JP2019127219A - 操舵制御装置 - Google Patents

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勲 並河
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祐輔 柿本
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厚二 安樂
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Abstract

【課題】引き込みが発生すると推定される場合に運転者に違和感を与えることを抑制できる操舵制御装置を提供する。【解決手段】操舵制御装置1は、操舵部に運転者のステアリング操作に抗する反力である操舵反力を付与する操舵側モータ14の作動を制御する操舵側制御部61と、転舵部に転舵輪を転舵させる転舵力を付与する転舵側モータ43の作動を制御する転舵側制御部63とを備える。そして、操舵制御装置1は、エンド反力成分が所定反力以上である場合に、車載電源27から過大な電流を引き込もうとする引き込みが発生すると推定し、操舵側モータ14への印加電圧の絶対値を所定電圧制限値以下に制限することにより、ステアリング操作に応じて操舵側モータ14に回生電流が流れる回生モードとする。【選択図】図2

Description

本発明は、操舵制御装置に関する。
従来、操舵装置の一種として、運転者により操舵される操舵部と運転者の操舵に応じて転舵輪を転舵させる転舵部との間の動力伝達が分離されたステアバイワイヤ式のものがある。例えば特許文献1には、操舵部と転舵部とがクラッチにより機械的に断接可能とされた操舵装置が開示されている。そして、通常は、クラッチにより操舵部と転舵部とを遮断したステアバイワイヤモード(SBWモード)とし、操舵側モータを有する操舵側アクチュエータにより操舵部に運転者の操舵に抗する操舵反力を付与するとともに、転舵側モータを有する転舵側アクチュエータにより転舵部に転舵輪を転舵させる転舵力を付与し、車両の進行方向を変更している。
特開2016−132264号公報
ところで、車両には、操舵装置以外の他の装置も搭載されており、車載電源からいくつかの装置に対して電流が供給される。そのため、操舵装置に割り当てられる電流を超える大きな電流を車載電源から該操舵装置に引き込もうとする所謂引き込みが発生すると、他の装置の作動に影響を与えるおそれがある。したがって、引き込みが発生すると推定される場合には、操舵側アクチュエータ及び転舵側アクチュエータを含む操舵装置全体で消費する電流を制限する必要が生じる。
しかし、引き込みが発生すると推定される場合に操舵側モータに供給する電流を制限すると、該操舵側モータが付与する操舵反力が小さくなることで手応え感がなくなるため、運転者に違和感を与えるおそれがあり、この点においてなお改善の余地があった。
なお、このような問題は、クラッチにより機械的に断接可能なステアバイワイヤ式操舵装置に限らず、クラッチを有さず、機械的に分離されたリンクレスのステアバイワイヤ式操舵装置であっても同様に生じ得る。
本発明の目的は、引き込みが発生すると推定される場合に運転者に違和感を与えることを抑制できる操舵制御装置を提供することにある。
上記課題を解決する操舵制御装置は、運転者により操舵されるステアリングホイールに連結される操舵部と、運転者による前記操舵部の操舵に応じて転舵輪を転舵させる転舵部とが機械的に断接可能な構造又は分離した構造を有する操舵装置を制御対象とし、前記操舵部に運転者のステアリング操作に抗する反力である操舵反力を付与する操舵側モータの作動を制御する操舵側制御部と、前記転舵部に前記転舵輪を転舵させる転舵力を付与する転舵側モータの作動を制御する転舵側制御部と、車載電源から過大な電流を引き込もうとする引き込みが発生すると推定される状況か否かを判定する引き込み発生推定部とを備え、前記操舵側制御部は、前記引き込みが発生すると推定された場合に、前記操舵側モータへの印加電圧を所定電圧制限値以下に制限することにより、ステアリング操作に応じて前記操舵側モータに回生電流が流れる回生モードとする。
上記構成によれば、引き込みが発生すると推定された場合には、操舵側モータに印加される印加電圧が制限されるため、運転者のステアリング操作に応じて操舵側モータに誘起電圧が発生することで、該操舵側モータに回生電流が流れる回生モードとなる。そのため、運転者がステアリング操作する際に、その操舵速度に応じて回生ブレーキによる反力が操舵反力として操舵部に付与される。したがって、引き込みが発生すると推定される場合に操舵装置で消費される電流を低減しつつ、運転者にその操舵に応じた操舵反力を付与して違和感を与えることを抑制できる。
上記操舵制御装置において、前記操舵側制御部は、前記ステアリングホイールの操舵角が前記操舵装置に応じて設定された舵角閾値を超える状況になる場合に、前記操舵反力を増加させるエンド反力成分を演算するエンド反力成分演算部と、操舵トルクに応じた入力トルク及び前記エンド反力成分に基づいて目標操舵角を演算する目標操舵角演算部とを備え、前記操舵角を前記目標操舵角に追従させるフィードバック制御の実行に基づいて前記操舵側モータの作動を制御するための操舵側モータ制御信号を生成するものであり、前記引き込み発生推定部は、前記エンド反力成分の絶対値が所定反力以上である場合に、前記引き込みが発生すると推定することが好ましい。
上記構成によれば、操舵角が舵角閾値を超える状況になると、エンド反力成分が演算されることで操舵反力が増大するため、操舵側モータで消費される電流が大きくなり、引き込み状態が発生しやすくなる。この点を踏まえ、上記構成では、エンド反力成分が所定反力以上となるか否かを判定することで、適切に引き込みの発生を推定できる。
上記操舵制御装置において、前記所定電圧制限値は、前記エンド反力成分の絶対値の増大に基づいて小さくなるように変更されることが好ましい。
上記構成によれば、エンド反力成分の絶対値が大きくなるほど、所定電圧制限値がより小さく制限されるため、回生ブレーキによる反力を増大させることができ、運転者により大きな操舵反力を付与して違和感を与えることを好適に抑制できる。
上記操舵制御装置において、前記操舵側制御部は、前記ステアリングホイールの操舵角が前記操舵装置に応じて設定された舵角閾値を超える状況になる場合に、前記操舵反力を増加させるエンド反力成分を演算するエンド反力成分演算部と、操舵トルクに応じた入力トルク及び前記エンド反力成分に基づいて目標操舵角を演算する目標操舵角演算部とを備え、前記操舵角を前記目標操舵角に追従させるフィードバック制御の実行に基づいて前記操舵側モータの作動を制御するための操舵側モータ制御信号を生成するものであり、前記引き込み発生推定部は、前記操舵角の絶対値が所定操舵角以上である場合に、前記引き込みが発生すると推定することが好ましい。
上記構成によれば、操舵角が舵角閾値を超える状況になると、エンド反力成分が演算されることで操舵反力が増大するため、操舵側モータで消費される電流が大きくなり、引き込み状態が発生しやすくなる。この点を踏まえ、上記構成では、操舵角が舵角閾値に応じた所定操舵角以上となるか否かを判定することで、適切に引き込み状態の発生を推定できる。
上記操舵制御装置において、所定電圧制限値は、前記操舵角の絶対値の増大に基づいて小さくなるように変更されることが好ましい。
上記構成によれば、操舵角の絶対値が大きくなるほど、所定電圧制限値がより小さく制限されるため、回生ブレーキによる反力を増大させることができ、運転者により大きな操舵反力を付与して違和感を与えることを好適に抑制できる。
上記操舵制御装置において、前記引き込み発生推定部は、前記ステアリングホイールの操舵速度の絶対値が所定操舵速度以上である場合に、前記引き込みが発生することが好ましい。
操舵速度が高く、操舵側モータの角速度が高くなる場合には、操舵側モータの誘起電圧が大きくなることで消費電流が大きくなり、引き込み状態が発生しやすくなる。この点を踏まえ、上記構成では、操舵速度が所定操舵速度以上であるか否かを判定することで、適切に引き込み状態の発生を推定できる。
上記操舵制御装置において、前記所定電圧制限値は、前記操舵速度の絶対値の増大に基づいて小さくなるように変更されることが好ましい。
上記構成によれば、操舵速度の絶対値が増大するほど、所定電圧制限値がより小さく制限されるため、回生ブレーキによる反力を増大させることができ、運転者により大きな操舵反力を付与して違和感を与えることを好適に抑制できる。
上記操舵制御装置において、前記転舵側制御部は、前記転舵側モータの角速度の絶対値の増大に基づいて、該転舵側モータで発生させる転舵力の目標値となる転舵側目標電流値の上限値を制限するものであって、前記引き込み発生推定部は、前記上限値が所定電流値以下である場合に、前記引き込みが発生すると推定することが好ましい。
上記構成によれば、転舵側目標電流値の上限値が所定電流値以下となる場合、すなわち転舵側モータの角速度の大きい状態では、該転舵側モータの誘起電圧が大きくなることで消費される電流が大きくなり、引き込み状態が発生しやすくなる。この点を踏まえ、上記構成では、転舵側目標電流値の上限値が所定電流値以下であるか否かを判定することで、適切に引き込み状態の発生を推定できる。
上記操舵制御装置において、前記所定電圧制限値は、前記上限値の減少に基づいて小さくなるように変更されることが好ましい。
上記構成によれば、転舵側目標電流値の上限値が小さくなる、すなわち転舵側モータの角速度が高くなるほど、所定制限電圧値がより小さく制限されるため、回生ブレーキによる反力を増大させることができ、運転者により大きな操舵反力を付与して違和感を与えることを好適に抑制できる。
上記操舵制御装置において、前記操舵側制御部は、車速が中高速域で走行していることを示す中高速閾値よりも大きい場合には、前記車速が前記中高速閾値以下の場合に比べ、前記所定電圧制限値を大きくすることが好ましい。
上記構成によれば、車速が中高速閾値よりも高い速度で走行している場合には、所定制限値が大きくされるため、回生モードとなりにくくなる。そのため、例えば車両走行時に緊急回避のために速い操舵を行う際に、その操舵が阻害されることを防止できる。
本発明によれば、引き込みが発生すると推定される場合に運転者に違和感を与えることを抑制できる。
第1実施形態のステアバイワイヤ式の操舵装置の概略構成図。 第1実施形態の操舵制御装置のブロック図。 第1実施形態の目標操舵角設定部のブロック図。 第1実施形態の操舵側モータ制御信号生成部のブロック図。 エンド反力成分(操舵角、操舵速度)の絶対値と所定電圧制限値との関係を示すグラフ。 (a),(b)は操舵側モータの回転数(角速度)と出力トルクとの関係を示すグラフ。 第2実施形態の操舵制御装置のブロック図。 第3実施形態の操舵制御装置のブロック図。 第4実施形態の操舵制御装置のブロック図。 転舵側モータの角速度と転舵側目標電流値の上限値との関係を示すグラフ。 転舵側目標電流値の上限値と所定電圧制限値との関係を示すグラフ。 別例のステアバイワイヤ式の操舵装置の概略構成図。
(第1実施形態)
以下、操舵制御装置の第1実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、操舵制御装置1の制御対象となるステアバイワイヤ式の操舵装置2は、運転者により操舵される操舵部3と、運転者による操舵部3の操舵に応じて転舵輪4を転舵させる転舵部5とを備えている。
操舵部3は、ステアリングホイール11が固定されるステアリングシャフト12と、ステアリングシャフト12に操舵反力を付与可能な操舵側アクチュエータ13とを備えている。操舵側アクチュエータ13は、駆動源となる操舵側モータ14と、操舵側モータ14の回転を減速してステアリングシャフト12に伝達する操舵側減速機15とを備えている。
ステアリングホイール11には、スパイラブルケーブル装置21が連結されている。スパイラブルケーブル装置21は、ステアリングホイール11に固定された第1ハウジング22と、車体に固定された第2ハウジング23と、第2ハウジング23に固定されるとともに第1及び第2ハウジング22,23によって区画された空間に収容された筒状部材24と、筒状部材24に巻きつけられるスパイラブルケーブル25とを備えている。筒状部材24には、ステアリングシャフト12が挿通されている。スパイラブルケーブル25は、ステアリングホイール11に固定されたホーン26と、車体に固定された車載電源(バッテリ)27等とを接続する電気配線である。そして、スパイラブルケーブル25の長さは、ホーン26と車載電源27との間の距離よりも十分に長く設定されており、その長さに応じた範囲でステアリングホイール11の回転を許容しつつ、ホーン26に電力を供給する。
転舵部5は、第1ピニオン軸31と、第1ピニオン軸31に連結されたラック軸32と、ラック軸32を往復動可能に収容するラックハウジング33とを備えている。第1ピニオン軸31とラック軸32とは、所定の交差角をもって配置されており、第1ピニオン軸31に形成された第1ピニオン歯31aとラック軸32に形成された第1ラック歯32aとを噛合することによって第1ラックアンドピニオン機構34が構成されている。なお、ラック軸32は、第1ラックアンドピニオン機構34によりその軸方向一端側が往復動可能に支持されている。ラック軸32の両端には、ボールジョイントからなるラックエンド35を介してタイロッド36が連結されており、タイロッド36の先端は、転舵輪4が組み付けられた図示しないナックルに連結されている。
また、転舵部5には、ラック軸32に転舵輪4を転舵させる転舵力を付与する転舵側アクチュエータ41が第2ピニオン軸42を介して設けられている。転舵側アクチュエータ41は、駆動源となる転舵側モータ43と、転舵側モータ43の回転を減速して第2ピニオン軸42に伝達する転舵側減速機44とを備えている。第2ピニオン軸42とラック軸32とは、所定の交差角をもって配置されており、第2ピニオン軸42に形成された第2ピニオン歯42aとラック軸32に形成された第2ラック歯32bとを噛合することによって第2ラックアンドピニオン機構45が構成されている。なお、ラック軸32は、第2ラックアンドピニオン機構45によりその軸方向他端側が往復動可能に支持されている。
このように構成された操舵装置2では、運転者によるステアリング操作に応じて転舵側アクチュエータ41により第2ピニオン軸42が回転駆動され、この回転が第2ラックアンドピニオン機構45によりラック軸32の軸方向移動に変換されることで、転舵輪4の転舵角が変更される。このとき、操舵側アクチュエータ13からは、運転者の操舵に抗する操舵反力がステアリングホイール11に付与される。
次に、本実施形態の電気的構成について説明する。
操舵制御装置1は、操舵側アクチュエータ13(操舵側モータ14)及び転舵側アクチュエータ41(転舵側モータ43)に接続されており、これらの作動を制御する。なお、操舵制御装置1は、図示しない中央処理装置(CPU)やメモリを備えており、所定の演算周期ごとにメモリに記憶されたプログラムをCPUが実行することによって、各種制御が実行される。
操舵制御装置1には、車両の車速SPDを検出する車速センサ51、及びステアリングシャフト12に付与された操舵トルクTrqを検出するトルクセンサ52が接続されている。なお、トルクセンサ52は、ステアリングシャフト12における操舵側アクチュエータ13(操舵側減速機15)との連結部分よりもステアリングホイール11側に設けられている。また、操舵制御装置1には、操舵部3の操舵量を示す検出値として操舵側モータ14の回転角θsを検出する操舵側回転センサ53、及び転舵部5の転舵量を示す検出値として転舵側モータ43の回転角θtを検出する転舵側回転センサ54が接続されている。そして、操舵制御装置1は、これらの各種状態量に基づいて操舵側モータ14及び転舵側モータ43の作動を制御する。なお、操舵トルクTrq及び回転角θs,θtは、一方向(本実施形態では、右)に操舵した場合に正の値、他方向(本実施形態では、左)に操舵した場合に負の値として検出する。
図2に示すように、操舵制御装置1は、操舵側モータ制御信号Msを出力する操舵側制御部61と、操舵側モータ制御信号Msに基づいて操舵側モータ14に駆動電力を供給する操舵側駆動回路62とを備えている。また、操舵制御装置1は、転舵側モータ制御信号Mtを出力する転舵側制御部63と、転舵側モータ制御信号Mtに基づいて転舵側モータ43に駆動電力を供給する転舵側駆動回路64とを備えている。なお、本実施形態の操舵側駆動回路62及び転舵側駆動回路64には、複数のスイッチング素子(例えば、FET等)を有する周知のPWMインバータがそれぞれ採用されている。操舵側モータ制御信号Ms及び転舵側モータ制御信号Mtは、それぞれ各スイッチング素子のオンオフ状態を規定するゲートオンオフ信号となっている。操舵制御装置1は、所定の演算周期毎に以下の各制御ブロックに示される各演算処理を実行して、操舵側モータ制御信号Ms及び転舵側モータ制御信号Mtを生成する。そして、操舵側モータ制御信号Ms及び転舵側モータ制御信号Mtが操舵側駆動回路62及び転舵側駆動回路64に出力されることにより、各スイッチング素子がオンオフし、車載電源27から操舵側モータ14及び転舵側モータ43に駆動電力がそれぞれ供給される。これにより、操舵側アクチュエータ13及び転舵側アクチュエータ41の作動が制御される。
次に、操舵側制御部61について説明する。
操舵側制御部61には、上記車速SPD、操舵トルクTrq及び回転角θsが入力される。また、操舵側制御部61には、操舵側駆動回路62と操舵側モータ14の各相のモータコイルとの間の接続線65に設けられた電流センサ66により検出される操舵側モータ14の各相電流値Ius,Ivs,Iwsが入力される。なお、図2では、説明の便宜上、各相の接続線65及び各相の電流センサ66をそれぞれ1つにまとめて図示している。そして、操舵側制御部61は、これら各状態量に基づいて操舵側モータ制御信号Msを生成して出力する。
詳しくは、操舵側制御部61は、目標操舵角θh*を生成する目標操舵角設定部71と、目標操舵角θh*に基づいて操舵側目標電流値Ids*,Iqs*を演算する操舵側目標電流値演算部72と、操舵側目標電流値Ids*,Iqs*に基づいて操舵側モータ制御信号Msを生成する操舵側モータ制御信号生成部73とを備えている。また、操舵側制御部61は、操舵側モータ14の回転角θsに基づいて、ステアリングホイール11の操舵角θhを演算する操舵角演算部74を備えている。操舵角演算部74は、入力される回転角θsを、例えばステアリング中立位置からの操舵側モータ14の回転数をカウントすることにより、360°を超える範囲の絶対角に換算して取得する。そして、操舵角演算部74は、この絶対角に換算された回転角に操舵側減速機15の回転速度比に基づく換算係数Ksを乗算することで、操舵角θhを演算する。
図3に示すように、目標操舵角設定部71は、操舵トルクTrqが入力される入力トルク基礎成分演算部81と、操舵反力を増加させるエンド反力成分Fieを演算するエンド反力成分演算部82と、目標操舵角θh*を演算する目標操舵角演算部83とを備えている。入力トルク基礎成分演算部81は、操舵トルクTrqの絶対値が大きいほど、大きな絶対値を有する入力トルク基礎成分(反力基礎成分)Tb*を演算する。入力トルク基礎成分Tb*は、加算器84に出力される。加算器84には、入力トルク基礎成分Tb*に加え、操舵トルクTrqが入力される。そして、加算器84において、入力トルク基礎成分Tb*に操舵トルクTrqが足し合わされることで入力トルクTrq*が演算される。
エンド反力成分演算部82は、目標操舵角θh*に基づいて、同図に示すマップを参照することにより、エンド反力成分Fieを演算する。マップには、閾値角度θenが設定されており、目標操舵角θh*の絶対値が閾値角度θen以下の場合には、エンド反力成分Fieとしてゼロが演算され、目標操舵角θh*が閾値角度θenを超えると、絶対値がゼロよりも大きなエンド反力成分Fieが演算される。なお、エンド反力成分Fieは、目標操舵角θh*が閾値角度θenを超えてある程度大きくなると、人の力ではそれ以上の切り込み操舵ができないほどに大きな絶対値となるように設定されている。
本実施形態の閾値角度θenは、転舵部5の機械的構成との関係において、ラックエンド35がラックハウジング33に当接することでラック軸32の軸方向移動が規制される機械的なラックエンド位置よりも中立位置側に設定された仮想ラックエンド位置に対し、さらに所定角度だけ中立位置側に位置する仮想ラックエンド近傍位置での転舵対応角θpの値に設定されている。また、閾値角度θen(仮想ラックエンド近傍位置での転舵対応角θp)は、操舵部3との機械的構成との関係において、スパイラブルケーブル装置21により最大限許容されるステアリングホイール11の操舵エンド位置での操舵角θhよりも中立位置側に設定されている。つまり、本実施形態の操舵装置2では、仮想ラックエンド近傍位置が転舵部5の舵角限度位置として設定されるとともに、操舵エンド位置が操舵部3の舵角限度位置として設定されており、第1ピニオン軸31がステアリングシャフト12に連結されていると仮定した場合、転舵部5(転舵輪4)が先に舵角限度位置に到達する。そして、閾値角度θenが操舵装置2に応じて設定された舵角閾値に相当する。
エンド反力成分演算部82は、ステアリングホイール11の操舵角θhが閾値角度θenを超える場合に、ゼロよりも大きな絶対値を有するエンド反力成分Fieを演算する。このように演算されたエンド反力成分Fieは、減算器85及び後述する操舵側モータ制御信号生成部73のデューティ制限部96に出力される。
減算器85には、エンド反力成分Fieとともに入力トルクTrq*が入力される。そして、減算器85において、入力トルクTrq*からエンド反力成分Fieが減算された補正入力トルクTrq**が目標操舵角演算部83に出力される。
目標操舵角演算部83は、補正入力トルクTrq**と目標操舵角θh*とを関係づけるモデル式を利用して、目標操舵角θh*を演算する。このモデル式は、ステアリングホイール11と転舵輪4とが機械的に連結されたものにおいて、ステアリングホイール11の回転に伴って回転する回転軸のトルクと回転角との関係を定めて表したものであり、操舵装置2の摩擦等をモデル化した粘性係数C、操舵装置2の慣性をモデル化した慣性係数Jを用いて表したものである。なお、粘性係数C及び慣性係数Jは、車速SPDに応じて可変設定される。そして、このようにモデル式を用いて演算された目標操舵角θh*は、減算器75及び転舵側制御部63に出力される。
図2に示すように、操舵側目標電流値演算部72には、減算器75において目標操舵角θh*から操舵角θhが差し引かれた角度偏差Δθsが入力される。そして、操舵側目標電流値演算部72は、角度偏差Δθsに基づき、操舵角θhを目標操舵角θh*にフィードバック制御するための制御量として、操舵側モータ14が付与する操舵反力に対応した駆動電流の目標値である操舵側目標電流値Ids*,Iqs*を演算する。具体的には、角度偏差Δθsを入力とする比例要素、積分要素及び微分要素のそれぞれの出力値の和を、d/q座標系におけるq軸上の操舵側q軸目標電流値Iqs*として演算する。なお、本実施形態では、d軸上の操舵側d軸目標電流値Ids*はゼロに設定されている。
操舵側モータ制御信号生成部73には、操舵側目標電流値Ids*,Iqs*に加え、回転角θs、相電流値Ius,Ivs,Iws、エンド反力成分Fie及び車速SPDが入力される。そして、操舵側モータ制御信号生成部73は、これら各状態量に基づいてdq座標系における電流フィードバック制御を実行することにより、上記操舵側駆動回路62に出力する操舵側モータ制御信号Msを生成(演算)する。
具体的には、図4に示すように、操舵側モータ制御信号生成部73に入力された各相電流値Ius,Ivs,Iwsは、dq変換部91に入力される。dq変換部91は、回転角θsに基づいて各相電流値Ius,Ivs,Iwsをdq座標上に写像することにより、d軸電流値Ids及びq軸電流値Iqsを演算する。d軸電流値Idsは、操舵側d軸目標電流値Ids*とともに減算器92dに入力され、q軸電流値Iqsは、操舵側q軸目標電流値Iqs*とともに減算器92qに入力される。そして、各減算器92d,92qは、d軸電流偏差ΔIds及びq軸電流偏差ΔIqsを演算する。
d軸電流偏差ΔIds及びq軸電流偏差ΔIqsは、それぞれ対応するF/B(フィードバック)制御部93d,93qに入力される。そして、各F/B制御部93d,93qは、操舵側目標電流値Ids*,Iqs*に実電流値であるd軸電流値Ids及びq軸電流値Iqsを追従させるべく、d軸電流偏差ΔIds及びq軸電流偏差ΔIqsにそれぞれ所定のゲインを乗算することにより、d軸電圧指令値Vds*及びq軸電圧指令値Vqs*を演算する。
d軸電圧指令値Vds*及びq軸電圧指令値Vqs*は、回転角θsとともにdq逆変換部94に入力される。dq逆変換部94は、回転角θsに基づいてd軸電圧指令値Vds*及びq軸電圧指令値Vqs*を三相の交流座標上に写像することにより三相の相電圧指令値Vus*,Vvs*,Vws*を演算する。続いて、これら各相電圧指令値Vus*,Vvs*,Vws*は、PWM変換部95に入力される。PWM変換部95は、各相電圧指令値Vus*,Vvs*,Vws*に基づくデューティ指令値αus*,αvs*,αws*を演算し、デューティ制限部96に出力する。なお、デューティ制限部96については後で詳述する。デューティ制限部96において制限されたデューティ制限値αus**,αvs**,αws**は、制御信号生成部97に入力される。制御信号生成部97は、デューティ制限値αus**,αvs**,αws**と三角波や鋸波等の搬送波としてのPWMキャリアとの比較を通じて、デューティ制限値αus**,αvs**,αws**に示されるオンデューティ比を有する操舵側モータ制御信号Msを生成して上記操舵側駆動回路62に出力する。これにより、操舵側モータ制御信号Msに応じた駆動電力が操舵側モータ14に出力され、その作動が制御される。
次に、転舵側制御部63について説明する。
図2に示すように、転舵側制御部63には、上記回転角θt及び目標操舵角θh*が入力される。また、転舵側制御部63には、転舵側駆動回路64と転舵側モータ43の各相のモータコイルとの間の接続線67に設けられた電流センサ68により検出される転舵側モータ43の各相電流値Iut,Ivt,Iwtが入力される。なお、図2では、説明の便宜上、各相の接続線及び各相の電流センサ68をそれぞれ1つにまとめて図示している。そして、転舵側制御部63は、これら各状態量に基づいて転舵側モータ制御信号Mtを生成して出力する。
詳しくは、転舵側制御部63は、転舵輪4の転舵角に換算可能な回転軸である第1ピニオン軸31の転舵対応角θp(ピニオン角)を演算する転舵対応角演算部101を備えている。また、転舵側制御部63は、転舵対応角θp及び目標操舵角θh*に基づいて転舵側目標電流値Idt*,Iqt*を演算する転舵側目標電流値演算部102と、転舵側目標電流値Idt*,Iqt*に基づいて転舵側モータ制御信号Mtを生成する転舵側モータ制御信号生成部103とを備えている。
転舵対応角演算部101は、入力される回転角θtを、例えば車両が直進する中立位置からの転舵側モータ43の回転数をカウントすることにより、360°を超える範囲の絶対角に換算して取得する。そして、転舵対応角演算部101は、この絶対角に換算された回転角に転舵側減速機44の回転速度比、第1及び第2ラックアンドピニオン機構34,45の回転速度比に基づく換算係数Ktを乗算して転舵対応角θpを演算する。つまり、転舵対応角θpは、第1ピニオン軸31がステアリングシャフト12に連結されていると仮定した場合におけるステアリングホイール11の回転角度に相当する。
転舵側目標電流値演算部102には、減算器104において目標操舵角θh*から転舵対応角θpが差し引かれた角度偏差Δθpが入力される。そして、転舵側目標電流値演算部102は、角度偏差Δθpに基づき、転舵対応角θpを目標操舵角θh*にフィードバック制御するための制御量として、転舵側モータ43が付与する転舵力に対応した駆動電流の目標値である転舵側目標電流値Idt*,Iqt*を演算する。つまり、本実施形態では、転舵対応角θpの目標値は、操舵角θhの目標値である目標操舵角θh*と等しく、操舵角θhと転舵対応角θpとの比である舵角比が一定に設定されている。
具体的には、転舵側目標電流値演算部102は、角度偏差Δθpを入力とする比例要素、積分要素及び微分要素のそれぞれの出力値の和を、d/q座標系におけるq軸上の転舵側q軸目標電流値Iqt*として演算する。なお、本実施形態では、d軸上の転舵側d軸目標電流値Idt*はゼロに設定されている。このように演算された転舵側目標電流値Idt*,Iqt*は、転舵側モータ制御信号生成部103に出力される。
転舵側モータ制御信号生成部103には、転舵側目標電流値Idt*,Iqt*に加え、回転角θt及び相電流値Iut,Ivt,Iwtが入力される。そして、転舵側モータ制御信号生成部103は、これら各状態量に基づいてdq座標系における電流フィードバック制御を実行することにより、上記転舵側駆動回路64に出力する転舵側モータ制御信号Mtを生成(演算)する。なお、転舵側モータ制御信号生成部103は、デューティ制限部96を有していない、すなわち転舵側モータ制御信号Mtに示されるデューティ比を制限する以外は、上記操舵側モータ制御信号生成部73と同様に、転舵側モータ制御信号Mtを生成する。これにより、転舵側モータ制御信号Mtに応じた駆動電力が転舵側モータ43に出力され、その作動が制御される。
ここで、車両には、操舵装置2以外の他の装置も搭載されており、車載電源27からいくつかの装置に対して電流が供給される。そのため、操舵装置2に割り当てられる電流を超える大きな電流を車載電源27から該操舵装置2に引き込もうとする所謂引き込みが発生すると、他の装置の作動に影響を与えるおそれがある。そのため、本実施形態では、引き込みが発生すると推定される場合には、操舵側モータ14への印加電圧Vsを所定電圧制限値Vth以下に制限することにより、ステアリング操作に応じて操舵側モータ14に回生電流が流れる回生モードとする。なお、印加電圧Vsは、操舵側モータ14に印加される電圧の大きさ(絶対値)を示す。
詳しくは、図4に示すように、デューティ制限部96には、エンド反力成分Fie及び車速SPDが入力される。そして、デューティ制限部96は、エンド反力成分Fieが所定反力Fth以上である場合に、引き込みが発生すると推定し、デューティ指令値αus*,αvs*,αws*を所定電圧制限値Vslimに対応するデューティ制限値αus**,αvs**,αws**以下となるように制限する。なお、所定反力Fthは、操舵側モータ14でその反力を発生させた場合に消費される電流が過大になるような反力であり、予め設定されている。一方、エンド反力成分Fieの絶対値が所定反力Fth未満の場合には、引き込みが発生するとは推定せず、デューティ指令値αus*,αvs*,αws*を制限せずにそのまま制御信号生成部97に出力する。つまり、デューティ制限部96は、引き込みが発生すると推定されるか否かを判定する引き込み発生推定部としても機能する。また、操舵側制御部61は、車速SPDに応じて電圧制限値Vslimを変化させる。具体的には、操舵側制御部61は、車速SPDが中高速域で走行していることを示す中高速閾値SPDthよりも大きい場合には、車速SPDが中高速閾値SPDth以下の場合に比べ、所定電圧制限値Vslimを大きくする。なお、中高速域は、緊急回避が必要となる事態が発生し得るようなある程度速い速度を示す速度域であり、例えば40km/h以上の速度域に設定されている。
より詳しくは、デューティ制限部96は、図5に示すマップを参照することにより、エンド反力成分Fieの増大に基づいて所定電圧制限値Vslim(デューティ制限値αus**,αvs**,αws**)が小さくなるように変更するとともに、車速SPDの増大に基づいて所定電圧制限値Vslimが大きくなるように変更する。同図に示すマップは、エンド反力成分Fieが所定反力Fth以上となる領域において、エンド反力成分Fieの絶対値の増大に比例して所定電圧制限値Vslimが小さくなるとともに、車速SPDの増大に比例して所定電圧制限値Vslimが大きくなるように設定されている。
次に、引き込みが発生すると推定された場合における操舵反力の付与について説明する。
前提として、図6(a)に示すように、操舵側モータ14の回転数Ns(角速度)と出力トルクTsとの関係は、回転数Nsが大きくなるほど、出力トルクTsが減少する関係になる。また、操舵側モータ14への印加電圧Vsが大きくなるほど、出力トルクTs及び回転数Nsの最大値は大きくなる。
ここで、引き込みが発生すると推定されると、デューティ制限部96により操舵側モータ制御信号Msに示されるデューティ比が小さく制限されることで、印加電圧Vsが小さくなる。その結果、図6(b)に示すように、操舵側モータ14のN−T特性における回転数の最大値が小さくなり、運転者の操舵に応じて生じる操舵側モータ14の回転数が該最大値よりも大きくなりやすくなる。そして、操舵側モータ14で発生する誘起電圧が印加電圧Vsよりも大きくなると、回生電流が操舵側モータ14から車載電源27に流れる回生モードとなる。これにより、操舵側モータ14で発生する回生ブレーキが操舵反力となって、運転者に手応え感が付与される。
本実施形態の作用及び効果について説明する。
(1)引き込みが発生すると推定された場合に、操舵側モータ14への印加電圧Vsを制限し、運転者のステアリング操作に応じて操舵側モータ14に回生電流が流れる回生モードとするようにした。そのため、運転者がステアリング操作する際に、その操舵速度ωhに応じて回生ブレーキによる反力が操舵反力として操舵部3に付与される。したがって、引き込みが発生すると推定される場合に操舵装置2で消費される電流を低減しつつ、運転者にその操舵に応じた操舵反力を付与して違和感を与えることを抑制できる。
(2)操舵側制御部61は、目標操舵角θh*の絶対値が閾値角度θenを超えると、エンド反力成分Fieを演算するようにした。これにより、目標操舵角θh*が閾値角度を超えると、エンド反力成分Fieが演算されることで操舵反力が増大するため、操舵側モータ14で消費される電流が大きくなり、引き込み状態が発生しやすくなる。この点、本実施形態では、エンド反力成分Fieの絶対値が所定反力Fth以上となるか否かを判定することで、適切に引き込み状態の発生を推定できる。
(3)所定電圧制限値Vslimをエンド反力成分Fieの絶対値の増大に基づいて小さくなるように変更するようにしたため、エンド反力成分Fieが大きくなるほど、回生ブレーキによる反力を増大させることができ、運転者により大きな操舵反力を付与して違和感を与えることを好適に抑制できる。
(4)車速SPDが中高速閾値SPDthよりも大きい場合に、車速SPDが中高速閾値SPDth以下の場合に比べ、所定電圧制限値Vslimを大きくするようにしたため、車速SPDが中高速閾値SPDthよりも高い速度で走行している場合には、回生モードとなりにくくなる。そのため、例えば車両走行時に緊急回避のために速い操舵を行う際に、その操舵が阻害されることを防止できる。
(第2実施形態)
次に、操舵制御装置の第2実施形態を図面に従って説明する。なお、説明の便宜上、同一の構成については上記第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
図7に示すように、本実施形態の操舵側モータ制御信号生成部73には回転角θs、操舵側目標電流値Ids*,Iqs*、相電流値Ius,Ivs,Iws及び車速SPDに加え、操舵角θhが入力される。つまり、本実施形態では、エンド反力成分Fieに代えて、操舵角θhが入力される。そして、本実施形態の操舵側制御部61は、操舵角θhに基づいて、操舵側モータ制御信号Msに示されるデューティ比を制限することにより、操舵側モータ14への印加電圧Vsを所定電圧制限値Vslim以下とする。また、操舵側制御部61は、車速SPDが中高速閾値SPDthよりも大きい場合には、車速SPDが中高速閾値SPDth以下の場合に比べ、所定電圧制限値Vslimを大きくする。なお、操舵側モータ制御信号生成部73は、デューティ制限部96によるデューティ指令値αus*,αvs*,αws*の制限方法以外は、上記第1実施形態と同様に、操舵側モータ制御信号Msを生成する。
詳しくは、デューティ制限部96(図4参照)には、車速SPD及び操舵角θhが入力される。そして、デューティ制限部96は、操舵角θhの絶対値が所定操舵角θth以上である場合に、引き込みが発生すると推定し、デューティ指令値αus*,αvs*,αws*を所定電圧制限値Vslimに対応するデューティ制限値αus**,αvs**,αws**以下となるように制限する。なお、所定操舵角θthは、エンド反力成分演算部82でゼロよりも大きなエンド反力成分Fieが演算されることにより、操舵側モータ14でその反力を発生させた場合に消費される電流が過大になるようなエンド反力成分Fieに対応する操舵角θhであり、予め設定されている。一方、操舵角θhの絶対値が所定操舵角θth未満の場合には、引き込みが発生するとは推定せず、デューティ指令値αus*,αvs*,αws*を制限せずにそのまま制御信号生成部97に出力する。
デューティ制限部96は、図5に示すマップを参照することにより、操舵角θhの増大に基づいて所定電圧制限値Vslim(デューティ制限値αus**,αvs**,αws**)が小さくなるように変更するとともに、車速SPDの増大に基づいて所定電圧制限値Vslimが大きくなるように変更する。同図に示すマップは、操舵角θhが所定操舵角θth以上となる領域において、操舵角θhの絶対値の増大に比例して所定電圧制限値Vslimが小さくなるとともに、車速SPDの増大に比例して所定電圧制限値Vslimが大きくなるように設定されている。
このように構成された操舵制御装置1では、上記第1実施形態と同様に、引き込みが発生すると推定された場合に、操舵側モータ14が回生モードとなることにより、操舵反力が付与される。
次に、本実施形態の作用及び効果について記載する。なお、本実施形態では、上記第1実施形態の(1),(4)の作用及び効果に加えて以下の作用及び効果を有する。
(5)操舵側制御部61は、操舵角θhが閾値角度θenを超えると、エンド反力成分Fieを演算するようにした。そのため、操舵角θhの絶対値が閾値角度θenを超えると、エンド反力成分Fieが演算されることで操舵反力が増大するため、操舵側モータ14で消費される電流が大きくなり、引き込み状態が発生しやすくなる。この点を踏まえ、本実施形態では、操舵角θhの絶対値が所定操舵角θth以上となるか否かを判定することで、適切に引き込み状態の発生を推定できる。
(6)所定電圧制限値Vslimを操舵角θhの絶対値の増大に基づいて小さくなるように変更するため、操舵角θhが大きくなるほど、回生ブレーキによる反力を増大させることができ、運転者により大きな操舵反力を付与して違和感を与えることを好適に抑制できる。
(第3実施形態)
次に、操舵制御装置の第3実施形態を図面に従って説明する。なお、説明の便宜上、同一の構成については上記第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
図8に示すように、本実施形態の操舵側モータ制御信号生成部73には、回転角θs、操舵側目標電流値Ids*,Iqs*、相電流値Ius,Ivs,Iws及び車速SPDに加え、操舵角θhを微分することにより得られる操舵速度ωhが入力される。つまり、本実施形態では、エンド反力成分Fieに代えて、操舵速度ωhが入力される。そして、本実施形態の操舵側制御部61は、操舵速度ωhに基づいて、操舵側モータ制御信号Msに示されるデューティ比を制限することにより、操舵側モータ14への印加電圧Vsを所定電圧制限値Vslim以下とする。また、操舵側制御部61は、車速SPDが中高速閾値SPDthよりも大きい場合には、車速SPDが中高速閾値SPDth以下の場合に比べ、所定電圧制限値Vslimを大きくする。なお、操舵側モータ制御信号生成部73は、デューティ制限部96によるデューティ指令値αus*,αvs*,αws*の制限方法以外は、上記第1実施形態と同様に、操舵側モータ制御信号Msを生成する。
詳しくは、デューティ制限部96(図4参照)には、操舵速度ωh及び車速SPDが入力される。そして、デューティ制限部96は、操舵速度ωhが所定操舵速度ωth1以上である場合に、引き込みが発生すると推定し、デューティ指令値αus*,αvs*,αws*を所定電圧制限値Vslimに対応するデューティ制限値αus**,αvs**,αws**以下となるように制限する。なお、所定操舵速度ωth1は、操舵側モータ14で発生する誘起電圧が大きくなり、該操舵側モータ14で消費される電流が過大になるような比較的速い操舵速度であり、予め設定されている。一方、操舵速度ωhが所定操舵速度ωth1未満である場合には、引き込みが発生するとは推定せず、デューティ指令値αus*,αvs*,αws*を制限せずにそのまま制御信号生成部97に出力する。
デューティ制限部96は、図5に示すマップを参照することにより、操舵速度ωhの増大に基づいて所定電圧制限値Vslim(デューティ制限値αus**,αvs**,αws**)が小さくなるように変更するとともに、車速SPDの増大に基づいて所定電圧制限値Vslimが大きくなるように変更する。同図に示すマップは、操舵速度ωhが所定操舵速度ωth1以上となる領域において、操舵速度ωhの増大に比例して所定電圧制限値Vslimが小さくなるとともに、車速SPDの増大に比例して所定電圧制限値Vslimが大きくなるように設定されている。
このように構成された操舵制御装置1では、上記第1実施形態と同様に、引き込みが発生すると推定された場合に、操舵側モータ14が回生モードとなることにより、操舵反力が付与される。
次に、本実施形態の作用及び効果について記載する。なお、本実施形態では、上記第1実施形態の(1),(4)の作用及び効果に加えて以下の作用及び効果を有する。
(7)操舵速度ωhが高く、操舵側モータ14の角速度ωsが高くなる場合には、操舵側モータ14の誘起電圧が大きくなることで消費電流が大きくなり、引き込み状態が発生しやすくなる。この点、本実施形態では、ステアリングホイール11の操舵速度ωhの絶対値が所定操舵速度ωth1以上である場合に、引き込み状態であると推定するため、適切に引き込み状態の発生を推定できる。
(8)所定電圧制限値Vslimを操舵速度ωhの絶対値の増大に基づいて小さくなるように変更するため、操舵速度ωhが増大するほど、回生ブレーキによる反力を増大させることができ、運転者により大きな操舵反力を付与して違和感を与えることを好適に抑制できる。
(第4実施形態)
次に、操舵制御装置の第4実施形態を図面に従って説明する。なお、説明の便宜上、同一の構成については上記第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
図9に示すように、本実施形態の転舵側制御部63は、転舵側モータ43の角速度ωtに基づいて転舵側q軸目標電流値Iqt*の絶対値を上限値Itup以下に制限する転舵側電流値制限部111を備えている。転舵側電流値制限部111には、転舵側目標電流値Idt*,Iqt*に加えて、転舵側モータ43の回転角θtを微分することにより得られる角速度ωtが入力される。そして、転舵側電流値制限部111は、角速度ωtの増大に基づいて転舵側q軸目標電流値Iqt*の上限値Itupを制限する。
詳しくは、転舵側電流値制限部111は、転舵側q軸目標電流値Iqt*が上限値Itupよりも大きい場合には、該転舵側q軸目標電流値Iqt*の絶対値を上限値Itupと等しい値に制限し、転舵側モータ制御信号生成部103に出力する。
なお、転舵側電流値制限部111は、図10に示すマップを参照することにより、転舵側q軸目標電流値Iqt*の絶対値が上限値Itup以下の場合には、転舵側q軸目標電流値Iqt*を制限せず、そのまま転舵側モータ制御信号生成部103に出力する。上限値Itupは、角速度ωtが角速度閾値ωth2よりも小さな領域では一定に設定されるとともに、角速度閾値ωth2以上の領域では角速度ωtの増大に比例して連続的に小さくなるように設定されている。また、転舵側電流値制限部111は、入力される角速度ωtに応じた上限値Itupを操舵側モータ制御信号生成部73に出力する。
図9に示すように、本実施形態の操舵側モータ制御信号生成部73には、回転角θs、操舵側目標電流値Ids*,Iqs*、相電流値Ius,Ivs,Iws及び車速SPDに加え、上限値Itupが入力される。つまり、本実施形態では、エンド反力成分Fieに代えて、上限値Itupが入力される。そして、本実施形態の操舵側制御部61は、上限値Itupに基づいて、操舵側モータ制御信号Msに示されるデューティ比を制限することにより、操舵側モータ14への印加電圧Vsを所定電圧制限値Vslim以下とする。また、操舵側制御部61は、車速SPDが中高速閾値SPDthよりも大きい場合には、車速SPDが中高速閾値SPDth以下の場合に比べ、所定電圧制限値Vslimを大きくする。なお、操舵側モータ制御信号生成部73は、デューティ制限部96によるデューティ指令値αus*,αvs*,αws*の制限方法以外は、上記第1実施形態と同様に、操舵側モータ制御信号Msを生成する。
詳しくは、デューティ制限部96(図4参照)には、車速SPD及び上限値Itupが入力される。そして、デューティ制限部96は、上限値Itupが所定電流値Ith以下である場合に、引き込みが発生すると推定し、デューティ指令値αus*,αvs*,αws*を所定電圧制限値Vslimに対応するデューティ制限値αus**,αvs**,αws**以下となるように制限する。なお、所定電流値Ithは、該所定電流値Ithに対応する転舵側モータ43の角速度ωtが高く、転舵側モータ43で消費される電流が過大になるような電流値であり、予め設定されている。一方、上限値Itupが所定電流値Ithよりも大きい場合には、引き込みが発生するとは推定せず、デューティ指令値αus*,αvs*,αws*を制限せずにそのまま制御信号生成部97に出力する。
デューティ制限部96は、図11に示すマップを参照することにより、上限値Itupの減少に基づいて所定電圧制限値Vslim(デューティ制限値αus**,αvs**,αws**)が小さくなるように変更するとともに、車速SPDの増大に基づいて所定電圧制限値Vslimが大きくなるように変更する。同図に示すマップは、上限値Itupが所定電流値Ith以下となる領域において、上限値Itupの減少に比例して所定電圧制限値Vslimが小さくなるとともに、車速SPDの増大に比例して所定電圧制限値Vslimが大きくなるように設定されている。
このように構成された操舵制御装置1では、上記第1実施形態と同様に、引き込みが発生すると推定された場合に、操舵側モータ14が回生モードとなることにより、操舵反力が付与される。
次に、本実施形態の作用及び効果について記載する。なお、本実施形態では、上記第1実施形態の(1),(4)の作用及び効果に加えて以下の作用及び効果を有する。
(9)転舵側制御部63は、転舵側モータ43の角速度ωtの増大に基づいて、該転舵側モータ43で発生させる転舵力の目標値となる転舵側q軸目標電流値Iqt*の上限値Itupを制限するようにした。そのため、転舵側q軸目標電流値Iqt*の上限値Itupが所定電流値Ith以下となる場合、すなわち転舵側モータ43の角速度ωtの大きい状態では、該転舵側モータ43の誘起電圧が大きくなることで消費される電流が大きくなり、引き込み状態が発生しやすくなる。この点、本実施形態では、上限値Itupが所定電流値Ith以下であるか否かを判定することで、適切に引き込み状態の発生を推定できる。
(10)所定電圧制限値Vslimを上限値Itupの減少に基づいて小さくなるように変更するため、転舵側q軸目標電流値Iqt*の上限値Itupが小さくなる、すなわち転舵側モータ43の角速度ωtが高くなるほど、所定電圧制限値Vslimが制限される。これにより、回生ブレーキによる反力を増大させることができ、運転者により大きな操舵反力を付与して違和感を与えることを好適に抑制できる。
上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。各実施形態及び以下の変形例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記第1実施形態において、エンド反力成分Fieに基づいて操舵側モータ14への印加電圧Vsを制限する構成のみでなく、例えば上記第2実施形態の操舵角θhに基づいて印加電圧Vsを制限する構成等を組み合わせてもよい。さらに、例えば上記第3実施形態の操舵速度ωhに基づいて印加電圧Vsを制限する構成、及び上記第4実施形態の転舵側q軸目標電流値Iqt*の上限値Itupに基づいて印加電圧Vsを制限する構成を組み合わせてもよく、その組み合わせは適宜変更可能である。
・上記第1実施形態では、所定電圧制限値Vslimをエンド反力成分Fieの絶対値の増大に比例して小さくなるように変更したが、これに限らず、例えばエンド反力成分Fieの絶対値の増大に対して二次関数的に小さくなるように変更してもよく、所定電圧制限値Vslimを小さくする態様は適宜変更可能である。また、エンド反力成分Fieの絶対値の増大によらず、所定電圧制限値Vslimを一定としてもよい。
同様に上記第2実施形態において、操舵角θhの絶対値の増大に対して所定電圧制限値Vslimを小さくする態様は適宜変更可能であり、また、操舵角θhの絶対値の増大によらず、所定電圧制限値Vslimを一定としてもよい。同様に上記第3実施形態において、操舵速度ωhの絶対値の増大に対して所定電圧制限値Vslimを小さくする態様は適宜変更可能であり、また、操舵速度ωhの絶対値の増大によらず、所定電圧制限値Vslimを一定としてもよい。同様に上記第4実施形態において、転舵側q軸目標電流値Iqt*の上限値Itupの減少に対して所定電圧制限値Vslimを小さくする態様は適宜変更可能であり、また、上限値Itupの減少によらず、所定電圧制限値Vslimを一定としてもよい。
・上記各実施形態では、車速SPDの増大に比例して所定電圧制限値Vslimを大きくなるように変更したが、これに限らず、例えば車速SPDの増大に対して二次関数的に大きくなるように変更してもよく、所定電圧制限値Vslimを大きくする態様は適宜変更可能である。また、車速SPDが増大によって所定電圧制限値Vslimを変更しなくともよい。
・上記第4実施形態では、上限値Itupを角速度ωtが角速度閾値ωth2よりも小さな領域では一定に設定されるとともに、角速度閾値ωth2以上の領域では角速度ωtの増大に比例して連続的に小さくなるように設定した。しかし、これに限らず、例えば上限値Itupを角速度ωtの全域に亘り、該角速度ωtの増大に基づいて小さくなるように設定してもよく、その変更態様は適宜変更可能である。
・上記各実施形態では、目標操舵角θh*が閾値角度θenを超えると、エンド反力成分Fieに基づく操舵反力が付与されるようにしたが、これに限らず、例えばエンド反力成分演算部82に操舵角θhを入力し、操舵角θhが閾値角度θenを超える場合にエンド反力成分Fieに基づく操舵反力が付与されるようにしてもよい。また、例えば目標転舵対応角又は転舵対応角θpが閾値角度θenを超える場合にエンド反力成分Fieに基づく操舵反力が付与されるようにしてもよい。
さらに、操舵角θhと転舵対応角θpとの舵角比を可変とする構成を採用してもよく、この場合には、目標操舵角θh*及び操舵角θhのいずれか一方と、目標転舵対応角及び転舵対応角θpのいずれか一方との大小比較を行い、大きな方が閾値角度θenを超える場合にエンド反力成分Fieに基づく操舵反力が付与されるようにしてもよい。
・上記各実施形態では、閾値角度θenを仮想ラックエンド近傍位置での転舵対応角θpの値に設定した。しかし、これに限らず、例えば仮想ラックエンド近傍位置での転舵対応角θpの絶対値がステアリングホイール11の回転エンド位置での操舵角θhよりも大きい場合には、閾値角度θenを回転エンド位置での操舵角θhの値に設定してもよい。
・上記第3及び第4実施形態において、目標操舵角設定部71がエンド反力成分演算部82を備えず、目標操舵角演算部83が入力トルクTrq*及び車速SPDに基づいて目標操舵角θh*を演算するようにしてもよい。
・上記第1実施形態ではエンド反力成分Fie、上記第2実施形態では操舵角θh、上記第3実施形態では操舵速度ωh、上記第4実施形態では転舵側目標電流値Iqt*の上限値Itupに基づいて引き込みが発生すると推定した。しかし、これに限らず、例えば車載電源27と操舵側駆動回路62及び転舵側駆動回路64との間に電流センサを設け、該電流センサにより検出される電流値に基づいて引き込みが発生すると推定してもよく、その推定態様は適宜変更可能である。
・上記各実施形態では、目標操舵角設定部71が操舵トルクTrq及び車速SPDに基づいて目標操舵角θh*を設定したが、これに限らず、少なくとも操舵トルクTrqに基づいて設定されれば、例えば車速SPDを用いずともよい。
・上記各実施形態において、操舵角θhを、例えばステアリングシャフト12に設けられる舵角センサにより直接検出してもよく、また転舵対応角θpを、例えば第1ピニオン軸31に設けられる舵角センサにより直接検出してもよい。
・上記各実施形態において、引き込みが発生すると推定される場合に、転舵側q軸目標電流値Iqt*の上限値を所定転舵側目標電流値以下に制限することにより、操舵装置2で消費する電流を制限してもよい。
・上記各実施形態では、操舵制御装置1の制御対象となる操舵装置2を、操舵部3と転舵部5とを機械的に分離したリンクレスのステアバイワイヤ式操舵装置としたが、これに限らず、クラッチにより操舵部3と転舵部5とを機械的に断接可能なステアバイワイヤ式操舵装置としてもよい。
例えば図12に示す例では、操舵部3と転舵部5との間には、クラッチ121が設けられている。クラッチ121は、その入力側要素に固定された入力側中間軸122を介してステアリングシャフト12に連結されるとともに、その出力側要素に固定された出力側中間軸123を介して第1ピニオン軸31に連結されている。そして、操舵制御装置1からの制御信号によりクラッチ121が解放状態となることで、操舵装置2はステアバイワイヤモードとなり、クラッチ121が締結状態となることで、操舵装置2は電動パワーステアリングモードとなる。
次に、上記各実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)前記操舵側制御部は、前記操舵側モータの作動を制御するための操舵側モータ制御信号に示されるデューティ比を制限することにより、前記操舵側モータへの印加電圧を所定電圧制限値以下に制限する操舵制御装置。
1…操舵制御装置、2…操舵装置、3…操舵部、4…転舵輪、5…転舵部、11…ステアリングホイール、12…ステアリングシャフト、13…操舵側アクチュエータ、14…操舵側モータ、21…スパイラブルケーブル装置、27…車載電源、41…転舵側アクチュエータ、43…転舵側モータ、61…操舵側制御部、62…操舵側駆動回路、63…転舵側制御部、64…転舵側駆動回路、71…目標操舵角設定部、72…操舵側目標電流値演算部、73…操舵側モータ制御信号生成部、74…操舵角演算部、81…入力トルク基礎成分演算部、82…エンド反力成分演算部、83…目標操舵角演算部、96…デューティ制限部(引き込み発生推定部)、97…制御信号生成部、101…転舵対応角演算部、102…転舵側目標電流値演算部、103…転舵側モータ制御信号生成部、111…転舵側電流値制限部、121…クラッチ、Fie…エンド反力成分、Fth…所定反力、Iqt*…転舵側q軸目標電流値、Ith…所定電流値、Ms…操舵側モータ制御信号、Mt…転舵側モータ制御信号、SPD…車速、Trq…操舵トルク、ωth2…角速度閾値、Itup…上限値、Trq*…入力トルク、αus**,αvs**,αws**…デューティ制限値、SPDth…中高速閾値、Trq**…補正入力トルク、Vslim…電圧制限値、θh…操舵角、θth…所定操舵角、θp…転舵対応角、θs,θt…回転角、θen…閾値角度、θh*…目標操舵角、ωh…操舵速度、ωth1…所定操舵速度、ωt…角速度、ωth2…角速度閾値。

Claims (10)

  1. 運転者により操舵されるステアリングホイールに連結される操舵部と、運転者による前記操舵部の操舵に応じて転舵輪を転舵させる転舵部とが機械的に断接可能な構造又は分離した構造を有する操舵装置を制御対象とし、
    前記操舵部に運転者のステアリング操作に抗する反力である操舵反力を付与する操舵側モータの作動を制御する操舵側制御部と、
    前記転舵部に前記転舵輪を転舵させる転舵力を付与する転舵側モータの作動を制御する転舵側制御部と、
    車載電源から過大な電流を引き込もうとする引き込みが発生すると推定される状況か否かを判定する引き込み発生推定部とを備え、
    前記操舵側制御部は、前記引き込みが発生すると推定された場合に、前記操舵側モータへの印加電圧を所定電圧制限値以下に制限することにより、ステアリング操作に応じて前記操舵側モータに回生電流が流れる回生モードとする操舵制御装置。
  2. 請求項1に記載の操舵制御装置において、
    前記操舵側制御部は、
    前記ステアリングホイールの操舵角が前記操舵装置に応じて設定された舵角閾値を超える状況になる場合に、前記操舵反力を増加させるエンド反力成分を演算するエンド反力成分演算部と、
    操舵トルクに応じた入力トルク及び前記エンド反力成分に基づいて目標操舵角を演算する目標操舵角演算部とを備え、
    前記操舵角を前記目標操舵角に追従させるフィードバック制御の実行に基づいて前記操舵側モータの作動を制御するための操舵側モータ制御信号を生成するものであり、
    前記引き込み発生推定部は、前記エンド反力成分の絶対値が所定反力以上である場合に、前記引き込みが発生すると推定する操舵制御装置。
  3. 請求項2に記載の操舵制御装置において、
    前記所定電圧制限値は、前記エンド反力成分の絶対値の増大に基づいて小さくなるように変更される操舵制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の操舵制御装置において、
    前記操舵側制御部は、
    前記ステアリングホイールの操舵角が前記操舵装置に応じて設定された舵角閾値を超える状況になる場合に、前記操舵反力を増加させるエンド反力成分を演算するエンド反力成分演算部と、
    操舵トルクに応じた入力トルク及び前記エンド反力成分に基づいて目標操舵角を演算する目標操舵角演算部とを備え、
    前記操舵角を前記目標操舵角に追従させるフィードバック制御の実行に基づいて前記操舵側モータの作動を制御するための操舵側モータ制御信号を生成するものであり、
    前記引き込み発生推定部は、前記操舵角の絶対値が所定操舵角以上である場合に、前記引き込みが発生すると推定する操舵制御装置。
  5. 請求項4に記載の操舵制御装置において、
    前記所定電圧制限値は、前記操舵角の絶対値の増大に基づいて小さくなるように変更される操舵制御装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の操舵制御装置において、
    前記引き込み発生推定部は、前記ステアリングホイールの操舵速度の絶対値が所定操舵速度以上である場合に、前記引き込みが発生すると推定する操舵制御装置。
  7. 請求項6に記載の操舵制御装置において、
    前記所定電圧制限値は、前記操舵速度の絶対値の増大に基づいて小さくなるように変更される操舵制御装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の操舵制御装置において、
    前記転舵側制御部は、前記転舵側モータの角速度の絶対値の増大に基づいて、該転舵側モータで発生させる転舵力の目標値となる転舵側目標電流値の絶対値を上限値以下に制限するものであって、
    前記引き込み発生推定部は、前記上限値が所定電流値以下である場合に、前記引き込みが発生すると推定する操舵制御装置。
  9. 請求項8に記載の操舵制御装置において、
    前記所定電圧制限値は、前記上限値の減少に基づいて小さくなるように変更される操舵制御装置。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の操舵制御装置において、
    前記操舵側制御部は、車速が中高速域で走行していることを示す中高速閾値よりも大きい場合には、前記車速が前記中高速閾値以下の場合に比べ、前記所定電圧制限値を大きくする操舵制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114867652A (zh) * 2019-12-18 2022-08-05 日本精工株式会社 车辆用转向装置

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