JP2018103732A - 車両走行制御装置及び自動運転制御方法 - Google Patents

車両走行制御装置及び自動運転制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】自動運転に適した車両安定化制御を組み込んだ自動運転制御技術を提供すること。【解決手段】車両は、EPS装置を備える。自動運転制御は、車輪の目標舵角を算出する目標舵角算出処理と、車輪の舵角が目標舵角となるようにEPS装置を作動させて車輪を転舵する転舵制御と、を含む。目標舵角算出処理は、(1)自動運転における自動操舵に要求される自動運転舵角と目標状態量を算出する第1処理と、(2)ハンドル角を用いることなく、目標状態量に基づいて、車両安定化制御に要求されるカウンタ舵角を算出する第2処理と、(3)自動運転舵角とカウンタ舵角の和を目標舵角として算出する第3処理と、を含む。【選択図】図7

Description

本発明は、電動パワーステアリング(EPS: Electric Power Steering)装置を用いた自動運転制御技術に関する。
特許文献1は、自動操舵機能を備える車両用の操舵システムを開示している。その操舵システムは、EPS装置を備えている。ドライバが操舵を行う通常操舵時、操舵システムは、当該操舵をアシストするアシストトルクを生成するようEPS装置を制御する。一方、自動操舵時、操舵システムは、EPS装置を用いて、車輪の舵角が目標舵角となるように舵角制御を行う。
特許文献2は、車両の操舵支援装置を開示している。ドライバが操舵の意思を有しているとき、操舵支援装置は、車両安定化制御を行う。一方、ドライバが操舵の意思を有していないとき、操舵支援装置は、レーンキープ制御を行う。このレーンキープ制御において、操舵支援装置は、EPS装置を用いることにより舵角制御を行う。
特開2008−189058号公報 特開2002−46640号公報
車両の走行を安定化させるための車両安定化制御が知られている。上記特許文献2に記載されているように、従来の車両安定化制御は、ドライバが操舵操作を行うことを前提にして設計されている。しかし、自動運転時には、運転の主体はドライバから自動運転システムに移り、EPS装置によって転舵が行われる。よって、従来の車両安定化制御をそのまま自動運転に組み込むことは好ましくない。運転主体の変更に伴って、車両安定化制御も自動運転に適したものに変更することが望まれる。
本発明の1つの目的は、自動運転に適した車両安定化制御を組み込んだ自動運転制御技術を提供することにある。
本発明の1つの観点において、車両走行制御装置が提供される。
車両走行制御装置は、
車両の車輪を転舵する電動パワーステアリング装置と、
車両の自動運転を制御する自動運転制御を行う制御装置と
を備える。
自動運転制御は、
車輪の目標舵角を算出する目標舵角算出処理と、
車輪の舵角が目標舵角となるように、電動パワーステアリング装置を作動させて車輪を転舵する転舵制御と
を含む。
目標舵角算出処理は、
自動運転における自動操舵に要求される自動運転舵角と目標状態量を算出する第1処理と、
ハンドル角を用いることなく、目標状態量に基づいて、車両安定化制御に要求されるカウンタ舵角を算出する第2処理と、
自動運転舵角とカウンタ舵角の和を目標舵角として算出する第3処理と
を含む。
本発明の他の観点において、車両の自動運転を制御する自動運転制御方法が提供される。
車両は、車両の車輪を転舵する電動パワーステアリング装置を備える。
自動運転制御方法は、
車輪の目標舵角を算出することと、
車輪の舵角が目標舵角となるように、電動パワーステアリング装置を作動させて車輪を転舵することと
を含む。
目標舵角を算出することは、
自動運転における自動操舵に要求される自動運転舵角と目標状態量を算出することと、
ハンドル角を用いることなく、目標状態量に基づいて、車両安定化制御に要求されるカウンタ舵角を算出することと、
自動運転舵角とカウンタ舵角の和を目標舵角として算出することと
を含む。
本発明によれば、自動運転に適した車両安定化制御が自動運転制御に組み込まれる。
具体的には、自動運転時、車両安定化制御に要求されるカウンタ舵角を算出するために、ハンドル角は用いられない。何故なら、自動運転時の運転の主体は、ドライバではなく、自動運転システムだからである。自動運転時、ハンドル角は、車両の目標ヨーレートを必ずしも反映していない。車両の目標ヨーレートは、運転主体である自動運転システムが算出する目標状態量に反映されている。よって、ハンドル角ではなく目標状態量に基づいてカウンタ舵角が算出される。これにより、自動運転時のカウンタ舵角をより正確に求めることが可能となる。
また、自動運転時、電動パワーステアリング装置が車輪を転舵する。このときの車輪の目標舵角として、自動運転舵角とカウンタ舵角の和が用いられる。これにより、車両安定化制御に要求されるカウンタ舵角が、車輪の舵角に反映される。すなわち、車両安定化制御が期待通り実施される。
図1は、本発明の実施の形態に係る車両走行制御装置の構成例を示す概略図である。 図2は、本発明の実施の形態に係る制御装置の機能構成を示すブロック図である。 図3は、本発明の実施の形態に係る非自動運転時の制御処理を示す概念図である。 図4は、本発明の実施の形態に係る自動運転時の制御処理を示す概念図である。 図5は、第1の比較例に係る自動運転時の制御処理を示す概念図である。 図6は、第2の比較例に係る自動運転時の制御処理を示す概念図である。 図7は、本発明の実施の形態に係る自動運転制御方法を要約的に示すフローチャートである。 図8は、本発明の実施の形態に係る自動運転時の制御処理の変形例を示す概念図である。
添付図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
1.車両走行制御装置の構成例
図1は、本発明の実施の形態に係る車両走行制御装置の構成例を示す概略図である。車両1は、車輪5及び車両走行制御装置10を備えている。車輪5は、前輪5Fと後輪5Rを含んでいる。図1に示される例では、操舵対象は前輪5Fである。但し、本実施の形態は、操舵対象が前輪5Fと後輪5Rの両方である4WS(4 Wheel Steering)の場合にも同様に適用可能である。
車両走行制御装置10は、車両1の走行を制御する。本実施の形態では、特に、車両走行制御装置10による転舵制御及び自動運転制御に着目する。転舵制御及び自動運転制御に関連する構成として、車両走行制御装置10は、転舵装置20、センサ群70、運転環境検出装置90、及び制御装置100を備えている。
1−1.転舵装置20
転舵装置20は、前輪5Fを転舵する。具体的には、転舵装置20は、ハンドル21、上部操舵軸22、下部操舵軸23、ピニオンギア24、ラックバー25、タイロッド26、可変ギア比ステアリング装置30(以下、「VGRS(Variable Gear Ratio Steering)装置」と呼ばれる)、及び電動パワーステアリング装置50(以下、「EPS(Electric Power Steering)装置」と呼ばれる)を備えている。
ハンドル21は、ドライバによる操舵操作に用いられる。つまり、前輪5Fを転舵させたいとき、ドライバはハンドル21を回転させる。上部操舵軸22は、ハンドル21に連結されている。下部操舵軸23の一端は、VGRS装置30を介して上部操舵軸22に連結されており、その他端は、ピニオンギア24に連結されている。ピニオンギア24は、ラックバー25と噛み合っている。ラックバー25の両端は、タイロッド26を介して左右の前輪5Fに連結されている。ハンドル21の回転は、上部操舵軸22、VGRS装置30、及び下部操舵軸23を介して、ピニオンギア24に伝達される。ピニオンギア24の回転運動はラックバー25の直線運動に変換され、それにより、前輪5Fの舵角が変化する。
VGRS装置30は、ステアリングギア比を変更するための装置である。ここで、ステアリングギア比とは、ハンドル角(ハンドル21の操舵角)と前輪5Fの舵角との比であり、上部操舵軸22の回転角と下部操舵軸23の回転角との比に比例する。そのため、VGRS装置30は、上部操舵軸22と下部操舵軸23との間をつなぐように設けられている。
より詳細には、VGRS装置30は、電動モータ31とVGRSドライバ35を備えている。電動モータ31のハウジングは、上部操舵軸22の一端に固定されており、上部操舵軸22と一体に回転する。電動モータ31のステータは、ハウジング内で固定されている。一方、電動モータ31のロータ32は、減速機構を介して、下部操舵軸23に接続されている。電動モータ31が回転することによって、上部操舵軸22と下部操舵軸23との間の相対回転角、すなわち、ステアリングギア比が変わる。
VGRSドライバ35は、電動モータ31を駆動するための装置であり、インバータ等を含んでいる。インバータは、図示しない直流電源から供給される直流電力を交流電力に変換し、その交流電力を電動モータ31に供給し、電動モータ31を駆動する。電動モータ31の回転を制御することによって、ステアリングギア比を可変に制御することができる。このVGRSドライバ35の動作、すなわち、VGRS装置30の動作は、制御装置100によって制御される。制御装置100によるVGRS装置30の制御の詳細は、後述される。
EPS装置50は、前輪5Fを転舵する力を発生する装置である。より詳細には、EPS装置50は、電動モータ51とEPSドライバ55を備えている。例えば、電動モータ51は、変換機構52を介してラックバー25に連結している。変換機構52は、例えばボールねじである。電動モータ51のロータが回転すると、変換機構52は、その回転運動をラックバー25の直線運動に変換する。これにより、前輪5Fの舵角が変化する。
EPSドライバ55は、電動モータ51を駆動するための装置であり、インバータ等を含んでいる。インバータは、図示しない直流電源から供給される直流電力を交流電力に変換し、その交流電力を電動モータ51に供給し、電動モータ51を駆動する。電動モータ51の回転を制御することによって、前輪5Fを転舵することができる。このEPSドライバ55の動作、すなわち、EPS装置50の動作は、制御装置100によって制御される。制御装置100によるEPS装置50の制御の詳細は、後述される。
1−2.センサ群70
センサ群70は、車両1の様々な状態量を検出するために設けられている。例えば、センサ群70は、トルクセンサ71、ハンドル角センサ72、回転角センサ73、車速センサ74、ヨーレートセンサ75、及び横加速度センサ76を含んでいる。
トルクセンサ71は、下部操舵軸23に印加される操舵トルクTaを検出する。トルクセンサ71は、検出した操舵トルクTaを示す検出情報を制御装置100に出力する。
ハンドル角センサ72は、上部操舵軸22の回転角、すなわち、ハンドル角φs(ハンドル21の操舵角)を検出する。ハンドル角センサ72は、検出したハンドル角φsを示す検出情報を制御装置100に出力する。
回転角センサ73は、下部操舵軸23の回転角φaを検出する。この回転角φaは、前輪5Fの実舵角に対応している。回転角センサ73は、検出した回転角φaを示す検出情報を制御装置100に出力する。
車速センサ74は、車両1の速度である車速Vを検出する。車速センサ74は、検出した車速Vを示す検出情報を制御装置100に出力する。
ヨーレートセンサ75は、車両1に発生する実ヨーレートYrを検出する。ヨーレートセンサ75は、検出した実ヨーレートYrを示す検出情報を制御装置100に出力する。
横加速度センサ76は、車両1に作用する実横加速度Gyを検出する。横加速度センサ76は、検出した実横加速度Gyを示す検出情報を制御装置100に出力する。
1−3.運転環境検出装置90
運転環境検出装置90は、車両1の自動運転制御に用いられる「運転環境情報」を取得する。運転環境情報としては、位置姿勢情報、レーン情報、周辺物標情報、インフラ提供情報などが挙げられる。このような運転環境情報を取得するため、運転環境検出装置90は、例えば、GPS(Global Positioning System)装置、地図データベース、センサ、通信装置を含んでいる。
GPS装置は、複数のGPS衛星から送信される信号を受信し、受信信号に基づいて車両1の位置及び姿勢(方位)を算出する。GPS装置は、算出した位置姿勢情報を制御装置100に送る。
地図データベースには、地図上の各レーンの配置を示すレーン情報が記録されている。地図データベースと車両1の位置に基づいて、車両1の周辺のレーン情報を取得することができる。
センサは、車両1の周辺の物標に関する周辺物標情報を検出する。センサとしては、ライダー(LIDAR: Laser Imaging Detection and Ranging)、ミリ波レーダー、ステレオカメラ等が例示される。ライダーは、光を利用して車両1の周辺の物標を検出する。ミリ波レーダーは、電波を利用して車両1の周辺の物標を検出する。ステレオカメラは、車両1の周辺の状況を撮像する。周辺物標は、移動物標と静止物標を含む。移動物標としては、周辺車両や歩行者が例示される。移動物標に関する情報は、移動物標の位置及び速度を含む。静止物標としては、路側物や白線が例示される。静止物標に関する情報は、静止物標の位置を含む。センサは、検出した周辺物標情報を制御装置100に送る。
通信装置は、情報提供システムからインフラ提供情報を取得する。インフラ提供情報としては、渋滞情報、工事区間情報などが挙げられる。通信装置は、このようなインフラ提供情報を制御装置100に送る。
1−4.制御装置100
制御装置100は、本実施の形態に係る車両走行制御装置10を制御する。典型的には、制御装置100は、プロセッサ、メモリ、及び入出力インタフェースを備えるマイクロコンピュータである。制御装置100は、ECU(Electronic Control Unit)とも呼ばれる。制御装置100は、入出力インタフェースを通して、センサ群70から検出情報を受け取り、また、運転環境検出装置90から運転環境情報を受け取る。これら検出情報及び運転環境情報に基づいて、制御装置100は、転舵制御や自動運転制御を行う。
図2は、本実施の形態に係る制御装置100の機能構成を示すブロック図である。制御装置100は、転舵制御及び自動運転制御に関連する機能ブロックとして、VGRS制御部130、EPS制御部150、VSC(Vehicle Stability Control)制御部170、及びADS(Autonomous Driving System)制御部190を備えている。これら機能ブロックは、制御装置100のプロセッサがメモリに格納された制御プログラムを実行することにより実現される。制御プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納されていてもよい。
VGRS制御部130は、VGRS装置30(VGRSドライバ35)の動作を制御する。EPS制御部150は、EPS装置50(EPSドライバ55)の動作を制御する。VSC制御部170は、車両1の走行を安定化するための車両安定化制御を行う。ADS制御部190は、車両1の自動運転を制御する自動運転制御を行う。
以下、非自動運転と自動運転のそれぞれの場合における制御装置100による制御処理を詳しく説明する。
2.非自動運転時の制御処理
図3は、本実施の形態に係る非自動運転時の制御処理を示す概念図である。非自動運転時、運転の主体はドライバであり、ドライバがハンドル21を操作する。すなわち、ハンドル角φsは、ドライバの操作によって決まる。
<VSC制御部170>
VSC制御部170は、車両1の走行を安定化するための車両安定化制御を行う。具体的には、VSC制御部170は、センサ群70から、ハンドル角φs、車速V、実ヨーレートYr、実横加速度Gy等の検出情報を受け取る。VSC制御部170は、これら検出情報に基づいて、横滑り、アンダーステア、オーバーステア等の不安定挙動を検出する。
例えば、VSC制御部170は、ハンドル角φsと車速Vに基づき、公知の手法によって目標ヨーレートを算出する。そして、VSC制御部170は、実ヨーレートYrと目標ヨーレートとの差であるヨーレート偏差を算出する。VSC制御部170は、ヨーレート偏差を閾値と比較することによって、オーバーステアあるいはアンダーステアを検出することができる。
車両走行を安定化するには、不安定挙動を打ち消すようなカウンタヨーモーメントを発生させる必要がある。そのようなカウンタヨーモーメントは、左右の車輪5の制動力の差、車輪5の転舵、等によって得ることができる。ここでは、前輪5Fの転舵によるカウンタヨーモーメントだけを考える。VSC制御部170は、カウンタヨーモーメントの発生に必要な前輪5Fの舵角の目標変化量を算出する。そのような舵角の目標変化量は、以下「カウンタ舵角δc」と呼ばれる。すなわち、VSC制御部170は、車両安定化制御に要求されるカウンタ舵角δcを算出する。
<VGRS制御部130>
VGRS制御部130は、VGRS装置30を用いて「転舵制御(舵角制御)」を行う。具体的には、VGRS制御部130は、ハンドル角センサ72及び回転角センサ73から、それぞれ、ハンドル角φs及び回転角φaの検出情報を受け取る。また、VGRS制御部130は、目標回転角あるいは目標相対回転角を算出する。目標回転角は、回転角φaの目標値である。目標相対回転角は、ハンドル角φsと回転角φaとの差の目標値である。
例えば、VGRS制御部130は、VSC制御部170からカウンタ舵角δcを示す情報を受け取る。この場合、VGRS制御部130は、カウンタ舵角δcに応じた目標相対回転角を算出する。あるいは、VGRS制御部130は、ハンドル角φsと目標相対回転角の和を目標回転角として算出する。
あるいは、VGRS制御部130は、所望の車両運動特性を実現するための前輪5Fの目標舵角を算出してもよい。例えば、VGRS制御部130は、入力パラメータと目標舵角との関係を示す舵角マップを保持している。入力パラメータは、例えば、ハンドル角φs及びハンドル角速度dφs/dtを含む。入力パラメータは、更に、車速センサ74により検出される車速Vを含んでいてもよい。舵角マップは、所望の車両運動特性を考慮して予め決定されている。ドライバによるハンドル21の操作に応答して、VGRS制御部130は、舵角マップを参照し、入力パラメータに応じた目標舵角を算出する。更に、VGRS制御部130は、目標舵角から目標回転角あるいは目標相対回転角を算出する。
そして、VGRS制御部130は、検出情報に基づいて、目標回転角あるいは目標相対回転角が得られるように、VGRSドライバ35をフィードバック制御する。VGRSドライバ35は、VGRS制御部130からの制御信号に従って電動モータ31を駆動する。これにより、前輪5Fの舵角が、目標回転角あるいは目標相対回転角に応じた値となるように制御される。
<EPS制御部150>
EPS制御部150は、EPS装置50を用いて「トルクアシスト制御」を行う。具体的には、EPS制御部150は、トルクセンサ71から、操舵トルクTaの検出情報を受け取る。EPS制御部150は、操舵トルクTaに基づいてアシストトルクを算出し、アシストトルクが得られるようにEPSドライバ55を制御する。
例えば、EPS制御部150は、入力パラメータとアシストトルクとの関係を示すトルクマップを保持している。入力パラメータは、トルクセンサ71によって検出される操舵トルクTaを含む。入力パラメータは、更に、車速センサ74により検出される車速Vを含んでいてもよい。トルクマップは、所望のアシスト特性を考慮して予め決定されている。ドライバによるハンドル21の操作に応答して、EPS制御部150は、トルクマップを参照し、入力パラメータに応じたアシストトルクを算出する。
そして、EPS制御部150は、アシストトルクに応じた目標電流指令を算出し、目標電流指令をEPSドライバ55に出力する。EPSドライバ55は、目標電流指令に従って電動モータ51を駆動する。電動モータ51の回転トルク(アシストトルク)は、変換機構52を介してラックバー25に伝達される。その結果、前輪5Fの転舵がアシストされ、ドライバの操舵負担が軽減される。
3.自動運転時の制御処理
3−1.本実施の形態
図4は、本実施の形態に係る自動運転時の制御処理を示す概念図である。自動運転時、運転の主体は、ドライバから自動運転システム(ADS制御部190)に移る。
<ADS制御部190>
ADS制御部190は、車両1の自動運転を制御する自動運転制御を行う。自動運転制御には自動加減速及び自動操舵が含まれるが、ここでは特に自動操舵に着目する。ADS制御部190は、自動操舵に要求される前輪5Fの目標舵角を算出する。このADS制御部190によって算出される目標舵角は、以下「自動運転舵角δb」と呼ばれる。
より詳細には、ADS制御部190は、センサ群70から、車速V、実ヨーレートYr、実横加速度Gy等の検出情報を受け取る。また、ADS制御部190は、運転環境検出装置90から運転環境情報を受け取る。そして、ADS制御部190は、検出情報及び運転環境情報に基づいて、車両1の走行計画を立案する。自動操舵に関連する走行計画の典型例は、車線変更である。
一例として、ADS制御部190は、運転環境情報に含まれるレーン情報に基づいて、前方のレーン合流地点を認識する。この場合、ADS制御部190は、レーン合流地点において車線変更を行うことを計画する。
他の例として、ADS制御部190は、運転環境情報に含まれる周辺物標情報に基づいて、前方の障害物あるいは低速車両を認識する。この場合、ADS制御部190は、障害物あるいは低速車両を回避するために車線変更を行うことを計画する。
更に他の例として、ADS制御部190は、運転環境情報に含まれるインフラ提供情報に基づいて、前方の工事区間を認識する。この場合、ADS制御部190は、工事区間を回避するために車線変更を行うことを計画する。
ADS制御部190は、走行計画に沿って車両1の走行を自動制御する。特に自動操舵を行う場合、ADS制御部190は、自動操舵に要求される自動運転舵角δbを算出する。また、ADS制御部190は、自動操舵に要求される車両1の目標状態量STも算出する。目標状態量STは、自動運転舵角δb、目標ヨーレート、目標横加速度等を含む。本実施の形態によれば、ADS制御部190は、目標状態量STに関する情報をVSC制御部170に出力する。
<VSC制御部170>
VSC制御部170は、上記の非自動運転の場合と同様に、車両安定化制御に要求されるカウンタ舵角δcを算出する。但し、自動運転時には、VSC制御部170は、カウンタ舵角δcを算出するために、ハンドル角センサ72によって検出されるハンドル角φsを用いない。
その代わり、VSC制御部170は、ADS制御部190から目標状態量STに関する情報を受け取る。そして、VSC制御部170は、その目標状態量STに基づいてカウンタ舵角δcを算出する。例えば、VSC制御部170は、ハンドル角φsの代わりに自動運転舵角δbを用いて目標ヨーレートを算出する。あるいは、VSC制御部170は、目標状態量STに含まれる目標ヨーレートをそのまま用いてもよい。そして、VSC制御部170は、実ヨーレートYrと目標ヨーレートとの差であるヨーレート偏差を算出する。更に、VSC制御部170は、ヨーレート偏差から、カウンタヨーモーメントの発生に必要なカウンタ舵角δcを算出する。
<目標舵角算出部110>
本実施の形態において、前輪5Fの目標舵角δaは、自動運転舵角δbとカウンタ舵角δcの和である(δa=δb+δc)。つまり、ADS制御部190とVSC制御部170は、自動運転時の目標舵角δaを算出する「目標舵角算出部110」を構成している。言い換えれば、目標舵角算出部110は、自動操舵に要求される自動運転舵角δbと車両安定化制御に要求されるカウンタ舵角δcを算出する。そして、目標舵角算出部110は、自動運転舵角δbとカウンタ舵角δcの和を目標舵角δaとして算出する。
目標舵角算出部110は、算出した目標舵角δaを示す情報をEPS制御部150に出力する。そして、目標舵角算出部110は、EPS制御部150に対して、前輪5Fを転舵する転舵制御を行うよう指示する。
あるいは、目標舵角算出部110は、自動運転舵角δbとカウンタ舵角δcの両方を示す情報を、EPS制御部150に出力してもよい。この場合、EPS制御部150が、自動運転舵角δbとカウンタ舵角δcの和を目標舵角δaとして算出する。
<EPS制御部150>
EPS制御部150は、EPS装置50を用いて「転舵制御(舵角制御)」を行う。すなわち、非自動運転時に「トルクアシスト制御」に用いられていたEPS装置50が、自動運転時には「転舵制御」に用いられる。
より詳細には、EPS制御部150は、目標舵角算出部110から、前輪5Fの目標舵角δaを示す情報を受け取る。また、EPS制御部150は、回転角センサ73から、回転角φaの検出情報を受け取る。この回転角φaは、前輪5Fの実舵角に対応している。よって、EPS制御部150は、回転角φa及び目標舵角δaに基づいて、前輪5Fの舵角が目標舵角δaとなるように、EPSドライバ55をフィードバック制御することができる。EPSドライバ55は、EPS制御部150からの制御信号に従って電動モータ51を駆動する。その結果、前輪5Fの舵角が目標舵角δaとなるように制御される。
このように、自動運転時、EPS制御部150は、前輪5Fを転舵するためにEPS装置50を作動させる。運転の主体がドライバから自動運転システムに変わったことに伴い、EPS装置50の役割が「トルクアシスト」から「転舵」に変わるのである。
以下、本実施の形態の効果を説明するために、比較例を説明する。
3−2.第1の比較例
図5は、第1の比較例に係る自動運転時の制御処理を示す概念図である。第1の比較例においては、目標舵角δaは、自動運転舵角δbとカウンタ舵角δcの和ではなく、自動運転舵角δbである(δa=δb)。カウンタ舵角δcに基づく車両安定化制御は、非自動運転の場合(図3参照)と同様に、VGRS装置30を用いて実施される。
<目標舵角算出部110、ADS制御部190、VSC制御部170>
ADS制御部190は、自動操舵に要求される自動運転舵角δbを算出する。第1の比較例では、この自動運転舵角δbが目標舵角δaである。ADS制御部190は、算出した自動運転舵角δbを示す情報をEPS制御部150に出力する。
VSC制御部170は、車両安定化制御に要求されるカウンタ舵角δcを算出する。VSC制御部170は、算出したカウンタ舵角δcを示す情報を、EPS制御部150ではなく、VGRS制御部130に出力する。
<EPS制御部150>
EPS制御部150は、ADS制御部190から、前輪5Fの目標舵角δa(=δb)を示す情報を受け取る。そして、EPS制御部150は、目標舵角δaに基づき、EPS装置50を用いて転舵制御を行う。
<VGRS制御部130>
上記の非自動運転の場合(図3参照)と同様に、VGRS制御部130は、VSC制御部170からカウンタ舵角δcを示す情報を受け取る。そして、VGRS制御部130は、カウンタ舵角δcに応じた角度だけ、VGRS装置30の電動モータ31を回転させる。
しかしながら、自動運転時には、ドライバではなくEPS装置50が前輪5Fを転舵している。EPS装置50が前輪5Fを転舵すると、それに連動して、前輪5Fとつながっているハンドル21も回転する。このときにVGRS装置30が作動しても、前輪5Fの舵角が変わるわけではなく、ただ単にハンドル21の回転角が変わるだけである。すなわち、車両安定化制御に要求されるカウンタ舵角δcは、前輪5Fの舵角に反映されず、その代わりにハンドル角φsに反映される。このことは、車両安定化制御が期待通り実施されていないことを意味し、好ましくない。
一方、本実施の形態によれば、自動運転時の車両安定化制御は、VGRS装置30ではなくEPS装置50を用いて行われる。具体的には、EPS制御部150が行う転舵制御において、自動運転舵角δbとカウンタ舵角δcの和が目標舵角δaとして用いられる(δa=δb+δc)。これにより、車両安定化制御に要求されるカウンタ舵角δcが、前輪5Fの舵角に反映される。すなわち、車両安定化制御が期待通り実施される。
3−3.第2の比較例
図6は、第2の比較例に係る自動運転時の制御処理を示す概念図である。第2の比較例では、非自動運転の場合(図3参照)と同様に、VSC制御部170は、ハンドル角φsを用いてカウンタ舵角δcを算出する。
しかしながら、自動運転時の運転の主体は、ドライバではなく、自動運転システム(ADS制御部190)である。車両1の目標ヨーレートは、運転主体であるADS制御部190が算出する自動運転舵角δbや目標状態量STに反映されている。ハンドル角φsには、車両1の目標ヨーレートは必ずしも反映されていない。従って、ハンドル角φsを用いてカウンタ舵角δcを算出すると、大きな誤差が発生する可能性がある。
例えば、上述の通り、自動運転時の目標舵角δaが自動運転舵角δbとカウンタ舵角δcの和である場合を考える(δa=δb+δc)。EPS装置50が目標舵角δaだけ前輪5Fを転舵すると、それに連動して、前輪5Fとつながっているハンドル21も回転する。このときのハンドル角φsの変化量は、目標舵角δaに相当する。しかし、目標舵角δaは、自動運転舵角δbからずれており、自動運転における目標ヨーレートを反映していない。よって、ハンドル角φsを用いてカウンタ舵角δcを算出すると、誤差が発生する。
一方、本実施の形態によれば、VSC制御部170は、自動運転時にはハンドル角φsを用いない。VSC制御部170は、ハンドル角φsの代わりに、運転主体であるADS制御部190から目標状態量STに関する情報を受け取る。そして、VSC制御部170は、その目標状態量STに基づいてカウンタ舵角δcを算出する。これにより、自動運転時のカウンタ舵角δcをより正確に求めることが可能となる。
3−4.自動運転制御方法
図7は、本実施の形態に係る自動運転制御方法を要約的に示すフローチャートである。
ステップS10:
制御装置100は、自動運転時の前輪5Fの目標舵角δaを算出する。より詳細には、ステップS10は、ステップS11〜S13を含む。
ステップS11:
制御装置100は、自動運転における自動操舵に要求される自動運転舵角δbと目標状態量STを算出する。
ステップS12:
制御装置100は、目標状態量STに基づいて、車両安定化制御に要求されるカウンタ舵角δcを算出する。このステップS12において、制御装置100は、ハンドル角φsを用いない。
ステップS13:
制御装置100は、自動運転舵角δbとカウンタ舵角δcの和を目標舵角δaとして算出する。
ステップS20:
制御装置100は、目標舵角δaに基づき、EPS装置50を用いて転舵制御を行う。具体的には、制御装置100は、前輪5Fの舵角が目標舵角δaとなるようにEPS装置50を作動させる。
4.効果
従来の車両安定化制御は、ドライバが操舵操作を行うことを前提にして設計されている。しかし、自動運転時には、運転の主体はドライバから自動運転システムに移り、EPS装置50によって転舵が行われる。このような運転主体の変更に伴って、車両安定化制御も自動運転に適したものに変更することが好ましい。本実施の形態によれば、自動運転に適した車両安定化制御が自動運転制御に組み込まれる。
具体的には、自動運転時、VSC制御部170は、車両安定化制御に要求されるカウンタ舵角δcを算出するために、ハンドル角φsを用いない。何故なら、自動運転時の運転の主体は、ドライバではなく、自動運転システム(ADS制御部190)だからである。自動運転時、ハンドル角φsは、車両1の目標ヨーレートを必ずしも反映していない。車両1の目標ヨーレートは、運転主体であるADS制御部190が算出する自動運転舵角δbや目標状態量STに反映されている。よって、VSC制御部170は、ハンドル角φsではなく目標状態量STに基づいてカウンタ舵角δcを算出する。これにより、自動運転時のカウンタ舵角δcをより正確に求めることが可能となる。
また、本実施の形態によれば、自動運転時、EPS装置50が前輪5Fを転舵する。EPS装置50が前輪5Fを転舵すると、それに連動して、前輪5Fとつながっているハンドル21も回転する。このときにVGRS装置30が作動しても、前輪5Fの舵角が変わるわけではなく、ただ単にハンドル21の回転角が変わるだけである。よって、本実施の形態によれば、自動運転時の車両安定化制御は、VGRS装置30ではなくEPS装置50を用いて行われる。具体的には、EPS制御部150が行う転舵制御において、自動運転舵角δbとカウンタ舵角δcの和が目標舵角δaとして用いられる(δa=δb+δc)。これにより、車両安定化制御に要求されるカウンタ舵角δcが、前輪5Fの舵角に反映される。すなわち、車両安定化制御が期待通り実施される。
本実施の形態は、自動運転に適した新たな制御則を提案していると言える。その新たな制御則によって、ドライバにとって自動運転がより快適なものになる。このことは、自動運転システムに対するドライバの信頼性の向上にも寄与する。
5.変形例
上述の通り、本実施の形態によれば、自動運転時、EPS装置50が前輪5Fを転舵する。EPS装置50が前輪5Fを転舵すると、それに連動して、前輪5Fとつながっているハンドル21も回転する。よって、EPS装置50が前輪5Fを急に転舵すると、ハンドル21も急に回転してしまう。例えば、自動運転の最中、車両1の前方の障害物を緊急回避するために、自動操舵が急に行われる可能性がある。この場合、急な自動操舵に連動して、ハンドル21も急に回転する。自動運転中のハンドル21の急な回転は、次のような観点から好ましくない。
まず、自動運転中にドライバがハンドル21から手を離している状態(Hands Off)を考える。例えば、車両1の前方に障害物が存在するとき、ADS制御部190だけでなくドライバもその障害物を認知する可能性がある。この場合、ADS制御部190が自動操舵を行うと共に、危険を感じたドライバがオーバーライドしにいく可能性がある。しかし、典型的なオーバーライドの条件は、ドライバがハンドル21を把持することである。よって、自動操舵によってハンドル21が早く動いていては、ドライバはオーバーライドしにくいのである。すなわち、ハンドル21の急な動きは、オーバーライドを難しくする。
また、自動運転中にドライバがハンドル21を把持している状態(Hands On)を考える。この場合、ハンドル21が急に動くと、ドライバがハンドル21を把持し続けることが難しくなる。あるいは、ドライバがハンドル21の動きに手を取られると、危険である。
そこで、本実施の形態の変形例は、自動運転中にドライバにハンドル21を把持させ易くすることができる技術を提供する。図8は、当該変形例を示す概念図である。
<目標舵角算出部110、ADS制御部190、VSC制御部170>
目標舵角算出部110は、図4で示された場合と同様である。つまり、目標舵角算出部110は、自動操舵に要求される自動運転舵角δbと車両安定化制御に要求されるカウンタ舵角δcを算出する。前輪5Fの目標舵角δaは、自動運転舵角δbとカウンタ舵角δcの和である(δa=δb+δc)。目標舵角算出部110は、目標舵角δaを示す情報を、EPS制御部150だけでなくVGRS制御部130にも出力する。
あるいは、目標舵角算出部110は、自動運転舵角δbとカウンタ舵角δcの両方を示す情報を、EPS制御部150及びVGRS制御部130に出力してもよい。この場合、目標舵角δaは、EPS制御部150及びVGRS制御部130の各々において算出される。
<EPS制御部150>
EPS制御部150は、図4で示された場合と同様である。すなわち、EPS制御部150は、目標舵角δaに基づき、EPS装置50を用いて転舵制御を行う。
<VGRS制御部130>
EPS装置50を用いた上記の転舵制御に連動して、ハンドル21が回転する、つまり、ハンドル角φsが変化する。本実施の形態の変形例によれば、そのような転舵制御に起因するハンドル角φsの変化を弱めるための「ハンドル角制御」が、転舵制御と共に行われる。そのハンドル角制御では、VGRS装置30が用いられる。すなわち、非自動運転時に「転舵制御」に用いられていたVGRS装置30が、自動運転時には「ハンドル角制御」に用いられる。
より詳細には、VGRS制御部130は、目標舵角算出部110から、前輪5Fの目標舵角δaを示す情報を受け取る。VGRS制御部130は、その目標舵角δaから、転舵制御に起因するハンドル角φsの変化の方向を認識することができる。そこで、VGRS制御部130は、転舵制御に起因するハンドル角φsの変化を抑える(弱める、緩和する)方向にVGRS装置30を作動させる。つまり、VGRS制御部130は、ハンドル角φsの変化を抑える方向に電動モータ31が回転するように、VGRSドライバ35を制御する。
ハンドル角制御によるハンドル角φsの変化の方向は、転舵制御に起因するハンドル角φsの変化の方向と逆である。つまり、ハンドル角制御によるハンドル角φsの変化の方向は、転舵制御に起因するハンドル角φsの変化を打ち消す方向である。よって、転舵制御と同時にハンドル角制御が行われる場合のハンドル角φsの変化の速度は、ハンドル角制御が行われない場合よりも低くなる。すなわち、自動運転時のハンドル21の急な動きが抑制される。その結果、ドライバがハンドル21を把持しやすくなる。つまり、ドライバはオーバーライドをより行いやすくなる。あるいは、ドライバがハンドル21の動きに手を取られる危険性が軽減される。
より詳しい説明のため、転舵制御に起因するハンドル角φsの変化量(絶対値)を、「予測変化量θp」とする。この予測変化量θpは、目標舵角δaから予測することができる。また、ハンドル角制御によるハンドル角φsの変化量(絶対値)、つまり、電動モータ31の回転量(絶対値)を、「カウンタ変化量θc」とする。このカウンタ変化量θcは、例えばθc≦θpの関係を満たすように決定される。
例えば、VGRS制御部130は、目標舵角δaとカウンタ変化量θcとの関係を示すハンドル角制御マップを保持している。VGRS制御部130は、目標舵角δaとハンドル角制御マップに基づいて、カウンタ変化量θcを取得する。そして、VGRS制御部130は、カウンタ変化量θcに応じた制御信号をVGRSドライバ35に出力する。VGRSドライバ35は、VGRS制御部130からの制御信号に従って電動モータ31を駆動する。
カウンタ変化量θcが予測変化量θpと等しい場合(θc=θp)、ハンドル21はほとんど動かないことになる。カウンタ変化量θcが予測変化量θpより小さい場合(θc<θp)、ハンドル21は多少動く。ハンドル21が動く場合、ドライバは、自動運転システムが正常に作動していることを認識し、安心感を得ることができる。
ハンドル角制御は、予測変化量θpが許容値を超える場合に行われてもよい。この場合、例えば、カウンタ変化量θcは、「θp−θc≦許容値」という条件を満たすように決定される。このようなカウンタ変化量θcでハンドル角制御を行うことにより、ハンドル角φsの変化を一定レベル以下に抑えることが可能となる。
尚、転舵制御に起因するハンドル角φsの変化を抑える方向に電動モータ31を回転させることができれば、少なくとも効果は得られる。上述のようなハンドル角制御マップに基づくフィードフォワード制御であっても、効果は得られる。
あるいは、ハンドル角制御において、ハンドル角φsや回転角φaの検出情報を用いたフィードバック制御が行われてもよい。例えば、ハンドル角φsが変化しないようにハンドル角制御が行われてもよい。あるいは、ハンドル角φsの変化の量が閾値以下となるようにハンドル角制御が行われてもよい。あるいは、ハンドル角φsの変化の速度が閾値以下となるようにハンドル角制御が行われてもよい。フィードフォワード制御とフィードバック制御の組み合わせでも構わない。転舵制御に起因するハンドル角φsの変化を抑える方向に電動モータ31を回転させることができる限り、本実施の形態の変形例に係るハンドル角制御はどのようなものであっても構わない。
1 車両
5 車輪
5F 前輪
5R 後輪
10 車両走行制御装置
20 転舵装置
30 VGRS装置
31 電動モータ
35 VGRSドライバ
50 EPS装置
51 電動モータ
55 EPSドライバ
70 センサ群
71 トルクセンサ
72 ハンドル角センサ
73 回転角センサ
74 車速センサ
75 ヨーレートセンサ
76 横加速度センサ
90 運転環境検出装置
100 制御装置
110 目標舵角算出部
130 VGRS制御部
150 EPS制御部
170 VSC制御部
190 ADS制御部

Claims (2)

  1. 車両の車輪を転舵する電動パワーステアリング装置と、
    前記車両の自動運転を制御する自動運転制御を行う制御装置と
    を備え、
    前記自動運転制御は、
    前記車輪の目標舵角を算出する目標舵角算出処理と、
    前記車輪の舵角が前記目標舵角となるように、前記電動パワーステアリング装置を作動させて前記車輪を転舵する転舵制御と
    を含み、
    前記目標舵角算出処理は、
    前記自動運転における自動操舵に要求される自動運転舵角と目標状態量を算出する第1処理と、
    ハンドル角を用いることなく、前記目標状態量に基づいて、車両安定化制御に要求されるカウンタ舵角を算出する第2処理と、
    前記自動運転舵角と前記カウンタ舵角の和を前記目標舵角として算出する第3処理と
    を含む
    車両走行制御装置。
  2. 車両の自動運転を制御する自動運転制御方法であって、
    前記車両は、前記車両の車輪を転舵する電動パワーステアリング装置を備え、
    前記自動運転制御方法は、
    前記車輪の目標舵角を算出することと、
    前記車輪の舵角が前記目標舵角となるように、前記電動パワーステアリング装置を作動させて前記車輪を転舵することと
    を含み、
    前記目標舵角を算出することは、
    前記自動運転における自動操舵に要求される自動運転舵角と目標状態量を算出することと、
    ハンドル角を用いることなく、前記目標状態量に基づいて、車両安定化制御に要求されるカウンタ舵角を算出することと、
    前記自動運転舵角と前記カウンタ舵角の和を前記目標舵角として算出することと
    を含む
    自動運転制御方法。
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