JP2004111552A - 平面磁気素子およびその製造方法と小型電源モジュール - Google Patents

平面磁気素子およびその製造方法と小型電源モジュール Download PDF

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Yasutaka Fukuda
福田 泰隆
Kazuhiko Echizenya
越前谷 一彦
Hideaki Kohiki
小日置 英明
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Abstract

【課題】小型化と損失の低減を両立させた平面磁気素子および小型電源モジュールに関する。
【解決手段】下部フェライト磁性層の面上に、平面コイルを形成し、さらに該平面コイルのコイル線間も含めてその上に上部フェライト磁性層を形成し、更にその上に、ビアを介して前記平面コイルの端子と接続してなり、かつ、所望の配線パターンを形成した配線層を含んでなる非磁性層を載上して平面磁気素子を形成する。また、その平面磁気素子の非磁性層の外面側に、ビアを介して前記配線層と接続してなる電源構成部品を搭載して小型電源モジュールとする。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、小型化と損失の低減を両立させた平面磁気素子およびその製造方法と小型電源モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話やノート型パソコン等のような、電池で駆動される携帯機器の利用が進んでいる。
これらの携帯機器に対しては、従来から、より一層の小型・軽量化が望まれており、最近ではこれに加えて、マルチメディア化への対応、すなわち通信機能や表示機能の充実、さらには画像データを含んだ大量情報の高速処理化などの高機能が求められている。
【0003】
これに伴い、電池からの単一電圧を、CPU、LCDモジュールや通信用パワーアンプなどの様々な搭載デバイスが必要とする電圧レベルに的確に変換できる電源の需要が増加してきた。
このような状況下で、携帯機器等の小型・軽量化と高機能化を両立させるためには、電源に搭載されるトランスやインダクタなどの磁気素子の小型化・薄型化がより重要な課題となってきた。
【0004】
従来、電源に搭載されるトランスやインダクタなどの磁気素子としては、焼結フェライトコアにコイルを巻いたものが使用されてきたが、このようなトランスやインダクタは薄型化が困難なため、電源の薄型化を阻害していた。
上記の問題を解決し、小型化・軽量化を達成したインダクタとして、Si基板上に、金属磁性膜層/絶縁層/平面コイル層/絶縁層/金属磁性膜層を順次に積層した構造になる平面インダクタが提案されている(例えば、非特許文献1、特許文献1等参照)。
【0005】
しかしながら、上記の平面インダクタは、製造コストと特性の両面から問題が残っていた。
すなわち、まずコストの面について述べると、上記の平面インダクタでは、6〜7μm厚程度の金属磁性膜をスパッタ法などで成膜する必要があり、また金属磁性膜と平面コイルの間に絶縁層を形成する必要があるため、従来の磁気素子に比べて、コストアップが避けられなかった。
【0006】
また、特性上の問題については次のとおりである。
すなわち、平面インダクタは、MHz帯域の高周波で駆動されるため、電気的に導体である金属磁性膜内部での渦電流の発生により鉄損が増大するだけでなく、上下金属磁性層がわずかな非磁性空間を介して対峙しているため、垂直交番磁束(渡り磁束ともいう)が平面コイルに鎖交し、渦電流が発生することによって損失の増大を招く。
【0007】
前者の問題に対しては、金属磁性膜と同一の平面に高抵抗領域を形成して渦電流を細分化することにより(特許文献2参照)、一方後者の問題に対しては、平面コイル導体を複数に分割した導体ラインとすることにより(特許文献3参照)、特性の改善が試みられたが、これらの方法では、十分な改善効果を得ることができなかった。
【0008】
上記の問題を解決するために、金属磁性膜の代わりに印刷法やシート法で形成したフェライト磁性膜を用いる平面型磁気素子が提案された(特許文献4参照)。
この技術は、フェライト粉にバインダを混ぜた磁性ペーストをSi基板上に印刷、焼成することによって高抵抗のフェライト磁性膜を形成し、ついでこの膜上にコイルパターンをメッキ法などで形成したのち、さらにその上に磁性膜を形成して磁気素子とするものである。
【0009】
この技術の開発によって、トランスやインダクタなどの磁気素子の小型化・薄型化がかなり達成されるようになった。さらには、この平面磁気素子上に部品を直接搭載することで、この平面磁気素子を含んだ電源モジュールの小型化が達成できるようになってきている。
この技術に基づく小型電源モジュールについて、図5および図6に例示して説明する。
【0010】
まず、図5、図6のいずれの場合においても、下部フェライト磁性層4に所望の平面コイル1を形成し、その平面コイル1の線間をフェライト磁粉含有の樹脂で埋めてフェライト磁性層3を形成する。ここで、平面コイル接続用の端子2上には金バンプ10を形成する。なお、金バンプ10に替えてはんだとしてもよい。但し、以下では金バンプを例示して説明する。
【0011】
ここで、図5においては、単層基板とした上部フェライト磁性層5に配線パターン7を形成し、金バンプ10を介して両者のボンディングを行う。これをフリップチップボンディングとよぶ。両者のボンディングには、超音波法、ハンダ法などが採用可能である。そして、ビア6を介して電源制御用IC12、抵抗器13等の上部フェライト磁性層5上に載上した電源構成部品と接続し、また、外部接続用の端子14と接続して小型電源モジュールを完成させる。
【0012】
一方、図6においては、上記の単層基板とした上部フェライト磁性層5に替えて多層の上部フェライト磁性層5a〜5cを採用することで配線層7を多層としている。こうすることで、配線の密度を向上してより小型化を実現できる。
なお、電源モジュールを構成する回路の一例を図7に例示して説明する。ここで、図7に示す回路において、インダクタンス(L)1aを平面コイル1、回路配線7aを配線層(配線パターン)7で形成する。そして、電源制御用IC回路12a に対応する電源制御用IC12と抵抗(R)13a 、13b に対応する抵抗器13を、ビアを介して配線層(配線パターン)7に接続することで図7の電源回路を構成する。但し、小型化が困難なコンデンサ(C)15a 、15b については、モジュールの小型化を阻害することから通常外付けとされる。
【0013】
【特許文献1】
特開平4−363006号公報
【特許文献2】
特開平6−77055 号公報
【特許文献3】
特開平9−134820号公報
【特許文献4】
特開平11−26239号公報
【非特許文献1】
「日本応用磁気学会誌」Vol.20(1996) p.922〜
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来の技術では、以下に述べる問題を残していた。
(1)フェライト単層基板の場合(図5参照):例えば、図8に例示のように、基板8の表面に配線パターン7を描く必要があり、平面磁気素子寸法が小さくなるとそれが困難となる。また、下記(2)の問題もある。
(2)フェライト多層基板の場合(図6参照):ビア6を介して配線パターン7を積層することが可能であり、小さな面積に多くの部品を搭載することができる。しかしながら、この場合、図9に示すように磁束線20が配線パターン7やビア6を横切ることになり、損失を発生させ、また回路にノイズがのりやすいという問題がある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
ところで、本発明者らは、上記の問題を解決すべく鋭意研究を重ね、平面コイル側を従来のフェライト基板として形成し、配線層側を非磁性体の基板とすることで上記課題を解決できることを見出したのである。
すなわち、本発明は、下記の各項記載の平面磁気素子およびその製造方法と小型電源モジュールである。
▲1▼ 下部フェライト磁性層の面上に、平面コイルを形成し、さらに該平面コイルのコイル線間も含めてその上に上部フェライト磁性層を形成し、更にその上に、ビアを介して前記平面コイルの端子と接続してなり、かつ、所望の配線パターンを形成した配線層を含んでなる非磁性層を載上したことを特徴とする平面磁気素子。
▲2▼ 前記非磁性層を前記下部フェライト磁性層の下面側にも配設したことを特徴とする上記▲1▼に記載の平面磁気素子。
▲3▼ 下部フェライト磁性層の面上に、平面コイルを形成し、さらに該平面コイルのコイル線間も含めてその上に上部フェライト磁性層を形成して平面コイル基板を形成する工程と、所望の配線パターンを形成した配線層とビアを含んでなる1層または多層の非磁性層からなる非磁性配線基板を形成する工程と、前記の平面コイル基板上に当該非磁性配線基板を載上し、ビアを介して前記平面コイルの端子と前記配線層の配線とを接続する工程と、を有することを特徴とする平面磁気素子の製造方法。
▲4▼ 上記▲1▼または▲2▼に記載の平面磁気素子の非磁性層の外面側に、ビアを介して前記配線層と接続してなる電源構成部品を搭載してなることを特徴とする小型電源モジュール。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体的に説明する。
図1に、本発明に従う平面磁気素子の模式的な断面を示す。
まず、図1(a)に示すように、下部フェライト磁性層4に平面コイル1を形成し、そのコイル線間およびコイル線を覆うようにフェライト磁性体を充填して上部フェライト磁性層3aを形成する。そして、平面コイルの端子2と接続するビア6を形成し、平面コイル基板21を形成する。
【0017】
次に、非磁性層9に配線層7とビア6を形成するとともに、平面コイルの端子2と接続するための金バンプ10を形成して非磁性配線基板22とする。
そして、金バンプ10を介して両者をボンディングして一体化することで本発明の平面磁気素子(図1(b)参照)を完成させる。
すなわち、下部フェライト磁性層4の面上に、平面コイル1を形成し、さらに該平面コイル1のコイル線間も含めてその上に上部フェライト磁性層3aを形成し、更にその上に、ビア6を介して前記平面コイル1の端子2と接続し、かつ、所望の配線パターンを形成した配線層7を含んでなる非磁性層9を載上することで本発明の平面磁気素子を完成させる。なお、非磁性層9を、図2に示すように多層構造(9a〜9c)とすることで、配線の高密度化を実現し、平面磁気素子の更なる小型化を実現できる。
【0018】
本発明では、このようにして配線層7を含んでなる非磁性層9を載上するようにしたので、図10に示すように平面コイル1に形成される磁束線20が非磁性層9に侵入することがなく、磁束線20が配線パターン7やビア6を横切ることもないため、損失を発生させ、また回路にノイズがのりやすいという従来の問題を解消できる。
【0019】
なお、図1では、配線層7を含んでなる非磁性層9を上面側に形成した例を示しているが、同様にして、配線層7を含んでなる非磁性層9を下面側にも形成してもよいことは明らかである。
ところで、上述のように、下部フェライト磁性層4上に形成した平面コイル1をフェライト磁性体で埋設するように上部フェライト磁性層3aを形成する他にも、例えば、図3に示すようにしても本発明の平面磁気素子を完成できる。
【0020】
以下、図3に基づき、本発明に従う別の実施の形態の平面磁気素子について説明する。
まず、図3(a)に示すように、下部フェライト磁性層4に平面コイル1を形成し、そのコイル線間にフェライト磁性体を充填してフェライト磁性層3を形成する。一方、所望のビア6をそれぞれ形成した非磁性層9とフェライト磁性層5の層間に配線層7を挟設して形成し、さらに、フェライト磁性層5側のビア6には金バンプ10を形成する。そして、金バンプ10を介して両者をボンディングし、フェライト磁性層3とフェライト磁性層5を対向して一体化させることで本発明の平面磁気素子(図3(b)参照)を完成させる。
【0021】
すなわち、下部フェライト磁性層4の面上に、平面コイル1を形成し、さらに該平面コイル1のコイル線間も含めてその上に上部フェライト磁性層(3および5に相当)を形成し、更にその上に、ビア6を介して前記平面コイル1の端子2と接続し、かつ、所望の配線パターンを形成した配線層7を含んでなる非磁性層9を載上した本発明の平面磁気素子を完成することができる。
【0022】
また、図4に示すように本発明の平面磁気素子の非磁性層9aの外面側に、ビア6を介して配線層7と接続してなる電源制御用IC12、抵抗器13等の電源構成部品を搭載することで本発明の小型電源モジュールを完成することができる。
ここで、非磁性層9、9a〜9cとしては低温でフェライトと同時焼成できるガラス系セラミックスが、ビア6を形成する内部電極としては、同じ理由からAg、もしくはAg合金が適している。多層基板におけるフェライト磁性層3、3a、4、5、5a〜5cのトータルの厚みは5〜500 μmとすることが好ましい。というのは、この厚みが5μmに満たないとインダクタンスが小さくなり、一方500 μmを超えると全体の薄さを損なうからである。非磁性層9、9a〜9cの厚みは5〜500 μmとすることが好ましい。というのは、この厚みが5μmに満たないと絶縁層としての信頼性を損ない、また、500 μmを超えると全体の薄さを損なうからである。
【0023】
なお、以上の説明では、個別に形成した基板のボンディングに金バンプを介したフリップチップボンディングを好適例として説明したが、平面コイルを内包したフェライト磁性層の上に、配線層を形成した非磁性層を直接載上して積層するようにしても良いことは言うまでもない。
平面コイル線間には、フェライト粉末を樹脂に分散したペーストを充填することで、フェライト磁性層を形成することができる。図3(a)、(b)においては、コイル線間のみ埋めるようにしてもいいが、また、同時にコイル面上を覆ってもよい。このとき、コイル面上からの厚みが100 μm厚みを超えるとインダクタンスの低下が著しいのでこれ以下にすることが好ましい。
【0024】
なお、コイル形状については、スパイラル型やミアンダー型のどちらでも良く、特にスパイラル型に関してはこれを2つ以上直列、並列に配置しても良い。さらに、電気的に絶縁されたコイルを2つ以上配置した場合はトランスとしての機能を発揮するが、本発明はこのような構造のものに対しても有効である。
また、本発明におけるフェライトとしては、絶縁体であるNiZn系フェライト、中でも焼成温度を低くしたNiCuZn系フェライトが好適である。
【0025】
その組成については特に限定するものではないが、代表組成を示すと次のとおりである。なお、この組成は、磁気素子全体において、必ずしも同一組成とする必要はなく、下部フェライト、上部フェライトおよびコイル線間に充填するフェライトなど、場所に応じて適宜組成を変更することができる。
Fe3 :40〜50 mol%
Fe3 が50 mol%を超えると、Fe2+イオンの存在により電気抵抗値が急激に低下する。電気抵抗の低下は高周波領域で使用するとき渦電流の発生でフェライトコアでの損失を急増させてしまう。また、40 mol%未満になるとフェライトの透磁率低下にともなうインダクタンスの劣化が大きいため、 Fe3 は40〜50 mol%程度とすることが好ましい。
【0026】
ZnO:15〜35 mol%
ZnOは、インダクタンスとキュリー温度に大きな影響を与える。キュリー温度は磁気素子の耐熱性を決める重要なパラメータである。15 mol%未満ではキュリー温度は高いもののインダクタンスが低下する。一方、35 mol%を超えるとインダクタンスは高いものの、キュリー温度が低下する。従って、ZnOは15〜35 mol%程度とすることが好ましい。
【0027】
CuO: 20 mol%以下
CuOは、焼成温度を下げるために加える。しかしながら、20 mol%を超えると焼成温度は低下するがインダクタンスが劣化するので、CuOは20 mol%以下程度とすることが好ましい。
Bi3 : 10 mol%以下
Bi3 は、CuOと同じく、焼成温度を低下する効果がある。しかしながら、10 mol%を超えると焼成温度は低下するものの、インダクタンスが劣化するため、 Bi3 は10 mol%以下程度とすることが好ましい。
【0028】
なお、残部はNiOである。
以上、好適フェライトとして、NiZn系フェライトについて主に説明したが、これ以外のフェライトであってもNiZn系フェライトと同等の特性を持つものであれば、いずれもが使用できるのはいうまでもない。
次に、本発明の平面磁気素子の製造方法の一例を具体的に示す。
【0029】
フェライト基板上にコイル形成の下地層として無電解めっきによりCu膜を0.5 μm厚程度に成膜する。ついで、この下地めっき層の上にフォトレジストを塗布したのち、フォトエッチングにより所望のコイル形状のレジストフレームを形成する。引き続き、電気めっきにより、レジストフレーム内にCuを析出させたのち、レジストを剥離し、ついで化学エッチングによりコイル線間の下地めっき層を除去して、平面コイルを下部フェライト磁性層の上に形成する。この時、コイル端子も併せて形成することが好ましい。
【0030】
その後、平面コイル線間に、エポキシ樹脂やポリイミド樹脂などの樹脂とフェライト粉末を混ぜた樹脂ペーストを印刷法にて塗布した後、熱硬化処理を施して形成する。
平面コイル端子にはAuメッキをボンディングのために施しておく。これに別途用意した金バンプ付き多層基板を超音波接合し、隙間には補強のため樹脂を注入して平面磁気素子とする。
【0031】
多層基板(例えば、2層の場合)の製造方法の一例は次の通りである。フェライトシ一トに穴あけ加工してAgペーストを埋め込む。この上に、Agペーストを用いたスクリーン印刷法で内部回路を描く。更に、この上に部品接合部分に導体ビア(Agペースト)をそなえたガラスセラミックスシ一トを重ねる。全体を熱間プレスして圧着したのち、同時焼成して内部配線付きの多層基板とする。
【0032】
なお、非磁性層であるガラスセラミックスシ一トの比誘電率は8である。本発明に適用する非磁性層の比誘電率は、20以下とすることを好適とする。
【0033】
【実施例】
Fe3 :49 mol%、ZnO:23 mol%、CuO:12 mol%、NiO:16 mol%の組成になるフェライト焼結基板の上に、下地めっき層として0.5 μm厚のCu膜を無電解めっき法で成膜した。ついで、この上にフォトレジストを塗布したのち、フォトエッチングによりコイルのライン/スペース=50μm/30μm、14ターンのレジストフレームを形成した。
【0034】
その後、電気めっきにより、レジストフレーム内にCuを70μm析出させた。ついで、レジストを剥離したのち、化学エッチングでコイル線間の下地めっきを除去して、平面コイルとした。
その後、上記の同じ組成のフェライト磁粉を含んだエポキシ樹脂ペーストを、スクリーン印刷法にてコイル線間を含めてその上部に塗布し、150 ℃で熱硬化した。なお、コイル上のフェライト磁性層の膜厚は30μmとした。
【0035】
多層基板は次のようにして作製した。まず、先に述べたと同じ組成のフェライトシ一トをドクターブレード法にて成形、コイル端子との接合部を穴あけ加工した後、Agペーストをスクリーン印刷で埋めて導体ビアを付けた。このシートを焼成後の厚みが300 μmになるよう複数枚重ねた。最上面には内部配線をAgペーストでスクリーン印刷した。一方で、フェライトの代わりにガラスセラミックスを用いたこと以外は同様にして、焼成後300 μmとなるような非磁性層のシートを用意した。ここでの導体ビア位置と数は、部品搭載のための端子位置に相当する。なお、それぞれのシートの上面に内部配線をスクリーン印刷して積層することで多層配線を実現している。また、最上面には部品を接合するための端子をスクリーン印刷で形成した。そして、フェライト部分と非磁性部分を重ねた後、熱間静水圧プレスにて圧着し、850 ℃にて全体を同時焼成して多層基板とした。非磁性側の最表面に形成した部品を半田付けする端子部分には、ハンダ濡れ性を向上させるためにNi/Cu/Snの多層メッキを施した。フェライト側の端子には、コイルと接合するためのAuバンプを形成した。
【0036】
以上のようにして得られたコイル部分と多層基板部分を超音波接合して、両者の隙間にはエポキシ樹脂を充填した。非磁性側の表面には図7に例示の電源基本回路となるように部品を実装した。このようにして製作した小型電源モジュールを本発明例とする。
一方、比較例1として、フェライト単層を用い、同じ回路を形成した。このとき、配線はすべてフェライト単層表面に描いた。
【0037】
また、比較例2として、非磁性層の代わりにフェライト磁性層を用いた以外は本発明例と同様にして、同じ回路を形成した。
それぞれの場合について、寸法(面積)と電源効率を比較した例を表1にまとめた。
【0038】
【表1】
Figure 2004111552
【0039】
この結果から、本発明の構造とすることで、小型化と高効率(低損失)を両立できていることがわかる。
【0040】
【発明の効果】
本発明によって、小型化と低損失を両立した小型電源モジュールの提供を可能とすることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の平面磁気素子の構造を示す断面模式図であり、(a)はフリップチップボンディング前、(b)はボンディング後を示す。
【図2】多層配線構造を説明する断面模式図である。
【図3】本発明の別の実施形態の平面磁気素子の構造を示す断面模式図であり、(a)はフリップチップボンディング前、(b)はボンディング後を示す。
【図4】本発明の平面磁気素子の一例に電源構成部品を搭載してなる小型電源モジュールの一例を示す断面模式図である。
【図5】フェライト単層基板に配線層を配した従来の平面磁気素子に電源構成部品を搭載した小型電源モジュールの断面模式図である。
【図6】フェライト多層基板に配線層を積層して配した従来の平面磁気素子に電源構成部品を搭載した小型電源モジュールの断面模式図である。
【図7】電源回路の一例を示す配線図である。
【図8】基板上に形成した配線パターンの一例を模式的に示す斜視図である。
【図9】従来の平面磁気素子の内部に形成される磁束線の模式断面図である。
【図10】本発明の平面磁気素子の内部に形成される磁束線の模式断面図である。
【符号の説明】
1    平面コイル
1a  インダクタンス(L)
2    (平面コイルの)端子
3、3a、4、5、5a〜5c    フェライト磁性層
6    ビア
7  配線層(配線パターン)
7a  回路配線
8  基板
9、9a〜9c  非磁性層
10    金バンプ
11  アンダフィル層
12  電源制御用IC
12a  電源制御用IC回路
13  抵抗器
13a 、13b  抵抗(R)
14  端子
15a 、15b   コンデンサ(C)
20  磁束線
21  平面コイル基板
22  非磁性配線基板

Claims (4)

  1. 下部フェライト磁性層の面上に、平面コイルを形成し、さらに該平面コイルのコイル線間も含めてその上に上部フェライト磁性層を形成し、更にその上に、ビアを介して前記平面コイルの端子と接続してなり、かつ、所望の配線パターンを形成した配線層を含んでなる非磁性層を載上したことを特徴とする平面磁気素子。
  2. 前記非磁性層を前記下部フェライト磁性層の下面側にも配設したことを特徴とする請求項1に記載の平面磁気素子。
  3. 下部フェライト磁性層の面上に、平面コイルを形成し、さらに該平面コイルのコイル線間も含めてその上に上部フェライト磁性層を形成して平面コイル基板を形成する工程と、
    所望の配線パターンを形成した配線層とビアを含んでなる1層または多層の非磁性層からなる非磁性配線基板を形成する工程と、
    前記の平面コイル基板上に当該非磁性配線基板を載上し、ビアを介して前記平面コイルの端子と前記配線層の配線とを接続する工程と、
    を有することを特徴とする平面磁気素子の製造方法。
  4. 請求項1または2に記載の平面磁気素子の非磁性層の外面側に、ビアを介して前記配線層と接続してなる電源構成部品を搭載してなることを特徴とする小型電源モジュール。
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