JP6361150B2 - 送受電コイル及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、非接触で電力の送電及び受電を行う送受電コイル及びその製造方法に関する。
近年、多機能携帯端末装置等に代表される電子機器の高性能化は著しく、多機能化したことによりバッテリの消費も早く、充電の頻度が以前の電子機器よりも頻繁になってきている。この充電においては利便性の面及び防水性の観点から、ワイヤレス給電が導入されるようになってきている。
ワイヤレスで電力を供給する方法としては、一般に電磁誘導方式と磁界共鳴方式がある。電磁誘導方式は、送電側と受電側とで磁束を共有し、近距離にて効率よく電力を送ることが可能である。一方、磁界共鳴方式は、電磁誘導型より距離を離して電力を伝送することができ、かつ、多少軸あわせが悪くても伝送効率が落ちない特徴がある。
これらのワイヤレス給電システムは、いずれも送電回路と接続された送電側コイルから、電磁誘導或いは電磁共鳴により受電側コイルに電力が伝達される構造となっている。なお、以下の説明において、送電側コイルと受電側コイルを総称して送受電コイルということがある。
従来、送受電コイルとしては、金属コイルが用いられている。この金属コイルは、絶縁材で被覆したコイル線材を渦巻き状に巻回することによりコイルを構成していた(特許文献1,2参照)。
特開2013−243014号公報 特開2012−174727号公報
しかしながら、このコイル線材の直径は例えばφ0.2mm前後であり、周りに絶縁被膜材が必要であるため、金属コイルを用いたワイヤレス給電装置では金属コイルの配設スペースが大きくなり、小型化・薄型化を図ることができないという問題点があった。
本発明のある態様の例示的な目的の一つは、高い送受電効率を維持しつつ小型化を図りうる送受電コイル及びその製造方法を提供することにある。
本発明のある態様によると、
絶縁性フィルムと、前記絶縁性フィルムに形成されたコイルパターンとを有した送受電コイルであって、
前記コイルパターンは、
前記絶縁性フィルムに形成されたクロムの含有量が7〜20重量%であるニッケル・クロム合金よりなる金属スパッタ層と、前記金属スパッタ層の上部に電気銅めっきを行うことにより形成された銅層とを積層した構造を有し、
前記コイルパターンの厚さは、50μm以上200μm以下であり、
前記絶縁性フィルムの厚さは、25μm以上50μm以下であり、
前記金属スパッタ層は厚さが4nm〜30nmである
本発明のある態様によると、高い送受電効率を維持しつつ小型化を図ることができる。
図1は、ある実施形態である送受電コイルを用いたワイヤレス給電システムを示す構成図である。 図2は、ある実施形態である送受電コイルを示す斜視図である。 図3はある実施形態である送受電コイルの端部接続構造を説明するための図であり、図3(A)は平面図、図3(B)は図3(A)の矢印Aで示す部分を拡大して示す断面図である。 図4は他の実施形態である送受電コイルを示す図であり、図4(A)は平面図、図4(B)は背面図、図4(C)は図4(A),(B)の矢印Bで示す部分を拡大して示す断面図である。 図5は、送受電コイルの製造方法を説明するための図である。
次に、添付の図面を参照しながら、本発明の限定的でない例示の実施形態について説明する。
なお、添付の全図面の中の記載で、同一又は対応する部材又は部品には、同一又は対応する参照符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面は、特に指定しない限り、部材もしくは部品間の相対比を示すことを目的としない。従って、具体的な寸法は、以下の限定的でない実施形態に照らし、当業者により決定することができる。
また、以下説明する実施形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施形態に記述される全ての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
図1は、本発明のある実施形態である送受電コイルを用いたワイヤレス給電システム1を示している。
同図に示すように、ワイヤレス給電システム1は、送電側では送電回路部2に送電側コイル10Aが接続され、受電側では受電回路部3に受電側コイル10Bが接続されている。エネルギーの送受信は、電磁誘導方式又は磁界共鳴方式により、送電側コイル10A及び受電側コイル10Bにより行われる。
図2は、本発明のある実施形態である送受電コイル10を示している。なお、送電側コイル10A及び受電側コイル10Bは同一構成である。このため、以下の説明においては送電側コイル10A及び受電側コイル10Bを総称して送受電コイル10といい、送電側コイル10A及び受電側コイル10Bの説明を一括的に行うことがある。
送受電コイル10は、絶縁性フィルム12にコイルパターン14が形成された構成とされている。本実施形態では、コイルパターン14は絶縁性フィルム12の表面部12aに形成されている。また絶縁性フィルム12の背面部12bには、接続配線26が形成されている(図3参照)。
絶縁性フィルム12は、フレキシブル性があり折り曲げ可能で、かつ絶縁性が確保できる材料により形成されている。また絶縁性フィルム12の厚さは、ハンドリング性等から25〜50μmとすることが望ましい。この絶縁性フィルム12の材料としては、例えばポリイミドフィルム又はポリエステルフィルムを用いることができる。
この際、送電回路部2及び受電回路部3との接続で耐熱性を必要とする場合は、絶縁性フィルム12の材料として耐熱性のあるポリイミドフィルムを用いることが好ましい。また耐熱性を必要としない場合は、安価なポリエステルフィルムを用いることが好ましい。
具体的にはポリイミドフィルムの場合には、ユーピレックス(宇部興産製)やカプトン(東レ・デュポン製)等を用いることができる。またポリエステルフィルムの場合には、ルミラー(東レ製)を用いることができる。なお、ユーピレックス,カプトン,ルミラーは、いずれも製品名である。
コイルパターン14は、絶縁性フィルム12の表面部12aに形成されている。このコイルパターン14は、コイル部16と連絡配線部18,20を有した構成とされている。コイル部16は、実際に電磁誘導或いは磁界共鳴により電力の送受電を行う部位である。本実施形態に係るコイルパターン14では3ターンのコイルを例示しているが、コイルのターン数(巻き数)はこれに限定されるものではない。
連絡配線部18,20は、コイル部16を送電回路部2又は受電回路部3に接続する配線である。本実施形態では、双方の連絡配線部18,20を絶縁性フィルム12の表面部12aに平行に形成した構成としている。
コイル部16の外側端部16aは、連絡配線部18の端部18aと一体的に接続されている。これに対してコイル部16の内側端部16bは、コイル部16の内部に位置している。このため内側端部16bは、連絡配線部20に直接接続することができない。
そこで本実施形態に係る送受電コイル10は、図3(B)に示すように、絶縁性フィルム12の背面部12bに接続配線26を設け、この接続配線26を用いてコイル部16の外側端部16aと連絡配線部20の端部20aとを接続する構成としている。
接続配線26の一端部は内側端部16bと対向する位置まで延出しており、また接続配線26の他端部は端部20aと対向する位置まで延出している。また絶縁性フィルム12にはスルーホール28,29が形成されている。
スルーホール28,29は、絶縁性フィルム12に形成された貫通孔40の内部に銅が形成されたものである(図5参照)。スルーホール28は、端部20aと接続配線26との間に形成されている。よって連絡配線部20(端部20a)と接続配線26は、スルーホール28により電気的に接続される。
またスルーホール29は、内側端部16bと接続配線26との間に形成されている。よって、コイル部16(外側端部16a)と接続配線26は、スルーホール29により接続される。これにより、コイル部16の内側端部16bは、接続配線26を介して連絡配線部20と電気的に接続される。
上記のコイルパターン14及び接続配線26は、金属スパッタ層22の上部に銅層24を積層形成した構造とされている。このコイルパターン14及び接続配線26は、後に詳述するようにセミアディティブ法を用いて形成される。
金属スパッタ層22は、絶縁性フィルム12の表面部12a及び背面部12bに導電性金属スパッタリングすることにより形成されている。この金属スパッタ層22は、いわゆるシード層として機能し、後述するように銅層24を電気めっきする際の給電配線として機能する。
なお、シード層の形成方法として、接着剤を用いて導電性金属よりなる金属箔を絶縁性フィルム12の表面に接着する方法も考えられる。しかしながら、本実施形態のようにスパッタリング方を用いることにより、接着剤を不要とすることができると共に接着層の厚みを削減することができる。
金属スパッタ層22の材料としては、銅、ニッケル、クロム、或いはニッケル系合金等を用いることができる。この中でも、本実施形態ではセミアディティブ法を用いて銅層24を電気銅めっきするため、そのシード層となる金属スパッタ層22としては銅を用いることが望ましい。
金属スパッタ層22の材質として銅を用いることにより、金属スパッタ層22と銅層24との接合性を高めることができる。また、金属スパッタ層22の材質として銅を用いた場合、金属スパッタ層22の厚さは50nm〜200nmとすることができる。
また送受電コイル10が折り曲げ性を必要とする場合、また絶縁性フィルム12と金属スパッタ層22との密着性を高くしたい場合には、金属スパッタ層22としてニッケル系合金を用いることが望ましい。またニッケル系合金の中でも、ニッケル・クロム合金が絶縁性フィルム12(樹脂製)との密着力に安定性があり望ましい。更に、ニッケル・クロム合金の上部に、銅の薄膜をスパッタリングで形成してもよい。
一方、金属スパッタ層22としてニッケル・クロム合金を用いる場合は、クロムの含有量が7〜20重量%であることが望ましい。
これは、クロムの含有量が20重量%を超えると、コイルパターン14を形成した後に不用な金属スパッタ層22を除去する時、クロムが加工できずに残る場合があるからである。また、クロムの含有量が7重量%以下での場合には、絶縁性フィルム12と金属スパッタ層22との密着力が低下するからである。
また、金属スパッタ層22の材料としてニッケル・クロム合金を用いた場合、金属スパッタ層22の厚さは4〜30nmが好ましい。
これは、金属スパッタ層22の厚さが3nm以下の場合は、絶縁性フィルム12との密着力が低下することが考えられるからである。また、金属スパッタ層22の厚さが30nmを超えると、コイルパターン14を形成した後に不用な金属スパッタ層22を除去する際、クロムが加工できずに加工残りが発生するおそれがあるからである。なお、ニッケル・クロム合金よりなる層を形成した後、その上部に形成される銅スパッタリング層の厚みは、50〜200nmが好ましい。
銅層24は、上記構成の金属スパッタ層22の上部に形成される。本実施形態では、コイルパターン14及び接続配線26がセミアディティブ法により形成される。この際、銅層24は電気めっきにより行われるため、その厚さ(めっき厚)を大きくすることができる。
この銅層24のめっき厚は、電力の伝送の大きさや、コイルパターンの幅、ピッチ、巻き回数等により決定されるが、50〜200μmが望ましい。これは、銅層24の厚さが200μmを超えた場合は送受電コイル10のフレキシブル性が低下すること、また50μm未満になると電気抵抗が増大すると共に強度が低下するからである。
上記構成とされた送受電コイル10は、基板として絶縁性フィルム12を使用すると共に、コイルパターン14を構成する銅層24を電気銅めっきで形成したことにより、送受電コイル10にフレキシブル性を持たすことができる。また、従来のように絶縁材で被覆したコイル線材を渦巻き状に巻回したコイルに比べ、小型化及び薄型化を図ることができる。
また、コイルパターン14を構成する銅層24は電気銅めっきで形成されるため、50〜200μmの厚い寸法で形成することができる。このため、送受電コイル10をワイヤレス給電システム1に用いた場合、コイルパターン14の電気的抵抗が低いため、送受電処理の効率を高めることができる。なお、コイルパターン14は、円形以外にも四角型等所望の形状のコイルパターンを形成することができる。
次に、他の実施形態である送受電コイル30について説明する。
図4は、他の実施形態に係る送受電コイル30を説明するための図である。図4(A)は送受電コイル30の平面図、図4(B)は送受電コイル30の背面図、図4(C)は図4(A),(B)に矢印Bで示す部分を拡大して示す断面図である。
送受電コイル30は、絶縁性フィルム12にコイルパターン31が形成された構成を有している。コイルパターン31は、絶縁性フィルム12の表面部12aに形成された表面コイルパターン31Aと、背面部12bに形成された背面コイルパターン31Bを有している。
また、表面コイルパターン31Aは表面コイル部32と表面連絡配線部36を有しており、背面コイルパターン31Bは背面コイル部34とて背面連絡配線部38を有している。この表面コイル部32及び背面コイル部34は、前記したコイルパターン14と同様にセミアディティブ法により形成されており、金属スパッタ層22の上部に銅層24を積層形成した構造を有している。
また表面コイル部32の内側端部32aと背面コイル部34の内側端部34aは、図4(C)に示すように、スルーホール39により接続されている。これにより、表面コイルパターン31Aと背面コイルパターン31Bは協働して一つのコイルを形成する。
コイルパターン31は、前記ように絶縁性フィルム12の両面にセミアディティブ法による銅めっきとして配線を形成しているため、コイルパターン31(表面コイルパターン31A,背面コイルパターン31B)を絶縁性フィルム12の表面部12aと背面部12bのそれぞれに形成することができる。
これにより、同一面積を有する絶縁性フィルム12において、ターン数が多く電気抵抗が小さいコイルパターン31を形成することが可能となり、送受電コイル30のエネルギーの伝送効率を高めることができる。
本実施形態では、表面コイルパターン31Aと背面コイルパターン31Bを同一パターンとしたが、表面部12aと背面部12bで異なる形状のコイルパターンを形成することも可能である。また、表面部12a又は背面部12bの一方にコイルパターンを形成し、他方に送電回路部2及び受電回路部3との連絡配線を形成することも可能である。
更に、スルーホール39の形成位置を適宜選定することにより、自由度持って絶縁性フィルム12に形成される各連絡配線部36,38の形成位置を設定することができる。これにより、表面コイル部32及び背面コイル部34のコイル形状の自由度、及び各連絡配線部36,38の配設位置の自由度を高めることができる。
次に、図5を用いて送受電コイルの製造方法について説明する。以下の説明では、図4に示した送受電コイル30の製造方法を例に挙げて説明する。
しかしながら、図2及び図3に示した送受電コイル10についても、同様の製造方法を用いて製造することができる。また、図5は送受電コイル30の図4に矢印Bで示す部分の製造方法を示しているが、他の部分も同様に製造される。
送受電コイル30を製造するには、絶縁性フィルム12を用意する。この絶縁性フィルム12には、先ず図示しない基準孔(図示せず)を形成する。続いて、この基準孔を基準とし、絶縁性フィルム12に貫通孔40を形成する。図5(A)は貫通孔40が形成された絶縁性フィルム12を示している。この貫通孔40は、スルーホール39の形成位置に対応する位置に形成される。
基準孔及び貫通孔40は、絶縁性フィルム12に公知技術を用いて形成される。具体的には、基準孔及び貫通孔40は、ドリル加工、パンチング加工、エッチング加工或いはレーザー加工等を用いて穿設される。
絶縁性フィルム12に貫通孔40が形成されると、セミアディティブ法を用いてコイルパターン31を成形する。
コイルパターン31を形成するには、先ず絶縁性フィルム12の表面部12a及び背面部12bに導電性金属をスパッタリングして金属スパッタ層22を形成する(以下の説明において、絶縁性フィルム12の表面部12a及び背面部12bを総称する場合、表背面部ということがある)。この際、貫通孔40の内壁にも導電性金属をスパッタリングして金属スパッタ層22を形成する。図5(B)は、金属スパッタ層22が形成された絶縁性フィルム12を示している。
なお、金属スパッタ層22を形成する際、スパッタリング法の替わりに無電解銅めっき法を用いて金属スパッタ層22を形成することも考えられる。
金属スパッタ層22が形成されると、絶縁性フィルム12の表背面部にレジスト42,44が配設される。図5(C)は、レジスト42,44が配設された絶縁性フィルム12を示している。
続いて、レジスト42,44のそれぞれに、コイル部32,34及び連絡配線部36,38のパターンに対応した露光パターンが形成された露光用フォトマスク(図示せず)を配設する。次に、常法による露光及び現像処理を行うことにより、コイル部32,34及び連絡配線部36,38のパターンに対応した部分を除去する。これにより、コイル部32,34及び連絡配線部36,38のパターンに対応した開口部45、46を有したレジストマスク48,50が形成される。図5(D)は、レジストマスク48,50が形成された状態の絶縁性フィルム12を示している。
レジストマスク48,50が形成された絶縁性フィルム12は、電気めっき装置に装着される。そして、金属スパッタ層22を給電配線として、電気めっきにより銅めっきを実施する。これにより、レジストマスク48,50の開口部45が形成された部位は金属スパッタ層22が露出された状態であるため、金属スパッタ層22の上部には銅がめっきされる。
金属スパッタ層22の上部に形成される銅の厚さは、電気メッキ時間及びめっき電流の強さ等(以下、めっき制御値という)を調整することにより制御することができる。本実施形態では、銅の厚さが50〜200μmとなるようめっき処理の制御を行っている。
これにより、絶縁性フィルム12(金属スパッタ層22)の表面部12aには表面コイル部32及び表面連絡配線部36が形成され、背面部12bには背面コイル部34及び背面連絡配線部38が形成される。また、貫通孔40の内部にも銅めっきが行われ、スルーホール39が形成される。
図5(E)は、レジストマスク48,50の開口部45内にコイル部32,34、連絡配線部36,38、及びスルーホール39が形成された状態を示している。なお、本実施形態では貫通孔40を銅で埋めることによりスルーホール39を形成したが、必ずしも貫通孔40は銅で埋める必要はなく、貫通孔40の内周に環状に銅めっきを行う構成としてもよい。
次に、図5(F)に示すようにレジストマスク48,50を除去する。そして、不要な金属スパッタ層22を除去することにより、図5(G)に示す送受電コイル30が製造される。
上記のように本実施形態では、セミアディティブ法を用いて送受電コイル30を製造している。しかしながら、絶縁性フィルムを用いた送受電コイルの製造方法として、サブトラクティブ法を適用することも考えられる。
サブトラクティブ法では、絶縁性フィルムの上に予め導電性金属(銅等)を電解メッキにより形成しておき、その後フォトエッチング加工によりコイルパターンを成形し送受電コイルを形成する。
しかしながら、サブトラクティブ法では、エッチング加工を用いてコイルパターンを形成している。このエッチング処理は、銅層の表面から行われる。また本実施形態のようにワイヤレス給電システムに用いる場合、コイルを構成する銅層を厚く形成(50〜200μmの厚さで形成)する必要がある。このためサブトラクティブ法では、銅層のエッチング部分が多くなり経済的に問題がある。また、エッチングの際に銅層の断面形状が富士山形状にエッチング(オーバエッチング)されてしまうおそれがある。
これに対して本実施形態のようにセミアディティブ法を用いた場合、レジストマスク48,50に形成された開口部45内に銅めっきによりコイルパターン31が形成されるため、必要な部分にのみコイルパターンを形成することができ、かつアスペクト比の良好な(ほぼ四角の断面積を有した)コイルパターン31を形成することができる。これにより、コイルパターン31を構成するコイル部32,34の各配線を近接できる(高密度化できる)ためターン数を多くすることができ、またオーバエッチングされないためコイルパターン31の電気抵抗を小さくすることができる。
一方、送受電コイルの製造工程では絶縁性フィルムをロール状に巻回しておき、加工時にこのロールから送り出すことが行われている。この際、サブトラクティブ法を用いた場合には、コイルパターン31の加工前では絶縁性フィルムの全面に厚い銅層が形成されているため絶縁性フィルムは硬くなる。よって、サブトラクティブ法に用いる銅層が形成された絶縁性フィルムをリールに巻回する際、巻き癖がついてしまうおそれがありロール搬送が難しい。
これに対して本実施形態のようにセミアディティブ法を用いた場合には、コイルパターン31の形成前の絶縁性フィルム12上に金属スパッタ層22が形成された状態では、金属スパッタ層22は略0.1μm程度と薄いため、十分フレキシブル性を確保でき問題なくリールに巻回することができる。これにより、送受電コイル30の製造時における絶縁性フィルム12の取り扱い性が良好となり、量産性及び経済性の向上を図ることができる。
次に、上記の製造方法の具体的な実施例について説明する。
絶縁性フィルムとして厚さ25μmのポリイミドフィルム(商品名:カプトン:東レ・デュポン製)を使用し、このポリイミドフィルムに基準孔を形成した。次に、このポリイミドフィルムに対し、この基準孔を基準にφ500μmの貫通孔をプレス加工にて形成した。
続いて、このポリイミドフィルムの両面及び貫通孔の側面に、7nmの厚さのニッケル・クロム合金(クロム20重量%)膜をスパッタリングにより形成した。その後、ニッケル・クロム合金膜の上部に、厚さ100nmの銅層をスパッタリングにより形成した。
このポリイミドフィルムを基板として使用し、この基板の表背面部にセミアディティブ法を用いて、コイル幅1500μm,スペース800μm,ターン数(巻き数)が2回の正方形型のコイルパターン(銅層)を形成することにより送受電コイルを製造した。この銅層は電気銅めっきにより形成し、その厚さは70μmとした。
本実施例に係る送受電コイルの製造方法は、前記した実施例1と基本的には同一の製造方法である。しかしながら、実施例1では絶縁性フィルムの材質をポリイミドとしていたのに対し、実施例2では絶縁性フィルムの材質を厚さ50μmのポリエステルフィルム(商品名:ルミラー:東レ製)に変更した。
基板の表面部には、コイル幅1500μm、スペース800μm、ターン数3回の正方形型のコイルパターンを形成した。また基板の背面部には、基板の表面に形成されたコイルパターンを横切る接続配線を形成した。
そして、コイルパターンの内側端部を基板に形成したスルーホールを用いて接続配線の一端に接続した。また接続配線の他端部は、基板に形成したスルーホールを用いて、基板の表面部に形成された連絡配線に接続した。これにより、基板の表面にコイルパターン及び一対の連絡配線が配置された送受電コイルを製造した。
実施例3は、前記した実施例1と同一の方法より送受電コイルを製造するが、金属スパッタリング層を厚さ100nmの銅スパッタリング層に変更した。なお、コイルパターンは実施例2と同一とした。
実施例4は、前記した実施例1と同一の方法より送受電コイルを製造するが、絶縁性フィルムをポリイミドから厚さ50μmのポリエステルフィルム(商品名:ルミラー:東レ製)に変更した。またこれに加え、金属スパッタリング層を、厚さ100nmの銅スパッタリング層に変更した。なお、コイルパターンは実施例2と同一とした。
次に、上記のようにして製造した実施例1〜実施例4の送受電コイルに対して以下に述べる評価を行った結果について説明する。
送受電コイルの評価としては、絶縁性フィルムに金属スパッタ層を形成した基板(フィルム基板という)のフレキシブル性や折り曲げ性が重要となる。このため、一般的には絶縁性フィルムと銅層の密着力は、ピール強度を計測することにより評価されている。
具体的な密着力の計測方法としては、IPC−TM−650、NUMBER2.4.9に準拠した方法で行った。そして、リード幅は1mm、ピールの角度は90°、銅厚は10μmとした。ピール強度は、一般的に銅厚が10μmにおいて300N/m以上あれば送受電コイル用の基板としての密着性はあると判断できるため、折り曲げ時に絶縁フィルムと銅層の剥離は生じないと推定することができる。
実施例1〜4で製造したそれぞれの送受電コイルに対してピール強度を測定した結果、実施例1は650N/m、実施例2では450N/m、実施例3では550N/m、実施例4では350N/mであった。
この評価結果から、実施例3,4に比べて実施例1の方がピール強度が高いことが判明した。これは、金属スパッタリング層としてニッケル・クロム合金を用いた場合、ニッケル・クロム合金のアンカー効果によりピール強度が向上するからであると考えられる。
また実施例2〜4も、ピール強度は300N/m以上あり使用上は問題ない強度であることが分かった。よって実施例1〜4は、送受電コイルとして装置に組み込まれ使用上しても問題ないことが確認された。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は上記した特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能なものである。
1 ワイヤレス給電システム
2 送電回路部
3 受電回路部
10,30A 送受電コイル
10A 送電側コイル
10B 受電側コイル
12 絶縁性フィルム
12a 表面部
12b 背面部
14,31 コイルパターン
16 コイル部
16a 外側端部
16b 内側端部
18,20 連絡配線部
22 金属スパッタ層
24 銅層
26 接続配線
28,29,39 スルーホール
31A 表面コイルパターン
31B 背面コイルパターン
32 表面コイル部
34 背面コイル部
32a,34a 内側端部
36 表面連絡配線部
38 背面連絡配線部
40 貫通孔
42,44 レジスト
48,50 レジストマスク

Claims (7)

  1. 絶縁性フィルムと、前記絶縁性フィルムに形成されたコイルパターンとを有した送受電コイルであって、
    前記コイルパターンは、
    前記絶縁性フィルムに形成されたクロムの含有量が7〜20重量%であるニッケル・クロム合金よりなる金属スパッタ層と、前記金属スパッタ層の上部に電気銅めっきを行うことにより形成された銅層とを積層した構造とし、
    前記コイルパターンの厚さは、50μm以上200μm以下であり、
    前記絶縁性フィルムの厚さは、25μm以上50μm以下であり、
    前記金属スパッタ層は厚さが4nm〜30nmである
    ことを特徴とする送受電コイル。
  2. 前記金属スパッタ層及び前記コイルパターンを前記絶縁性フィルムの表面部及び背面部に夫々形成すると共に、前記表面部に形成された前記コイルパターンと前記背面部に形成されたコイルパターンとを接続するスルーホールを設けたことを特徴とする請求項1記載の送受電コイル。
  3. 前記金属スパッタ層は、ニッケル・クロム合金層上に銅層が積層された構成であることを特徴とする請求項1又は2記載の送受電コイル。
  4. 前記絶縁性フィルムは、ポリイミドフィルム又はポリエステルフィルムであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の送受電コイル。
  5. 厚さが25μm以上50μm以下である絶縁性フィルムにクロムの含有量が7〜20重量%であるニッケル・クロム合金をスパッタすることにより厚さが4nm〜30nmである金属スパッタ層を形成する金属スパッタ層形成工程と、
    前記金属スパッタ層上に電気銅めっきを行うことによりコイルパターンを50μm以上200μm以下の厚さで形成するコイルパターン形成工程と、
    を有する送受電コイルの製造方法。
  6. 金属スパッタ層形成工程を実施する前に、前記絶縁性フィルムに貫通孔を形成する貫通孔形成工程を実施し、
    金属スパッタ層形成工程では、前記絶縁性フィルムの表面部及び背面部の夫々に前記金属スパッタ層を形成し、
    前記コイルパターン形成工程では、前記表面部及び前記背面部の夫々に前記コイルパターンを形成すると共に、前記貫通孔にも電気銅めっきを行うことを特徴とする請求項5記載の送受電コイルの製造方法。
  7. 前記金属スパッタ層形成工程及び前記コイルパターン形成工程は、セミアディティブ法を用いて行うことを特徴とする請求項5又は6記載の送受電コイルの製造方法。
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