以下では、本明細書に開示する発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明の一態様は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨およびその範囲から逸脱することなくその形態および詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明の一態様は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
なお、以下に説明する実施の形態において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
また、図面等において示す各構成の、位置、大きさ、範囲などは、理解の簡単のため、実際の位置、大きさ、範囲などを表していない場合がある。このため、開示する発明は、必ずしも、図面等に開示された位置、大きさ、範囲などに限定されない。
また、本明細書等において「上」という用語は、構成要素の位置関係が「直上」であることを限定するものではない。例えば、「絶縁表面上の酸化物半導体層」の表現であれば、絶縁表面と酸化物半導体層との間に他の構成要素を含むものを除外しない。「下」についても同様である。
また、「ソース」や「ドレイン」の機能は、異なる極性のトランジスタを採用する場合や、回路動作において電流の方向が変化する場合などには入れ替わることがある。このため、本明細書においては、「ソース」や「ドレイン」という用語は、入れ替えて用いることができるものとする。
また、本明細書等において、「電気的に接続」には、「何らかの電気的作用を有するもの」を介して接続されている場合が含まれる。ここで、「何らかの電気的作用を有するもの」は、接続対象間での電気信号の授受を可能とするものであれば、特に制限を受けない。例えば、「何らかの電気的作用を有するもの」には、電極や配線などが含まれる。
本明細書において、「平行」とは、二つの直線が−10°以上10°以下の角度で配置されている状態をいう。従って、−5°以上5°以下の場合も含まれる。また、「垂直」とは、二つの直線が80°以上100°以下の角度で配置されている状態をいう。従って、85°以上95°以下の場合も含まれる。
また、本明細書において、結晶が三方晶または菱面体晶である場合、六方晶系として表す。
(実施の形態1)
本実施の形態では、半導体装置の一例として、トランジスタの構成等を図1乃至図3を用いて説明すると共に、当該トランジスタの作製方法の一例を、図4および図5を用いて説明する。
<半導体装置の構造>
図1は、本実施の形態に記載するトランジスタの構造を示す図であり、図1(A)はトランジスタ150の平面図、図1(B)は図1(A)の一点鎖線A1−A2の断面図、図1(C)は図1(A)の一点鎖線B1−B2の断面図である。
トランジスタ150は、図1のように、基板100上に設けられた第1の絶縁層102と、第1の絶縁層102上に設けられた第1の酸化物半導体膜104aおよび第2の酸化物半導体膜104bを備える酸化物半導体層104と、第1の酸化物半導体膜104aの段差部底面および側面と接し、かつ第2の酸化物半導体膜104b上に端部を有するソース電極108aおよびドレイン電極108bと、第2の酸化物半導体膜104b、ソース電極108aおよびドレイン電極108b上のゲート絶縁層110と、ゲート絶縁層110を挟んで酸化物半導体層104と重なるゲート電極112とを有した構造である。また、トランジスタ150上には第2の絶縁層114および第3の絶縁層116が形成されている。
なお、トランジスタ150において、第1の酸化物半導体膜104aは、第2の酸化物半導体膜104bと重なり、第1の膜厚を有する第1の領域と、ソース電極108aまたはドレイン電極108bと重なり、第2の膜厚を有する第2の領域と、を有する。第2の膜厚は第1の膜厚よりも薄い。上述の段差部とは、第1の領域と第2の領域との段差の部分に相当する。
本実施の形態の構造における第1の特徴は、酸化物半導体層104を、キャリアパスとしての機能を担うことを主目的とした第1の酸化物半導体膜104aと、第1の酸化物半導体膜104aとゲート絶縁層110に接して挟まれ、界面準位の低減を主目的とした第2の酸化物半導体膜104bを少なくとも含む積層構造とし、第1の酸化物半導体膜104aと第2の酸化物半導体膜104bを同一の金属元素を主成分として含む膜とし、第2の酸化物半導体膜104bの電子親和力を第1の酸化物半導体膜104aの電子親和力より0.1eV以上小さくすることにある。
一般に、酸化物半導体層の上面にソース電極およびドレイン電極を接続する、いわゆるトップコンタクト型のトランジスタでは、酸化物半導体層と酸化物半導体層に接して形成される絶縁膜(例えば、ゲート絶縁膜。)との界面にて界面準位が発生するため、ON/OFF比特性、電界効果移動度、サブスレショルド係数の低下など、電気特性に様々な悪影響が生じる。
これに対し、図1に示すトランジスタ150では、上述第1の特徴を備えた構造とすることにより、酸化物半導体層104においてキャリアは、第2の酸化物半導体膜104b近傍における第1の酸化物半導体膜104a中を選択的に流れる。そして、第1の酸化物半導体膜104aと第2の酸化物半導体膜104bの界面(つまり、チャネル領域近傍の界面)における界面準位は、酸化物半導体層104がゲート絶縁層110と直接接している場合と比較して低減されているため、ON/OFF比特性、電界効果移動度、サブスレショルド係数の低下などの電気特性への悪影響を抑制することができる。
なお、第1の酸化物半導体膜104aに接して、第1の酸化物半導体膜104aより電子親和力が0.1eV以上小さい第2の酸化物半導体膜104bを形成することによる、キャリア伝導の概念を、図2を用いて簡潔に説明する。
図2(A)は、図1(C)の一点鎖線C1−C2において、積層された各々の膜の伝導帯下端(Ec)の位置関係を模式的に表した図である。なお、ゲート電極112についてはフェルミ準位を記載している。
電子親和力は、真空準位(VL)を基準とした伝導帯下端のエネルギーに相当する。例えば、第2の酸化物半導体膜104bでは矢印部Xが電子親和力に相当する。
なお、図2(A)では、第1の絶縁層102およびゲート絶縁層110を単層の酸化シリコン膜と仮定している。また、各層の接合によるバンドの曲がり(バンドの歪み、とも表現できる。)については考慮していない。
第1の酸化物半導体膜104aの電子親和力よりも0.1eV以上小さい電子親和力を有する膜を、第2の酸化物半導体膜104bとして用いた場合、図2(A)のように、第1の酸化物半導体膜104aの伝導帯下端(図中では「Ec_ox1」と記載する)は、第2の酸化物半導体膜104bの伝導帯下端(図中では「Ec_ox2」と記載する。)よりも0.1eV以上低い位置となるため、キャリアは第2の酸化物半導体膜104bとの界面近傍における第1の酸化物半導体膜104a中(つまり、図2(A)の黒丸の記載された位置。ただし、あくまでも模式図であるため、正確な位置ではない。)を選択的に流れやすくなる。
なお、第2の酸化物半導体膜104bは、より好ましくは第1の酸化物半導体膜104aの電子親和力より0.2eV以上小さい電子親和力を有する膜を用い、さらに好ましくは0.3eV以上小さい電子親和力を有する膜を用いる事が望ましい。
なお、図1のようにチャネルが形成される領域を含む層(ここでは、第1の酸化物半導体膜104a)が第1の絶縁層102と直接接する構造の場合、バックチャネル側である、第1の絶縁層102近傍における第1の酸化物半導体膜104a中(図2(A)の領域200に相当。)にも、少なからずキャリアが流れる場合がある。特に、酸化物半導体層104の膜厚が非常に薄い場合、例えば、酸化物半導体層104の膜厚が10nm以下の場合に、当該現象が顕著に表れる傾向にある。
当該キャリアの流れは、第1の絶縁層102と第1の酸化物半導体膜104aとの界面の界面準位に大きく影響される。以下にて、当該影響を抑制する方法についての説明を記載する。
上述の界面準位の影響を抑制する方法としては、図3に示すように、第1の酸化物半導体膜104aと第1の絶縁層102(絶縁表面とも表現できる。)の間に第3の酸化物半導体膜104cを設けた構造とし、第1の酸化物半導体膜104aとして用いる膜の電子親和力より0.1eV以上電子親和力が小さい膜を、第3の酸化物半導体膜104cとして用いた構造とすればよい。なお、第3の酸化物半導体膜104cと第2の酸化物半導体膜104bを同じ材料でなる膜としてもよい。
つまり、図2(B)に示すように、第1の酸化物半導体膜104aの伝導帯下端(Ec_ox1)が、第2の酸化物半導体膜104bの伝導帯下端(Ec_ox2)および第3の酸化物半導体膜104cの伝導帯下端(図中では「Ec_ox3」と記載する)より0.1eV以上小さく(好ましくは0.2eV以上小さく、更に好ましくは0.3eV以上小さく。)して、第1の酸化物半導体膜104aの伝導帯下端(Ec_ox2)が凹んでいる構造とする。
これにより、酸化物半導体層104中のバックチャネル側を流れるキャリアは、第3の酸化物半導体膜104cとの界面近傍における第1の酸化物半導体膜104a中(つまり、図2(B)の黒丸の記載された位置。ただし、あくまでも模式図であるため、正確な位置ではない。)を選択的に流れやすくなる。
したがって、図3に記載の構造とすることにより、フロントチャネル側およびバックチャネル側の両方において、キャリアの流れが界面準位に影響を受けることを抑制することができる。
また、本実施の形態の構造における第2の特徴は、第1の酸化物半導体膜104aにおいて、第2の酸化物半導体膜104bと重ならず且つソース電極108aと重なる位置および、第2の酸化物半導体膜104bと重ならず且つドレイン電極108bと重なる位置に段差部を設け、ソース電極108aおよびドレイン電極108bが当該段差部の底面および側面に接する構造とすることにある。
第1の酸化物半導体膜104aが段差部を有することで、第1の酸化物半導体膜104aに段差部を有さない場合(例えば、第1の酸化物半導体膜104aの端部がテーパ形状の場合)と比較して、ソース電極(またはドレイン電極)と接する表面積を増加させることができる。これによって、キャリアを効果的に第1の酸化物半導体膜104aへと注入することが可能となるため、トランジスタ150のON/OFF比特性、電界効果移動度などの電気特性を良好なものにすることができる。
<半導体装置の作製方法>
次に、トランジスタ150等の作製方法を、図4乃至図6を用いて説明する。
まず、絶縁表面を有する基板100を準備し、基板100上に第1の絶縁層102を形成する(図4(A)参照。)。
絶縁表面を有する基板100に使用することができる基板に大きな制限はないが、少なくとも、後の熱処理に耐えうる程度の耐熱性を有していることが必要となる。例えば、バリウムホウケイ酸ガラスやアルミノホウケイ酸ガラスなどの無アルカリガラス基板、セラミック基板、石英基板、サファイア基板などの基板を用いることができる。また、絶縁表面を有していれば、シリコンや炭化シリコンなどの単結晶半導体基板、多結晶半導体基板、シリコンゲルマニウムなどの化合物半導体基板、SOI基板などを適用することも可能である。
なお、基板100は、予め基板100の歪み点より低い温度で加熱処理を行い、基板100をシュリンク(熱収縮とも言われる。)させておくことが好ましい。これにより、トランジスタ150作製工程で行われる加熱工程により生じる基板100のシュリンク量を抑えることができるため、例えば、露光工程などでのマスクずれを抑制することができる。また、当該加熱処理により、基板100の表面に付着した水分や有機物などを取り除くことができる。
第1の絶縁層102は、基板100から酸化物半導体層104への不純物(例えば、アルミニウム、マグネシウム、ストロンチウム、ボロンなどの金属元素や、窒素原子、水素原子、水分など。)の拡散を抑制し、トランジスタ150への電気特性の悪影響(例えば、トランジスタのノーマリーオン化(しきい値電圧の負方向へのシフト)、しきい値電圧バラツキの発生、電界効果移動度の低下など。)を抑制する役割を担う。
第1の絶縁層102としては、例えば、真空蒸着法やスパッタリング法などの物理気相成長法(PVD:Physical Vapor Deposition)や、プラズマCVD法などの化学気相成長法(CVD:Chemical Vapor Deposition)を用いて、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、窒化アルミニウム膜、酸化窒化アルミニウム膜、窒化酸化アルミニウム膜などを、単層でまたは積層して形成することができる。
なお、本明細書中において、酸化窒化膜とは、その組成として、窒素よりも酸素の含有量が多いものを指し、窒化酸化膜とは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多いものを指す。
第1の絶縁層102は、生産性および上述の不純物拡散防止の観点を鑑みると、50nm以上500nm以下の膜厚とすることが好ましいが、必ずしも当該範囲内である必要はない。
また、半導体層として酸化物半導体層104を用いる場合、第1の絶縁層102は、加熱処理により1×1019[原子/cm3]以上の酸素放出が可能な酸化物絶縁膜を含む構造とすることが望ましい。
酸化物半導体層104は、膜中に酸素欠損が存在すると、酸素欠損がキャリアの生成要因となり、半導体装置の特性に悪影響(例えば、トランジスタにゲート電圧を印加しなくてもチャネルが存在して、トランジスタにドレイン電流が流れてしまう(いわゆる、トランジスタのノーマリーオン化)など。)を及ぼす恐れがあるため、第1の絶縁層102として上述の酸素放出が可能な酸化物絶縁膜を形成することにより、酸化物絶縁膜を形成後に当該膜に対して加熱処理を行うことにより、酸化物半導体層104に酸素供給を行うことができる。これにより、酸化物半導体層104の酸素欠損を低減できるため、酸化物半導体層104を半導体層として用いたトランジスタ150の電気特性を良好なものとできる。
なお、上述の「加熱処理により酸素を放出する」とは、TDS(Thermal Desorption Spectroscopy:昇温脱離ガス分光法)にて、酸素分子の放出量が1.0×1018分子/cm3以上、好ましくは3.0×1019分子/cm3以上、さらに好ましくは1.0×1020分子/cm3以上であることをいう。
特に、第1の絶縁層102中(バルク中)に少なくとも化学量論的組成を超える量の酸素が存在することが好ましい。例えば、第1の絶縁層102として酸化シリコンを用いる場合、SiO2+α(ただし、α>0)で表される酸化シリコン膜を用いることが好ましい。なお、このような化学量論的組成よりも酸素を過剰に含む領域(以下、酸素過剰領域とも記載する。)は、第1の絶縁層102の少なくとも一部に存在していればよい。
熱処理により酸化物半導体層104に酸素を供給する機能を第1の絶縁層102に持たせる場合、第1の絶縁層102から脱離する酸素が酸化物半導体層104に効率的に供給されるように、第1の絶縁層102を、酸素透過性の低い膜(例えば、酸化アルミニウム膜、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜など。)と酸素供給性の高い膜(上述の化学量論的組成を超える量の酸素を含む膜。)を備えた積層構造とし、酸素透過性の低い膜を、絶縁表面(ここでは、基板100の表面)と酸素供給性の高い膜の間に形成することが好ましい。これにより、酸素供給性の高い膜から加熱処理によって放出される酸素は、酸素透過性の低い膜より下側(基板100側)にはほとんど拡散せず、酸化物半導体層104に効率的に供給される。
なお、上述の酸素透過性が低い膜と酸素供給性の高い膜の間に更に別の膜が存在すると、酸素供給性の高い膜から放出された酸素が、別の膜中に取り込まれる、といった可能性もあるため、酸素透過性が低い膜と酸素供給性の高い膜は、直接接していることが好ましい。
また、第1の絶縁層102は、膜中に極力水素原子を含まないことが望ましい。これは、後の工程にて成膜する酸化物半導体層104中に水素原子が含まれると、水素原子が酸化物半導体と結合することによって水素の一部がキャリアの生成要因となり、トランジスタのしきい値電圧が負方向にシフトしてしまうからである。このため、膜中の水素原子を低減するという観点から考えると、第1の絶縁層102の成膜には水素を含むガスを用いる必要の無いスパッタリング法などの物理気相成長法を用いることが好ましい。
しかし、面内バラツキ、パーティクル混入および成膜タクトを低減する観点から、CVD法を用いて第1の絶縁層102を成膜する必要がある場合もある。
CVD法を用いて第1の絶縁層102を成膜する場合は、成膜ガス種としてシランガス(SiH4)などのように水素を含むガスを用いることがあるため、第1の絶縁層102中には多量の水素が含まれてしまうことがある。
このため、例えば、CVD法により第1の絶縁層102を成膜した場合は、成膜後の第1の絶縁層102に対して、膜中の水素原子除去を目的とした熱処理(以下、本明細書において、膜中から水素原子を除去することを目的とした加熱を、「脱水化処理」または「脱水素化処理」と記載する。)を行うことが好ましい。
当該熱処理は、250℃以上650℃以下、好ましくは300℃以上600℃以下、または基板の歪み点未満とする。例えば、熱処理装置の一つである電気炉に基板を導入し、第1の絶縁層102に対して真空(減圧)雰囲気下において350℃で1時間の加熱処理を行えばよい。
上述の熱処理装置は電気炉に限られず、抵抗発熱体などの発熱体からの熱伝導または熱輻射によって、被処理物を加熱する装置を用いてもよい。例えば、GRTA(Gas Rapid Thermal Annealing)装置、LRTA(Lamp Rapid Thermal Annealing)装置等のRTA(Rapid Thermal Annealing)装置を用いることができる。LRTA装置は、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノンアークランプ、カーボンアークランプ、高圧ナトリウムランプ、高圧水銀ランプなどのランプから発する光(電磁波)の輻射により、被処理物を加熱する装置である。GRTA装置は、高温のガスを用いて熱処理を行う装置である。高温のガスには、アルゴンなどの希ガス、または窒素のような、熱処理によって被処理物と反応しない不活性気体が用いられる。なお、熱処理装置としてGRTA装置を用いる場合には、その処理時間が短いため、650℃〜700℃の高温に加熱した不活性ガス中で基板を加熱してもよい。
熱処理は、窒素、酸素、超乾燥空気(水の含有量が20ppm以下、好ましくは1ppm以下、好ましくは10ppb以下の空気)、または希ガス(アルゴン、ヘリウムなど)の雰囲気下で行えばよく、上記窒素、酸素、超乾燥空気、または希ガス等の雰囲気に水、水素などが含まれないことが好ましい。または、熱処理装置に導入する窒素、酸素、または希ガスの純度を、6N(99.9999%)以上好ましくは7N(99.99999%)以上(即ち不純物濃度を1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下)とすることが好ましい。
第1の絶縁層102に対して上述の熱処理を行った場合、水素と共に酸素の一部も第1の絶縁層102中から除去されてしまう可能性がある。そこで、上述の熱処理を行った後に、第1の絶縁層102に対して酸素を添加する処理(以下、本明細書において、膜中に酸素を添加することを目的とした処理を、「加酸素化処理」または「過酸素化処理」と記載する。)を行うことが好ましい。
なお、加酸素化処理により第1の絶縁層102に添加される酸素は、少なくとも酸素ラジカル、オゾン、酸素原子、酸素イオン(分子イオン、クラスタイオンを含む)のいずれか一つ以上が含まれている。脱水化処理又は脱水素化処理を行った第1の絶縁層102に酸素導入処理を行うことにより、第1の絶縁層102中に酸素を含有させることができ、脱水化処理または脱水素化処理によって第1の絶縁層102から脱離した酸素を補填することができる。
第1の絶縁層102への加酸素化処理は、例えば、酸素雰囲気下で加熱処理を行えばよい。また、イオン注入法、イオンドーピング法、プラズマイマージョンイオンインプランテーション法、プラズマ処理等を用いることができる。なお、イオン注入法として、ガスクラスタイオンビームを用いてもよい。
酸素の供給ガスとしては、Oを含有するガスを用いればよく、例えば、O2ガス、N2Oガス、CO2ガス、COガス、NO2ガス等を用いることができる。なお、酸素の供給ガスに希ガス(例えばAr)を含有させてもよい。
イオン注入法で加酸素化処理行う場合、酸素のドーズ量は1×1013ions/cm2以上5×1016ions/cm2以下とするのが好ましい。なお、酸素の注入深さは、注入条件により適宜制御すればよい。
上述の加酸素化処理および脱水化処理の一方または両方は、複数回行ってもよい。例えば、第1の加酸素化処理、脱水化処理(または脱水素化処理)、第2の加酸素化処理というように過酸素化処理を2回行うことにより、第1の加酸素化処理により第1の絶縁層102の結晶構造に歪みが形成されているため、第2の加酸素化処理において、結晶構造内に酸素をより多く導入することができる。
また、酸化物半導体層104成膜後に加熱処理を行ってもよい。酸化物半導体層104成膜後の加熱処理により第1の絶縁層102から脱離する酸素は、酸化物半導体層104中の酸素欠損を補うだけでなく、第1の絶縁層102と酸化物半導体層104との界面準位密度を低減する効果もある。このため、酸化物半導体層と第1の絶縁層102との界面にキャリアが捕獲されることを抑制することができ、信頼性の高いトランジスタを得ることができる。
なお、脱水化処理(又は脱水素化処理)は、水素の含有量を極めて低くした環境中で第1の絶縁層102を形成する場合(例えば、スパッタリング装置を用いて第1の絶縁層102を形成するなど。)は、必ずしも行う必要はない。
第1の絶縁層102は、上述のように加熱処理により酸素を供給する機能以外に、表面平坦性が高いことが好ましい。
これは、第1の絶縁層102の平坦性が低いと、後の工程で形成される酸化物半導体層104の平坦性も低くなり、トランジスタ150の電気特性が悪化する場合があるためである。例えば、酸化物半導体層104の平坦性が低い場合、チャネル部に凹凸が存在することによる移動度の低下などが起こる恐れがある。
第1の絶縁層102表面平坦性を高めるための処理(以下、膜の表面平坦性を高める処理のことを、平坦化処理と記載する。)としては、例えば、化学機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)処理やドライエッチング法などを用いることができる。なお、CMP処理を行う場合は、1回のみ行ってもよいし、複数回行ってもよい。
第1の絶縁層102の表面平坦性としては、具体的には、平均面粗さ(Ra)が1nm以下、好ましくは0.3nm以下、より好ましくは0.1nm以下とするとよい。複数回に分けてCMP処理を行う場合は、高い研磨レートの一次研磨を行った後、低い研磨レートの仕上げ研磨を行うことが好ましい。このように研磨レートの異なる研磨を組み合わせることによって、酸化物半導体を形成する面の平坦性をより向上させることができる。
なお、ここで、平均面粗さ(Ra)とは、JISB0601:2001(ISO4287:1997)で定義されている算術線平均粗さ(Ra)を、曲面に対して適用できるよう三次元に拡張したものであり、「基準面から指定面までの偏差の絶対値を平均した値」で表現でき、以下の数式(1)にて定義される。
ここで、指定面とは、粗さ計測の対象となる面であり、座標((x1,y1,f(x1,y1))、(x1,y2,f(x1,y2))、(x2,y1,f(x2,y1))、(x2,y2,f(x2,y2))の4点で表される四角形の領域とし、指定面をxy平面に投影した長方形の面積をS0、基準面の高さ(指定面の平均の高さ)をZ0とする。Raは原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)にて測定可能である。
次に、第1の絶縁層102上に第1の酸化物半導体膜104aを形成する(図4(B)参照。)。
第1の酸化物半導体膜104aは、例えば、PVD法やCVD法などを用いて酸化物半導体膜を成膜し、当該膜上にフォトリソグラフィ法などによりレジストマスクを形成した後に、ドライエッチング法やウェットエッチング法などを用いて酸化物半導体膜を選択的に除去することにより形成すればよい。
酸化物半導体材料としては、例えば、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、In−Zn系酸化物、In−Mg系酸化物、In−Ga系酸化物、In−Ga−Zn系酸化物(IGZOとも表記する)、In−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Zn系酸化物、In−Hf−Zn系酸化物、In−La−Zn系酸化物、In−Ce−Zn系酸化物、In−Pr−Zn系酸化物、In−Nd−Zn系酸化物、In−Sm−Zn系酸化物、In−Eu−Zn系酸化物、In−Gd−Zn系酸化物、In−Tb−Zn系酸化物、In−Dy−Zn系酸化物、In−Ho−Zn系酸化物、In−Er−Zn系酸化物、In−Tm−Zn系酸化物、In−Yb−Zn系酸化物、In−Lu−Zn系酸化物、In−Sn−Ga−Zn系酸化物、In−Hf−Ga−Zn系酸化物、In−Al−Ga−Zn系酸化物、In−Sn−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Hf−Zn系酸化物、In−Hf−Al−Zn系酸化物を用いることができる。
なお、ここで、例えば、In−Ga−Zn系酸化物とは、InとGaとZnを主成分として有する酸化物という意味であり、InとGaとZnの比率は問わない。また、InとGaとZn以外の金属元素が入っていてもよい。
また、酸化物半導体材料として、InMO3(ZnO)m(m>0、且つ、mは整数でない)で表記される材料を用いてもよい。なお、Mは、Ga、Fe、MnおよびCoから選ばれた一の金属元素又は複数の金属元素を示す。また、酸化物半導体材料として、In2SnO5(ZnO)n(n>0、且つ、nは整数)で表記される材料を用いてもよい。
なお、第1の酸化物半導体膜104aに水素が多量に含まれると、酸化物半導体と結合することによって、水素の一部がキャリアの生成要因となり、トランジスタのしきい値電圧が負方向にシフトしてしまう。そのため、酸化物半導体層104において、水素濃度は、5×1018atoms/cm3未満、好ましくは1×1018atoms/cm3以下、より好ましくは5×1017atoms/cm3以下、更に好ましくは1×1016atoms/cm3以下とすることが望ましい。なお、上述の第1の酸化物半導体膜104a中の水素濃度は、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)で測定されるものである。
このため、第1の酸化物半導体膜104aとして酸化物半導体膜を成膜する際は、成膜に用いるガスとして、水、水素、水酸基又は水素化物などの不純物が含まれないことが好ましい。
例えば、純度が6N以上好ましくは7N以上(即ち、ガス中の不純物濃度を1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下)の成膜ガスを用いる、露点が−80℃以下、好ましくは−100℃以下である成膜ガスを用いることが望ましい。
また、成膜室内の水分(水、水蒸気、水素、水酸基または水酸化物を含む)を除去するために、吸着型の真空ポンプ、例えば、クライオポンプ、イオンポンプ、チタンサブリメーションポンプを用いることが好ましい。また、排気手段は、ターボ分子ポンプにコールドトラップを加えたものであってもよい。クライオポンプは、例えば、水素原子、水(H2O)など水素原子を含む化合物(より好ましくは炭素原子を含む化合物も)等を排気可能であるため、クライオポンプを用いて排気した成膜室で成膜した酸化物半導体膜に含まれる水素、水分などの不純物の濃度を低減できる。
加えて、第1の酸化物半導体膜104aには窒素も極力含まれていないことが好ましい。これは、水素の場合と同様に、酸化物半導体と結合することによって、窒素の一部がドナーとなり、キャリアである電子を生じてしまうためである。そのため、第1の酸化物半導体膜104aを加熱してTDS測定を行った場合において、当該膜からのアンモニア分子の放出量のピークが5.0×1021[分子/cm3]以下、好ましくは1.0×1021[分子/cm3]以下、より好ましくは8.0×1021[分子/cm3]以下である膜を用いることが望ましい。
更に、第1の酸化物半導体膜104aは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の濃度が、1×1018atoms/cm3以下、さらに好ましくは2×1016atoms/cm3以下であることが望ましい。これは、上述の水素や窒素と同様に、アルカリ金属およびアルカリ土類金属が、酸化物半導体と結合するとキャリアが生成されることがあり、トランジスタのオフ電流の上昇の原因となるためである。
第1の酸化物半導体膜104aは、単結晶酸化物半導体膜、多結晶(ポリクリスタルともいう。)酸化物半導体膜、微結晶(ナノクリスタルともいう。)酸化物半導体膜、または非晶質酸化物半導体膜などの状態をとる。また、酸化物半導体層104をCAAC−OS(C Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)膜としてもよい。
以下では、酸化物半導体膜の構造について説明する。
酸化物半導体膜は、単結晶酸化物半導体膜と非単結晶酸化物半導体膜とに大別される。非単結晶酸化物半導体膜とは、非晶質酸化物半導体膜、微結晶酸化物半導体膜、多結晶酸化物半導体膜、CAAC−OS(C Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)膜などをいう。
非晶質酸化物半導体膜は、膜中における原子配列が不規則であり、結晶成分を有さない酸化物半導体膜である。微小領域においても結晶部を有さず、膜全体が完全な非晶質構造の酸化物半導体膜が典型である。
微結晶酸化物半導体膜は、例えば、1nm以上10nm未満の大きさの微結晶(ナノ結晶ともいう。)を含む。従って、微結晶酸化物半導体膜は、非晶質酸化物半導体膜よりも原子配列の規則性が高い。そのため、微結晶酸化物半導体膜は、非晶質酸化物半導体膜よりも欠陥準位密度が低いという特徴がある。
CAAC−OS膜は、複数の結晶部を有する酸化物半導体膜の一つであり、ほとんどの結晶部は、一辺が100nm未満の立方体内に収まる大きさである。従って、CAAC−OS膜に含まれる結晶部は、一辺が10nm未満、5nm未満または3nm未満の立方体内に収まる大きさの場合も含まれる。CAAC−OS膜は、微結晶酸化物半導体膜よりも欠陥準位密度が低いという特徴がある。以下、CAAC−OS膜について詳細な説明を行う。
CAAC−OS膜を透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)によって観察すると、結晶部同士の明確な境界、即ち結晶粒界(グレインバウンダリーともいう。)を確認することができない。そのため、CAAC−OS膜は、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。
CAAC−OS膜を、試料面と概略平行な方向からTEMによって観察(断面TEM観察)すると、結晶部において、金属原子が層状に配列していることを確認できる。金属原子の各層は、CAAC−OS膜の膜を形成する面(被形成面ともいう。)または上面の凹凸を反映した形状であり、CAAC−OS膜の被形成面または上面と平行に配列する。
一方、CAAC−OS膜を、試料面と概略垂直な方向からTEMによって観察(平面TEM観察)すると、結晶部において、金属原子が三角形状または六角形状に配列していることを確認できる。しかしながら、異なる結晶部間で、金属原子の配列に規則性は見られない。
断面TEM観察および平面TEM観察より、CAAC−OS膜の結晶部は配向性を有していることがわかる。
CAAC−OS膜に対し、X線回折(XRD:X−Ray Diffraction)装置を用いて構造解析を行うと、例えばInGaZnO4の結晶を有するCAAC−OS膜のout−of−plane法による解析では、回折角(2θ)が31°近傍にピークが現れる場合がある。このピークは、InGaZnO4の結晶の(009)面に帰属されることから、CAAC−OS膜の結晶がc軸配向性を有し、c軸が被形成面または上面に概略垂直な方向を向いていることが確認できる。
一方、CAAC−OS膜に対し、c軸に概略垂直な方向からX線を入射させるin−plane法による解析では、2θが56°近傍にピークが現れる場合がある。このピークは、InGaZnO4の結晶の(110)面に帰属される。InGaZnO4の単結晶酸化物半導体膜であれば、2θを56°近傍に固定し、試料面の法線ベクトルを軸(φ軸)として試料を回転させながら分析(φスキャン)を行うと、(110)面と等価な結晶面に帰属されるピークが6本観察される。これに対し、CAAC−OS膜の場合は、2θを56°近傍に固定してφスキャンした場合でも、明瞭なピークが現れない。
以上のことから、CAAC−OS膜では、異なる結晶部間ではa軸およびb軸の配向は不規則であるが、c軸配向性を有し、かつc軸が被形成面または上面の法線ベクトルに平行な方向を向いていることがわかる。従って、前述の断面TEM観察で確認された層状に配列した金属原子の各層は、結晶のab面に平行な面である。
なお、結晶部は、CAAC−OS膜を成膜した際、または加熱処理などの結晶化処理を行った際に形成される。上述したように、結晶のc軸は、CAAC−OS膜の被形成面または上面の法線ベクトルに平行な方向に配向する。従って、例えば、CAAC−OS膜の形状をエッチングなどによって変化させた場合、結晶のc軸がCAAC−OS膜の被形成面または上面の法線ベクトルと平行にならないこともある。
また、CAAC−OS膜中の結晶化度が均一でなくてもよい。例えば、CAAC−OS膜の結晶部が、CAAC−OS膜の上面近傍からの結晶成長によって形成される場合、上面近傍の領域は、被形成面近傍の領域よりも結晶化度が高くなることがある。また、CAAC−OS膜に不純物を添加する場合、不純物が添加された領域の結晶化度が変化し、部分的に結晶化度の異なる領域が形成されることもある。
なお、InGaZnO4の結晶を有するCAAC−OS膜のout−of−plane法による解析では、2θが31°近傍のピークの他に、2θが36°近傍にもピークが現れる場合がある。2θが36°近傍のピークは、CAAC−OS膜中の一部に、c軸配向性を有さない結晶が含まれることを示している。CAAC−OS膜は、2θが31°近傍にピークを示し、2θが36°近傍にピークを示さないことが好ましい。
CAAC−OS膜を用いたトランジスタは、可視光や紫外光の照射による電気特性の変動が小さい。よって、当該トランジスタは、信頼性が高い。
なお、第1の酸化物半導体膜104aは、例えば、非晶質酸化物半導体膜、微結晶酸化物半導体膜、CAAC−OS膜のうち、二種以上を有する積層膜であってもよい。
なお、図3の説明にて記載したように、第1の絶縁層102と第1の酸化物半導体膜104aの間に、第3の酸化物半導体膜104cを備えた構造としてもよい。その際は、図3の説明にて記載したように、第1の酸化物半導体膜104aより電子親和力が0.1eV以上小さい膜を、第3の酸化物半導体膜104cとして用いる。第3の酸化物半導体膜104cの形成方法等については、後述の第2の酸化物半導体膜104bの説明を参酌することができる。
酸化物半導体膜は、材料中の主成分である金属元素の構成比率を変更することにより、電子親和力の異なる膜を作製することができる。
例えばIn−Ga−Zn−O膜の場合、In:Ga:Zn=1:1:1、In:Ga:Zn=3:1:2、In:Ga:Zn=1:3:2という金属元素の構成比率を持つ3種類の膜について、エリプソメトリー法を用いたバンドギャップ値の評価結果および紫外線光電子分光分析(UPS:Ultraviolet_Photoelectron_Spectroscopy)法を用いた仕事関数測定結果を元に各々の電子親和力を導出したところ、In:Ga:Zn=1:1:1の場合で4.75〜4.85eV、In:Ga:Zn=3:1:2の場合で4.9〜5.0eV、In:Ga:Zn=1:3:2の場合で4.3〜4.7eVという結果が得られた。
このため、例えば第1の酸化物半導体膜104aとしてIn:Ga:Zn=3:1:2のIn−Ga−Zn−O膜を用い、第3の酸化物半導体膜104cとしてIn:Ga:Zn=1:1:1のIn−Ga−Zn−O膜またはIn:Ga:Zn=1:3:2のIn−Ga−Zn−O膜を用いることにより、第3の酸化物半導体膜104cの電子親和力を第1の酸化物半導体膜104aより0.1eV以上小さい構造とすることができる。
なお、勿論ではあるがIn−Ga−Zn−O膜における金属元素の構成比率が、上述の構成比率に限定されるものではない。第1の酸化物半導体膜104aより電子親和力が0.1eV以上小さい膜を、第3の酸化物半導体膜104cとして用いる限り、金属元素の構成比率に特段の限定はない。
また、In−Ga−Zn−O膜以外の酸化物半導体材料についても、第1の酸化物半導体膜104aより電子親和力が0.1eV以上小さい膜を、第3の酸化物半導体膜104cとして用いる限り、金属元素の構成比率に特段の限定はない。
以上のように、第3の酸化物半導体膜104cを設けることにより、トランジスタ150のバックチャネル側を流れるキャリアの界面準位による影響を抑制でき、トランジスタ150の電気特性を良好なものとすることができる。
なお、第3の酸化物半導体膜104cを設けることは、上述の界面準位の低減以外にもメリットがある。
第1の酸化物半導体膜104aを形成する際において、第1の絶縁層102から第1の酸化物半導体膜104a中にシリコン原子が拡散する場合がある。例えば、スパッタリング法により酸化物半導体膜を成膜する際に、酸化物半導体膜を構成する金属元素(例えば、In、Ga、Znなど。)が第1の絶縁層102に勢いよく衝突することで、第1の絶縁層102を構成するSi原子が第1の絶縁層102から放出され、第1の酸化物半導体膜104aに拡散する場合がある(ミキシングなどとも言われる。)。
しかし、上述のように第1の絶縁層102と第1の酸化物半導体膜104aの間に第3の酸化物半導体膜104cを設けた構造とした場合、第1の絶縁層102からの不純物の拡散を第3の酸化物半導体膜104c中で止めることができ、また、キャリアは第3の酸化物半導体膜104c近傍における第1の酸化物半導体膜104a中を選択的に流れるため、第1の絶縁層102側からの不純物拡散に起因したトランジスタ150の電気特性の悪化を抑制することができる。
上記のように、第3の酸化物半導体膜104cにより第1の絶縁層102側からの不純物の拡散を抑制するためには、第3の酸化物半導体膜104cの厚さは2nm以上50nm以下、好ましくは3nm以上30nm以下、より好ましくは5nm以上20nm以下とすることが望ましい。
次に、第1の酸化物半導体膜104a上に第2の酸化物半導体膜104bを設け、酸化物半導体層104を形成する(図4(C)参照。)。
第2の酸化物半導体膜104bは、第1の酸化物半導体膜104aが主成分として含む金属元素を主成分として含む膜を、第1の酸化物半導体膜104aと同様に、スパッタリング法、PVD法やCVD法などを用いて成膜し、当該膜上にフォトリソグラフィ法などによりレジストマスクを形成した後に、ドライエッチング法やウェットエッチング法などを用いて該膜を選択的に除去することにより形成すればよい。
また、第2の酸化物半導体膜104bを形成するためのエッチング加工処理により、第1の酸化物半導体膜104aに段差部(図4(C)の領域105が段差部に相当する。)を形成する。
図4(C)では、第1の酸化物半導体膜104aにおいて、島状の第2の酸化物半導体膜104bから露出した端部に段差部を有する構成を示すが、図6(B)に示すように、第2の酸化物半導体膜104bに開口部を設け、該開口部から露出した第1の酸化物半導体膜104aに段差部(図6(B)の領域600が段差部に相当する。)が形成された構造であってもよい。
第1の酸化物半導体膜104aとして、例えばIn−Ga−Zn−O膜を用いた場合は、第2の酸化物半導体膜104bには少なくともIn、Ga、Znのいずれか一つを主成分として含む酸化物半導体膜を用いる。好ましくは、In、Ga、Znの全てを主成分として含む酸化物半導体膜を用いる。
また、第2の酸化物半導体膜104bには、第1の酸化物半導体膜104aの電子親和力よりも0.1eV以上小さい電子親和力を持つ膜を用いる。
例えば、第1の酸化物半導体膜104aおよび第3の酸化物半導体膜104cの説明にて記載した内容を参酌し、第1の酸化物半導体膜104aとしてIn:Ga:Zn=3:1:2のIn−Ga−Zn−O膜(電子親和力:4.9〜5.0eV)を用い、第2の酸化物半導体膜104bとしてIn:Ga:Zn=1:1:1のIn−Ga−Zn−O膜(電子親和力:4.75〜4.85eV)またはIn:Ga:Zn=1:3:2のIn−Ga−Zn−O膜(電子親和力:4.3〜4.7eV)を用いることにより、第2の酸化物半導体膜104bの電子親和力を第1の酸化物半導体膜104aの電子親和力より0.1eV以上小さなものとできる。
勿論、第1の酸化物半導体膜104aおよび第3の酸化物半導体膜104cの説明にて記載したように、In−Ga−Zn−O膜における金属元素の構成比率が、上述の構成比率に限定されるものではなく、第1の酸化物半導体膜104aの電子親和力よりも0.1eV以上小さい膜電子親和力を持つ膜を第2の酸化物半導体膜104bとして用いる限り、金属元素の構成比率に特段の限定はない。
また、In−Ga−Zn−O膜以外の酸化物半導体材料についても、第1の酸化物半導体膜104aの電子親和力よりも0.1eV以上小さい電子親和力を持つ膜を第2の酸化物半導体膜104bとして用いる限り、金属元素の構成比率に特段の限定はない。
次に、第1の酸化物半導体膜104aの段差部底面および側面と少なくとも接し、かつ第2の酸化物半導体膜104b上に端部を有するソース電極108aおよびドレイン電極108bを形成する(図4(D)参照。)。
ソース電極108aおよびドレイン電極108bに用いる材料としては、トランジスタ150の作製工程にて行われる加熱処理に耐えられる材料を用いればよい。例えばPVD法を用いて、アルミニウム、クロム、銅、タンタル、チタン、モリブデン、タングステンから選ばれた元素を含む金属膜、又は上述した元素を成分とする金属窒化物膜(窒化チタン膜、窒化モリブデン膜、窒化タングステン膜など。)の単層膜または積層膜を形成すればよい。
ソース電極108aおよびドレイン電極108bに低抵抗性および耐熱性の両方を付与するために、例えば、アルミニウム、銅などの抵抗率の低い金属膜の上面および下面の一方又は両方にチタン、モリブデン、タングステンなどの高融点金属膜又はそれらの金属窒化物膜(窒化チタン膜、窒化モリブデン膜、窒化タングステン膜)を積層させた構成とすればよい。
なお、ソース電極108aおよびドレイン電極108bの一部に銅を用いる場合、トランジスタ150の形成時に行われる加熱処理により酸化物半導体層104に銅の成分が拡散する恐れがあるため、酸化物半導体層104への銅の拡散を防止するため、酸化物半導体層104と接する面にバリア膜を形成することが好ましい。バリア膜として、例えば窒化タンタル、窒化タンタルとタンタルとの積層、窒化チタン、窒化チタンとチタンとの積層等による膜を用いることができる。
なお、本実施の形態では、第1の酸化物半導体膜104aにおいて、島状の第2の酸化物半導体膜104bから露出した領域に段差部を有し、当該段差部の底面および側面に接するようにソース電極108aおよびドレイン電極108bが形成されているが、図6(B)に示すように、開口部を有する第2の酸化物半導体膜104bから露出した第1の酸化物半導体膜104aに段差部(図6(B)の領域600が段差部に相当する。)が形成され、当該段差部の底面および側面に接するようにソース電極108aおよびドレイン電極108bが形成された構造(図6(C)参照。)としてもよい。
次に、第2の酸化物半導体膜104b、ソース電極108aおよびドレイン電極108b上にゲート絶縁層110を形成し、ゲート絶縁層110を挟んで酸化物半導体層104と重なるゲート電極112を形成する(図5(A)参照。)。
ゲート絶縁層110は、例えば、真空蒸着法やスパッタリング法などの物理気相成長法(PVD:Physical Vapor Deposition)や、プラズマCVD法などの化学気相成長法(CVD:Chemical Vapor Deposition)を用いて、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、酸化窒化アルミニウム膜、酸化ハフニウム膜、酸化窒化ハフニウム膜、ハフニウムシリケート膜、窒素を含むハフニウムシリケート膜などの酸化膜や酸化窒化膜などを単層でまたは積層して用いることができる。
ゲート絶縁層110には、絶縁耐圧の優れた膜を用いる必要があるが、例えばシリコン窒化膜やシリコン窒化酸化膜などをCVD法(例えば、プラズマCVD法など。)を用いて成膜した場合、水素を含んだガスが成膜ガスとして用いられる場合がある。
なお、半導体層として酸化物半導体材料を用いた場合、上述のように膜中に酸素欠損が存在すると、酸素欠損がキャリアの生成要因となり、半導体装置の特性に悪影響を及ぼす恐れがある。
そのため、ゲート絶縁層110に水素原子が多量に含まれた膜を用いると、トランジスタ150の作製工程にて行われる加熱処理等により、ゲート絶縁層110から脱離した水素原子が酸化物半導体層104の酸素と結合して水となり脱離し、酸化物半導体層104中の酸素欠損を増加させる恐れがある。
しかし、本実施の形態等のように、キャリアパスとしての機能を担うことを主目的とした第1の酸化物半導体膜104aと、ゲート絶縁層110との間に設けられた第2の酸化物半導体膜104bを含むことで、ゲート絶縁層110から脱離した水素は第2の酸化物半導体膜104bの酸素と結合しうるため、キャリアの主な経路となる第1の酸化物半導体膜104aの酸素欠損の増加を抑制することができる。
ゲート電極112は、例えば、真空蒸着法やスパッタリング法などの物理気相成長法(PVD:Physical Vapor Deposition)を用いて、モリブデン、チタン、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、ネオジム、スカンジウム等の金属材料又はこれらを主成分とする合金材料の単層構造あるいはこれらの材料を用いた積層構造の導電膜を形成し、フォトリソグラフィ法、印刷法、インクジェット法などを用いて導電膜上にマスクを形成し、当該マスクを用いて導電膜の一部を選択的に除去することで形成すればよい。
また、ゲート電極112としてリン等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコン膜に代表される半導体膜、ニッケルシリサイドなどのシリサイド膜を用いてもよい。
また、ゲート電極112の材料は、インジウム錫酸化物、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの導電性材料を適用することもできる。また、上記導電性材料と、上記金属材料の積層構造とすることもできる。
また、ゲート絶縁層と接するゲート電極112の一層として、窒素を含む金属酸化物、具体的には、窒素を含むIn−Ga−Zn−O膜や、窒素を含むIn−Sn−O膜や、窒素を含むIn−Ga−O膜や、窒素を含むIn−Zn−O膜や、窒素を含むSn−O膜や、窒素を含むIn−O膜や、金属窒化膜(InN、SnNなど)を用いることができる。これらの膜は5eV(電子ボルト)以上、好ましくは5.5eV(電子ボルト)以上の仕事関数を有し、ゲート電極層として用いた場合、トランジスタのしきい値電圧をプラスにすることができ、所謂ノーマリーオフのスイッチング素子を実現できる。
ゲート電極112の膜厚に特段の限定は無いが、薄くするほどゲート電極112の抵抗が高くなりトランジスタ150の電気特性に影響を及ぼす可能性があり、また、厚くするほどゲート電極112の形成に要する時間が増加するため、50nm以上500nm以下の膜厚とすることが好ましい。
以上の工程を経ることにより、トランジスタ150が形成される(図5(A)参照。)。
なお、外部から酸化物半導体層104に水分などの不純物が侵入する事を防止するため、トランジスタ150上に第2の絶縁層114を設けた構造としてもよい(図5(B)参照)。
第2の絶縁層114としては、第1の絶縁層102と同様の方法および材料を用いればよいが、第1の絶縁層102の説明にて記載したように、半導体層として酸化物半導体層104を用いる場合、加熱処理により1×1019[原子/cm3]上の酸素放出が可能な酸化物絶縁膜を含むように、第2の絶縁層114中(バルク中)に少なくとも化学量論的組成を超える量の酸素が存在することが好ましい。例えば、第2の絶縁層114として酸化シリコンを用いる場合、SiO2+α(ただし、α>0)で表される酸化シリコン膜を用いることが好ましい。なお、このような化学量論的組成よりも酸素を過剰に含む領域(以下、酸素過剰領域とも記載する。)は、第2の絶縁層114の少なくとも一部に存在していればよい。
また、第2の絶縁層114から脱離する酸素が酸化物半導体層104側に効率的に供給されるように、第2の絶縁層114を、酸素透過性の低い膜と酸素供給性の高い膜の積層構造とすることが好ましい。例えば、第2の絶縁層を、酸素透過性の低い酸化アルミニウム膜、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜(ゲート電極112に接する側に成膜。)と上述の化学量論的組成を超える量の酸素を含む酸化シリコン膜(酸化物半導体層104に接する側に成膜。)の積層構造としてもよい(図5(B)参照。)。
また、トランジスタ150上に更に半導体装置を形成する、配線等を引き回すといった構造を作製する場合、第2の絶縁層114上に平坦化を目的とした第3の絶縁層116を形成した構造としてもよい(図5(B)参照。)。
第3の絶縁層116としては、例えば、スピンコート法、印刷法、ディスペンス法またはインクジェット法などを用いて絶縁性を有する材料を塗布し、塗布した材料に応じた硬化処理(例えば、加熱処理や光照射処理など)を行って層を形成した後に、当該層上にフォトリソグラフィ法やインクジェット法などを用いて、加工したいパターン形状に応じたレジストマスクを形成し、ドライエッチング法やウェットエッチング法などを用いて、当該層を選択的に除去することにより形成すればよい。
なお、絶縁性を有する材料としては、例えば、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、エポキシ樹脂等の有機樹脂、第1の絶縁層102に用いた無機材料および有機ポリシロキサンなどの有機無機混合材料を用いることができる。
第3の絶縁層116は、第2の絶縁層114の形成段階において基板表面に形成されている凹凸を平坦化できる厚さがあればよいが、厚すぎるとトランジスタ150の生産性が低下するため、500nm以上5000nm以下、好ましくは500nm以上3000nm以下であることが望ましい。
なお、本実施の形態では、水分バリア性および平坦性を考慮して、トランジスタ150上に第2の絶縁層114および第3の絶縁層116を形成する構造を記載したが、どのような膜を形成するかは実施者が適宜決定すればよく、上述の構造に限定されることはない。
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1にて記載したトランジスタを用いた半導体装置の一例として、NAND型回路の構造を、図7を用いて説明する。
図7(A)は、実施の形態1にて記載した、半導体層として酸化物半導体材料を用いたトランジスタを含むNAND型回路の一例である。また、図7(B)は、図7(A)に示すNAND回路の断面構造の一例を示す図であり、単結晶シリコン基板700上に、pチャネル型トランジスタとして活性層に単結晶シリコンを用いた第1のトランジスタ750および第2のトランジスタ760が設けられた、当該トランジスタ上にnチャネル型トランジスタとして、実施の形態1と同様に活性層として酸化物半導体材料を用いた第3のトランジスタ770および第4のトランジスタ780が設けられた構造である。
第1のトランジスタ750および第2のトランジスタ760は、単結晶シリコン基板700中に設けられた、ソースまたはドレインとして機能する低抵抗領域704と、単結晶シリコン基板中に位置し、低抵抗領域704に挟まれた領域に形成されるチャネル形成領域701と、チャネル形成領域701上のゲート絶縁膜706と、ゲート絶縁膜706を挟んでチャネル形成領域701上に設けられたゲート電極708を含んで構成されている。
なお、第1のトランジスタ750と第2のトランジスタ760は、単結晶シリコン基板700中に設けられた分離層702により分離されており、第1のトランジスタ750および第2のトランジスタ760を覆う第1の層間膜710上に設けられた第1の導電膜712を介して、第1のトランジスタ750のドレインとして機能する低抵抗領域704と第2のトランジスタ760のソースとして機能する低抵抗領域704が電気的に接続されている。また、ゲート電極708には、ゲート電極708の側壁を覆う側壁絶縁膜709が設けられている。
分離層702、低抵抗領域704、ゲート絶縁膜706、ゲート電極708、側壁絶縁膜709、第1の層間膜710および第1の導電膜712に用いる材料や形成方法については特段の限定はなく、公知の技術を用いればよい。
第3のトランジスタ770および第4のトランジスタ780には、実施の形態1にて記載したトランジスタ150と同様の構造を用いることができ、第1の絶縁層102上に設けられた第1の酸化物半導体膜104aと、第1の酸化物半導体膜104a上に設けられた第2の酸化物半導体膜104bと、第1の酸化物半導体膜104aの段差部の底面及び側面と接し、第2の酸化物半導体膜104b上に端部を有するソース電極108aおよびドレイン電極108bと、第2の酸化物半導体膜104b、ソース電極108aおよびドレイン電極108b上に設けられたゲート絶縁層110と、ゲート絶縁層110を挟んで第1の酸化物半導体膜104a上に設けられたゲート電極112を含んで構成されている。また、第3のトランジスタ770および第4のトランジスタ780上には、実施の形態1と同様に、第2の絶縁層114と、第3の絶縁層116に相当する第5の層間膜721と、が設けられている。
また、第1のトランジスタ750および第2のトランジスタ760と、第3のトランジスタ770および第4のトランジスタ780との間に、複数の層間膜(第2の層間膜713、第3の層間膜715および第4の層間膜717)や複数の導電膜(第2の導電膜714、第3の導電膜716および第4の導電膜718)を形成してもよい。
第2の層間膜713上に設けられた第2の導電膜714は、第1の導電膜712を介して、第1のトランジスタ750および第2のトランジスタ760のゲート電極と電気的に接続され、第2の層間膜713上において配線の引き回しが行われている。また、第2の導電膜714は、上層の導電膜と下層の導電膜を繋ぐプラグ(接続電極)としても用いられている。
第3の層間膜715上に設けられた第3の導電膜716は、第1の導電膜712および第2の導電膜714を介して、第2のトランジスタ760のドレイン電極と電気的に接続され、第3の層間膜715上において配線の引き回しが行われている。また、第3の導電膜716は、上層の導電膜と下層の導電膜を繋ぐプラグ(接続電極)としても用いられている。
第4の層間膜717上に設けられた、絶縁膜719に埋め込まれた第4の導電膜718は、上層の導電膜と下層の導電膜を繋ぐプラグ(接続電極)としても用いられていると共に、第3のトランジスタ770のバックゲート電極720aおよび第4のトランジスタ780のバックゲート電極720bを形成する。
バックゲート電極720aおよびバックゲート電極720bを形成することにより、当該電極に電圧を印加して第3のトランジスタ770および第4のトランジスタ780のしきい値電圧を制御することができるため、第3のトランジスタ770および第4のトランジスタ780がノーマリーオン状態となることを抑制できる。
なお、図7(A)に示すNAND型回路では、第3のトランジスタ770のバックゲート電極720aと第4のトランジスタ780のバックゲート電極720bが電気的に接続された構造であるが、それぞれが独立して電気的に制御される構造であってもよい。
そして、第1の導電膜712、第2の導電膜714、第3の導電膜716および第4の導電膜718を介して、第3のトランジスタ770のソース電極および第4のトランジスタ780のソース電極と、第2のトランジスタ760のドレイン電極が電気的に接続されている(なお、第3のトランジスタ770のソース電極と第2のトランジスタ760のドレイン電極は図中では接続されていないが、当該断面に記載されない部分で電気的に接続されている。)。
また、第3のトランジスタ770および第4のトランジスタ780上には、複数の層間膜(例えば、第5の層間膜721、第6の層間膜723)や複数の導電膜(例えば、第5の導電膜722、第6の導電膜724)を形成してもよい。
第5の層間膜721(実施の形態1における第3の絶縁層116に相当する。)上に設けられた第5の導電膜722は、第3のトランジスタ770のゲート電極および第4のトランジスタ780のゲート電極と電気的に接続され、第5の層間膜721上において配線の引き回しが行われている。また、第1の導電膜712、第2の導電膜714、第3の導電膜716、第4の導電膜718および第3のトランジスタ770(および第4のトランジスタ780。)のソース電極(およびドレイン電極)と同じ膜で形成された導電膜を介して、第1のトランジスタ750および第2のトランジスタ760のゲート電極と電気的に接続されている(なお、第3のトランジスタ770のゲート電極と第2のトランジスタ760のゲート電極は図中では接続されていないが、当該断面に記載されない部分で電気的に接続されている。)。また、第5の導電膜722は、上層の導電膜と下層の導電膜を繋ぐプラグ(接続電極)としても用いられている。
第6の層間膜723上に設けられた第6の導電膜724は、第3のトランジスタ770のドレイン電極および第4のトランジスタ780のドレイン電極と電気的に接続され、第6の層間膜723上において配線の引き回しが行われている。
なお、上述の第1の層間膜710乃至第6の層間膜723としては、実施の形態1にて記載した第3の絶縁層116と同様の方法および材料を用いて形成することができる。
また、上述の第1の導電膜712乃至第6の導電膜724としては、実施の形態1にて記載したソース電極108aやドレイン電極108bと同様の方法および材料を用いる形成することができる。
各導電膜は図9(A)に示すように、プラグ(接続電極)部において、第1の金属膜901が、第2の金属膜902および第3の金属膜903に包囲された構造であってもよい。
例えば、プラグ(接続電極)部分を低抵抗化したい場合、第1の金属膜901として銅や銅合金などの低抵抗金属膜を用いる。そして、第1の金属膜901からの銅の拡散を抑制するため、第2の金属膜902および第3の金属膜903に、銅の拡散防止能力の高い金属膜を用いる。当該金属膜としては、例えば窒化タンタル膜、窒化モリブデン膜、窒化タングステン膜などを用いることができる。
各導電膜のプラグ(接続電極)部を図9(A)のような構造とするためには、まず第5の層間膜721に設けられた開口部に第2の金属膜902および第1の金属膜901を形成し(図9(B)参照。)、第5の層間膜721が露出する状態になるまでCMP処理などの除去処理を行い(図9(C)参照。)、その後、第3の金属膜903を形成すればよい。
上述のように、NAND回路に含まれるトランジスタの一部に実施の形態1に記載した構成のトランジスタを用いることにより、当該トランジスタはON/OFF比特性、電界効果移動度などの電気特性に優れているため、NAND回路を高性能なものとすることができる。また、実施の形態1に記載のトランジスタはオフ電流が極めて低いため、当該トランジスタを一部に用いたNAND回路は、消費電力を低減できる。
なお、本実施の形態では、実施の形態1に記載したトランジスタ150をNAND回路に適用した場合の説明を行ったが、NOR回路を構成するトランジスタの一部に、実施の形態1に記載したトランジスタ150を用いてもよい。
図8は、実施の形態1にて記載した、半導体層として酸化物半導体材料を用いたトランジスタを含むNOR型回路の一例である。NAND型回路と同様に、pチャネル型トランジスタとして活性層に単結晶シリコンを用いた第5のトランジスタ850および第6のトランジスタ860が設けられ、当該トランジスタ上にnチャネル型トランジスタとして、実施の形態1と同様に活性層として酸化物半導体材料を用いた第7のトランジスタ870および第8のトランジスタ880が設けられた構造である。
NOR型回路の断面図についての説明はここでは割愛するが、NAND型回路と同様に、活性層として単結晶シリコンを用いた第5のトランジスタ850および第6のトランジスタ860と、活性層として酸化物半導体材料を用いた第7のトランジスタ870および第8のトランジスタ880の間に複数の層間膜や導電膜を形成して配線を引き回し、また、第7のトランジスタ870および第8のトランジスタ880の上にも複数の層間膜や導電膜を形成して配線を引き回すことで形成できる。
上述のように、NOR型回路に含まれるトランジスタの一部に実施の形態1にて記載した構造のトランジスタを用いることにより、当該トランジスタはON/OFF比特性、電界効果移動度などの電気特性に優れているため、NAND型回路と同様に、回路の高性能化や低消費電力化を実現できる。
以上が、実施の形態1にて記載したトランジスタを用いたNAND型回路(およびNOR型回路)についての説明である。
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態1にて記載した、トランジスタ150を構成要素の一部に使用した、不揮発性の特性を備えるメモリセルの構造についての説明を記載する。
不揮発性の特性を備えるメモリセルとしては、例えば図10に示す構成を挙げることができる。
図10(A)は、不揮発性の特性を備えるメモリセルの構造の一例であり、トランジスタ1000と容量素子1002が直列に接続されている。構造自体はDRAMなどで一般的に用いられている回路構成であるが、トランジスタ1000としてOSトランジスタが用いられている。そして、トランジスタ1000のソースおよびドレインの一方がビット線1004に、ゲートがワード線1006と接続されている。また、容量素子1002を構成する一方の電極はトランジスタ1000のソースおよびドレインの他方と接続されており、他方の電極は定電位(例えば接地電位など。)に接続されている。
実施の形態1にて記載したように、半導体層に酸化物半導体材料を適用したトランジスタは極めて低いオフ電流を実現できるため、図10(A)のように容量素子1002に接続されたトランジスタ1000(容量素子1002への信号の入出力を管理するトランジスタ、とも表現できる。)を酸化物半導体材料を半導体層に適用したトランジスタとし、まず、ワード線1006からの信号によりトランジスタ1000をオン状態とし、ビット線1004からの信号を、容量素子1002を構成する電極の一方に与えた状態で、ワード線1006からの信号によりトランジスタ1000をオフ状態とする。これにより、メモリセルに電源の供給が行われない状況でもトランジスタ1000のソースおよびドレインの他方と容量素子1002を構成する電極の一方の間の領域(図中のノード1008に相当。)に、ビット線1004を通して入力された信号を長期間保持できる(書き込み。)。
その後、ワード線1006からの信号によりトランジスタ1000をオン状態とすることで、ノード1008に保存されたデータを読み出すことができる(読み出し。)。なお、信号読み出しに際し、当該信号が微小な場合は、必要に応じて出力経路にセンスアンプなどの信号増幅器を設けてもよい。
図10(B)は、不揮発性の特性を備えるメモリセルの構造の一例であり、第1のトランジスタ1010、第2のトランジスタ1012および容量素子1014を有し、第1のトランジスタ1010のソースおよびドレインの一方が第1の配線1021(1st Line)と、ゲートが第2の配線1022(2nd_Line)接続され、第2のトランジスタ1012のソースおよびドレインの一方が第3の配線1023(3rd_Line)と、他方が第4の配線1024(4th_Line)と接続されている。また、容量素子1014を構成する電極の一方が第1のトランジスタ1010のソースおよびドレインの他方ならびに第2のトランジスタ1012のゲートと接続されており、電極の他方は第5の配線1025(5th_Line)に接続されている。
図10(B)のように、第1のトランジスタ1010は酸化物半導体材料を半導体層に適用したトランジスタであるため、第2の配線1022からの信号により第1のトランジスタ1010をオン状態とし、第1の配線1021からの信号を第2のトランジスタ1012のゲートおよび容量素子1014を構成する電極の一方に与えた状態で、第2の配線1022からの信号により第1のトランジスタ1010をオフ状態とする。これにより、メモリセルに電源の供給が行われない状況でも第1のトランジスタ1010のソースおよびドレインの他方、第2のトランジスタ1012のゲートおよび容量素子1014を構成する電極の一方の間の領域(図中のノード1018に相当。)に、第1の配線1021を通して入力された信号を長期間保持できる(書き込み。)。
データの読み出しについては、まず第3の配線1023に所定の電位(定電位)を与えた状態で、第5の配線1025に適切な電位(読み出し電位)を与えると、ノード1018に保持された電荷量に応じて、第4の配線1024は異なる電位をとる。一般に、第2のトランジスタ1012をnチャネル型とすると、第2のトランジスタ1012のゲート電極にHighレベル電荷が与えられている場合の見かけのしきい値電圧Vth_Hは、第2のトランジスタ1012のゲート電極にLowレベル電荷が与えられている場合の見かけのしきい値電圧Vth_Lより低くなるためである。ここで、見かけのしきい値電圧とは、第2のトランジスタ1012を「オン状態」とするために必要な第5の配線1025の電位をいうものとする。したがって、第5の配線1025の電位をVth_HとVth_Lの間の電位V0とすることにより、第2のトランジスタ1012のゲートに与えられた電荷を判別できる。例えば、書き込みにおいて、Highレベルの電荷が与えられていた場合には、第5の配線1025の電位がV0(>Vth_H)となれば、第2のトランジスタ1012は「オン状態」となる。Lowレベルの電荷が与えられていた場合には、第5の配線1025の電位がV0(<Vth_L)となっても、第2のトランジスタ1012は「オフ状態」のままである。このため、第4の配線1024の電位を見ることで、保持されている情報を読み出すことができる。
なお、メモリセルをアレイ状に配置して用いる場合、所望のメモリセルの情報のみを読み出せることが必要になる。このように情報を読み出さない場合には、第2のトランジスタ1012のゲートの状態にかかわらず第2のトランジスタ1012が「オフ状態」となるような電位、つまり、Vth_Hより小さい電位を第5の配線1025に与えればよい。または、第2のトランジスタ1012のゲートの状態にかかわらず第2のトランジスタ1012が「オン状態」となるような電位、つまり、Vth_Lより大きい電位を第5の配線1025に与えればよい。
上述のように、不揮発性の特性を備えるメモリセルの一部に実施の形態1に記載のトランジスタを用いることにより、当該トランジスタはオフ電流が極めて低いため、リフレッシュ動作等の電力消費を伴う処理を行うことなく長期間に渡ってデータを保持可能なメモリセルとすることができる。また、実施の形態1に記載のトランジスタはON/OFF比特性、電界効果移動度などの電気特性に優れているため、メモリセルを高性能なものとすることができる。
また、酸化物半導体材料を半導体層に適用したトランジスタ1000や第1のトランジスタ1010は、シリコンなどの薄膜トランジスタと同様の装置や方法を用いることが可能であり、新たな設備投資や作製方法検討の負担が少ないという長所もある。なお、酸化物半導体材料を半導体層に適用したトランジスタは、実施の形態2にて記載したように、半導体層として酸化物半導体材料以外を用いたトランジスタ(例えば、半導体層として単結晶シリコンを用いたトランジスタなど。)と積層させた構造とすることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、半導体装置の一例として、実施の形態1に記載したトランジスタ150、実施の形態2にて記載したNAND回路およびNOR型回路、実施の形態3にて記載した不揮発性の特性を備えるメモリセルなどを少なくとも一部に用いたCPU(Central Processing Unit)について説明する。
図11(A)は、CPUの具体的な構成を示すブロック図である。図11(A)に示すCPUは、基板1190上に、ALU1191(ALU:Arithmetic logic unit、演算回路)、ALUコントローラ1192、インストラクションデコーダ1193、インタラプトコントローラ1194、タイミングコントローラ1195、レジスタ1196、レジスタコントローラ1197、バスインターフェース1198(Bus I/F)、書き換え可能なROM1199、及びROMインターフェース1189(ROM I/F)を有している。基板1190は、半導体基板、SOI基板、ガラス基板などを用いる。ROM1199及びROMインターフェース1189は、別チップに設けてもよい。もちろん、図11(A)に示すCPUは、その構成を簡略化して示した一例にすぎず、実際のCPUはその用途によって多種多様な構成を有している。
バスインターフェース1198を介してCPUに入力された命令は、インストラクションデコーダ1193に入力され、デコードされた後、ALUコントローラ1192、インタラプトコントローラ1194、レジスタコントローラ1197、タイミングコントローラ1195に入力される。
ALUコントローラ1192、インタラプトコントローラ1194、レジスタコントローラ1197、タイミングコントローラ1195は、デコードされた命令に基づき、各種制御を行なう。具体的にALUコントローラ1192は、ALU1191の動作を制御するための信号を生成する。また、インタラプトコントローラ1194は、CPUのプログラム実行中に、外部の入出力装置や、周辺回路からの割り込み要求を、その優先度やマスク状態から判断し、処理する。レジスタコントローラ1197は、レジスタ1196のアドレスを生成し、CPUの状態に応じてレジスタ1196の読み出しや書き込みを行なう。
また、タイミングコントローラ1195は、ALU1191、ALUコントローラ1192、インストラクションデコーダ1193、インタラプトコントローラ1194、及びレジスタコントローラ1197の動作のタイミングを制御する信号を生成する。例えばタイミングコントローラ1195は、基準クロック信号CLK1を元に、内部クロック信号CLK2を生成する内部クロック生成部を備えており、内部クロック信号CLK2を上記各種回路に供給する。
CPUに備えられた各構成要素には論理回路が複数設けられており、当該論理回路にNAND回路やNOR回路が設けられている場合は、上述実施の形態2に開示したNAND回路やNOR回路を用いることができる。これにより、各NAND回路やNOR回路の電気特性を良好なものとでき、また、消費電力を低減できるため、CPUの高性能化や低消費電力化に寄与する。
図11(A)に示すCPUでは、レジスタ1196に、メモリセルが設けられている。レジスタ1196のメモリセルには、上記実施の形態3に開示したメモリセル等を用いることができる。これにより、レジスタ1196の備えるメモリセルを、リフレッシュ動作等の電力消費を伴う処理を行うことなく長期間に渡ってデータを保持可能なメモリセルとすることができ、また、書き込み処理や読み出し処理を高速で行うことができるため、CPUの高性能化や低消費電力化に寄与する。
図11(A)に示すCPUにおいて、レジスタコントローラ1197は、ALU1191からの指示に従い、レジスタ1196における保持動作の選択を行う。すなわち、レジスタ1196が有するメモリセルにおいて、フリップフロップによるデータの保持を行うか、容量素子によるデータの保持を行うかを、選択する。フリップフロップによるデータの保持が選択されている場合、レジスタ1196内のメモリセルへの、電源電圧の供給が行われる。容量素子におけるデータの保持が選択されている場合、容量素子へのデータの書き換えが行われ、レジスタ1196内のメモリセルへの電源電圧の供給を停止することができる。
電源停止に関しては、図11(B)または図11(C)に示すように、メモリセル群と、電源電位VDDまたは電源電位VSSの与えられているノード間に、スイッチング素子を設けることにより行うことができる。以下に図11(B)及び図11(C)の回路の説明を行う。
図11(B)及び図11(C)では、メモリセルへの電源電位の供給を制御するスイッチング素子に、実施の形態1に記載したトランジスタ150等を用いることができる。当該トランジスタはON/OFF比特性、電界効果移動度などの電気特性に優れ、また、オフ電流が極めて低く、スイッチング素子を高速かつ正確に動作でき、非動作時の電力消費も抑制できるため、CPUの高性能化や低消費電力化に寄与する。
図11(B)に示す記憶装置は、スイッチング素子1141と、メモリセル1142を複数有するメモリセル群1143とを有している。具体的に、各メモリセル1142には、実施の形態3に記載されているメモリセルを用いることができる。メモリセル群1143が有する各メモリセル1142には、スイッチング素子1141を介して、ハイレベルの電源電位VDDが供給されている。さらに、メモリセル群1143が有する各メモリセル1142には、信号INの電位と、ローレベルの電源電位VSSの電位が与えられている。
図11(B)では、スイッチング素子1141として、実施の形態1に記載のトランジスタを用いており、該トランジスタは、そのゲート電極層に与えられる信号SigAによりスイッチングが制御される。
なお、図11(B)では、スイッチング素子1141がトランジスタを一つだけ有する構成を示しているが、特に限定されず、トランジスタを複数有していてもよい。スイッチング素子1141が、スイッチング素子として機能するトランジスタを複数有している場合、上記複数のトランジスタは並列に接続されていてもよいし、直列に接続されていてもよいし、直列と並列が組み合わされて接続されていてもよい。
また、図11(B)では、スイッチング素子1141により、メモリセル群1143が有する各メモリセル1142への、ハイレベルの電源電位VDDの供給が制御されているが、スイッチング素子1141により、ローレベルの電源電位VSSの供給が制御されていてもよい。
また、図11(C)には、メモリセル群1143が有する各メモリセル1142に、スイッチング素子1141を介して、ローレベルの電源電位VSSが供給されている、記憶装置の一例を示す。スイッチング素子1141により、メモリセル群1143が有する各メモリセル1142への、ローレベルの電源電位VSSの供給を制御することができる。
メモリセル群と、電源電位VDDまたは電源電位VSSの与えられているノード間に、スイッチング素子を設け、一時的にCPUの動作を停止し、電源電圧の供給を停止した場合においてもデータを保持することが可能であり、消費電力の低減を行うことができる。具体的には、例えば、パーソナルコンピュータのユーザーが、キーボードなどの入力装置への情報の入力を停止している間でも、CPUの動作を停止することができ、それにより消費電力を低減することができる。
ここでは、CPUを例に挙げて説明したが、DSP(Digital Signal Processor)、カスタムLSI、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のLSIにも応用可能である。
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態5)
本明細書に開示する半導体装置は、さまざまな電子機器(遊技機も含む)に適用することができる。電子機器としては、テレビ、モニタ等の表示装置、照明装置、デスクトップ型或いはノート型のパーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ、DVD(Digital Versatile Disc)などの記録媒体に記憶された静止画または動画を再生する画像再生装置、ポータブルCDプレーヤ、ラジオ、テープレコーダ、ヘッドホンステレオ、ステレオ、コードレス電話子機、トランシーバ、携帯電話、自動車電話、携帯型ゲーム機、電卓、携帯情報端末、電子手帳、電子書籍、電子翻訳機、音声入力機器、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、電気シェーバ、電子レンジ等の高周波加熱装置、電気炊飯器、電気洗濯機、電気掃除機、エアコンディショナーなどの空調設備、食器洗い器、食器乾燥器、衣類乾燥器、布団乾燥器、電気冷蔵庫、電気冷凍庫、電気冷凍冷蔵庫、DNA保存用冷凍庫、煙感知器、放射線測定器、透析装置等の医療機器、などが挙げられる。さらに、誘導灯、信号機、ベルトコンベア、エレベータ、エスカレータ、産業用ロボット、電力貯蔵システム等の産業機器も挙げられる。また、石油を用いたエンジンや、非水系二次電池からの電力を用いて電動機により推進する移動体なども、電子機器の範疇に含まれるものとする。上記移動体として、例えば、電気自動車(EV)、内燃機関と電動機を併せ持ったハイブリッド車(HEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、これらのタイヤ車輪を無限軌道に変えた装軌車両、電動アシスト自転車を含む原動機付自転車、自動二輪車、電動車椅子、ゴルフ用カート、小型または大型船舶、潜水艦、ヘリコプター、航空機、ロケット、人工衛星、宇宙探査機や惑星探査機、宇宙船が挙げられる。これらの電子機器の具体例を図12に示す。
図12(A)において、室内機3300および室外機3304を有するエアコンディショナーは、上述実施の形態に記載した半導体装置を備える電子機器の一例である。具体的には、室内機3300は、筐体3301、送風口3302、制御装置3303等を有している。図12(A)において、制御装置3303が、室内機3300に設けられている場合を例示しているが、制御装置3303は室外機3304に設けられていてもよい。或いは、室内機3300と室外機3304の両方に、制御装置3303が設けられていてもよい。
制御装置3303を、実施の形態1にて記載したトランジスタ、実施の形態2にて記載したNAND型回路やNOR型回路を含む論理回路、実施の形態3にて記載した不揮発性の特性を備えるメモリセル、実施の形態4にて記載したCPUの少なくともいずれかを備えた構造とすることにより、エアコンディショナーを高性能かつ低消費電力なものとすることができる。
図12(A)において、電気冷凍冷蔵庫3310は、上述実施の形態に記載した半導体装置を備える電子機器の一例である。具体的には、電気冷凍冷蔵庫3310は、筐体3311、冷蔵室用扉3312、冷凍室用扉3313、野菜室用扉3314、筐体3311内部に設けられた制御装置3315等を有している。
制御装置3315を、実施の形態1にて記載したトランジスタ、実施の形態2にて記載したNAND型回路やNOR型回路を含む論理回路、実施の形態3にて記載した不揮発性の特性を備えるメモリセル、実施の形態4にて記載したCPUの少なくともいずれかを備えた構造とすることにより、電気冷凍冷蔵庫3310を高性能かつ低消費電力なものとすることができる。
図12(A)において、映像表示装置3320は、上述実施の形態に記載した半導体装置を備える電子機器の一例である。具体的には、映像表示装置3320は、筐体3321、表示部3322、筐体3321内部に設けられた制御装置3323等を有している。
制御装置3323を、実施の形態1にて記載したトランジスタ、実施の形態2にて記載したNAND型回路やNOR型回路を含む論理回路、実施の形態3にて記載した不揮発性の特性を備えるメモリセル、実施の形態4にて記載したCPUの少なくともいずれかを備えた構造とすることにより、映像表示装置3320を高性能かつ低消費電力なものとすることができる。
図12(B)において、電子機器の一例である電気自動車の例を示す。電気自動車3330には、二次電池3331が搭載されている。二次電池3331の電力は、制御装置3332により出力が調整されて、駆動装置3333に供給される。制御装置3332はROM(図示しない)、RAM(図示しない)、CPU(図示しない)等を有している。
制御装置3332に備えられたROM、RAM、CPUなどの各種電子部品について、実施の形態1にて記載したトランジスタ、実施の形態2にて記載したNAND型回路やNOR型回路を含む論理回路、実施の形態3にて記載した不揮発性の特性を備えるメモリセル、実施の形態4にて記載したCPUの少なくともいずれかを備えた構造とすることにより、電気自動車3330の備える制御装置を高性能かつ低消費電力なものとすることができ、電気自動車3330の高性能化に寄与できる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。