JP7133393B2 - 操舵制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、操舵制御装置に関する。
従来、車両用操舵装置として、ステアリングホイールの舵角である操舵角と転舵輪の舵角である転舵角との間の伝達比(ギヤ比)を車速に応じて可変としたものがある。例えば特許文献1には、ステアリング操作に基づく第1の舵角にモータ駆動に基づく第2の舵角を上乗せする伝達比可変装置をステアリングシャフトの途中に設けることにより伝達比を可変とした操舵装置が開示されている。また、例えば特許文献2には、操舵部と、転舵輪を転舵させる転舵部との間の動力伝達が分離されたステアバイワイヤ式の操舵装置において、操舵角の目標値である目標操舵角に対する転舵対応角(転舵角に換算可能な回転角)の目標値である目標転舵対応角の大きさを変更することで伝達比を可変としたものが開示されている。
こうした操舵装置では、車速に応じて伝達比を変更することにより、例えば低車速時にはステアリング操作に対する転舵角の変化量を大、すなわち操舵角あたりのヨーレートの大きさである(定常)ヨーレートゲインを大として所謂クイックなギヤ比を実現し、運転者の負担を軽減している。また、例えば高車速時には同変化量を小、すなわちヨーレートゲインを小として所謂スローなギヤ比を実現し、操舵装置の操作性を向上させている。
特開2006-56448号公報 特開2018-111425号公報
ところで、上記のように車速に基づいて伝達比を可変とした構成では、伝達比(ヨーレートゲイン)の変更に伴うヨーレートの変化であるヨーレート変化(ヨーレートの勾配)により、操舵装置の操作性に影響が及ぶことになる。すなわち、例えば車速の変化量に対する伝達比(ヨーレートゲイン)の変更量を大きく設定した場合において、車両を急激に加速又は減速させながら操舵すると、ヨーレート変化が大きくなるため、例えば運転者が狙った軌道に対して過剰に切り込んでしまい、切り戻し操舵等の修正舵が必要になりやすい。一方、車速の変化量に対する伝達比(ヨーレートゲイン)の変更量を小さく設定した場合において、車両を緩やかに加速又は減速させながら操舵すると、ヨーレート変化が小さくなるため、例えば運転者が狙った軌道に対して切り込みが不足し、更なる切り込み操舵等の修正舵が必要になりやすい。
しかし、上記各特許文献には、こうしたヨーレート変化による操作性の影響については言及されておらず、近年要求されるより高い水準での優れた操作性を実現できているとは言えないのが実情である。
本発明の目的は、操舵装置の操作性を向上させることのできる操舵制御装置を提供することにある。
上記課題を解決する操舵制御装置は、操舵機構に連結されるステアリングホイールの操舵角と、前記操舵機構の転舵軸に連結される転舵輪の転舵角との間の伝達比を、駆動源となるモータの作動により車速に基づいて可変とした操舵装置を制御対象とし、車速に応じた前記伝達比に基づいて、前記操舵角を示す値としての、操舵トルクに基づく目標操舵角、または前記操舵角そのものに対する大きさを変更した前記転舵角に換算可能な回転軸の回転角である転舵対応角の目標値であって、前記転舵対応角の最終的な目標値である最終目標転舵対応角の演算基礎となる伝達比補正目標転舵対応角を演算する可変ギヤ比処理部を備え、実際の前記転舵対応角が前記伝達比補正目標転舵対応角に基づく前記最終目標転舵対応角となるように前記モータの作動を制御するものであって、前記可変ギヤ比処理部は、車両の加減速を示す値に基づいて前記伝達比を調整して前記伝達比補正目標転舵対応角を演算する。
上記構成によれば、車両の加減速を示す値に基づいて伝達比を調整するため、車両を加速又は減速させながら操舵を行った際において、伝達比(ヨーレートゲイン)の変更に伴うヨーレート変化を調整できる。例えば、車速の変化量に対する伝達比の変化量を大きく設定した場合において、車両を急激に加速又は減速した際にヨーレート変化が大きくなり過ぎないように調整したりできる。これにより、加減速時の操舵によるヨーレート変化を最適化でき、操舵装置の操作性を向上させることができる。
上記操舵制御装置において、前記操舵角を示す値に対して位相補償を行った位相補償成分を演算する位相補償成分演算部を備え、前記最終目標転舵対応角は、前記伝達比補正目標転舵対応角及び前記位相補償成分に基づいて演算されるものであって、前記位相補償成分演算部は、前記車両の加減速を示す値に基づいて位相補償量を調整して前記位相補償成分を演算することが好ましい。
上記構成によれば、ヨーレートゲインと操舵に対するヨーイングの応答性(ヨーレート応答)とのバランスを最適化できる。
上記操舵において、前記車両の加減速を示す値は、車両の前後加速度、車速変化、及び前記転舵輪に作用する車両前後方向の前後荷重のいずれか1つであることが好ましい。
上記構成によれば、車両の前後加速度、車速変化及び前後荷重のいずれかに基づいて伝達比を調整するため、車両の加減速に応じて適切に伝達比を調整できる。
本発明によれば、操舵装置の操作性を向上させることができる。
第1実施形態のステアバイワイヤ式の操舵装置の概略構成図。 第1実施形態の操舵制御装置のブロック図。 第1実施形態の最終目標転舵対応角演算部のブロック図。 第1実施形態の可変ギヤ比処理部のブロック図。 (a)は伝達比が小さい場合における時間と車速との関係の一例を示すグラフ、(b)は同じく時間とヨーレートとの関係を示すグラフ。 (a)は伝達比が大きい場合における時間と車速との関係の一例を示すグラフ、(b)は同じく時間とヨーレートとの関係を示すグラフ。 第2実施形態の転舵側制御部のブロック図。 第3実施形態の転舵側制御部のブロック図。 変形例のステアバイワイヤ式の操舵装置の概略構成図。
(第1実施形態)
以下、操舵制御装置の第1実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、操舵制御装置1の制御対象となるステアバイワイヤ式の操舵装置2は、運転者により操舵される操舵部3と、運転者による操舵部3の操舵に応じて転舵輪4を転舵させる転舵部5とを備えている。つまり、本実施形態では、操舵部3と転舵部5とによって操舵機構Sが構成されている。
操舵部3は、ステアリングホイール11が固定されるステアリングシャフト12と、ステアリングシャフト12に操舵反力を付与可能な操舵側アクチュエータ13とを備えている。操舵側アクチュエータ13は、駆動源となる操舵側モータ14と、操舵側モータ14の回転を減速してステアリングシャフト12に伝達する操舵側減速機15とを備えている。なお、本実施形態のステアリングホイール11には、例えばH字状や∞字状の非円形の形状のものが採用されており、最大回転数(ロックトゥロックの操舵角範囲)が、例えば1回転未満に設定されている。
転舵部5は、転舵輪4の転舵角θiに換算可能な回転軸としての第1ピニオン軸21と、第1ピニオン軸21に連結されたラック軸22と、ラック軸22を往復動可能に収容するラックハウジング23とを備えている。第1ピニオン軸21とラック軸22とは、所定の交差角をもって配置されており、第1ピニオン軸21に形成された第1ピニオン歯21aとラック軸22に形成された第1ラック歯22aとを噛合することによって第1ラックアンドピニオン機構24が構成されている。なお、ラック軸22は、第1ラックアンドピニオン機構24によりその軸方向一端側が往復動可能に支持されている。ラック軸22の両端には、ボールジョイントからなるラックエンド25を介してタイロッド26が連結されており、タイロッド26の先端は、転舵輪4が組み付けられた図示しないナックルに連結されている。
また、転舵部5には、ラック軸22に転舵輪4を転舵させる転舵力を付与する転舵側アクチュエータ31が第2ピニオン軸32を介して設けられている。転舵側アクチュエータ31は、駆動源となるモータとしての転舵側モータ33と、転舵側モータ33の回転を減速して第2ピニオン軸32に伝達する転舵側減速機34とを備えている。第2ピニオン軸32とラック軸22とは、所定の交差角をもって配置されており、第2ピニオン軸32に形成された第2ピニオン歯32aとラック軸22に形成された第2ラック歯22bとを噛合することによって第2ラックアンドピニオン機構35が構成されている。なお、ラック軸22は、第2ラックアンドピニオン機構35によりその軸方向他端側が往復動可能に支持されている。
このように構成された操舵装置2では、運転者によるステアリング操作に応じて転舵側アクチュエータ31により第2ピニオン軸32が回転駆動され、この回転が第2ラックアンドピニオン機構35によりラック軸22の軸方向移動に変換されることで、転舵輪4の転舵角θiが変更される。このとき、操舵側アクチュエータ13からは、運転者の操舵に抗する操舵反力がステアリングホイール11に付与される。
次に、本実施形態の電気的構成について説明する。
操舵制御装置1は、操舵側アクチュエータ13(操舵側モータ14)及び転舵側アクチュエータ31(転舵側モータ33)に接続されており、これらの作動を制御する。なお、操舵制御装置1は、図示しない中央処理装置(CPU)やメモリを備えており、所定の演算周期ごとにメモリに記憶されたプログラムをCPUが実行することによって、各種制御が実行される。
操舵制御装置1には、ステアリングシャフト12に付与された操舵トルクThを検出するトルクセンサ41が接続されている。なお、トルクセンサ41は、ステアリングシャフト12における操舵側アクチュエータ13(操舵側減速機15)との連結部分よりもステアリングホイール11側に設けられている。また、操舵制御装置1には、転舵輪4をドライブシャフト(図示略)とともに回転可能に支持するハブユニット42に設けられた左前輪センサ42l及び右前輪センサ42rが接続されている。左前輪センサ42l及び右前輪センサ42rは、転舵輪4の車輪速Vl,Vrを検出する。なお、本実施形態の操舵制御装置1は、車輪速Vl,Vrの平均値を車速Vとして検出する。また、操舵制御装置1には、操舵部3の操舵量を示す検出値として操舵側モータ14の回転角θsを360°の範囲内の相対角で検出する操舵側回転センサ43、及び転舵部5の転舵量を示す検出値として転舵側モータ33の回転角θtを相対角で検出する転舵側回転センサ44が接続されている。また、操舵制御装置1には、車両の加減速を示す値としての前後加速度αを検出する前後加速度センサ45が接続されている。なお、操舵トルクTh及び回転角θs,θtは、一方向(本実施形態では、右)に操舵した場合に正の値、他方向(本実施形態では、左)に操舵した場合に負の値として検出する。そして、操舵制御装置1は、これらの各種状態量に基づいて操舵側モータ14及び転舵側モータ33の作動を制御する。
以下、操舵制御装置1の構成について詳細に説明する。
図2に示すように、操舵制御装置1は、操舵側モータ制御信号Msを出力する操舵側制御部51と、操舵側モータ制御信号Msに基づいて操舵側モータ14に駆動電力を供給する操舵側駆動回路52とを備えている。操舵側制御部51には、操舵側駆動回路52と操舵側モータ14の各相のモータコイルとの間の接続線53を流れる操舵側モータ14の各相電流値Ius,Ivs,Iwsを検出する電流センサ54が接続されている。なお、図2では、説明の便宜上、各相の接続線53及び各相の電流センサ54をそれぞれ1つにまとめて図示している。
また、操舵制御装置1は、転舵側モータ制御信号Mtを出力する転舵側制御部55と、転舵側モータ制御信号Mtに基づいて転舵側モータ33に駆動電力を供給する転舵側駆動回路56とを備えている。転舵側制御部55には、転舵側駆動回路56と転舵側モータ33の各相のモータコイルとの間の接続線57を流れる転舵側モータ33の各相電流値Iut,Ivt,Iwtを検出する電流センサ58が接続されている。なお、図2では、説明の便宜上、各相の接続線57及び各相の電流センサ58をそれぞれ1つにまとめて図示している。本実施形態の操舵側駆動回路52及び転舵側駆動回路56には、複数のスイッチング素子(例えば、FET等)を有する周知のPWMインバータがそれぞれ採用されている。そして、操舵側モータ制御信号Ms及び転舵側モータ制御信号Mtは、それぞれ各スイッチング素子のオンオフ状態を規定するゲートオンオフ信号となっている。
操舵制御装置1は、所定の演算周期毎に以下の各制御ブロックに示される各演算処理を実行して、操舵側モータ制御信号Ms及び転舵側モータ制御信号Mtを生成する。そして、操舵側モータ制御信号Ms及び転舵側モータ制御信号Mtが操舵側駆動回路52及び転舵側駆動回路56に出力されることにより、各スイッチング素子がオンオフし、操舵側モータ14及び転舵側モータ33に駆動電力がそれぞれ供給される。これにより、操舵側アクチュエータ13及び転舵側アクチュエータ31の作動が制御される。
先ず、操舵側制御部51の構成について説明する。
操舵側制御部51には、上記車速V、操舵トルクTh、回転角θs及び各相電流値Ius,Ivs,Iwsが入力される。そして、操舵側制御部51は、これら各状態量に基づいて操舵側モータ制御信号Msを生成して出力する。
詳しくは、操舵側制御部51は、操舵側モータ14の回転角θsに基づいてステアリングホイール11の操舵角θhを演算する操舵角演算部61と、車速V及び操舵トルクThに基づいてステアリングホイール11を回転させる力である入力トルク基礎成分Tb*を演算する入力トルク基礎成分演算部62とを備えている。また、操舵側制御部51は、操舵トルクTh、車速V及び入力トルク基礎成分Tb*に基づいて目標操舵角θh*を演算する目標操舵角演算部63を備えている。さらに、操舵側制御部51は、操舵角θh及び目標操舵角θh*に基づいて目標反力トルクTs*を演算する目標反力トルク演算部64と、目標反力トルクTs*、回転角θs及び各相電流値Ius,Ivs,Iwsに基づいて操舵側モータ制御信号Msを生成する操舵側モータ制御信号生成部65とを備えている。
操舵角演算部61は、入力される回転角θsを、例えばステアリング中立位置からの操舵側モータ14の回転数をカウントすることにより、360°を超える範囲の絶対角に換算して取得する。そして、操舵角演算部61は、絶対角に換算された回転角に操舵側減速機15の回転速度比に基づく換算係数Ksを乗算することで、操舵角θhを演算する。
入力トルク基礎成分演算部62には、操舵トルクTh及び車速Vが入力される。入力トルク基礎成分演算部62は、操舵トルクThの絶対値が大きいほど、また車速Vが大きいほど、大きな絶対値を有する入力トルク基礎成分(反力基礎成分)Tb*を演算する。入力トルク基礎成分Tb*は、目標操舵角演算部63及び目標反力トルク演算部64に入力される。
目標操舵角演算部63には、操舵トルクTh、車速V及び入力トルク基礎成分Tb*が入力される。目標操舵角演算部63は、入力トルク基礎成分Tb*に操舵トルクThを加算した値である入力トルクと目標操舵角θh*とを関係づけるモデル式を利用して、目標操舵角θh*を演算する。なお、モデル式として、例えばステアリングホイール11と転舵輪4とが機械的に連結されたものにおいて、転舵輪4の転舵角θiに換算可能な回転軸に作用するトルクと回転角との関係を定めて表したものを用いることができる。このモデル式は、操舵装置2の弾性をモデル化したバネ係数K、操舵装置2の摩擦等をモデル化した粘性係数C、及び操舵装置2の慣性をモデル化した慣性係数Jを用いて表される。このように演算された目標操舵角θh*は、減算器66及び転舵側制御部55に出力される。
目標反力トルク演算部64には、入力トルク基礎成分Tb*に加え、減算器66において目標操舵角θh*から操舵角θhが差し引かれた角度偏差Δθsが入力される。そして、目標反力トルク演算部64は、角度偏差Δθsに基づき、操舵角θhを目標操舵角θh*にフィードバック制御するための制御量として操舵側モータ14が付与する操舵反力の基礎となる基礎反力トルクを演算し、該基礎反力トルクに入力トルク基礎成分Tb*を加算することで目標反力トルクTs*を演算する。具体的には、目標反力トルク演算部64は、角度偏差Δθsを入力とする比例要素、積分要素及び微分要素のそれぞれの出力値の和を、基礎反力トルクとして演算する。
操舵側モータ制御信号生成部65には、目標反力トルクTs*に加え、回転角θs及び相電流値Ius,Ivs,Iwsが入力される。本実施形態の操舵側モータ制御信号生成部65は、目標反力トルクTs*に基づいて、d/q座標系におけるq軸上のq軸目標電流値Iqs*を演算する。なお、本実施形態では、d軸上のd軸目標電流値Ids*はゼロに設定される。
操舵側モータ制御信号生成部65は、d/q座標系における電流フィードバック制御を実行することにより、上記操舵側駆動回路52に出力する操舵側モータ制御信号Msを生成(演算)する。具体的には、操舵側モータ制御信号生成部65は、回転角θsに基づいて相電流値Ius,Ivs,Iwsをd/q座標上に写像することにより、d/q座標系における操舵側モータ14の実電流値であるd軸電流値Ids及びq軸電流値Iqsを演算する。そして、操舵側モータ制御信号生成部65は、d軸電流値Idsをd軸目標電流値Ids*に追従させるべく、またq軸電流値Iqsをq軸目標電流値Iqs*に追従させるべく、d軸及びq軸上の各電流偏差に基づいて電圧指令値を演算し、該電圧指令値に基づくデューティ比を有する操舵側モータ制御信号Msを生成する。このように演算された操舵側モータ制御信号Msが上記操舵側駆動回路52に出力されることにより、操舵側モータ制御信号Msに応じた駆動電力が操舵側モータ14に出力され、その作動が制御される。
次に、転舵側制御部55について説明する。
転舵側制御部55には、上記回転角θt、車速V、目標操舵角θh*、前後加速度α及び各相電流値Iut,Ivt,Iwtが入力される。そして、転舵側制御部55は、これら各状態量に基づいて転舵側モータ制御信号Mtを生成して出力する。
詳しくは、転舵側制御部55は、転舵側モータ33の回転角θtに基づいて、転舵輪4の転舵角θiに換算可能な回転軸である第1ピニオン軸21の回転角(ピニオン角)に相当する転舵対応角θpを演算する転舵対応角演算部71を備えている。また、転舵側制御部55は、操舵角θhと転舵角θi(図1参照)との間の伝達比(ギヤ比)を可変とすべく、目標操舵角θh*、車速V及び前後加速度αに基づいて転舵対応角θpの最終的な目標値となる最終目標転舵対応角θp*を演算する最終目標転舵対応角演算部72を備えている。さらに、転舵側制御部55は、転舵対応角θp及び最終目標転舵対応角θp*に基づいて目標転舵トルクTt*を演算する目標転舵トルク演算部73と、目標転舵トルクTt*、回転角θt及び各相電流値Iut,Ivt,Iwtに基づいて転舵側モータ制御信号Mtを生成する転舵側モータ制御信号生成部74とを備えている。
転舵対応角演算部71は、入力される回転角θtを、例えば車両が直進する中立位置からの転舵側モータ33の回転数をカウントすることにより、絶対角に換算して取得する。そして、転舵対応角演算部71は、絶対角に換算された回転角に転舵側減速機34の回転速度比、第1及び第2ラックアンドピニオン機構24,35の回転速度比に基づく換算係数Ktを乗算して転舵対応角θpを演算する。
目標転舵トルク演算部73には、減算器75において最終目標転舵対応角θp*から転舵対応角θpが差し引かれた角度偏差Δθpが入力される。そして、目標転舵トルク演算部73は、角度偏差Δθpに基づき、転舵対応角θpを最終目標転舵対応角θp*にフィードバック制御するための制御量として、転舵側モータ33が付与する転舵力の目標値となる目標転舵トルクTt*を演算する。具体的には、目標転舵トルク演算部73は、角度偏差Δθpを入力とする比例要素、積分要素及び微分要素のそれぞれの出力値の和を、目標転舵トルクTt*として演算する。
転舵側モータ制御信号生成部74には、目標転舵トルクTt*に加え、回転角θt及び相電流値Iut,Ivt,Iwtが入力される。そして、転舵側モータ制御信号生成部74は、目標転舵トルクTt*に基づいて、d/q座標系におけるq軸上のq軸目標電流値Iqt*を演算する。なお、本実施形態では、d軸上のd軸目標電流値Idt*はゼロに設定される。
転舵側モータ制御信号生成部74は、d/q座標系における電流フィードバック制御を実行することにより、上記転舵側駆動回路56に出力する転舵側モータ制御信号Mtを生成(演算)する。具体的には、転舵側モータ制御信号生成部74は、回転角θtに基づいて相電流値Iut,Ivt,Iwtをd/q座標上に写像することにより、d/q座標系における転舵側モータ33の実電流値であるd軸電流値Idt及びq軸電流値Iqtを演算する。そして、転舵側モータ制御信号生成部74は、d軸電流値Idtをd軸目標電流値Idt*に追従させるべく、またq軸電流値Iqtをq軸目標電流値Iqt*に追従させるべく、d軸及びq軸上の電流偏差に基づいて電圧指令値を演算し、該電圧指令値に基づくデューティ比を有する転舵側モータ制御信号Mtを生成する。このように演算された転舵側モータ制御信号Mtが上記転舵側駆動回路56に出力されることにより、転舵側モータ制御信号Mtに応じた駆動電力が転舵側モータ33に出力され、その作動が制御される。
次に、最終目標転舵対応角演算部72について説明する。
最終目標転舵対応角演算部72には、目標操舵角θh*、車速V及び前後加速度αが入力される。そして、最終目標転舵対応角演算部72は、これらの状態量に基づいて、目標操舵角θh*に対する大きさ(絶対値)を変更した最終目標転舵対応角θp*を演算する。つまり、本実施形態では、操舵角θhを示す値として操舵トルクThに基づく目標操舵角θh*を用い、車両の加減速を示す値として前後加速度αを用いている。
詳しくは、図3に示すように、最終目標転舵対応角演算部72は、車速V及び目標操舵角θh*に応じた伝達比に基づいて、目標操舵角θh*に対する大きさを変更した転舵対応角θpの目標値となる伝達比補正目標転舵対応角θa**を演算する可変ギヤ比処理部81を備えている。また、目標操舵角θh*に対して位相補償を行った位相補償成分θb*を演算する位相補償成分演算部82を備えている。
図4に示すように、可変ギヤ比処理部81は、目標操舵角θh*及び車速Vに基づいて伝達比補正目標転舵対応角θa*を演算するギヤ比演算部83と、前後加速度αに基づいて加減速ゲインKxを演算する加減速ゲイン演算部84とを備えている。ギヤ比演算部83は、目標操舵角θh*及び車速Vと伝達比補正目標転舵対応角θa*との関係を定めたマップを備えており、同マップを参照することにより目標操舵角θh*及び車速Vに応じた伝達比補正目標転舵対応角θa*を演算する。このマップは、目標操舵角θh*の絶対値が大きくなるほど、伝達比補正目標転舵対応角θa*の絶対値が大きくなるとともに、目標操舵角θh*に対する伝達比補正目標転舵対応角θa*の変化率が大きくなるように伝達比補正目標転舵対応角θa*を演算する。また、同マップは、車速Vの増大に基づいて、伝達比補正目標転舵対応角θa*が小さく、すなわち伝達比が大きくなる(スローなギヤ比となる)ように設定されている。なお、同図では、目標操舵角θh*を示す横軸の目盛り(スケール)は、伝達比補正目標転舵対応角θa*を示す縦軸の目盛りよりも小さく設定されている。また、上記のようにステアリングホイール11の最大回転数が小さいため、伝達比は目標操舵角θh*の全域に亘って比較的小さくなる(クイックなギヤ比となる)ように設定されている。このように演算された伝達比補正目標転舵対応角θa*は、乗算器85に出力される。
加減速ゲイン演算部84は、前後加速度αと加減速ゲインKxとの関係を定めたマップを備えており、同マップを参照することにより前後加速度αに応じた加減速ゲインKxを演算する。このマップは、前後加速度αの絶対値の増大に基づいて加減速ゲインKxが小さくなるように設定されている。なお、マップの形状は、適宜変更可能であり、例えば前後加速度αの絶対値の増大に基づいて加減速ゲインKxが小さくなるように設定してもよい。このように演算された加減速ゲインKxは、乗算器85に出力される。
そして、可変ギヤ比処理部81は、乗算器85において伝達比補正目標転舵対応角θa*に加減速ゲインKxを乗算することにより、伝達比補正目標転舵対応角θa**を演算する。このように演算された伝達比補正目標転舵対応角θa**は、加算器86(図3参照)に出力される。
図3に示すように、位相補償成分演算部82には、目標操舵角θh*、車速V及び前後加速度αが入力される。そして、位相補償成分演算部82は、これらの状態量に基づいて位相補償成分θb*を演算する。
詳しくは、位相補償成分演算部82は、目標操舵角θh*に対して位相進み補償を行う進みフィルタ処理部87と、進みフィルタ処理部87からの出力値に対して位相遅れ補償を行う遅れフィルタ処理部88とを備えている。つまり、位相補償成分演算部82は、目標操舵角θh*に対して位相進み遅れ補償(バンドパスフィルタ処理)を行うことで、位相補償成分θb*を演算する。
具体的には、進みフィルタ処理部87には、例えば下記(1)式の伝達関数G(s)が設定されている。
Figure 0007133393000001
…(1)
遅れフィルタ処理部88には、例えば下記(2)式の伝達関数G(s)が設定されている。
Figure 0007133393000002
…(2)
ここで、「a」、「b」は、車速V及び前後加速度αに応じて変化する係数であり、本実施形態では、前後加速度αに基づいて、伝達比が小さいほど大きく位相が進む位相補償成分θb*が演算されるように設定されている。また、「a」、「b」は、所定の定数であり、実験等の結果に基づいて予め設定されている。
なお、フィルタの伝達関数G(s)の一般式は、下記(3)式により表され、本実施形態の進みフィルタを示す伝達関数G1(s)、及び遅れフィルタを示す伝達関数G2(s)には、それぞれ一次の伝達関数が採用されているが、二次以上の高次の伝達関数を用いてもよい。ここで、「m」、「n」はそれぞれ自然数であり、進みフィルタの場合は「m>n」、遅れフィルタの場合は「m<n」の関係を満たす。
Figure 0007133393000003
…(3)
このように演算された位相補償成分θb*は、加算器86に出力される。そして、最終目標転舵対応角演算部72は、加算器86において、伝達比補正目標転舵対応角θa**と位相補償成分θb*とを足し合わせることにより、最終目標転舵対応角θp*を演算する。
次に車両を加速又は減速させながら操舵する際の操舵フィーリングについて説明する。
例えば図5(a)に示すように、車両を急激に減速させながら操舵し、時刻t0において車速Vが第1車速V1である状態から、時刻t1において第1車速V1よりも遅い第2車速V2(V1>V2)まで減速した場合を想定する。このとき、車速Vの変化に基づいて伝達比が小さくなる(図4参照)、すなわち操舵角θhあたりのヨーレートγの大きさである(定常)ヨーレートゲインが大きくなる。そして、ヨーレートγは、第1車速V1での伝達比(ヨーレートゲイン)に応じた第1ヨーレートγ1から、第2車速V2での伝達比(ヨーレートゲイン)に応じた第2ヨーレートγ2(γ1<γ2)に変化する。
ここで、前後加速度αを考慮せずに最終目標転舵対応角θp*を演算する従来例では、図5(b)において二点鎖線で示すように、時刻t0において第1ヨーレートγ1であったヨーレートγが、時刻t1までの短時間で第2ヨーレートγ2に変化する。このようにヨーレート変化(ヨー角加速度)が大きくなるため、例えば運転者が狙った軌道に対して過剰に切り込んでしまい、切り戻し操舵等の修正舵が必要になりやすい。
この点、図5(b)に示すように、本実施形態では、上記のように前後加速度αの絶対値の増大に基づいて、小さくなる加減速ゲインKxを演算するため、例えば減速時には、目標操舵角θh*に対する最終目標転舵対応角θp*(伝達比補正目標転舵対応角θa*)の大きさが小さくなる。すなわち、車速Vの変化量に対するヨーレートゲインの変更量が小となるため、時刻t1において、ヨーレートγは第2ヨーレートγ2よりも小さな第3ヨーレートγ3(γ2>γ3)に変化する。そのため、ヨーレート変化が過大になることが抑制され、運転者が狙った軌道に対して過剰に切り込んでしまうことが抑制される。
次に、変形例として、ステアリングホイール11に円形のものを採用するとともに、最大回転数を例えば3.5回転程度と大きく設定し、伝達比は目標操舵角θh*の全域に亘って比較的大きく(スローなギヤ比となる)ように設定された場合を想定する。この場合、例えば図6(a)に示すように、車両をゆっくりと減速させながら操舵し、時刻t0において車速Vが第1車速V1である状態から、時刻t2において第2車速V2まで減速すると、車速Vの変化に基づいて伝達比が小さくなって、ヨーレートγが第1ヨーレートγ1から第2ヨーレートγ2に変化する。
ここで、前後加速度αを考慮せずに最終目標転舵対応角θp*を演算する従来例では、図6(b)において二点鎖線で示すように、時刻t0において第1ヨーレートγ1であったヨーレートγが、時刻t1までの長時間をかけて第2ヨーレートγ2に変化する。このようにヨーレート変化(ヨー角加速度)が小さくなるため、例えば狙った軌道に対して切り込みが不足し、更なる切り込み操舵等の修正舵が必要になりやすい。
この点、図6(b)に示すように、変形例として前後加速度αの絶対値の増大に基づいて、大きくなる加減速ゲインKxを演算する構成を採用すれば、例えば減速時には、目標操舵角θh*に対する最終目標転舵対応角θp*(伝達比補正目標転舵対応角θa*)の大きさが大きくなる。すなわち、車速Vの変化量に対するヨーレートゲインの変更量が大となるため、時刻t2よりも前の時刻t3において、ヨーレートγは第2ヨーレートγ2に変化する。そのため、ヨーレート変化が過小になることが抑制され、運転者が狙った軌道に対して切り込み不足となることが抑制される。
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
(1)可変ギヤ比処理部81は、前後加速度αに基づいて伝達比を調整して伝達比補正目標転舵対応角θa**を演算するため、車両を加速又は減速させながら操舵を行った際において、伝達比(ヨーレートゲイン)の変更に伴うヨーレート変化を調整できる。これにより、加減速時の操舵によるヨーレート変化を最適化でき、操舵装置2の操作性を向上させることができる。特に、本実施形態の可変ギヤ比処理部81は、前後加速度αの絶対値の増大に基づいて伝達比が大きくなるように調整して伝達比補正目標転舵対応角θa**を演算するため、車両を急激に加速又は減速しながら操舵する際に、伝達比(ヨーレートゲイン)の変更量が小さくなり、ヨーレート変化が小さくなるため、優れた操舵安定性を実現できる。
(2)位相補償成分演算部82は、前後加速度αに基づいて位相補償量を調整して位相補償成分θb*を演算するため、ヨーレートゲインとヨーイングの応答性(ヨーレート応答)とのバランスを最適化できる。特に、本実施形態の位相補償成分演算部82は、前後加速度αに基づいて、伝達比が小さい場合に該伝達比が大きい場合よりも、大きく位相が進むように位相補償成分θb*を演算するため、伝達比が小さく、ヨーレート変化が大きい場合に、ヨーイングの応答性が高くなり、ヨーレートゲインとヨーレート応答とのバランスを最適化できる。
(3)車両の前後加速度αに基づいて伝達比及び位相補償量を調整するため、車両の加減速に応じて適切にこれらの値を調整できる。
(第2実施形態)
次に、操舵制御装置の第2実施形態を図面に従って説明する。なお、説明の便宜上、同一の構成については上記第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
図7に示すように、本実施形態の最終目標転舵対応角演算部72には、目標操舵角θh*及び車速Vに加え、ハブユニット42(図1参照)において検出される車両の前後水平方向に作用する前後荷重(タイヤ力)Ftが、前後加速度αに代えて入力される。そして、最終目標転舵対応角演算部72は、上記第1実施形態と同様に、前後荷重Ftに応じて最終目標転舵対応角θp*を調整する。つまり、本実施形態では、前後荷重Ftが車両の加減速を示す値に相当する。
以上、本実施形態では、上記第1実施形態の(1),(2)の作用及び効果と同様の作用及び効果に加え、以下の作用及び効果を奏する。
(4)前後荷重Ftに基づいて伝達比及び位相補償量を調整するため、車両の加減速に応じて適切にこれらの値を調整できる。
(第3実施形態)
次に、操舵制御装置の第3実施形態を図面に従って説明する。なお、説明の便宜上、同一の構成については上記第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
図8に示すように、本実施形態の転舵側制御部55は、車速Vに基づいて、所定の期間における車速変化量ΔVを演算する車速変化演算部91を備えている。車速変化演算部91は、最新の演算周期に入力された車速Vと、例えば一演算周期前に入力された車速Vとの差分を車速変化量ΔVとして演算し、最終目標転舵対応角演算部72に出力する。最終目標転舵対応角演算部72には、目標操舵角θh*及び車速Vに加え、車速変化量ΔVが前後加速度αに代えて入力される。そして、最終目標転舵対応角演算部72は、上記第1実施形態と同様に、車速変化量ΔVに応じて最終目標転舵対応角θp*を調整する。つまり、本実施形態では、車速変化量ΔVが車両の加減速を示す値に相当する。
以上、本実施形態では、上記第1実施形態の(1),(2)の作用及び効果と同様の作用及び効果に加え、以下の作用及び効果を奏する。
(5)車速変化量ΔVに基づいて伝達比及び位相補償量を調整するため、車両の加減速に応じて適切にこれらの値を調整できる。
上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記各実施形態及び以下の変形例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記各実施形態では、ギヤ比演算部83が目標操舵角θh*及び車速Vと伝達比補正目標転舵対応角θa*との関係を定めたマップを参照することにより伝達比補正目標転舵対応角θa*を演算した。しかし、これに限らず、例えばギヤ比演算部83が、伝達比に応じた補正角を目標操舵角θh*及び車速Vに基づいて演算し、該補正角を目標操舵角θh*に加算することで伝達比補正目標転舵対応角θa*を演算する構成としてもよい。
・上記各実施形態では、伝達比を車速V及び目標操舵角θh*に応じて変更したが、これに限らず、例えば車速Vのみに応じて伝達比を変更してもよい。
・上記各実施形態において、位相補償成分演算部82が、例えば伝達比が小さい場合に、伝達比が大きい場合よりも、位相が遅れるように位相補償成分θb*を演算してもよい。
・上記各実施形態において、位相補償成分演算部82が位相補償として位相進み補償又は位相遅れ補償のいずれか一方のみを行う構成としてもよい。また、最終目標転舵対応角演算部72が位相補償成分演算部82を備えず、伝達比補正目標転舵対応角θa**をそのまま最終目標転舵対応角θp*とする構成としてもよい。
・上記各実施形態では、各車輪速の平均値を車速Vとして用いたが、これに限らず、例えば各車輪速のうちの二番目に速い車輪速を用いてもよい。また、車輪速を用いず、GPS(Global Positioning System)用の人工衛星からの測位信号を受信し、当該受信される測位信号に基づく時間あたりの車両の位置変化(移動量)から推定される推定車速を車速Vとして用いてもよい。
・上記各実施形態において、最終目標転舵対応角演算部72が目標操舵角θh*に代えて操舵角θhを用いて最終目標転舵対応角θp*を演算してもよい。つまり、操舵角θhを示す値として操舵角θhそのものを用いてもよい。
・上記各実施形態では、操舵制御装置1の制御対象となる操舵装置2を、操舵部3と転舵部5との間の動力伝達を分離したリンクレスのステアバイワイヤ式操舵装置としたが、これに限らず、クラッチにより操舵部3と転舵部5との間の動力伝達を断接可能なステアバイワイヤ式操舵装置としてもよい。
例えば図9に示す例では、操舵部3と転舵部5との間には、クラッチ101が設けられている。クラッチ101は、その入力側要素に固定された入力側中間軸102を介してステアリングシャフト12に連結されるとともに、その出力側要素に固定された出力側中間軸103を介して第1ピニオン軸21に連結されている。そして、操舵制御装置1からの制御信号によりクラッチ101が解放状態となることで、操舵装置2はステアバイワイヤモードとなり、クラッチ101が締結状態となることで、操舵装置2は電動パワーステアリングモードとなる。
また、操舵装置2を、例えばステアリングシャフト12の途中に伝達比可変装置を備えた電動パワーステアリング装置(例えば、特許文献1参照。)としてもよい。この場合には、伝達比可変装置のモータが可変ギヤ比処理部81の演算する伝達比補正目標転舵対応角θa**と操舵角θhとの差分を上乗せすることにより、実際の転舵対応角θpが最終目標転舵対応角θp*となるように制御されることになる。
さらに、操舵装置2の伝達比を変更せず、例えば各車輪に設けられるブレーキ装置のブレーキ力を制御することで、上記各実施形態と同様にヨーレートゲインを変更し、加減速時のヨーレート変化を最適化してもよい。
次に、上記各実施形態及び変形例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(イ)前記可変ギヤ比処理部は、車両の加減速を示す値の絶対値の増大に基づいて前記伝達比が大きくなるように調整して前記伝達比補正目標転舵対応角を演算する操舵制御装置。上記構成によれば、車両を急激に加速又は減速しながら操舵する際に、伝達比が大きく(ヨーレートゲインが小さく)なり、ヨーレート変化が小さくなるため、優れた操舵安定性を実現できる。
(ロ)前記位相補償演算部は、前記車両の加減速を示す値に基づいて、前記伝達比が小さい場合に該伝達比が大きい場合よりも、大きく位相が進むように前記位相補償成分を演算する操舵制御装置。上記構成によれば、伝達比が小さく(ヨーレートゲインが大きく)、ヨーレート変化が大きい場合に、ヨーイングの応答性が高くなるため、ヨーレートゲインとヨーレート応答とのバランスを最適化できる。
1…操舵制御装置、2…操舵装置、3…操舵部、4…転舵輪、5…転舵部、11…ステアリングホイール、14…操舵側モータ、33…転舵側モータ(モータ)、51…操舵側制御部、55…転舵側制御部、71…転舵対応角演算部、72…最終目標転舵対応角演算部、81…可変ギヤ比処理部、82…位相補償成分演算部、83…ギヤ比演算部、84…加減速ゲイン演算部、87…進みフィルタ処理部、88…遅れフィルタ処理部、91…車速変化演算部、Th…操舵トルク、V…車速、α…前後加速度(車両の加減速を示す値)、γ…ヨーレート、ΔV…車速変化量(車両の加減速を示す値)、θp…転舵対応角、Ft…前後荷重(車両の加減速を示す値)、θa*,θa**…伝達比補正目標転舵対応角、θb*…位相補償成分、θp*…最終目標転舵対応角、θh…操舵角(操舵角を示す値)、θh*…目標操舵角(操舵角を示す値)、θi…転舵角。

Claims (3)

  1. 操舵機構に連結されるステアリングホイールの操舵角と、前記操舵機構の転舵軸に連結される転舵輪の転舵角との間の伝達比を、駆動源となるモータの作動により車速に基づいて可変とした操舵装置を制御対象とし、
    車速に応じた前記伝達比に基づいて、前記操舵角を示す値としての、操舵トルクに基づく目標操舵角、または前記操舵角そのものに対する大きさを変更した前記転舵角に換算可能な回転軸の回転角である転舵対応角の目標値であって、前記転舵対応角の最終的な目標値である最終目標転舵対応角の演算基礎となる伝達比補正目標転舵対応角を演算する可変ギヤ比処理部を備え、
    実際の前記転舵対応角が前記伝達比補正目標転舵対応角に基づく前記最終目標転舵対応角となるように前記モータの作動を制御する操舵制御装置であって、
    前記可変ギヤ比処理部は、車両の加減速を示す値に基づいて前記伝達比を調整して前記伝達比補正目標転舵対応角を演算する操舵制御装置。
  2. 請求項1に記載の操舵制御装置において、
    前記操舵角を示す値に対して位相補償を行った位相補償成分を演算する位相補償成分演算部を備え、
    前記最終目標転舵対応角は、前記伝達比補正目標転舵対応角及び前記位相補償成分に基づいて演算されるものであって、
    前記位相補償成分演算部は、前記車両の加減速を示す値に基づいて位相補償量を調整して前記位相補償成分を演算する操舵制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載の操舵制御装置において、
    前記車両の加減速を示す値は、車両の前後加速度、車速変化量、及び前記転舵輪に作用する車両前後方向の前後荷重のいずれか1つである操舵制御装置。
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