JPH11176639A - 平面型インダクタおよび平面型トランス - Google Patents

平面型インダクタおよび平面型トランス

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JPH11176639A
JPH11176639A JP34254097A JP34254097A JPH11176639A JP H11176639 A JPH11176639 A JP H11176639A JP 34254097 A JP34254097 A JP 34254097A JP 34254097 A JP34254097 A JP 34254097A JP H11176639 A JPH11176639 A JP H11176639A
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一夫 松崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】コイル膜厚を厚くしてコイル部の損失、とりわ
け直流損失を低減し、かつ製造の容易な平面型インダク
タおよび平面型トランスを提供する。 【解決手段】シリコンウェハ11上に絶縁膜13aを介
して磁性薄膜14を堆積し、更に絶縁膜13bで覆った
上に、中間絶縁膜16を積層し、その中間絶縁膜16に
溝を形成し、コイル導体17を埋め込む。その平面コイ
ルと面対称となるように他方の基板上に形成された平面
コイルとをコイル面同士が電気的に接続されるように重
ね合わされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気的エネルギー
と磁気的エネルギーとの変換作用をもつ、インダクタ、
トランス等の磁気誘導部品に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、インダクタ、トランスに代表され
る磁気誘導部品の小型化要求が高まってきている。その
理由として、電子情報機器、携帯用各種電子機器の小型
軽量化に伴い、電源の小型軽量化が不可欠となってきて
いることが挙げられる。高品質の電源を得るための電源
回路方式や、その中で用いられる制御用IC、スイッチ
ング素子、整流素子等の能動素子の技術的進歩が著しい
中で、これら電源回路の中に用いられるコイル、トラン
ス、コンデンサ等の受動素子が占める容積の問題が浮き
彫りにされてきている。特にインダクタやトランス等の
磁気誘導部品は、集積回路と比べると体積が非常に大き
いために、電子機器の小形化を図る上で最大の隘路にな
っている。
【0003】これら磁気誘導部品の小型化に対する今後
の方向としては、チップ部品として限りなく小さくし、
面実装により電源全体を小さくする方向と、シリコン基
板上に薄膜で形成する方向の二つが考えられる。何れの
場合においても、電磁変換効率の向上と、電磁干渉の防
止が大きな課題である。電磁変換効率の向上という点で
は、例えば特開平1−151211号公報に、セラミッ
ク基板の捲線を、積層して小型化を狙ったトランスの例
が開示されている。一方例えば、特開平2−27560
6号公報に平面インダクタと称するコイル導体を平面上
でスパイラル状に形成した薄膜インダクタや同様の薄膜
トランスが開示されている。これらの従来技術からもわ
かるように、電子装置の全体構造を小形化し、かつ面実
装等の組み立ての手間を極力省いて合理化できる点で
は、後者の方向が有利であると考えられる。
【0004】コイル導体を平面上でスパイラル状に形成
した平面インダクタンスと称する特開平2−27560
6号公報の技術は本質は個別素子であるが、チップへの
搭載に適する。しかし、これはポリイミドフィルムの両
面に銅のコイルを形成したものであり、しかも、銅コイ
ルの断面積は、35μm×250μm、コイルのピッチ
500μmというような、通常の集積回路の寸法を遙か
に越えたものであって、数〜10mm角の小形チップに
集積回路とモノリシック化する(一体に作り込む)には
無理がある。
【0005】近年、磁気誘導部品の小形化の要求に応え
て、半導体技術の適用により、半導体基板上に磁気誘導
部品を搭載した例も報告されている。発明者の同僚も特
願平8−149626において、そのような平面型磁気
誘導部品を考案した。図9(a)ないし(c)は、その
提案に記載された平面型インダクタのコイル導体の製造
工程部分を工程順に示した部分断面図である。
【0006】表面に酸化膜2が形成されたシリコンウェ
ハ1上に磁性薄膜4を積層し、更に絶縁膜3で覆った上
に、メッキの核となる例えば白金核5を薄く島状に蒸着
する[図9(a)]。中間絶縁膜6となる感光性ポリイ
ミドを、コイル導体の高さであるtc の厚さに形成する
フォトマスクを使用して露光、現像をおこない、幅
d、間隔sの溝を形成する[同図(b)]。
【0007】ポリイミドのキュア後、溝内にメッキによ
りコイル導体7となる銅を充填する[同図(c)]。こ
の後、コイル導体7および中間絶縁膜6の上に絶縁膜を
介して磁性薄膜を堆積して、断面がtc ×d、間隔がs
のコイルが形成される。この方法は、マイクロマシーニ
ング技術の中でもおこなわれている方法である。[LI
GAプロセスとよばれるものなど、例えば Menz, W. et
al, Proc. IEEE Micro Mechanical Systems Workshop
s, p.69,(1991) ]
【0008】
【発明が解決しようとする課題】コイルを前記の特開平
2−275606号公報の例のように大きくしなければ
ならない理由の一つに、Q(=ωL/R)値を高くでき
ないすなわち、電磁変換効率の向上が困難である点が挙
げられる。ここでωは角周波数、Lはインダクタンス、
Rは抵抗である。
【0009】すなわち、従来から磁気誘導部品を小形化
するには、先ず電子装置の動作周波数を上げて、小さな
インダクタンス値でも所定のQ値が得られるようにして
いるが、1MHz以上の周波数領域では、磁気回路やコ
イル内の高周波損失のために磁気誘導部品のインダクタ
ンス値Lが飽和し、抵抗値Rが増加するので、動作周波
数を上げると、Q値が飽和ないし逆に減少してくる。こ
のため、動作周波数を上げてもQ値を所定レベルに維持
するために磁気誘導部品の体積を小さくできなくなって
くる。特開平2−275606号公報の平面インダクタ
ンスにおいて、銅コイルを大きくした理由の一つは、Q
値を高くするためであった。
【0010】Q値を高くするためには、ωを高くするこ
とは勿論であるが、Lの値をなるべく大きく、Rの値を
なるべく小さくする必要がある。Lの値は、コイルのタ
ーン数、すなわちコイルのサイズにほぼ比例するため、
小型化の方向とは逆になり制限がある。残されたQ値の
向上策は、R値をなるべく小さくすることである。Rの
値をなるべく小さくするという点からもターン数、すな
わちコイルのサイズは、なるべく小さくおさえるべきで
ある。
【0011】Rは、直流抵抗と、交流抵抗成分とに分け
られる。交流抵抗成分としては磁性膜に絡む渦電流成分
やヒステリシス成分などのいわゆる鉄損、および交流磁
界がコイル導体を横切ることによってコイル導体中を流
れる電流を偏在させて生ずる磁気誘導型銅損がある。高
周波化に伴い、このような交流抵抗成分の低減が不可欠
である。
【0012】一般に、コイルの直流抵抗を低くするため
には、抵抗率の低い導体材料の選択と、コイル長を短く
すること、コイル断面積を大きくすることが考えられ
る。抵抗率の低い導体材料の選択は限られており、抵抗
率の点で銅を用いるのが一般的である。コイル長につい
ては、一定のLを得るためには、ある程度の長さが必要
であり、制約がある。残りは、コイル断面積を大きくす
ることである。
【0013】前述の磁気誘導型銅損を考慮すると、コイ
ル幅はなるべく狭い方が良いため、結局のところコイル
厚を厚くする以外に方策は無い。前項の製造方法の場
合、コイル厚はメッキマスク(例えば感光性ポリイミ
ド)の厚さで決まる。コイル厚を厚くしようと思えば、
感光性ポリイミドを厚く塗布し、指向性の良い光源(S
OR光など)で露光しなければならない。
【0014】しかし、そのような方法で際限無く厚いコ
イルが実現できるわけではない。例えばメッキ厚が厚く
なると、メッキ膜中の応力が大きく、基板としたシリコ
ンウェハが反るなどの問題が生じる。シリコン基板の反
りは、実際のプロセス上では大きな問題であり、例え
ば、パターン形成やチップ化などの後工程に支障を来す
ことになる。このため実際には、直径4インチのシリコ
ンウェハ上に厚さが30μm以上のコイル導体をもつ磁
気誘導部品を作ることは極めて困難である。
【0015】このような現状に立脚して、本発明は集積
回路等の半導体装置のチップ上に直接作り込むに適した
薄膜積層構造をもち、コイル膜厚を厚くしてコイル部の
損失、とりわけ直流損失を低減し、かつ製造の容易な平
面型インダクタおよび平面型トランスを提供することを
目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題解決のため本発
明の平面型インダクタは、一方の基板上に形成された平
面コイルと、その平面コイルと面対称となるように他方
の基板上に形成された平面コイルとをコイル面同士が電
気的に接続されるように重ね合わされた構造であるもの
とする。
【0017】そのようにすれば、これまでの製造限界の
二倍の厚さのコイル導体を、プロセス上の問題も無く容
易に実現できる。特に、それぞれの基板と平面コイルと
の間に高透磁率の磁性薄膜を有するものとする。そのよ
うにすれば、磁束密度が高められ、磁束を有効に収束で
きる。
【0018】また、一方の基板上に磁性薄膜が敷かれ、
その磁性薄膜上に絶縁層を介して形成された第一の平面
コイルと、その平面コイルと面対称となるように他方の
基板上に磁性薄膜と絶縁層を介して形成された第二の平
面コイルとのコイル面同士が絶縁膜を介して重ね合わさ
れ、第一と第二の平面コイルの入、出力端子がそれぞれ
接続された構造とすることもできる。
【0019】そのようにすれば、これまでの製造限界の
二倍の厚さのコイル導体に相当する平面型インダクタを
実現できるだけでなく、コイル導体を分割したことによ
り、渦電流損を低減できる。更に本発明の平面型トラン
スは、一方の基板上に磁性薄膜が敷かれ、その磁性薄膜
上に絶縁層を介して形成された第一の平面コイルと、そ
の平面コイルと面対称となるように他方の基板上に磁性
薄膜と絶縁層を介して形成された第二の平面コイルとの
コイル面同士が絶縁膜を介して重ね合わされ、第一と第
二の平面コイルの入、出力端子が電気的に分離され、そ
れぞれが1次および2次側の端子を構成するものとす
る。
【0020】そのようにすれば、これまでの製造限界の
二倍の厚さのコイル導体をもつ平面型トランスを、プロ
セス上の問題も無く容易に実現できる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、実施例を参照しながら本発
明の実施の形態を詳細に説明する。 [実施例1]図1は、本発明第一の実施例(以下実施例
1と記す。以下同様)の平面型インダクタのおよそ半分
の部分断面図である。
【0022】図1において、シリコンウェハ21上に酸
化膜22とポリイミドからなる絶縁膜23を介して、C
oHfTaPdの磁性薄膜24が積層されており、その
磁性薄膜24を覆うポリイミドからなる絶縁膜23の上
に、コイルが形成されている。図では、コイルの断面の
コイル導体27および17と、その間のポリイミドの中
間絶縁膜26および16の断面が示されている。コイル
導体27および17は、インジウム半田18で接合され
ている。コイル導体17と中間絶縁膜16との上には、
ポリイミドの絶縁膜13を介してCoHfTaPdの磁
性薄膜14が積層され、更にその上をポリイミドの絶縁
膜13が覆っている。29aは、コイル導体27と接続
導体29bで接続されたリード接続のための電極であ
る。図示されない左側部分は、中心線A−Aについてほ
ぼ対称であるが、もう一つの電極が導体コイル27の中
央部から取り出されている点が違っている。
【0023】この実施例1の平面型インダクタは、コイ
ル導体17と中間絶縁膜16から上の上部チップCh
と、コイル導体27と中間絶縁膜26から下の下部チッ
プClとが接合されたものである。図2(a)ないし
(f)および図3(a)ないし(d)は、実施例1のイ
ンダクタの上部チップCh の製造方法を説明するための
製造工程順の部分断面図である。以下、その製造方法に
ついて工程順に説明する。
【0024】Si基板(直径4インチ)11上に絶縁膜
13aとしてポリイミドを3μm塗布し、キュアする
[図1(a)]。CoHfTaPdの磁性薄膜14をス
パッタ法で3μm成膜する[同図(b)]。ポジ型フォ
トレジスト20を塗布しパターンを形成する[同図
(c)]。
【0025】フォトレジスト20をマスクとして王水で
磁性薄膜14のエッチングをおこなった後、アセトンに
浸漬してフォトレジスト20を除去する[同図
(d)]。層間の絶縁膜13bとしてポリイミドを塗布
し、キュアする[同図(e)]。ポリイミド膜厚は、1
0μmである。絶縁膜13b上に無電解メッキの核とな
る白金(Pt)核15をスパッタ法で0.4nm形成す
る[同図(f)]。
【0026】中間絶縁膜16となる感光性ポリイミドを
塗布、露光し、メッキの型となるコイルパターンを形成
し、キュアする[図3(a)]。ポリイミドの膜厚はキ
ュア前で40μm、キュア後で25μmである。メッキ
型の寸法は例えば、内寸80μm、間隔70μmであ
る。無電解銅メッキをおこない、メッキの型の底部に銅
を0.2μm析出させ、電解メッキ用の通電層17aと
する[同図(b)]。
【0027】電解銅メッキをおこない、コイル導体17
を形成する。コイル導体17の厚さは中間絶縁膜16と
同じく25μmである[同図(c)]。ニッケルN(N
i)とインジウム半田(In/Sn=50/50)をそ
れぞれ0.2μm、2μmの厚さに順次電解メッキする
[同図(d)]。このように加工されたメッキ厚さが2
5μm程度のシリコンウェハは、顕在化する程の反りを
示さず、比較的フラットである。そのコイル導体側の部
分平面図の例を図6(a)に示す。この例ではコイル形
状は6ターンの正方形スパイラルであるが、更にターン
数の多いものもある。以上のようにして作製されたもの
をダイシングしたチップを上部チップChと呼ぶことに
する。
【0028】この一連の加工に用いられたマスク系列と
コイルの部分が鏡像関係にあるマスク系列を用いて同様
にして下部チップClを得る。下部チップClの平面図
は、図6(b)に示すように上部チップChと鏡像関係
にある配置を示し、コイル部分の断面構造は基本的に上
部チップChと同一である。ただし、コイルの中心部と
コイルの最外周端部に設けられた電極からの引出し配線
を設ける(この場合下部チップClから引き出す)必要
がある関係上、製造工程が上部チップChの場合と若干
異なる。
【0029】以下この点について図4(a)ないし
(e)および図5(a)ないし(d)で説明する。上部
チップChと異なり、基板として厚さ1μmの酸化膜2
2を形成したSiウェハ(直径4インチ)21を用い
る。上部チップChと同様な方法で酸化膜22上に無電
解メッキの核となる白金(Pt)核25を0.4nm形
成する[図4(a)]。
【0030】次に絶縁膜23aとして感光性ポリイミド
を3μm塗布、露光し、パターニングをおこなう[同図
(b)]。絶縁膜23aの無い部分に、上部チップCh
と同様にして銅の無電解メッキおよび電解メッキをおこ
ない(膜厚3μm)、コイルの電極および引出し配線2
9a等を形成する[同図(c)]。
【0031】次に絶縁膜23bとしてポリイミドを3μ
m塗布し、キュアする[同図(d)]。引き続きCoH
fTaPdの磁性薄膜24をスパッタ法で3μm成膜
し、ポジ型フォトレジストを塗布しパターンを形成した
後、フォトレジストをマスクとして王水でエッチングを
おこない、磁性薄膜24のパターン形成をする。その後
アセトンに浸漬してフォトレジストを除去する[同図
(e)]。
【0032】スパッタ法により酸化けい素膜(3μm)
30を堆積し、パターニングしてポリイミドのエッチン
グマスクとする[図5(a)]。次にこの酸化けい素膜
30のマスクを用いて、下地の銅の引出し配線29aま
で貫通したスルーホールを形成した後、ふっ酸で酸化け
い素膜30を除去する[同図(b)]。
【0033】そのスルーホールに電解メッキで銅を9μ
m埋め込み、接続導体29bとする[同図(c)]。そ
れ以降は、上部チップChの製造工程の図2(f)以降
と同様にし、チップ化して下部チップClとする[図5
(d)]。上部チップChと下部チップClとのコイル
導体が重なるように、図6(a)、(b)のB側同士を
位置合わせしてリフロー(120℃、10秒間)するこ
とにより図1の平面型インダクタが完成する。上部チッ
プChの少なくとも一部の寸法を下部チップClより小
さい寸法とし、下部チップClの電極が上部チップCh
の外側にはみ出すようにすると接続に便利である。
【0034】以上のような方法で、従来の限界の二倍近
い厚さ50μmのコイル導体をもつインダクタが実現で
きた。これにより、交流抵抗成分を増すことなく、直流
抵抗が、約1/2に低減できた。各チップCh、Clと
してはコイル導体の厚さが25μmであったので、ウェ
ハの反りがその後の工程に支障を来すという問題もなく
製造できた。しかも例えば数mm角のサイズにチップ化
した後では、その反りが無視できる程小さくなる上、互
いに逆に反った二つを接合しているので、平面型インダ
クタとしては全く問題ない。
【0035】[実施例2]図7は本発明の第二の実施例
の平面型インダクタの断面図である。実施例1の平面型
インダクタは、コイル導体の直流成分の抵抗を低減する
ことを主題としたが、本実施例は直流成分の抵抗低減に
加えて、交流抵抗成分の一つである磁気誘導型銅損、す
なわちコイル導体中の渦電流損の低減をも意図したもの
である。
【0036】実施例1で製作した下部チップClの製造
工程で電解銅メッキ(図5(c)したところでチップ化
する( 下部チップCl2 )。同様にして図6(a)のパ
ターンで、下部チップCl2 と同様の引出し電極をもつ
構造の上部チップCh2 を製作し、それらの下部チップ
Cl2 と上部チップCh2 とをポリイミド(厚さ3μ
m)膜50を介して接着する。接着後、上部チップCh
2 と、下部チップCl2の電極にリード付けをし、各リ
ードを共通にして入出力端子とする。コイル部分は並列
接続された構造となる。
【0037】この実施例2の平面型インダクタでは、実
施例1のものと比べて導体が二分割されたことになるの
で、渦電流損が低減される。コイル電流の分割は、一般
にはインダクタンス値の低下を引き起こすが、本構造の
場合、2枚の磁性薄膜にサンドイッチされた中での分割
であり、磁気的に密に結合しているため、インダクタン
ス値の低下は無視できる。
【0038】[実施例3]図8は、本発明の第三の実施
例の平面型トランスの断面図である。この場合は、実施
例2と同様にして上部チップCh3 と下部チップCl3
とをポリイミド(厚さ3μm)膜60を介して接着後、
上部チップCh3 と、下部チップCl3 のリード端子を
それぞれ独立に引出し、それぞれ1次端子、2次端子と
することにより1:1のトランスとした。なお、1:n
のトランスは、ターン数の異なるチップを組み合わせる
ことで容易に製造できる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、互
いに面対称となる平面コイルを重ね合わせることによ
り、従来製造方法の限界の二倍の厚さのコイル導体を、
プロセス上の問題も無く容易に実現できる。その結果、
抵抗が低減されて、Q値の高いすなわち高効率の磁気誘
導部品が得られる。
【0040】また、チップ化したコイル導体を、絶縁膜
を介して重ね合わせることにより、直流成分の損失低減
に加えて交流成分の損失を低減した平面型インダクタや
平面型トランスを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例1の平面インダクタの部分断面図
【図2】(a)ないし(f)は実施例1の平面インダク
タの上側部分の製造工程順の部分断面図
【図3】(a)ないし(d)は図2(f)に続く実施例
1の平面インダクタの上側部分の製造工程順の部分断面
【図4】(a)ないし(e)は実施例1の平面インダク
タの下側部分の製造工程順の部分断面図
【図5】(a)ないし(d)は図4(e)に続く実施例
1の平面インダクタの下側部分の製造工程順の部分断面
【図6】(a)は本発明実施例1の平面インダクタの上
側部分の部分平面図、(b)は下側部分の部分平面図
【図7】本発明実施例2の平面トランスの部分断面図
【図8】本発明実施例3のインダクタの部分断面図
【図9】従来の磁気誘導部品のコイル部分の製造工程順
の断面図
【符号の説明】
1、11、21 シリコンウェハ 2、22 酸化膜 3、13、13a、13b、23a、23b、23c
絶縁膜 4、14、24 磁性薄膜 5、15、25 白金核 6、16、26 中間絶縁膜 7、17、27 コイル導体 18 インジウム半田 19a 電極 19b 接続導体 20 フォトレジスト 30 酸化けい素膜 50、60 ポリイミド膜 Ch 、Ch2、Ch3 上部チップ Cl 、Cl2、Cl3 下部チップ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一方の基板上に形成された平面コイルと、
    その平面コイルと面対称となるように他方の基板上に形
    成された平面コイルとをコイル面同士が電気的に接続さ
    れるように重ね合わされた構造であることを特徴とする
    平面型インダクタ。
  2. 【請求項2】それぞれの基板と平面コイルとの間に磁性
    薄膜を有することを特徴とする請求項1記載の平面型イ
    ンダクタ。
  3. 【請求項3】一方の基板上に磁性薄膜が敷かれ、その磁
    性薄膜上に絶縁層を介して形成された第一の平面コイル
    と、その平面コイルと面対称となるように他方の基板上
    に磁性薄膜と絶縁層を介して形成された第二の平面コイ
    ルとのコイル面同士が絶縁膜を介して重ね合わされ、第
    一と第二の平面コイルの入、出力端子がそれぞれ電気的
    に接続された構造であることを特徴とする平面型インダ
    クタ。
  4. 【請求項4】一方の基板上に磁性薄膜が敷かれ、その磁
    性薄膜上に絶縁層を介して形成された第一の平面コイル
    と、その平面コイルと面対称となるように他方の基板上
    に磁性薄膜と絶縁層を介して形成された第二の平面コイ
    ルとのコイル面同士が絶縁膜を介して重ね合わされ、第
    一と第二の平面コイルの入、出力端子が電気的に分離さ
    れ、それぞれが1次および2次側の端子を構成すること
    を特徴とする平面型トランス。
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