JP2008279764A - プリント配線板用シート材料およびそれを用いた多層プリント配線板の製造方法 - Google Patents

プリント配線板用シート材料およびそれを用いた多層プリント配線板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来技術が有していた層間厚みや銅箔の薄化の限界、および、接着剤層表面を粗化する工程の必要性等の問題点を解決し、薄化が可能であり、かつファインパターン化が容易であるとともに、耐久性を有するプリント配線板用シート材料およびそれを用いた多層プリント配線板を提供する。
【解決手段】芳香族ポリアミドフィルムの片面に、接着性物質を用いることなく金属層を形成し、かつ該金属層とは反対側の面に半硬化樹脂層を形成したプリント配線板用シート材料とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、プリント配線板用シート材料に関する。さらに詳しくは、導体回路層と絶縁層とを交互に積み上げたビルドアップ方式の多層プリント配線板の製造に有益な多層プリント配線板用接着シート材料に関する。
近年、電子機器の小型化、軽量化、多機能化に伴うプリント板実装の高密度化、さらには電子部品等の実装密度向上の要請に伴い、多層プリント配線板のファインピッチ化が急速に進展している。これに伴い、多層プリント配線板に搭載される電子部品は、面実装型へと移行し、その結果、絶縁樹脂と電子部品との狭小化が進み、絶縁層に対して電子部品の機械的、熱的な応力が集中し易くなってきた。さらには、多層プリント配線板に対しては、耐久性等への要求も厳しくなってきている。
また、従来、多層プリント配線板の製造方法としては、回路形成された内層回路板に、絶縁接着層としてガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸しBステージ化したプリプレグシートを積層プレスし、スルーホールにより層間導通を取る方法が知られていた。しかしながら、この方法によれば、プリプレグシートとしてガラスクロスを用いるため、層間厚みの薄化に限界があった。
このような問題を解決する方法として、近年、内層回路板の導体層上に有機絶縁層を交互に積み上げていくビルドアップ方式の多層プリント配線板の製造技術が注目されている。特許文献1および2には、接着剤付き銅箔を用いて、当該銅箔を内層回路板にラミネートして硬化させる方法が開示されている。また、特許文献3には、内層回路基板上に形成した接着剤層に、無電解または電解めっき法により導体層を形成する方法が開示されている。
特開平7−202418号公報 特開平7−202426号公報 特開平7−304933号公報
しかしながら、特許文献1および2に記載された接着剤付き銅箔を用いる方法は、強度の問題から銅箔の薄化に制限があり、ファインパターンの形成に対して不利であった。
また、特許文献3に記載された無電解または電解めっき法により導体層を形成する方法は、内層回路基板上に形成した接着剤層に無機成分である銅を形成するため、信頼性を確保することが難しく、信頼性向上のためには接着剤層表面を粗化する工程等が必要となり、また、その管理も困難であった。
本発明は、このような従来技術を背景になされたものであり、その目的とするところは、従来技術が有していた層間厚みや銅箔の薄化の限界、および、接着剤層表面を粗化する工程の必要性等の問題点を解決し、薄化が可能であり、かつファインパターン化が容易であるとともに、耐久性を有するプリント配線板用シート材料およびそれを用いた多層プリント配線板の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を行った。その結果、芳香族ポリアミドフィルムの片面に、接着性物質を用いることなく金属層を形成し、かつ該金属層と反対側の面に半硬化樹脂層を形成したプリント配線板用シート材料が、前述の課題の解決に有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、芳香族ポリアミドフィルムの片面に、接着性物質を用いることなく形成された金属層を有し、かつ該金属層と反対側の面に半硬化樹脂層を有してなるプリント配線板用シート材料である。
また別の本発明は、本発明のプリント配線板用シート材料と他の配線板とを積層して積層板を形成し、該積層板のプリント配線板用シート材料の金属層に、回路パターンを形成する多層プリント配線板の製造方法である。
本発明のシート材料によれば、セミアディティブ法あるいはアディティブ法により多層プリント配線板を形成することができる。したがって、ファインピッチ化が容易であり、かつ信頼性に優れた多層プリント配線板を作成することが可能になる。また、表面粗化、無電解めっきの工程を省略することが可能であり、表面平坦性が高いため、より高密度配線を形成することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の多層プリント配線板用シート材料は、芳香族ポリアミドフィルムの片面に、接着性物質を用いることなく形成された金属層を有し、該金属層と反対側の面に半硬化樹脂層を有してなる。
<芳香族ポリアミドフィルム>
(材料)
本発明に用いるフィルム基材は、芳香族ポリアミドからなる。芳香族ポリアミドは、強度に優れるとともに絶縁耐圧が高いという特性を有するため、フィルムの薄化が容易であり、また、厚みが薄い場合であっても極めて高い絶縁耐圧性を発現することができる。このため、本発明のプリント配線板用シート材料は、厚みを薄くすることが可能となり、その結果、本発明のプリント配線板用シート材料を用いて得られる多層プリント配線板の薄型化、および小型化に寄与することができる。また、芳香族ポリアミドフィルムは、平面平坦性の面でも優れた特性を有する。このため、本発明のプリント配線板用フィルムシート材料によれば、微細配線を形成することが可能となる。
本発明に用いられる芳香族ポリアミドは、例えば、次の構成単位からなる群から選択された単位により構成される。
−NH−Ar−NH− (1)
−CO−Ar−CO− (2)
−NH−Ar−CO− (3)
ここで、Ar、Ar、Arは、少なくとも一つの芳香環を含み、同一であっても異なっていてもよい、炭素数5〜20の炭化水素基である。かかる炭化水素基としては、例えばp−フェニレン基、m−フェニレン基、o−フェニレン基、2,6−ナフチレン基、ビフェニレン基、4,4’−ジフェニレンエーテル基、4,4’−プロピリデン−ジフェニル基等が例示できる。これらの基の芳香環には、例えばハロゲン基、アルキル基、アルコキシ基等の置換基を有していてもよい。
本発明においては、実質的に下記式(4)、
−(−CO−Ar11−CONH−Ar21−NH−)− (4)
で表される繰り返し単位からなるパラ配向性の芳香族ポリアミド(ポリパラフェニレンテレフタルアミド、以下PPTAということがある。)が好適である。ここでAr11、Ar21は、ともにp−フェニレン基である。PPTAからは、熱、湿度外力に対して極めて寸法安定性の優れたシートやフィルムが得られ、また得られたフィルム等は熱膨張係数が極めて小さいため、熱によるカーリング等の変形を生じにくいという特性を有する。これらの特徴は積層基板の基材として極めて有用である。
本発明の芳香族ポリアミドフィルムは、積層基板としての特性を損ねる等、本発明の目的に反しない限り、易滑剤、染料や顔料等の着色剤、難燃剤、帯電防止剤、酸化防止剤、その他の添加剤や改質剤を含んでもよい。
本発明に用いられる芳香族ポリアミドの重合度は、あまり低いと機械的性質の良好なフィルムが得られなくなるため、好ましくは3.5以上、さらに好ましくは4.5以上の対数粘度ηinh(硫酸100mLにポリマー0.5gを溶解して30℃で測定した値)を与える重合度のものが選ばれる。
(製造方法)
芳香族ポリアミドフィルムの製造方法としては、芳香族ポリアミドが有機溶剤に可溶な場合には、重合後にポリマーが溶解した状態の溶液、または、一旦ポリマーを単離した後再溶解する等した溶液を用いて、乾式法または湿式法にて製膜する方法が挙げられる。また、PPTA等の有機溶剤に難溶なものについては、濃硫酸等に溶解して溶液とし、ついで、乾湿式法または湿式法により製膜することができる。湿式法では、溶液はダイから直接凝固浴中に押出されるか、乾式法と同様に金属ドラムまたはエンドレスベルト上にキャストされた後、凝固液中に導かれ、凝固される。ついで、得られたフィルムは、フィルム中に含まれる溶剤や無機塩等を除去する目的で洗浄され、延伸、乾燥、熱処理等の処理を受ける。さらに具体的には、PPTAからなるシート状基材の製法については、例えば、特許第2664959号公報に記載された方法を用いることができる。
(厚み)
微細配線を形成するためには、配線間を垂直方向に繋ぐビアホールの長さを短くする必要がある。したがって、絶縁層の厚みが薄いほど、原理的には微細配線を形成することが可能となる。しかしながら、一般的に絶縁層として用いられる半硬化樹脂層は、比較的絶縁耐圧が低いものである。このため、このような半硬化樹脂層による絶縁層を薄化すると、電気的信頼性が低下するという問題が存在していた。
本発明においては、絶縁耐圧の高い極薄ポリアミドフィルムに電気特性と力学強度を担保させることにより、半硬化樹脂層を極めて薄くすることができる。したがって、ビアホールの長さを短くすることができ、微細配線を形成することが可能となる。
本発明に用いられる芳香族ポリアミドフィルムの厚さとしては、3〜25μmの範囲が好ましく、3〜12μmの範囲がさらに好ましい。3μmよりも薄い場合には、ハンドリングに問題が生じる場合がある。一方で、25μmよりも厚い場合には、微細配線形成が困難となる。
<金属層>
本発明の金属層は、芳香族ポリアミドフィルムの片面に接着性物質を用いることなく形成される。接着性物質を用いてフィルムと金属箔とを張り合わせる場合には、金属箔の厚みに加えて接着性物質の厚みが存在するため、薄化が困難で有り、したがって、多層配線板とした場合の微細配線化が困難である。また、接着性物質を用いて貼合するためには、フィルム表面および金属箔表面を粗化する必要があり、このため、表面粗化による電気特性の低下を避けることができない。さらには、接着性物質の変形による金属配線の傾きが生じやすくなり、信頼性が低下する。本発明は、高強度の芳香族ポリアミドフィルムに接着性物質を介すことなく直接金属層が積層されるため、力学的にも電気的にも優れたプリント配線板用シート材料となる。
(厚み)
金属層全体の厚みは、10〜2000nmであることが好ましい。10nm未満の場合には、電気抵抗が大きいため配線形成時の電界めっきが難しくなる場合がある。一方で、2000nmより厚い場合には、金属層の形成に長時間が必要となる。金属層全体の厚みは、より好ましくは100〜2000nmである。
(構造および配置)
金属層の構造は、単層構造であっても、複数の層からなる積層構造であってもよい。単層構造の場合には、後記するニッケルまたはニッケルクロム合金からなる金属層(A)、または、主として銅からなる金属層(B)のいずれかであることかが好ましい。また、積層構造である場合には、芳香族ポリアミドフィルムと金属層との密着性が高くなることから、ニッケルまたはニッケルクロム合金からなる金属層(A)と、主として銅からなる金属層(B)とを含む積層体であることが好ましい。
さらに、本発明の金属層が積層構造である場合には、主として銅からなる金属層(B)が、ニッケルまたはニッケルクロム合金からなる金属層(A)を介して芳香族ポリアミドフィルムと反対側に配置されていることが好ましい。本発明においては、金属層(B)を直接芳香族ポリアミドフィルムに積層することも可能であるが、金属層(A)を介して金属層(B)が芳香族ポリアミドフィルムと反対側に配置されることにより、得られるプリント配線板用シート材料の湿熱耐久性を向上させることができる。
[ニッケルまたはニッケルクロム合金からなる金属層(A)]
(材料および構成)
本発明の金属層として好ましく採用できる金属層(A)は、ニッケルもしくはニッケルクロム合金からなる。ニッケルまたはニッケルクロム合金からなる金属層(A)は、得られるプリント配線板用シート材料の耐湿熱性を向上することができる。このため、ニッケルまたはニッケルクロム合金からなる金属層(A)を金属層に含むプリント配線板用シート材料は、湿熱環境下であっても電気的特性を維持することができ、信頼性の高いプリント配線板を形成することができる。
本発明における金属層の好ましい態様としては、芳香族ポリアミドフィルム上に、ニッケルまたはニッケルクロム合金からなる金属層(A)が単独で設けられる場合、あるいは、金属層(A)と他の金属層とが積層された積層構造を形成している場合が挙げられる。なお、いずれの場合であっても、金属層(A)は、芳香族ポリアミドフィルム上に直接形成される。
ニッケルまたはニッケルクロム合金からなる金属層(A)のみで金属層が形成される場合には、金属層上に形成される回路配線と芳香族ポリアミドフィルムとの密着性を高めることができる。
また、金属層がニッケルまたはニッケルクロム合金からなる金属層(A)を含む積層構造の場合には、上記の通り、ニッケルまたはニッケルクロム合金からなる金属層(A)と、後記する主として銅からなる金属層(B)とを含む積層体であることが好ましく、さらには、主として銅からなる金属層(B)が、ニッケルまたはニッケルクロム合金からなる金属層(A)を介して芳香族ポリアミドフィルムと反対側に配置されていることが好ましい。
金属層(A)としてニッケルクロム合金を用いる場合には、合金におけるクロムの含有量は、5〜30質量%であることが好ましい。30質量%よりも含有量が多い場合には、エッチング不良を起こす恐れが生じる。
(厚み)
ここで金属層(A)の膜厚は、3〜30nmであることが好ましい。膜厚が3nm未満の場合には、金属層(B)と芳香族ポリアミドフィルムとの接着性を十分に確保することが難しくなることがある。また、30nmより厚い場合には、エッチング後の金属残り等の問題を生じやすくなる。金属層(A)の厚みは、より好ましくは5〜20nmである。
(製造方法)
金属層(A)は、スパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法等の真空プロセスにより形成されることが好ましい。従来の無電解めっき法では、表面粗化の必要性があり、表面をあらすことによって金属層と高分子フィルムとの接着性を確保していた。しかしながら従来法では、エッチング残りが生じ易く、このため、微細配線を形成すること、および、信頼性を確保することが困難となっていた。また導体金属の表面があれるため、特に高周波信号を用いる場合には、伝送速度の低下が顕著になっていた。本発明において、金属層(A)の形成に真空プロセスを用いれば、芳香族ポリアミドフィルムの優れた表面平坦性を活かすことが可能となり、その結果、微細配線の形成を可能とし、また、高周波信号を用いる場合であっても問題の生じないプリント配線板を得ることができる。より好ましくは、スパッタリング法もしくは蒸着法である。
[主として銅からなる金属層(B)]
(材料および構成)
本発明の金属層として好ましく採用できる金属層(B)は、主として銅からなる金属層である。ここで、「主として」とは、銅を50質量%以上含むことを意味する。したがって、主として銅からなる金属層(B)とは、銅を50質量%以上含む合金や混合物であっても問題ない。
本発明における金属層の好ましい態様としては、芳香族ポリアミドフィルム上に、主として銅からなる金属層(B)が単独で設けられる場合、あるいは、金属層(B)と他の金属層とが積層された積層構造を形成している場合が挙げられる。
本発明において、主として銅からなる金属層(B)のみで金属層が形成される場合には、エッチングが容易となるため微細配線形成が容易になる。また、金属層が主として銅からなる金属層(B)を含む積層構造である場合には、上記の通り、ニッケルまたはニッケルクロム合金からなる金属層(A)と、主として銅からなる金属層(B)とを含む積層体であることが好ましく、さらには、主として銅からなる金属層(B)が、ニッケルまたはニッケルクロム合金からなる金属層(A)を介して芳香族ポリアミドフィルムと反対側に配置されていることが好ましい。
(厚み)
金属層(B)の厚みは、100〜3000nmであることが好ましい。100nm未満の場合には、ピンホールが生じやすくなり、配線の信頼性が確保しづらくなる。また、セミアディティブ法またはアディティブ法を用いて電解または無電解めっきにより回路パターンの形成を行う際に、導通が不十分となる場合がある。一方、3000nmより厚い場合には、微細配線を形成するためのアディティブ法、セミアディティブ法の利点が失われ、よりサブトラクティブ法に近い工程となってしまう。金属層(B)の厚みは、より好ましくは200〜2000nmである。
(製造方法)
金属層(B)は、公知の方法で形成することができ、スパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法およびめっき法からなる群より選ばれる1つ以上の方法により形成されることが好ましい。本発明においては、必要となる膜厚等に応じて、適宜選択することが可能である。
<半硬化樹脂層>
半硬化樹脂層は、上記した金属層とは反対側の芳香族ポリアミドフィルム面に設けられる。半硬化樹脂層は、芳香族ポリアミドフィルム面に直接設けられても、あるいは、間に他の層を介して設けられてもよい。しかしながら、多層プリント配線板とした場合の厚みをを薄くするためにも、半硬化樹脂層は芳香族ポリアミドフィルムに直接設けられていることが好ましい。
(材料)
半硬化樹脂層を形成する材料としては、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、およびポリビスマレイミド・トリアジン樹脂からなる群より選ばれる1種以上の樹脂を用いることが好ましい。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、その他官能基による変性エポキシ樹脂等が例示できる。これらのエポキシ樹脂は2種類以上混合していてもよい。
エポキシ樹脂を使用する場合には、通常硬化剤が必要となる。エポキシ硬化剤としては、例えば、アミン系硬化剤、グアニジン系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、フェノール系硬化剤、酸無水物系硬化剤等を挙げることができる。特に、粘度安定性等の観点から、アミン系硬化剤やイミダゾール系硬化剤を用いることが好ましい。
ポリイミド樹脂としては、例えば、荒川化学製コンポセランH800等を挙げることができる。ポリアミドイミド樹脂としては、例えば、荒川化学製コンポセランH900等を挙げることが出来る。
ビスマレイミド・トリアジン樹脂としては、例えば、市販されている三菱瓦斯化学製、BTレジン等を挙げることができる。また、ビスマレイミド樹脂とシアネートエステル樹脂とを混合することにより、所望のビスマレイミド・トリアジン樹脂を合成することも可能である。
(厚み)
半硬化樹脂層の厚みは、特に限定されるものではないが、2〜25μmであることが好ましい。厚みが2μm未満の場合には、金属配線の厚みによっては、配線埋め込み性を保つことが困難となる。一方で、25μmを超える場合には、多層プリント配線板とした場合の厚みが厚くなってしまうため好ましくない。
(製造方法)
半硬化樹脂層の製造方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法により形成することができる。すなわち、樹脂材料を塗布し、引き続き、適当な温度環境下で樹脂の硬化反応を行い、所定の半硬化状態とすることにより製造することができる。
<プリント配線板用シート材料の製造方法>
本発明の配線板用シート材料の製造方法としては、例えば、芳香族ポリアミドフィルム表面に金属層を成膜した後に、金属層と反対面に半硬化樹脂層を形成する。金属層が金属層(A)と金属層(B)とを含む場合には、まず金属層(A)を形成し、その後に金属層(B)を順次形成する。
<多層プリント配線板用の製造方法>
次に、本発明のプリント配線板用シート材料を用いて、多層プリント配線板を作成する方法について説明する。本発明のプリント配線板用シート材料は、セミアディティブ法またはアディティブ法によるパターン形成に適した材料である。このため、以下には、当該方法による多層プリント配線板の製造方法を記載するが、本発明のプリント配線板用シート材料による多層プリント配線板の製造方法は、この方法に限定されるものではない。
まず、本発明のプリント配線板用シート材料を、既作成の配線板の上に真空ラミネーター等を用いて張り合わせる。さらに、真空プレス等を用いて半硬化樹脂層を加熱硬化させることにより、積層板を得る。次いで、得られた積層板の所定の位置に、ドリル、レーザー、プラズマ等の方法により穴開けを実施し、両面の導通のためのスルーホールを開ける。続いて、スルーホール作成時の変性樹脂(スミア)を除くため、デスミア処理を行う。その後、必要性に応じて、スルーホール部に無電解めっきを行う。
次に、スルーホールの作成が完了した積層板の金属層上に、ドライフィルムレジスト、あるいは通常の光レジスト剤を塗布し、所定のパターンを用いて露光、現像を行い、レジストパターンの形成を行う。その後、レジストが除去されて金属層が表出している空間に、電解めっき法によりめっきを成長させて回路配線を形成する。めっき工程終了後、レジストパターンを除去して回路パターンをのみを残し、さらに、レジストパターンが存在していた空間の下地金属層をエッチングすることにより、所望のパターンの回路配線を得る。
上記工程では通常必要となる表面粗化工程がないため、芳香族ポリアミドフィルム表面の平坦性を活かし、極めて平滑な配線板を作成することが可能である。したがって、本発明のプリント配線板用シート材料によれば、高精細配線を作成することが容易となる。
以下に実施例等を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<測定・評価方法>
実施例等においては、以下の項目について以下の方法によって測定・評価を実施した。
(1)ピール強度
多層プリント配線板の金属層とフィルムまたは樹脂層との間の接着強度について、JIS C5012 8.1に準拠し、導体幅3mmにて測定を実施した。
(2)表面耐電圧
多層プリント配線板について、JIS C5012 7.4に準拠して、以下の条件にて表面耐電圧の評価を実施した。評価基準を以下に示す。
[評価条件]
DC500Vを1分間印加
[評価基準]
○:機械的損傷、フラッシュオーバー、スパークオーバー、絶縁破壊等の異常が無い
×:なんらかの異常有り
(3)弾性率
多層プリント配線板について、動的粘弾性計(TAインスツルメント社製、型式:Q800)を用いて測定を実施した。なお、測定は、30℃から300℃において、昇温条件5℃/分にて実施し、23℃および280℃における数値を測定した。
(4)熱膨張係数
多層プリント配線板について、熱機械分析装置(TMA)によって測定した。熱機械分析装置としては、SIIナノテクノロジー社製、型式:TMA/SS6100を用いた。ここで、熱膨張係数(α)は半硬化樹脂層のTg以下の温度領域、熱膨張係数(α)は半硬化樹脂層のTg以上の温度領域における熱膨張係数である。
<実施例1>
[プリント配線板用シートの作成]
(金属層の形成)
厚さ9μm、幅275mm、長さ200mの芳香族ポリアミドフィルム(PPTA、帝人アドバンストフィルム製、登録商標:アラミカ)を真空槽内にセットし、1×10−5Torr(1.3×10−6kPa)の真空度にした。
そこにArガスを30mL/分の流量で供給しながら、ニッケルクロム合金(クロム7%)と銅のターゲットを用いて連続スパッタリングを行い、ニッケルクロム合金層(8nm)と銅層(200nm)とを順次形成し、金属シード層付きフィルムを得た。
引き続き、作製成した金属シード層付きフィルムの表面に電解めっきを行い、銅層を2μm形成し、金属層形成芳香族ポリアミドフィルムを得た。
(半硬化樹脂層の形成)
ついでコンポラセンE102(荒川化学製)10質量部、コンポラセンE190(荒川化学製)10質量部、コンポラセンAD10(荒川化学製)45質量部を混合し、エポキシ樹脂塗工液を作製した。ダイコーターを用いて、得られた塗工液を上記の金属層形成芳香族ポリアミドフィルムの金属層と反対側の面に塗工し、100℃で3分乾燥させることにより半硬化樹脂層を形成し、目的のプリント配線板用シート材料を得た。得られたプリント配線板用シート材料の半硬化樹脂層の厚みは15μmであり、絶縁層(芳香族ポリアミドフィルムと半硬化樹脂層との和)の厚みは24μmであった。
[多層プリント配線板の作成]
(積層およびビアホールの形成)
銅箔12μm、ポリイミドフィルム25μmからなる両面2層CCLを回路形成し、回路基板を作成した(スルーホールあり)。上記で得られたプリント配線板用シート材料の樹脂面をCCLの回路側にあわせて、真空ラミネーターを用いて温度120℃、圧力1MPa、気圧5mmHg(0.67kPa)以下の条件で、CCLの両面にラミネートした。ついで140℃、1MPaの条件で2時間減圧プレスすることにより、プリント配線板用シート材料の半硬化樹脂層を加熱硬化させて積層板を得た。さらに、得られた積層板にレーザーによる穴あけを行い、ビアホールを形成した。
(デスミア処理)
続いて、以下の要領でデスミア処理を実施した。ビアホールを有する積層板を80℃で10分間、酸化剤溶液(アトテックジャパン製、商品名:コンセントレイト・コンパクトCP)で処理した。次いで、還元剤溶液(アトテックジャパン製、商品名:リダクション・ソリューション・セキュリガンスP−500)にて、40℃で5分間、中和処理を行った。次に、ビアホール内に無電解めっきの触媒付与を行った後、無電解銅めっき液に32℃で10分間浸漬し、0.5μmの無電解銅めっき皮膜を作成した。続いて、140℃で30分乾燥後、UV−オゾン洗浄装置(岩崎電気社製、商品名:OC−250615−D+A)にて2分間処理した。
(レジストパターンの形成)
最外層となる銅箔上に、フォトレジスト剤(AZエレクトリックマテリアル製、商品名:AZTPM−606)をスピンコーターにて塗布し(1000rpm、30秒)、110℃にて3分間のプリベーグを実施した。作成したレジスト層上にフォトマスクを載せ、露光機(ウシオユーテック製、型式:EC30)にて800mJで露光し、引き続き、0.8%水酸化カリウム(KOH)水溶液にて現像した後、110℃にて5分間のポストベークを行った。最後に、酸洗浄を行うことにより、レジストパターンを得た。
(回路パターンの形成)
レジストパターンを形成した積層板に、含リン銅板をアノードとして、陰極電流2mA/dmで12分間の電解銅めっきを実施し、レジストに沿ってめっきを成長させた。5%水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液を用いて、レジストの剥離を行い、その後、40%塩化鉄水溶液を用いて銅およびニッケルクロム合金からなる金属層(シード層)をエッチングし、回路パターンを形成した。得られた回路パターンは、L/S=15/15μmのパターンであった。各種評価結果を表1に示す。
<実施例2>
多層プリント配線板の作成において、デスミア処理におけるビアホール内への無電解銅めっきの工程を省略した以外は、実施例1と同様に、回路パターンが形成された多層プリント配線板を作製した。半硬化樹脂層の厚み、絶縁層の厚み、および多層プリント配線板の評価結果を表1に示す。
<実施例3>
実施例1のプリント配線板シートの作成において、芳香族ポリアミドフィルムとして厚み4.2μm、幅275mm、長さ200mのPPTAフィルム(帝人アドバンストフィルム製、登録商標:アラミカ)を用いた点、さらに、多層プリント配線板の作成において、デスミア処理におけるビアホール内への無電解銅めっきの工程を省略した以外は、実施例1と同様に、回路パターンが形成された多層プリント配線板を作製した。評価結果を表1に示す。
<比較例1>
比較として、代表的な半導体パッケージ用の絶縁フィルムであるABF−SH45(味の素ファインテクノ製)を用いた以外は、実施例1と同様に、回路パターンが形成された多層プリント配線板を作製した。半硬化樹脂層の厚み、絶縁層の厚み、および多層プリント配線板の評価結果を表1に示す。
Figure 2008279764
本発明のプリント配線板用シート材料によれば、表面平坦性に極めて優れた、極薄の配線層を形成することが可能になる。したがって、配線板、特に多層配線板において、狭ピッチの高精細配線、および極薄の多層配線板を作成することが可能になる。

Claims (8)

  1. 芳香族ポリアミドフィルムの片面に、接着性物質を用いることなく形成された金属層を有し、かつ該金属層と反対側の面に半硬化樹脂層を有してなるプリント配線板用シート材料。
  2. 前記金属層が、金属層(A)および金属層(B)の少なくとも一方を含む積層体であり、
    金属層(A)は、ニッケルまたはニッケルクロム合金からなる層であり、
    金属層(B)は、主として銅からなる層である請求項1記載のプリント配線板用シート材料。
  3. 前記金属層が、前記金属層(A)および前記金属層(B)を含む積層体である請求項1または2記載のプリント配線板用シート材料。
  4. 前記金属層(B)が、金属層(A)を介して前記芳香族ポリアミドフィルムと反対側に積層されてなる請求項3記載のプリント配線板用シート材料。
  5. 前記金属層(A)が、ニッケルクロム合金であり、
    当該ニッケルクロム合金におけるクロムの割合が5〜30質量%である請求項2から4いずれか記載のプリント配線板用シート材料。
  6. 前記金属層(A)が、スパッタリング法、蒸着法、およびイオンプレーティング法からなる群より選ばれる1種以上の方法により形成された請求項2から5いずれか記載のプリント配線板用シート材料。
  7. 前記プリント配線板用シート材料は、セミアディティブ法またはアディティブ法によるパターン形成に用いられる請求項1から6いずれか記載のプリント配線板用シート材料。
  8. 請求項1から7いずれか記載のプリント配線板用シート材料と他の配線板とを積層して積層板を形成し、該積層板のプリント配線板用シート材料の金属層に、回路パターンを形成する多層プリント配線板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015146358A (ja) * 2014-01-31 2015-08-13 住友金属鉱山株式会社 送受電コイル及びその製造方法

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