JP6213033B2 - モータ制御装置 - Google Patents

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本発明は、アシストトルクおよび自動操舵トルクを発生させるモータを制御する技術に関する。
車両の前方を撮像するカメラからの画像情報に基づき、走行中の車線と時車両の位置関係を検出し、レーンに沿って走行を実現するレーンキープ制御と、ドライバによる操舵操作をアシストするためのアシストトルクを発生させるパワーステアリング制御とを、一つのアクチュエータ(モータ)で実現する装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この装置では、基本的には、パワーステアリングとしての必要トルクに、レーンキープ制御としての必要トルクを加算した結果に基づいてモータを駆動する。但し、レーンキープ制御を行っている時には、容易にレーンから逸脱することがないように、パワーステアリングとしての必要トルクに、0より大きく1より小さい係数を乗じることで、パワーステアリング制御の影響を抑制している。
特開平9−221053号公報
ところで、レーンキープ制御中にドライバによる介入動作、いわゆるドライバオーバーライドが行われると、レーンキープ制御において設定される目標位置・角度に対する実位置・実角度の偏差が拡大するため、レーンキープ制御によって、この拡大した偏差を打ち消そうとするトルクが発生する。
また、レーンキープ制御は、路面外乱等に対するロバスト性確保や急操舵に対応するため、アシスト制御と比較して、高い応答性(例えば、アシスト制御が0.1Hzオーダであるのに対してレーンキープ制御では1〜100Hzオーダ)が要求される。
しかし、レーンキープ制御が高応答であると、ドライバオーバーライドによって生じた偏差を打ち消そうとする大きなトルクが瞬時に発生してドライバの操作を阻害するため、ドライバに違和感を与えてしまうという問題があった。
また、ドライバが操舵している時に、システムによる介入(例えば、危険回避のための目標追従制御)が行われた場合にも、目標追従制御が高応答であると、目標追従制御の目標値に向けて急激な自動操舵が実行されるためドライバに違和感を与えてしまうという問題があった。
このような課題を解決するために、アシストトルクおよび自動操舵トルクを発生させるモータの制御において、現行の制御に対してドライバまたはシステムが介入した時にドライバに違和感を与えることなく制御の切り替えを実現することを目的とする。
本発明のモータ制御装置は、アシスト制御手段と、追従制御手段と、モータ駆動手段と、介入検出手段とを備える。アシスト制御手段は、操舵トルクの検出値に応じて操舵負荷を軽減するアシストトルクを発生させるためのアシスト指令を生成する。追従制御手段は、操舵に関わる物理量の目標値を取得し、その目標値に物理量の検出値を追従させる自動操舵トルクを発生させるための追従指令を生成する。モータ駆動手段は、アシストトルクおよび自動操舵トルクを発生させるモータを、アシスト指令および追従指令の加算値に従って駆動する。介入検出手段は、ドライバによる追従制御への介入もしくは目標値の生成に関わるシステムによるアシスト制御への介入を検出する。そして、追従制御手段は、介入検出手段で検出される介入の程度に応じて制御の応答性を変化させる。
通常、追従制御手段による追従制御の実行時に、ドライバによる介入操作(ドライバオーバライド)が検出されると、追従制御手段は、介入操作により生じた自動操舵トルクに反する操舵トルクを打ち消すために、介入操作に抗する大きな追従指令を生成する。このため、目標追従制御が高応答であるほど、介入操作を行うことが困難な状況になる。
これに対して、本発明では、介入検出手段での検出結果に応じて、目標追従制御の応答性を変化させているため、例えば、目標追従制御中(高応答時)にドライバの介入を検出した場合は、目標追従制御の応答性を低下させることによって、介入を容易に実現することができる。逆に、アシスト制御中(低応答時)にシステムの介入を検出した場合は、目標追従制御の応答性を向上させることによって、目標追従制御に必要な応答性を確保することができる。
このように、本発明によれば、ドライバの介入またはシステムの介入によってアシスト制御と目標追従制御とが切り替わる時に、ライバに違和感を与えることなく、シームレスな切り替えを実現することができる。
なお、特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
第1実施形態の電動ステアリングシステムの全体構成図である。 EPS−ECUの概略構成を示すブロック図である。 介入検出部の処理内容を示すフローチャートである。 目標追従制御演算部の構成を示すブロック線図である。 制限演算器の処理内容を示すフローチャートである。 動作例を示す波形図である。 第2実施形態における目標追従制御演算部の構成を示すブロック線図である。 第2実施形態における制限演算器の処理内容を示すフローチャートである。 第3実施形態における介入検出部周辺の構成を示すブロック図である。 第3実施形態における介入検出部の処理内容を示すフローチャートである。 第4実施形態における介入検出部周辺の構成を示すブロック図である。 第4実施形態における介入検出部の処理内容を示すフローチャートである。 第5実施形態における介入検出部の処理内容を示すフローチャートである。 第6実施形態における介入検出部の処理内容を示すフローチャートである。
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
[第1実施形態]
<全体構成>
本実施形態の電動ステアリングシステム1は、図1に示すように、ドライバによるハンドル(操舵部材)2の操作をモータ6によってアシストするアシスト制御、および走行レーンに設定された目標コースに沿った自動操舵をモータ6によって実現する目標追従制御(ここではレーンキープ制御)を実行するものである。
ハンドル2は、ステアリングシャフト3の一端に固定され、ステアリングシャフト3の他端にはトルクセンサ4が接続されており、このトルクセンサ4の他端には、インターミディエイトシャフト5が接続されている。なお、以下の説明では、ステアリングシャフト3からトルクセンサ4を経てインターミディエイトシャフト5に至る軸体全体を、まとめて操舵軸ともいう。
トルクセンサ4は、操舵トルクTsを検出するためのセンサである。具体的には、ステアリングシャフト3とインターミディエイトシャフト5とを連結するトーションバーを有し、このトーションバーのねじれ角に基づいてそのトーションバーに加えられているトルクを検出する。
モータ6は、アシスト制御に基づくアシストトルクや目標追従制御に基づく自動操舵トルクを発生させるためのものであり、減速機構6aを介してその回転がインターミディエイトシャフト5に伝達される。すなわち、減速機構6aは、モータ6の回転軸の先端に設けられたウォームギアと、このウォームギアと噛み合った状態でインターミディエイトシャフト5に同軸状に設けられたウォームホイールとにより構成されており、これにより、モータ6の回転がインターミディエイトシャフト5に伝達される。逆に、ハンドル2の操作や路面からの反力(路面反力)によってインターミディエイトシャフト5が回転すると、その回転が減速機構6aを介してモータ6に伝達され、モータ6も回転することになる。
また、モータ6は、例えばブラシレスモータからなり、内部にレゾルバ等の回転センサを備えている。回転センサは、少なくともモータ回転角θ、モータ回転角速度ωを出力する。但し、モータ回転角θやモータ回転角速度ωの代わりに、これらモータ回転角θやモータ回転角速度ωに減速機構6aのギア比を乗じることで求められる操舵角や操舵角速度を用いてもよい。
インターミディエイトシャフト5における、トルクセンサ4が接続された一端とは反対側の他端は、ステアリングギアボックス7に接続されている。ステアリングギアボックス7は、ラックとピニオンギアからなるギア機構にて構成されており、インターミディエイトシャフト5の他端に設けられたピニオンギアに、ラックの歯が噛み合っている。そのため、ドライバがハンドル2を回すと、インターミディエイトシャフト5が回転(すなわちピニオンギアが回転)し、これによりラックが左右に移動する。ラックの両端にはそれぞれタイロッド8が取り付けられており、ラックとともにタイロッド8が左右の往復運動を行う。これにより、タイロッド8がその先のナックルアーム9を引っ張ったり押したりすることで、操舵輪である各タイヤ10の向きが変わる。
また、車両における所定の部位には、車速Vを検出するための車速センサ11が設けられている。
以下では、ハンドル2から各タイヤ10に至る、ハンドル2の操舵力が伝達される機構全体を総称して、操舵系メカ100ともいう。
このような構成を有する操舵系メカ100では、ドライバの操舵によりハンドル2が回転すると、その回転がステアリングシャフト3、トルクセンサ4、およびインターミディエイトシャフト5を介してステアリングギアボックス7に伝達される。そして、ステアリングギアボックス7内で、インターミディエイトシャフト5の回転がタイロッド8の左右移動に変換され、タイロッド8が動くことによって、左右の両タイヤ10が操舵される。
LKP(レーンキープ)−ECU16は、図示しない車載バッテリからの電力によって動作し、図示しない車載カメラによって撮像された車両前方の画像から、走行レーンや走行レーンにおける自車両の位置を検出し、その検出結果に基づいて目標コースを設定する。更に、車速や舵角の検出値等に基づいて、目標コースに沿って走行するためのモータ回転角(或いは操舵角)の目標値である目標角度θを設定し、この目標角度θをEPS−ECU15に出力する。なお、このような目標角度θを設定する処理は、レーンキープ制御において周知のものであるため、ここでは説明を省略する。
EPS(電動パワーステアリング)−ECU15は、図示しない車載バッテリからの電力によって動作し、LKP−ECU16で求められた目標角度θ、トルクセンサ4にて検出された操舵トルクTs、モータ6からのモータ回転角θ,モータ回転角速度ω、および車速センサ11にて検出された車速Vに基づいて、アシストトルクを発生させるための電流指令値であるアシスト指令ACと自動操舵トルクを発生させるための電流指令値である追従指令TCを足し合わせた最終指令TLを演算する。そして、その最終指令TLに応じた駆動電圧Vdをモータ6へ印加することにより、アシストトルク、および自動操舵トルクを発生させる。
つまり、EPS−ECU15は、駆動電圧Vdによってモータ6を制御することによって操舵特性を制御し、ひいてはモータ6により駆動される操舵系メカ100を制御する。
<EPS−ECU>
EPS−ECU15は、図2に示すように、アシスト指令ACを生成するアシスト制御演算部20と、追従指令TCを生成する目標追従制御演算部30と、ドライバによる目標追従制御への介入操作を検出する介入検出部40と、アシスト指令ACと追従指令TCを加算することによりモータを駆動するための電流指令値となる駆動指令DCを生成する加算器50と、駆動指令DCに基づいてモータ6へ駆動電圧Vd(図示しないが3相モータであれば3相分印加する)を印加することによりモータ6を通電駆動するモータ駆動回路60とを備えている。
なお、アシスト制御演算部20,目標追従制御演算部30,介入検出部40,加算器50は、実際には、EPS−ECU15が備える図示しないCPUが所定の制御プログラムを実行することによって実現される。ここでは目標追従制御(レーンキープ制御)に必要な応答性を確保するために、上記制御プログラムを任意の周期(例えば数百us〜数百msのいずれかで、LKPを実行する上で問題なければ何でもよい)で実行し、この周期で駆動指令DCを更新するように構成されている。但し、これら各部がソフトウェアにて実現されることはあくまでも一例であり、これらの少なくとも一部を、例えばロジック回路等のハードウェアによって実現してもよい。
<<モータ駆動回路>>
モータ駆動回路60は、駆動指令DCに基づき、駆動指令DCに対応したトルク(アシストトルクおよび自動操舵トルク)が操舵軸に付与されるようにモータ6へ駆動電圧Vdを印加する。具体的には、駆動指令DCを目標電流とし、モータ6に流れる通電電流Imが目標電流と一致するように駆動電圧Vdをフィードバック制御することで、操舵軸に対して所望のトルクを発生させる。なお、このようなモータ駆動回路60は公知の技術(例えば、特開2013−52793号公報参照)であるため、その詳細についての説明は省略する。
<<アシスト制御演算部>>
アシスト制御演算部20は、操舵トルクTs、モータ回転角速度ω、車速Vに基づき、路面反力(路面負荷)に応じた伝達感や、操舵状態に応じたフィールが実現されるようにハンドル2の操作をアシストするアシストトルクを発生させるための電流指令値を表すアシスト指令ACを生成する。具体的には、例えば、操舵トルクTsおよび車速Vに基づき路面反力に応じた伝達感を得るための基本アシスト量を演算し、操舵トルクTsおよびモータ回転角速度ωに応じて操舵状態に応じたアシスト補償量を演算し、そのアシスト補償量に、車速Vに応じたゲインを乗じたものを基本アシスト量に加算することでアシスト指令ACを生成する。但し、アシスト指令ACの演算方法は、これに限るものではなく、公知の任意の手法を使用することが可能である。
<<介入検出部>>
介入検出部40は、図3に示すように、まず、操舵トルクTsを読み込む(S110)。この時、操舵トルクTsに対してローパスフィルタ(LPF)を作用させて、操舵トルクTsに重畳された路面外乱等、ドライバによる介入動作以外のノイズを除去するようにしてもよい。
次に、予め用意された変換テーブルに従って、読み込んだ操舵トルクTsの絶対値|Ts|に応じた介入係数αを算出する(S120)。この算出された介入係数αを、介入検出部40は目標追従制御演算部30に供給する。
なお、変換テーブルは、|Ts|≦Aではα=1を出力し、|Ts|≧Bではα=0を出力し、A<|Ts|<Bでは|Ts|の増大に伴い、α=1からα=0の範囲で単調減少する値を出力するように設定されている。つまり、介入検出部40は、操舵トルクの絶対値|Ts|が大きいほど、すなわちドライバの操舵介入度合いが大きいほど、値が小さくなる介入係数αを生成する。|Ts|≦Aの範囲は不感帯であり、意図せずドライバがハンドルに触れてしまう等した場合に、これを介入操作として誤検出することがないようにするためのものである。Bは、例えば、意図的な操作によって発生した操舵トルクであると確実に判断できる大きさに設定する。また、ここで、変換テーブルのパラメータとして操舵トルクの絶対値|Ts|を用いているが、操舵トルクTsそのものを用いてもよい。この場合、変換テーブルは、Ts=0の軸を挟んで左右対称の特性を示すものとなる。また、A<|Ts|<Bでは、αが減少していれば、その減少傾向は直線的なものに限るものではなく、例えば2次関数のような形を用いたり、公知の任意の方法を用いたりしてもよい。
<<目標追従制御演算部>>
目標追従制御演算部30は、図4に示すように、目標角度θ、モータ回転角(以下「実角度」ともいう)θに基づき、実角度θを目標角度θに追従させるのに必要な自動操舵トルクを発生させるための電流指令値を表す追従指令TCを生成する。具体的には、目標追従制御演算部30は、目標角度θに対する実角度θの偏差Δθ(=θ−θ)を求める減算器31と、減算器31で求めた偏差ΔθにPIDゲインを付与することで制御特性を決定づける特性決定器32と、特性決定器32の出力である積分対象値TMを積分する積分器33と、介入係数αに従って、目標追従制御演算部30での演算に使用される内部値を制限することによって、追従指令TCを制限する制限演算器34とを備えている。なお、特性決定器32と積分器33は、一般的なPID制御を表す数式を、離散化のために双一次変換し、その変換により得られた数式に基づく制御構造を実現する周知のものである。また、特性決定器32は、偏差Δθに比例した比例値成分にゲインKpを与える比例ゲイン付与器321、偏差Δθの積分に用いる積分値成分にゲインKiを与える積分ゲイン付与器322、偏差Δθを微分した微分値成分にゲインKdを与える微分ゲイン付与器323を備えており、これらゲイン付与器321〜323のゲインは、介入係数αに従って制限され、具体的には、α×Kp,α×Ki,α×Kdとなるように構成されている。なお、目標追従制御の応答性は、ゲイン付与器321〜323によって付与されるゲインが大きいほど向上し、ゲインが小さいほど低下する。
制限演算器34は、積分器33において積分対象値TMと追従指令の前回値TC[n−1]とを加算する加算器の出力を制限対象値uとし、制限後の出力yが追従指令TC[n]となるように接続されている。
そして、制限演算器34では、図5に示すように、まず、制限対象値u(積分器33を構成する加算器の出力)、介入係数αを読み込み(S210)、予め設定された追従指令の上限値CLに介入係数αを乗じることでガード値LMを算出する(S220)。上限値CLは、例えば、モータ6の定格電流に設定する。
次に、制限対象値の絶対値|u|がガード値LM以上であるか否かを判断する(S230)。つまり、−LM〜LMの範囲を、追従指令TCの許容範囲(ガード値±LMが許容範囲の境界値)として、制限対象値uが許容範囲を超えているか否かを判断する。
制限対象値uが許容範囲内(|u|<LM)である場合(S230−NO)、制限対象値uを制限することなくそのまま出力yとして設定する(S240)。
制限対象値uが許容範囲外(|u|≧LM)である場合(S230−YES)、制限対象値uが非負の値であるか否かを判断する(S250)。
制限対象値uが非負の値である場合(S250−YES)、ガード値(許容範囲の上限値)LMを出力yとして設定する(S260)。
制限対象値uが負の値である場合(S250−NO)、負のガード値(許容範囲の下限値)−LMを出力yとして設定する(S270)。
<動作>
このように構成された電動ステアリングシステム1では、図6に示すように、目標追従制御(レーンキープ制御)が行われている時には、追従指令TCは非零の値(通常、|TC|<LM)となり、一方、操舵トルクTsおよびアシスト指令ACはドライバが介入しない限りTs=0,AC=0が保持される。この間、|Ts|<Aであるため、介入係数αは1(追従指令TCの許容範囲が最大)となる。
ドライバがハンドル2を操作することによって目標追従制御に介入すると、その介入操作の大きさに応じた操舵トルクTsが発生し、その発生した操舵トルクTsに応じたアシスト指令ACが生成されると共に、操舵トルクTsに応じて介入係数αの値も変化する。この介入係数αによって、追従指令TCの許容範囲および特性決定器32で付与されるPIDゲイン(ひいては積分対象値TMの大きさ)が制限される。
このとき、追従指令TCやPIDゲインの制限が行われないとすると、図中点線で示すように、目標追従制御は、偏差Δθを大きくする方向に作用する介入操作に抗して、大きな追従指令TC(ひいては自動操縦トルク)を発生させるため、ドライバはオーバーライドのために非常に大きな力で、ハンドルを操作する必要が生じる。
これに対して、本実施形態では、操舵トルクTsが大きいほど(すなわち、ドライバによる介入の度合いが大きいほど)、介入係数αがゼロに近づき、PIDゲインが小さくなると共に、追従指令TCの許容範囲が狭くなる。PIDゲインが小さくなると、目標追従制御の応答性が低下し、制限対象値uの変化が抑制されるため、オーバーライドを打ち消す方向に作用をする追従指令TCの発生が抑制される。しかも、その抑制は、ドライバによる介入が検出された直後から開始される。また、制限対象値の絶対値|u|が許容範囲を超えて大きくなると、追従指令TCは、許容範囲のガード値±LMに制限され、しかも、ドライバによる介入の度合いが大きい(すなわち、介入係数αが小さい)ほど、ガード値LMはゼロに近づき、大きな力でハンドルを操作しなくても、目標追従制御からアシスト制御に切り替わる。
<効果>
以上説明したように、電動ステアリングシステム1では、ドライバによる介入操作を検出すると、目標追従制御の応答性を低下させて、介入操作を打ち消そうとする追従指令TCの発生を抑制すると共に、介入操作が大きいほど追従指令TCの許容範囲を制限し、小さな操作力にて目標追従制御からアシスト制御への切り替わりが速やかに行われるようにしている。このため、ドライバが介入操作を行った時に、ドライバに違和感を与えることなく、目標追従制御からアシスト制御へ移行することができる。
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。
本実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、共通する構成については説明を省略し、相違点を中心に説明する。
第1実施形態では目標追従制御演算部30として、特性決定器32で目標角度θと実角度θの偏差ΔθにPIDゲインを付与した後、積分器33にて積分を行う制御構造のものを使用している。
これに対して本実施形態の目標追従制御演算部30は、図7に示すように、目標角度θに対する実角度θの偏差Δθ(=θ−θ)を求める減算器31と、偏差Δθから追従指令TCの比例値成分を演算する比例成分演算器35と、偏差Δθから追従指令TCの積分値成分を演算する積分成分演算器36と、偏差Δθから追従指令TCの微分値成分を演算する微分成分演算器37と、各演算器35〜37での演算結果を加算して追従指令TCを求める加算器38と、介入係数αに従って、目標追従制御演算部30での演算に使用される内部値を制限することによって、追従指令TCを制限する制限演算器39とを備えている。なお、各演算器35〜37はいずれも周知のものであるが、特に積分成分演算器36については、一般的な積分制御を表す数式を、離散化のために双一次変換し、その変換により得られた数式に基づく制御構造を実現するものを用いている。
また、比例成分演算器35は、比例値成分にゲインKpを与える比例ゲイン付与器351を備え、積分成分演算器36は、積分値成分にゲインKiを与える積分ゲイン付与器361を備え、微分成分演算器37は、微分値成分にゲインKdを与える微分ゲイン付与器371を備えている。これらゲイン付与器351,361,371のゲインは、介入係数αに従って制限され、具体的には、α×Kp,α×Ki,α×Kdとなるように構成されている。なお、目標追従制御の応答性は、ゲイン付与器351,361,371によって付与されるゲインが大きいほど向上し、ゲインが小さいほど低下する。
制限演算器39は、比例成分演算器35の出力を制限対象値u1、微分成分演算器37の出力を制限対象値u3、積分成分演算器36において、積分演算を実行する加算器の出力を制限対象値u2とし、これらの出力y1,y2,y3が加算器38の入力となるように接続されている。
そして、制限演算器39では、図8に示すように、まず、制限対象値u1〜u3、介入係数αを読み込み(S310)、上限値CLに介入係数αを乗じることでガード値LMを算出する(S320)。
次に、制限対象値u2(積分演算の内部値)の絶対値|u2|がガード値LM以上であるか否かを判断する(S330)。
|u|<LMである場合(S330−NO)、制限対象値u1〜u3を制限することなくそのまま出力y1〜y3として設定する(S340)。
|u|≧LMである場合(S330−YES)、制限対象値u2が非負の値であるか否かを判断する(S350)。
制限対象値u2が非負の値である場合(S350−YES)、制限対象値u1,u3に介入係数αを乗じた値を出力y1,y3とし、ガード値(許容範囲の上限値)LMを出力y3として設定する(S360)。
制限対象値u2が負の値である場合(S350−NO)、制限対象値u1,u3に介入係数αを乗じた値を出力y1,y3とし、負のガード値(許容範囲の下限値)−LMを出力y3として設定する(S370)。
<効果>
本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、ドライバによる介入操作を検出すると、目標追従制御の応答性を低下させて、介入操作を打ち消そうとする追従指令TCの発生を抑制すると共に、介入操作が大きいほど追従指令TCの許容範囲を制限し、目標追従制御からアシスト制御への切り替わりが速やかに行われるようにしているため、第1実施形態の場合と同様の作用効果を得ることができる。
[第3実施形態]
第3実施形態について説明する。
本実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、共通する構成については説明を省略し、相違点を中心に説明する。
第1実施形態では、介入検出部40は、操舵トルクTsに従って介入係数αを算出している。これに対して、本実施形態では、図9に示すように、介入検出部40aは、危険度判定部17での判定結果を表す危険度D(但し、Dは正の値をとる)に従って介入係数αを生成する。
<危険度判定部>
危険度判定部17は、例えば、PCS(プリクラッシュシステム)による停止制御実行要求フラグ、レインセンサによる降雨判定、照度センサによる明るさ判定等、公知の車載制御システムや車載センサから取得される走行の安全性に関わる情報に基づいて、危険度Dを算出する。この危険度Dの算出には様々な手法があり、ここでは、その算出方法は問わないため、具体的な算出方法についての説明は省略する。但し、ここでは、安全性が低いほど、危険度Dは大きな値となるものとする。
<介入検出部>
介入検出部40aは、図10に示すように、まず、危険度Dを読み込み(S112)、予め用意された変換テーブルに従って、読み込んだ危険度Dに応じた介入係数αを算出する(S122)。
そして、介入検出部40aは、介入係数αを目標追従制御演算部30に供給する。
ここで、介入係数αの算出に使用する変換テーブルは、D≦Aではα=0を出力し、D≧Bではα=1を出力し、A<D<BではDの増大に伴い、α=0からα=1の範囲で単調増加する値を出力するように設定されている。つまり、介入検出部40aは、危険度Dが大きいほど、すなわち、システムによる介入の度合いが大きいほど、大きな値となる介入係数αを生成する。値A,Bの意味は、第1実施形態にて説明したものと同様である。
<目標追従制御演算部>
目標追従制御演算部30は、制限演算器34がαの代わりに(1−α)を用いて演算を実行する以外は、第1実施形態のものと同様に動作する。
<動作>
このような介入検出部40を備えた本実施形態では、ドライバによる操舵が行われている時に、危険度DがD≦Aであれば、介入係数はα=0となり、追従指令もTC=0となるため、アシスト制御のみが実行される。
危険度DがA<D<Bであれば、介入係数αは、危険度Dに応じた0〜1の間の値に設定される。つまり、危険度Dが増大するに従い、アシスト制御によって発生するアシストトルクより、目標追従制御によって発生する自動操舵トルクの比率が増大することによって、ドライバの操舵にシステムが介入する割合が増大する。
危険度DがD≧Bであれば、介入係数はα=1となり、ドライバの介入を排除して、目標追従制御のみが実行される。
<効果>
本実施形態によれば、ドライバによる操舵が行われている時、すなわちアシスト制御が実行されている時に、検出される危険度Dが上昇すると、目標追従制御(衝突回避等)が優先的に実行されるように目標追従制御の応答性を向上させているため、ドライバによって危険な操舵が行われていまうことを抑制することができる。
しかも、危険度Dに応じて追従指令TCの許容範囲を制限し、危険度Dが大きいほど追従指令TCの割合が大きくなるようにしているため、制御の切り替えを、ドライバに違和感を与えることなく実現することができる。
[第4実施形態]
本実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、共通する構成については説明を省略し、相違点を中心に説明する。
第1実施形態では、介入検出部40が操舵トルクTsに従って、介入係数αを算出している。
これに対して、本実施形態では、図11に示すように、操舵トルクTs、危険度判定部17での判定結果を表す危険度D、優先度設定部18での設定内容を表す優先度Pに従って、介入検出部40bが介入係数αを生成する。
なお、危険度判定部17については、第3実施形態で説明したものと同様であるため説明を省略する。
<優先度設定部>
優先度設定部18は、ドライバによる手動操舵(アシスト制御)と、システムによる自動操舵(目標追従制御)とのうち、どちらをどの程度優先するかを表す優先度Pを設定する。優先度Pは、固定値でもよいが、危険度Dの変化速度や、モータ速度ωによって変化させてもよい。但し、優先度Pは、0≦P≦1の値をとり、Pが大きいほど、ドライバを優先させる度合いが大きくなる。
<介入検出部>
介入検出部40bは、図12に示すように、まず、操舵トルクTs,危険度D,優先度Pを読み込む(S114)。
次に、予め用意された変換テーブルに従って、操舵トルクTsに応じたドライバ側介入係数αD、および危険度Dに応じたシステム側介入係数αSを算出する(S124)。
なお、ドライバ側介入係数αDの算出に用いる変換テーブルは、第1実施形態において介入係数αの算出に使用するもの(図3参照)と同様であり、システム側介入係数αSの算出に用いる変換テーブルは、第3実施形態において介入係数αの算出に使用するもの(図10参照)と同様である。つまり、操舵トルクの絶対値|Ts|が大きいほど、ドライバ側介入係数αDは小さな値となり、危険度Dが大きいほど、システム側介入係数αSは大きな値は大きな値となる。
次に、算出されたドライバ側介入係数αD、システム側介入係数αS、および優先度Pに用い、(1)式に従って介入係数αを算出する(S130)。
α=PαD+(1−P)αS (1)
そして、介入検出部40は、介入係数αを目標追従制御演算部30に供給する。
<効果>
本実施形態によれば、ドライバによる介入とシステムによる介入を、優先度Pを用いて調停するため、アシスト制御と目標追従制御の切り替えをドライバに違和感を与えることなくシームレスに実現することができる。
[第5実施形態]
本実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、共通する構成については説明を省略し、相違点を中心に説明する。
第1実施形態では、介入検出部40は、単一の変換マップを用いて、操舵トルクTsから介入係数αを算出している。
これに対して、本実施形態では、ドライバ介入時(目標追従制御→アシスト制御)と、目標追従制御への復帰時(アシスト制御→目標追従制御)とで、使用する変換マップを切り替えている。
<介入検出部>
介入検出部40は、図13に示すように、まず、操舵トルクTsを読み込み(S110)、アシスト制御と目標追従制御の制御状態が、目標追従制御への復帰中であるか否かを判断する(S116)。
目標追従制御への復帰中であるか否かの判断は、例えば、トルクセンサ4にて検出される操舵トルクTsの変化速度(微分値)の符号が反転したタイミング、または、制限演算器34による制限が行われている状態から制限が行われていない状態に変化したタイミング(図5ではS230での判定がYESからNOに変化したタイミング)を起点として、一定時間(例えば、数秒〜十数秒程度)が経過するまでの間を、復帰中と判断する。
目標追従制御への復帰中でなければ(S116−NO)、予め用意された通常用の変換テーブルに従って、読み込んだ操舵トルクTsに応じた介入係数αを算出する(S120)。なお、通常用の変換テーブルは、第1実施形態で用いるもの(図3参照)と同様である。
一方、目標追従制御への復帰中であれば(S116−YES)、予め用意された復帰用の変換テーブルに従って、読み込んだ操舵トルクTsに応じた介入係数αを算出する(S126)。
そして、介入検出部40は、S120またはS126にて算出された介入係数αを目標追従制御演算部30に供給する。
ここで、復帰用の変換テーブルは、|Ts|=0ではα=1、|Ts|≧Bではα=0となり、0<|Ts|<Bでは、|Ts|が減少するほど、指数関数的に(あるいは反比例して)αが増大するように設定されている。
つまり、ドライバ介入によりアシスト制御が優位になった状態から、ドライバ介入から開放されて目標追従制御に復帰する時に、操舵トルクの絶対値|Ts|は、減少する方向に変化する。この時に、復帰用の変換テーブルを用いることにより、通常用の変換テーブルを用いる場合より、介入係数αの増加が緩やかになる。
<効果>
本実施形態によれば、応答性の高い目標追従制御への復帰が緩やかに行われ、目標追従制御の目標値に向けて急激に自動操舵されることが抑制されるため、ドライバに違和感を与えることなくアシスト制御から目標追従制御への切り替えを実現することができる。
[第6実施形態]
本実施形態は、基本的な構成は第5実施形態と同様であるため、共通する構成については説明を省略し、相違点を中心に説明する。
第5実施形態では、介入検出部40は、目標追従制御への復帰時に、通常用の変換マップとは異なる復帰用の変換マップを用いて、操舵トルクTsから介入係数αを算出している。
これに対して、本実施形態では、変換マップを切り替えるのではなく、変換マップを用いて算出して介入係数αにローパスフィルタを作用させることで、復帰用の変換マップと同様の作用効果を実現している。
<介入検出部>
介入検出部40は、図14に示すように、まず、操舵トルクTsを読み込み(S110)、予め用意された変換テーブルに従って、読み込んだ操舵トルクTsに応じた介入係数αを算出する(S120)。
アシスト制御と目標追従制御の制御状態が、目標追従制御への復帰中であるか否かを判断する(S140)。この判断は、第5実施形態で説明したS116での処理と同様である。
目標追従制御への復帰中でなければ(S140−NO)、S120での算出結果を、そのまま介入係数αとして出力する。
目標追従制御への復帰中であれば(S140−YES)、S120での算出結果にローパスフィルタを作用させたものを介入係数αとして出力する(S150)。
なお、ローパスフィルタは、カットオフ周波数を、平均的なドライバの操舵速度(例えば、0.1Hz程度)に設定する。
<効果>
本実施形態によれば、第5実施形態と比較して、使用する変換マップの数を減らすことができるため、簡易な構成かつ少ない演算負荷で、同様の効果を得ることができる。
なお、ローパスフィルタのカットオフ周波数は、例えば、第3実施形態等で説明した危険度Dに応じて変化させてもよい。具体的には、危険度Dが高いほど、カットオフ周波数も高くする。更に、危険度Dが最大の時には、ローパスフィルタ演算を実行しないように構成してもよい。この場合、ドライバの操舵では危険を回避することが困難な状況の時に、速やかに、目標操舵制御へ復帰させることができる。
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
(1)上記実施形態では、目標追従制御として、レーンキープ制御を行う場合を例示したが、これに限るものではなく、例えば、モータ回転角度、ステアリング回転角度、ヨーレートセンサ、タイヤ転舵角と目標値との偏差、カメラ,レーザレーダ,ミリ波レーダ等によって得られる目標位置との横変位、GPS等によって得られる目標軌跡との偏差、道路形状によって得られる曲率との偏差に基づいて自動操舵トルクを発生させる制御であればよい。
(2)上記実施形態では、操舵トルク(トルクセンサの出力)に基づいてドライバによる介入を検出しているがこれに限るものではなく、周知の操舵介入検出(判定)方法を用いることができる。例えば、目標追従制御における目標値と検出値との偏差や、その偏差とモータ回転角速度やトルクセンサの出力との組合せ等から検出,判定するようにしてもよい。
(3)上記実施形態では、目標追従制御演算部30が特性決定器32と積分器33とを備え、特性決定器32は、PID制御の制御特性を決定するゲインを付与するように構成されているが、これに限るものではない。例えば、特性決定器32として、位相進み遅れ補償器を用いたり、H∞制御で設計した制御器を用いたりする等してもよい。いずれにしろ、特性決定器32のゲインを、介入係数αによって制限するように構成すればよい。
(4)上記実施形態では、介入係数αに従って目標追従制御の応答性を変化させるだけでなく、制限演算器34を用いて追従指令TCを制限しているが、制限演算器34を省略し、目標追従制御の応答性の制御だけを行うように構成してもよい。
(5)上記実施形態では、制限演算器34は、介入係数αからガード値LMを求め、制限対象値uが許容範囲−LM〜LM内であれば、制限対象値uをそのまま、許容範囲−LM〜LM外であれば、制限対象値uをガード値±LMに制限したものを出力yとしている。制限演算器34での演算は、これに限るものではなく、例えば、単純に、制限対象値uに介入係数αを乗じたものを出力yとしてもよい。
(6)上記実施形態では、制限演算器34を、積分器33を構成する加算器の出力が制限対象値uとなり、出力yが追従指令TCとなるように配置しているが、以下の(a)〜(c)ように配置してもよい。いずれの場合も、積分器33を構成する加算器での加算結果が追従指令TCの許容範囲−LM〜LMを超えてしまうことがないように、制限対象値uを制限すればよい。(a)特性決定器32の出力が制限対象値uとなり、出力yが積分器33を構成する加算器に供給される積分対象値TMとなるように配置する。(b)減算器31の出力が制限対象値uとなり、出力yが特性決定器32の入力となるように配置する。(c)目標角度θおよび実角度θが制限対象値u1,u2となり、出力y1,y2が減算器31の入力となるように配置する。
(7)上記実施形態では、制限演算器34を、目標追従制御演算部30に設けているが、アシスト制御演算部20に設けたり、アシスト制御演算部20および目標追従制御演算部30の両方に設けたりしてもよい。いずれにしろ、制限演算器は、自動操舵トルクに対するアシストトルクの比が、操舵トルクTs(ドライバによる介入)が大きいほど大きな値をとり、危険度D(システムによる介入)が大きいほど小さな値をとるように、追従指令TCやアシスト指令ACを制限するように構成すればよい。
(8)上記実施形態では、追従指令TCの制限を、応答性の制御に使用する介入係数αを用いて行っているが、介入係数αとは別に設定された係数を用いるように構成してもよい。
(9)上記実施形態では、操舵トルクTsや危険度Dに応じて介入係数αを算出しているが、システムの異常を検出する異常検出手段を備え、その異常がの程度が大きいほど、値が小さくなる介入係数α(第1実施形態のものと同様の特性形状)を用いて、目標追従制御の応答性を制御するように構成してもよい。この場合、異常検出手段は、例えば、目標角速度指令値θに異常(閾値を超える大きな値)がある場合、その超えている時間が長いほど、異常度を高くすることが考えられる。
(10)上記実施形態において、一つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分散させたり、複数の構成要素が有する機能を一つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、同様の機能を有する公知の構成に置き換えてもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。
(11)本発明は、上述したモータ制御装置の他、モータ制御装置を構成要素とするシステム、モータ制御装置を構成する各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム、モータ制御方法など、種々の形態で実現することができる。
1…電動ステアリングシステム 2…ハンドル 3…ステアリングシャフト 4…トルクセンサ 5…インターミディエイトシャフト 6…モータ 10…タイヤ 11…車速センサ 17…危険度判定部 18…優先度設定部 20…アシスト制御演算部 30…目標追従制御演算部 31…減算器 32…特性決定器 33…積分器 34,39…制限演算器 35…比例成分演算器 36…積分成分演算器 37…微分成分演算器 38,50…加算器 40,40a,40b…介入検出部 60…モータ駆動回路 100…操舵系メカ 321,351…比例ゲイン付与器 322,361…積分ゲイン付与器 323,371…微分ゲイン付与器

Claims (5)

  1. 操舵トルクの検出値に応じて操舵負荷を軽減するアシストトルクを発生させるためのアシスト指令を生成するアシスト制御手段(20)と、
    操舵に関わる物理量の目標値を取得し、該目標値に前記物理量の検出値を追従させる自動操舵トルクを発生させるための追従指令を生成する追従制御手段(30)と、
    前記アシストトルクおよび前記自動操舵トルクを発生させるモータ(6)を、前記アシスト指令および前記追従指令の加算値に従って駆動するモータ駆動手段(60)と、
    ドライバによる追従制御への介入もしくは前記目標値の生成に関わるシステムによるアシスト制御への介入を検出する介入検出手段(40,40a,40b)と、
    を備え、
    前記追従制御手段は、
    前記物理量の目標値と該物理量の検出値との偏差を演算する偏差演算手段(31)と、
    前記偏差演算手段で求めた偏差に比例した比例値成分、前記偏差を積分した積分値成分、前記偏差を微分した微分値成分のそれぞれにゲインを付与して合成する特性決定器と(32)、
    前記特性決定器の出力である積分対象値を積分する積分器(33)と、
    前記積分器による前記積分対象値と前記追従指令の前回値との加算結果を、許容範囲内の値に制限し、制限後の値を前記追従指令として出力する制限演算器(34)と、
    を備え、
    前記特性決定器が前記比例値成分、積分値成分、微分値成分に付与するゲイン、および前記制限演算器が用いる前記許容範囲を、前記介入検出手段で検出される介入の程度に応じて増減することで、制御の応答性を変化させることを特徴とするモータ制御装置。
  2. 前記介入検出手段(40,40b)は、ドライバによる追従制御への介入を検出し、
    前記追従制御手段は、前記介入検出手段で検出される介入の程度が大きいほど制御の応答性を低下させることを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記介入検出手段(40a,40b)は、前記システムによるアシスト制御への介入を検出し、
    前記追従制御手段は、前記介入検出手段で検出される介入の程度が大きいほど制御の応答性を向上させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のモータ制御装置。
  4. 前記目標値の異常または前記システムの異常を検出する異常検出手段を備え、
    前記追従制御手段は、前記異常検出手段で検出される異常の程度に応じて、制御の応答性を変化させることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のモータ制御装置。
  5. 前記アシスト制御手段および前記追従制御手段のうち少なくとも一方を対象手段として、該対象手段に、前記介入検出手段で検出される介入の程度に応じて、前記自動操舵トルクに対する前記アシストトルクの比率が変化するように、前記対象手段で使用される内部値を制限する制限手段(34,39)を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のモータ制御装置。
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