JP6146308B2 - メタクリル酸エステルの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、生体触媒を用いたメタクリル酸エステルの製造方法に関する。
メタクリル酸エステルは、主にアクリル樹脂の原料として使われており、塗料、接着剤、樹脂改質剤などの分野のコモノマーとしても多くの需要がある。工業的な製法としてはいくつかの方法があり、例えば、アセトンおよびシアン化水素を原料とするACH(アセトンシアノヒドリン)法、イソブチレンおよびtert−ブチルアルコールを原料とする直酸法が知られている。これら化学的な製造方法は、化石原料に依存しており、また多くのエネルギーを必要とする。
近年、地球温暖化防止及び環境保護の観点から、従来の化石原料の代替となる炭素源として、バイオマスから種々の化学製品を製造する技術が注目されている。メタクリル酸エステルもバイオマス原料からの製造が期待されているが、生体触媒を用いたバイオマス原料からの具体的な製造例は報告されていない。
例えば、天然に存在する微生物を利用し、糖などの天然物からメタクリル酸の前駆体となる2−ヒドロキシイソ酪酸及び3−ヒドロキシイソ酪酸を生産する方法が提案されている(特許文献1、2及び非特許文献1参照)。しかし、これらの方法は、前駆体を脱水してメタクリル酸を生成する工程を依然として化学的な手法に依存するものである。
また、複数の酵素遺伝子を導入した、天然に存在しない組換え微生物を用いてグルコースからメタクリル酸を生成する方法が提案されているが、これらは既知の酵素反応及びそれから類推される仮想の酵素反応を組み合わせたものであり、実証されたものではない(特許文献3〜5参照)。特に特許文献5には、一般的なエステル生成活性を有する多種の生体触媒(加水分解酵素、ワックスエステル合成酵素、アルコールアセチルトランスフェラーゼ)が例示されているが、例示の生体触媒がメタクリル酸エステルの合成活性を有するかどうかは不明であった。
さらに、特許文献6には、アクリリル−CoAとアルコールの存在下、加水分解酵素を作用させて、アクリル酸エステルを製造する方法が開示されている。同文献にはメタクリル酸エステルについても同様に製造が可能な旨が示唆されている。しかし、生体触媒の多様性、基質特異性を考慮すると一部の加水分解酵素でアクリル酸エステルの製造が可能であることを示したに過ぎず、構造が異なるメタクリル酸エステルが同様に加水分解酵素により製造可能であるかは不明であった。さらに、反応機構の異なる他の種類の生体触媒で製造できるかどうかは、全く不明であった。また、特許文献6記載の加水分解酵素によりエステルを合成した場合、生成したエステルがそもそも加水分解活性で分解されてしまうことが予想され、効果的な製造方法とは考えにくい。
一方、アルコールアシルトランスフェラーゼはフルーティーフレーバー合成酵素として知られている。特許文献7には、特定の果実中に含まれる同酵素遺伝子を同定し、果実フレーバーである各種エステルの合成方法を提案している。しかしながら、メタクリル酸エステルがこれらの酵素で合成可能かどうかは報告されておらず全く不明であった。
以上のように、いくつかの提案あるいは検討がなされているものの、実際に微生物によりメタクリル酸誘導体を製造した例はなく、有効な製造方法の確立が望まれていた。
国際公開第2007/110394号パンフレット 国際公開第2008/145737号パンフレット 国際公開第2009/135074号パンフレット 国際公開第2011/031897号パンフレット 国際公開第2012/135789号パンフレット 国際公開第2007/039415号パンフレット 国際公開第00/32789号パンフレット 特開2011‐200133号公報 特開平5−64589号公報 特開平10−337185号 特開平10−24867号
Green Chemistry, 2012, 14, 1942−1948 Methods in Enzymology, 2000, 324, 73−79 Botanical Journal of the Linnean Society, 2009, 161, 105121 Microbiology, 1999, 145, 2323−2334
本発明は、生体触媒によるメタクリル酸エステルの製造方法を提供することを目的とする。
アルコールアシルトランスフェラーゼがメタクリル酸エステルを合成しうる活性を有すること見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)アルコールアシルトランスフェラーゼの存在下、メタクリリル−CoAにアルコールまたはフェノール類を作用させて、メタクリル酸エステルを合成する工程を含むメタクリル酸エステルの製造方法。
(2)メタクリル酸エステルを0.001mM以上蓄積させる(1)のメタクリル酸エステルの製造方法。
(3)イソブチリル−CoAあるいは3−ヒドロキシイソブチリル−CoAからメタクリリル−CoAを製造する工程をさらに含む、(1)または(2)のメタクリル酸エステルの製造方法。
(4)イソブチリル−CoAが2−オキソイソ吉草酸から製造されることを特徴とする、(3)のメタクリル酸エステルの製造方法。
(5)アルコールアシルトランスフェラーゼが植物由来である(1)から(4)のいずれかに記載のメタクリル酸エステルの製造方法。
(6)植物が、ショウガ(Zingiberales)目、バラ(Rosales)目、ツツジ(Ericales)目、ウリ(Cucurbitales)目、アブラナ(Brassicales)目およびクスノキ(Laurales)目からなる群から選択されるいずれかの目に属するものである(5)のメタクリル酸エステルの製造方法。
(7)植物が、バショウ(Musaceae)科、バラ(Rosaceae)科、ツツジ(Ericaceae)科、マタタビ(Actinidiaceae)科、ウリ(Cucurbitaceae)科、パパイア(Caricaceae)科およびクスノキ(Lauraceae)科からなる群から選択されるいずれかの科に属するものである(5)のメタクリル酸エステルの製造方法。
(8)植物が、バショウ(Musa)属、オランダイチゴ(Fragaria)属、リンゴ(Malus)属、サクラ(Prunus)属、ナシ(Pyrus)属、スノキ(Vaccinium)属、マタタビ(Actinidia)属、キュウリ(Cucumis)属、パパイア(Carica)属およびワニナシ(Persea)属からなる群から選択されるいずれかの属に属するものである(5)のメタクリル酸エステルの製造方法。
(9)植物が、バショウ属、リンゴ属、サクラ属、ナシ属、スノキ属、マタタビ属、キュウリ属、パパイア属およびワニナシ属からなる群から選択されるいずれかの属に属するものである(5)のメタクリル酸エステルの製造方法。
(10)植物が、バショウ属、リンゴ属、ナシ属、マタタビ属、キュウリ属、パパイア属およびワニナシ属からなる群から選択されるいずれかの属に属するものである(5)のメタクリル酸エステルの製造方法。
(11)植物が、バナナ、イチゴ、リンゴ、ウメ、セイヨウナシ、ブルーベリー、キウイ、メロン、パパイアおよびアボカドからなる群から選択されるいずれかである(5)のメタクリル酸エステルの製造方法。
(12)植物が、バナナ、リンゴ、ウメ、セイヨウナシ、ブリーベリー、キウイ、メロン、パパイアおよびアボカドからなる群から選択されるいずれかである(5)のメタクリル酸エステルの製造方法。
(13)植物が、バナナ、リンゴ、セイヨウナシ、キウイ、メロン、パパイアおよびアボカドからなる群から選択されるいずれかである(5)のメタクリル酸エステルの製造方法。
(14)アルコールアシルトランスフェラーゼを発現するように遺伝子導入された遺伝子組換え微生物を用いる(1)〜(13)のいずれかに記載のメタクリル酸エステルの製造方法。
また、本発明は、他の一側面において以下の通りである。
(15)ロドコッカス(Rhodococcus)属に属する微生物を用いてメタクリル酸エステルを製造するメタクリル酸エステルの製造方法。
(16)ロドコッカス属に属し、配列番号31に示す16SrDNAの塩基配列に対して95%以上の同一性を有する塩基配列を含む16SrDNAを有する微生物を用いる(15)のメタクリル酸エステルの製造方法。
(17)ロドコッカス属に属する微生物が、ロドコッカス・エリスロポリス(Rhodococcus erythropolis)である(15)又は(16)のメタクリル酸エステルの製造方法。
(18)ロドコッカス属に属する微生物として、当該微生物の誘導株を用いる(15)又は(16)のメタクリル酸エステルの製造方法。
(19)ロドコッカス属に属する微生物が、ロドコッカス・エリスロポリスPR−4株又はその誘導株である(18)のメタクリル酸エステルの製造方法。
(20)誘導株が、以下に示す(a)又は(b)の少なくとも一方の改変を有する遺伝子改変株である(18)のメタクリル酸エステルの製造方法。
(a)分岐鎖ケト酸脱水素酵素遺伝子及び/又はアシルCoAデヒドロゲナーゼ遺伝子の導入による改変。
(b)エノイルCoAヒドラターゼ遺伝子、3−ヒドロキシイソブチリルCoAヒドロラーゼ遺伝子及び/又は3−ヒドロキシイソ酪酸デヒドロゲナーゼ遺伝子を欠損又は不活化する改変。
(21)誘導株が、アルコールアシルトランスフェラーゼ及び/又はアシルCoAデヒドロゲナーゼ発現用プラスミドを有する(19)又は(20)のメタクリル酸エステルの製造方法。
本発明により、生体触媒によるメタクリル酸エステルの製造が可能となる。本発明の製造方法と生体内代謝を組み合わせることにより、メタクリル酸エステルの発酵生産も達成できる。その結果、従来の化学製造プロセスと比較して、エネルギー、資源、環境への負荷を格段に低減でき、かつ効率的にメタクリル酸エステルを製造することが可能になる。
3−ヒドロキシイソブチリル−CoAからメタクリル酸エステルへの製造工程を示す図である。 2−オキソイソ吉草酸からメタクリル酸エステルへの製造工程を示す図である。 LigDホモログ遺伝子欠失用プラスミドの構造を示す図である。 In Fusion法を用いた遺伝子欠失用プラスミドの作製方法を説明する図である。 ACD−AAT両発現用プラスミドの構造を示す図である。
以下、本発明を実施するための好適な形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
1.アルコールアシルトランスフェラーゼによるメタクリル酸エステルの製造方法
[メタクリル酸エステル]
本発明において、メタクリル酸エステルとは式1で示される化合物である。式1において、Rは直鎖あるいは分岐の炭素数1〜20の炭化水素基を表す。炭化水素基は、飽和又は不飽和の非環式であってもよく、飽和又は不飽和の環式であってもよい。好ましくは直鎖あるいは分岐鎖の炭素数1〜10の無置換のアルキル基、アラルキル基またはアリール基である。特に好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、2−ヘキシル基、ジメチルブチル基、エチルブチル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基の炭素数1〜8のアルキル基、ベンジル基またはフェニル基である。
CH=C(CH)COO−R (式1)
「メタクリル酸」(IUPAC名:2−メチル−2−プロペン酸)は、下記式を有する化合物を意味し、その任意の塩あるいはイオン化した形態をも含む。メタクリル酸の塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩及びマグネシウム塩などが挙げられる。
CH=C(CH)COOH
[メタクリリル−CoA]
本発明において、メタクリリル−CoAとは、以下の構造式で示される化合物である。メタクリリル−CoAは、生体内ではバリンの代謝中間体として知られている。本発明で使用するメタクリリル−CoAは公知又は新規な方法で製造したものともできる。その合成方法としては無水メタクリル酸と補酵素Aを有機化学的に合成する方法(Methods in Enzymology. 324, 73−79 (2000))あるいは酵素反応を用いた合成方法が知られている。
Figure 0006146308
本発明においては、これらの中でも、イソブチリル−CoAを原料にアシルCoAデヒドロゲナーゼ(EC 1.3.99.3)(以下、ACDという)の作用によって変換されたメタクリリル−CoA(図2参照)あるいは3−ヒドロキシイソブチリル−CoAからエノイルCoAヒドラターゼ(EC 4.2.1.17)(以下、ECHという)の作用によって変換されるメタクリリル−CoA(図1参照)を好適に使用することができる。すなわち、本発明の方法は、イソブチリル−CoAあるいは3−ヒドロキシイソブチリル−CoAからメタクリリル−CoAを製造する工程を更に含むことが好ましい。酵素による連続反応により、収率向上ならびに不純物抑制に繋がるともに、生体に対して毒性の高いメタクリル酸を経由あるいは副生することなくメタクリル酸エステルを直接合成が可能となる。前記方法により、環境負荷の低い生体内連続反応(代謝発酵)でのメタクリル酸エステルの製造を達成することができる。
本発明で使用するイソブチリル−CoAは、2−オキソイソ吉草酸から製造されたものが使用できる(図2参照)。すなわち、本発明の方法は、2−オキソイソ吉草酸からイソブチリル−CoAを製造する工程をさらに含んでいてもよい。
[アルコール・フェノール類]
本発明におけるメタクリル酸エステルの製造の原料となるアルコールまたはフェノール類は以下の式2で示される化合物である。アルコールまたはフェノール類の構造は、メタクリル酸エステルに対応することから、その構造は、前記式1のRと同じ定義であり、直鎖あるいは分岐の炭素数1〜20の炭化水素基を表す。炭化水素基は、飽和又は不飽和の非環式であってもよく、飽和又は不飽和の環式であってもよい。好ましくは直鎖あるいは分岐の炭素数1〜10の無置換のアルコール、アラルキルアルコールまたはフェノール類であり、特に好ましくはメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンチルアルコール、イソペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、イソヘキシルアルコール、2−ヘキシルアルコール、ジメチルブチルアルコール、エチルブチルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコールの炭素数1〜8のアルキルアルコール、ベンジルアルコールまたはフェノールである。
R−OH (式2)
[アルコールアシルトランスフェラーゼ]
本発明のアルコールアシルトランスフェラーゼ(以下、AATという)は、アルコールまたはフェノール類にアシル−CoAのアシル基を転移させてエステルを合成する触媒作用を有する酵素である。AATは、種々の果物におけるエステルの生成に関与していると言われている。AATはショウガ目(バナナ)、バラ目(イチゴ、リンゴ、ナシ、モモ)、ウリ目(メロン)、ツツジ目(キウイ)、シソ目(オリーブ)、ナス目(トマト)、ムクロジ目(レモン、マンゴー)等の植物に存在することが知られている。
本発明において使用するAATは、メタクリリル−CoAとアルコールまたはフェノール類を原料に、メタクリル酸エステルを製造する能力を有する生体由来の触媒であれば、特に限定されず、その種類及び起源を問わない。酵素源としては植物由来のものが好ましく、その中でも被子植物に分類されるものが好ましい。
本発明に適したAATは以下の方法により、前記植物から容易に選択することが可能である。組織の適当な部位を必要に応じて裁断することにより取得する。その裁断部位にメタクリリル−CoAと式2で表されるアルコールまたはフェノール類を含む溶液を添加し、振とうし、一定時間反応させる。その反応液中のメタクリル酸エステルの有無をGC(ガスクロマトグラフィー)により確認することにより、合成活性を確認可能である。具体的には、例えば、果肉あるいは果皮を裁断し、それに1〜10mMのメタクリリル−CoA、0.35M KClおよび5〜50倍モル量のn−ブタノールを含む溶液を添加し、30℃で1〜10時間振とうする。反応終了後、GCによりメタクリル酸エステルの有無を確認することにより、本発明に応用可能なAATを選択することができる。
本発明に適したAATの酵素源としては、例えば、ショウガ目(Zingiberales)、バラ目(Rosales)、ツツジ目(Ericales)、ウリ目(Cucurbitales)、アブラナ目(Brassicales)、クスノキ目(Laurales)、イネ目(Poales)、ヤシ目(Arecales)、クサスギカズラ目(Asparagales)、ユキノシタ目(Saxifragales)、ナデシコ目(Caryophyllales)、ブドウ目(Vitales)、キントラノオ目(Malpighiales)、カタバミ目(Oxalidales)、マメ目(Fabales)、ムクロジ目(Sapindales)、アオイ目(Malvales)、フトモモ目(Myrtales)、キンポウゲ目(Ranunculales)、ナス目(Solanales)、シソ目(Lamiales)、リンドウ目(Gentianales)およびキク目(Asterales)からなる群から選択されるいずれかの目に属するものである。これらの中で、好ましくは、ショウガ目(Zingiberales)、バラ目(Rosales)、ツツジ目(Ericales)、ウリ目(Cucurbitales)、アブラナ目(Brassicales)およびクスノキ目(Laurales)からなる群から選択されるいずれかの目に属するものである。
ショウガ目に属するものとしてはバショウ科(Musaceae)およびショウガ科(Zingiberaceae)、バラ目に属するものとしてはバラ科(Rosaceae)およびクワ科(Moraceae)、ツツジ目に属するものとしてはツツジ科(Ericaceae)、マタタビ科(Actinidiaceae)、カキノキ科(Ebenaceae)およびツバキ科(Theaceae)、ウリ目に属するものとしてはウリ科(Cucurbitaceae)、アブラナ目に属するものとしてはパパイア科(Caricaceae)およびアブラナ科(Brassicaceae)、クスノキ目に属するものとしてはクスノキ科(Lauraceae)、イネ目に属するものとしてはパイナップル科(Bromeliaceae)およびイネ科(Poaceae)、ヤシ目に属するものとしてはヤシ科(Arecaceae)、クサスギカズラ目に属するものとしてはラン科(Orchidaceae)およびアヤメ科(Iridaceae)、ユキノシタ目に属するものとしてはスグリ科(Grossulariaceae)、ナデシコ目に属するものとしてはナデシコ科(Caryophyllaceae)、ブドウ目に属するものとしてはブドウ科(Vitaceae)、キントラノオ目に属するものとしてはキントラノオ科(Malpighiaceae)、トケイソウ科(Passifloraceae)、トウダイグサ科(Euphorbiaceae)およびヤナギ科(Salicaceae)、カタバミ目に属するものとしてはカタバミ科(Oxalidaceae)、マメ目に属するものとしてはマメ科(Fabaceae)、ムクロジ目に属するものとしてはミカン科(Rutaceae)、ムクロジ科(Sapindaceae)およびウルシ科(Anacardiaceae)、アオイ目に属するものとしてはアオイ科(Malvaceae)、フトモモ目に属するものとしてはミソハギ科(Lythraceae)、アカバナ科(Onagraceae)およびフトモモ科(Myrtaceae)、キンポウゲ目に属するものとしてはキンポウゲ科(Ranunculaceae)およびケシ科(Papaveraceae)、ナス目に属するものとしてはナス科(Solanaceae)、シソ目に属するものとしてはモクセイ科(Oleaceae)、クマツヅラ科(Verbenaceae)およびシソ科(Lamiaceae)、リンドウ目に属するものとしてはキョウチクトウ科(Apocynaceae)、キク目(Asterales)に属するものとしてはキク科(Asteraceae)の植物が好ましい。上記植物の近縁種も利用することができる。これらの中でさらに好ましくは、バショウ科(Musaceae)、バラ科(Rosaceae)、ツツジ科(Ericaceae)、マタタビ科(Actinidiaceae)、ウリ科(Cucurbitaceae)、パパイア科(Caricaceae)およびクスノキ科(Lauraceae)に属する植物である。
具体的にはバショウ科に属するものとしてはバショウ(Musa)属、ショウガ科(Zingiberaceae)に属するものとしてはショウガ属(Zingiber)、バラ科に属するものとしてはオランダイチゴ(Fragaria)属、リンゴ(Malus)属、サクラ(Prunus)属、ナシ(Pyrus)属、ビワ(Eriobotrya)属、ボケ(Chaenomeles)属、キイチゴ(Rubus)属およびバラ(Rosa)属、クワ科(Moraceae)に属するものとしてはイチジク(Ficus)属、ツツジ科に属するものとしてはスノキ(Vaccinium)属、マタタビ科に属するものとしてはマタタビ(Actinidia)属、カキノキ科に属するものとしてはカキノキ(Diospyros)属、ツバキ科に属するものとしてはツバキ(Camellia)属、ウリ科に属するものとしてはキュウリ(Cucumis)属およびスイカ(Citrullus)属、パパイア科に属するものとしてはパパイア(Carica)属およびヴァスコンセレア(Vasconcellea)属、アブラナ科に属するものとしてはシロイヌナズナ(Arabidopsis)属、クスノキ科に属するものとしてはワニナシ(Persea)属、パイナップル科に属するものとしてはアナナス属(Ananas)、イネ科に属するものとしてはイネ(Oryza)属、コムギ(Triticum)属、オオムギ(Hordeum)属、トウモロコシ(Zea)属、モロコシ(Sorghum)属およびヤマカモジグサ(Brachypodium)属、ヤシ科に属するものとしてはココヤシ(Cocos)属、ラン科に属するものとしてはバンダ(Vanda)属、アヤメ科に属するものとしてはアヤメ(Iris)属、スグリ科に属するものとしてはスグリ(Ribes)属、ナデシコ科に属するものとしてはカスミソウ属(Gypsophila)、ブドウ科に属するものとしてはブドウ(Vitis)属、キントラノオ科に属するものとしてはヒイラギトラノオ(Malpighia)属、トケイソウ科に属するものとしてはトケイソウ(Passiflora)属、トウダイグサ科に属するものとしてはトウゴマ(Ricinus)属、ヤナギ科に属するものとしてはヤマナラシ(Populus)属、カタバミ科に属するものとしてはゴレンシ(Averrhoa)属、マメ科に属するものとしてはウマゴヤシ(Medicago)属、ハウチワマメ(Lupinus)属、ダイズ(Glycine)属およびチョウマメ(Clitoria)属、ミカン科に属するものとしてはミカン(Citrus)属およびアエグレ(Aegle)属、ムクロジ科に属するものとしてはレイシ(Litchi)属、ウルシ科に属するものとしてはマンゴー(Mangifera)属、アオイ科に属するものとしてはドリアン(Durio)属およびカカオ(Theobroma)属、ミソハギ科に属するものとしてはザクロ(Punica)属、アカバナ科に属するものとしてはサンジソウ(Clarkia)属、フトモモ科に属するものとしてはバンジロウ(Psidium)属、キンポウゲ科に属するものとしてはルイヨウショウマ(Actaea)属、ケシ科に属するものとしてはケシ(Papaver)属、ナス科に属するものとしてはナス(Solanum)属、トウガラシ(Capsicum)属、タバコ(Nicotiana)属およびツクバネアサガオ(Petunia)属、モクセイ科に属するものとしてはオリーブ(Olea)属、クマツヅラ科に属するものとしてはグランデュラリア(Glandularia)属、シソ科に属するものとしてはアキギリ(Salvia)属、キョウチクトウ科に属するものとしてはラウオルフィア(Rauvolfia)属およびニチニチソウ(Catharanthus)属、キク科に属するものとしてはカミツレ(Chamaemelum)属の植物が好ましい。その中でも、バショウ属、オランダイチゴ属、リンゴ属、サクラ属、ナシ属、スノキ属、マタタビ属、キュウリ属、パパイア属又はワニナシ属に属する植物がより好ましい。
さらにその中でも、バショウ属、リンゴ属、ナシ属、マタタビ属、キュウリ属、パパイア属又はワニナシ属に属する植物が特に好ましい。
さらに、具体的にはバショウ属に属するものとしてはバナナ(Musaxparadisiaca)、バショウ(Musabasjoo)、ヒメバショウ(Musacoccinea)およびマレーヤマバショウ(Musaacuminata)、ショウガ属に属するものとしてはショウガ(Zingiberofficinale)、オランダイチゴ属に属するものとしてはイチゴ(Fragariaxananassa)、バージニアイチゴ(Fragariavirginiana)、チリイチゴ(Fragariachiloensis)およびエゾノヘビイチゴ(Fragariavesca)、リンゴ属に属するものとしてはリンゴ(Maluspumila、Malusdomestica、Malusbaccata)、ハナカイドウ(Malushalliana)、カイドウズミ(Malusfloribunda)およびイヌリンゴ(Malusprunifolia)、サクラ属に属するものとしてはウメ(Prunusmume)、セイヨウミザクラ(Prunusavium)、モモ(Prunuspersica)、アンズ(Prunusarmeniaca)、アーモンド(Prunusdulcis)、スモモ(Prunussalicina)およびセイヨウスモモ(Prunusdomestica)、ナシ属に属するものとしてはセイヨウナシ(Pyruscommunis)、ナシ(Pyruspyrifolia)、マメナシ(Pyruscalleryana)およびヤセイセイヨウナシ(Pyruspyraster)、ビワ属に属するものとしてはビワ(Eriobotryajaponica)、ボケ属に属するものとしてはカリン(Chaenomelessinensis)、キイチゴ属に属するものとしてはラズベリー(Rubusidaeus)およびブラックラズベリー(Rubusfruticosus)、バラ属に属するものとしてはハマナス(Rosarugosa)、イチジク属に属するものとしてはイチジク(Ficuscarica)、スノキ属に属するものとしてはブリーベリー(Vacciniumcorymbosum、Vacciniumangustifolium)、ビルベリー(Vacciniummyrtillus)、コケモモ(Vacciniumvitis-idaea)およびツルコケモモ(Vacciniumoxycoccos)、マタタビ属に属するものとしてはキウイ(Actinidiachinensis、Actinidiadeliciosa)、サルナシ(Actinidiaarguta)、シマサルナシ(Actinidiarufa)およびマタタビ(Actinidiapolygama)、カキノキ属に属するものとしてはカキ(Diospyroskaki)、ツバキ属に属するものとしてはチャノキ(Camelliasinensis)、キュウリ属に属するものとしてはキュウリ(Cucumissativus)、メロン(Cucumismelo)、ニシインドコキュウリ(Cucumisanguria)およびツノニガウリ(Cucumismetulifer)、スイカ属に属するものとしてはスイカ(Citrulluslanatus)、パパイア属に属するものとしてはパパイア(Caricapapaya)、ヴァスコンセレア属に属するものとしてはマウンテンパパイア(Vasconcelleacundinamarcensis)、シロイヌナズナ属に属するものとしてはシロイヌナズナ(Arabidopsisthaliana)およびミヤマハタザオ(Arabidopsislyrata)、ワニナシ属に属するものとしてはアボカド(Perseaamericana)、アナナス属に属するものとしてはパイナップル(Ananascomosus)、イネ属に属するものとしてはイネ(Oryzasativa)、コムギ属に属するものとしてはコムギ(Triticumaestivum)、オオムギ属に属するものとしてはオオムギ(Hordeumvulgare)、トウモロコシ属に属するものとしてはトウモロコシ(Zeamays)、モロコシ属に属するものとしてはモロコシ(Sorghumbicolor)、ヤマカモジグサ属に属するものとしてはセイヨウヤマカモジ(Brachypodiumdistachyon)、ココヤシ属に属するものとしてはココナッツ(Cocosnucifera)、バンダ属に属するものとしてはバンダ(Vandahybridcultivar)、アヤメ属に属するものとしてはオランダアヤメ(Irisxhollandica)、スグリ属に属するものとしてはクロスグリ(カシス)(Ribesnigrum)、カスミソウ属に属するものとしてはカスミソウ(Gypsophilapaniculata、Gypsophilaelegans)、ブドウ属に属するものとしてはブドウ(Vitisvinifera、Vitislabrusca)、ヒイラギトラノオ属に属するものとしてはアセロラ(Malpighiaglabra)、トケイソウ属に属するものとしてはパッションフルーツ(Passifloraedulis)、トウゴマ属に属するものとしてはトウゴマ(Ricinuscommunis)、ヤマナラシ属に属するものとしてはコットンウッド(Populustrichocarpa)、ゴレンシ属に属するものとしてはスターフルーツ(Averrhoacarambola)、ウマゴヤシ属に属するものとしてはタルウマゴヤシ(Medicagotruncatula)、ハウチワマメ属に属するものとしてはルピナス(シロバナハウチワマメ)(Lupinusalbus)、ダイズ属に属するものとしてはダイズ(Glycinemax)、チョウマメ属に属するものとしてはチョウマメ(Clitoriaternatea)、ミカン属に属するものとしてはレモン(Citruslimon)、スダチ(Citrussudachi)、カボス(Citrussphaerocarpa)、グレープフルーツ(Citrusxparadisi)、ユズ(Citrusjunos)ライム(Citrusaurantifolia)、ウンシュウミカン(Citrusunshiu)およびオレンジ(Citrussinensis)、アエグレ属に属するものとしてはアエグレ・マルメロス(Aeglemarmelos)、レイシ属に属するものとしてはライチ(Litchichinensis)、マンゴー属に属するものとしてはマンゴー(Mangiferaindica)、ドリアン属に属するものとしてはドリアン(Duriozibethinus)、カカオ属に属するものとしてはカカオ(Theobromacacao)、ザクロ属に属するものとしてはザクロ(Punicagranatum)、サンジソウ属に属するものとしてはフェアリーファンズ(fairyfans)(Clarkiabreweri)およびレッドリボンズ(Redribbons)(Clarkiaconcinna)、バンジロウ属に属するものとしてはグァバ(Psidiumguajava)、ルイヨウショウマ属に属するものとしてはアメリカショウマ(Actaearacemosa)、ケシ属に属するものとしてはケシ(Papaversomniferum)、オニゲシ(Papaverorientale)およびハカマオニゲシ(Papaverbracteatum)、ナス属に属するものとしてはトマト(Solanumlycopersicum)、トウガラシ属に属するものとしてはピーマン(Capsicumannuum)およびハバネロ(Capsicumchinense)、タバコ属に属するものとしてはタバコ(Nicotianatabacum、Nicotianaattenuata)、ツクバネアサガオ属に属するものとしてはペチュニア(Petuniaxhybrida)、オリーブ属に属するものとしてはオリーブ(Oleaeuropaea)、グランデュラリア属に属するものとしてはビジョザクラ(Glandulariaxhybrida)、アキギリ属に属するものとしてはサルビア(Salviasplendens)、ラウオルフィア属に属するものとしてはインドジャボク(Rauvolfiaserpentina)、ニチニチソウ属に属するものとしてはニチニチソウ(Catharanthusroseus)、カミツレ属に属するものとしてはローマカミツレ(Chamaemelumnobile)が特に好ましい。その中でも、バナナ、イチゴ、リンゴ、ウメ、セイヨウナシ、ブリーベリー、キウイ、メロン、パパイア又はアボカドがより好ましい。さらにその中でも、バナナ、リンゴ、セイヨウナシ、キウイ、メロン、パパイア又はアボカドが特に好ましい。
なお、酵素源として植物をそのまま使用して合成反応を行った場合において、炭素数1〜2のアルコールを基質とする場合、特にリンゴ属、パパイア属およびワニナシ属に属する植物を使用することがより好ましい。他の属に属する植物よりも生成効率が高くなるためである。
本発明において、植物の分類はAPG植物分類体系第3版(Botanical Journal of the Linnean Society, 2009, 161, 105121)に従うものとする。
本発明において、AATを反応に供するに際しては、前記の触媒活性を示す限りその使用形態は特に限定されず、生体組織又はその処理物をそのまま用いることも可能である。このような生体組織として植物体全体、植物器官(例えば果実、葉、花弁、茎、種子等)、植物組織(例えば果実表皮、果肉等)を用いることが出来る。その処理物としてはこれら生体組織からAATを抽出した粗酵素液又は精製酵素等が挙げられる。
[AAT活性発現用組換え微生物]
さらに、AATを反応に供するに際しては、前記AATの遺伝子を単離し、例えば一般的な宿主ベクター系に導入し、該ベクター系で形質転換した微生物を利用することも可能である。宿主としては、細菌では大腸菌、Rhodococcus属、Pseudomonas属、Corynebacterium属、Bacillus属、Streptococcus属、Streptomyces属などが挙げられ、酵母ではSaccharomyces属、Candida属、Shizosaccharomyces属、Pichia属、糸状菌ではAspergillus属などが挙げられる。これらの中で、特に大腸菌を用いることが簡便であり、効率もよく好ましい。
AAT遺伝子はいくつか公表されているものある(例えば、特許文献7参照)。該情報に基づきDNAプローブを作製し、たとえば、PCRに用いるプライマーを作製し、PCRを行うことにより該遺伝子を単離することもできる。また、AAT遺伝子の塩基配列を通常の方法で全合成することも可能である。これら遺伝子情報が公知なAATがメタクリル酸エステルの合成活性を有するかどうかについては、前記の方法で同様に確認することができる。一方、遺伝子情報の不明なAATについては、AATを精製し、そのタンパク質をもとに遺伝子工学的な手法により遺伝子情報を得ることができる。
本発明において、好ましいAAT遺伝子としては、その翻訳産物がメタクリル酸エステルを製造する能力を有していれば、特に限定されず、前記AAT酵素源の中から適宜選択される。特に好ましくは、AATリンゴ由来AAT遺伝子(配列番号2)、イチゴ由来AAT遺伝子(配列番号4)、イチゴ由来AAT遺伝子(配列番号6)が挙げられる。
なお、本発明においてAAT遺伝子には、野生型のアミノ酸配列において1又は複数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加されたアミノ酸配列を含み、メタクリリル−CoAとアルコールからメタクリル酸エステルを生成する活性を有するタンパク質をコードする遺伝子も含まれる。
ここで用語「数個」とは、1〜40個、好ましくは1〜20個、より好ましくは10個以下をいう。遺伝子に変異を導入するには、Kunkel法や Gapped duplex法等の公知手法により、部位特異的突然変異誘発法を利用した変異導入用キット、例えばQuikChangeTM Site−Directed Mutagenesis Kit(ストラタジーン社)、GeneTailorTM Site−Directed Mutagenesis System(インビトロジェン社)、TaKaRa Site−Directed Mutagenesis System(Mutan−K、Mutan−Super Express Km等:タカラバイオ社)等を用いることができる。あるいは、変異を含む配列を有する遺伝子全体を人工合成してもよい。
本発明において、DNAの塩基配列の確認は、慣用の方法により配列決定することにより行うことができる。例えば、サンガー法に基づき、適当なDNAシークエンサーを利用して配列を確認することも可能である。
また、本発明においてAAT遺伝子には、野生型のアミノ酸配列からなるタンパク質と90%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは99.5%以上、さらに好ましくは99.9%以上の同一性を示し、メタクリリル−CoAとアルコールからメタクリル酸エステルを生成する活性を有するタンパク質をコードする遺伝子も含まれる。
さらに、本発明においてAAT遺伝子には、野生型の塩基配列に対する相補的な塩基配列を有するポリヌクレオチドに対してストリンジェントな条件でハイブリダイズし、メタクリリル−CoAとアルコールとからメタクリル酸エステルを生成する活性を有するタンパク質をコードする遺伝子も含まれる。前記のストリンジェントな条件としては、例えば、DNAを固定したナイロン膜を、6×SSC(1×SSCは塩化ナトリウム8.76g、クエン酸ナトリウム4.41gを1リットルの水に溶かしたもの)、1%SDS、100μg/mlサケ精子DNA、0.1%ウシ血清アルブミン、0.1%ポリビニルピロリドン、0.1%フィコールを含む溶液中で65℃にて20時間プローブとともに保温してハイブリダイゼーションを行う条件を挙げることができるが、これに限定されるわけではない。当業者であれば、このようなバッファーの塩濃度、温度等の条件に加えて、その他のプローブ濃度、プローブの長さ、反応時間等の諸条件を加味し、ハイブリダイゼーションの条件を設定することができる。ハイブリダイゼーション後の洗浄条件として、例えば、「2×SSC、0.1%SDS、42℃」、「1×SSC、0.1%SDS、37℃」、よりストリンジェントな条件としては、例えば、「1×SSC、0.1%SDS、65℃」、「0.5×SSC、0.1%SDS、50℃」等の条件を挙げることができる。
ハイブリダイゼーション法の詳細な手順については、Molecular Cloning, A Laboratory Manual 2nd ed.(Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989))、Current Protocols in Molecular Biology(John Wiley & Sons(1987−1997))等を参照することができる。
さらに、本発明においてAAT遺伝子には、野生型の塩基配列とBLAST等(例えば、デフォルトすなわち初期設定のパラメータ)を用いて計算したときに、80%以上、より好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上の同一性を有する塩基配列からなり、メタクリリル−CoAとアルコールとからメタクリル酸エステルを生成する活性を有するタンパク質をコードする遺伝子も含まれる。また、上記AAT遺伝子のコドンは、形質転換に用いる微生物宿主のコドン使用頻度に合わせて変換されたものであっても良い。
ここで、配列の「同一性」とは、塩基配列の場合であれば、比較すべき2つの塩基配列の塩基ができるだけ多く一致するように両塩基配列を整列させ、一致した塩基数を、全塩基数で除したものを百分率で表したものである。上記整列の際には、必要に応じ、比較する2つの配列の一方又は双方に適宜ギャップを挿入する。このような配列の整列化は、例えばBLAST、FASTA、CLUSTALW等の周知のプログラムを用いて行なうことができる。ギャップが挿入される場合、上記全塩基数は、1つのギャップを1つの塩基として数えた塩基数となる。このようにして数えた全塩基数が、比較する2つの配列間で異なる場合には、同一性(%)は、長い方の配列の全塩基数で、一致した塩基数を除して算出される。アミノ酸配列の同一性についても同様である。
メタクリル酸エステル合成反応にはそれら組換え微生物を培養して得られる培養液をそのまま用いるか、又は、該培養液から遠心分離等の集菌操作によって得られる菌体又はその処理物等を用いることができる。菌体処理物としては、アセトン、トルエン等で処理した菌体、凍結乾燥菌体、菌体破砕物、菌体を破砕した無細胞抽出物、これらから酵素を抽出した粗酵素又は精製酵素等が挙げられる。
AAT遺伝子とACD遺伝子あるいはECH遺伝子を同時に導入して、イソブチリル−CoAあるいは3−ヒドロキシイソブチリル−CoAを原料として、メタクリル酸エステルを合成することも可能である(図1及び図2参照)。さらに、2−オキソイソ吉草酸脱水素酵素遺伝子(以下、BCKADという)を組み合わせて導入することにより、2−オキソイソ吉草酸からメタクリル酸エステルを合成することも可能である。
本発明におけるACD、ECHおよびBCKADの由来に特に制限はないが、以下に示す微生物が挙げられる。
Magnetospirillum属、Rhodospirillum属、Azospirillum属、Tistrella属、Acidiphilium属、Rhodobacter属、Paracoccus属、Ruegeria属、Jannaschia属、Roseobacter属、Dinoroseobacter属、Pseudovibrio属、Phaeobacter属、Octadecabacter属、Hyphomonas属、Maricaulis属、Hirschia属、Sphingomonas属、Novosphingobium属、Sphingopyxis属、Sphingobium属、Erythrobacter属、Brevundimonas属、Caulobacter属、Phenylobacterium属、Asticcacaulis属、Agrobacterium属、Rhizobium属、Sinorhizobium属、Xanthobacter属、Azorhizobium属、Brucella属、Ochrobactrum属、Mesorhizobium属、Chelativorans属、Aurantimonas属、Bradyrhizobium属、Agromonas属、Rhodopseudomonas属、Nitrobacter属、Methylobacterium属、Rhodomicrobium属、Pelagibacterium属Parvibaculum属、Methylocystis属、Parvularcula属、Burkholderia属、Ralstonia属、Cupriavidus属、Polynucleobacter属、Achromobacter属、Bordetella属、Taylorella属、Pusillimonas属、Comamonas属、Alicycliphilus属、Delftia属、Ramlibacter属、Rhodoferax属、Variovorax属、Polaromonas属、Acidovorax属、Verminephrobacter属、Herminiimonas属、Herbaspirillum属、Collimonas属、Chromobacterium属、Laribacter属、Pseudogulbenkiania属、Nitrosomonas属、Nitrosospira属、Aromatoleum属、Azoarcus属、Dechloromonas属、Thauera属、Azospira (Dechlorosoma)属、Rheinheimera属、Nitrosococcus属、Halorhodospira属、Xanthomonas属、Stenotrophomonas属、Pseudoxanthomonas属、Rhodanobacter属、Francisella属、Cycloclasticus 属、Oceanospirillum属、Hahella属、Halomonas属、Alcanivorax属、Kangiella属、Pseudomonas属、Azotobacter属、Acinetobacter属、Psychrobacter属、Alishewanella属、Alteromonas属、Glaciecola属、Marinobacter属、Marinobacterium属、Saccharophagus属、Shewanella属、Ferrimonas属、Idiomarina属、Colwellia属、Pseudoalteromonas属、Listonella属、Vibrio属、Photobacterium属、Aeromonas属、Oceanimonas属、Salinisphaera属、Legionella属、Coxiella属、Desulfococcus属、Desulfobacterium属、Desulfatibacillum属、Desulfobulbus属、Desulfarculus属、Geobacter属、Syntrophobacter属、Syntrophus属、Desulfomonile属、Bdellovibrio属、Bacteriovorax属、Stigmatella属、Myxococcus属、Anaeromyxobacter属、Sorangium属、Haliangium属、Acidobacterium属、Granulicella属、Ilumatobacter属、Streptosporangium属、Nocardiopsis属、Thermobifida属、Thermomonospora属、Pseudonocardia属、Amycolatopsis属、Saccharomonospora属、Saccharopolyspora属、Thermobispora属、Actinosynnema属、Micromonospora属、Salinispora属、Verrucosispora属、Nocardioides属、Kribbella属、Corynebacterium属、Nocardia属、Rhodococcus属、 Gordonia属、Dietzia属、Mycobacterium属、Amycolicicoccus属、Tsukamurella属、Segniliparus属、Microbacterium属、Micrococcus属、Arthrobacter属、Citricoccus属、Renibacterium属、Kocuria属、Kytococcus属、Cellulomonas属、Intrasporangium属、Serinicoccus属、Frankia属、Acidothermus属、Nakamurella属、Geodermatophilus属、Stackebrandtia属、Streptomyces属Catenulispora属、Rubrobacter属、Conexibacter属、Bacillus属、Geobacillus属、Oceanobacillus属、Lysinibacillus属、Halobacillus属、Alicyclobacillus属、Kyrpidia属、Paenibacillus属Lactobacillus属、Carnobacterium属、Clostridium属、Alkaliphilus属、Syntrophomonas属、Syntrophothermus属、Eubacterium属、Desulfitobacterium属、Desulfotomaculum属、Pelotomaculum属、Butyrivibrio属、Roseburia属、Oscillibacter属、Thermoanaerobacter属、Carboxydothermus属、Natranaerobius属、Sphingobacterium属、Pedobacter属、Haliscomenobacter属、Porphyromonas属、Odoribacter属、Spirosoma属、Runella属、Maribacter属、Deinococcus属、Thermus属、Meiothermus属、Oceanithermus属、Marinithermus属、Gemmatimonas属、Fusobacterium属、Ilyobacter属、Roseiflexus属、Herpetosiphon属、Thermomicrobium属、Thermotoga属、Thermosipho属、Fervidobacterium属、Deferribacter属、Calditerrivibrio属、Flexistipes属、Metallosphaera属、Aeropyrum属、Pyrobaculum属、Caldivirga属、Vulcanisaeta属、Acidilobus属、Haloarcula属、Haloquadratum属、Natronomonas属、Halorubrum属、Haloterrigena属、Natrialba属、Halalkalicoccus属、Halogeometricum属、Thermoplasma属、Picrophilus属、Ferroplasma属、Archaeoglobus属、Ferroglobus属、Polymorphum属、Micavibrio属、Simiduia属、Leptothrix属、Thiomonas属、Rubrivivax属、Methylibium属、Exiguobacterium属およびAnaerococcus属に属する微生物である。
さらに、Magnetospirillum属に分類される微生物としてはMagnetospirillum magneticum、Rhodospirillum属に分類される微生物としてはRhodospirillum rubrum、Rhodospirillum centenumおよびRhodospirillum photometricum、Azospirillum属に分類される微生物としては、Azospirillum lipoferumおよびAzospirillum brasilense、Tistrella属に分類される微生物としてはTistrella mobilis、Acidiphilium属に分類される微生物としてはAcidiphilium cryptumおよびAcidiphilium multivorum、Rhodobacter属に分類される微生物としてはRhodobacter sphaeroidesおよびRhodobacter capsulatus、Paracoccus属に分類される微生物としてはParacoccus denitrificans、Paracoccus aminophilus、Ruegeria属に分類される微生物としてはRuegeria pomeroyi、Roseobacter属に分類される微生物としてはRoseobacter denitrificansおよびRoseobacter litoralis、Dinoroseobacter属に分類される微生物としてはDinoroseobacter shibae、Phaeobacter属に分類される微生物としてはPhaeobacter gallaeciensis、Octadecabacter属に分類される微生物としてはOctadecabacter antarcticusおよびOctadecabacter arcticus、Hyphomonas属に分類される微生物としてはHyphomonas neptunium、Maricaulis属に分類される微生物としてはMaricaulis maris、Hirschia属に分類される微生物としてはHirschia baltica、Sphingomonas属に分類される微生物としてはSphingomonas paucimobilisおよびSphingomonas wittichii、Novosphingobium属に分類される微生物としてはNovosphingobium aromaticivorans、Sphingopyxis属に分類される微生物としてはSphingopyxis alaskensis、Sphingobium属に分類される微生物としてはSphingobium japonicumおよびSphingobium chlorophenolicum、Erythrobacter属に分類される微生物としてはErythrobacter litoralis、Brevundimonas属に分類される微生物としてはBrevundimonas diminuta、Brevundimonas subvibrioidesおよびBrevundimonas vesicularis、Caulobacter属に分類される微生物としてはCaulobacter crescentusおよびCaulobacter segnis、Phenylobacterium属に分類される微生物としてはPhenylobacterium zucineum、Asticcacaulis属に分類される微生物としてはAsticcacaulis excentricus、Agrobacterium属に分類される微生物としてはAgrobacterium tumefaciens、Agrobacterium radiobacterおよびAgrobacterium luteum、Rhizobium属に分類される微生物としてはRhizobium leguminosarum、Rhizobium etliおよびRhizobium tropici、Sinorhizobium属に分類される微生物としてはSinorhizobium meliloti、Sinorhizobium medicaeおよびSinorhizobium fredii、Xanthobacter属に分類される微生物としてはXanthobacter agilis、Xanthobacter aminoxidans 、Xanthobacter autotrophicus、Xanthobacter flavus、Xanthobacter tagetidis、Xanthobacter viscosus、Azorhizobium属に分類される微生物としてはAzorhizobium caulinodans、Brucella属に分類される微生物としてはBrucella melitensis、Brucella abortus、Brucella suis、Brucella ovis、Brucella canis、Brucella microti、Brucella pinnipedialisおよびBrucella ceti、Ochrobactrum属に分類される微生物としてはOchrobactrum anthropi、Ochrobactrum cytisi、Ochrobactrum daejeonense、Ochrobactrum gallinifaecis、Ochrobactrum grignonense、Ochrobactrum haemophilum、Ochrobactrum intermedium、Ochrobactrum lupini、Ochrobactrum oryzae、Ochrobactrum pseudintermedium、Ochrobactrum pseudogrignonense、Ochrobactrum thiophenivoransおよびOchrobactrum tritici、Mesorhizobium属に分類される微生物としてはMesorhizobium alhagi、Mesorhizobium albiziae、Mesorhizobium amorphae、Mesorhizobium australicum、Mesorhizobium caraganae、Mesorhizobium chacoense、Mesorhizobium ciceri、Mesorhizobium gobiense、Mesorhizobium loti、Mesorhizobium mediterraneum、Mesorhizobium metallidurans、Mesorhizobium opportunistum、Mesorhizobium plurifarium、Mesorhizobium huakuii、Mesorhizobium septentrionale、Mesorhizobium shangrilense、Mesorhizobium tarimense、Mesorhizobium temperatum、Mesorhizobium thiogangeticuおよびMesorhizobium tianshanense、Aurantimonas属に分類される微生物としてはAurantimonas manganoxydans、Bradyrhizobium属に分類される微生物としてはBradyrhizobium japonicum、Agromonas属に分類される微生物としてはAgromonas oligotrophica、Rhodopseudomonas属に分類される微生物としてはRhodopseudomonas palustris、Nitrobacter属に分類される微生物としてはNitrobacter winogradskyiおよびNitrobacter hamburgensis、Methylobacterium属に分類される微生物としてはMethylobacterium extorquens、Methylobacterium radiotoleransおよびMethylobacterium nodulans、Rhodomicrobium属に分類される微生物としてはRhodomicrobium vannielii、Pelagibacterium属に分類される微生物としてはPelagibacterium halotolerans、Parvibaculum属に分類される微生物としてはParvibaculum lavamentivorans、Parvularcula属に分類される微生物としてはParvularcula bermudensis、Burkholderia属に分類される微生物としてはBurkholderia mallei、Burkholderia pseudomallei、Burkholderia thailandensis、Burkholderia vietnamiensis、Burkholderia cenocepacia、Burkholderia ambifaria、Burkholderia multivorans、Burkholderia cepacia、Burkholderia xenovorans、Burkholderia phymatum、Burkholderia phytofirmans、Burkholderia glumae、Burkholderia rhizoxinica、Burkholderia gladioli、Burkholderia phenoliruptrixおよびBurkholderia oklahomensis、Ralstonia属に分類される微生物としてはRalstonia solanacearum、Ralstonia pickettiiおよびRalstonia eutropha、Cupriavidus属に分類される微生物としてはCupriavidus metallidurans、Cupriavidus taiwanensisおよびCupriavidus necator、Polynucleobacter属に分類される微生物としてはPolynucleobacter necessarius、Achromobacter属に分類される微生物としてはAchromobacter arsenitoxydans、Achromobacter cholinophagum、Achromobacter cycloclastes、Achromobacter denitrificans、Achromobacter fischeri、Achromobacter hartlebii、Achromobacter immobilis、Achromobacter insolitus、Achromobacter lactolyticus、Achromobacter lyticus、Achromobacter methanolophila、Achromobacter pestifer、Achromobacter piechaudii、Achromobacter ruhlandii、Achromobacter spanios、Achromobacter viscosus、Achromobacter xerosisおよびAchromobacter xylosoxidans、Bordetella属に分類される微生物としてはBordetella pertussis、Bordetella parapertussis、Bordetella petriiおよびBordetella avium、Taylorella属に分類される微生物としてはTaylorella equigenitalis、Comamonas属に分類される微生物としてはComamonas acidovorans、Comamonas aquatica、Comamonas badia、Comamonas composti、Comamonas denitrificans、Comamonas granuli、Comamonas kerstersii、Comamonas koreensis、Comamonas nitrativorans、Comamonas odontotermites、Comamonas terrae、Comamonas terrigena、Comamonas testosteroni、Comamonas thiooxydansおよびComamonas zonglianii、Alicycliphilus属に分類される微生物としてはAlicycliphilus denitrificans、Delftia属に分類される微生物としてはDelftia acidovorans、Ramlibacter属に分類される微生物としてはRamlibacter tataouinensis、Rhodoferax属に分類される微生物としてはRhodoferax ferrireducens、Variovorax属に分類される微生物としてはVariovorax paradoxus、Polaromonas属に分類される微生物としてはPolaromonas naphthalenivorans、Acidovorax属に分類される微生物としてはAcidovorax citrulli、Acidovorax ebreusおよびAcidovorax avenae、Verminephrobacter属に分類される微生物としてはVerminephrobacter eiseniae、Herminiimonas属に分類される微生物としてはHerminiimonas arsenicoxydans、Herbaspirillum属に分類される微生物としてはHerbaspirillum seropedicae、Collimonas属に分類される微生物としてはCollimonas fungivorans、Chromobacterium属に分類される微生物としてはChromobacterium violaceum、Laribacter属に分類される微生物としてはLaribacter hongkongensis、Pseudogulbenkiania属に分類される微生物としてはPseudogulbenkiania ferrooxidans、Nitrosomonas属に分類される微生物としてはNitrosomonas europaea、Nitrosospira属に分類される微生物としてはNitrosospira multiformis、Aromatoleum属に分類される微生物としてはAromatoleum aromaticum、Dechloromonas属に分類される微生物としてはDechloromonas aromatica、Azospira (Dechlorosoma)属に分類される微生物としてはAzospira oryzae(Dechlorosoma suillum)、Rheinheimera属に分類される微生物としてはRheinheimera nanhaiensis、Nitrosococcus属に分類される微生物としてはNitrosococcus oceani、Halorhodospira属に分類される微生物としてはHalorhodospira halophila、Xanthomonas属に分類される微生物としてはXanthomonas campestris、Xanthomonas axonopodis、Xanthomonas oryzae、Xanthomonas albilineansおよびXanthomonas citri、Stenotrophomonas属に分類される微生物としてはStenotrophomonas maltophilia、Pseudoxanthomonas属に分類される微生物としてはPseudoxanthomonas suwonensisおよびPseudoxanthomonas spadix、Francisella属に分類される微生物としてはFrancisella tularensisおよびFrancisella novicida、Cycloclasticus 属に分類される微生物としてはCycloclasticus zancles、Hahella属に分類される微生物としてはHahella chejuensis 、Halomonas属に分類される微生物としてはHalomonas elongata、Alcanivorax属に分類される微生物としてはAlcanivorax borkumensisおよびAlcanivorax dieselolei、Kangiella属に分類される微生物としてはKangiella koreensis、Pseudomonas属に分類される微生物としては、例えば、Pseudomonas aeruginosa、Pseudomonas putida、Pseudomonas fluorescens、Pseudomonas agarici、Pseudomonas syringae、Pseudomonas amygdale およびPseudomonas stutzeri、Azotobacter属に分類される微生物としてはAzotobacter vinelandii、Acinetobacter属に分類される微生物としてはAcinetobacter baumannii、Acinetobacter aylyi、Acinetobacter calcoaceticus、Acinetobacter gyllenbergii、Acinetobacter haemolyticus、Acinetobacter johnsonii、Acinetobacter junii、Acinetobacter lwoffii、Acinetobacter oleivorans、Acinetobacter parvus、Psychrobacter属に分類される微生物としてはPsychrobacter arcticusおよびPsychrobacter cryohalolentis、Alishewanella属に分類される微生物としてはAlishewanella jeotgali、Alteromonas属に分類される微生物としてはAlteromonas macleodii、Glaciecola属に分類される微生物としてはGlaciecola nitratireducens、Glaciecola psychrophilaおよびGlaciecola punicea、Marinobacter属に分類される微生物としてはMarinobacter aquaeolei、Marinobacter hydrocarbonoclasticus、Marinobacter adhaerens、Marinobacter algicolaおよびMarinobacter manganoxydans、Marinobacterium属に分類される微生物としてはMarinobacterium stanieri、Saccharophagus属に分類される微生物としてはSaccharophagus degradans、Shewanella属に分類される微生物としてはShewanella piezotolerans、Shewanella abyssi、Shewanella affinis、Shewanella algae、Shewanella algidipiscicola、Shewanella amazonensis、Shewanella aquimarina、Shewanella arctica、Shewanella atlantica、Shewanella baltica、Shewa
nella basaltis、Shewanella benthica、Shewanella candadensis、Shewanella chilikensis、Shewanella colwelliana、Shewanella corallii、Shewanella decolorationis、Shewanella denitrificans、Shewanella donghaensis、Shewanella fidelis、Shewanella fodinae、Shewanella frigidimarina、Shewanella gaetbuli、Shewanella gelidimarina、Shewanella glacialipiscicola、Shewanella gopherii、Shewanella hafniensis、Shewanella halifaxensis、Shewanella haliotis、Shewanella hanedai、Shewanella japonica、Shewanella kaireitica、Shewanella ivingstonensis、Shewanella loihica、Shewanella marina、Shewanella marinintestina、Shewanella marisflavi、Shewanella morhuae、Shewanella olleyana、Shewanella oneidensis、Shewanella pacifica、Shewanella pealeana、Shewanella pneumatophori、Shewanella profunda、Shewanella putrefaciens、Shewanella sairae、Shewanella schlegeliana、Shewanella sediminis、Shewanella surugensis、Shewanella vesiculosa、Shewanella violacea、Shewanella waksmanii、Shewanella woodyiおよびShewanella xiamenensis、Ferrimonas属に分類される微生物としてはFerrimonas balearica、Idiomarina属に分類される微生物としてはIdiomarina loihiensisおよびIdiomarina baltica、Colwellia属に分類される微生物としてはColwellia psychrerythraea、Pseudoalteromonas属に分類される微生物としてはPseudoalteromonas haloplanktis、Pseudoalteromonas atlanticaおよびPseudoalteromonas tunicata、Listonella属に分類される微生物としてはListonella anguillara、Listonella anguillarumおよびListonella pelagia、Vibrio属に分類される微生物としてはVibrio parahaemolyticus、Vibrio vulnificus、Vibrio harveyi、Vibrio furnissii、Vibrio tubiashii、Vibrio sinaloensis、Vibrio rotiferianus、Vibrio orientalis、Vibrio harveyi、Vibrio coralliilyticus、Vibrio caribbenthicus、Vibrio brasiliensisおよびVibrio alginolyticus、Photobacterium属に分類される微生物としてはPhotobacterium profundum、Aeromonas属に分類される微生物としてはAeromonas hydrophila、Aeromonas salmonicidaおよびAeromonas veronii、Salinisphaera属に分類される微生物としてはSalinisphaera shabanensis、Legionella属に分類される微生物としてはLegionella pneumophilaおよびLegionella longbeachae、Coxiella属に分類される微生物としてはCoxiella burnetii、Desulfococcus属に分類される微生物としてはDesulfococcus oleovorans、Desulfobacterium属に分類される微生物としてはDesulfobacterium autotrophicum、Desulfatibacillum属に分類される微生物としてはDesulfatibacillum alkenivorans、Desulfobulbus属に分類される微生物としてはDesulfobulbus propionicus、Desulfarculus属に分類される微生物としてはDesulfarculus baarsii、Geobacter属に分類される微生物としてはGeobacter metallireducens、Geobacter uraniireducensおよびGeobacter bemidjiensis、Syntrophobacter属に分類される微生物としてはSyntrophobacter fumaroxidans、Syntrophus属に分類される微生物としてはSyntrophus aciditrophicus、Desulfomonile属に分類される微生物としてはDesulfomonile tiedjei、Bdellovibrio属に分類される微生物としてはBdellovibrio bacteriovorusおよびBdellovibrio exovorus、Bacteriovorax属に分類される微生物としてはBacteriovorax marinus、Stigmatella属に分類される微生物としてはStigmatella aurantiaca、Myxococcus属に分類される微生物としてはMyxococcus xanthusおよびMyxococcus fulvus、Anaeromyxobacter属に分類される微生物としてはAnaeromyxobacter dehalogenans、Sorangium属に分類される微生物としてはSorangium cellulosum、Haliangium属に分類される微生物としてはHaliangium ochraceum、Acidobacterium属に分類される微生物としてはAcidobacterium capsulatum、Granulicella属に分類される微生物としてはGranulicella tundricola、Ilumatobacter属に分類される微生物としてはIlumatobacter coccineum、Streptosporangium属に分類される微生物としてはStreptosporangium roseum、Nocardiopsis属に分類される微生物としてはNocardiopsis dassonvillei、Thermobifida属に分類される微生物としてはThermobifida fusca、Thermomonospora属に分類される微生物としてはThermomonospora curvata、Pseudonocardia属に分類される微生物としてはPseudonocardia dioxanivorans、Amycolatopsis属に分類される微生物としてはAmycolatopsis mediterranei、Saccharomonospora属に分類される微生物としてはSaccharomonospora viridisおよびSaccharomonospora xinjiangensis、Saccharopolyspora属に分類される微生物としてはSaccharopolyspora erythraeaおよびSaccharopolyspora spinosa、Thermobispora属に分類される微生物としてはThermobispora bispora、Actinosynnema属に分類される微生物としてはActinosynnema mirum、Micromonospora属に分類される微生物としてはMicromonospora aurantiaca、Salinispora属に分類される微生物としてはSalinispora tropicaおよびSalinispora arenicola、Verrucosispora属に分類される微生物としてはVerrucosispora maris、Kribbella属に分類される微生物としてはKribbella flavida、Corynebacterium属に分類される微生物としてはCorynebacterium jeikeium、Corynebacterium urealyticumおよびCorynebacterium kroppenstedtii、Nocardia属に分類される微生物としてはNocardia farcinica、Nocardia brasiliensisおよびNocardia cyriacigeorgica、Rhodococcus属に分類される微生物としてはRhodococcus rhodochrous、Rhodococcus erythropolis、Rhodococcus equi、Rhodococcus rhodnii、Rhodococcus corallinus、Rhodococcus rubropertinctus、Rhodococcus coprophilus、Rhodococcus globerulus、Rhodococcus chlorophenolicus、Rhodococcus luteus、Rhodococcus aichiensis、Rhodococcus chubuensis、Rhodococcus marisおよびRhodococcus fascines、Gordonia属に分類される微生物としてはGordonia bronchialis、Gordonia neofelifaecisおよびGordonia terrae、Dietzia属に分類される微生物としてはDietzia cinnamea、Mycobacterium属に分類される微生物としてはMycobacterium tuberculosis、Mycobacterium bovis、Mycobacterium leprae、Mycobacterium avium、Mycobacterium smegmatis、Mycobacterium ulcerans、Mycobacterium vanbaalenii、Mycobacterium gilvum、Mycobacterium abscessus、Mycobacterium marinu、Mycobacterium massiliense、Mycobacterium phlei、Mycobacterium thermoresistibile、Mycobacterium tusciae、Mycobacterium xenopiおよびMycobacterium rhodesiae、Amycolicicoccus属に分類される微生物としてはAmycolicicoccus subflavus、Tsukamurella属に分類される微生物としてはTsukamurella paurometabola、Segniliparus属に分類される微生物としてはSegniliparus rotundus、Microbacterium属に分類される微生物としてはMicrobacterium testaceum、Micrococcus属に分類される微生物としてはMicrococcus luteus、Arthrobacter属に分類される微生物としてはArthrobacter arilaitensis、Arthrobacter chlorophenolicus、Arthrobacter globiformisおよびArthrobacter phenanthrenivorans、Renibacterium属に分類される微生物としてはRenibacterium salmoninarum、Kocuria属に分類される微生物としてはKocuria rhizophila、Kytococcus属に分類される微生物としてはKytococcus sedentarius、Cellulomonas属に分類される微生物としてはCellulomonas fimi、Intrasporangium属に分類される微生物としてはIntrasporangium calvum、Serinicoccus属に分類される微生物としてはSerinicoccus profundi、Frankia属に分類される微生物としてはFrankia alni、Acidothermus属に分類される微生物としてはAcidothermus cellulolyticus、Nakamurella属に分類される微生物としてはNakamurella multipartita、Geodermatophilus属に分類される微生物としてはGeodermatophilus obscurus、Stackebrandtia属に分類される微生物としてはStackebrandtia nassauensis、Streptomyces属に分類される微生物としてはStreptomyces albus 、Streptomyces avermitilis、Streptomyces bingchenggensis、Streptomyces chartreusis、Streptomyces clavuligerus、Streptomyces coelicoflavus、Streptomyces coelicolor、Streptomyces ghanaensis、Streptomyces griseus、Streptomyces hygroscopicus、Streptomyces lividans、Streptomyces roseosporus、Streptomyces scabiei、Streptomyces sviceus、Streptomyces venezuelae、Streptomyces violaceusnigerおよびStreptomyces viridochromogenes、Catenulispora属に分類される微生物としてはCatenulispora acidiphila、Rubrobacter属に分類される微生物としてはRubrobacter xylanophilus、Conexibacter属に分類される微生物としてはConexibacter woesei、Bacillusに分類される微生物としてはBacillus thuringiensis、Bacillus megaterium、Bacillus pseudofirmus、Bacillus clausii、Bacillus cereus、Bacillus subtilisおよびBacillus thuringiensis、Geobacillus属に分類される微生物としてはGeobacillus caldoproteolyticus、Geobacillus caldoxylosilyticus、Geobacillus debilis、Geobacillus galactosidasius、Geobacillus gargensis、Geobacillus jurassicus、Geobacillus kaustophilus、Geobacillus lituanicus、Geobacillus pallidus、Geobacillus stearothermophilus、Geobacillus stromboliensis、Geobacillus subterraneus、Geobacillus tepidamans、Geobacillus thermocatenulatus、Geobacillus thermodenitrificans、Geobacillus thermoglucosidasius、Geobacillus thermoleovorans、Geobacillus toebii、Geobacillus uzensis、Geobacillus vulcani、Geobacillus zalihae、Oceanobacillus属に分類される微生物としてはOceanobacillus iheyensis、Lysinibacillus属に分類される微生物としてはLysinibacillus sphaericus、Halobacillus属に分類される微生物としてはHalobacillus halophilus、Alicyclobacillus属に分類される微生物としてはAlicyclobacillus acidocaldarius、Kyrpidia属に分類される微生物としてはKyrpidia tusci、Paenibacillus属に分類される微生物としてはPaenibacillus polymyxa、Paenibacillus mucilaginosusおよびPaenibacillus terrae、Lactobacillus属に分類される微生物としてはLactobacillus buchneri、Clostridium属に分類される微生物としてはClostridium acetobutylicum、Clostridium perfringens、Clostridium kluyveri、Clostridium cellulovorans、Clostridium difficileおよびClostridium sticklandii、Alkaliphilus属に分類される微生物としてはAlkaliphilus metalliredigensおよびAlkaliphilus oremlandii、Syntrophomonas属に分類される微生物としてはSyntrophomonas wolfei、Syntrophothermus属に分類される微生物としてはSyntrophothermus lipocalidus、Eubacterium属に分類される微生物としてはEubacterium rectaleおよびEubacterium limosum、Desulfitobacterium属に分類される微生物としてはDesulfitobacterium hafniense、Desulfotomaculum属に分類される微生物としてはDesulfotomaculum reducens、Pelotomaculum属に分類される微生物としてはPelotomaculum thermopropionicum、Butyrivibrio属に分類される微生物としてはButyrivibrio proteoclasticus、Roseburia属に分類される微生物としてはRoseburia hominis、Oscillibacter属に分類される微生物としてはOscillibacter valericigenes、Thermoanaerobacter属に分類される微生物としてはThermoanaerobacter tengcongensis、Carboxydothermus属に分類される微生物としてはCarboxydothermus hydrogenoformans、Natr
anaerobius属に分類される微生物としてはNatranaerobius thermophilus、Sphingobacterium属に分類される微生物としては、Sphingobacterium multivorum、Sphingobacterium spiritivorum、Sphingobacterium alimentarium、Sphingobacterium anhuiense、Sphingobacterium antarcticum、Sphingobacterium bambusae、Sphingobacterium canadense、Sphingobacterium composti、Sphingobacterium daejeonense、Sphingobacterium faecium、Sphingobacterium heparinum、Sphingobacterium kitahiroshimense、Sphingobacterium lactis、Sphingobacterium mizutaii、Sphingobacterium nematocida、Sphingobacterium piscium、Sphingobacterium shayense、Sphingobacterium siyangense、Sphingobacterium thalpophilumおよびSphingobacterium wenxiniae、Pedobacter属に分類される微生物としては、Pedobacter steynii 、Pedobacter duraquae、Pedobacter metabolipauper、Pedobacter hartonius、Pedobacter heparinus Pedobacter africanus、Pedobacter agri、Pedobacter alluviusおよびPedobacter saltans、Haliscomenobacter属に分類される微生物としてはHaliscomenobacter hydrossis、Porphyromonas属に分類される微生物としてはPorphyromonas gingivalisおよびPorphyromonas asaccharolytica、Odoribacter属に分類される微生物としてはOdoribacter splanchnicus、Spirosoma属に分類される微生物としてはSpirosoma linguale、Runella属に分類される微生物としてはRunella slithyformis、Deinococcus属に分類される微生物としてはDeinococcus radiodurans、Deinococcus geothermalis、Deinococcus deserti、Deinococcus maricopensis、Deinococcus proteolyticusおよびDeinococcus gobiensis、Thermus属に分類される微生物としてはThermus thermophilusおよびThermus scotoductus、Meiothermus属に分類される微生物としてはMeiothermus ruberおよびMeiothermus silvanus、Oceanithermus属に分類される微生物としてはOceanithermus profundus、Marinithermus属に分類される微生物としてはMarinithermus hydrothermalis、Gemmatimonas属に分類される微生物としてはGemmatimonas aurantiaca、Fusobacterium属に分類される微生物としてはFusobacterium nucleatum、Ilyobacter属に分類される微生物としてはIlyobacter polytropus、Roseiflexus属に分類される微生物としてはRoseiflexus castenholzii、Herpetosiphon属に分類される微生物としてはHerpetosiphon aurantiacus、Thermomicrobium属に分類される微生物としてはThermomicrobium roseum、Thermotoga属に分類される微生物としてはThermotoga lettingae、Thermosipho属に分類される微生物としてはThermosipho melanesiensisおよびThermosipho africanus、Fervidobacterium属に分類される微生物としてはFervidobacterium nodosum、Deferribacter属に分類される微生物としてはDeferribacter desulfuricans、Calditerrivibrio属に分類される微生物としてはCalditerrivibrio nitroreducens、Flexistipes属に分類される微生物としてはFlexistipes sinusarabici、Metallosphaera属に分類される微生物としてはMetallosphaera sedula、Aeropyrum属に分類される微生物としてはAeropyrum pernix、Pyrobaculum属に分類される微生物としてはPyrobaculum aerophilum、Pyrobaculum islandicum、Pyrobaculum calidifontisおよびPyrobaculum neutrophilum、Caldivirga属に分類される微生物としてはCaldivirga maquilingensis、Vulcanisaeta属に分類される微生物としてはVulcanisaeta distributa、Acidilobus属に分類される微生物としてはAcidilobus saccharovorans、Haloarcula属に分類される微生物としてはHaloarcula marismortui、Haloquadratum属に分類される微生物としてはHaloquadratum walsbyi、Natronomonas属に分類される微生物としてはNatronomonas pharaonis、Halorubrum属に分類される微生物としてはHalorubrum lacusprofundi、Haloterrigena属に分類される微生物としてはHaloterrigena turkmenica、Natrialba属に分類される微生物としてはNatrialba magadii、Halalkalicoccus属に分類される微生物としてはHalalkalicoccus jeotgali、Halogeometricum属に分類される微生物としてはHalogeometricum borinquense、Thermoplasma属に分類される微生物としてはThermoplasma acidophilumおよびThermoplasma volcanium、Picrophilus属に分類される微生物としてはPicrophilus torridus、Ferroplasma属に分類される微生物としてはFerroplasma acidarmanus、Archaeoglobus属に分類される微生物としてはArchaeoglobus fulgidusおよびArchaeoglobus veneficus、Ferroglobus属に分類される微生物としてはFerroglobus placidus、Polymorphum属に分類される微生物としてはPolymorphum gilvum、Micavibrio属に分類される微生物としてはMicavibrio aeruginosavorus、Simiduia属に分類される微生物としてはSimiduia agarivorans、Leptothrix属に分類される微生物としてはLeptothrix cholodnii、Thiomonas属に分類される微生物としてはThiomonas intermedia、Rubrivivax属に分類される微生物としてはRubrivivax gelatinosus、Methylibium属に分類される微生物としてはMethylibium petroleiphilum、Anaerococcus属に分類される微生物としてはAnaerococcus prevotiiが特に好ましい。
ここで例示した微生物は、アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)や、独立行政法人製品評価技術基盤機構バイオテクノロジー本部生物遺伝資源部門(NBRC)や、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(FERM)等から入手可能である。
[メタクリル酸エステルの合成工程]
メタクリル酸エステルの製造は、以下の方法で行うことができる。溶媒にメタクリリル−CoA及び式2で表されるアルコールまたはフェノール類を添加して溶液を調製し、溶解又は懸濁させる。そして、この溶液又は懸濁液に、AATを接触させ、温度等の条件を制御しながらメタクリリル−CoAとアルコールまたはフェノール類とを反応させる。前記反応により、メタクリリル−CoAのメタクリル基を式2のアルコールまたはフェノール類に転移させて、メタクリル酸エステルを生成させる。
メタクリリル−CoA及び式2で表されるアルコールまたはフェノール類を含む溶液は、通常、緩衝液等の水性媒体で調製する。ここで、反応を円滑に進行させるために、浸透圧調整剤等によりモル浸透圧濃度および/またはイオン強度を制御することが可能である。浸透圧調整剤としては、細胞内部等の溶液の浸透圧に対して等張または高張になるように調節する目的で加えられる水溶性物質であればよく、例えば、塩又は糖類であり、好ましくは塩である。塩は、好ましくは金属塩、より好ましくはアルカリ金属塩、より好ましくはハロゲン化アルカリ金属であり、例えば、塩化ナトリウムや塩化カリウムが挙げられる。糖類は、好ましくは単糖類又はオリゴ糖類、より好ましくは単糖類又は二糖類であり、例えば、グルコース、スクロース、マンニトール等が挙げられる。浸透圧調整剤は1mM以上の濃度で添加することが好ましく、使用する生体細胞内の溶液と比して等張または高張になるように調節することが特に好ましい。
また、生成したメタクリル酸エステルを分離する目的で、あらかじめ、有機溶媒を添加し、2相系で反応させることも可能である。有機溶媒としては、例えば直鎖状、分岐状又は環状の、飽和又は不飽和脂肪族炭化水素、飽和又は不飽和芳香族炭化水素等を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。具体的には、例えば、炭化水素系溶媒(例えばペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、ハロゲン化炭化水素系溶媒(例えば塩化メチレン、クロロホルムなど)、エーテル系溶媒(例えばジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタンなど)、エステル系溶媒(例えばギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル)などが挙げられる。これらの有機溶媒を添加しておくことで、生成したメタクリル酸エステルが有機相に移行し、効率的に反応が進行する場合がある。
反応液中のメタクリリル−CoAおよび式2で表されるアルコールまたはフェノール類のモル比、濃度は任意であり、特に制限はない。また、AATの使用量または反応条件は、用いる原料に応じて適宜決定される。通常、各原料の濃度は、メタクリリル−CoAの場合は0.0000001〜10質量%の範囲に設定し、アルコールまたはフェノール類は用いるメタクリリル−CoAに対して0.1〜1000倍モル、好ましくは0.5〜50倍モルの濃度で添加する。
その他の反応温度又は反応時間等の各種条件は使用する原料、酵素の活性等により、適宜決定されるもので、特に制限はないが、通常5〜80℃で、1時間〜1週間反応させればよい。好ましくは、10〜70℃で、1〜120時間であり、3時間以上がより好ましく、4時間以上が更に好ましい。このような条件で反応が終了する条件を選択することが好ましい。反応液のpHについても反応が効率良く進行すれば特に限定されないが、例えば、pH4〜10の範囲、好ましくはpH5.5〜8.5である。
メタクリル酸エステルを0.001mM以上蓄積させるための好適な条件としては、pH5.5〜7.5の条件下、メタクリリル−CoAの濃度が直接あるいは間接的に0.000001〜1質量%の範囲になるように調整し、アルコールまたはフェノール類は用いるメタクリリル−CoAに対して1〜50倍モルになるように濃度を調整する。そして、温度を20〜40℃の範囲に調整し、3時間以上反応させる。これらの原料(基質)については前述の範囲になるように連続的に供給することも可能であり、そうすることで生成物の蓄積濃度を向上させることができる。
減圧下あるいは通気条件下で本反応を実施することも有効である。前記条件下において、生成したメタクリル酸エステルを連続的に分離でき、その結果、効率的に反応が進行する場合があるからである。
イソブチリル−CoAを原料にACDの作用によって変換されたメタクリリル−CoAあるいは3−ヒドロキシイソブチリル−CoAからECHの作用によって変換されたメタクリリル−CoAを用いてメタクリル酸エステルを製造する場合においても、前記条件の範囲になるよう調整して実施することが好ましい。なお、ACDあるいはECHによるメタクリリル−CoA合成反応は公知の方法により実施可能である(例えば、ACDの反応条件としてMicrobiology(1999), 145,2323−2334記載の条件)。さらに他の生体反応と組み合わせることで、メタクリル酸エステルの生体内での連続反応(発酵生産)が可能となる。
本発明の方法によって生成されたメタクリル酸エステルは、必要に応じて、ガスクロマトグラフィー(GC)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)などによって、測定又は定量分析することができる。
反応液からのメタクリル酸エステルの単離は、蒸留、薄膜蒸留、溶剤抽出、カラム分離など公知の精製法の単独あるいは組み合わせにより行うことができる。また、得られたメタクリル酸エステルは通常の方法により重合し、従来の用途に遜色なく使用することが可能である。
このようにして得られたメタクリル酸エステルおよびその重合物はエネルギー、資源、環境に対する負荷を格段に低減することができ、石油製品を出発原料とした従来の化学製造品と比較して環境低負荷材料として非常に大きな社会的価値を有するものである。
2.遺伝子組換え微生物により前駆体からメタクリル酸エステルを製造する方法
[前駆体からのメタクリル酸エステル生成能を有する組換え体微生物]
前述のように本発明では、AAT遺伝子を導入した微生物に必要に応じてACD遺伝子、ECH遺伝子、BCKAD遺伝子等を導入して、イソブチリル−CoA、3−ヒドロキシイソブチリル−CoAあるいは2−オキソイソ吉草酸等の前駆体からメタクリル酸エステルを合成することも可能である。
「前駆体」とは、メタクリリル−CoAへ誘導可能な化合物を意味し、イソブチリル−CoAあるいは3−ヒドロキシイソブチリル−CoA、さらにはこれら2化合物へ誘導可能な物質のことを示す。
2化合物へ誘導可能な物質とは例えば、2−オキソイソ吉草酸、イソ酪酸、3−ヒドロキシイソ酪酸、酢酸、ピルビン酸、乳酸、アセト酢酸、酪酸、プロピオン酸、リンゴ酸、フマル酸、クエン酸およびコハク酸等の酸、バリン、アラニン、ロイシン、リジンおよびグルタミン酸等のアミノ酸類、グルコース、フルクトースおよびキシロース等の糖類などが挙げられる。
これら前駆体からメタクリル酸エステルを生成させるには宿主微生物が本来有する各種代謝系をそのまま利用することも可能である。必要に応じて遺伝子を導入あるいは欠損させることもできる。
(1)宿主微生物
宿主微生物としては、前記前駆体からのメタクリリル−CoAを生成させるための酵素群およびAATの発現能力を有する宿主であれば特に制限はないが、細菌では、Rhodococcus属、Pseudomonas属、Corynebacterium属、Bacillus属、Streptococcus属、Streptomyces属などが挙げられ、酵母ではSaccharomyces属、Candida属、Shizosaccharomyces属、Pichia属、糸状菌ではAspergillus属などが挙げられる。
宿主としてロドコッカス属微生物が好ましい。その理由としては、本発明の過程で、ロドコッカス属微生物がバリン資化能を有するということを実験的に確認し、その機能を利用することで、図2で示されるルートによるメタクリル酸エステル生成へ応用できることを見出した知見によるものである。
例えば以下の微生物から選択される1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。ロドコッカス属(Rhodococcus sp.)に分類される微生物としては、例えば、ロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)、ロドコッカス・エリスロポリス(Rhodococcus erythropolis)、ロドコッカス・エクイ(Rhodococcus equi)、ロドコッカス・ロドニ(Rhodococcus rhodnii)、 ロドコッカス・コラリヌス(Rhodococcus corallinus)、ロドコッカス・ルブロペルチンクタス(Rhodococcus rubropertinctus)、ロドコッカス・コプロフィラス(Rhodococcus coprophilus)、ロドコッカス・グロベルルス(Rhodococcus globerulus)、ロドコッカス・クロロフェノリカス(Rhodococcus chlorophenolicus)、ロドコッカス・ルテウス(Rhodococcus luteus)、ロドコッカス・アイシェンシス(Rhodococcus aichiensis)、ロドコッカス・チュブエンシス(Rhodococcus chubuensis)、ロドコッカス・マリス(Rhodococcus maris)およびロドコッカス・ファシエンス(Rhodococcus fascines)等が挙げられる。
好ましい例としては、ロドコッカス・エリスロポリスが挙げられる。より好ましい株としては、ロドコッカス・エリスロポリスPR−4株、ロドコッカス・エリスロポリスKA2−5−1株、ロドコッカス・エリスロポリスIGTS8株、ロドコッカス・エリスロポリスD−1株、ロドコッカス・エリスロポリスH−2株、ロドコッカス・エリスロポリスN1−36株、ロドコッカス・エリスロポリスI−19株、ロドコッカス・エリスロポリスECRD−1株、ロドコッカス・エリスロポリスB1株、ロドコッカス・エリスロポリスSY−1株、ロドコッカス・エリスロポリスUM3株、ロドコッカス・エリスロポリスUM9株又はロドコッカス・エスピーT09株等が挙げられ、特に好ましくはロドコッカス・エリスロポリスPR−4株が挙げられる。さらにこれら株の誘導株が含まれる。
誘導株としては、培養条件(例えば培地組成、温度など)の変化や、化学的若しくは物理的処理(例えばγ線照射など)によって、メタクリリル−CoA生成能を有する微生物に遺伝子変異を誘発して得た変異株や、下記のようにして活性が強化された、あるいは活性を欠損又は低下させた遺伝子改変株が含まれる。
活性の強化とは、菌体外から微生物へ導入された遺伝子に基づいて当該微生物での酵素遺伝子(由来を問わず)の発現量が増大することを意味し、酵素をコードする遺伝子を微生物の菌体外から菌体内に導入することの他に、微生物がゲノム上に保有する酵素遺伝子のプロモーター活性を強化すること又は他のプロモーターと置換することによって酵素遺伝子を強発現させたもの、或いは当該酵素遺伝子のリプレッサー活性を低減化又は不活化することの結果として当該酵素活性を強化させることを含む。
遺伝子改変株は、メタクリリル−CoA合成反応を阻害する酵素の活性を欠損又は低下させた遺伝子改変を行った改変株であってもよい。活性の「欠損」又は「低下」とは、当該微生物での当該酵素遺伝子の発現が全く無なくなるか減少することを意味し、当該酵素遺伝子に置換、欠失又は挿入が起こることの他に、微生物がゲノム上に保有する酵素遺伝子のプロモーター活性を低下させること又は他のプロモーターと置換することによって酵素遺伝子の発現を抑制させたもの、或いは当該酵素遺伝子のリプレッサー活性を強化又は活性化することの結果として当該酵素活性を低減させることを含む。なお、これらの遺伝子改変は、常法に従って行えばよい。
図2で示されるルートでメタクリル酸エステル製造を実施する場合の好ましい改変株としては、以下に示す(a)又は(b)の少なくとも一方の特徴を有する改変株が挙げられる。
(a)BCKAD遺伝子及び/又はACD遺伝子が導入されたことにより、メタクリリル−CoA生成活性が強化されている。
(b)ECH遺伝子、3−ヒドロキシイソブチリルCoAヒドロラーゼ遺伝子及び/又は3−ヒドロキシイソ酪酸デヒドロゲナーゼ遺伝子の欠損又は不活化により、メタクリリル−CoA生成活性が強化されている。欠損又は不活化は、遺伝子の全部又は塩基配列の一部に置換、欠失もしくは挿入により行う。
(2)挿入遺伝子
前記前駆体からメタクリリル−CoAを生成させるための酵素群の各遺伝子およびAAT遺伝子を必要に応じて宿主へ導入することが必要となる。宿主微生物が本来有する各種酵素はそのまま利用することも可能である。あるいは必要に応じて遺伝子導入により活性の強化することも可能である。
前記前駆体からメタクリリル−CoAを生成させるための酵素は宿主および合成ルートにより、適宜選択あるいは最適化され、特に限定されるものではないが、以下、ロドコッカス属微生物を宿主に用いて、図2で示されるルートによるメタクリル酸エステル生成に関して必要な酵素遺伝子について詳述する。
(2−1)アルコールアシルトランスフェラーゼ(AAT)
本発明において使用するAATは、メタクリリル−CoAとアルコールまたはフェノール類を原料にメタクリル酸エステルを製造する能力を有するものであれば、特に限定されず、その種類及び起源を問わない。植物由来のものが好ましく、代表的なものとして、上述のショウガ目、バラ目、ツツジ目、ウリ目、アブラナ目およびクスノキ目からなる群から選択されるいずれかの目に属に由来するものが挙げられる。
(2−2)アシルCoAデヒドロゲナーゼ(ACD)
本発明において使用するACDは、アシルCoAからメタクリリル−CoAを生成する能力を有するものであれば、特に限定されず、その由来及び種類を問わない。微生物由来のものが好ましく、代表的なものとして、前記に示すとおりである。
より好ましくは、Rhodococcus erythropolisに由来するものであり、好ましい株としては、ロドコッカス・エリスロポリスPR−4株、ロドコッカス・エリスロポリスKA2−5−1株、ロドコッカス・エリスロポリスIGTS8株、ロドコッカス・エリスロポリスD−1株、ロドコッカス・エリスロポリスH−2株、ロドコッカス・エリスロポリスN1−36株、ロドコッカス・エリスロポリスI−19株、ロドコッカス・エリスロポリスECRD−1株、ロドコッカス・エリスロポリスB1株、ロドコッカス・エリスロポリスSY−1株、ロドコッカス・エリスロポリスUM3株、ロドコッカス・エリスロポリスUM9株又はロドコッカス・エスピーT09株等が挙げられ、特に好ましくはロドコッカス・エリスロポリスPR−4株が挙げられる。
ロドコッカス・エリスロポリスPR−4株由来ACD遺伝子の塩基配列を配列番号33に、当該塩基配列にコードされるアミノ酸配列を配列番号32に示す。なお、本発明においてACD遺伝子には、配列番号32に示されるアミノ酸配列において1又は複数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加されたアミノ酸配列を含み、アシルCoAからメタクリリル−CoAを生成する活性を有するタンパク質をコードする遺伝子も含まれる。また、本発明においてACD遺伝子には、配列番号32で示すアミノ酸配列からなるタンパク質と90%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは99.5%以上、さらに好ましくは99.9%以上の同一性を示し、アシルCoAからメタクリリル−CoAを生成する活性を有するタンパク質をコードする遺伝子も含まれる。
さらに、本発明においてACD遺伝子には、配列番号33に示す塩基配列に対する相補的な塩基配列を有するポリヌクレオチドに対してストリンジェントな条件でハイブリダイズし、アシルCoAからメタクリリル−CoAを生成する活性を有するタンパク質をコードする遺伝子も含まれる。さらに、本発明においてACD遺伝子には、配列番号33に示す塩基配列とBLAST等(例えば、デフォルトすなわち初期設定のパラメータ)を用いて計算したときに、80%以上、より好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上の同一性を有する塩基配列からなり、アシルCoAからメタクリリル−CoAを生成する活性を有するタンパク質をコードする遺伝子も含まれる。また、上記ACD遺伝子のコドンは、形質転換に用いる微生物のコドン使用頻度に合わせて変換されたものであっても良い。
上記AAT遺伝子及び/又はACD遺伝子をコードするDNAをロドコッカス属(Rhodococcus sp.)に属する微生物に導入して、当該微生物内でタンパク質に転写翻訳させて使用する。当該微生物に導入されるDNAは、ベクターに組み込まれた形態にあることが好ましい。
(3)組換え体微生物の作製
上記AAT遺伝子及び/又はACD遺伝子をコードするDNAを宿主微生物に導入して、当該微生物内でタンパク質に転写翻訳させて使用する。当該微生物に導入されるDNAは、ベクターに組み込まれた形態にあることが好ましい。すなわち、各遺伝子を前記宿主細胞で発現可能な発現ベクターに組み込み、これを宿主細胞に導入する。
前記のベクターは、宿主微生物中で自立複製可能なものであり、AAT遺伝子及び/又はACD遺伝子を保持するものであれば特に限定されず、それぞれの微生物に適したベクターを用いることができる。DNAをロドコッカス属(Rhodococcus sp.)に属する微生物に導入するためのベクターとしては、例えばpK1、pK2、pK3およびpK4、並びにpSJ034(特開平10−337185号参照)、pSJ023およびpSJ002(特開平10−24867号を参照)、pSJ201およびpLK005等(これらに限定されない)、公知のベクターを用いることができる。pSJ023は形質転換体Rhodococcus rhodochrous ATCC12674/pSJ023(FERM BP−6232)として産業総合技術研究所 特許生物寄託センターに寄託されている。
上記AAT遺伝子及び/又はACD遺伝子のベクターへの挿入は、当業者に知られた遺伝子組換え技術を用いて行うことができる。例えば、制限酵素切断とライゲーションキットを用いる方法、トポイソメラーゼを用いる方法、In Fusionキット(タカラバイオ)等を利用することができる。ベクターに挿入される遺伝子は、宿主生物中で各遺伝子にコードされるタンパク質の転写翻訳を調節することが可能なプロモーターの下流に、連結して挿入される。また、挿入の際に必要であれば、適当なリンカーを付加してもよい。また、必要に応じて、遺伝子を導入しようとする宿主生物において利用可能なターミネーター配列、エンハンサー配列、スプライシングシグナル配列、ポリA付加シグナル配列、SD配列やKozak配列などのリボソーム結合配列、選択マーカー遺伝子などを連結することができる。選択マーカー遺伝子の例としては、アンピシリン耐性遺伝子、テトラサイクリン耐性遺伝子、ネオマイシン耐性遺伝子、カナマイシン耐性遺伝子、クロラムフェニコール耐性遺伝子等の薬剤耐性遺伝子の他、アミノ酸や核酸等の栄養素の細胞内生合成に関与する遺伝子、あるいはルシフェラーゼ等の蛍光タンパク質をコードする遺伝子などを挙げることができる。挿入にともない、DNAがコードするアミノ酸配列の一部を置換してもよい。
上記の点から、本発明においては、ベクターとしてpK4に変異処理を行い取得したpLK005を用いることが特に好ましい。pLK005のプロモーターの3’下流に配置されるようにAAT遺伝子又はACD遺伝子を連結・挿入して、プロモーターによってAAT遺伝子又は/およびACD遺伝子を発現する発現プラスミドベクターを構築することができる。
ベクターには、AAT遺伝子群又はACD遺伝子群より選択されるいずれか1個の遺伝子を挿入しても良いし、複数個の遺伝子を挿入しても良い。ベクターに挿入される遺伝子について用いられる場合「複数個」とは2〜5個、2〜4個、好ましくは2〜3個の遺伝子を挿入することが可能である。また、一つのベクターに複数個の遺伝子が挿入される場合、これらの遺伝子はオペロンを形成することが好ましい。ここで「オペロン」とは、同一のプロモーターの制御下に転写される1またはそれ以上の遺伝子から構成される核酸配列単位である。
上記の遺伝子、好ましくはベクターの形態にある遺伝子は、当業者に知られた方法によって、宿主微生物に導入される。宿主微生物への組換えベクターの導入方法としては、宿主微生物に適した方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、エレクトロポレーション法、スフェロプラスト法、酢酸リチウム法、リン酸カルシウム法、リポフェクション法、接合伝達法等が挙げられる。
[メタクリル酸エステルの製造方法]
AAT遺伝子及び/又はACD遺伝子等の必要な遺伝子を導入した組換え微生物を前記前駆体と接触させ、メタクリル酸エステルを製造する。ここで、「接触」とは、微生物と物質(前駆体)を一定時間曝露処理することを意味する。具体的には、微生物を前駆体(原料)等を含む水性媒体中で培養すること、あるいは原料を含む水性媒体に微生物の培養物を添加し、懸濁混合し、水性媒体中及び/又は気相中にメタクリル酸エステルを得る。その際、微生物の増殖があっても構わない。該工程では、組換え微生物と、メタクリル酸エステルと、を含有する混合物が得られる。
「水性媒体」とは、水、あるいは水を主成分とする水溶液を指し、溶解していない液体・固体が分散したものも含む。「気相」とは培養槽(微生物を培養する容器)又は反応槽(反応を行う容器)において液体(培地等)が占める部分を除いた気体や水蒸気等が占める部分をいう。「培養物」とは、菌体、培養液、無細胞抽出液、細胞膜などの培養により得られるものを意味する。
(1)培養によるメタクリル酸エステルの製造
本発明において、メタクリル酸エステルの製造は、AAT遺伝子が導入された遺伝子組換え微生物を、前記前駆体を含む水性媒体中で培養することによって培養菌体又は培養物中にメタクリル酸エステルを生成蓄積させ、該培養菌体又は培養物又は培養容器気相部からメタクリル酸エステルを回収することにより行われる。
微生物の培養に用いられる培地は、増殖可能な、少なくとも一種類の炭素源を含む十分な栄養素を含む固形培地又は液体培地である。前駆体が炭素源として使用可能な場合は炭素源として使用することも可能である。
培地中の炭素源あるいは前駆体の濃度は、メタクリル酸エステルを産生することができれば特に限定されない。濃度は、例えば、0.05〜20(w/v)%、好ましくは0.1〜15(w/v)%、より好ましくは0.2〜10(w/v)%とされる。0.2(w/v)%以上用いるのは微生物のメタクリル酸産生能が上昇するからであり、10(w/v)%以下とするのはそれ以上添加しても飛躍的な効果の上昇が認められないからである。
培養によるメタクリル酸エステルの製造には、目的のメタクリル酸エステルに応じて、アルコールあるいはフェノールを添加する。使用するアルコールまたはフェノールは式2に示すものが好ましい。
アルコールまたはフェノールの培地中における濃度は、メタクリル酸エステルを産生することができれば特に限定されない。濃度は、例えば、0.01〜20(w/v)%、好ましくは0.05〜10(w/v)%、より好ましくは0.1〜5(w/v)%とされる。また、これらは予め培地に添加しておくこともできるし、培養を行いながら連続的に又は2回以上に分けて間欠的に添加することもできる。
培地には、無機窒素源又は無機金属塩類等を添加しても良い。無機窒素源としては、例えば、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等の無機酸又は有機酸のアンモニウム塩等が用いられる。
窒素源の培地中における濃度は、メタクリル酸エステルを産生することができれば特に限定されない。濃度は、例えば、0.01〜10(w/v)%、好ましくは0.05〜8(w/v)%、より好ましくは0.1〜4(w/v)%とされる。
無機金属塩としては、例えば、リン酸第一カリウム、リン酸第二カリウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、硫酸銅、炭酸カルシウム等が用いられる。
無機塩類の培地中における濃度は、メタクリル酸エステルを産生することができれば特に限定されない。濃度は、例えば、0.001〜1.6(w/v)%、好ましくは0.005〜1.3(w/v)%、より好ましくは0.01〜1(w/v)%とされる。0.01(w/v)%以上用いるのは微生物のメタクリル酸エステル産生能が上昇するからであり、1(w/v)%以下とするのはそれ以上添加しても飛躍的な効果の上昇が認められないからである。
この他、培地には、微量金属、ビタミンなどが必要に応じて添加される。また、必要に応じて微生物の生育に必要な各種の有機物、無機物、界面活性剤あるいは通常用いられる消泡剤などを培地中に追添加することができる。
培地への遺伝子組換え微生物の播種は、従来公知の手法によって行えばよい。培養方法も、特に限定されず、振盪培養、通気撹拌培養及び静置培養などの公知手法を用いることができる。
培養条件は、遺伝子組換え微生物が生育し、かつメタクリル酸エステルを生成する限りにおいて特に限定されない。培養は、好気的条件下で行われても嫌気的条件下で行われてもよい。
pH、温度及び培養時間は、遺伝子組換え微生物が生育し、かつメタクリル酸エステルを生成し得る条件であれば特に限定されない。pHは、好ましくは3〜10、より好ましくは4〜9、さらに好ましくは5〜8とされる。温度は、好ましくは10〜45℃、より好ましくは15〜40℃、さらに好ましくは20〜35℃とされる。培養時間は、好ましくは10〜1000時間、より好ましくは15〜480時間、さらに好ましくは20〜240時間とされる。
これらの培養条件は、炭素源あるいは前駆体の利用量に対するメタクリル酸エステルの産生量の比率を最大化するように、菌株毎に適宜選択又は最適化される。なお、炭素源の量及び培養条件を適宜調整することで、メタクリル酸エステルの産生量を調整することもできる。
メタクリル酸エステルを0.001mM以上蓄積させるための好適な条件としては、pH5.5〜7.5の条件下、培地中の炭素源あるいは前駆体の濃度を直接あるいは間接的に0.1%以上に、且つアルコールまたはフェノール類の濃度を直接あるいは間接的に0.1%以上に維持し、温度を20〜40℃の範囲に調整し、3時間以上反応させる。さらに、培養液中の微生物の濃度は、培養液の環境が微生物または培養細胞の増殖にとって不適切となって死滅する比率が高くならない範囲で、高い状態で維持することが効率よい生産性を得るのに好ましく、例えば、乾燥重量として2g/L以上に維持することで良好な生産効率が得られ、生成物の蓄積濃度を向上させることができる。
(2)休止菌体反応によるメタクリル酸エステルの製造
本発明に係るメタクリル酸エステルの製造方法では、上述のように、遺伝子組換え微生物の培養による方法の他に以下の方法も採用できる。遺伝子組換え微生物が増殖能を有していてもいなくてもよく、予め培養した培養物を前駆体を含む水性媒体に接触させ、実質的に増殖を伴わない休止菌体反応によりメタクリル酸エステルを産生させることもできる。
休止菌体反応に用いられる前記前駆体の濃度は、上記の培養によるメタクリル酸エステルの製造の場合と同様であってよい。休止菌体反応に用いられるアルコールあるいはフェノール及びその濃度は、上記の培養によるメタクリル酸エステルの製造の場合と同様であってよい。
反応液には、無機金属塩類等を添加しても良い。無機金属塩としては、例えば、リン酸第一カリウム、リン酸第二カリウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、硫酸銅、炭酸カルシウム等が用いられる。
無機塩類の反応液中における濃度は、メタクリル酸エステルを産生することができれば特に限定されない。濃度は、例えば、0.0001〜2(w/v)%、好ましくは0.0003〜1.3(w/v)%、より好ましくは0.001〜1(w/v)%とされる。
この他、反応液には、微量金属、ビタミンなどが必要に応じて添加される。また、必要に応じて反応に必要な各種の有機物、無機物、界面活性剤あるいは通常用いられる消泡剤などを反応液中に追添加することができる。
休止菌体反応には、予め培養した遺伝子組換え微生物の培養液をそのまま用いるか、あるいはろ過又は遠心分離などで回収した菌体を使用する。回収した培養物は、適当な緩衝液等に再懸濁させ、任意の菌濃度にして用いることができる。緩衝液等には、生理食塩水、リン酸カリウム緩衝液、トリス−塩酸緩衝液、グリシン−水酸化ナトリウム緩衝液及びホウ酸−水酸化ナトリウム緩衝液などが用いられる。
また、休止菌体反応には、回収した培養物の処理物(例えば、破砕物、粗酵素又は精製酵素など)を使用することもできる。さらに、公知の方法で適当な担体に固定化し、その固定化物を反応に使用してもよい。
反応条件は、メタクリル酸エステルを生成する限りにおいて特に限定されない。反応は、好気的条件下で行われても嫌気的条件下で行われてもよい。反応方法も、特に限定されず、振盪反応、通気撹拌反応及び静置反応などの公知手法を用いることができる。
pH、温度及び反応時間は、メタクリル酸を生成し得る条件であれば特に限定されない。pHは、好ましくは3〜10、より好ましくは4〜9、さらに好ましくは5〜8とされる。温度は、好ましくは10〜45℃、より好ましくは15〜40℃、さらに好ましくは20〜35℃とされる。反応時間は、好ましくは5〜180時間、より好ましくは10〜150時間、さらに好ましくは15〜120時間とされる。
これらの反応条件は、メタクリル酸エステルの産生量の比率を最大化するように、菌株毎に適宜選択又は最適化される。なお、反応条件を適宜調整することで、メタクリル酸エステルの産生量を調整することもできる。
メタクリル酸エステルを0.001mM蓄積させるための好適な条件としては、pH5.5〜7.5の条件下、培地中の炭素源あるいは前駆体の濃度を直接あるいは間接的に0.1%以上に、且つアルコールまたはフェノール類の濃度を直接あるいは間接的に0.1%以上に維持し、温度を20〜40℃の範囲に調整し、3時間以上反応させる。さらに、反応液中の微生物の濃度は高い状態で維持することが効率よい生産性を得るのに好ましく、例えば、乾燥重量として2g/L以上に維持することで良好な生産効率が得られ、生成物の蓄積濃度を向上させることができる。
本発明に係るメタクリル酸エステルの製造方法においては、上述した培養によるメタクリル酸エステルの製造と休止菌体反応によるメタクリル酸エステルの製造を適宜組み合わせて行ってもよい。2つの方法を組み合わせることによって、より効率的なメタクリル酸エステルの生産が可能となる。
(3)メタクリル酸エステルの回収
培地中又は反応液中に生成したメタクリル酸エステル及びその生成量は、高速液体クロマトグラフィー及びLC−MSなどの通常の方法を用いて検出し、測定することができる。また、培養容器又は反応容器の気相部(ヘッドスペース部)に揮発したメタクリル酸エステル及びその生成量は、ガスクロマトグラフィーなどの通常の方法を用いて検出し、測定することができる。
メタクリル酸エステルは、ろ過、遠心分離、真空濃縮、イオン交換又は吸着クロマトグラフィー、溶媒抽出、蒸留及び結晶化などの周知の操作を必要に応じて適宜組み合わせて用いることにより、培地又は反応液中から分離・精製できる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例の範囲に限定されるものではない。
[実施例1:メタクリル酸イソブチルの合成]
バナナの皮を取り除き、果肉をカッターで約1ミリ厚さにスライスし、さらにそれを4分割した。スライスしたバナナ2g、2.3mMメタクリリル−CoAおよび0.35MKClを含む溶液2mlおよび5μlイソブチルアルコールを100mlフラスコに順に加えた。密閉し、30℃で反応させた。1、2または3時間後の生成したメタクリル酸イソブチルを含む反応混合物を、100mlフラスコのヘッドスペース150μlを採取して以下のGC条件にて分析を行った。その結果を表1に示す。
Figure 0006146308
GC分析条件
カラム:DB−WAX, 30m×0.32mm
カラム温度:50℃・5min→5℃/min→100℃(計15min)
キャリアガス:He
Inject:200℃ スプリットレス(サンプリングタイム1min)
Detect:250℃ FID 注入量:150μl
なお、メタクリル酸エステルの濃度は、初めに濃度既知の水溶液を調整し、100mlフラスコに同水溶液を2ml入れ、30℃で30minインキュベートした後にヘッドスペースを同様の方法で採取してGC分析し、検量線を作成して算出した。
[実施例2:メタクリル酸ブチルの合成]
イソブチルアルコールの代わりにn−ブチルアルコールを用いた以外は実施例1と同様に実施した。その結果を表2に示す。
Figure 0006146308
[実施例3:メタクリル酸ブチルの合成2]
表3に示す植物片を2g、2.3mMメタクリリル−CoAおよび0.35M KClを含む溶液2mlおよび10μlのn−ブチルアルコールを100mlフラスコに順に加えた。密閉し、30℃で反応させた。メタクリル酸エステルの分析は実施例1と同様に実施した。その結果を表3に示す。
Figure 0006146308
[実施例4:メタクリル酸エチルの合成]
表4に示す植物片を2g、2.3mM メタクリリル−CoAおよび0.35M KClを含む溶液2mlおよび6.4μl エチルアルコールを100mlフラスコに順に加えた。密閉し、30℃で反応させた。メタクリル酸エステルの分析は実施例1と同様に実施した。その結果を表4に示す。
Figure 0006146308
[実施例5:メタクリル酸メチルの合成]
表5に示す植物片を2g、2.3mMメタクリリル−CoAおよび0.35M KClを含む溶液2mlおよび4.4μl メチルアルコールを100mlフラスコに順に加えた。密閉し、30℃で反応させた。メタクリル酸エステルの分析は実施例1と同様に実施した。その結果を表5に示す。
Figure 0006146308
[参考例1:コンピテントセルの作製]
大腸菌JM109株をLB培地(1%バクトトリプトン、0.5%バクトイーストエキス、0.5%NaCl)1mLに接種し37℃、5時間好気的に前培養し、この培養物 0.4mLをSOB培地40mL(2%バクトトリプトン、0.5%バクトイ−ストエキス、10mM NaCl、2.5mM KCl、1mM MgSO、1mM MgCl)に加え、18℃で20時間培養した。この培養物を遠心分離により集菌した後、冷却したTF溶液(20mM PIPES−KOH(pH6.0)、200mM KCl、10mM CaCl、40mM MnCl)を13mL加え、0℃で10分間放置した。その後、再度遠心し、上澄を除いた後、沈殿した大腸菌を冷TF溶液3.2mLに懸濁し、0.22mLのジメチルスルフォキシドを加え0℃で10分間放置し、コンピテントセルを作製した。
[実施例6:植物由来AAT遺伝子が導入された大腸菌組換え体の作製]
配列番号2、4及び6に示される植物由来AAT遺伝子をタカラバイオ株式会社で委託合成した。
リンゴAAT(MpAAT1):アミノ酸配列(配列番号1)、塩基配列(配列番号2)
イチゴAAT(SAAT):アミノ酸配列(配列番号3)、塩基配列(配列番号4)
イチゴAAT(VAAT):アミノ酸配列(配列番号5)、塩基配列(配列番号6)
これらの合成した遺伝子断片はベクターpMD19に挿入され、それぞれpAAT001〜003と命名した。(表6)これらのpAAT001〜003を鋳型にして、AAT遺伝子を含むDNA断片を、発現ベクターに容易に導入可能な制限酵素認識部位が付加された形となるようオリゴヌクレオチドを設計し、PCR法により調製した。
オリゴヌクレオチドプライマー
MMA−044:5’−GTTTGCACGCCTGCCGTTCGACG−3’(配列番号11)
MMA−045:5’−CGGTACGCGCGGATCTTCCAGAG−3’(配列番号12)
反応液組成
滅菌水 22 μL
2×PrimeSTAR(タカラバイオ社製) 25 μL
Forward primer 1 μL
Reverse primer 1 μL
ゲノムDNA 1 μL
総量 50 μL
温度サイクル
98℃ 10秒、55℃ 15秒及び72℃ 150秒の反応を30サイクル
得られた増幅産物のバンドをQIAquick Gel Extraction Kit(QIAGEN)で精製した。精製した各DNAを制限酵素PagI(Forward Primer中に切断認識部位が含まれる)およびSse8387I(Reverse Primer中に切断認識部位が含まれる)で切断した。アガロースゲル電気泳動により分離を行い、ゲルから目的のバンドを切り出し、精製を行った。精製にはGel/PCR Purification Kit(FAVORGEN社製)を用い、30μLの滅菌水に溶出した。
精製したDNA(5μL)、NcoIおよびSse8387Iで予め消化しておいたベクターpTrc99A(1μL)、蒸留水(4μL)およびsolution I(DNA Ligation Kit ver.2(タカラバイオ(株)))(10μL)を混合し12時間、16℃でインキュベートすることでPCR増幅産物とベクターをライゲーションした。
参考例1の方法で作製したコンピテントセル200μLに上記のライゲーション溶液を10μL加え、0℃で30分放置後、42℃で30秒間ヒ−トショックを与え、0℃で2分間冷却後、SOC培地(20mMグルコ−ス、2%バクトトリプトン、0.5%バクトイ−ストエキス、10mM NaCl、2.5mM KCl、1mM MgSO、1mM MgCl)1mLを添加して37℃にて1時間振盪培養した。
培養後、100μLずつLBAmp寒天培地(アンピシリン100mg/L、1.5%寒天を含有するLB培地)に塗布し、さらに37℃で培養した。寒天培地上に生育した形質転換体コロニー複数個を1.5mLのLBAmp培地(アンピシリン100mg/Lを含有するLB培地)にて37℃で一晩培養し、集菌後QIAprep Spin Miniprep kit(QIAGEN社)を用いてプラスミドDNAを調製した。
得られた組換え各プラスミドDNAについて、その塩基配列をCEQ DTCS Quick Start Kitおよび蛍光シ−ケンサCEQ 2000XL DNA Analysis(いずれもBECKMAN COULTER、米国)を用いて確認し、プラスミドpAAT101〜pAAT103と命名した(表6)。
pET16bベクターについても同様の操作によりAAT遺伝子を挿入し、得られたプラスミドをpAAT201〜pAAT203と命名した(表6)。ただし、pET16bにはSse8387I部位が無いため、pET16bのBamHI部位にSse8387I切断配列を含むリンカーを挿入したものを予め作製し、これをベクターとして用いた。
プラスミドpAAT101〜pAAT103はJM109株に導入し、組換え体JM109/ pAAT101〜pAAT103を得た。プラスミドpAAT201〜pAAT203はBL21(DE3)株に導入し、組換え体BL21(DE3)/pAAT201〜pAAT203を得た。
Figure 0006146308
[実施例7:AAT遺伝子を発現させた大腸菌組換え体からの細胞抽出液の調製]
(1)pTrc99Aをベクターとして用いた大腸菌組換え体の培養
実施例6で得られた大腸菌組換え体JM109/pAAT101〜pAAT103を1mlの100μg/mlアンピシリンを含むLB培地に植菌し、37℃にて7時間前培養を行った。培養液を0.1ml取り、100mlの同培地(100μg/mlアンピシリン、1mMIPTG含有)に加え、37℃にて15時間振盪培養した。得られた培養液から遠心分離(3,700×g、10分間、4℃)により菌体を回収し、10mMリン酸−ナトリウム緩衝液(pH7.0)で洗浄した後、同緩衝液に懸濁した。対照株としてJM109/pTrc99Aを用いた。
(2)pET16bをベクターとして用いた大腸菌組換え体の培養
実施例6で得られた大腸菌組換え体BL21(DE3)/pAAT201〜pAAT203を1mLの100μg/mLアンピシリンを含むLB培地に植菌し、37℃にて14時間前培養を行った。培養液を0.1mL取り、100mLの同培地(100μg/mLアンピシリン)に加え、37℃にてODが0.3になるまで振盪培養した後、終濃度が1mMになるようにIPTGを添加し更に数時間振盪培養した。得られた培養液から遠心分離(3,700×g、10分間、4℃)により菌体を回収し、10mMリン酸−ナトリウム緩衝液(pH7.0)で洗浄した後、同緩衝液にOD6(630nm)になるよう懸濁した。対照株としてBL21(DE3)/pET16bを用いた。
(3)細胞抽出液の調製
得られた菌体懸濁液から細胞抽出液を調製した。超音波破砕機VP−15S(タイテック、日本)を用いて、出力コントロ−ル4、DUTY CYCLE 40%、PULS、TIMER=Bモ−ド10sの条件で菌体懸濁液を氷冷しながら1分間破砕した。次に遠心分離を行い(10,000×g、5分間、4℃)、得られた上清(細胞抽出液)1mlを採取した。
[実施例8:AAT遺伝子組換え体細胞抽出液を用いたメタクリル酸ブチルの合成]
実施例7に記載された方法で調製された細胞抽出液を用いて以下の反応を行った。反応液の終濃度が7mMメタクリリル−CoAと40.5mMn−ブタノールとなるようにメタクリリル−CoAとアルコールの溶液が0.8ml入った10ml容量のセプタム付サンプル瓶(GC用)に、0.2mlの細胞抽出液を添加することにより反応を開始した。セプタム付サンプル瓶を30℃で1〜5時間インキュベートして反応させた。
セプタム付サンプル瓶のヘッドスペースの気体を実施例1と同様に分析した。結果を表7に示した。
Figure 0006146308
[実施例9A:AAT遺伝子組換え体細胞抽出液を用いたメタクリル酸エステルの合成]
アルコールとして、メタノール、エタノールまたはn−ブタノールを用い、細胞抽出液に、BL21(DE3)/pAAT201(リンゴ)由来のものを用いて、実施例8と同様にして反応を行った。表8に5時間後の生成物の分析結果を示した。
Figure 0006146308
[実施例9B:AAT遺伝子組換え体細胞抽出液を用いたメタクリル酸エステルの合成2]
アルコールとして、イソブタノール、フェノール、ベンジルアルコールまたは2−エチルヘキシルアルコールを用い、実施例7で得られたBL21(DE3)/pAAT201(リンゴ)の細胞抽出液で以下の反応を行った。
反応液の終濃度が1mMメタクリリル−CoAと40mMアルコールとなるようにメタクリリル−CoAとアルコールを含む0.8mlの溶液が入った10ml容量のセプタム付サンプル瓶(GC用)に、0.2mlの細胞抽出液を添加することにより反応を開始した。
セプタム付サンプル瓶を30℃で1〜5時間インキュベートして反応させた。反応終了後、セプタム付サンプル瓶中の反応液に1mLのアセトニトリルを添加しよく混和した。その後、シリンジフィルターDISMIC/穴径0.45μm(ADVANTEC社製)を用いて濾過後、HPLC分析に供した。表9に5時間後の生成物の分析結果を示した。
AAT遺伝子組換え体を用いたメタクリル酸エステル(メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2−エチルヘキシル)の合成
Figure 0006146308
HPLC分析条件
装置:Waters 2695
カラム:Shiseido CAPCELL PAK C18 UG120 5μm
移動相:65%MeOH, 0.2%リン酸
流量:0.25ml/min
カラム温度:35℃
検出:UV 210 nm
注入量:10μL
[実施例10:ACD遺伝子が導入された大腸菌組換え体の作製]
Pseudomonas aeruginosa PAO1からのACDホモログ遺伝子のクローニングと高発現組換え体の作製
(1)Pseudomonas aeruginosa PAO1からのゲノムDNAの調製
LB寒天培地(1%バクトトリプトン、0.5%バクトイーストエキス、0.5%NaCl、1.5%寒天)上で生育させたPseudomonas aeruginosa PAO1株(NBRC106052)を10mlのLB液体培地(1%バクトトリプトン、0.5%バクトイ−ストエキス、0.5%NaCl)に植菌し、37℃にて15時間振盪培養を行った。培養終了後、2mlの培養液より菌体を遠心により回収し、Wizard Genomic DNA Purification Kit(プロメガ株式会社)を用いてゲノムDNA100μlを取得した。
(2)発現ベクターへのクローニング
得られたゲノムDNAを鋳型にして、ACDをコードすることが推定された遺伝子を含むDNA断片を、発現ベクターに容易に導入可能な制限酵素認識部位が付加された形となるようPCR法により調製した。
オリゴヌクレオチドプライマー
MMA−003: 5’− GACCCATGGATTTCGACCTCACCGAAGAAC −3’ (配列番号13)
MMA−004: 5’− GCCCTGCAGGATGCGATGGTTCGCGGCGTTC −3’(配列番号14)
反応液組成
滅菌水 22 μl
2×PrimeSTAR(タカラバイオ社製) 25 μl
MMA−003(配列番号13) 1 μl
MMA−004(配列番号14) 1 μl
ゲノムDNA 1 μl
総量 50 μl
温度サイクル
98℃ 10秒、55℃ 15秒及び72℃ 150秒の反応を30サイクル
得られた約1.2kbの増幅産物のバンドをQIAquick Gel Extraction Kit(QIAGEN)で精製した。精製したDNAを制限酵素NcoI(オリゴヌクレオチドMMA−003中に切断認識部位が含まれる)およびSse8387I(オリゴヌクレオチドMMA−004中に切断認識部位が含まれる)で消化し、フェノ−ル抽出・クロロホルム抽出・エタノ−ル沈殿により精製した。精製したDNA(5μl)、NcoIおよびSse8387Iで予め消化しておいたベクターpTrc99A(1μl)、蒸留水(4μl)およびsolution I(DNA Ligation Kit ver.2(タカラバイオ(株)))(10μl)を混合し12時間、16℃でインキュベ−トしてPCR増幅産物とベクターをライゲーションした。
参考例1の方法で作製したコンピテントセル 200μlに上記のライゲーション溶液を10μl加え、0℃で30分放置後、42℃で30秒間ヒ−トショックを与え、0℃で2分間冷却後、SOC培地(20mM グルコ−ス、2%バクトトリプトン、0.5%バクトイ−ストエキス、10mM NaCl、2.5mM KCl、1mM MgSO、1mM MgCl)1mlを添加して37℃にて1時間振盪培養した。
培養後、200μlずつLBAmp寒天培地(アンピシリン 100mg/L、1.5%寒天を含有するLB培地)に塗布し、さらに37℃で培養した。寒天培地上に生育した形質転換体コロニ−複数個を1.5mlのLBAmp培地(アンピシリン 100mg/Lを含有するLB培地)にて37℃で一晩培養し、集菌後、Flexi Prep(アマシャムバイオサイエンス社製)を用いてプラスミドDNAを回収した。
(3)形質転換
得られた組換えプラスミドDNAについて、その塩基配列をCEQ DTCS Quick Start Kitおよび蛍光シ−ケンサCEQ 2000XL DNA Analysis(いずれもBECKMAN COULTER、米国)を用いて確認し、プラスミドpMMA002と命名した。プラスミドpMMA002を用いて大腸菌JM109株を形質転換し、ACD遺伝子(配列番号8)が導入された組換え体を作製した。アミノ酸配列は、配列番号7で示される。
[実施例11:ACD遺伝子を発現させた大腸菌組換え体からの細胞抽出液の調製]
実施例10で得られたACD遺伝子(配列番号8)が導入された大腸菌組換え体JM109/pMMA002を1mlの100μg/mlアンピシリンを含むLB培地に植菌し、37℃にて7時間前培養を行った。培養液を0.1ml取り、100mlの同培地(100μg/mlアンピシリン、1mMIPTG含有)に加え、37℃にて15時間振盪培養した。得られた培養液から遠心分離(3,700×g、10分間、4℃)により菌体を回収し、10mMリン酸−ナトリウム緩衝液(pH7.0)で洗浄した後、同緩衝液にOD6(630nm)になるよう懸濁した。対照株としてJM109/pTrc99Aを用いた。
得られた菌体懸濁液から以下のようにして細胞抽出液1mlを調製した。超音波破砕機VP−15S(タイテック、日本)を用いて、出力コントロ−ル4、DUTY CYCLE 40%、PULS、TIMER=Bモ−ド10sの条件で氷冷しながら1分間破砕した。次に遠心分離を行い(10,000×g、5分間、4℃)、得られた上清を細胞抽出液として採取した。
[実施例12:ACD遺伝子組換え体細胞抽出液と植物片を用いた、イソブチリル−CoAからメタクリル酸ブチルの合成]
(1)ACD遺伝子組換え体細胞抽出液による、イソブチリル−CoAを基質としたメタクリリル−CoA合成反応:
100mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH8.0)中に6mMの1−メトキシ−5−メチルフェナジニウムメチル硫酸塩、0.4mMのフラビンアデニンジヌクレオチドおよび1mMのイソブチリル−CoAを含む溶液1.84mlに、実施例10で得られたACD活性を有する細胞抽出液0.16mlを加え、反応液2mlに調整した。37℃で30分間反応させ、以下に示すHPLC条件にて分析を行った。その結果、イソブチリル−CoAのピークは消失し、メタクリリル−CoAの生成を確認した。
HPLC分析条件
カラム:Inertsil ODS−3V,4.6mm×250mm
移動相:30% MeOH,50mM H3PO4,pH5.7
流量:1.0ml/min カラム温度:35℃ 検出:UV 254nm
注入量10μl 反応溶液を移動相で10倍希釈し測定。
(2)メタクリリル−CoA合成反応液への、n−ブチルアルコールと植物片の添加によるメタクリル酸ブチルの合成
バナナの皮を取り除き、果肉をカッターで約1ミリ厚さにスライスし、さらにそれを4分割した。スライスしたバナナ1g、前記メタクリリル−CoA合成反応液0.9ml、3.5M KCl溶液0.1mlおよび5μlのn−ブチルアルコールを50mlフラスコに加え、密閉し、30℃で2時間反応させた。実施例1と同様にメタクリル酸エステルの分析を実施したところ、0.015mMのメタクリル酸ブチルが生成していた。
[実施例13:ECH遺伝子が導入された大腸菌組換え体の作製]
(1)Rhodococcus属細菌からのゲノムDNAの調製
LB寒天培地培地上で生育させたRhodococcus erythropolis PR4株(NBRC100887)を10mLのLB液体培地に植菌し、30℃にて36時間振盪培養を行った。培養終了後、2mLの培養液より菌体を遠心により回収し、実施例10と同様にしてゲノムDNA100μLを取得した。
(2)発現ベクターへのクローニング
得られたゲノムDNAを鋳型にして、ECH遺伝子をコ−ドすることが推定された塩基配列を含むDNA断片を、発現ベクターに容易に導入可能な制限酵素認識部位が付加された形となるようPCR法により調製した。
オリゴヌクレオチドプライマー:
MMA−031: 5’−GGTCATGACCGACTTCAACACCATCATCCTC −3’ (配列番号15)
MMA−032: 5’−GGCCTGCAGGTTCAGCTGTTCGAAAGTTCAGCGC −3’(配列番号16)
実施例10と同様にしてPCRを行い、得られたDNAを制限酵素BspHI(オリゴヌクレオチドMMA−031中に切断認識部位が含まれる)およびSse8387I(オリゴヌクレオチドMMA−032中に切断認識部位が含まれる)で切断した。切断後、実施例6と同様の操作を行い、ECH遺伝子(配列番号10)が組み込まれた目的プラスミドDNAを取得し、プラスミドpMMA011と命名した。アミノ酸配列は、配列番号9で示される。
(3)形質転換
プラスミドpMMA011を用いて大腸菌JM109株を形質転換し、ECH遺伝子発現大腸菌組換え体を作製した。
[実施例14:ECH遺伝子発現大腸菌組換え体細胞抽出液およびAAT遺伝子組換え体細胞抽出液を用いた、3−ヒドロキシイソブチリル−CoAからメタクリル酸ブチルの合成]
(1)ECH活性を有する細胞破砕液の調製
実施例13で得られたECH遺伝子が導入された大腸菌組換え体JM109/pMMA011を2mlの100μg/mlアンピシリンを含むLB培地に植菌し、37℃にて24時間前培養を行った。培養液を0.1ml取り、100mlの同培地(100μg/mlアンピシリン、1mMIPTG含有)に加え、37℃にて24時間振盪培養した。得られた培養液から遠心分離(3,700×g、10分間、4℃)により菌体を回収し、10mMリン酸−ナトリウム緩衝液(pH7.0)で2回洗浄した後、同緩衝液にOD6(630nm)となるように希釈した。
得られた菌体懸濁液から以下のようにして細胞破砕液1mlを調製した。超音波破砕機Sonifier 250D(ブランソン、米国)を用いて、アンプリチュード(振幅):15%/On:1秒,off:1秒の条件で氷冷しながら5分間破砕した。
(2)ECH遺伝子発現大腸菌組換え体細胞破砕液を用いたメタクリリル−CoA合成反応
0.5Mのトリス塩酸緩衝液(pH7.4)0.2ml、1.2mMの3−ヒドロキシイソブチリル−CoA水溶液0.4mlおよび1.2mlの水を混合したものに、上記のようにして得られたエノイルCoAヒドラターゼ活性を有する細胞破砕液0.2mlを加え、反応液2mlに調整した。37℃で30分間反応させ、実施例12示すHPLC条件にて分析を行った。その結果、メタクリリル−CoAの生成を確認した。
(3)AAT遺伝子組換え体細胞抽出液を用いたメタクリル酸ブチルの合成
10ml容サンプル瓶に前記メタクリリル−CoA合成反応液0.4ml、10mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)0.1mlおよび0.2mlの水を加え、さらに0.4Mn−ブタノール溶液0.1mlおよび実施例7と同様に調製したリンゴAAT(MpAAT)細胞破砕液0.2mlを加え、密閉し、30℃で3時間反応させた。実施例1と同様にメタクリル酸エステルの分析を実施したところ、0.001mMのメタクリル酸ブチルが生成していた。
[実施例15:BCKAD遺伝子のクローニングと高発現組換え体の作製、細胞抽出液の調製、及びタンパク質の発現解析]
遺伝子のクローニングと発現プラスミドの作製および組換え体の作製は、実施例10と同様にして行った。Pseudomonas aeruginosa PAO1株のゲノムDNAを鋳型にして、BCKAD複合体遺伝子をコードする遺伝子オペロン全体を含むDNA断片を、以下に示すプライマーを用いてPCR法により調製した。得られた断片を制限酵素BspHIとSse8387Iにより消化し、実施例10と同様にしてベクターpTrc99Aに挿入して組換えプラスミド(pWA108)を得た。
オリゴヌクレオチドプライマー:
MAA−15:5’−GGCCTGTCATGAGTGATTACGAGCCG−3’(配列番号17)
MAA−16:5’−CGGCCCTGCAGGTTCGCGGGAATCAGATGTGC−3’(配列番号18)
上記のようにして得られた大腸菌組換え体JM109/pWA108を実施例10と同様にして培養を行った。ただし、本組換え体の場合には、予備検討結果から、IPTGの添加を行わなくても高いタンパク質の発現が認められたことから、IPTGの添加を行わないで実施した。細胞抽出液の調製は、実施例11と同様に実施した。
[実施例16:BCKAD遺伝子高発現組換え体の細胞抽出液の活性測定]
BCKAD活性は、以下のように2−オキソイソ吉草酸を基質としたイソブチリル−CoAの生成により測定した。
100mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)中に終濃度がそれぞれ1mMMgCl2、0.2mMチアミンピロリン酸、1mMCoA−SH及び2mMDTTを含む溶液0.7mLに、実施例15で得られた細胞抽出液0.2mLを加え、0.9mLとした。これに2−オキソイソ吉草酸カルシウム塩0.1mL(終濃度4mM)を加え37℃で30分間反応後、セントリカット超ミニW−10(倉敷紡績株式会社)を用いた限外濾過を行った。除タンパク質を行うことにより反応を停止させ、以下の条件にてHPLCによる分析を行った。その結果、JM109/pWA108では0.83mMのイソブチリル−CoAの生成が認められた。
HPLC分析条件
カラム:Inertsil ODS−3V,4.6mm×250mm
移動相:35%MeOH,50mMH3PO4,pH5.7
流量:1.0ml/min カラム温度:35℃ 検出:UV254nm(210nm)
注入量:10μl(反応溶液を移動相で10倍希釈し測定)
[実施例17:BCKAD遺伝子高発現組換え体およびACD遺伝子を発現させた組換え体からの細胞抽出液混合物による2−オキソイソ吉草酸からのメタクリリル−CoAの合成(図1)]
100mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)中に終濃度がそれぞれ1mMMgCl、0.2mMチアミンピロリン酸、1mMCoA−SH、2mMDTT、2mMニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)、0.04mMフラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)、2mMバリンを含む溶液0.6mLに、実施例11及び実施例15の方法で得られた細胞抽出液(JM109/pMMA002及びJM109/pWA108)各0.1mLを加え、0.8mLとした。これに2−オキソイソ吉草酸カルシウム塩0.1mL(終濃度4mM)を加え37℃で30分間反応後、HPLCによりイソブチリル−CoAの生成を確認するとともに、0.1mLの1−メトキシ−5−メチルフェナジニウムメチル硫酸塩(終濃度6mM)を加え更に3時間反応させた。反応後、セントリカット超ミニW−10(倉敷紡績株式会社)を用いた限外濾過を行った。除タンパク質を行うことにより反応を停止させ、HPLCによる分析を行った。その結果、0.2mMのメタクリリル−CoAの生成が認められた。
[参考例2:接合伝達用レシピエントPR4KSの作製]
ロドコッカス・エリスロポリス(Rhodococcus erythropolis)PR4(製品評価技術基盤機構生物遺伝資源部門;受託番号:NBRC 100887)を特開2011‐200133号公報に記載の方法により改変し、120mg/Lのクロラムフェニコールに耐性を示し、且つカナマイシン耐性遺伝子を欠失した誘導株を作製し、PR4KS株と命名した。
具体的には、クロラムフェニコール耐性を強化するために、MYK培地(0.5% polypeptone、0.3% bact yeast extract、0.3% malt extract、0.2% KHPO、0.2% KHPO)中のクロラムフェニコールの濃度を10mg/mLから始めて120mg/mLまで段階的に徐々に高めつつ、PR4株を継体培養することにより自然変異を誘発し、120mg/mLのクロラムフェニコールに耐性を有する誘導株RhCmSR−09株を得た。
次いで、上記RhCmSR−09株を、特開2011‐200133号公報に記載のカナマイシン耐性遺伝子欠失変異導入用プラスミドpKM043を保有する大腸菌株と1:1の比率で混合して培養し、接合伝達によりRhCmSR−09株内にpKM043を導入後、カナマイシン硫酸塩200mg/L及びクロラムフェニコール50 mg/L含有MYK寒天培地(0.5% polypeptone、0.3% bact yeast extract、0.3% malt extract、0.2% KHPO、0.2% KHPO、1.5%寒天)にて培養することにより、pKM043がRhCmSR−09株ゲノム内に挿入された相同組換え株を得た。前記相同組換え株を、10%スクロース含有MYK寒天培地にて培養し、得られたコロニーの中からカナマイシン感受性株となった誘導株、すなわちカナマイシン耐性遺伝子欠失変異誘導株PR4KS株を得た。
[参考例3:LigDホモログ遺伝子のクローニングと遺伝子欠失用プラスミドの作製]
PR4KS株のLigDホモログ遺伝子(accession no: YP_002767969)を標的遺伝子とした。LigDホモログ遺伝子周辺配列を含む約5.4 kbのDNAをPCRにより増幅後、特開2011‐200133号公報に記載された、sacB遺伝子がカナマイシン耐性遺伝子の下流且つ同方向に導入されたプラスミドベクターpK19mobsacB1にクローニングし、プラスミドpTJ001を得た。PCR条件は以下の通りである。
プライマー
GB−138: 5’− GGCCTGCAGGTACCGATCATCACCATCGGTGTC −3’ (配列番号19)
GB−139: 5’− GGTCTAGACTGAGCAGTGTTCCAATGCG −3’(配列番号20)
反応液組成:
滅菌水 22 μl
2×PrimeSTAR(タカラバイオ社製) 25 μl
GB−138(配列番号19) 1 μl
GB−139(配列番号20) 1 μl
PR4KSゲノム(50 ng/μl) 1 μl
総量 50 μl
温度サイクル
98℃ 10秒、55℃ 10秒及び72℃ 120秒の反応を35サイクル
pTJ001内部のLigDホモログ遺伝子全長(約2.3 kb)を欠失させLigDホモログ遺伝子の上流及び下流配列のみを残存させた、LigDホモログ遺伝子欠失用プラスミドpTJ002を作製した(図3参照)。pTJ002は、標的であるLigDホモログ遺伝子の開始コドン付近の配列と終始コドン付近の配列の両方を含み、それぞれ開始コドンから上流方向又は終始コドンから下流方向に伸長するように設計されたプライマーGB−140とGB−141によりpTJ001内部の配列を増幅することにより得られたLigDホモログ遺伝子を含まないPCR産物により大腸菌JM109株を形質転換して、環状DNAとすることにより取得した。PCRの条件は以下の通りである。
プライマー
GB−140: GAGGAAATGGTCACAGGGCGAGAATAGGTTG (配列番号21)
GB−141: GCCCTGTGACCATTTCCTCATTGTGCTGG (配列番号22)
反応液組成
滅菌水 22 μl
2×PrimeSTAR(タカラバイオ社製) 25 μl
GB−140(配列番号21) 1 μl
GB−141(配列番号22) 1 μl
pTJ001 1 μl
総量 50 μl
温度サイクル
98℃ 10秒、50度 10秒及び72℃ 180秒の反応を30サイクル
PCR終了後、サンプル1μlを用い、0.7%アガロースゲル電気泳動により断片の確認を行ったところ、断片の増幅が認められた。上記プラスミドpTJ002製造手順において、PR4株からのゲノム抽出にはWizard Genomic DNA Purification Kit(Promega社製)を、制限酵素により切断したDNA断片及びPCR産物の精製にはGel/PCR Purification Kit(FAVORGEN社製)を、DNA同士の接続にはDNA Ligation Kit <Mighty Mix>(タカラバイオ社製)を、プラスミドの抽出にはQIAprep miniprep kit(QIAGEN社製)を用いた。
[参考例4:PR4KSのLigDホモログ遺伝子欠失誘導株の作製]
大腸菌(Escherichia coli)S17−1λpirをpTJ002により形質転換したものをドナーとし、参考例2の方法により得られたPR4KSをレシピエントとして、特開2011‐200133号公報に記載の方法と同様に接合伝達を行い、相同組換えによって生じた13株のLigDホモログ遺伝子欠失誘導株を得た。前記欠失誘導株から1株を選び、PR4KSΔligD誘導株と命名した。
[参考例5:ロドコッカス属細菌用プラスミドpLK005及びそれを用いたニトリルヒドラターゼ発現用プラスミドpSJ201の作製]
(1)pLK005の取得と解析
pK4(特開平5−64589号公報参照)を用いて、上記エレクトロポレーション法によりロドコッカス sp N775(独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター 寄託番号FERM BP−961)を形質転換した。得られた形質転換体を10mlのMYK培地に植菌し、30℃にて1日培養した。これをクリーンベンチ内で紫外線を照射することにより変異処理を行った。変異処理を行った培養液を50〜400μg/mlのカナマイシンを含むMYK寒天培地に塗布し、30℃にて3日間培養した。
寒天培地上に現れた複数のコロニーをそれぞれMYK培地にて培養し、形質転換体よりプラスミドを回収した。回収したプラスミドを用いてロドコッカス sp N775を再度形質転換して、形質転換体のカナマイシン耐性度が向上しているかどうかを調べた。その結果、明らかにカナマイシン耐性度が向上している形質転換体が数株認められた。
カナマイシン耐性度が向上することが認められたプラスミドの塩基配列を調べたところ、pK4のカナマイシン耐性遺伝子の上流域の配列に変化が起こっていること(8塩基配列GTTGTAGGの重複)が認められた。このカナマイシン耐性度が向上することが認められたプラスミドをpLK005と命名した。
(2)pSJ040の作製
プラスミドpSJ034は、特開平10−337185号公報記載の方法によりプラスミドpSJ023から作製したものである。pSJ034には3カ所のEcoRI制限酵素部位が存在するが、このうちの1カ所をSpeI部位に変換したプラスミドpSJ040を作製した。作製方法は、pSJ034を制限酵素EcoRIにより部分分解し、タカラBluntingキットを用いて切断個所の平滑化を行った。SpeIリンカーの存在下でライゲーション反応を行い、反応液を用いて大腸菌JM109株を形質転換した。形質転換体を培養後、プラスミドを抽出し、SpeIリンカーが挿入されたプラスミドを選別した。pSJ034の3つのEcoRI部位のうち、カナマイシン耐性遺伝子の下流に存在するEcoRI部位にSpeIリンカーが挿入されたものをpSJ040と命名した。
(3)pSJ201の構築
pLK005をHindIIIで切断し、約2.1kbの断片を調製した。一方、pSJ040をHindIIIで切断し、約9.8kbの断片を調製した。これらの2断片を用いてライゲーション反応を行い、反応液を用いて大腸菌JM109株を形質転換した。形質転換体を培養後、プラスミドを抽出し、その塩基配列を確認した結果、pLK005由来の変異配列(GTTGTAGGの重複)を持ち、それ以外はpSJ040と同様の配列を有するプラスミドをpSJ201と命名した。
[参考例6:PR4KSΔligD誘導株のRE_acd1/RE_echA/RE_hchA/RE_mmsB遺伝子欠失誘導株の作製]
(1)In Fusion法を用いた遺伝子欠失用プラスミドの作製
PR4KS株のRE_acd1/RE_echA/RE_hchA/RE_mmsB遺伝子を標的遺伝子としたIn−Fusion HD Cloning kit(タカラバイオ社製)による遺伝子欠失用プラスミドの作製を行った(図4参照)。
標的遺伝子の上流及び下流配列のDNAをPCRにより増幅した。PCR条件は以下の通りである。
断片1用プライマー
MMA−061: CGACTCTAGAGGATCGCTCAGTACATCTACGAGAC (配列番号23)
MMA−062: AGTGTGAGGAAAGTGTTCCGATCAGTTCAT (配列番号24)
断片2用プライマー
MMA−063: CACTTTCCTCACACTCGTCGAGAGTATGAG (配列番号25)
MMA−064: CGGTACCCGGGGATCAGCGCGACGAACAACGAGAC (配列番号26)
反応液組成
鋳型(PR4 wild typeゲノムDNA) 1μl
2×PrimeSTAR Max Premix(TAKARA社製) 25μl
Fw Primer(20 μM) 1μl
Rv Primer(20 μM) 1μl
D.W. 22μl
Total 50μl
温度サイクル
98℃ 10秒、60℃ 10秒及び72℃ 120秒の反応を30サイクル
PCR終了後、サンプル1μlを用い、0.7%アガロースゲル電気泳動により断片の確認を行ったところ、断片の増幅が認められた。PCR産物(断片1及び断片2)をGel/PCR Purification Kit(FAVORGEN社製)を使用し、バッファー置換を行い、以下に示すIn−Fusioon HD Cloning Kitによる反応に用いた。
(2)In−Fusion HD Cloning Kitによるベクターと目的断片の連結及び形質転換
In−Fusion HD Cloning Kitを用い、上記断片とベクターの連結を行った。反応条件は以下の通りである。
反応液組成
5x In−Fusion HD Enzyme Premix 2μl
ベクター断片 1.5μl
DNA断片1 1μl
DNA断片2 2μl
D.W. 3.5μl
Total 10μl
上記反応液を50℃で15分間インキュベートした後、氷上で冷却し、大腸菌JM109株の形質転換に用いた。大腸菌形質転換体の選択はカナマイシン硫酸塩50mg/Lを含むLB寒天培地(以下、 LB Km50寒天培地)にて行った。得られた形質転換体よりMini prep Kit(QIAGEN社)を用いてプラスミドを調製し、目的のプラスミドを得た。プラスミドの確認はXbaI制限酵素処理後の断片サイズ及び挿入断片とベクターの接続領域の配列を調べることにより行った。目的のプラスミドをpMMA302と命名した。
(3)PR4KSΔligD誘導株の相同組換え誘導株及び遺伝子欠失誘導株の作製
PR4KSΔligD株コンピテントセル20μlに pMMA302を1μl添加し、氷上で10分間インキュベートした。インキュベートした上記溶液を氷冷したエレクトロポレーションキュベット(0.1cm)に全量移し、1.5kV (200Ω)の高電圧をかけ、直ちに600μlのLB液体培地を加え、30℃にて6時間静置した。200μlをカナマイシン硫酸塩10mg/Lを含むLB寒天培地(以下、LB Km10寒天培地)に撒き30℃にて4日間培養した。生育したコロニーをLB Km10寒天培地にストリークし、4日間培養した後、以下に示した条件によりコロニーPCRを行い相同組換え誘導株の確認を行った。
プライマー
MMA−069: GCGCATCTACAAGGAAGAGATC(配列番号27)
MMA−070: GCGACGCTCATCGAGATCTC(配列番号28)
反応液組成
鋳型 4.0μl
2×MightyAmpBuffer(TAKARA社製) 5.0μl
Fw Primer(20 μM) 0.25μl
Rv Primer(20 μM) 0.25μl
D.W. 0.3μl
MightyAmpDNAPolymerase(TAKARA社製)0.2μl
Total 10.0μl
温度サイクル
98℃ 10秒、68℃ 180秒の反応を30サイクル
相同組換え誘導株であることが認められたコロニーをLB培地200μlに懸濁し、100μlをLB+10% Sucrose寒天培地に撒き、3日間培養した。生育したコロニーからカナマイシン感受性となっているものを選択し、これらについてコロニーPCRにより目的の遺伝子欠失を確認した。その結果、PR4KSΔligD誘導株よりRE_acd1、RE_echA、RE_hchA、RE_mmsBの4遺伝子を欠失したものが得られ、DMA008株と命名した。
[実施例18:ロドコッカス属に属する微生物におけるACD及びAAT両発現用プラスミドの作製]
ロドコッカス属に属する微生物においてACD及び/又はAATを発現させるためのプラスミドを作製した。
RE_acd1遺伝子発現用プラスミドpMMA401のRE_acd1遺伝子の下流に、MpAAT1遺伝子発現用プラスミドpAAT301を鋳型にしてPCR反応により得られた「ニトリラーゼプロモーター+MpAAT1遺伝子」断片を挿入した。
「ニトリラーゼプロモーター+MpAAT1遺伝子」断片の増幅は下記のように行った。
プライマー
MMA−133(Sse−ProFw): TGACCTGCAGGTGCACTCCGCTGCGACATGTATCGA (配列番号29)
MMA−131(Sse−001Rv): ACTCTAGCCTGCAGGTCATTGACTAGTTGATCTAAGGTTGTTACA (配列番号30)
PCR反応組成
鋳型(pAAT301) 1μl
2×PrimeSTAR Max Premix(TAKARA社製)10μl
Fw Primer(10 μM) 0.6μl
Rv Primer(10 μM) 0.6μl
D.W. 7.8μl
Total 20μl
温度サイクル
98℃ 5秒、60℃ 5秒、72℃ 45秒の反応を30サイクル
こうして得られた「ニトリラーゼプロモーター+MpAAT1遺伝子」断片を制限酵素Sse8387Iで処理した。一方、pMMA401もSse8387Iで処理後、SAP処理を行った。これらのDNA断片を0.7%アガロースゲル電気泳動を行った後、Gel/PCR Purification Kit(FAVORGEN社製)を用いて精製した。制限酵素処理反応条件及びライゲーション反応条件は以下の通りである。
制限酵素処理反応組成(AAT断片)
PCR増幅断片 40μl
10×Mバッファー 5μl
0.1% BSA 4μl
Sse8387I(TAKARA社製) 1μl
Total 50μl
制限酵素処理反応組成(ベクター断片)
pMMA401(ベクター) 3μl
10×Mバッファー 4μl
0.1% BSA 4μl
AP 1μl
Sse8387I(Promega社製) 1μl
D.W. 27μl
Total 40μl
ライゲーション反応組成
pMMA401 1μl
挿入断片 2μl
Ligation Mix(TAKARA社製) 3μl
Total 6μl
上記組成で混合したライゲーション反応液を用いて大腸菌JM109株の形質転換を行った。得られた形質転換体よりプラスミドを抽出した。制限酵素Sse8387I処理後にアガロース電気泳動を行い、目的サイズの断片が挿入されていることを確認した。得られたプラスミドの挿入断片の接続領域の塩基配列解析により目的のプラスミドであることを確認し、本プラスミドをpACDAAT1と命名した。
上記手法と同様の手法を用い配列の異なるACD及びAAT両発現用プラスミドを計6種(pACDAAT2、pACDAAT3、pACDAAT4、pACDAAT6、及びpACDAAT8)作製した(図5参照)。
[実施例19:ACD及びAAT両発現組換え体によるメタクリル酸ブチルの製造]
参考例6の(3)で得られたDMA008株を、プラスミドpACDAAT1、pACDAAT2、pACDAAT3、pACDAAT4、pACDAAT6、及びpACDAAT8によりそれぞれ形質転換した。得られた組換え体(DMA008/pACDAAT1、DMA008/pACDAAT2、DMA008/pACDAAT3、DMA008/pACDAAT4、DMA008/pACDAAT6及びDMA008/pACDAAT8)を用いて休止菌体反応によりメタクリル酸エステルの製造を行った。また、コントロールとして、DMA008/pLK005を用いた。
2mlLB Km10液体培地(ワッセルマン試験管)に1白金耳植菌し、30℃、ロータリーシェーカー(180 rpm)、好気条件にて、2日間培養を行った(前培養)。前培養液を100mLLB Km10(培地100mL/500mL容三角フラスコ)に1ml植菌し、30℃、ロータリーシェーカー(230 rpm)、好気条件にて、3日間培養を行った(本培養)。
本培養後、本培養液40mLを50mL容コニカルチューブに移し遠心分離(12000rpm、10分)し、菌体を得た。この菌体を用い以下の反応を行った。10ml容量のガラスサンプル瓶に、1mlの反応液を加え、30℃、ロータリーシェーカー(180rpm)、好気条件にて、18時間行った。
反応液組成
OD630=10 菌体 (終濃度)
5.0g/l 2−オキソイソ吉草酸(終濃度)
40mM アルコール(終濃度)
50mM リン酸バッファー/pH7.5(終濃度)
アルコールとして、n−ブタノールを用いた。
反応後、反応液に1mLのアセトニトリルを添加しよく混和した後、シリンジフィルターDISMIC/穴径0.45μm(ADVANTEC社製)を用いて濾過後、実施例9B記載のHPLC分析にて分析した。表10に18時間後の生成物の分析結果を示した。
ACD及びAAT両発現組換え体によるメタクリル酸ブチルの生成
Figure 0006146308
[実施例20:ACD及びAAT両発現組換え体によるメタクリル酸エステルの製造]
参考例6の(3)で得られたDMA008株を、プラスミドpACDAAT1によりそれぞれ形質転換した。得られた組換え体(DMA008/pACDAAT1)を用いて休止菌体反応によりメタクリル酸エステルの製造を行った。また、コントロールとして、DMA008/pLK005を用いた。実施例19記載の方法を用いて、組換え体の培養を行い菌体を得た。
反応液組成
OD630=10 菌体 (終濃度)
5.0g/l 2−オキソイソ吉草酸(終濃度)
40mM アルコール(終濃度)
50mM リン酸バッファー/pH7.5(終濃度)
アルコールとして、n−ブタノール、イソブタノール、2−エチルヘキシルアルコールを用いた。
反応後、反応液に1mLのアセトニトリルを添加しよく混和した後、シリンジフィルターDISMIC/穴径0.45μm(ADVANTEC社製)を用いて濾過後、実施例9B記載のHPLC分析にて分析した。表11に18時間後の生成物の分析結果を示した。
ACD及びAAT両発現組換え体によるメタクリル酸エステルの生成
Figure 0006146308
[比較例1:酵母由来AAT遺伝子組換え体細胞抽出液によるメタクリル酸エステルの合成反応]
実施例6と同様にして酵母由来AAT遺伝子発現プラスミドを作製し(表12)、これらを用いて大腸菌を形質転換しAAT発現組換え体を得た。
酵母由来AAT遺伝子発現用プラスミド
Figure 0006146308
実施例7と同様にして細胞抽出液を調製し、実施例8と同様にメタクリリル−CoAとn-ブタノールを基質にしてメタクリル酸ブチルの合成反応を行った。その結果、メタクリル酸ブチルの生成は認められなかった。一方、アセチル−CoAとn−ブタノールを基質にした場合には、酢酸ブチルの生成が認められた。
酵母AAT遺伝子組換え体を用いたエステルの生成
Figure 0006146308
配列番号11:MMA−044
配列番号12:MMA−045
配列番号13:MMA−003
配列番号14:MMA−004
配列番号15:MMA−031
配列番号16:MMA−032
配列番号17:MAA−15
配列番号18:MAA−16
配列番号19:GB−138
配列番号20:GB−139
配列番号21:GB−140
配列番号22:GB−141
配列番号23:MMA−061
配列番号24:MMA−062
配列番号25:MMA−063
配列番号26:MMA−064
配列番号27:MMA−069
配列番号28:MMA−070
配列番号29:MMA−133
配列番号30:MMA−131

Claims (9)

  1. イソブチリル−CoAあるいは3−ヒドロキシイソブチリル−CoAからメタクリリル−CoAを製造する工程と、
    植物由来アルコールアシルトランスフェラーゼの存在下、メタクリリル−CoAに式R−OHで示されるアルコールまたはフェノール類を作用させて、メタクリル酸エステルを合成する工程、ここで、Rは、直鎖あるいは分岐の炭素数1〜20の飽和又は不飽和の非環式又は飽和又は不飽和の環式の炭化水素基を表す、
    とを含むメタクリル酸エステルの製造方法。
  2. メタクリル酸エステルを0.001mM以上蓄積させる請求項1記載のメタクリル酸エステルの製造方法。
  3. イソブチリル−CoAが2−オキソイソ吉草酸から製造されることを特徴とする、請求項1又は2記載のメタクリル酸エステルの製造方法。
  4. 植物が、ショウガ(Zingiberales)目、バラ(Rosales)目、ツツジ(Ericales)目、ウリ(Cucurbitales)目、アブラナ(Brassicales)目およびクスノキ(Laurales)目からなる群から選択されるいずれかの目に属するものである請求項1〜3のいずれか1項に記載のメタクリル酸エステルの製造方法。
  5. 植物が、バショウ(Musaceae)科、バラ(Rosaceae)科、ツツジ(Ericaceae)科、マタタビ(Actinidiaceae)科、ウリ(Cucurbitaceae)科、パパイア(Caricaceae)科およびクスノキ(Lauraceae)科からなる群から選択されるいずれかの科に属するものである請求項1〜3のいずれか1項に記載のメタクリル酸エステルの製造方法。
  6. 植物が、バショウ(Musa)属、オランダイチゴ(Fragaria)属、リンゴ(Malus)属、サクラ(Prunus)属、ナシ(Pyrus)属、スノキ(Vaccinium)属、マタタビ(Actinidia)属、キュウリ(Cucumis)属、パパイア(Carica)属およびワニナシ(Persea)属からなる群から選択されるいずれかの属に属するものである請求項1〜3のいずれか1項に記載のメタクリル酸エステルの製造方法。
  7. 植物が、バナナ、イチゴ、リンゴ、ウメ、セイヨウナシ、ブルーベリー、キウイ、メロン、パパイアおよびアボカドなる群から選択されるいずれかである請求項1〜3のいずれか1項に記載のメタクリル酸エステルの製造方法。
  8. 植物由来アルコールアシルトランスフェラーゼを発現するように遺伝子導入された遺伝子組換え微生物を用いる請求項1〜のいずれか1項に記載のメタクリル酸エステルの製造方法。
  9. 植物由来アルコールアシルトランスフェラーゼを発現するように遺伝子導入された遺伝子組換え微生物にロドコッカス(Rhodococcus)属に属する微生物を用いる請求項記載のメタクリル酸エステルの製造方法。
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