JP7093504B2 - ドライバトルク推定装置およびそれを備えた操舵装置 - Google Patents
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Description
請求項2に記載の発明は、前記基本ドライバトルク推定部は、前記基本ドライバトルクを推定するとともに、前記ステアリングホイールの回転角を推定するように構成されており、前記重力トルク演算部は、前記基本ドライバトルク推定部によって推定される前記ステアリングホイールの回転角を用いて、前記重力トルクを演算するように構成されている、請求項1に記載のドライバトルク推定装置である。
請求項4に記載の発明は、前記基本ドライバトルク推定部は、前記基本ドライバトルクを推定するとともに、前記ステアリングホイールの回転角および前記ステアリングホイールの角速度を推定するように構成されており、前記重力トルク演算部は、前記基本ドライバトルク推定部によって推定される前記ステアリングホイールの回転角を用いて、前記重力トルクを演算するように構成されており、前記摩擦トルク演算部は、前記基本ドライバトルク推定部によって推定される前記ステアリングホイールの角速度を用いて、前記クーロン摩擦トルクを演算するように構成されている、請求項3に記載のドライバトルク推定装置である。
請求項7に記載の発明は、前記手動操舵指令値生成部は、前記ドライバトルク推定手段によって推定されたドライバトルクに基づいて、アシストトルク指令値を設定するアシストトルク指令値設定部(151)を含み、前記手動操舵指令値生成部は、前記ドライバトルクと前記アシストトルク指令値とを用いて、前記手動操舵指令値を生成するように構成されている、請求項6に記載の操舵装置である。
また、この構成では、運転者がハンドルを操作していない場合に、ドライバトルク以外の外乱に基づいて、手動操舵指令値が設定されるのを抑制することができる。
また、この構成では、運転者がハンドルを操作していない場合に、ドライバトルク以外の外乱に基づいて、手動操舵指令値が設定されるのを抑制することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るドライバトルク推定装置が適用された電動パワーステアリング装置の概略構成を示す模式図である。
この電動パワーステアリング装置(車両用操舵装置)1は、コラム部に電動モータと減速機とが配置されているコラムアシスト式電動パワーステアリング装置(以下、「コラム式EPS」という)である。
ステアリングシャフト6の周囲には、トルクセンサ11が設けられている。トルクセンサ11は、第1軸8および第2軸9の相対回転変位量に基づいて、トーションバー10に加えられているトーションバートルクTtbを検出する。トルクセンサ11によって検出されるトーションバートルクTtbは、ECU(電子制御ユニット:Electronic Control Unit)12に入力される。
操舵補助機構5は、操舵補助力を発生するための電動モータ18と、電動モータ18の出力トルクを増幅して転舵機構4に伝達するための減速機19とを含む。この実施形態では、電動モータ18は、三相ブラシレスモータである。減速機19は、ウォームギヤ20と、このウォームギヤ20と噛み合うウォームホイール21とを含むウォームギヤ機構からなる。減速機19は、ギヤハウジング22内に収容されている。以下において、減速機19の減速比(ギヤ比)をNで表す場合がある。減速比Nは、ウォームホイール21の角速度ωwwに対するウォームギヤ20の角速度ωwgの比ωwg/ωwwとして定義される。
電動モータ18は運転者の操舵状態に応じて駆動され、電動モータ18によってウォームギヤ20が回転駆動される。これにより、ウォームホイール21が回転駆動され、ステアリングシャフト6にモータトルクが付与されるとともにステアリングシャフト6(第2軸9)が回転する。そして、ステアリングシャフト6の回転は、中間軸7を介してピニオン軸13に伝達される。ピニオン軸13の回転は、ラック軸14の軸方向移動に変換される。これにより、転舵輪3が転舵される。すなわち、電動モータ18によってウォームギヤ20を回転駆動することによって、電動モータ18による操舵補助が可能となっている。
図2は、ECU12の電気的構成を示す概略図である。
マイクロコンピュータ40は、CPUおよびメモリ(ROM、RAM、不揮発性メモリなど)を備えており、所定のプログラムを実行することによって、複数の機能処理部として機能するようになっている。この複数の機能処理部には、モータ制御部41と、ハンドル操作状態判定部42とが含まれる。
具体的には、モータ制御部41は、トーションバートルクTtbおよび車速Vに基づいて、電動モータ18に流れるモータ電流の目標値である電流指令値を設定する。電流指令値は、操舵状況に応じた操舵補助力(アシストトルク)の目標値に対応している。そして、モータ制御部41は、電流検出部32によって検出されるモータ電流が電流指令値に近づくように、駆動回路31を駆動制御する。
図3は、ハンドル操作状態判定部42の電気的構成を示すブロック図である。
トーションバートルクTtbは、次式(1)によって表される。
Ttb=Td-Jsw・d2θsw/dt2+Tc+Tg+Tf…(1)
Jsw:ステアリングホイール慣性
θsw:ステアリングホイール回転角
d2θsw/dt2:ステアリングホイール角加速度
Jsw・d2θsw/dt2:ステアリングホイール慣性トルク
Tc:ステアリングホイール2に作用する粘性摩擦トルク
Tg:ステアリングホイール2の重心に作用する重力によって第1軸8に与えられる重力トルク
Tf:第1軸8およびステアリングホイール2に作用するクーロン摩擦トルク
トーションバートルクTtbおよびドライバトルクTdの符号は、この実施形態では、左操舵方向のトルクの場合には正となり、右操舵方向のトルクの場合には負となるものとする。ステアリングホイール回転角θswは、ステアリングホイール2の中立位置からの正逆回転量を表し、この実施形態では、中立位置から左方向への回転量が正の値となり、中立位置から右方向への回転量が負の値となるものとする。
Td=Ttb+Jsw・d2θsw/dt2-Tc-Tg-Tf
=Tdo-Tg-Tf …(2)
ただし、Tdo=Ttb+Jsw・d2θsw/dt2-Tcである。Tdoは、ステアリングホイール慣性トルクJsw・d2θsw/dt2および粘性摩擦トルクTcは考慮されているが、重力トルクTgおよびクーロン摩擦トルクTfが考慮されていないドライバトルクである。Tdoは、本願発明の基本ドライバトルクの一例である。この実施形態では、Tdo=Ttb+Jsw・d2θsw/dt2-Tcで表されるTdoを、基本ドライバトルクという場合がある。
ウォームホイール回転角演算部61は、回転角センサ25の出力信号に基づいて、電動モータ18の出力軸の回転角(以下、「ロータ回転角θm」という。)を演算し、得られロータ回転角θmに基づいて、ウォームホイール21の回転角(以下、「ウォームホイール回転角θww」という。)を演算する。具体的には、ロータ回転角θmを減速機19の減速比Nで除算することにより、ウォームホイール回転角θwwを演算する。
拡張状態オブザーバ62は、コラム式EPSの物理モデルを使用して、基本ドライバトルクTdo、ステアリングホイール回転角θswおよびステアリングホイール角速度dθsw/dtを推定する。
1慣性系モデルM1は、ステアリングホイールを含む。ステアリングホイールには、ドライバトルクTswが入力する。
Jsw:ステアリングホイール慣性
Tsw:ドライバトルク
Ttb:トーションバートルク
ktb:トーションバー剛性
csw:ステアリングホイール粘性
N:減速比
θsw:ステアリングホイール回転角
dθsw/dt:ステアリングホイール角速度
Jeg:ロアコラム慣性
θww:ウォームホイール回転角
dθww/dt:ウォームホイール角速度
Tls:負荷トルク(逆入力トルク)
この実施形態では、拡張状態オブザーバ62は、1慣性系モデルM1を使用し、拡張外乱状態オブザーバ(外乱オブザーバ)を用いてドライバトルクTswを推定する。拡張状態オブザーバ62によって推定されるドライバトルクTswは、後述するように、前述した基本ドライバトルクTdoに相当する。
式(3)において、ktb(θsw-θww)は、前記式(1)のトーションバートルクTtbに相当し、csw・(dθsw/dt)は、前記式(1)の粘性摩擦トルクTcに相当するので、式(3)のドライバトルクTswは、前記式(2)のTdoに相当する。
拡張状態オブザーバ62は、De乗算器71と、Ce乗算器72と、第1加算器73と、L1乗算器74と、L2乗算器75と、L3乗算器76と、Be乗算器77とを含む。拡張状態オブザーバ62は、さらに、-ktb/Jsw乗算器78と、-csw/Jsw乗算器79と、1/Jsw乗算器80と、第2加算器81と、第3加算器82と、第4加算器83と、第1積分器84と、第2積分器85と、第3積分器86とを含む。
第1積分器84、第2積分器85および第3積分器86の出力が、それぞれ状態変数ベクトル^xe(前記式(5)参照)に含まれるステアリングホイール回転角θsw、ステアリングホイール角速度dθsw/dtおよび基本ドライバトルクTsw(=Tdo)となる。演算開始時には、θsw、dθsw/dtおよびTswとして初期値が与えられる。θsw、dθsw/dtおよびTswの初期値は、たとえば0である。
Ce乗算器72は、θswにktbを乗算する。つまり、Ce乗算器72は、前記式(4)におけるCe・^xeを演算する。De乗算器71は、ウォームホイール回転角演算部61によって演算されるウォームホイール回転角θwwに-ktbを乗算する。つまり、Ce乗算器72は、前記式(4)におけるDe・u1を演算する。
第3積分器86は、L3乗算器76の出力(L3・(y-^y))を積分することにより、基本ドライバトルクTsw(=Tdo)を演算する。
図6Aに示すように、ステアリングホイール2の回転平面における重心位置Gと、回転中心位置C(ステアリングホイール2の回転平面と第1軸8の中心軸線との交点)とは一致しない。ステアリングホイール2の回転平面における重心位置Gと回転中心位置Cとの間の距離をオフセット距離dcgということにする。また、ステアリングホイール2の質量をmとし、重力加速度をgcgとする。
Tg=-Ggr・sin(θsw) …(13)
Ggrは、重力トルク係数であり、ステアリングホイール2の質量mと重力加速度gcgとオフセット距離dcgとステアリングホイール傾き角δの余弦値cos(δ)との積m・gcg・dcg・cos(δ)に応じた値である。sin(θsw)は、ステアリングホイール回転角θswの正弦値である。
重力トルク係数Ggrは、次のようにして求めることもできる。すなわち、手放し状態でステアリングホイール回転角θswをパラメータとして定常状態におけるトーションバートルクTtbを測定する。ステアリングホイール回転角θswが90度のときのトーションバートルクTtbの絶対値を、重力トルク係数Ggrとして求める。
図3に戻り、摩擦トルク演算部64は、拡張状態オブザーバ62によって推定されたステアリングホイール角速度dθsw/dtに基づいて、クーロン摩擦トルクTfを演算する。
摩擦トルク演算部64は、式(14)に基づいてクーロン摩擦トルクTfを演算する。
Tf=-Gf・tanh(η・LPF(dθsw/dt)) …(14)
Gf:クーロン摩擦トルク係数
η:クーロン摩擦トルク変化勾配(絶対値)
LPF(dθsw/dt):ステアリングホイール角速度dθsw/dtに対して1次遅れ系のフィルタ処理が施された値(以下、「フィルタ処理後のステアリングホイール角速度LPF(dθsw/dt)」という)
クーロン摩擦トルク係数Gfは、次のようにして求めることができる。手放し状態で、電動モータ18により第2軸9に付与されるモータトルクを徐々に大きくし、ステアリングホイール角速度dθsw/dtの絶対値がゼロよりも大きくなった時点、即ち、ステアリングホイール2が動き始めた時点でのトーションバートルクTtbの絶対値をクーロン摩擦トルク係数Gfとして求める。クーロン摩擦トルク変化勾配ηについては、チューニングによって決定する。
図10は、ハンズオン/オフ判定部52の動作を説明するための状態遷移図である。
ハンズオン/オフ判定部52は、ドライバのハンドル操作状態として、「閾値より上のハンズオン状態(ST1)」と、「閾値以下のハンズオン状態(ST2)」と、「閾値以下のハンズオフ状態(ST3)」と、「閾値より上のハンズオフ状態(ST4)」との4状態を識別する。
前述の実施形態では、ステアリングホイール2の重心Gに作用する重力によって第1軸8に与えられる重力トルクTgを考慮して、ドライバトルクTdが演算されるため、高精度にドライバトルクを推定できる。また、この構成では、重力トルクTgの他、第1軸8およびステアリングホイール2に作用するクーロン摩擦トルクTfをも考慮して、ドライバトルクTdが演算されるため、より高精度にドライバトルクを推定できる。
以上、本発明の第1実施形態について説明したが、この発明はさらに他の形態で実施することもできる。例えば、前述の実施形態では、重力トルク演算部63による重力トルクTgの演算に用いられるステアリングホイール回転角としては、拡張状態オブザーバ62によって推定されたステアリングホイール回転角θswが用いられている。また、摩擦トルク演算部64によるクーロン摩擦トルクTfの演算に用いられるステアリングホイール角速度としては、拡張状態オブザーバ62によって推定されたステアリングホイール角速度dθsw/dtが用いられている。しかしながら、ステアリングホイール2の回転角を検出する舵角センサを設けて、この舵角センサによって検出されるステアリングホイール回転角θswを、重力トルク演算部63による重力トルクTgの演算に用いるようにしてもよい。また、舵角センサによって検出されるステアリングホイール回転角θswを時間微分することによって得られるステアリングホイール角速度dθsw/dtを、摩擦トルク演算部64によるクーロン摩擦トルクTfの演算に用いるようにしてもよい。
前述の実施形態では、この発明をコラム式EPSに適用した場合につい説明したが、この発明は、アシスト用の電動モータ18が減速機を介してピニオン軸13に連結されたピニオンアシスト式EPSにも適用することができる。この場合にも、図4のモデルを使用できるので、ドライバトルクTdを前述の実施形態と同様な方法によって推定することができる。
図11は、本発明の一実施形態に係る操舵装置が適用された電動パワーステアリング装置の概略構成を示す模式図である。図11において、前述の図1の各部に対応する部分には同じ符号を付して示す。
図11の電動パワーステアリング装置1Aの機械的構成は、前述の図1の電動パワーステアリング装置1の機械的構成と同様なので、その説明を省略する。
CCDカメラ125、GPS126、レーダー127および地図情報メモリ128は、自動支援制御や自動運転制御を行うための上位ECU(ECU:Electronic Control Unit)201に接続されている。上位ECU201は、CCDカメラ125、GPS126およびレーダー127によって得られる情報および地図情報を元に、周辺環境認識、自車位置推定、経路計画等を行い、操舵や駆動アクチュエータの制御目標値の決定を行う。
トルクセンサ11は、第1軸8および第2軸9の相対回転変位量に基づいて、トーションバー10に加えられているトーションバートルクTtbを検出する。回転角センサ25は、電動モータ18のロータの回転角(以下、「ロータ回転角」という)を検出する。モータ制御用ECU202は、これらのセンサの出力信号および上位ECU201から与えられる情報に基づいて、電動モータ18を制御する。
モータ制御用ECU202は、マイクロコンピュータ140と、マイクロコンピュータ140によって制御され、電動モータ18に電力を供給する駆動回路(インバータ回路)131と、電動モータ18に流れる電流(以下、「モータ電流I」という)を検出するための電流検出回路132とを備えている。
手動操舵指令値生成部141は、運転者がハンドル2を操作した場合に、当該ハンドル操作に応じた操舵角(より正確には第2軸9の回転角θ)を手動操舵指令値θmdacとして設定するために設けられている。手動操舵指令値生成部141は、ドライバトルク推定部51によって推定されたドライバトルクTdを用いて手動操舵指令値θmdacを生成する。手動操舵指令値生成部141の詳細については後述する。
制御部143は、統合角度指令値θacmdに基づいて、電動モータ18を角度制御する。より具体的には、制御部143は、操舵角θ(第2軸9の回転角θ)が統合角度指令値θacmdに近づくように、駆動回路131を駆動制御する。
トルク制御部145は、例えば、まず、モータトルク指令値Tmcを電動モータ18のトルク定数Ktで徐算することにより、電流指令値Icmdを演算する。そして、トルク制御部145は、電流検出回路132によって検出されるモータ電流Iが電流指令値Icmdに近づくように駆動回路131を駆動する。
手動操舵指令値生成部141は、アシストトルク指令値設定部151と、指令値設定部152とを含む。
アシストトルク指令値設定部151は、手動操舵に必要なアシストトルクの目標値であるアシストトルク指令値Tacを設定する。アシストトルク指令値設定部151は、ドライバトルク推定部51によって推定されたドライバトルクTdに基づいて、アシストトルク指令値Tacを設定する。ドライバトルクTdに対するアシストトルク指令値Tacの設定例は、図14に示されている。ドライバトルクTdは、例えば左方向への操舵のためのトルクが正の値にとられ、右方向への操舵のためのトルクが負の値にとられている。また、アシストトルク指令値Tacは、電動モータ18から左方向操舵のための操舵補助力を発生させるべきときには正の値とされ、電動モータ18から右方向操舵のための操舵補助力を発生させるべきときには負の値とされる。
なお、アシストトルク指令値設定部151は、ドライバトルクTdに予め設定された定数を乗算することによって、アシストトルク指令値Tacを演算してもよい。
図15は、指令値設定部152で用いられるリファレンスEPSモデルの一例を示す模式図である。
このリファレンスEPSモデルは、ロアコラムを含む単一慣性モデルである。ロアコラムは、第2軸9およびウォームホイール21に対応する。図15において、Jcは、ロアコラムの慣性であり、θcはロアコラムの回転角であり、Ttbは、トーションバートルクである。ロアコラムには、トーションバートルクTtb、電動モータ18から第2軸9に作用するトルクN・Tmcおよび路面負荷トルクTrlが与えられる。路面負荷トルクTrlは、ばね定数kおよび粘性減衰係数cを用いて、次式(15)で表される。
この実施形態におけるばね定数kおよび粘性減衰係数cは、予め実験・解析等で求められた所定値が設定されている。
リファレンスEPSモデルの運動方程式は、次式(16)で表される。
Jc・d2θc/dt2=Ttb+N・Tmc-k・θc-c(dθc/dt)…(16)
指令値設定部152は、この式(16)を利用して、手動操舵指令値θmdacを設定する。その際、N・Tmcとしては、アシストトルク指令値設定部151(図13参照)によって設定されるアシストトルク指令値Tacが用いられる。
図16は、図13の手動操舵指令値生成部の変形例を示すブロック図である。
手動操舵指令値生成部141Aは、アシストトルク指令値設定部151Aおよび指令値設定部152Aを含んでいる。指令値設定部152Aには、トルクセンサ11によって検出されるトーションバートルクTtbおよびアシストトルク指令値設定部151Aによって設定されたアシストトルク指令値Tacが入力する。アシストトルク指令値設定部151Aは、トルクセンサ11によって検出されるトーションバートルクTtbに基づいて、アシストトルク指令値Tacを設定する。トーションバートルクTtbに対するアシストトルク指令値Tacの設定例は、図14の横軸をドライバトルクTdからトーションバートルクTtbに置き換えたものを用いることができる。また、指令値設定部152Aには、ドライバトルク推定部51によって推定されたドライバトルクTdが与えられる。
モータ制御用ECU202Aは、図12のモータ制御用ECU202と比べて、マイクロコンピュータ140A内のCPUによって実現される機能処理部の構成が異なっている。マイクロコンピュータ140Aは、機能処理部として、ハンドル操作状態判定部42と、手動操舵指令値生成部141Bと、統合角度指令値演算部142と、制御部143とを含む。
統合角度指令値演算部142は、上位ECU201によって設定される自動操舵指令値θadacに手動操舵指令値θmdacを加算して、統合角度指令値θacmdを演算する。
図18は、手動操舵指令値生成部141Bの構成を示すブロック図である。
手動操舵指令値生成部141Bは、アシストトルク指令値設定部151Aと、指令値設定部152Bとを含む。
指令値設定部152Bには、トルクセンサ11によって検出されるトーションバートルクTtbおよびアシストトルク指令値設定部151Aによって設定されたアシストトルク指令値Tacが入力する。また、指令値設定部152Bには、ハンドル操作状態判定部42の出力信号(ハンズオン/オフ状態信号)が与えられる。
また、前述第2実施形態では、この発明をコラムタイプEPSに適用した場合の例を示したが、この発明は、コラムタイプ以外のEPSにも適用することができる。また、この発明は、ステアバイワイヤシステムにも適用することができる。
Claims (11)
- 車両を操舵するためのステアリングホイールが連結された第1軸と、
前記第1軸にトーションバーを介して連結された第2軸と、
前記トーションバーに加えられているトーションバートルクを検出するためのトルク検出部と、
前記第2軸の回転角を取得する回転角取得部と、
前記トーションバートルクと前記第2軸の回転角とに基づいて、外乱オブザーバによって基本ドライバトルクを推定する基本ドライバトルク推定部と、
前記ステアリングホイールの回転角を用いて、前記ステアリングホイールの重心に作用する重力によって前記第1軸に与えられる重力トルクを演算する重力トルク演算部と、
前記基本ドライバトルク推定部によって推定される前記基本ドライバトルクと、前記重力トルク演算部によって演算される前記重力トルクとを用いて、ドライバトルクを推定するドライバトルク推定部とを含む、ドライバトルク推定装置。 - 前記基本ドライバトルク推定部は、前記基本ドライバトルクを推定するとともに、前記ステアリングホイールの回転角を推定するように構成されており、
前記重力トルク演算部は、前記基本ドライバトルク推定部によって推定される前記ステアリングホイールの回転角を用いて、前記重力トルクを演算するように構成されている、請求項1に記載のドライバトルク推定装置。 - 前記ステアリングホイールの角速度を用いて、前記ステアリングホイールおよび前記第1軸に作用するクーロン摩擦トルクを演算する摩擦トルク演算部をさらに含み、
前記ドライバトルク推定部は、前記基本ドライバトルク推定部によって推定される前記基本ドライバトルクと、前記重力トルク演算部によって演算される前記重力トルクと、前記摩擦トルク演算部によって演算される前記クーロン摩擦トルクとを用いて、ドライバトルクを推定するように構成されている、請求項1に記載のドライバトルク推定装置。 - 前記基本ドライバトルク推定部は、前記基本ドライバトルクを推定するとともに、前記ステアリングホイールの回転角および前記ステアリングホイールの角速度を推定するように構成されており、
前記重力トルク演算部は、前記基本ドライバトルク推定部によって推定される前記ステアリングホイールの回転角を用いて、前記重力トルクを演算するように構成されており、
前記摩擦トルク演算部は、前記基本ドライバトルク推定部によって推定される前記ステアリングホイールの角速度を用いて、前記クーロン摩擦トルクを演算するように構成されている、請求項3に記載のドライバトルク推定装置。 - 前記ステアリングホイールの回転中心位置を通る鉛直線が前記ステアリングホイールの回転平面となす角をステアリングホイール傾き角とし、前記車両の向きが直進方向となるステアリングホイール位置を中立位置として当該中立位置からの前記ステアリングホイールの回転量および回転方向に応じた角度をステアリングホイール回転角とすると、
前記重力トルク演算部は、前記ステアリングホイールの重心位置と回転中心位置との間の距離と、前記ステアリングホイールの質量と、前記ステアリングホイール回転角の正弦値と、前記ステアリングホイール傾き角の余弦値との積を、前記重力トルクとして演算するように構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載のドライバトルク推定装置。 - 舵角制御用の電動モータと、
手動操舵指令値を生成する手動操舵指令値生成部と、
自動操舵指令値に前記手動操舵指令値を加算して、統合角度指令値を演算する統合角度指令値演算部と、
前記統合角度指令値に基づいて、前記電動モータを角度制御する制御部とを含み、
前記手動操舵指令値生成部は、請求項1~5のいずれか一項に記載の前記ドライバトルク推定装置によって推定されたドライバトルクを用いて、前記手動操舵指令値を生成するように構成されている、操舵装置。 - 前記手動操舵指令値生成部は、前記ドライバトルク推定部によって推定されたドライバトルクに基づいて、アシストトルク指令値を設定するアシストトルク指令値設定部を含み、
前記手動操舵指令値生成部は、前記ドライバトルクと前記アシストトルク指令値とを用いて、前記手動操舵指令値を生成するように構成されている、請求項6に記載の操舵装置。 - 舵角制御用の電動モータと、
手動操舵指令値を生成する手動操舵指令値生成部と、
自動操舵指令値に前記手動操舵指令値を加算して、統合角度指令値を演算する統合角度指令値演算部と、
前記統合角度指令値に基づいて、前記電動モータを角度制御する制御部とを含み、
前記手動操舵指令値生成部は、請求項1~5のいずれか一項に記載の前記ドライバトルク推定装置によって推定されたドライバトルクの絶対値が所定値以上の場合にのみ、前記トルク検出部によって検出されるトーションバートルクを用いて、前記手動操舵指令値を生成するように構成されている、操舵装置。 - 前記手動操舵指令値生成部は、前記トルク検出部によって検出されるトーションバートルクに基づいて、アシストトルク指令値を設定するアシストトルク指令値設定部を含み、
前記手動操舵指令値生成部は、前記ドライバトルク推定部によって推定されたドライバトルクの絶対値が所定値以上の場合にのみ、前記トーションバートルクと前記アシストトルク指令値とを用いて、前記手動操舵指令値を生成するように構成されている、請求項8に記載の操舵装置。 - 請求項1~5のいずれか一項に記載の前記ドライバトルク推定装置よって推定されたドライバトルクに基づいて、ハンズオン状態であるかハンズオフ状態であるかを判定するハンズオン/オフ判定部と、
舵角制御用の電動モータと、
手動操舵指令値を生成する手動操舵指令値生成部と、
自動操舵指令値に前記手動操舵指令値を加算して、統合角度指令値を演算する統合角度指令値演算部と、
前記統合角度指令値に基づいて、前記電動モータを角度制御する制御部とを含み、
前記手動操舵指令値生成部は、前記ハンズオン/オフ判定部によってハンズオン状態であると判定されている場合にのみ、前記トルク検出部によって検出されるトーションバートルクを用いて、前記手動操舵指令値を生成するように構成されている、操舵装置。 - 前記手動操舵指令値生成部は、前記トルク検出部によって検出されるトーションバートルクに基づいて、アシストトルク指令値を設定するアシストトルク指令値設定部を含み、
前記手動操舵指令値生成部は、前記ハンズオン/オフ判定部によってハンズオン状態であると判定されている場合にのみ、前記トーションバートルクと前記アシストトルク指令値とを用いて、前記手動操舵指令値を生成するように構成されている、請求項10に記載の操舵装置。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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