JP2007214424A - 積層型インダクタンス素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】 大電流まで一定のインダクタンスが得られる積層型インダクタンス素子を提供すること。
【解決手段】 印刷積層および同時焼成により、内部導体14からなる螺旋状の導体のコイルが非磁性体を含む磁性体セラミックスの内部に設けられた積層型インダクタンス素子において、内部導体14からなるコイルの螺旋軸と直交する面内でそのコイルと交わる1つの非磁性体層12aが設けられ、かつ、その螺旋軸に平行な方向でのコイルの導体間が非磁性体12bで形成された積層型インダクタンス素子とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 印刷積層および同時焼成により、内部導体14からなる螺旋状の導体のコイルが非磁性体を含む磁性体セラミックスの内部に設けられた積層型インダクタンス素子において、内部導体14からなるコイルの螺旋軸と直交する面内でそのコイルと交わる1つの非磁性体層12aが設けられ、かつ、その螺旋軸に平行な方向でのコイルの導体間が非磁性体12bで形成された積層型インダクタンス素子とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、磁性体セラミックスおよび非磁性体セラミックスとコイル状の内部導体とからなる表面実装用の積層型インダクタンス素子に関する。
電子機器の小型化・高周波化により、EMI対策が重要性を増している。一般にインダクタンス素子では、目的とする周波数のノイズをインダクタンス特性によって遮蔽しEMI対策としている。即ち、信号系に対して直列にインダクタンス素子を装着してノイズを遮断するということが一般的に行われている。また、パワーアンプ等のアクティブ素子の電源ライン系に対しても、直列にインダクタンス素子を装着して、アクティブ素子から信号周波数のノイズが電源ラインに漏洩することを抑制する等のEMI対策が行われている。
近年の電子部品の小型化・低背化の要求のため、インダクタンス素子に代表される電子部品の全体に占める、積層型部品の重要性は増している。プリント配線基板上等に実装する形で使用される積層型インダクタンス素子は、通常、軟磁性フェライト粉末と結合剤からなる磁性体層と、導電性粉末と結合剤からなる導電体層とを、スクリーン印刷などを用いて交互に積層して、磁性体の中に螺旋状導体コイルを設けた後、同時焼結することにより形成されている。
前記の一般的な積層型インダクタンス素子は完全閉磁路構造であり、かつ、絶縁性確保の必要から、磁性材料の中では飽和磁化の比較的小さいNi−Zn系フェライトを用いるため、素子自体の体積が小さいことも相まって磁気飽和しやすく、電源系などの大電流が必要とされる用途で使用した場合、インダクタンスが低下してしまう。この対策として、導体コイルの螺旋軸と直交する面方向で、導体コイルと交わる非磁性絶縁層を設け、直流重畳特性を改善する試みがなされている(たとえば特許文献1)。
しかしながら、コイルの螺旋軸と直交する平面方向の非磁性層を導体コイル間に設けた構造のインダクタンス素子では、小電流重畳時のインダクタンスの急激な低下はみられなくなるが、重畳電流が大きくなるに従いインダクタンスが低下していくという問題があった。
本発明は懸る従来の欠点を解消し、大電流まで一定のインダクタンスが得られる積層型インダクタンス素子を提供するものである。
本発明の積層型インダクタンス素子では、導体コイルの線間をショートカットして、非磁性ギャップを通らずに流れる磁束に着目し、導体コイルの線間も非磁性体とすることでショートカット磁束を減らし磁気飽和を抑制し、フラットな直流重畳特性を実現したものである。
即ち、本発明の積層型インダクタンス素子は、積層および同時焼成により、螺旋状の導体のコイルが非磁性体を含む磁性体セラミックスの内部に設けられた積層型インダクタンス素子において、前記コイルの螺旋軸と直交する面内で前記コイルと交わる1つの非磁性絶縁層が設けられ、かつ前記螺旋軸に平行な方向での前記コイルの導体間が非磁性絶縁体で形成されたことを特徴とする。
本発明では、導体コイルの線間も非磁性体とすることでショートカット磁束を減らし磁気飽和を抑制したので、本発明によれば、一般的な電子機器の電源系程度の比較的大きな電流の領域まで、電流に対するインダクタンスの変化が少ない積層型インダクタンス素子を提供することができる。
次に本発明を実施の形態によって詳細に説明する。
(1)Ni−Cu−Znフェライト粉末 (比表面積5.2m2/g): 100重量部
結合剤(ポリビニルブチラール):5重量部
溶剤(エチルセロソルブ):70重量部
上記組成をスパイラルミキサーにて混合し、さらにビーズミルを用いて混練分散し、磁性体形成用ペーストを得た。
結合剤(ポリビニルブチラール):5重量部
溶剤(エチルセロソルブ):70重量部
上記組成をスパイラルミキサーにて混合し、さらにビーズミルを用いて混練分散し、磁性体形成用ペーストを得た。
(2)Cu−Znフェライト粉末(比表面積4.4m2/g):100重量部
結合剤(ポリビニルブチラール):5重量部
溶剤(エチルセロソルブ):70重量部
上記組成をスパイラルミキサーにて混合し、さらにビーズミルを用いて混練分散し、非磁性体形成用ペーストを得た。
結合剤(ポリビニルブチラール):5重量部
溶剤(エチルセロソルブ):70重量部
上記組成をスパイラルミキサーにて混合し、さらにビーズミルを用いて混練分散し、非磁性体形成用ペーストを得た。
(3)結合剤(エチルセルロース):5重量部
溶剤(α−テルピネオール):15重量部
溶剤(ブチルカルビトールアセテート): 10重量部
銀微粉末(平均粒径0.5μm): 100重量部
上記組成を3本ロールにて混練分散し、導体形成用Agペーストを得た。
溶剤(α−テルピネオール):15重量部
溶剤(ブチルカルビトールアセテート): 10重量部
銀微粉末(平均粒径0.5μm): 100重量部
上記組成を3本ロールにて混練分散し、導体形成用Agペーストを得た。
次に、作製した磁性体形成用ペーストを用い、ドクターブレード法により所定の厚さ(200μm)のグリーンシートを作製した。その上に、Agペーストと磁性体形成用ペーストおよび非磁性体形成用ペーストを用い、磁性体および非磁性体セラミックスの中に導体の積層巻線を形成し、図1に示す3種の断面構造となるように印刷積層を行った。即ち、図1は本実施の形態または比較例に係る積層型インダクタンス素子の断面図であり、11は磁性体、12aは非磁性体層、12bは非磁性体、13は外部電極、14は内部導体である。
図1(a)は本実施の形態での積層型インダクタンス素子の断面図であり、内部導体14からなる導体コイルの間に、コイルの螺旋軸と直交する平面方向の非磁性体層12a(層厚50μm)を設け、かつ、コイルの線間も非磁性体12bであり、絶縁体の他の部分は磁性体11としたものである。
図1(b)は比較例1の積層型インダクタンス素子の断面図であり、内部導体14からなる導体コイルに対し、絶縁体はすべて磁性体11であり、完全な閉磁路を持つ一般的なタイプである。
図1(c)は比較例2の積層型インダクタンス素子の断面図であり、内部導体14からなる導体コイルの間に、コイルの螺旋軸と直交する平面方向の非磁性体層12a(層厚50μm)を設け、絶縁体の他の部分は磁性体11としたものである。
その印刷積層の後、さらにその上に磁性体形成用ペーストを用いてドクターブレード法により作製した厚さ200μmのグリーンシートを熱プレスにより重畳して積層し、所定の大きさに切断し、これを脱バインダー後、900℃で一体焼成した。この焼成体の積層巻線のリードが露出している面に、Agを主成分とした導電性ペーストを塗布し、約600℃で焼き付けを行い、外部電極を形成して外形寸法3×1.6×1.2mmの積層型インダクタンス素子を作製した。
作製した積層型インダクタンス素子の、インダクタンスの直流重畳特性を評価した。図2に、本実施の形態および比較例でのインダクタンスの直流重畳特性を示す。縦軸はインダクタンスL、横軸は直流電流Iである。図2より、本発明の積層型インダクタンス素子での直流重畳特性曲線(a)は他に比べて、特性が改善されフラットになっていることがわかる。比較例2の直流重畳特性曲線(c)も比較例1の直流重畳特性曲線(b)に比べ電流重畳時のインダクタンスの急激な低下はみられず、重畳特性の改善がみられるが、これは磁路中に非磁性ギャップを設けたことによるものである。しかし比較例2の直流重畳特性曲線(c)では導体コイルの線間をショートカットして、非磁性ギャップを通らず流れる磁束が存在するために、銅線と磁性コアからなりギャップを設けた巻線部品のように、フラットな重畳特性を得ることはできない。それに対し、本発明の実施の形態での直流重畳特性曲線(a)では比較例2の直流重畳特性曲線(c)に対しさらに導体コイルの線間も非磁性体とすることでショートカット磁束を減らし、フラットな重畳特性を実現することができた。
補足すると、非磁性層を厚くしても、コイルの周辺部分をすべて非磁性層にしないかぎりは、非磁性層(非磁性ギャップ)を通過しないショートカット磁束はなくならず、磁束密度の高い部分で磁気飽和が起こるので、インダクタンスの直流重畳特性の大幅な改善はできない。またコイルの周辺部分をすべて非磁性層にした場合は、空芯コイルと同様となり、磁気飽和による重畳特性劣化はないものの、高いインダクタンスは得られない。それに対し、本発明の実施の形態のように非磁性体を配置した場合は、コイル導体の線間が非磁性体であることによりショートカット磁束がほとんどなく、ほぼすべての磁束がコイルの周りの磁性体中を回る様になる。この全磁束がコイルの軸に垂直に設けた非磁性ギャップ(非磁性層)を通るため、高いインダクタンスと良好な直流重畳性を同時に得ることができる。
本実施の形態では、上記組成でペーストを作製したが、これ以外の成分・配合比でも、印刷可能なペーストが得られるものであればよい。
上述したように、本発明の積層型インダクタンス素子は、一般的な電子機器の電源系程度の比較的大きな電流の領域まで、電流によるインダクタンスの変化が少ない積層型インダクタンス素子となっている。
11 磁性体
12a 非磁性体層
12b 非磁性体
13 外部電極
14 内部導体
12a 非磁性体層
12b 非磁性体
13 外部電極
14 内部導体
Claims (1)
- 印刷積層および同時焼成により、螺旋状の導体のコイルが非磁性体を含む磁性体セラミックスの内部に設けられた積層型インダクタンス素子において、前記コイルの螺旋軸と直交する面内で前記コイルと交わる1つの非磁性絶縁層が設けられ、かつ、前記螺旋軸に平行な方向での前記コイルの導体間が非磁性絶縁体で形成されたことを特徴とする積層型インダクタンス素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006033636A JP2007214424A (ja) | 2006-02-10 | 2006-02-10 | 積層型インダクタンス素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006033636A JP2007214424A (ja) | 2006-02-10 | 2006-02-10 | 積層型インダクタンス素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007214424A true JP2007214424A (ja) | 2007-08-23 |
Family
ID=38492576
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2006033636A Pending JP2007214424A (ja) | 2006-02-10 | 2006-02-10 | 積層型インダクタンス素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007214424A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8198972B2 (en) | 2008-04-08 | 2012-06-12 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Electronic component |
JP2013033941A (ja) * | 2011-07-29 | 2013-02-14 | Samsung Electro-Mechanics Co Ltd | 積層型インダクタ及びその製造方法 |
WO2013031680A1 (ja) | 2011-08-26 | 2013-03-07 | ローム株式会社 | 磁性金属基板およびインダクタンス素子 |
US8395471B2 (en) | 2008-06-12 | 2013-03-12 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Electronic component |
KR20150006678A (ko) * | 2013-07-09 | 2015-01-19 | 삼성전기주식회사 | 적층형 인덕터 및 이의 제조방법 |
-
2006
- 2006-02-10 JP JP2006033636A patent/JP2007214424A/ja active Pending
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