JP6736028B2 - 電動パワーステアリング装置の制御装置 - Google Patents
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Description
舵角制御には、舵角指令に対する応答性、路面反力などに対する外乱抑圧性で優れた性能を持つ位置速度制御が用いられており、例えば、位置制御部にはP制御(比例制御)、速度制御部にはPI制御(比例積分制御)が用いられている。舵角制御とアシスト制御のそれぞれの出力である指令値を切り換える際、例えばドライバーによるスイッチ入力によって急な切換が生じると、指令値が急変動し、ハンドル挙動が不自然になるため、ドライバーへ違和感を与える。このため、舵角制御指令値とアシスト制御指令値にそれぞれの徐変ゲイン(徐々に変化するゲイン)を乗じ、徐々に出力を切り換えることによって、電流指令値の急変動を抑制する手法が用いられている(特許文献3等参照)。
しかし、この手法では、切換中は舵角制御指令値が徐変ゲインで制限され、電流指令値へ出力されるため、舵角制御指令値に対し、電流指令値の出力が、制限されたぶん小さくなってしまう。この制限により、舵角速度指令値に対し、モータの実速度が遅くなるため、舵角速度指令値と実速度との間に偏差が発生し、速度制御内のI制御(積分制御)の積分値が蓄積してしまうことで、速度制御から更に大きな舵角制御指令値が出力されてしまう。この結果、アシスト制御指令値に対する徐変ゲインが徐々に大きくなっていく状態では、徐変ゲインによる制限が緩和されていくため、徐変ゲインが大きくなるに従って舵角制御指令値が過剰な値となり、ハンドルが舵角速度指令値に対して過剰に応答し、引っ掛かり感といった形でドライバーに違和感と不快感を与える。
そもそも、上記課題1を含む先行技術(例えば特許文献3参照)に係る方法では、舵角偏差にP制御、速度制御にPI制御を行っており、舵角制御中にドライバーによる手入力の介入があった場合に、当然、舵角制御が舵角指令値に追従するよう動作し、舵角制御からアシスト制御への「切換動作」が行われるまで、手動による舵を切ることは困難である。また、「手入力検出」「切換動作」により、時間的な遅れが発生し、ドライバーによる操舵介入動作が十分に行えないことがある。
<舵角演算部201>
舵角演算部201は、舵角制御モード時において、モータ角速度演算部モータ角度演算部144(図3参照)から出力される実舵角速度ωrを時間積分し、積分値Sを求める。より詳細には、モータ角速度演算部144(図6参照)は、回転センサ151からのモータ回転角θsに基づいてモータ角速度ωを演算し、さらに、モータ角速度ωに(1/減速比)を乗じて実舵角速度ωrを求め、求めた実舵角速度ωrを舵角制御部200の舵角演算部201(図6参照)に出力する。舵角演算部201は、モータ角速度演算部144から出力される実舵角速度ωrに基づいて積分値Sを求めるとともに、トルクセンサ154(図3参照)から出力される操舵トルクTtを用いてトーションバー捩れ角分Δθを演算し、実操舵角の推定値θrを求める。もっとも、モータ角速度ωは、LPF(ローパスフィルタ)などでフィルタリングした結果の値を利用しても良い。このように、本実施形態では、何らかの角度センサを用いて実操舵角(絶対舵角)を検出し、舵角制御に直接利用するのではなく、実舵角速度ωrと操舵トルクTtを利用して実操舵角の推定値θrを求め、求めた実操舵角の推定値θrを利用して精度の高い舵角制御を実現する。
車両側ECU130から受信した自動運転などのための舵角指令値θrefに対して、通信エラー等による異常な値、過剰な値が舵角制御に入力されるのを防止するため上下限可変リミッタ(舵角指令値上下限可変リミッタとも呼ぶ)202で制限する。舵角制御とアシスト制御の切換動作に伴い、舵角指令徐変ゲインGFA4に応じて、上下限リミッタ値が逐次適切な値に可変となっている。
可変レートリミッタ204は、舵角指令値θrefの急変によって舵角制御出力としての舵角制御電流指令値が急激に変動することを避けるため、舵角指令値θrefをレートリミット処理する。可変レートリミッタ204によるこのような処理は、急なハンドル挙動によるドライバーへの安全性向上にもつながる。本実施形態の可変レートリミッタ204においては、舵角制御とアシスト制御の切換動作に伴い、舵角指令徐変ゲインGFA4に応じて、レートリミッタ値が逐次適切な値に可変となっている。
自動操舵中、舵角指令が変化しているときに、舵角指令値θref3に、トーションバーのバネ性とステアリングホイールの慣性モーメントによる振動を励起する周波数(約10Hz前後)成分が発生する。舵角指令値上下限可変リミッタ202、可変レートリミッタ204、舵角指令徐変の後の舵角指令値θref3に含まれるハンドル振動周波数成分を低減するためにローパスフィルタ、ノッチフィルタ(ハンドル振動除去手段206にはこれらのフィルタが用いられる)、または、位相遅れ補償により、振動周波数成分を低減させることができる。
位置制御部208は、目標操舵角θtと実操舵角(推定値)θrの偏差に比例ゲインを乗じて舵角速度指令値ωrefを算出する。この機能により、目標操舵角θtに対し実操舵角(推定値)θrを近づけるための舵角速度指令値を生成することができる。なお、本明細書でいう位置制御とは、周方向における舵角の位置を制御することであり、別言すれば、「ハンドル舵角の角度制御」と表現することもできる。
徐変ゲイン乗算後の舵角速度指令値ωref1に対し、速度指令値上下限可変リミッタ210による処理を行い、目標舵角速度ωtを出力する。この速度指令値上下限可変リミッタ210は制限値を、速度指令徐変ゲインGFA3により、逐次適値に変更可能で、上下限リミッタ値を徐変ゲインGFA3がある閾値未満では小さくし、それ以上で大きくすることにより、舵角速度指令値が制限される。
本実施形態の舵角制御部200では、目標舵角速度ωtと実舵角速度ωrを舵角速度制御部212に入力し、実舵角速度ωrが目標舵角速度ωtに追従するような電流指令値を算出する。
舵角制御の電流指令値に対して過出力防止のため、舵角制御出力上下限リミッタ214で制限する。
操舵介入補償兼ハンドル制振手段220は、トルクセンサが検出したトルク信号に基づくハンドル制振手段として機能する。これによれば、自動操舵中のハンドル振動の制振効果がハンドル振動除去手段206のみを用いた場合と比べてさらに向上する。本実施形態の操舵介入補償兼ハンドル制振手段220は、ゲインと位相補償によりハンドル制振機能を実現する。例えば、位相補償は1次フィルタで構成してもよい。これによりトーションバーの捩れを解消する方向に電流指令値が出力される。また、操舵介入補償兼ハンドル制振手段220は、捩れ角を低減する方向に働き、ドライバーによる手入力の介入時の引っ掛かりの違和感を低減する効果も兼ねている。
FF(フィードフォワード)フィルタ230は、位置制御部208内に設定可能なオプションの構成である(図8等に示す後述の実施形態等参照)。FFフィルタ230によれば、目標操舵角θtへの追従性が向上する。FFフィルタ230は例えば1次の位相進みフィルタであるという効果を奏するものであるが、それ以外の位相補償をするものでもよいし、擬似微分、HPF(ハイパスフィルタ)を利用したものでもよい。
舵角制御出力徐変ゲインGFA1は、舵角制御出力上下限リミッタ214の出力の電流指令値に対して乗じられる。舵角制御出力徐変ゲインGFA1は、アシスト制御と舵角制御の切換動作を円滑に行い、ドライバーへの違和感、安全性、等を実現するために用いられる。
速度制御徐変ゲインGFA2は、舵角速度制御部212の中の信号に乗じられ、円滑な切換を実現するために用いられる。主に切換時の舵角速度制御内の積分値の蓄積の影響を緩和するために用いられる。
速度指令徐変ゲインGFA3は、主にアシスト制御から舵角制御への切換時に円滑な切換を実現するために用いられる。位置制御出力の舵角速度指令値ωrefに対し、速度指令徐変ゲインGFA3が乗じられる。
舵角指令徐変ゲインGFA4は、可変レートリミッタ204からの舵角指令値に対して乗じられる。
アシスト制御出力徐変ゲインGFT1は、アシスト制御部147からの出力である電流指令値に対して乗じられる。アシスト制御出力徐変ゲインGFT1は、舵角制御とアシスト制御の切換動作を円滑にするのと、自動運転中のドライバーによる操舵介入を実現するために用いられる。
アシストマップ徐変ゲインGFT2は、アシスト制御内のアシストマップ出力電流(アシストマップ出力電流の一例が記載されている図2のグラフ(縦軸は電流指令値、横軸は操舵トルクTtを表す)参照)に対して乗じられる。アシストマップ徐変ゲインGFT2は、舵角制御とアシスト制御の切換動作を円滑にするのと、自動運転中のドライバーによる操舵介入を実現するために用いられる。
次に、舵角演算部201によって実行される演算処理(第1演算処理)について、図7に示すフローチャートを参照しながら説明する。
舵角演算部201は、舵角制御モード時において、モータ角度演算部144(図3参照)から出力される実舵角速度ωrを取得する一方、トルクセンサ154(図3参照)から出力される操舵トルクTtを取得する(ステップS1)。舵角演算部201は、舵角制御モードに遷移してから初めて(第1回目)の演算であるか否かを判断する(ステップS2)。舵角演算部201は、第1回目の演算であると判断すると(ステップS2;YES)、前述した実舵角速度ωrを時間積分した時間積分値Sを初期化する一方(ステップS3)、第1回目の演算でないと判断した場合には(ステップS2;NO)、ステップS3をスキップしてステップS4に進む。舵角演算部201は、ステップS4において、実舵角速度ωrを時間積分した時間積分値Sを求めるとともに、操舵トルクTtを、トーションバーに関わる係数Ktor(トーションバーバネ定数)で除することにより、トーションバーの捩れ角分Δθを演算する。そして、舵角演算部201は、トーションバーの捩れ角分Δθに、実舵角速度ωrの時間積分値Sを加算することで実操舵角の推定値θrを求め(ステップS5)、処理を終了する。
図8は、EPS側ECU140における舵角制御部200の第2の構成を示す図であり、前掲図6に対応している。なお、舵角演算部201aを除く他の構成は、前掲図6と同様であるため、対応する部分には同一符号を付し、詳細な説明は割愛する。
舵角演算部201aは、舵角制御モード時において、モータ角度演算部144(図3参照)から出力される実舵角速度ωrのみを利用して実操舵角の推定値θrを求める点において、図6に示す舵角演算部201と異なる。別言すると、舵角演算部201aは、操舵トルクTtを利用せずに、実舵角速度ωrのみを利用して実操舵角の推定値θrを求める。このように、操舵トルクTtを利用しない場合には、より簡易に実操舵角の推定値θrを求めることが可能となる。
次に、舵角演算部201aによって実行される演算処理(第2演算処理)について、図9に示すフローチャートを参照しながら説明する。
舵角演算部201aは、舵角制御モード時において、モータ角度演算部144(図3参照)から出力される実舵角速度ωrを取得する(ステップS1a)。舵角演算部201は、舵角制御モードに遷移してから初めて(第1回目)の演算であるか否かを判断する(ステップS2a)。舵角演算部201は、第1回目の演算であると判断すると(ステップS2a;YES)、前述した実舵角速度ωrを時間積分した時間積分値Sを初期化する一方(ステップS3a)、第1回目の演算でないと判断した場合には(ステップS2a;NO)、ステップS3aをスキップしてステップS4aに進む。舵角演算部201は、ステップS4aにおいて、実舵角速度ωrを時間積分した時間積分値Sを求める。そして、舵角演算部201は、実舵角速度ωrの時間積分値Sを実操舵角の推定値θrとみなして(ステップS5a)、処理を終了する。
図10A及び図10Bは、本発明の効果を分かりやすく示す目的で、意図的に実操舵角(推定値)に1[sec]のタイミングで+90[deg]のオフセット値を加算した際の車両挙動のシミュレーション結果を示す。車両側ECU130の舵角指令値生成部(図5参照)において、車両横位置の目標値を0[m]で、横位置に対して微分先行型のPI−D制御を適応し、舵角指令値θrefをEPS側ECU140の舵角制御部200(図5参照)に出力したところ、横位置が目標の0[m]に収束することがわかる(図10B参照)。これは、上述のPI−D制御の比例と積分の補償が効果を示していると考えられる。なお、図示はしていないが、積分がない場合でも横位置にはオフセットが発生するが、比例ゲインを大きめに設定すれば解消され得る。
ここで、手入力判定後のアシスト制御への遷移について説明しておく(図11参照)。以下、自動運転状態(舵角制御とアシスト制御の両方が介在している状態)中に、ドライバーによる手入力の検知後の各徐変ゲインについて説明する。
舵角指令値の可変レートリミッタの変化率設定値を0にする。つまり、θref2を一定値にする。これに関しフローチャートなどの図示は割愛するが舵角指令徐変ゲインGFA4が100%の状態から0%側に変化した際に変化率設定値を変更すれば実現できる。すなわち、切換状態に入ったらθref2を一定値にし、一定値に舵角指令徐変ゲインGFA4を乗じることでθref3と目標操舵角θtが0に近づく。また、θref2に対して、舵角指令徐変ゲインGFA4を乗じることで、切換中の目標操舵角θtを0[deg]に近づけ、舵角制御を中立状態に作用させる。また、舵角指令徐変ゲインGFA4の乗算をハンドル振動除去手段206の手前で行うことで、舵角指令徐変ゲインGFA4の乗算により発生するハンドル振動周波数成分を取り除かせる。
車両の自動運転状態においては、このアシストマップ徐変ゲインGFT2を100%以上に設定してもよい(なお、図11に示す例では300%に設定している)。これにより、ドライバーによる操作介入時に、舵角制御の干渉による引っ掛かり感、違和感を低減することができる。なお、切換動作をより円滑にするために、アシスト制御出力徐変ゲインGFT1、アシストマップ徐変ゲインGFT2を、S字カーブに沿うように遷移させてもよいし、直線的に変化する信号に対しLPF(ローパスフィルタ)を通した値を各徐変ゲインとしてもよい。
自動運転状態、手動アシスト状態においては、このアシスト制御出力徐変ゲインGFT1を常に100%以上に設定してもよいが、図11に示すようにしてもよい。
図12に示す舵角制御部200の舵角速度制御部212は、舵角速度制御にPI制御を行い、I制御には擬似積分を行う。より具体的には、目標舵角速度ωtと実舵角速度ωrとの偏差ωeにKviを乗じて偏差の大きさに比例した操作量D1とし、さらに、擬似積分によるI制御をする(図12参照)。図中の記号Ir1は擬似積分後、Ir2は比例ゲインKvp後、Ir3は加算後の信号をそれぞれ表す(他の実施形態においても同様)。舵角制御の第1の形態では、加算後の信号Ir3に速度制御徐変ゲインGFA2を乗じ、信号IrefWとして舵角速度制御部212から出力される。前述したように、速度制御徐変ゲインGFA2は、舵角速度制御部212の中の信号に乗じられ、円滑な切換を実現するために用いられる。なお、舵角速度制御部212における擬似積分は、例えば1次遅れの伝達関数とゲインで [1/(Ts+1)]×T として構成することができる。
図13に示す舵角制御部200の舵角速度制御部212は、舵角速度制御にPI制御を行い、I制御には擬似積分を行う。より具体的には、目標舵角速度ωtと実舵角速度ωrとの偏差にKviを乗じて偏差の大きさに比例した操作量D1とし、さらに、擬似積分によるI制御をする(図13参照)。舵角制御の第2の形態では、上述した第1の形態と同様、加算後の信号Ir3に速度制御徐変ゲインGFA2を乗じ、信号IrefWとして舵角速度制御部212から出力される。
図14に示す舵角制御部200の舵角速度制御部212は、舵角速度制御にPI制御を行い、I制御には擬似積分を行う。舵角制御の第3の形態では、目標舵角速度ωtと実舵角速度ωrとの偏差に速度制御徐変ゲインGFA2を乗じて信号ωe1を生成し、この信号ωe1にKviを乗じて偏差の大きさに比例した操作量D1とし、さらに、擬似積分によるI制御をする(図14参照)。
図15に示す舵角制御部200の舵角速度制御部212は、位相遅れ補償を行う。舵角制御の第4の形態では、目標舵角速度ωtと実舵角速度ωrとの偏差にKvpを乗じて偏差の大きさに比例した操作量D1とし、さらに、位相遅れ補償を行った後の信号Ir1に速度制御徐変ゲインGFA2を乗じ、信号IrefWとして舵角速度制御部212から出力される(図15参照)。
図16に示す舵角制御部200の舵角速度制御部212は、位相遅れ補償を行う。舵角制御の第5の形態では、上述した第4の形態と同様、目標舵角速度ωtと実舵角速度ωrとの偏差にKvpを乗じて偏差の大きさに比例した操作量D1とし、さらに、位相遅れ補償を行った後の信号Ir1に速度制御徐変ゲインGFA2を乗じ、信号IrefWとして舵角速度制御部212から出力される(図16参照)。擬似積分のPI制御は、等価的に位相遅れ補償とゲインに置き換えられる。
図17、図18に示す舵角制御部200の舵角速度制御部212は、比例制御(P制御)を行う。舵角制御の第6の形態では、目標舵角速度ωtと実舵角速度ωrとの偏差にKvpを乗じて偏差の大きさに比例した操作量の信号Ir1に速度制御徐変ゲインGFA2を乗じ、信号IrefWとして舵角速度制御部212から出力される(図17、図18参照)。
(課題1および課題2の解決の根拠)
ドライバーの操舵モデルを考慮したシミュレーションにより、自動運転中(ただし、舵角指令値θrefは0[deg]固定とする。)に、ドライバー目標角度θarm(図中の太線参照)に対して、実操舵角(以下、ハンドル舵角とも呼び、記号θhで表す。細線参照)、操舵トルクTt(破線参照)の時間応答を一例として図19等に示す。
Jc : コラム慣性[kgm^2]
Dc : コラム減衰係数[Nm/(rad/s)]
Jh : ハンドル慣性[kgm^2]
Dh : ハンドル減衰係数[Nm/(rad/s)]
Ks : トーションバーバネ定数[Nm/rad]
Ds : トーションバー減衰定数[Nm/(rad/s)]
Kt : モータトルク定数[Nm/A]
減速比 : ng
Tc : モータ発生トルクのコラム軸換算[Nm]
ただし、モータ発生トルクはコラム軸のトルクに換算(減速機分考慮)。また、電流指令値Irefに対し実際のモータ電流は一致しているものとして扱っているため、電流制御は省略している。
Th : ハンドル手入力トルク[Nm]
Tt : トーションバートルク[Nm]
Iref : 電流指令値[A]
θh : ハンドル舵角[rad]
θc : コラム舵角[rad]
V : 車速[m/s]
Yveh : 車両重心での横方向移動距離[m]
δ : タイヤ転舵角[rad]
Fd : 車両重心に働く横方向外力[N]
Tsat : Tsat ' のコラム軸換算[Nm]
Tsat ' : 路面反力によりキングピン周りに働くモーメント[Nm]
細線・・・擬似積分(図21ではP制御)、アシスト制御出力徐変ゲインGFT1=1倍、アシストマップ徐変ゲインGFT2=3倍
破線・・・純積分(図21ではPI制御)、アシスト制御出力徐変ゲインGFT1=1倍、アシストマップ徐変ゲインGFT2=1倍
ただし、舵角制御出力徐変ゲインGFA1、速度制御徐変ゲインGFA2、速度指令徐変ゲインGFA3および舵角指令徐変ゲインGFA4は1倍とした。
2…コラム軸(トーションバー)
3…減速ギア
4a,4b…ユニバーサルジョイント
5…ピニオンラック機構
6a,6b…タイロッド
7a,7b…ハブユニット
8L,8R…操向車輪
10…トルクセンサ
12…車速センサ
14…舵角センサ
20…モータ
21…回転センサ
30…コントロールユニット
31…電流指令値演算部
32A…加算部
32B…減算部
33…電流制限部
34…補償部
35…PI制御部
36…PWM制御部
37…インバータ
38…モータ電流検出器
40…CAN
100…電動パワーステアリング装置
130…車両側ECU
130a…車両状態量検出器
131…切換指令部
132…目標操舵角生成部
134…目標軌道演算部
135…車両運動制御部
135a…舵角指令値生成部
140…EPS(電動パワーステアリング装置)側ECU
141…トルク制御部
142…切換部
143…電流制御/駆動部
144…モータ角速度演算部
145…切換判定/徐変ゲイン生成部
146…EPS状態量検出器
147…アシスト制御部
150…モータ
151…回転センサ
154…トルクセンサ
160…プラント
200…舵角制御部
201、201a…舵角演算部
202…上下限可変リミッタ
204…可変レートリミッタ
206…ハンドル振動除去手段
208…位置制御部
210…速度指令値上下限可変リミッタ
212…舵角速度制御部
214…舵角制御出力上下限リミッタ
220…操舵介入補償兼ハンドル制振手段
230…FFフィルタ
341…収れん性
342…慣性
343…セルフアライニングトルク(SAT)
344…加算部
345…加算部
CM…補償信号
GFA1…舵角制御出力徐変ゲイン
GFA2…速度制御徐変ゲイン
GFA3…速度指令徐変ゲイン
GFA4…舵角指令徐変ゲイン
GFT1…アシスト制御出力徐変ゲイン
GFT2…アシストマップ徐変ゲイン
IrefP1…舵角制御電流指令値
Th…操舵トルク
Vs…車速
θr…実操舵角の推定値
θref…舵角指令値
θs…モータ回転角
θt…目標操舵角
ωref…舵角速度指令値
Claims (2)
- 車両のステアリング機構にモータの回転力で操舵補助力を付与する電動パワーステアリング装置の制御装置であって、
前記車両の目標軌道に基づき演算された舵角指令値θrefが入力され、入力された舵角指令値θrefに基づき前記ステアリング機構の舵角を制御する舵角制御部を備え、
前記舵角制御部は、
入力される実舵角速度ωrを用いて、前記ステアリング機構の実操舵角の推定値θrを求め、実操舵角推定値θrとして出力する舵角演算部と、
入力される目標操舵角θtと前記実操舵角推定値θrとに基づき、舵角速度指令値ωrefを導出する位置制御部とを具備し、
前記舵角演算部は、
前記実舵角速度ωrとともに、入力される操舵トルクTtを用いて、前記実操舵角推定値θrを求める、電動パワーステアリング装置の制御装置。 - 前記舵角演算部は、
前記実舵角速度ωrの時間積分値Sとともに、前記操舵トルクTtを所定の係数Ktorで除することにより捩れ角Δθを求め、求めた前記時間積分値Sに、前記捩れ角Δθを加算することで、前記実操舵角推定値θrを導出する、請求項1に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
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