダクタンス素子は動作可能である。
第1の実施の形態に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子においては、磁性材料である金属基板内部に配線構造を形成することで、インダクタンス素子の厚みを薄く形成することができる。
第1の実施の形態に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子においては、強磁性体金属や合金からなる金属基板の内部に配線構造を配置できるため、平面的な配置パターン面積に対して相対的に大きな値のインダクタンスを得ることができる。
第1の実施の形態に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子においては、ウェハ形状の金属基板上にLSIの半導体製造プロセスや受動部品の製造プロセスを適用可能であることから、複数のインダクタンス素子を同時に量産可能であり、製造コストを低減化することができる。
[第2の実施の形態]
(磁性金属基板)
第2の実施の形態に係る磁性金属基板2の模式的平面パターン構成は、図25(a)に示すように表され、図25(a)のIV−IV線に沿う模式的断面構造は、図25(b)に示すように表され、図25(a)のIV−IV線に沿う別の模式的断面構造は、図25(c)に示すように表される。
第2の実施の形態に係る磁性金属基板2は、図25に示すように、第1透磁率を有する金属基板10と、金属基板10の内部に配置された第1絶縁層16aと、第1絶縁層16a上に配置され、第2透磁率を有する第1金属配線層22とを備える。
また、第2の実施の形態に係る磁性金属基板2において、金属基板10の第1透磁率は、第1金属配線層22の第2透磁率よりも大である。
また、金属基板10は、磁性材料で形成されていても良い。
また、第1金属配線層22は、図25(b)に示すように、金属基板10の表面に形成された矩形状の溝部(トレンチ)内に第1絶縁層16aを介して配置されていても良い。
また、第1金属配線層22は、図25(c)に示すように、金属基板10の表面に形成されたU字形状の溝部内に第1絶縁層16aを介して配置されていても良い。
第2の実施の形態に係る磁性金属基板2においては、図25(a)〜図25(c)に示すように、金属基板10を薄層化し、金属基板10内に発生する渦電流を低減化している。
第2の実施の形態に係る磁性金属基板2においては、図25(a)〜図25(c)に示すように、金属基板10の裏面と溝部の底部との距離は、表皮深さd以下であることが望ましい。図25(b)〜図25(c)に示す例では、金属基板10の裏面と溝部の底部との距離が、表皮深さdに等しい場合が示されている。
表皮深さdは、金属基板10の導電率をρ、透磁率をμ、動作周波数をfとすると次式(1)で表される。

d=(ρ/πfμ)1/2 (1)

ここで、表皮深さdと周波数fの関係は、Cu、CoTaZr、PCパーマロイの例に対して、後述する図44に示される。例えば、周波数f=1MHzにおいて、PCパーマロイの例においては、表皮深さdは、約3.7μmである。
さらに、第2の実施の形態に係る磁性金属基板2においては、図25(a)〜図25(c)に示すように、金属基板10内に発生する渦電流を低減化するために、金属基板10は、複数の領域に分割されていても良い。
複数の領域に分割された前記金属基板10の間には、図25(a)〜図25(c)に示すように、絶縁分離層32が充填されていても良い。ここで、絶縁分離層32は、例えば、SiO2、SiN、若しくはAl23などで形成可能である。
その他の構成は、第1の実施の形態に係る磁性金属基板2と同様であるため、重複説明は省略する。
(変形例)
第2の実施の形態の変形例に係る磁性金属基板2の模式的平面パターン構成は、図26(a)に示すように表され、図26(a)のV−V線に沿う模式的断面構造は、図26(b)に示すように表される。
第2の実施の形態の変形例に係る磁性金属基板2は、図26に示すように、金属基板10を貫通する貫通孔(スルーホール)内に配置された第2絶縁層16bと、第2絶縁層16b上に配置され、貫通孔を充填する第2金属配線層23とをさらに備える。
溝部(トレンチ)は、金属基板10のウェットエッチング、レーザ加工、若しくはプレス加工により形成可能である。
貫通孔(スルーホール)は、金属基板10のウェットエッチング、レーザ加工、若しくはプレス加工により形成可能である。
第1金属配線層22は、スパッタリング法、蒸着法、若しくは無電解めっき法により溝部内の第1絶縁層16a上に形成されたシード層18(図18を参照)上に、電解めっき法によって、所定の厚さまで形成されても良い。
第2金属配線層23は、スパッタリング法、蒸着法、若しくは無電解めっき法により貫通孔内の第2絶縁層16b上に形成されたシード層18(図18を参照)上に、電解めっき法によって、貫通孔を充填する所定の厚さまで形成されても良い。
第1金属配線層22は、例えば、Cu、Agなどで形成可能である。同様に、第2金属配線層23は、例えば、Cu、Agなどで形成可能である。
第2の実施の形態の変形例に係る磁性金属基板2においては、図26(a)〜図26(b)に示すように、金属基板10を薄層化し、金属基板10内に発生する渦電流を低減化している。
第2の実施の形態の変形例に係る磁性金属基板2においては、金属基板10の裏面と溝部の底部との距離は、表皮深さd以下であることが望ましい。図26(a)〜図26(b)に示す例では、金属基板10の裏面と溝部の底部との距離が、表皮深さdに等しい場合が示されている。
さらに、第2の実施の形態の変形例に係る磁性金属基板2においては、図26(a)〜図26(b)に示すように、金属基板10内に発生する渦電流を低減化するために、金属基板10は、複数の領域に分割されていても良い。
複数の領域に分割された前記金属基板10の間には、図26(a)〜図26(b)に示すように、絶縁分離層32が充填されていても良い。ここで、絶縁分離層32は、例えば、SiO2、SiN、若しくはAl23などで形成可能である。
その他の構成は、第1の実施の形態に係る磁性金属基板2と同様であるため、重複説明は省略する。
第2の実施の形態においても磁性金属基板の製造方法の一例は、第1の実施の形態と同様の方法が適用可能であるため、重複説明は省略する。
第2の実施の形態に係る磁性金属基板においては、金属基板を薄層化して渦電流を低減化することができる。
第2の実施の形態の変形例に係る磁性金属基板においては、金属基板を複数の領域に分割して渦電流を低減化することができる。
第2の実施の形態およびその変形例に係る磁性金属基板においては、磁性材料である金属基板内部に配線構造を形成することで、デバイスの厚みを薄く形成することができる。
第2の実施の形態およびその変形例に係る磁性金属基板においては、強磁性体金属や合金からなる金属基板の内部に配線構造を配置できるため、配置面積に対して相対的に大きな値のインダクタンスを得ることができる。
第2の実施の形態およびその変形例によれば、薄型で、大電流化可能で、かつ高周波特性に優れた磁性金属基板を提供することができる。
(インダクタンス素子)
第2の実施の形態に係る磁性金属基板2を適用したインダクタンス素子4であって、金属基板10にスリットを形成し絶縁分離層32で充填し、かつギャップ層24上に分離された第1磁束発生層261・262・263・264を配置した模式的平面パターン構成は、図27に示すように表される。
また、図27のVI−VI線に沿う模式的断面構造は、図28(a)に示すように表され、図27のVII−VII線に沿う模式的断面構造は、図28(b)に示すように表される。
第2の実施の形態に係る磁性金属基板2を適用したインダクタンス素子4は、図27および図28に示すように、第1透磁率を有する金属基板10と、金属基板10の内部に配置された第1絶縁層16aと、第1絶縁層16a上に配置され、第2透磁率を有する第1金属配線層22とを備える磁性金属基板2と、磁性金属基板2上に配置され、第3透磁率を有するギャップ層24と、ギャップ層24上に配置され、第4透磁率を有する磁束発生層26とを備える。
また、金属基板10の第1透磁率は、第1金属配線層22の第2透磁率およびギャップ層24の第3透磁率よりも大であり、磁束発生層26の第4透磁率は、ギャップ層24の第3透磁率よりも大である。
また、金属基板10と磁束発生層26は、強磁性体で形成され、ギャップ層24は、常磁性体または反磁性体で形成されていても良い。
また、金属基板10と磁束発生層26は異なる材料から形成されていても良い。例えば、磁束発生層26には、高周波特性の優れた軟磁性体膜を適用し、磁場発生層として動作する金属基板10には、大電流駆動に適した磁性金属フィルムを適用することによって、両者の役割を分担することが可能である。
また、第1金属配線層22は、コイル形状を備えていても良い。ここで、コイル形状は、図27に示すように、矩形、図12に示すように、円形・八角形・三角形のいずれかの平面パターンを有していても良い。さらに、コイル形状は、多角形、或いは任意のパターンを有していても良い。
また、金属基板10は、高飽和磁束密度を有する軟磁性体からなり、磁束発生層26は、高周波特性を有する軟磁性体から形成されていても良い。
また、第1金属配線層22は、図28(a)〜図28(b)に示すように、金属基板10の表面に形成された溝部内に第1絶縁層16aを介して配置されていても良い。
また、第2の実施の形態に係る磁性金属基板2を適用したインダクタンス素子4は、図28(a)〜図28(b)に示すように、金属基板10を貫通する貫通孔内に配置された第2絶縁層16bと、第2絶縁層16b上に配置され、貫通孔を充填する第2金属配線層23とをさらに備えていても良い。また、図28(a)〜図28(b)に示すように、金属基板10の裏面には、第1絶縁層16aおよび第2絶縁層16bと同一工程で形成可能な絶縁層16を備える。
また、溝部12は、金属基板10のウェットエッチング、レーザ加工、若しくはプレス加工により形成可能である。
同様に、貫通孔は、金属基板10のウェットエッチング、レーザ加工、若しくはプレス加工により形成可能である。
また、第1金属配線層22は、スパッタリング法、蒸着法、若しくは無電解めっき法により溝部内の第1絶縁層16a上に形成されたシード層18(図18を参照)上に、電解めっき法によって、所定の厚さまで形成されていても良い。
また、第2金属配線層23は、スパッタリング法、蒸着法、若しくは無電解めっき法により貫通孔内の第2絶縁層16b上に形成されたシード層18(図18を参照)上に、電解めっき法によって、貫通孔を充填する所定の厚さまで形成されていても良い。
(渦電流)
インダクタンス値Lを有するコイルのインピーダンスZは、抵抗成分をR、誘導性リアクタンス成分をXLとすると、次式(2)で表される。

Z=R+jXL (2)

また、インダクタンス値Lを有するコイルのQ値は、次式(3)で表される。

Q=XL/R (3)

また、角周波数をωとすると、誘導性リアクタンス成分XLは、次式(4)で表される。

L=ωL=2πfL (4)

また、インダクタンス値Lを有するコイルの抵抗成分Rは、次式(5)で表される。

R=RDC+RAC+Rloop+Reddy (5)

ここで、RDCは、コイルの直流的な抵抗成分、RACは、表皮効果・近接効果により発生する交流的な抵抗成分を表し、RDC+RACによって、コイル配線における抵抗成分が表される。また、Rloopは、磁性体のヒステリシス損失を表し、Reddyは、渦電流による抵抗成分を表す。Rloop+Reddyによって、コア材における抵抗成分が表される。
渦電流とは、磁束変化により誘起された電圧が、電流を発生させる現象である。例えば、金属では電流が流れやすいことから渦電流は大きいが、セラミックスなどでは抵抗値が高いことから渦電流は小さい。
(3)式から明らかなように、抵抗成分Rを低減化することによって、Q値を増大可能であり、特に、第2の実施の形態に係る磁性金属基板2を適用したインダクタンス素子4においては、渦電流による抵抗成分Reddyを低減化することで、Q値の増大化を図っている。
第2の実施の形態に係る磁性金属基板2を適用したインダクタンス素子4においては、図28(a)〜図28(b)に示すように、金属基板10を薄層化し、金属基板10内に発生する渦電流を低減化している。
第2の実施の形態に係る磁性金属基板2を適用したインダクタンス素子4においては、金属基板10の裏面と溝部の底部との距離は、表皮深さd以下であることが望ましい。図28(a)〜図28(b)に示す例では、金属基板10の裏面と溝部の底部との距離が、略ゼロに等しい場合が示されている。
さらに、第2の実施の形態に係る磁性金属基板2を適用したインダクタンス素子4においては、図28(a)〜図28(b)に示すように、金属基板10内に発生する渦電流を低減化するために、金属基板10は、複数の領域に分割されていても良い。
複数の領域に分割された前記金属基板10の間には、図28(a)〜図28(b)に示すように、絶縁分離層32が充填されていても良い。ここで、絶縁分離層32は、例えば、SiO2、SiN、若しくはAl23などで形成可能である。
さらに、第2の実施の形態に係る磁性金属基板2を適用したインダクタンス素子4においては、図27および図28(a)〜図28(b)に示すように、第1磁束発生層261・262・263・264は、複数の領域に分割されていても良い。第1磁束発生層261・262・263・264を複数の領域に分割することによって、第1磁束発生層26内に発生する渦電流を低減化している。
その他の構成は、第1の実施の形態に係る磁性金属基板2を適用したインダクタンス素子4と同様であるため、重複説明は省略する。
(インダクタンス素子の動作)
第2の実施の形態に係る磁性金属基板2を適用したインダクタンス素子4の動作を説明する模式的鳥瞰構造は、図29(a)に示すように表され、金属基板10にスリットSL1・SL2を形成し絶縁分離層32で充填した様子を示す拡大された模式的平面パターン構成は、図29(b)に示すように表される。尚、図29(b)においては、ギャップ層24上には、第1磁束発生層26が配置されているが、図面の簡略化のため、図示は省略されている。また、第1磁束発生層26は、一層に形成されていてもよく、複数の領域に分割されていても良い。
第2の実施の形態に係る磁性金属基板2を適用したインダクタンス素子4においても、図29(a)に示すように、ギャップ層24・第1磁束発生層26の効果によって、発生する磁界Hと磁束密度Bは、ベクトルの向きが異なる。磁界Hは、主にZ軸方向に発生し、特にギャップ層24に集中している。また、磁束密度Bは、X−Y方向に発生し、特に磁束発生層26に集中している。ここで、第2の実施の形態に係る磁性金属基板2を適用したインダクタンス素子4においては、第1磁束発生層26を複数の領域に分割することによって、第1磁束発生層26内に発生する渦電流を低減することができる。
第2の実施の形態に係る磁性金属基板2を適用したインダクタンス素子4において、金属配線層22・23を導通する電流によって、金属配線層22の周囲に磁界Hが発生する様子を説明する模式的断面構造は、図30(a)に示すように表され、ギャップ層24および磁束発生層26の効果によって、磁束密度Bが磁束発生層26内に発生する様子を説明する模式的断面構造は、図30(b)に示すように表される。
すなわち、第2の実施の形態に係る磁性金属基板2を適用したインダクタンス素子4においては、図30(a)に示すように、磁性金属基板2が薄層化されるため、金属配線層22・23を導通する電流によって、薄層化された磁性金属基板2の上下に磁界Hが発生する。このため、図30(b)に示すように、薄層化された磁性金属基板2の上下にそれぞれギャップ層24および磁束発生層26を配置することによって、磁束密度Bを薄層化された磁性金属基板2の上下の磁束発生層26内に閉じ込めることができ、磁束を効率的に使用可能となる。
第2の実施の形態に係る磁性金属基板2を適用したインダクタンス素子4においては、金属基板10を薄層化し、金属基板10内に発生する渦電流を低減化している。
さらに、第2の実施の形態に係る磁性金属基板2を適用したインダクタンス素子4においては、図30(a)〜図30(b)に示すように、金属基板10内に発生する渦電流を低減化するために、金属基板10は、複数の領域に分割されていても良い。
複数の領域に分割された前記金属基板10の間には、図30(a)〜図30(b)に示すように、絶縁分離層32が充填されていても良い。
その他の動作は、第1の実施の形態に係る磁性金属基板2を適用したインダクタンス素子4と同様であるため、重複説明は省略する。
金属基板10に渦電流が発生する様子を説明する模式的鳥瞰構成は、図31(a)に示すように表され、複数のスリットSLを形成した金属基板10に渦電流が発生する様子を説明する模式的鳥瞰構成は、図31(b)に示すように表される。
磁性を有する金属基板10に発生する渦電流ループLeddyは、スリットSLを形成しないバルク状態では、図31(a)に示すように、大きなループ状に形成される。これに対して、複数のスリットSLを形成した磁性を有する金属基板10に発生する渦電流ループLeddyは、図31(b)に示すように、複数のスリットSLで分割された小さな金属基板10毎に、小さなループ状に形成される。
第2の実施の形態に係る磁性金属基板2を適用したインダクタンス素子4であって、スリットSLを有する金属基板10上に形成された溝部に配置された金属配線層22の模式的鳥瞰構成は、図32に示すように表される。
また、図32のVIII−VIII線に沿う模式的断面構造は、図33(a)に示すように表され、図32のIX−IX線に沿う模式的断面構造は、図33(b)に示すように表される。
(変形例1)
第2の実施の形態の変形例1に係るインダクタンス素子4であって、スリットSLを有する金属基板2上に形成された溝部12に配置された金属配線層22の模式的鳥瞰構成は、図32に示すように表される。
また、図32のVIII−VIII線に沿う模式的断面構造は、図33(a)に示すように表され、図32のIX−IX線に沿う模式的断面構造は、図33(b)に示すように表される。
第2の実施の形態の変形例1に係るインダクタンス素子4では、金属基板2を薄層化はせずに、金属基板2に十字形状にスリットSLを形成することによって、金属基板2を複数の領域に分割している。さらに、このスリットSLに絶縁分離層32を充填している。ここで、絶縁分離層32は、例えば、SiO2、SiN、若しくはAl23などで形成可能である。
第2の実施の形態の変形例1に係る磁性金属基板2を適用したインダクタンス素子4においては、図32および図33(a)〜図33(b)に示すように、金属基板2を複数の領域に分割することによって、金属基板10内に発生する渦電流を低減化している。
第2の実施の形態の変形例1に係る磁性金属基板2を適用したインダクタンス素子4においては、図32および図33(a)〜図33(b)に示すように、第1磁束発生層26は、特に分割されてはいないが、第2の実施の形態と同様に、第1磁束発生層26は、複数の領域に分割されていても良い。
その他の構成は、第2の実施の形態に係るインダクタンス素子4と同様であるため、重複説明は省略する。
(スリット形状)
第2の実施の形態に係る磁性金属基板2を適用したインダクタンス素子4であって、金属基板10に十字状にスリットSLを備える鳥瞰構成は、図34(a)に示すように表され、金属基板10に格子状にスリットSLを備える鳥瞰構成は、図34(b)に示すように表され、金属基板10に十字状かつ格子状にスリットSLを備える鳥瞰構成は、図34(c)に示すように表され、金属基板10に4本ずつ格子状にスリットSLを備える鳥瞰構成は、図34(d)に示すように表される。
さらに、第2の実施の形態に係る磁性金属基板2を適用したインダクタンス素子4において、スリットSLの数とインダクタンスおよびQの値との関係は、図35に示すように表される。図35に示すように、スリットSLの数を増加するに伴い、渦電流の低減化により、Q値の上昇傾向が見られる。一方、図35に示すように、スリットSLの数を増加するに伴い、磁束漏洩によりインダクタンスの値の低下傾向が見られる。
スリットSLが1本の場合の漏洩磁束ΦLの状態を示す電磁界シミュレーション結果は、図36(a)に示すように表され、スリットSLが4本の場合の漏洩磁束ΦLの状態を示す電磁界シミュレーション結果は、図36(b)に示すように表される。図36(a)および図36(b)の比較結果より、スリットSLが4本の場合には、漏洩磁束ΦLが明らかに増加している。ここで、スリットSLが1本の場合とは、実際の形状では、図34(a)に示すように、金属基板10に十字状にスリットSLを備える構造に対応している。また、スリットSLが4本の場合とは、実際の形状では、図34(c)に示すように、金属基板10に4本ずつ格子状にスリットSLを備える構造に対応している。
図36(a)の構成例では、一例として、インダクタンスは0.472μH、Q値は、4.98であるのに対して、図36(b)の構成例では、例えば、インダクタンスは0.136μH、Q値は、2.57であり、磁束漏洩によりインダクタンスの低下が見られる。
(変形例2)
―渦電流ループLeddyの様子―
第1の実施の形態に係るインダクタンス素子4であって、渦電流ループLeddyの様子を示す模式的鳥瞰構成は、図37(a)に示すように表され、図37(a)のX−X線に沿う模式的断面構造は、図37(b)に示すように表される。第1の実施の形態に係るインダクタンス素子4においては、金属基板10は、分割されていない例が示されている。
一方、第2の実施の形態に係るインダクタンス素子4であって、渦電流ループLeddyの様子を示す模式的鳥瞰構成は、図38(a)に示すように表され、図38(a)のXI−XI線に沿う模式的断面構造は、図38(b)に示すように表される。第2の実施の形態に係るインダクタンス素子4においては、金属基板10を十字状に分割し、かつ互いに分割された金属基板10の間を絶縁分離層32で充填した例が示されている。
第2の実施の形態の変形例2に係るインダクタンス素子4であって、渦電流ループLeddyの様子を示す模式的鳥瞰構成は、図39(a)に示すように表され、図39(a)のXII−XII線に沿う模式的断面構造は、図39(b)に示すように表される。第2の実施の形態の変形例2に係るインダクタンス素子4においては、金属基板10を十字状かつ渦巻き状に分割し、かつ互いに分割された金属基板10の間を絶縁分離層32で充填した例が示されている。
第2の実施の形態の変形例2に係るインダクタンス素子4においては、第1の実施の形態や第2の実施の形態と比較し、金属基板10の分割の程度は細密化されるため、各細密化された金属基板10内には、微小な渦電流ループLeddyが形成され、また、金属配線層22・23の周囲には、磁束Φが発生する。
(変形例3)
第2の実施の形態の変形例3に係るインダクタンス素子4であって、図39(a)に対応する構造のXII−XII線に沿う模式的断面構造は、図40に示すように表され、図40の詳細な模式的断面構造は、図41に示すように表される。
第2の実施の形態の変形例3に係るインダクタンス素子4においては、図40に示すように、磁性金属基板2の表面にギャップ層24Sを備え、このギャップ層24S上に配置される第1磁束発生層26Sは、ギャップ層24Iを介して、2層(26S1・26S2)に積層化されている。ここで、第1磁束発生層26Sは、ギャップ層24Iを介して、更に複数層に積層化されていても良い。
同様に、第2の実施の形態の変形例3に係るインダクタンス素子4においては、図40に示すように、磁性金属基板2の裏面にギャップ層24Bを備え、このギャップ層24B上に第2磁束発生層26Bを備えていても良い。第2磁束発生層26Bは、図40に示すように、ギャップ層24Iを介して、2層(26B1・26B2)に積層化されていても良い。ここで、第2磁束発生層26Bは、ギャップ層24Iを介して、更に複数層に積層化されていても良い。
複数層に積層化された第1磁束発生層26S1・26S2の間には、ギャップ層24Iを備えていても良い。
同様に、複数層に積層化された第2磁束発生層26B1・26B2の間には、ギャップ層24Iを備えていても良い。
また、金属基板10の第1透磁率は、ギャップ層24S・24B・24Iの第3透磁率よりも大であり、磁束発生層26S1・26S2・26B1・26B2の第4透磁率は、ギャップ層24S・24B・24Iの第3透磁率よりも大である。
また、ギャップ層24Iは、常磁性体または反磁性体で形成されていても良い。
さらに、第1磁束発生層26S1・26S2は、平面視において複数の領域に分割されていても良い。
同様に、第2磁束発生層26B1・26B2は、平面視において複数の領域に分割されていても良い。
また、複数の領域に分割された第1磁束発生層26S1・26S2の間には絶縁分離層32が充填されていても良い。
同様に、複数の領域に分割された第2磁束発生層26B1・26B2の間には絶縁分離層32が充填されていても良い。
第2の実施の形態の変形例3に係るインダクタンス素子4においては、第1の実施の形態や第2の実施の形態と比較し、金属基板10の分割の程度は微細化されるため、各微細化された金属基板10内には、微小な渦電流ループLeddyが形成され、また、金属配線層22・23の周囲には、磁束Φが発生する。
第2の実施の形態の変形例3に係るインダクタンス素子4においては、第1磁束発生層26Sおよび第2磁束発生層26Bを備えることによって、漏洩磁束ΦLを抑制可能である。
第2の実施の形態の変形例3に係るインダクタンス素子4においては、第1磁束発生層26Sおよび第2磁束発生層26Bを積層化構成とすることによって、更に漏洩磁束ΦLを抑制可能である。
(渦電流の様子を示すシミュレーション結果)
第1の実施の形態に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子の渦電流の様子を示すシミュレーション結果であって、金属基板10に流れる電流の密度を示す平面パターン図は、図42(a)に示すように表され、図42(a)に対応する金属基板10に流れる電流の様子を示す模式的鳥瞰図は、図42(b)示すように表される。
一方、第2の実施の形態の変形例3に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子の渦電流の様子を示すシミュレーション結果であって、金属基板101・102・103・104に流れる電流の密度を示す平面パターン図は、図43(a)に示すように表され、図43(a)に対応する金属基板101・102・103・104に流れる電流の様子を示す模式的鳥瞰図は、図43(b)示すように表される。
図42の電磁界シミュレーション結果を得たデバイス構造例は、特に図3〜図4に示すように、磁束発生層26を1層のみ配置し、かつ金属基板10にはスリットSLを設けてはいない。これに対して、図43の電磁界シミュレーション結果を得たデバイス構造例は、特に図39(a)および図40〜図41に示すように、第1磁束発生層26S1・26S2、第2磁界発生層26B1・26B2を備え、かつ金属基板10には十字状かつ渦巻き状に分割されたスリットSLを設けている。このように金属基板101・102・103・104を分割したことによって、分割された金属基板の個々の抵抗値が上昇し、その結果として、渦電流が流れにくくなっている。
図42の電磁界シミュレーション結果を得たデバイス構造例においては、インダクタンスは0.463μH、Qは2.79の値であった。これに対して、図43の電磁界シミュレーション結果を得たデバイス構造例においては、インダクタンスは0.461μH、Qは10.05の値であり、インダクタンスの低下を抑制しつつ、Q値を増大可能である。
第2の実施の形態の変形例3に係る磁性金属基板を適用したインダクタンス素子においては、金属基板10にスリットを形成して、渦電流の発生を抑制しつつ、金属基板10の表裏に形成された磁束発生層26S1・26S2・26B1・26B2によって磁束漏洩を抑制し、磁束を金属基板10内に有効に閉じ込めることができる。
(表皮効果)
金属基板10の材料をパラメータとする表皮深さdと周波数fとの関係は、図44に示すように表される。表皮深さdは、金属基板10の導電率をρ、透磁率をμ、動作周波数をfとすると(1)式で表される。ここで、表皮深さdと周波数fの関係は、Cu、CoTaZr、PCパーマロイの例に対して、図44に示すように表される。例えば、周波数f=1MHzにおいて、PCパーマロイの例においては、表皮深さdは、約3.7μmである。
(製造方法)
第2の実施の形態の変形例3に係るインダクタンス素子4の製造方法は、図45〜図53に示すように表される。図45(a)〜図53(a)は表面側の模式的鳥瞰構成を示す。また、図45(b)〜図53(b)は裏面側の模式的鳥瞰構成を示す。
図45(c)は図45(a)のXIII−XIII線に沿う模式的断面構造、図46(c)は図46(a)のXIV−XIV線に沿う模式的断面構造、図47(c)は図47(a)のXV−XV線に沿う模式的断面構造、図48(c)は図48(a)のXVI−XVI線に沿う模式的断面構造、図49(c)は図49(a)のXVII−XVII線に沿う模式的断面構造、図50(c)は図50(a)のXVIII−XVIII線に沿う模式的断面構造、図51(c)は図51(a)のXIX−XIX線に沿う模式的断面構造、図52(c)は図52(a)のXX−XX線に沿う模式的断面構造、図53(c)は図53(a)のXXI−XXI線に沿う模式的断面構造をそれぞれ示す。
(a)まず、金属基板10となる磁性金属フィルムを洗浄後、化学研磨する。ここで、磁性金属フィルムには、例えば、PCパーマロイ(NiFeMoCu)を適用可能である。化学研磨された磁性金属フィルムの厚さは、例えば、80μm〜100μm程度である。
(b)次に、図45に示すように、金属基板10の表面に対して、例えば、矩形構造の溝部(トレンチ)12を形成する。溝部12は、例えば、レジストパターニング後、ウェットエッチング(リン酸を含むエッチング液を使用)、レーザ加工、若しくはプレス加工によって形成可能である。
(c)次に、図46に示すように、金属基板10全面に絶縁層16aを形成する。例えば、PCVD技術を用いて、シリコン酸化膜を約1〜2μm程度となる厚さに形成する。
(d)次に、図46に示すように、Cuからなる金属配線層22を形成する。金属配線層22の厚さは、例えば、約30μmである。
(e)次に、図47に示すように、研磨およびエッチングにより、表面側の絶縁層16aを除去する。
(f)次に、図48に示すように、金属配線層22部分を除き、金属基板10の表面に対して、平面視で十字形状に、U字構造の溝部(トレンチ)12を形成する。
(g)次に、図49に示すように、金属基板10の裏面をエッチングバックして、絶縁層16aを露出させる。このとき、金属基板10の中央部分および十字形状に、U字構造の溝部(トレンチ)12が形成された部分には、金属基板10の表面から裏面まで貫通する貫通孔が形成される。尚、上記の製造工程(f)と製造工程(g)は、工程の順番は逆であっても良い。
(h)次に、図50に示すように、金属基板10の中央部分および十字形状に、U字構造の溝部(トレンチ)12が形成された部分に対して絶縁分離層32を充填する。
(i)次に、金属基板10の裏面に配置された絶縁層16aを除去後、図51に示すように、金属基板10の表面にギャップ層24S、金属基板10の裏面にギャップ層24Bを形成する。ギャップ層24B・24Sは、例えば、PCVD技術により堆積されたシリコン窒化膜、シリコン酸化膜、若しくは、順次堆積されたシリコン窒化膜/シリコン酸化膜の積層膜により形成可能である。ギャップ層24B・24Sの厚さは、例えば、約1μmである。
(j)次に、図51に示すように、金属基板10の表面側のギャップ層24S上に磁束発生層26S2・ギャップ層24I・磁束発生層26S1を順次積層化形成する。同様に、金属基板10の裏面側のギャップ層24B上に磁束発生層26B2・ギャップ層24I・磁束発生層26B1を順次積層化形成する。ギャップ層24Iは、例えば、PCVD技術により堆積されたシリコン窒化膜、シリコン酸化膜、若しくは、順次堆積されたシリコン窒化膜/シリコン酸化膜の積層膜により形成可能である。ギャップ層24Iの厚さは、例えば、約1μmである。磁束発生層26S2・26S1・26B2・26B1は、例えば、スパッタリング技術を用いて、CoTaZrアモルファス膜により形成可能である。磁束発生層26S2・26S1・26B2・26B1の厚さは、例えば、約6μmである。
(k)次に、図52に示すように、金属基板10の表面側のギャップ層24S・磁束発生層26S2・ギャップ層24I・磁束発生層26S1に対して十字状にスリットSL1を形成し、金属基板10の裏面側のギャップ層24B・磁束発生層26B2・ギャップ層24I・磁束発生層26B1に対して十字状にスリットSL2、中心部分と角部分にスリットSLS2を形成する。
(l)次に、図53に示すように、スリットSLS1・SLS2に対して絶縁分離層32を充填する。
(m)次に、図53に示すように、デバイスの表面側および裏面側にパッシベーション膜16S・16Bを形成し、リフトオフ法によって、裏面電極23aを形成する。パッシベーション膜16S・16Bとしては、例えば、PCVD技術により堆積されたシリコン酸化膜を用いることができる。裏面電極23aには、例えば、Ag/Ni/Ti積層金属層を用いることができる。
以上の工程によって、第2の実施の形態の変形例3に係るインダクタンス素子4が完成される。
第2の実施の形態に係るインダクタンス素子においては、金属基板は、透磁率が大きいため、同じ電流値に対してより大きな磁界Hを発生することができ、インダクタンス値を大きくすることができる。
第2の実施の形態に係るインダクタンス素子によれば、金属基板にスリットを配置することで、渦電流を低減化し、Q値を増大することができる。
第2の実施の形態に係るインダクタンス素子によれば、金属基板の表裏に磁束発生層を配置することで、発生した磁界Hは、磁性金属基板に集中するため、インダクタンス値の低減を抑制しつつQ値を増大することができる。
第2の実施の形態に係るインダクタンス素子によれば、金属基板の表裏に磁束発生層を配置することで、発生した磁界Hは、磁性金属基板に集中するため、周囲へのノイズの影響を低く抑制することができる。
第2の実施の形態に係るインダクタンス素子によれば、磁束発生層にスリットとギャップ層を配置することで、さらに磁束発生層内における渦電流の発生を抑制し、かつインダクタンス値の低減を抑制しつつQ値の高いインダクタンスを提供することができる。
Q値を増大することができる。
第2の実施の形態によれば、渦電流を低減化し、磁束漏洩を抑制して、インダクタンス値の低減を抑制しつつQ値の高いインダクタンスを提供することができる。
以上説明したように、本発明によれば、薄型で、大電流化可能で、かつ高周波特性に優れた磁性金属基板、および上記の磁性金属基板を適用し、薄型で、実装面積を小さく形成でき、インダクタンス値が大きく、大電流化可能で、かつ高周波特性に優れたインダクタンス素子を提供することができる。
(その他の実施の形態)
上記のように、実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
本発明の磁性金属基板およびこの磁性金属基板を適用したインダクタンス素子は、インダクタ・トランス・ノイズフィルタ・アイソレータなどインダクタンスを利用する電子部品全般、磁気センサ・位置センサなどのセンサ部品、その他ワイヤレス給電用のコイルなどに適用可能であり、特にモバイル機器向けパワーインダクタおよびパワーインダクタを内蔵したDC−DCコンバータなどの電子機器に適用可能である。
2…磁性金属基板
4…インダクタンス素子
10、101、102、103、104…金属基板
12、14…溝部
16、16a、16b…絶縁層
16S・16B・・・パッシベーション膜
17…Tiバリア層
18…シード層
19…Cu層
20…フォトレジスト層
21…厚膜レジスト層
22、23…金属配線層
23a…裏面電極
24、24B、24S、24I…ギャップ層
26、261、262、263、264、26S1、26S2、26B1、26B2…磁束発生層
28…SiO2
30…Si基板
32、32b…絶縁分離層
d…表皮深さ
f…周波数
J…電流
B…磁束密度
H…磁界
D1、D2…幅
SL1、SL2、SLS1、SLS2…スリット
eddy…渦電流ループ
ΦL…漏洩磁束
Φ…磁束

Claims (40)

  1. 第1透磁率を有する金属基板と、
    前記金属基板の表面に形成された複数の溝部と、
    複数の前記溝部の面上に前記溝部に沿って夫々配置された第1絶縁層と、
    前記第1絶縁層上に配置され、第2透磁率を有する第1金属配線層と
    を備え
    前記第1絶縁層は、前記第1金属配線層の上面以外の面を囲むように形成されていることを特徴とする磁性金属基板。
  2. 前記第1透磁率は、前記第2透磁率よりも大であることを特徴とする請求項1に記載の磁性金属基板。
  3. 前記金属基板を貫通する貫通孔内に配置された第2絶縁層と、
    前記第2絶縁層上に配置され、前記貫通孔を充填する第2金属配線層と
    をさらに備え
    前記第2絶縁層は、前記第2金属配線層の最上面および最下面以外の面を囲むように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の磁性金属基板。
  4. 前記金属基板を薄層化し、前記金属基板内に発生する渦電流を低減化したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の磁性金属基板。
  5. 前記金属基板の厚さは80μm〜100μmであることを特徴とする請求項4に記載の磁性金属基板。
  6. 前記基板の裏面と前記溝部の底部との距離は、表皮深さ以下であることを特徴とする請求項4に記載の磁性金属基板。
  7. 前記金属基板は、複数の領域に分割されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の磁性金属基板。
  8. 複数の領域に分割された前記金属基板の間には、絶縁分離層が充填されたことを特徴とする請求項7に記載の磁性金属基板。
  9. 前記溝部は、前記金属基板のウェットエッチング、レーザ加工、若しくはプレス加工により形成されることを特徴とする請求項1に記載の磁性金属基板。
  10. 前記貫通孔は、前記金属基板のウェットエッチング、レーザ加工、若しくはプレス加工により形成されることを特徴とする請求項3に記載の磁性金属基板。
  11. 前記第1金属配線層は、スパッタリング法、蒸着法、若しくは無電解めっき法により前記溝部内の前記第1絶縁層上に形成されたシード層上に、電解めっき法によって、所定の厚さまで形成されることを特徴とする請求項9に記載の磁性金属基板。
  12. 前記第2金属配線層は、スパッタリング法、蒸着法、若しくは無電解めっき法により前記貫通孔内の前記第2絶縁層上に形成されたシード層上に、電解めっき法によって、前記貫通孔を充填する所定の厚さまで形成されることを特徴とする請求項10に記載の磁性金属基板。
  13. 第1透磁率を有する金属基板と、前記金属基板の表面にコイル形状に形成された溝部と、前記溝部の表面上に前記溝部に沿って配置された第1絶縁層と、前記第1絶縁層上に配置され、第2透磁率を有する第1金属配線層とを備える磁性金属基板と、
    前記磁性金属基板および前記第1金属配線層の表面上に配置され、第3透磁率を有する第1ギャップ層と、
    前記第1ギャップ層上に配置され、第4透磁率を有する第1磁束発生層と
    を備え
    前記第1絶縁層は、前記第1金属配線層の上面以外の面を囲むように形成されていることを特徴とするインダクタンス素子。
  14. 前記磁性金属基板の裏面上に配置され、第3透磁率を有する第2ギャップ層と、
    前記第2ギャップ層上に配置され、第4透磁率を有する第2磁束発生層と
    を備えることを特徴とする請求項13に記載のインダクタンス素子。
  15. 前記第1透磁率は、前記第2透磁率および前記第3透磁率よりも大であり、前記第4透磁率は、前記第3透磁率よりも大であることを特徴とする請求項13または14に記載のインダクタンス素子。
  16. 前記金属基板と前記第1磁束発生層は、強磁性体であり、前記第1ギャップ層は、常磁性体または反磁性体であることを特徴とする請求項13に記載のインダクタンス素子。
  17. 前記金属基板と前記第2磁束発生層は、強磁性体であり、前記第2ギャップ層は、常磁性体または反磁性体であることを特徴とする請求項14に記載のインダクタンス素子。
  18. 前記金属基板と前記第1磁束発生層は異なる材料からなることを特徴とする請求項13に記載のインダクタンス素子。
  19. 前記金属基板と前記第2磁束発生層は異なる材料からなることを特徴とする請求項14に記載のインダクタンス素子。
  20. 前記コイル形状は、矩形、円形、八角形、三角形、若しくは多角形のいずれかの平面パターンを有することを特徴とする請求項13に記載のインダクタンス素子。
  21. 前記金属基板は、高飽和磁束密度を有する軟磁性体からなり、前記第1磁束発生層は、100kHz以上で高周波動作可能な軟磁性体からなることを特徴とする請求項13に記載のインダクタンス素子。
  22. 前記金属基板は、高飽和磁束密度を有する軟磁性体からなり、前記第2磁束発生層は、高周波特性を有する軟磁性体からなることを特徴とする請求項14に記載のインダクタンス素子。
  23. 前記金属基板を貫通する貫通孔内に配置された第2絶縁層と、
    前記第2絶縁層上に配置され、前記貫通孔を充填する第2金属配線層と
    をさらに備え
    前記第2絶縁層は、前記第2金属配線層の最上面および最下面以外の面を囲むように形成されていることを特徴とする請求項13に記載のインダクタンス素子。
  24. 前記第1金属配線層は、前記金属基板の表面において前記コイル形状の一端を前記第2金属配線層に接続されたことを特徴とする請求項23に記載のインダクタンス素子。
  25. 前記第2金属配線層は、前記金属基板の裏面に配置された裏面電極で終端されることを特徴とする請求項23に記載のインダクタンス素子。
  26. 前記金属基板を薄層化し、前記金属基板内に発生する渦電流を低減化したことを特徴とする請求項13に記載のインダクタンス素子。
  27. 前記金属基板の厚さは80μm〜100μmであることを特徴とする請求項26に記載のインダクタンス素子。
  28. 前記基板の裏面と前記金属基板の表面に形成された前記溝部の底部との距離は、表皮深さ以下であることを特徴とする請求項26に記載のインダクタンス素子。
  29. 前記金属基板は、複数の領域に分割されたことを特徴とする請求項13〜28のいずれか1項に記載のインダクタンス素子。
  30. 複数の領域に分割された前記金属基板の間には、絶縁分離層が充填されたことを特徴とする請求項29に記載のインダクタンス素子。
  31. 前記第1磁束発生層は、複数の領域に分割されたことを特徴とする請求項13〜28のいずれか1項に記載のインダクタンス素子。
  32. 前記第2磁束発生層は、複数の領域に分割されたことを特徴とする請求項13〜28のいずれか1項に記載のインダクタンス素子。
  33. 前記第1磁束発生層は、複数層に積層化されたことを特徴とする請求項13〜28のいずれか1項に記載のインダクタンス素子。
  34. 前記第2磁束発生層は、複数層に積層化されたことを特徴とする請求項13〜28のいずれか1項に記載のインダクタンス素子。
  35. 複数層に積層化された前記第1磁束発生層の間には、第3ギャップ層を備えることを特徴とする請求項34に記載のインダクタンス素子。
  36. 複数層に積層化された前記第2磁束発生層の間には、第3ギャップ層を備えることを特徴とする請求項34に記載のインダクタンス素子。
  37. 前記溝部は、前記金属基板のウェットエッチング、レーザ加工、若しくはプレス加工により形成されることを特徴とする請求項13に記載のインダクタンス素子。
  38. 前記貫通孔は、前記金属基板のウェットエッチング、レーザ加工、若しくはプレス加工により形成されることを特徴とする請求項23に記載のインダクタンス素子。
  39. 前記第1金属配線層は、スパッタリング法、蒸着法、若しくは無電解めっき法により前記溝部内の前記第1絶縁層上に形成されたシード層上に、電解めっき法によって、所定の厚さまで形成されることを特徴とする請求項13に記載のインダクタンス素子。
  40. 前記第2金属配線層は、スパッタリング法、蒸着法、若しくは無電解めっき法により前記貫通孔内の前記第2絶縁層上に形成されたシード層上に、電解めっき法によって、前記貫通孔を充填する所定の厚さまで形成されることを特徴とする請求項23に記載のインダクタンス素子。
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