JP2003173921A - 非接触充電器用の平面磁気素子 - Google Patents

非接触充電器用の平面磁気素子

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JP2003173921A
JP2003173921A JP2001374581A JP2001374581A JP2003173921A JP 2003173921 A JP2003173921 A JP 2003173921A JP 2001374581 A JP2001374581 A JP 2001374581A JP 2001374581 A JP2001374581 A JP 2001374581A JP 2003173921 A JP2003173921 A JP 2003173921A
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coil
planar
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ferrite
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Hideaki Kohiki
英明 小日置
Yasutaka Fukuda
泰隆 福田
Kazuhiko Echizenya
一彦 越前谷
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JFE Steel Corp
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非接触充電器に搭載される平面磁気素子に関
し、特に該平面磁気素子の大幅な薄型化と充電効率向上
を達成する。 【解決手段】 磁性層の片面に、スパイラル型の平面コ
イルを埋設した構造となる平面磁気素子であって、該平
面コイルの中心に、当該平面磁気素子の平面積に対し5
〜25%の占有面積を占める磁性窓を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非接触充電器に搭
載される平面磁気素子に関し、特に該平面磁気素子の大
幅な薄型化と充電効率向上を達成するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の情報技術の普及に伴い、携帯電話
や電子情報端末等の小型・薄型・軽量化が急速に進み、
Liイオン電池やニッケル水素電池のような2次電池駆動
の電源が多用されるようになってきている。しかしなが
ら、携帯機器は人体の近くに常備されることが多く、充
電用の接点が露出した形では信頼性に問題を生じる恐れ
があり、非接触式の充電システムが要望されている。
【0003】これまで、非接触充電システムとしては、
主にシェーバーや電動歯ブラシなどの水回りの機器に用
いられてきたが、最近では、例えば特開平2000-78763号
公報に記載のように携帯電話やPHS などの携帯用電子機
器にも用いられるようになってきている。また、特に薄
型のものとして、カード型非接触給電装置の例をあげる
ことができる(Kanai et al.:IEEE APEC Record,pp.115
7-1162(2000)、金井ら:電気学会マグネティクス研究会
MAG-00-150等参照)。
【0004】このような非接触充電システム(非接触給
電装置)における磁気素子としては、従来、 フェライト
板やアモルファス薄帯上に銅線を巻き回した構造、ある
いは空心コイル構造を採用してきた。しかしながら、こ
れら従来の磁気素子には、構造上、次に述べるような問
題があった。 (1) コイル厚が1mm程度でかつ寸法が数cm角と大きいた
め、占有面積・体積が大きく、機器の小型・薄型化を阻
害する。 (2) 送電側からの磁束がコイル中を横切るため、受電コ
イル内で発生する渦電流による損失が大きい。
【0005】ところで、極薄型のコイルとしては、印刷
法やシート法で形成したフェライト磁性膜を用いた平面
型の磁気素子が知られている(特開平11-26239号公報等
参照)。この平面型の磁気素子は、まず、フェライト粉
にバインダを混ぜた磁性ペーストをSi基板上に印刷、焼
成することによって高低抗のフェライト磁性膜を形成
し、次に、 この膜上にコイルパターンをめっき法などで
形成した後、さらにその上に磁性膜を形成して製作され
る。そして、薄型化はもちろん、コイル損失を効果的に
抑制することに成功している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
構造の磁気素子では、コイルの両側に磁性体を配置して
いるため、外部への磁束の取り出しおよび外部からの磁
束の取り込みが充分とはいえず、受送電コイル間の磁束
が充分に相互のコイルを横切らない。そのため、非接触
充電器用としては充分な能力を発揮することができず、
本発明が対象とする非接触充電器用の平面磁気素子とし
て適用することができなかった。
【0007】本発明は、非接触充電器に搭載される平面
磁気素子について、その更なる小型化・薄型化を可能と
し、良好な充電効率を実現する非接触充電器用の平面磁
気素子を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究を重ね、磁性層の片面に、スパイ
ラル型の平面コイルを埋設して平面磁気素子を形成し、
さらに、当該平面コイルの中央部に適正な範囲に調整し
た面積をもって形成した磁性窓を設けることで所期の目
的が有利に達成されることを見出した。
【0009】ここで、磁性窓とは、 図1に示すように、
平面コイルの中央部に所定面積を占有して設けた磁性層
の領域であり、 平面コイルの最内巻きのコイル線とその
端子で囲まれた領域を言う。なお、平面コイルは、平面
上を所定の間隔で巻回され、その線間には磁性層が存在
する。この線間に存在する磁性層は、コイル最内巻きの
端子部で当該磁性窓と接続している。
【0010】本発明の非接触充電器用の平面磁気素子
は、上記知見に基づいてなされたものであり、 その要旨
は下記のとおりである。 磁性層の片面に、スパイラル型の平面コイルを埋設
した構造となる平面磁気素子であって、該平面コイルの
中心部に、当該平面磁気素子の平面積に対し5〜25%の
占有面積を占める磁性窓を有することを特徴とする非接
触充電器用の平面磁気素子。 前記磁性層がフェライト磁粉から構成され、前記磁
性層中のフェライト磁粉の体積密度が25vol %以上であ
ることを特徴とする上記に記載の非接触充電器用の平
面磁気素子。 前記磁性層が比透磁率10以上の磁性体で構成される
ことを特徴とする上記またはに記載の非接触充電器
用の平面磁気素子。 上記〜のいずれかに記載の非接触充電器用の平
面磁気素子であって、前記平面コイルのコイル線の幅と
厚みをそれぞれ、次式で示される表皮厚みδの0.25〜4
倍とすることを特徴とする非接触充電器用の平面磁気素
子。
【0011】 δ={2/( μ×σ×ω) }1/2 ・・・ (1) ここで、μ:透磁率(H/m) σ:電気伝導率(S/m) ω:角振動数(rad /s)
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に従う代表的な平面磁気素
子を図1に模式的に示す。本発明の平面磁気素子では、
磁性層1から露出している平面コイル2の上面を送電コ
イル(図示せず)と対向して配置することで、送電コイ
ルで発生する磁束を受電コイルである平面コイル2の線
間および下面の磁性層に取り込むことができ、受電コイ
ルに電力を有効に伝送することができる。さらに、本発
明では、所定面積の磁性窓3を平面コイル2の中心部に
設けたことで、 電力の受電を更に効率化できるのであ
る。なお、4はコイルの接続用端子である。
【0013】ここで、磁性窓3の所定面積としては、 平
面磁気素子の面積に対する占有率として、5%以上、25
%以下とすることを好適とする。占有面積率が5%に満
たない場合、送電側からの磁束はコイル全体に分散して
横切ることになるため、受電コイルである当該平面コイ
ルに誘起される電力は、磁束がコイルの中心に集中した
場合の1/3以下にまで低下する。そのため、占有面積
率を5%以上とすることを好適とする。一方、 磁性窓の
占有面積率が大きいほど送電側からの磁束をコイルの中
心に集めることになり、受電コイルに効率よく電力を誘
起することができるが、25%を超えると、平面コイルの
コイル線長が長くなりすぎ、コイル抵抗の増大を招き、
かえって受電効率が悪くなる。そのため、本発明では占
有面積率を25%以下とすることを好適とする。
【0014】次に、 磁性層がフェライト磁粉から構成さ
れ、前記磁性層中のフェライト磁性粉の体積密度を25vo
l %以上とすることを好適とすることについて説明す
る。フェライト磁粉の体積密度を25vol %以上とするの
は、25vol %未満であると、 充電器側の送電コイルと機
器本体側の受電コイル間の磁気的な結合、すなわち、次
式に示す結合係数kが小さくなり、 充分な充電特性が得
られないからである。
【0015】 k=M/(L1 ×L2 1/2 ・・・ (2) ここで、M:相互インダクタンス(H) L1 :送電コイルの自己インダクタンス(H) L2 :受電コイルの自己インダクタンス(H) なお、このような磁性層は、所望の組成のフェライト磁
粉をエポキシ樹脂などのバインダで固着して形成でき
る。
【0016】また、この体積密度は、磁気素子全体にお
いて、必ずしも同一である必要はなく、磁性層、磁性窓
およびコイル線間など、場所に応じて1種または2種以
上の体積密度の磁性体を用いることができる。また、本
発明において、磁性層の厚みを5〜500 μm程度とする
ことが好ましい。例えば、フェライト磁粉の体積密度の
調整により、適切な磁性層の厚みを調整することができ
るが、この厚みが5μmに満たないと送電側からの磁束
の取り込み効果が乏しくなり、一方、500 μmを超える
と磁気素子が厚くなって機器の薄型化を阻害するからで
ある。
【0017】さらに、本発明においては、 磁性窓部を含
む磁性層が比透磁率10以上の磁性体で構成されるものと
することを好適とする。上記の磁性体において、比透磁
率を10以上とするのは、10未満では充電器側の送電コイ
ルと機器本体側の受電コイル間の磁気的結合を示す結合
係数(上式のk)が小さくなり、 十分な充電特性が得ら
れなくなるからである。
【0018】なお、この比透磁率についても、磁気素子
全体において必ずしも同一とする必要はなく、磁性窓、
コイル線間等の表面部、 磁性層内部のそれぞれの場所に
応じて異なるように構成してもよい。平面コイルについ
ては、 図2に示すコイル線の厚み(a)、 幅(b)をそ
れぞれ、次式で示す表皮厚みδの0.25〜4倍とすること
を好適とする。
【0019】 δ={2/( μ×σ×ω) }1/2 ・・・ (1) ここで、μ:透磁率(H/m) σ:電気伝導率(S/m) ω:角振動数(rad /s) なお、ここで、透磁率および電気伝導率とは、平面コイ
ルの透磁率および電気伝導率である。
【0020】コイル線の厚みや幅を表皮厚みδ以上とし
たコイルに高周波電流を流すと、 電流はコイル表面に集
中し、コイルの中心を流れず、交流抵抗が周波数ととも
に増大する。一方、 表皮厚みδ程度とすると、コイル断
面積が小さくなるため直流抵抗が大きくなり損失が大き
くなる。これを避けるために、コイル線の厚みや幅を表
皮厚み程度に分割した複数のコイルが用いられてきた
が、コイル間を絶縁するスペースが増加する分大きくな
るため素子の小型化が損なわれるだけでなく、近接効果
によりコイル損失の低減に限界があることが明らかとな
っている。
【0021】そこで、非接触充電器の受送電コイルとし
ての使用環境下において、交流抵抗による損失と直流抵
抗による損失の和が最小となる組み合わせについて種々
検討を重ねた。その結果、 コイル線の厚みaおよび幅b
をそれぞれ(1)式で示される表皮厚みδの0.25倍以
上、4倍以下とすることが有効であるとの知見を得た。
すなわち、コイル線の厚みaおよび幅bが表皮厚みδの
0.25倍に満たないと、コイル直流抵抗が大きくなり、コ
イルの発熱が大きくなる。一方、4倍を超えると、直流
抵抗は小さくなるものの、表皮効果による交流抵抗が大
きくなって、全体としての損失の増大を招き、また、磁
気素子の寸法も大きくなりすぎる。なお、より好適に
は、 0.3 倍以上、3倍以下である。
【0022】また、本発明において、 コイルの厚みは5
〜200 μmとすることが好ましい。厚みが5μmに満た
ないとコイルの抵抗が大きくなり、損失が増大する。こ
れを補うには、コイル線の幅を極端に広くすることが必
要となるが、線幅の増大に伴いコイル線長さが増大する
ため、コイル抵抗の低減が困難となり、また、磁気素子
の占有面積が大きくなって機器の小型化を阻害する。一
方、コイルの厚みが200 μmを超えると、アディティブ
法でもサブトラクト法でもコイルの形成が困難となり、
さらにはコイル線間を磁性体で埋めるためにコイル線間
のスペースを大きくとる必要から磁気素子の占有面積が
増大し、機器の小型化を妨げることになる。
【0023】なお、本発明の平面磁気素子は、 コイルを
形成したままの状態でそのまま使用しても構わないが、
表面を保護するために、図2に示すように、コイル形成
側に、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂などの絶縁樹脂や
ガラス等の非磁性でかつ電気的絶縁体からなる保護被膜
5を被覆することが有利である。また、当該絶縁被膜5
に加えて、 アルミナ等のセラミックスやシリコンなど非
磁性の薄い板状の基材6で覆うことは、強度を確保する
上で有効である。なお、この基材6は、図3に示すよう
に、 平面コイル2と反対側に形成してもよい。
【0024】
【実施例】本発明の平面磁気素子について、好適な製造
方法を例示して説明する。なお、以下に記載の寸法等の
具体的数値は、代表的な構成を例示するものであり、 何
ら数値を限定するものではない。 (実施例1)実施例1で用いた平面磁気素子の製造方法
を図4(a)〜(f)に示す。
【0025】以下、図4(a)〜(f)に基づいて説明
する。まず、片面に厚み1μmのCu膜11d があらかじめ
形成された厚み25μmのポリイミド樹脂フィルム11c
を、Cu膜11d を表にしてガラス基板11a 上に接着剤11b
で接着し、 基板11を形成する(a)。次に、 Cu膜11d 上
にフォトレジストを塗布した後フォトリソグラフィによ
り所望のコイル形状のレジストフレーム12を形成する
(b)。また、コイル中央には、所定の面積を有する磁
性窓のエリア12a も設けておく。
【0026】その後、電気めっきによりレジストフレー
ム12の内部に電気めっきCu13を析出(c)させた後、レ
ジストフレーム12を剥離し、ついで化学エッチングして
コイル線間の下地めっきのCu膜11d を除去(図示せず)
し、平面コイル13とする(d)。このとき、コイル端子
16も併せて形成する。このようにして、コイル線の厚み
aが100 μm、幅bが70μm、間隔cが20μmで、ター
ン数が30.5のスパイラル型の平面コイルを完成させた。
なお、周波数100 kHzにおける表皮厚みδは200 μmで
ある。
【0027】次に、 Fe2 3 :49 mol%、ZnO:23 mol
%、CuO:12 mol%およびNiO:16mol%の組成になる
フェライト磁粉を、硬化後のフェライト体積が50vol %
になるように調合したフェライト磁粉入エポキシ樹脂
を、スクリーン印刷法にて上記の平面コイル13上に塗布
して150 ℃にて熱硬化させ、平面コイル13の上面からの
膜厚が50μmであるフェライト磁粉入エポキシ樹脂層14
を形成した。なお、このフェライト磁粉入エポキシ樹脂
層14の比透磁率は40である。
【0028】さらに、その上層として、Fe2 3 :49.5
mol%、ZnO:28 mol%、CuO:8mol%およびNiO:1
4.5 mol%の組成からなり、厚みが300 μmのフェライ
ト焼結板15を接着した(e)。なお、このフェライト焼
結板15の比透磁率は700 である。そして、最後に、 ガラ
ス基板11a を接着剤11b とともに除去し、 本発明の平面
磁気素子を完成させた(f)。
【0029】なお、コイル端子面にCu、Ni、Sn、Auなど
のめっきや導電性ペーストの塗布・硬化などによって、
コイル面の高さ調整および接合に適した端子表面とする
ことは実用面でさらに好ましい。ここで、接合とは、は
んだ接合、ワイヤボンディング、フリップチップ接合な
どである。一方、 送電コイルは、 図示しないE型のMnZn
系フェライトで作製し、10O kHzの周波数で駆動させ
る。そして、本発明の平面磁気素子を1.5mm のギャップ
にて近接保持し、 受電を行わせた。そのときの磁性窓の
大きさと、結合係数k、無負荷時の受電側誘起電圧
(V)、コイル抵抗(Ω)、および、素子のサイズ(mm
□)の関係を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】表1から, 本発明の磁性窓の範囲において
は、 結合係数kおよび誘起電圧の両者がともに大きくな
り、薄型化に寄与するのは言うまでもなく、充電効率が
向上し、非接触充電に好適であることが明らかである。 (実施例2)実施例2で用いた平面磁気素子の製造方法
を図5(a)〜(f)に示す。
【0032】以下、図5(a)〜(f)に基づいて説明
する。まず、Si基板21a 上にポリイミド樹脂をスピンコ
ートにより塗布した後、熱硬化させ、厚み10μmの絶縁
被膜であるポリイミド樹脂被膜21b を形成し、ついで、
下地めっき層となる0.5 μm厚のCu膜21c を無電解めっ
き法にて成膜し、基板21を形成する(a)。
【0033】次に、 この上にフォトレジストを塗布した
後フォトリソグラフィにより所望のコイル形状のレジス
トフレーム22を形成する(b)。このとき、平面コイル
中央部の磁性窓の占有面積率は18%としている。その
後、電気めっきによりレジストフレーム22の内部に電気
めっきCu23を析出(c)させた後、レジストフレーム22
を剥離し、ついで化学エッチングしてコイル線間の下地
めっきのCu膜21c を除去(図示せず)し、平面コイル23
とした(d)。このとき、コイル端子26も併せて形成し
ている。
【0034】このようにして、コイル線の厚みaが100
μm、幅bが100 μm、間隔cが30μmで、ターン数が
14のスパイラル型の平面コイルを完成させた。なお、周
波数1MHzにおける表皮厚みδは65μmである。次に、
Fe2 3 :49 mol%、ZnO:23 mol%、CuO:12 mol%
およびNiO:16mol%の組成になるフェライト磁粉を、
硬化後のフェライト体積(すなわち、フェライト磁性体
体積密度)が表2になるように調合したフェライト磁粉
入エポキシ樹脂を、スクリーン印刷法にて上記の平面コ
イル23上に塗布して150 ℃にて熱硬化させ、平面コイル
23の上面からの膜厚が100 μmとなるフェライト磁粉入
エポキシ樹脂層24を形成した(e)。なお、このフェラ
イト磁粉入エポキシ樹脂層24の比透磁率は表2に示すと
おりである。
【0035】そして、Si基板21a と保護被膜であるポリ
イミド樹脂被膜21b 間を剥離して、約200 μm厚の薄型
の平面磁気素子を完成させた(f)。なお、このときの
素子サイズは、7mm□である。一方、 送電コイルは、 図
示しないドラム型のNiZn系フェライトで作製し、1MHz
の周波数で駆動させるようにした。そして、本発明の平
面磁気素子を0.5mm のギャップにて近接保持し、 受電を
行わせた。そのときのフェライト磁性体体積密度の大き
さと、結合係数kと無負荷時の受電側誘起電圧(V)の
関係を表2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】表2から、本発明の平面磁気素子におい
て、 フェライト磁性体体積密度の大きさが好適範囲であ
る25 vol%以上では、 結合係数kおよび誘起電圧の両者
がともに大きく、薄型化に寄与するのは言うまでもな
く、充電効率が向上し、非接触充電に適していることが
わかる。 (実施例3)実施例3で用いた平面磁気素子の製造方法
を図6(a)〜(f)に示す。
【0038】以下、図6(a)〜(f)に基いて説明す
る。まず、組成がFe2 3 :49.5 mol%、ZnO:28 mol
%、CuO:8 mol%およびNiO:14.5 mol%である厚み
が500 μmのフェライト焼結基板31a 上に、下地めっき
層として0.5 μm厚のCu膜31b を無電解めっき法にて成
膜し、基板31を形成する(a)。なお、このフェライト
焼結基板31a の比透磁率は700 である。
【0039】次に、 この上にフォトレジストを塗布した
後フォトリソグラフィにより所望のコイル形状のレジス
トフレーム32を形成する(b)。また、コイル中央に
は、表3に併記する占有面積率の磁性窓のエリア32a も
設けておく。その後、電気めっきによりレジストフレー
ム32の内部に電気めっきCu33を析出(c)させた後、レ
ジストフレーム32を剥離し、ついで化学エッチングして
コイル線間の下地めっきのCu膜31c を除去(図示せず)
し、平面コイル33としている(d)。このとき、コイル
端子36も併せて形成している。
【0040】このようにして、コイル線の厚みa、幅
b、間隔c、ターン数が下記の表3に示す各値であり、
素子サイズが6mm□であるスパイラル型の平面コイルを
完成させた。なお、周波数700 kHzにおける表皮厚みδ
は75μmである。次に、 Fe2 3 :49 mol%、ZnO:23
mol%、CuO:12 mol%およびNiO:16mol%の組成に
なるフェライト磁粉を、硬化後のフェライト体積が40%
になるように調合したフェライト磁粉入エポキシ樹脂34
を、スクリーン印刷法にて上記の平面コイル33の線間の
スペースに塗布して150 ℃にて熱硬化させ、フェライト
磁粉入エポキシ樹脂層34を形成する。なお、このフェラ
イト磁粉入エポキシ樹脂層34の比透磁率は25である。
【0041】ついで、平面コイル33上面にポリイミド樹
脂をスピンコートして、熱硬化し、約10μmの絶縁保護
被膜であるポリイミド樹脂被膜35を形成する(e)。さ
らに、フェライト焼結基板31a の裏面からショットブラ
スト加工によりコイル端子36まで穴をあける、そして、
この穴を導電性ペーストで埋めて外部電極37を形成す
る。
【0042】一方、 送電コイルは、図示しない円柱型の
MnZn系フェライトで作製し、700 kHzの周波数で駆動さ
せる。そして、本発明の平面磁気素子を1.0mm のギャッ
プにて近接保持し、 受電を行わせた。そのときのコイル
線の各寸法と、結合係数k、無負荷時の受電側誘起電圧
(V)等の関係を表3に示す。
【0043】
【表3】
【0044】表3から、本発明の平面磁気素子におい
て、 比透磁率が10以上であり、コイル線の幅と厚みが表
皮厚みδの0.25〜4倍であるようにすることで、結合係
数kおよび誘起電圧の両者をともに大きくすることがで
き、薄型化に寄与するのは言うまでもなく、充電効率が
向上し、非接触充電に適していることが分かる。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、きわめて薄型化され、
充電効率の高い非接触充電器用磁気素子を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の非接触充電器用の平面磁気素子の模式
的な斜視図(a)と、そのA−A断面図(b)である。
【図2】本発明の非接触充電器用の平面磁気素子の断面
形状を模式的に示す部分断面図である。
【図3】本発明の別の実施形態の非接触充電器用の平面
磁気素子の断面形状を模式的に示す部分断面図である。
【図4】実施例1の非接触充電器用の平面磁気素子の製
造工程図である。
【図5】実施例2の非接触充電器用の平面磁気素子の製
造工程図である。
【図6】実施例3の非接触充電器用の平面磁気素子の製
造工程図である。
【符号の説明】
1 (フェライト)磁性層 2 平面コイル 3 磁性窓 4 端子 5 保護被膜 6 (補強)基材 11 基板 11a ガラス基板 11b 接着剤 11c ポリイミド樹脂フィルム 11d Cu膜 12 レジストフレーム 12a 磁性窓のエリア 13 電気めっきCu(平面コイル) 14 フェライト磁粉入エポキシ樹脂層 15 フェライト焼結板 16 コイル端子(電気めっきCu) 21 基板 21a Si 基板 21b ポリイミド樹脂被膜 21c Cu膜 22 レジストフレーム 23 電気めっきCu(平面コイル) 24 フェライト磁粉入エポキシ樹脂層 26 コイル端子(電気めっきCu) 31 基板 31a フェライト焼結基板 31b Cu膜 32 レジストフレーム 32a 磁性窓のエリア 33 電気めっきCu(平面コイル) 34 フェライト磁粉入エポキシ樹脂層 35 ポリイミド樹脂被膜 36 コイル端子(電気めっきCu) 37 外部電極(導電性ペースト)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 越前谷 一彦 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性層の片面に、スパイラル型の平面コ
    イルを埋設した構造となる平面磁気素子であって、該平
    面コイルの中心部に、当該平面磁気素子の平面積に対し
    5〜25%の占有面積を占める磁性窓を有することを特徴
    とする非接触充電器用の平面磁気素子。
  2. 【請求項2】 前記磁性層がフェライト磁粉から構成さ
    れ、前記磁性層中のフェライト磁粉の体積密度が25vol
    %以上であることを特徴とする請求項1に記載の非接触
    充電器用の平面磁気素子。
  3. 【請求項3】 前記磁性層が比透磁率10以上の磁性体で
    構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の
    非接触充電器用の平面磁気素子。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の非接触
    充電器用の平面磁気素子であって、前記平面コイルのコ
    イル線の幅と厚みをそれぞれ、次式で示される表皮厚み
    δの0.25〜4倍とすることを特徴とする非接触充電器用
    の平面磁気素子。 δ={2/( μ×σ×ω) }1/2 ・・・ (1) ここで、μ:透磁率(H/m) σ:電気伝導率(S/m) ω:角振動数(rad /s)
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