図1は、本発明の一実施の形態における車線誘導装置を含む車線誘導システムを説明するための図である。図1において、道路80を移動するプローブ情報提供車両20とともに、プローブ情報提供装置200が移動している。プローブ情報提供装置200は、例えば、プローブ情報提供車両20に搭載されたナビゲーション装置や映像記録型ドライブレコーダ、プローブ情報提供車両20に乗車した乗員の携帯電話機等である。プローブ情報提供装置200は、後述するようにGPS衛星90からのGPSセンサデータが入力されるセンサデータ入力部を有する。プローブ情報提供装置200において、センサデータ入力部に定期的に入力されるGPSセンサデータに基づき、プローブ情報提供装置200とともに移動するプローブ情報提供車両20の位置に対応するプローブ情報提供車両位置情報が、GPSセンサデータが生成された時刻に対応する時刻情報とともに、繰り返し取得される。プローブ情報提供装置200がプローブ情報提供車両20の周辺領域を撮影した場合は、周辺領域撮影データが入力され、周辺領域画像が所定のフレームレートで繰り返し生成される。繰り返し取得されたプローブ情報提供車両位置情報および繰り返し生成された周辺領域画像が、時刻情報に対応付けられたプローブ情報として、情報通信ネットワーク50を介して車線誘導サーバ100へ出力される。
図1において、プローブ情報提供車両20の移動方向に離れた位置には、障害物60が、同じ道路80上に存在する。この場合、プローブ情報提供装置200がプローブ情報提供車両20の周辺領域を撮影することによって生成された周辺領域画像には、障害物60が含まれる。なお、障害物60は、例えば路上駐車車両、落下物、交通事故現場、道路工事区域、樹木のせり出し、看板、高架等である。
道路80には、道路80を撮影して所定のフレームレートで繰り返し道路画像を生成するためのカメラモジュールを有する道路撮影装置400が設置されている。道路撮影装置400は、情報通信ネットワーク50に接続され、例えば不図示のネットワークタイムプロトコルサーバ(NTPサーバ)から時刻情報が取得される。繰り返し生成された道路画像は、それらの道路画像がそれぞれ生成された際に取得されている時刻情報とともに、情報通信ネットワーク50を介して車線誘導サーバ100へ出力される。図1において、道路撮影装置400において、道路80が撮影されることによって生成された道路画像には、障害物60が含まれている。
車線誘導サーバ100においては、後述するように、プローブ情報提供装置200から時刻情報と対応付けてプローブ情報として繰り返し出力されたプローブ情報提供車両位置情報および周辺領域画像が、記憶部に記録される。車線誘導サーバ100においては、後述するように、道路撮影装置400から時刻情報と対応付けて繰り返し出力された道路画像が、記憶部に記録される。このようにして記録されたプローブ情報提供車両位置情報や周辺領域画像および道路画像に基づいて、後述するように、車線誘導対象車両30に対する車線誘導に必要な誘導情報が生成され、情報通信ネットワーク50を介して車線誘導対象車両30とともに移動する車線誘導情報出力装置300へ配信される。
図1において、道路80を移動する車線誘導対象車両30とともに、車線誘導情報出力装置300が移動している。車線誘導情報出力装置300は、例えば、車線誘導対象車両30に搭載されたナビゲーション装置や、車線誘導対象車両30に乗車した乗員の携帯電話機等である。車線誘導情報出力装置300は、後述するようにGPS衛星90からのGPSセンサデータが入力されるセンサデータ入力部を有する。車線誘導情報出力装置300において、センサデータ入力部に定期的に入力されるGPSセンサデータに基づき、車線誘導情報出力装置300とともに移動する車線誘導対象車両30の位置に対応する車線誘導対象車両位置情報が、GPSセンサデータが生成された時刻に対応する時刻情報とともに、繰り返し取得される。繰り返し取得された車線誘導対象車両位置情報は、情報通信ネットワーク50を介して車線誘導サーバ100へ出力される。
車線誘導情報出力装置300においては、車線誘導サーバ100から配信された誘導情報が入力されると、誘導情報が音声または視覚的表示によって出力される。車線誘導対象車両30の運転者は、音声または視覚的表示によって出力された誘導情報にしたがって運転することによって、障害物60を回避し、かつ回避後にもとの車線に復帰することができる。
図2は、道路撮影装置400による撮影の例を示す図である。図2(a)において、道路80aの路側に3台の道路撮影装置400a、400bおよび400cが、それぞれ道路80aに対して所定の角度を向いて設置されている。道路80aを直進する車両が、3台の道路撮影装置400a、400bおよび400cにおいて撮影される道路画像に順次含まれたとする。道路撮影装置400aおよび400cにおいて撮影された道路画像には主にその車両の背面が映されていたとすると、道路撮影装置400bにおいて撮影された道路画像には主にその車両の正面が映されていることになる。道路80aは道路80bと交差しており、道路撮影装置400dは道路80bに対して所定の角度を向いて設置され、道路撮影装置400dにおいては道路80aと道路80bとの交差点が映される。
図2(b)は道路撮影装置400において撮影される道路80の道路画像の撮影範囲にプローブ情報提供車両20が含まれている様子を示している。道路撮影装置400における道路画像の撮影範囲は、道路撮影装置400が有するカメラモジュールの画角ならびにレンズの向きおよび倍率のほか、道路80から道路撮影装置400までの高さ、および道路80から道路撮影装置400までの水平距離によっても変化する。各道路撮影装置400におけるカメラモジュールの画角ならびにレンズの向きおよび倍率は、車線誘導装置100における後述する道路撮影装置情報記憶部に記録され、後述する障害物の位置および大きさが取得される際に用いられる。
図3は、プローブ情報提供車両20とともに移動するプローブ情報提供装置200、車線誘導対象車両30とともに移動する車線誘導情報出力装置300および道路80に設置された道路撮影装置400の構成を示す図である。図3(a)において、プローブ情報提供装置200は、制御部210、カメラモジュール210、センサデータ入力部230、通信モジュール240およびユーザインタフェース250を含む。
カメラモジュール220は、例えば映像記録型ドライブレコーダや携帯電話機に設けられたカメラモジュールであり、プローブ情報提供車両20の周辺領域を撮影する。センサデータ入力部230には、プローブ情報提供車両20の位置や移動速度に関する各種センサ類のセンサデータが入力される。各種センサ類とは、例えばGPSセンサ、速度センサ、方位センサ、加速度センサおよび舵角センサ等である。
通信モジュール240は、例えば無線LANカードや携帯電話機等であり、情報通信ネットワーク50を介してプローブ情報提供を行う際の車線誘導装置100との通信のために用いられる。ユーザインタフェース250は、プローブ情報提供装置200のユーザが制御部210に対して、カメラモジュール220による撮影条件設定やプローブ情報提供可否設定等に関する各種命令を入力するための入力部や、地図やプローブ情報提供車両20の移動経路、および各種施設情報等を画面出力するためのディスプレイモジュール、誘導ポイントにおける経路誘導情報等を音声出力するためのオーディオモジュール等を含む。
制御部210は、プローブ情報提供処理プログラムを実行するコンピュータである。制御部210は、そのプローブ情報提供処理プログラムを実行することによって、図3(a)に示すように、プローブ情報提供車両位置情報取得部211、プローブ情報提供車両位置情報出力部212およびプローブ情報提供車両周辺領域画像生成部213を機能的に含む。プローブ情報提供車両位置情報取得部211、プローブ情報提供車両位置情報出力部212およびプローブ情報提供車両周辺領域画像生成部213は、後述する図5に示すプローブ情報提供処理の各ステップを実行する。
図3(b)において、車線誘導情報出力装置300は、制御部310、センサデータ入力部330、通信モジュール340およびユーザインタフェース350を含む。センサデータ入力部330には、車線誘導対象車両30の位置や移動速度に関する各種センサ類のセンサデータが入力される。各種センサ類とは、例えばGPSセンサ、速度センサ、方位センサ、加速度センサおよび舵角センサ等である。
通信モジュール340は、例えば無線LANカードや携帯電話機等であり、情報通信ネットワーク50を介して車線誘導対象車両30の位置情報出力を行う際の車線誘導装置100との通信のために用いられる。ユーザインタフェース350は、車線誘導情報出力装置300のユーザが制御部310に対して、車線誘導対象車両30の位置情報出力可否設定や誘導情報を取得するかしないかについての設定等に関する各種命令を入力するための入力部や、地図や車線誘導対象車両30の移動経路、各種施設情報および後述する誘導情報等を画面出力するためのディスプレイモジュール、誘導ポイントにおける経路誘導情報や後述する誘導情報等を音声出力するためのオーディオモジュール等を含む。
制御部310は、車線誘導情報取得処理プログラムを実行するコンピュータである。制御部210は、その車線誘導情報取得処理プログラムを実行することによって、図3(b)に示すように、車線誘導対象車両位置情報取得部311、車線誘導対象車両位置情報出力部312および車線誘導情報出力部313を機能的に含む。車線誘導対象車両位置情報取得部311、車線誘導対象車両位置情報出力部312および車線誘導情報出力部313は、後述する図16に示す車線誘導情報取得処理の各ステップを実行する。
図3(c)において、道路撮影装置400は、制御部410、カメラモジュール420および通信モジュール440を含む。カメラモジュール420は、例えば路側に設置された道路監視カメラのカメラモジュールであり、道路撮影装置400が設置された位置から道路80を撮影する。通信モジュール440は、例えば無線LANカードやインターネット回線有線接続インタフェースモジュール等であり、情報通信ネットワーク50を介して道路画像出力を行う際の車線誘導装置100との通信のために用いられる。
制御部410は、道路画像出力処理プログラムを実行するコンピュータである。制御部410は、その道路画像出力処理プログラムを実行することによって、図3(c)に示すように、道路撮影部411および道路画像出力部412を機能的に含む。道路撮影部411および道路画像出力部412は、後述する図6に示す道路画像出力処理の各ステップを実行する。
図4は、車線誘導装置100の構成を示す図である。図4において、車線誘導装置100は、制御部110、通信モジュール140、ユーザインタフェース150および各種記憶部を含む。各種記憶部は、例えば道路地図データ記憶部161、画像データ記憶部162、道路撮影装置情報記憶部163、車両情報記憶部164、車両位置情報記憶部165、車線誘導情報記憶部166および運転技術情報記憶部167である。
通信モジュール140は、例えば無線LANカードやインターネット回線有線接続インタフェースモジュール等であり、情報通信ネットワーク50を介したプローブ情報提供装置200、車線誘導情報出力装置300および道路撮影装置400との通信のために用いられる。ユーザインタフェース150は、車線誘導装置100のユーザが制御部110に対して、車線誘導装置100内の各種記憶部に記憶させる情報を制限、選択、追加、削除または更新するための設定等に関する各種命令を入力するための入力部や、各種命令の入力結果を確認するための画面等を表示出力するためのディスプレイモジュール等を含む。
道路地図データ記憶部161は、道路地図データとして、道路80を含む道路を構成するノードおよびリンクのノードデータおよびリンクデータや、道路に設けられた各種施設の施設データに加え、右折または左折専用車線や車線変更禁止区間等に関する交通規則情報を記憶する。各リンクが複数の車線を含む場合には、車線毎の位置情報がリンクデータに含まれて記憶されているため、このリンクデータを用いることによって、車線誘導処理を行うことが可能である。なお、道路地図データは、ノードデータやリンクデータによる方式に限定されず、他の方式によるものでも良い。
画像データ記憶部162は、プローブ情報提供装置200において生成され、出力され、通信モジュール140を介して得られた周辺領域画像と、道路撮影装置400において生成され、出力され、通信モジュール140を介して得られた道路画像とを、それぞれの画像が撮影によって得られた際の時刻情報と対応付けて記憶する。
道路撮影装置情報記憶部163は、道路撮影装置400が設置されている位置に関する位置情報や、道路撮影装置400が有するカメラモジュール420の画角ならびにレンズの向きおよび倍率を記憶する。
車両情報記憶部164は、車線誘導情報出力装置300とともに移動する車線誘導対象車両30の車両情報を、車線誘導情報出力装置300のユーザ識別子に対応付けて記憶する。車両情報記憶部164に記憶される車両情報は、例えば車種情報等、車線誘導対象車両30の寸法を特定可能な車両情報である。
車両位置情報記憶部165は、プローブ情報提供装置200において生成され、出力され、通信モジュール140を介して得られたプローブ情報提供車両20の位置情報を記憶する。
車線誘導情報記憶部166は、後述する制御部110の車線誘導情報配信部によって生成され、通信モジュール40を介して車線誘導情報出力装置300へ出力される誘導情報を記憶する。
運転技術情報記憶部167は、車線誘導対象車両30の運転者の運転技術水準に関する運転技術情報を、車線誘導情報出力装置300のユーザ識別子に対応付けて記憶する。運転技術情報は、予め収集されて運転技術情報記憶部167に記録されることとしてもよい。あるいは、車線誘導対象車両30がプローブ情報提供車両20としても振る舞う場合、その車両から出力されたプローブ情報に基づいて、その車両の運転者の最新の運転技術水準が、後述するように、制御部110内の運転技術情報記録部によって判定され、その判定結果が運転技術情報記憶部167に記録されることとしてもよい。
制御部110は、プローブ情報記録処理プログラム、道路画像記録処理プログラムおよび車線誘導処理プログラムを実行するコンピュータである。制御部110は、プローブ情報記録処理プログラム、道路画像記録処理プログラムおよび車線誘導処理プログラムを実行することによって、図4に示すように、車両特定部111、車両情報取得部112、車線誘導対象車両移動状況検出部113、画像取得部114、障害物情報取得部115、運転技術情報記録部116、障害物回避可否判定部117、交通量取得部118、車線誘導タイミング決定部119および車線誘導情報配信部120を機能的に含む。車両特定部111、車両情報取得部112、車線誘導対象車両移動状況検出部113、画像取得部114、障害物情報取得部115、運転技術情報記録部116、障害物回避可否判定部117、交通量取得部118、車線誘導タイミング決定部119および車線誘導情報配信部120は、後述する図8および図9に示すプローブ情報記録処理プログラム、道路画像記録処理プログラムおよび車線誘導処理プログラムの各ステップを実行する。
なお、図4においては、車線誘導装置100が物理的に1台の装置で実現されているが、複数台の装置に物理的に分かれて実現されてもよい。例えば、道路地図データ記憶部161、画像データ記憶部162、道路撮影装置情報記憶部163、車両情報記憶部164、車両位置情報記憶部165、誘導情報記憶部166および運転技術情報記憶部167は、それぞれ別々の装置に物理的に分かれて実現されてもよい。
図5は、プローブ情報提供装置200の制御部210が行うプローブ情報提供処理を示すフローチャートである。本処理は、開始されるとステップS2010に進む。
ステップS2010において、制御部210は、ユーザインタフェース250を介した撮影条件設定やプローブ情報提供可否設定等に関する各種命令入力に応じた各種制御を行う。制御部210は、撮影条件設定に関する命令入力に応じてカメラモジュール220を制御する。制御部210は、プローブ情報提供可否設定に関する命令入力に応じて、プローブ情報提供車両位置情報取得部211によるプローブ情報提供車両20の位置情報取得を開始または停止する。
ステップS2020において、制御部210は、センサデータ入力部230へのGPSセンサデータ入力を受け付けて、GPSセンサデータに含まれるプローブ情報提供車両20の位置情報および時刻情報を繰り返し取得する。
ステップS2030において、制御部210は、センサデータ入力部230への速度センサデータ入力を受け付けて、速度センサデータに含まれるプローブ情報提供車両20の移動速度情報を繰り返し取得する。速度センサデータが用いられずに、ステップS2020で繰り返し取得された位置情報および時刻情報に基づいて、移動速度情報が繰り返し取得されることとしてもよい。
ステップS2040において、制御部210は、センサデータ入力部230への方位センサデータ入力を受け付けて、方位センサデータに含まれるプローブ情報提供車両20の移動方位情報を繰り返し取得する。方位センサデータが用いられずに、ステップS2020で繰り返し取得された位置情報および時刻情報に基づいて、移動方位情報が繰り返し取得されることとしてもよい。例えばトンネル内の移動によって、GPSセンサデータが入力されないときは、プローブ情報提供車両20がトンネル内に進入する前に取得された位置情報と、ステップS2030で取得された移動速度情報と、ステップS2040で取得された移動方位情報とに基づいて、プローブ情報提供車両20の位置が推定されることとしてもよい。
ステップS2050において、制御部210は、センサデータ入力部230への加速度センサデータ入力を受け付けて、加速度センサデータに含まれるプローブ情報提供車両20の加速度情報を繰り返し取得する。加速度センサデータが用いられずに、ステップS2020で繰り返し取得された位置情報および時刻情報や、ステップS2030で繰り返し取得された移動速度情報に基づいて、加速度情報が繰り返し取得されることとしてもよい。
ステップS2060において、制御部210は、センサデータ入力部230への舵角センサデータ入力を受け付けて、舵角センサデータに含まれるプローブ情報提供車両20の運転者の障害物回避意思、車線変更意思または右左折等移動方向変更意思に基づく車両制御情報を繰り返し取得する。車両制御情報が用いられずに、ステップS2020で繰り返し取得された位置情報および時刻情報や、ステップS2040で繰り返し取得された移動方位情報に基づいて、車両制御情報が繰り返し取得されることとしてもよい。
ステップS2070において、制御部210のプローブ情報提供車両位置情報取得部211は、ステップS2020〜S2060で繰り返し取得された種々の情報のうちの1種類または複数種類の情報に基づいて、プローブ情報提供車両20の位置情報を時刻情報とともに取得する。なお、ステップS2020〜S2060の処理順序は、図5に記載された順序である必要はない。
ステップS2080において、制御部210のプローブ情報提供車両周辺領域画像生成部213は、カメラモジュール220によってプローブ情報提供車両20の周辺領域が撮影されて得られる周辺領域撮影データの入力を受け付ける。
ステップS2090において、制御部210のプローブ情報提供車両周辺領域画像生成部213は、ステップS2080で入力された周辺領域撮影データに基づき、周辺領域画像を所定のフレームレートで繰り返し生成する。
ステップS2100において、制御部210のプローブ情報提供車両位置情報出力部212は、ステップS2070で時刻情報とともに取得されたプローブ情報提供車両20の位置情報と、ステップS2090で繰り返し生成された周辺領域画像とを、時刻情報に対応付けられたプローブ情報として、例えば1つのトリップ終了のタイミングで車線誘導装置100へ出力する。本処理は、ステップS2100が完了すると終了する。
図6は、道路撮影装置400の制御部410が行う道路撮影処理を示すフローチャートである。本処理は、開始されるとステップS4010に進む。
ステップS4010において、制御部410は、カメラモジュール420によって道路80が撮影されて得られる道路撮影データの入力を受け付ける。
ステップS4020において、制御部410の道路撮影部411は、ステップS4010で入力された道路撮影データに基づき、道路画像を所定のフレームレートで繰り返し生成する。
ステップS4030において、制御部410は、通信モジュール440を介して、NTPサーバから時刻情報を繰り返し取得する。道路撮影装置400がタイマを有しているとき、制御部410は、そのタイマから時刻情報を取得しても良い。この場合、道路撮影装置400の制御部410がNTPサーバおよび/またはタイマから取得した時刻情報と、プローブ情報提供装置200の制御部210および車線誘導情報出力装置300の制御部310がそれぞれGPSセンサデータから取得した時刻情報とが、定期的に同期するように、図1の車線誘導システムが構成されることが好ましい。
ステップS4040において、制御部410の道路画像出力部412は、ステップS4020で繰り返し生成された道路画像を、ステップS4030で繰り返し取得された時刻情報に対応付けて、車線誘導装置100へ出力する。本処理は、ステップS4040が完了すると終了する。
図5に示すプローブ情報提供装置200の制御部210が行うプローブ情報提供処理によって車線誘導装置100へ出力されたプローブ情報と、図6に示す道路撮影装置400の制御部410が行う道路撮影処理によって車線誘導装置100へ出力された道路画像とに、障害物60に関する情報と、障害物60を回避し、かつ回避後にもとの車線上に復帰するプローブ情報提供車両20の軌跡情報とが含まれる場合の一例を、図7を用いて説明する。
図7は、プローブ情報提供車両20が障害物60を回避した後にもとの車線10上に復帰する様子を示す図である。道路80は互いに対向する2つの車線10および15によって構成されている。すなわち、左側通行の場合、図7の下側に位置する車線10上を移動する車両にとって、図7の上側に位置する車線15は対向車が移動する対向車線である。図7の右端から左方へ移動中のプローブ情報提供車両20から移動方向(図7の左方)に離れた車線10上の位置に障害物60が存在する。
プローブ情報提供車両20は、プローブ情報提供車両20と障害物60との相互間距離の大きさがD_21となる位置20aで、障害物60を回避するように、運転者によってプローブ情報提供車両20のハンドルが右に切られ、車線15に近づくように移動方向がやや変化する。移動方向が変化したプローブ情報提供車両20は、位置20bを経て、2つの車線10および15の境界付近に到達する。すると、プローブ情報提供車両20の移動方向が元の方向(図7の左方)に戻され、プローブ情報提供車両20は、障害物60の側面までの距離の大きさとしてD_23をほぼ保ちながら、位置20cを経て、障害物60の側方を、もとの移動方向に向かって通過する。
その後、プローブ情報提供車両20は、障害物60までの距離の移動方向成分の大きさがD_22となる位置20dにおいて、もとの車線10上に復帰するように、運転者によってプローブ情報提供車両20のハンドルが左に切られ、移動方向がやや変化する。移動方向が変化したプローブ情報提供車両20は、位置20eを経て、位置20fでもとの車線10上に復帰する。すると、プローブ情報提供車両20の移動方向が元の方向(図7の左方)に戻され、プローブ情報提供車両20は車線10上の移動を継続する。
このようにして、位置20a、20b、20c、20d、20eおよび20fといったプローブ情報提供車両20の軌跡を表す軌跡情報が、プローブ情報提供車両20から車線誘導装置100へ出力されるプローブ情報に含まれることとなる。障害物60が車線10上で移動することなく存在し続ける限り、車線10上を走る多くのプローブ情報提供車両20が、図7と同様の挙動を示すはずである。したがって、車線誘導装置100では、複数のプローブ情報提供車両20から提供されるプローブ情報を解析することによって、車線10上の障害物60の存在を検出可能である。また、そのプローブ情報に、上述した周辺領域画像が含まれる場合や、その障害物60を含む車線10を撮影して得られた道路画像が道路撮影装置400から得られている場合は、車線誘導装置100において、それらの周辺領域画像や道路画像とともに複数のプローブ情報提供車両20の軌跡情報を解析することによって、障害物60の位置および大きさを、より正確に取得することが可能である。
図8は、車線誘導装置100の制御部110が行うプローブ情報および道路画像の記録処理を示すフローチャートである。図8(a)は、車線誘導装置100の制御部110が行うプローブ情報の記録処理を示すフローチャートである。本処理は開始されるとステップS1210に進む。
ステップS1210において、制御部110は、通信モジュール140を介して、プローブ情報提供装置200の制御部210から出力されるプローブ情報提供車両20の位置情報および周辺領域画像の入力を受け付ける。
ステップS1220において、制御部110は、ステップS1210で入力されたプローブ情報提供車両20の位置情報を車両位置情報記憶部165に記録する。
ステップS1230において、制御部110は、ステップS1210で入力された周辺領域画像を画像データ記憶部162に記録する。
ステップS1240において、制御部110の運転技術情報記録部116は、ステップS1220およびS1230で記録されたプローブ情報提供車両20の位置情報および周辺領域画像が出力された制御部210を有するプローブ情報提供装置200のユーザ識別子を特定する。プローブ情報提供装置200のユーザ識別子は、そのプローブ情報提供装置200とともに移動するプローブ情報提供車両20の運転者に対応付けられているものとする。
ステップS1250において、制御部110の運転技術情報記録部116は、ステップS1220およびS1230で記録されたプローブ情報提供車両20の位置情報および周辺領域画像に基づいて、ステップS1240で特定されたユーザ識別子に対応するプローブ情報提供車両20の運転者の運転技術情報を生成し、運転技術情報記憶部167に記録する。本処理は、ステップS1250が完了すると終了する。
なお、個人情報保護の観点から、ステップS1240およびS1250で行われる処理を省略する場合は、上述したように、予め収集された運転技術情報が運転技術情報記憶部167に記録されることとしてもよい。
図8(b)は、車線誘導装置100の制御部110が行う道路画像の記録処理を示すフローチャートである。本処理は開始されるとステップS1410に進む。
ステップS1410において、制御部110は、通信モジュール140を介して、道路撮影装置400の制御部410から出力される道路画像の入力を受け付ける。
ステップS1420において、制御部110は、ステップS1410で入力された道路画像を画像データ記憶部162に記録する。本処理は、ステップS1250が完了すると終了する。本処理は、ステップS1420が完了すると終了する。
図9は、車線誘導装置100の制御部110が行う車線誘導処理を示すフローチャートである。本処理は開始されるとステップS1310に進む。
ステップS1310において、制御部110は、通信モジュール140を介して、車線誘導対象車両30の制御部310から出力される車線誘導対象車両30の位置情報の入力を受け付ける。
ステップS1320において、制御部110の車線誘導対象車両移動状況検出部113は、ステップS1310で入力された車線誘導対象車両30の位置情報に基づいて、車線誘導対象車両30の位置、車線誘導対象車両30が移動している車線10および車線10を含む道路80上における車線誘導対象車両30の移動方向に関する情報と、それらの情報に対応する時刻情報とを取得する。
ステップS1330において、制御部110の誘導情報出力装置特定部111は、ステップS1310で入力された車線誘導対象車両30の位置情報に含まれる車線誘導情報出力装置300のユーザ識別子を特定する。
ステップS1340において、制御部110の車両情報取得部112は、ステップS1330で特定された車線誘導情報出力装置300のユーザ識別子に対応する車線誘導対象車両30の車両情報を、車両情報記憶部164を参照して取得する。取得された車両情報が例えば車種情報のとき、車種毎の車両寸法に関するデータを特定することができれば、車両情報取得部112は、車種情報に基づいて車線誘導対象車両30の寸法を特定可能である。
ステップS1350において、制御部110の画像取得部114は、道路撮影装置情報記憶部163を参照し、道路撮影装置400が設置されている位置の位置情報と、それらの位置に設置されている道路撮影装置400が有するカメラモジュール420の画角ならびにレンズの向きおよび倍率といった撮影条件に関する情報とを取得する。ここでは特に、車線10上において、車線誘導対象車両30の位置から車線誘導対象車両30の移動方向側の区間に設置された道路撮影装置400の位置情報と撮影条件に関する情報とが取得されることが好ましい。
ステップS1360において、制御部110の画像取得部114は、画像データ記憶部162を参照し、ステップS1350で位置情報および撮影条件に関する情報が取得された道路撮影装置400から出力された道路画像、およびプローブ情報提供車両20から出力された周辺領域画像を、各画像に対応する時刻情報とともに取得する。ここでは特に、車線10上において、車線誘導対象車両30の位置から車線誘導対象車両30の移動方向側の区間が撮影されて生成された道路画像や周辺領域画像が取得されることが好ましい。
ステップS1370において、制御部110の障害物情報取得部115は、車両位置情報記憶部165を参照し、図8のステップS1220で記録されたプローブ情報提供車両20の位置情報を取得する。ここでは特に、車線10上において、車線誘導対象車両30の位置から車線誘導対象車両30の移動方向側の区間に含まれる位置情報が取得されることが好ましい。
ステップS1380において、制御部110の障害物情報取得部115は、ステップS1360で取得された道路画像および周辺領域画像と、ステップS1370で取得されたプローブ情報提供車両20の位置情報とに基づいて、車線10上の障害物60の位置および大きさを取得する。上述したように、車線誘導装置100では、複数のプローブ情報提供車両20の位置情報(プローブ情報)を解析することによって、車線10上において、車線誘導対象車両30の位置から車線誘導対象車両30の移動方向側に離れて位置する障害物60の存在を検出可能である。また、その障害物60を撮影して得られた周辺領域画像や、その障害物60を含む車線10を撮影して得られた道路画像が得られている場合は、障害物情報取得部115が、それらの周辺領域画像や道路画像とともに複数のプローブ情報提供車両20の軌跡情報を解析することによって、障害物60の位置および大きさを、より正確に取得することが可能である。
ステップS1390において、制御部110の障害物回避可否判定部117は、車線誘導対象車両30が、ステップS1380で取得された位置および大きさを有する正体物60を、同一の道路80上を同一の移動方向に移動しながら回避可能な寸法を有しているか否かを判定する。上述したように、障害物60は、例えば路上駐車車両、落下物、交通事故現場、道路工事区域、樹木のせり出し、看板、高架等である。このうちの多くの例については、車線誘導対象車両30は、障害物60の側方を移動方向に向かって通過することによって障害物60を、同一の道路80上を同一の移動方向に移動しながら回避することができる。その場合は、ステップS1390においては肯定判定がなされ、本処理はステップS1510に進む。
しかし、障害物60が例えば高架の場合において、その高架の高さ制限値が車線誘導対象車両30の車高よりも低い場合に、車線誘導対象車両30は、障害物60の側方を移動方向に向かって通過することによって障害物60を回避することができない。すなわち、車線誘導対象車両30は、同一の道路80上を同一の移動方向に移動しながら障害物60を回避することができない。そのため、障害物60よりも手前側で右左折または転回し、迂回経路を移動することによってその障害物60を回避し、回避後に再び道路80へ復帰して車線10上を移動する必要がある。すなわち、ステップS1390においては否定判定がなされ、本処理はステップS1610に進む。
ステップS1510において、制御部110の車線誘導情報配信部120は、車線誘導対象車両30と、車線誘導対象車両30の位置からその移動方向に離れて位置する障害物60との間の相互間距離を特定する。障害物60が、移動方向に移動する車線誘導対象車両30が接近する手前側障害物と、その手前側障害物よりも車線誘導対象車両30の移動方向に離れて位置する奥側障害物とを含む場合、次のようにして上述した相互間距離を特定する。具体的には、制御部110の車線誘導情報配信部120は、車線誘導対象車両30と手前側障害物との間の距離、車線誘導対象車両30と奥側障害物との間の距離、および手前側障害物と奥側障害物との間の距離を、上述した相互間距離として特定する。
ステップS1520において、制御部110の車線誘導タイミング決定部119は、車線誘導対象車両30と障害物60との間の距離と、障害物60どうし間の距離と、例えば図8のステップS1250で運転技術情報記憶部167に記録された運転技術情報と、道路地図データ記憶部161に記録された右折または左折専用車線や車線変更禁止区間等に関する交通規則情報と、各車線の交通量とに基づいて、車線誘導対象車両30に障害物60の回避を開始させるための障害物回避誘導タイミングと、障害物60の回避を終えた車線誘導対象車両30に、もとの車線10上に復帰させるための車線復帰誘導タイミングとを決定する。なお、運転技術情報や交通規則情報が記録されていない場合、それらの情報は、障害物回避誘導タイミングおよび車線復帰誘導タイミングの決定に用いられなくてもよい。車両位置情報記憶部165に記憶されたプローブ情報提供車両20の軌跡情報(位置情報)や、画像データ記憶部162に記憶された周辺領域画像や道路画像に基づいて得られる各車線の交通量についても、必ずしも障害物回避誘導タイミングおよび車線復帰誘導タイミングの決定に用いられなくてもよい。
ステップS1530において、制御部110の車線誘導情報配信部120は、ステップS1520で決定された障害物回避誘導タイミングおよび車線復帰誘導タイミングを、誘導情報、すなわち障害物回避誘導情報および車線誘導情報として、通信モジュール140を介して車線誘導対象車両30へ配信する。
その際、制御部110の車線誘導情報配信部120は、さらに、ステップS1320で取得された車線誘導対象車両30の位置、車線誘導対象車両30が移動している車線10および車線10を含む道路80上における車線誘導対象車両30の移動方向に関する情報とに基づいて、道路地図データ記憶部161に記憶されている車線誘導対象車両30の位置周辺の道路地図データを抽出し、その抽出した道路地図データと、ステップS1380で取得された障害物60の位置および大きさについての情報とを、誘導情報とともに、通信モジュール140を介して車線誘導対象車両30へ配信することが好ましい。このようにすることによって、車線誘導情報出力装置300において、図17を用いて後述する誘導情報を、視覚的に分かりやすい表示形態で画面出力することができる。本処理は、ステップS1530が完了すると終了する。
ステップS1610において、制御部110の車線誘導情報配信部120は、車線誘導対象車両30が障害物60よりも手前側で車線10上の移動を中止して右左折または転回するように、車線誘導対象車両30に対する障害物回避誘導を車線誘導情報出力装置300に行わせるため、かつ車線10上の移動を中止して右左折または転回した車線誘導対象車両30が移動すべき車線を、車線10とは異なる他の車線に変更するように、車線誘導対象車両30に対する車線変更誘導を車線誘導情報出力装置300に行わせるための、誘導情報を生成する。
ステップS1620において、制御部110の車線誘導情報配信部120は、ステップS1610で生成された誘導情報を、通信モジュール140を介して車線誘導対象車両30へ配信する。
その際、制御部110の車線誘導情報配信部120は、さらに、ステップS1320で取得された車線誘導対象車両30の位置、車線誘導対象車両30が移動している車線10および車線10を含む道路80上における車線誘導対象車両30の移動方向に関する情報とに基づいて、道路地図データ記憶部161に記憶されている車線誘導対象車両30の位置周辺の道路地図データを抽出し、その抽出した道路地図データと、ステップS1380で取得された障害物60の位置および大きさについての情報とを、誘導情報とともに、通信モジュール140を介して車線誘導対象車両30へ配信することが好ましい。このようにすることによって、車線誘導情報出力装置300において、図17を用いて後述する誘導情報を、視覚的に分かりやすい表示形態で画面出力することができる。本処理は、ステップS1620が完了すると終了する。
図10は、車線誘導対象車両30に対する障害物回避および車線復帰のための車線誘導処理が行われる様子を示す図である。道路80は互いに対向する2つの車線10および15によって構成されている。すなわち、左側通行の場合、図10の下側に位置する車線10上を移動する車両にとって、図10の上側に位置する車線15は対向車が移動する対向車線である。図10の右端から左方へ移動中の位置30a_1に位置する車線誘導対象車両30から移動方向(図10の左方)に離れた車線10上の位置に障害物60が存在する。図10において、障害物60は駐車車両である。
図9のステップS1530で配信された障害物回避誘導タイミングが、車線誘導対象車両30と障害物60との相互間距離の大きさがD_31となる位置30a_1に対応するものとする。車線誘導対象車両30が位置30a_1に到達したとき、車線誘導対象車両30の制御部310は、車線誘導対象車両30が障害物60を回避するように、障害物回避誘導情報を、車線誘導情報出力装置300のユーザインタフェース350を介して音声または視覚的表示によって出力する。
障害物回避誘導情報が出力されると、運転者によって車線誘導対象車両30のハンドルが右に切られ、車線15に近づくように移動方向がやや変化する。移動方向が変化した車線誘導対象車両30は、位置30b_1を経て、2つの車線10および15の境界付近に到達する。すると、運転者によって、車線誘導対象車両30の移動方向が元の方向(図10の左方)に戻され、車線誘導対象車両30は、障害物60の側面までの距離の大きさとしてD_33をほぼ保ちながら、位置30c_1を経て、障害物60の側方を、元の移動方向(図10の左方)に向かって通過する。
図9のステップS1530で配信された車線復帰誘導タイミングが、車線誘導対象車両30と障害物60との距離の移動方向成分の大きさがD_32となる位置30d_1に対応するものとする。車線誘導対象車両30が位置30d_1に到達したとき、車線誘導対象車両30の制御部310は、車線誘導対象車両30が車線10上に復帰するように、車線誘導情報を、車線誘導情報出力装置300のユーザインタフェース350を介して音声または視覚的表示によって出力する。ここで、車線誘導対象車両30が走行している道路が一方向に複数車線有している場合には、各車線の混雑状況を考慮して移動車線を誘導する構成でも良い。
車線誘導情報が出力されると、運転者によって車線誘導対象車両30のハンドルが左に切られ、移動方向がやや変化する。移動方向が変化した車線誘導対象車両30は、位置30e_1を経て、位置30f_1でもとの車線10上に復帰する。すると、車線誘導対象車両30の移動方向が元の方向(図10の左方)に戻され、車線誘導対象車両30は車線10上の移動を継続する。
図11は、車線誘導対象車両に対する複数の障害物回避および車線復帰のための車線誘導処理が行われる様子を示す図である。道路80は互いに対向する2つの車線10および15によって構成されている。すなわち、左側通行の場合、図11の下側に位置する車線10上を移動する車両にとって、図11の上側に位置する車線15は対向車が移動する対向車線である。図11の右端から左方へ移動中の位置30a_2に位置する車線誘導対象車両30から移動方向(図11の左方)に離れた車線10上の位置に障害物60として、車線誘導対象車両30から見て手前側の手前側障害物60aおよび車線誘導対象車両30から見て奥側の奥側障害物60bが存在する。図11において、手前側障害物60aおよび奥側障害物60bは駐車車両である。手前側障害物60aは、図11の左方に移動する車線誘導対象車両30が接近する障害物である。奥側障害物60bは、手前側障害物60aよりも図11の左方に距離D_34だけ離れて位置する障害物である。
距離D_34が所定距離以上の長さであれば、運転技術が熟練した運転者は、通常、車線誘導対象車両30が手前側障害物60aおよび奥側障害物60bをそれぞれ回避するたび毎に元の車線10上に復帰するように運転しようとする。したがって、図10の障害物60についての障害物回避誘導および車線復帰誘導と同様に、図11における手前側障害物60aおよび奥側障害物60bの各々についての障害物回避誘導および車線復帰誘導が行われることが好ましい。
そこで、図9のステップS1530で配信された障害物回避誘導タイミングが、車線誘導対象車両30と手前側障害物60aおよび奥側障害物60bの各々との相互間距離の大きさがD_31vとなる位置30a_2および30f_2に対応するものとする。車線誘導対象車両30が位置30a_2または30f_2に到達したとき、車線誘導対象車両30の制御部310は、車線誘導対象車両30が手前側障害物60aまたは奥側障害物60bを回避するように、障害物回避誘導情報を、車線誘導情報出力装置300のユーザインタフェース350を介して音声または視覚的表示によって出力する。
また、図9のステップS1530で配信された車線復帰誘導タイミングが、車線誘導対象車両30と手前側障害物60aおよび奥側障害物60bの各々との距離の移動方向成分の大きさがD_32vとなる位置30d_2および30i_2に対応するものとする。車線誘導対象車両30が位置30d_2または30i_2に到達したとき、車線誘導対象車両30の制御部310は、車線誘導対象車両30が車線10上に復帰するように、車線誘導情報を、誘導情報出力装置300のユーザインタフェース350を介して音声または視覚的表示によって出力する。
位置30a_2に位置する車線誘導対象車両30に対して障害物回避誘導情報が出力されると、運転者によって車線誘導対象車両30のハンドルが右に切られ、車線15に近づくように移動方向がやや変化する。移動方向が変化した車線誘導対象車両30は、位置30b_2を経て、2つの車線10および15の境界付近に到達する。すると、運転者によって、車線誘導対象車両30の移動方向が元の方向(図11の左方)に戻され、車線誘導対象車両30は、手前側障害物60aの側面までの距離の大きさとしてD_33vをほぼ保ちながら、位置30c_2を経て、手前側障害物60aの側方を、元の移動方向(図11の左方)に向かって通過する。
位置30d_2に位置する車線誘導対象車両30に対して車線誘導情報が出力されると、運転者によって車線誘導対象車両30のハンドルが左に切られ、移動方向がやや変化する。移動方向が変化した車線誘導対象車両30は、位置30e_2でもとの車線10上に復帰する。すると、車線誘導対象車両30の移動方向が元の方向(図11の左方)に戻され、車線誘導対象車両30は車線10上の移動を継続する。
その後、位置30f_2に到達した車線誘導対象車両30に対して障害物回避誘導情報が出力されると、運転者によって車線誘導対象車両30のハンドルが右に切られ、車線15に近づくように移動方向がやや変化する。移動方向が変化した車線誘導対象車両30は、位置30g_2を経て、2つの車線10および15の境界付近に到達する。すると、運転者によって、車線誘導対象車両30の移動方向が元の方向(図11の左方)に戻され、車線誘導対象車両30は、奥側障害物60aの側面までの距離の大きさとしてD_33vをほぼ保ちながら、位置30h_2を経て、奥側障害物60aの側方を、元の移動方向(図11の左方)に向かって通過する。
位置30i_2に位置する車線誘導対象車両30に対して車線誘導情報が出力されると、運転者によって車線誘導対象車両30のハンドルが左に切られ、移動方向がやや変化する。移動方向が変化した車線誘導対象車両30は、その後もとの車線10上に復帰する。すると、車線誘導対象車両30の移動方向が元の方向(図11の左方)に戻され、車線誘導対象車両30は車線10上の移動を継続する。
図12は、車線誘導対象車両に対する運転技術に応じた車線誘導処理が行われる様子を示す図である。運転技術が未熟な初心者レベルの運転者の場合、車線誘導対象車両30と手前側障害物60aおよび奥側障害物60bの各々との相互間距離の大きさD_31bを、運転技術が熟練した運転者の場合の上記相互間距離の大きさD_31vよりも大きく取る傾向がある。同様に、運転技術が未熟な初心者レベルの運転者の場合、車線誘導対象車両30と手前側障害物60aおよび奥側障害物60bの各々との距離の移動方向成分の大きさD_32bを、運転技術が熟練した運転者の場合の上記相互間距離の大きさD_32vよりも大きく取る傾向がある。その結果、手前側障害物60aおよび奥側障害物60bの間の距離D_34が、所定距離以上の長さであっても上記相互間距離の大きさD_32bおよびD_31bの合計値との差が所定値未満の場合、運転技術が未熟な初心者レベルの運転者は、通常、車線誘導対象車両30が手前側障害物60aおよび奥側障害物60bの両方を回避した後で元の車線10上に復帰するように運転しようとする。したがって、図11の手前側障害物60aおよび奥側障害物60bの各々についての障害物回避誘導および車線復帰誘導とは異なって、図12における手前側障害物60aおよび奥側障害物60bの両方をひとくくりとしての障害物回避誘導および車線復帰誘導が行われることが好ましい。
そこで、図9のステップS1530で配信された障害物回避誘導タイミングが、車線誘導対象車両30と手前側障害物60aとの相互間距離の大きさがD_31bとなる位置30a_3に対応するものとする。車線誘導対象車両30が位置30a_3に到達したとき、車線誘導対象車両30の制御部310は、車線誘導対象車両30が手前側障害物60aおよび奥側障害物60bを回避するように、障害物回避誘導情報を、車線誘導情報出力装置300のユーザインタフェース350を介して音声または視覚的表示によって出力する。
また、図9のステップS1530で配信された車線復帰誘導タイミングが、車線誘導対象車両30と奥側障害物60bとの距離の移動方向成分の大きさがD_32bとなる位置30f_3に対応するものとする。車線誘導対象車両30が位置30f_3に到達したとき、車線誘導対象車両30の制御部310は、車線誘導対象車両30が車線10上に復帰するように、車線誘導情報を、車線誘導情報出力装置300のユーザインタフェース350を介して音声または視覚的表示によって出力する。
位置30a_3に位置する車線誘導対象車両30に対して障害物回避誘導情報が出力されると、運転者によって車線誘導対象車両30のハンドルが右に切られ、車線15に近づくように移動方向がやや変化する。移動方向が変化した車線誘導対象車両30は、位置30b_3を経て、2つの車線10および15の境界付近に到達する。すると、運転者によって、車線誘導対象車両30の移動方向が元の方向(図12の左方)に戻され、車線誘導対象車両30は、手前側障害物60aの側面および奥側障害物60bの側面までの距離の大きさとしてD_33bをほぼ保ちながら、位置30e_3を経て、手前側障害物60aおよび奥側障害物60bの側方を、元の移動方向(図12の左方)に向かって通過する。
位置30f_3に位置する車線誘導対象車両30に対して車線誘導情報が出力されると、運転者によって車線誘導対象車両30のハンドルが左に切られ、移動方向がやや変化する。移動方向が変化した車線誘導対象車両30は、その後もとの車線10上に復帰する。すると、車線誘導対象車両30の移動方向が元の方向(図12の左方)に戻され、車線誘導対象車両30は車線10上の移動を継続する。
上述したように、運転技術情報記憶部167は、車線誘導対象車両30の運転者の運転技術水準に関する運転技術情報を、車線誘導情報出力装置300のユーザ識別子に対応付けて記憶する。図13は、運転技術情報記憶部167に記録されている運転技術情報40を例示する図である。図13においては、車線誘導情報出力装置300のユーザ識別子の値が「aaaaaa111111」に対して運転技術は「初心者」が対応付けられ、ユーザ識別子の値が「bbbbbb222222」に対して運転技術は「熟練者」が対応付けられている。この運転技術情報40を参照することによって、車線誘導装置100の制御部110は、図9のステップS1520における運転技術情報に基づく障害回避誘導タイミングおよび車線復帰誘導タイミングを決定することができる。
図14は、車線誘導対象車両30に対する交通規則に応じた車線誘導処理が行われる様子を示す図である。図14において、道路80は、左側通行の片側4車線道路であり、図14下方の路側側から上方の中央線/中央分離帯側に向かって、車線10a、10b、10cおよび10dを順に有している。車線10a、10b、10cおよび10dは、いずれも車線誘導対象車両30の移動方向と同一の方向(図11の左方)へ移動するための車線である。道路80は3つの区間71、72および73を有している。区間71は交差点区間、区間72は交差点直前の車線変更禁止区間、区間73は区間72よりも前の車線変更可能区間である。区間72では、車線間の境界線が黄線、区間73では、車線間の境界線が白破線で引かれている。区間72において、車線10aは区間71で左折または直進するための車線、車線10bおよび10cは区間71を直進するための車線、車線10dは区間71を右折するための車線である。
図14の右端から左方へ移動中の位置30a_4に位置する車線誘導対象車両30から移動方向(図14の左方)に離れた車線10a上の区間72内の位置に障害物60が存在する。図14において、障害物60は駐車車両である。車線誘導対象車両30が位置30a_4に位置するとき障害物回避誘導情報が出力されるが、車線誘導対象車両30が障害物60を回避する際に車線10aから車線10bへ完全に移動してしまうと、車線誘導対象車両30は既に車線変更禁止区間である区間72内を移動しているため、障害物60の側方を図14の左方の移動方向に向かって通過した後、車線10aに復帰することができない。経路案内が行われているために車線誘導対象車両30が区間71の交差点を直進することが予め明らかであればそれでも構わない。しかし、図14においては、車線誘導対象車両30は、もともと左折または直進用の車線10a上を移動していたので、区間71の交差点で左折することが予定されている可能性がある。そこで、車線誘導装置100の制御部110は、車線誘導対象車両30が位置30a_4に位置するときに出力される障害物回避誘導情報において、車線変更禁止という交通規則を考慮して、車線誘導対象車両30を車線10bへ完全に移動させてしまわないようなメッセージが運転者に報知されるように、障害物回避誘導情報を生成する。車線変更禁止区間や左折用の車線といった交通規則に関する情報は、例えば予め道路地図データに含まれて道路地図データ記憶部161に記憶されることとしておけばよい。車線誘導情報についても、区間71の交差点よりも十分手前で車線誘導対象車両30が車線10a上に復帰できるように生成される。
このようにして、車線誘導装置100の制御部110は、図9のステップS1520における交通規則情報に基づく障害回避誘導タイミングおよび車線復帰誘導タイミングを決定することができる。その結果、図14に示すように、車線誘導対象車両30は、位置30a_4において障害回避誘導により障害回避を開始し、車線10b上へ完全に移動したとは言えない位置30b_4を経て障害物60の側方を通過し、その後の車線復帰誘導により車線10a上に復帰し、交差点直前の位置30d_4を経て、交差点(区間71)を左折して位置30e_4に至ることとなる。
上述したように、図9のステップS1390において否定判定がなされるのは、障害物が例えば高架であって、その高架の高さ制限値が車線誘導対象車両30の車高よりも低い場合である。この場合、車線誘導対象車両30は、障害物60である高架の側方を移動方向に向かって通過することによって障害物60である高架を回避することができない。一方、樹木がせり出している場合は、障害物60である樹木のせり出しの側方を移動方向に向かって通過することによって障害物60である樹木のせり出しを回避することができる。したがって、プローブ情報提供装置200からのプローブ情報に基づき、車線誘導対象車両30に対して、これらの障害物60に関する障害物回避誘導情報および車線誘導情報が出力されることが好ましい。
なお、図14において、車線誘導対象車両30が区間71の交差点を直進する場合、車線10a、10bおよび10cのいずれの車線でも直進可能である。このような場合において、車線誘導対象車両30が、障害物60を回避することによって、位置30b_4に到達したとき、例えば区間72の車線10aにおいて区間71の交差点に至るまで渋滞が発生しているような場合に、車線誘導対象車両30が直進するためには、運転者の運転技術や交通規則を考慮したとしても、必ずしも車線誘導対象車両30に対して車線10aへの車線復帰誘導を行う必要がない。むしろ、車線10bの交通量が車線10aの交通量よりも少ない場合は、位置30b_4に到達した車線誘導対象車両30は、そのままハンドルを戻さずに車線10bに移動した方がよい場合も考えられる。その場合は、障害物60を回避した車線誘導対象車両30が移動すべき車線に関し、車線誘導対象車両30に対して、車線10aへの車線復帰誘導を行う代わりに車線10bへの車線変更誘導を行うことが好ましい。
そこで、車線誘導装置100の制御部110は交通量を取得する交通量取得部108を有し、車線誘導対象車両30が、障害物60の側方を図14左方の移動方向に向かって通過するために、車線10aを出て車線10b上を図14左方の移動方向に移動するとき、車線誘導タイミング決定部119は、運転技術情報や交通規則情報と、車線10aの交通量および車線10bの交通量とに基づいて、車線誘導対象車両30に対する車線10aへの車線復帰誘導タイミングまたは車線10bへの車線変更誘導タイミングを決定することとしてもよい。交通量取得部108は、車両位置情報記憶部165に記憶されたプローブ情報提供車両20の軌跡情報(位置情報)や、画像データ記憶部162に記憶された周辺領域画像や道路画像に基づいて、車線10aや10b等の各車線の交通量を取得する。
図15は、回避が必要な障害物が高架の例を示す図であり、図15(a)は障害物60が樹木のせり出しの例、図15(b)は障害物60が高架の例を示している。図15(a)において、道路80の車線10上を、プローブ情報提供車両20として、車高の高いトラック20xが図の右端から左方へ向かって移動している。そのトラック20xの先方に障害物60としての樹木60xが車線10上にせり出している。トラック20xの荷台部分の車高hは樹木60xのせり出している枝葉の高さh1よりも高いため、トラック20xがこのまま直進するとトラック20xの荷台部分が樹木60xのせり出した枝葉に引っかかってしまう虞がある。そこで、トラック20xは樹木60xのせり出している枝葉を回避するため、樹木60xがせり出していない隣接車線に移動車線を変更し、樹木60xの側方を通過後にもとの車線10上に復帰する。このときの軌跡を構成するプローブ情報提供車両位置情報や周辺領域画像等のプローブ情報を用いて、図9のステップS1530における障害物回避誘導情報および車線誘導情報を生成することができる。
図15(b)は、図15(a)と同様に道路80の車線10上を移動するトラック20xから見た障害物60としての高架60yを示している。トラック20xの荷台部分の車高hが高架60yの高さh2よりも高いと、トラック20xはこの高架60yを通過することができない。図15(b)に示す例では、高架60yの高さ制限値h2として「2.8m」が、高架60y正面の標識610および高架60y脇の標識620に表示されている。したがって、トラック20xがこの高架60yの手前で転回する軌跡を構成するプローブ情報提供車両位置情報とともに、高さ制限値が表示された標識610および620が撮影されて得られた周辺領域画像がプローブ情報に含まれていれば、このプローブ情報を用いて、図9のステップS1620における誘導情報(障害物回避誘導情報および車線誘導情報)を生成することができる。具体的には、トラック20xは障害物60を移動方向に回避できないので、トラック20xが障害物60を、例えば右左折や転回することによって移動方向以外の方向に回避するように、トラック20xは障害物回避誘導情報にしたがって誘導される。また、それと共に、トラック20xが目的地へ辿り着くために、もしくは元の経路に復帰するためにトラック20xを車線10とは異なる他の車線へ誘導するのに用いられる車線誘導情報が、車線誘導装置100の制御部110によって生成され、出力される。
図16は、車線誘導情報出力装置300において行われる誘導情報出力処理を示すフローチャートである。本処理は、開始されるとステップS3010に進む。
ステップS3010において、制御部310は、ユーザインタフェース350を介した位置情報出力可否設定や誘導情報を取得するかしないかについての設定等に関する各種命令入力に応じた各種制御を行う。制御部310は、位置情報出力可否設定に関する命令入力に応じて、車線誘導対象車両位置情報出力部312による車線誘導対象車両30の位置情報出力を開始または停止する。制御部310は、誘導情報を取得するかしないかについての設定に関する命令入力に応じて、車線誘導情報出力部313による誘導情報の取得を開始または停止する。
ステップS3020において、制御部310は、センサデータ入力部330へのGPSセンサデータ入力を受け付けて、GPSセンサデータに含まれる車線誘導対象車両30の位置情報および時刻情報を繰り返し取得する。
ステップS3030において、制御部310は、センサデータ入力部330への速度センサデータ入力を受け付けて、速度センサデータに含まれる車線誘導対象車両30の移動速度情報を繰り返し取得する。速度センサデータが用いられずに、ステップS3020で繰り返し取得された位置情報および時刻情報に基づいて、移動速度情報が繰り返し取得されることとしてもよい。
ステップS3040において、制御部310は、センサデータ入力部330への方位センサデータ入力を受け付けて、方位センサデータに含まれる車線誘導対象車両30の移動方位情報を繰り返し取得する。方位センサデータが用いられずに、ステップS3020で繰り返し取得された位置情報および時刻情報に基づいて、移動方位情報が繰り返し取得されることとしてもよい。例えばトンネル内の移動によって、GPSセンサデータが入力されないときは、車線誘導対象車両30がトンネル内に進入する前に取得された位置情報と、ステップS3030で取得された移動速度情報と、ステップS3040で取得された移動方位情報とに基づいて、車線誘導対象車両30の位置が推定されることとしてもよい。
ステップS3050において、制御部310は、センサデータ入力部330への加速度センサデータ入力を受け付けて、加速度センサデータに含まれる車線誘導対象車両30の加速度情報を繰り返し取得する。加速度センサデータが用いられずに、ステップS3020で繰り返し取得された位置情報および時刻情報や、ステップS3030で繰り返し取得された移動速度情報に基づいて、加速度情報が繰り返し取得されることとしてもよい。
ステップS3060において、制御部310は、センサデータ入力部330への舵角センサデータ入力を受け付けて、舵角センサデータに含まれる車線誘導対象車両30の運転者の障害物回避意思、車線変更意思または右左折等移動方向変更意思に基づく車両制御情報を繰り返し取得する。車両制御情報が用いられずに、ステップS3020で繰り返し取得された位置情報および時刻情報や、ステップS3040で繰り返し取得された移動方位情報に基づいて、車両制御情報が繰り返し取得されることとしてもよい。
ステップS3070において、制御部310の車線誘導対象車両位置情報取得部311は、ステップS3020〜S3060で繰り返し取得された種々の情報のうちの1種類または複数種類の情報に基づいて、車線誘導対象車両30の位置情報を時刻情報とともに取得する。
ステップS3080において、制御部310の車線誘導対象車両位置情報出力部312は、ステップS3070で時刻情報とともに取得された車線誘導対象車両30の位置情報を、例えば1つのトリップ終了のタイミングで車線誘導装置100へ出力する。こうして出力された車線誘導対象車両30の位置情報が、図9のステップS1310で車線誘導装置100に入力される。
ステップS3090において、制御部310の誘導情報出力部313は、図9のステップS1530およびS1620で配信される誘導情報(障害物回避誘導情報および車線誘導情報)を、通信モジュール340を介して取得する。
ステップS3100において、制御部310の車線誘導情報出力部313は、ステップS3090で取得された誘導情報(障害物回避誘導情報および車線誘導情報)を、ユーザインタフェース350に含まれるディスプレイモジュールに画面出力するとともに、ユーザインタフェース350に含まれるオーディオモジュールに音声出力する。本処理は、ステップS3100が完了すると終了する。
図16のステップS3100において、制御部310により生成される誘導情報出力画面は、図9のステップS1530またはS1620で配信された情報に基づいて生成される。図17は、車線誘導情報出力装置300における誘導情報出力画面の表示例を示す図である。図17(a)、(b)および(c)は、図12に示した初心者レベルの運転技術に応じた車線誘導処理の際に、図16のステップS3100で車線誘導情報出力装置300の制御部310によってユーザインタフェース350に含まれるディスプレイモジュールに出力される画面の表示例(視覚的表示の例)である。
図17(a)は、車線誘導対象車両30が図12に示す位置30a_3に到達したとき、すなわち障害物回避誘導タイミングで、ユーザインタフェース350に含まれるディスプレイモジュールに出力される画面の表示例である。この画面には、車線誘導対象車両30が移動中の車線10上の、車線誘導対象車両30の移動方向(前方)に2台の障害物60、すなわち手前側障害物60aおよび奥側障害物60bを表すアイコンが表示されるとともに、車線誘導装置から配信された誘導情報に基づく車線誘導メッセージ3510aおよび車線誘導図形(矢印)3520aが表示されている。車線誘導メッセージ3510aとしては、例えば「前方に連続する2つの障害物があります。対向車線に注意しながら回避を開始してください。」という案内文が表示される。車線誘導図形3520aとしては、車線誘導対象車両30を誘導するための、対向車線15に近づくような進路を表す矢印が表示される。
図17(b)は、車線誘導対象車両30が図12に示す位置30c_3に到達したとき、すなわち手前側障害物60aの側方を通過したタイミングで、ユーザインタフェース350に含まれるディスプレイモジュールに出力される画面の表示例である。この画面には、車線誘導対象車両30が移動中の車線10上の、車線誘導対象車両30の移動方向(前方)に奥側障害物60bを表すアイコンが表示されるとともに、車線誘導装置から配信された誘導情報に基づく車線誘導メッセージ3510bおよび車線誘導図形(矢印)3520bが表示されている。車線誘導メッセージ3510bとしては、例えば「さらに前方に障害物があります。対向車線に注意しながら回避を続けてください。」という案内文が表示される。車線誘導図形3520bとしては、車線誘導対象車両30が車線10上の中央付近に復帰しないように車線誘導対象車両30を誘導するための、対向車線15寄りの進路を表す矢印が表示される。
図17(c)は、車線誘導対象車両30が図12に示す位置30f_3に到達する直前、すなわち車線復帰誘導タイミングで、ユーザインタフェース350に含まれるディスプレイモジュールに出力される画面の表示例である。この画面には、車線誘導対象車両30が移動中の車線10上の、車線誘導対象車両30の移動方向(前方)に障害物60を表すアイコンが表示されておらず、車線誘導装置から配信された誘導情報に基づく車線誘導メッセージ3510cおよび車線誘導図形(矢印)3520cが表示されている。車線誘導メッセージ3510cとしては、例えば「障害物を通過しました。もとの車線内に戻ってください。」という案内文が表示される。車線誘導図形3520cとしては、車線誘導対象車両30を誘導するための、元の車線10上の中央付近に戻るような進路を表す矢印が表示される。
本実施の形態における車線誘導装置100の制御部110は、車線誘導対象車両移動状況検出部113と、障害物情報取得部115と、車線誘導情報配信部120とを含む。
車線誘導対象車両移動状況検出部113は、車線誘導情報出力装置300とともに移動する車線誘導対象車両30の位置、車線誘導対象車両30が移動している車線10、および車線10を含む道路80上における車線誘導対象車両30の移動方向、を検出する。
障害物情報取得部115は、車線10上において、車線誘導対象車両30から移動方向に離れて位置する障害物60の位置を取得する。
車線誘導情報配信部120は、障害物60の位置に基づいた、車線誘導対象車両30が障害物60を回避するように車線誘導対象車両30を誘導する障害物回避誘導情報と、障害物60を回避した車線誘導対象車両30が移動すべき車線に車線誘導対象車両30を誘導する車線誘導情報と、を車線誘導情報出力装置300へ配信する。
このように車線誘導装置100を構成することによって、車線誘導対象車両30が円滑に障害物60を回避して、障害物60を回避後に車線誘導対象車両30が移動すべき車線を移動できるように、車線誘導対象車両30に対して車線誘導することができる。
本実施の形態における車線誘導装置100において、車線誘導対象車両移動状況検出部113は、車線誘導情報出力装置300から時刻情報を含んで出力される車線誘導対象車両30の位置情報に基づいて、車線誘導対象車両30の位置、車線10、移動方向、および移動速度を検出する。障害物情報取得部115は、障害物60の位置とともに障害物60の大きさを取得する。車線誘導情報配信部120は、車線誘導対象車両30と障害物60との間の相互間距離と、移動速度と、障害物60の大きさとに基づき、車線誘導対象車両30が障害物60の側方を移動方向に向かって通過することによって障害物60を回避するように、車線誘導対象車両30を誘導する障害物回避誘導タイミングを含む障害物回避誘導情報と、障害物60を回避した車線誘導対象車両30が移動すべき車線上を移動するように車線誘導対象車両30を誘導する車線誘導タイミングを含む車線誘導情報とを生成して配信する。ここでの車線誘導タイミングは、車線10aへの車線復帰誘導タイミングおよび車線10bへの車線変更誘導タイミングを含む。
このように車線誘導装置100を構成することによって、車線誘導対象車両30が円滑に障害物60を回避して、もとの車線10aに復帰できるように、またはもとの車線10aと同一の方向へ移動するための他の車線10bを移動するように、車線誘導対象車両30に対して車線誘導することができる。
本実施の形態における車線誘導装置100において、障害物60が、移動方向に移動する車線誘導対象車両30が接近する手前側障害物60aと、手前側障害物60aよりも移動方向に離れて位置する奥側障害物60bとを少なくとも含むとき、車線誘導情報配信部120は、車線誘導対象車両30と手前側障害物60aとの間の距離を上述した相互間距離として用いることによって、障害物回避誘導情報を生成して配信する。
車線誘導情報配信部120は、車線誘導対象車両30と手前側障害物60aとの間の距離、車線誘導対象車両30と奥側障害物60bとの間の距離、および手前側障害物60aと奥側障害物60bとの間の距離を上述した相互間距離として用いることによって、車線誘導情報を生成して配信する。
このように車線誘導装置100を構成することによって、車線誘導対象車両30に対する車線復帰誘導タイミングとして、車線誘導対象車両30が手前側障害物60aの側方を通過したときとすることもできると、車線誘導対象車両30が手前側障害物60aの側方を通過した後で、さらに奥側障害物60bのとき側方を通過したときとすることもできる。
本実施の形態における車線誘導装置100の制御部110は、車線誘導タイミング決定部119をさらに含む。車線誘導タイミング決定部119は、車線誘導対象車両30の運転者の運転技術情報と、道路80における交通規則情報とのうちの少なくとも一方の情報に基づいて、障害物回避誘導タイミングおよび車線誘導タイミング(車線復帰誘導タイミングまたは車線変更誘導タイミング)を決定する。車線誘導タイミングは、車線誘導対象車両30が、手前側障害物60aを回避した後であって、かつ奥側障害物60bを回避する前であるか、または手前側障害物60aおよび奥側障害物60bをともに回避した後である。このように車線誘導装置100を構成することによって、より実用的な障害物回避誘導タイミングおよび車線誘導タイミングを、車線誘導対象車両30の運転者に知らせることができる。
本実施の形態における車線誘導装置100を含む車線誘導システムは、車線誘導装置100と、車線誘導情報出力装置300と、道路を向いて道路に設置された撮影装置400およびプローブ情報提供車両20とともに移動するプローブ情報提供装置200のうちの少なくとも一方とを有する。
車線誘導情報出力装置300の制御部310は、車線誘導対象車両位置情報取得部311と、車線誘導対象車両位置情報出力部312と、車線誘導情報出力部313とを含む。車線誘導対象車両位置情報取得部311は、車線誘導対象車両30の位置に対応する位置情報を、時刻情報とともに取得する。車線誘導対象車両位置情報出力部312は、車線誘導対象車両30の位置情報を、時刻情報とともに車線誘導対象車両移動状況検出部113部へ出力する。車線誘導情報出力部313は、車線誘導情報配信部120によって生成された障害物回避誘導情報および車線誘導情報が入力されると、障害物回避誘導情報および車線誘導情報を音声または視覚的表示によって出力する。
道路撮影装置400の制御部410は、道路撮影部411と、道路画像出力部412とを含む。道路撮影部411は、障害物60を含む道路80を撮影して道路画像を生成する。道路画像出力部412は、障害物60を含む道路80の道路画像を、道路画像を生成した時刻に関する時刻情報とともに障害物情報取得部115へ出力する。
道路撮影装置400の道路撮影部411によって障害物60を含む道路80の道路画像が出力されたとき、障害物情報取得部115は、出力された障害物60を含む道路80の道路画像と、出力された障害物80を含む道路80の道路画像が生成された際の道路撮影部411による撮影条件と、道路撮影装置400が設置されている位置に関する位置情報とに基づいて、障害物60の位置を取得する。
プローブ情報提供装置200は、プローブ情報提供車両位置情報取得部211と、プローブ情報提供車両位置情報出力部212とを含む。プローブ情報提供車両位置情報取得部211は、プローブ情報提供車両20の位置に対応する位置情報を取得する。プローブ情報提供車両位置情報出力部212は、プローブ情報提供車両20の位置情報を、その位置情報を取得した時刻に関する時刻情報とともに障害物情報取得部115へ出力する。プローブ情報提供装置200のプローブ情報提供車両位置情報出力部212によってプローブ情報提供車両20の位置情報が出力されたとき、障害物情報取得部115は、プローブ情報提供車両20の位置情報の時間変化に基づいて、障害物60の位置を取得する。
このように車線誘導システムを構成することによって、車線誘導対象車両30が円滑に障害物60を回避して、もとの車線10aに復帰できるように、またはもとの車線10aと同一の方向へ移動するための他の車線10bを移動するように、車線誘導対象車両30の運転者に対して誘導情報を音声または視覚的表示によって出力することができる。
本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。