JP6128205B2 - 焼成用チョコレート様食品およびその製造法 - Google Patents

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Description

本発明は、焼成用チョコレート様食品およびその製造法に関する。より詳しくは低水分で保存性が高く、平易な方法にて、かつ新規な食感の焼成チョコレート様食品が得られる焼成用チョコレート様食品とその製造法に関する。
焼成チョコレート様食品の典型例は焼成などの加熱を施されたチョコレートである。焼成チョコレート様食品は、一般的なチョコレートとは異なる食感と強い耐熱性がある油性食品である。焼成チョコレート様食品を得る方法として、チョコレート生地表面を吸湿させて焼成したり(特許文献1)、一部に水をかけた後にさらに糖を振掛けて焼成したり(特許文献2)、澱粉性原料とともに水を含有するチョコレート生地を焼成する(特許文献3)方法や、チョコレート生地に気泡を含有させた後、成形し、焼成して固化することを特徴とする焼き菓子(特許文献4)が開示されている。焼成チョコレート様食品は、焼成用途ではないチョコレートと異なる食感が好まれ、商品として一般に受け入れられている。そして、流通や販売時の品温の上昇にも耐性があることから、今後ますます需要の増加が期待されており、市場の拡大と共に、従来のものとは異なる新しい食感の焼成チョコレート様食品が望まれている。
実質的に水分を含有しない焼成チョコレート様食品に関して、調整乳清タンパク質加工品により焼成時の突沸を防止し食感を維持したり(特許文献5)、またカカオ固形原料由来の固形分高含有により焼成耐性を向上させたりする方法(特許文献6)が開示されているが、焼成チョコレート様食品の新規な食感の創出に関する記載はない。また、カカオマスを含有しない白色系チョコレート様食品の機能向上に関する記載もされていない。
一方、焼成用途ではないチョコレートははるか以前より広く知られており、その中で様々な機能を期待して、乳化剤の添加が実施されている。チョコレートは油脂が連続相であるため、親油性の乳化剤を添加することはたやすく、水を添加することで油中水型の乳化状態としたり、粘度を調節したり、ブルームの発生を抑制したりと様々な機能を発揮するが、親水性の乳化剤はチョコレートに分散させにくい。少ない乳化剤使用量で水和性の高いチョコレート様食品を製造するために、親水性乳化剤を少量の親水性原料に分散後、含油原料に混和する方法(特許文献7)が開示されている。しかし、それは水分の存在下でチョコレートが水和しやすい機能を意図したものである。水のほとんど存在しない系での親水性の乳化剤の使用に関して、含油率に対して相対的に低粘度な油性食品を得る方法(特許文献8)が開示されている。しかし、焼成用途ではないし、チョコレート様食品の食感の改良に関するものでもない。
チップ状のチョコレートをパンやクッキーなどの生地に混ぜ込み、焼成するチョコレートに、耐熱性を付与する技術がある。例えば、HLB10以上のショ糖脂肪酸エステルを0.1〜0.7重量%配合することを特徴とする耐焼成温度チョコレート(特許文献9)がある。しかし、チップ状チョコレートは、パン・クッキー生地中に混ぜ込む際に生地中に伸びて混ざったりして生地が汚れた外観にならないように、それ自体に機械的な強度を持たせる必要がある。このため、チップ状チョコレートは堅いものに限られ、新規な食感の焼成チョコレート様食品は創出できない。
カカオマスを含有しない白色系焼成用チョコレート様食品に関して、乳糖の高配合により焼成による着色を改善する(特許文献10)方法が開示されている。
実質的に水分を含有しないチョコレート様食品での食物繊維の使用に関して、被覆用チョコレートの乾き時間を改善する方法(特許文献11)や被覆用チョコレートを使用した食品の汗かきの発生の防止、かつ良好な艶が得られる方法(特許文献12)が開示されている。しかし、何れも被覆用チョコレートで、しかも食感以外の機能改善に関するものである。
特開2001−245594号公報 特開2002−223700号公報 特開2000−189058号公報 特開平10−210934号公報 特開2000−270774号公報 特開2012−070710号公報 再表05/016019号公報 再表09/081916号公報 特開昭58−060944号公報 特開2001−314156号公報 特開2010−227001号公報 特開2005−185153号公報
前記の通り、焼成チョコレート様食品は、水分を含有している食品が多い。その為、製造工程において、物性が粘稠となりその工程が複雑となるという問題や、水相が多くなると焼成時に生地中の水を蒸散させるのに大きなエネルギーが必要となり、加熱により風味の劣化や焦げ臭が発生するという問題がある。また、水を含まないチョコレートより日持ちが劣るため、低温で流通、保存する必要性が生じ、輸送や納入先において作業性が悪くなるとういう問題もある。
また、従来の焼成チョコレート様食品は、組成的にも汎用性に乏しく、カカオマスを配合した所謂黒色系のチョコレートが一般的である。このため、カカオマスを配合しない所謂白色系(ホワイト、カラー系ともいう)の焼成チョコレート様食品はほとんど存在しない。しかも白色系では焼成した場合、食感がキャラメルのように堅くなるという問題もある。カカオマスを配合しないホワイト、カラー系で製品のバリエーションを増やす為にも、新規な白色系焼成チョコレート様食品の創出が望まれている。
従って、本発明の目的は、従来の焼成チョコレート様食品の製造法より平易な方法であり、水分を極力含有させることのない、白色系チョコレート様食品にも利用可能な焼成用チョコレート様食品の製造法および新規な食感を有する焼成チョコレート様食品を提供することにある。
本発明者は上記課題を解決すべく種々検討を行った。水分を含有させた焼成チョコレート様食品では、焼成時に少量の水分を介してチョコレート全体にいきわたった糖が骨格を作り耐熱性が得られると考えられる。この場合、含有させる水分と糖の影響で、強い耐熱性は付与されるが、食感が堅くなってしまう。新規な焼成用チョコレート様食品の創出にあたり、通常のチョコレート様食品程度の水分量である焼成前の水分が3%未満の焼成用チョコレート様食品の検討を行い、焼成用チョコレート様食品に使用する油脂のSFCを、20℃で5〜40%、10℃で15〜60%とし、さらに焼成用チョコレート様食品にHLBが9以上の乳化剤を0.2〜0.8重量%、無脂乳固形分を7重量%以上、食物繊維を1重量%以上含有させることにより、前記課題を解決するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)HLBが9以上の乳化剤を0.2〜0.8重量%、無脂乳固形分を7重量%以上、食物繊維を1重量%以上含有するチョコレート様食品であって、含有する全油脂の混合物のSFCが20℃で5〜40%、10℃で15〜60%であり、焼成前の水分含有量が3重量%未満である、焼成用チョコレート様食品、
(2)カカオマスを含有しない(1)の焼成用チョコレート様食品、
(3)HLBが9以上の乳化剤としてショ糖脂肪酸エステルを使用する(1)または(2)の焼成用チョコレート様食品、
(4)焼成用チョコレート様食品を構成する全油脂中にベヘン酸残基を含むトリ飽和グリセリドを含有し、ベヘン酸残基の含有量が0.1〜5重量%である、(1)〜(3)のいずれかの焼成用チョコレート様食品、
(5)HLBが9以上の乳化剤をリファイニング以前の工程にて添加することを特徴とする(1)〜(4)のいずれかの焼成用チョコレート様食品の製造法、
(6)(1)〜(4)のいずれかの焼成用チョコレート様食品単独、または別の可食物と組み合わせて焼成してなる焼成チョコレート様食品、
(7)(1)〜(4)のいずれかの焼成用チョコレート様食品を使用した、焼成により膨化して層状化することを特徴とする焼成チョコレート様食品の食感改良方法、
(8)(1)〜(4)のいずれかの焼成用チョコレート様食品を使用し、焼成前に含気させる工程を有しない焼成チョコレート様食品の製造法、である。
従来の焼成チョコレート様食品とは異なり、水または水性原料を添加せずに、また水を表面に噴霧せずに、平易な方法にて、新規な食感をもつ焼成チョコレート様食品を提供することができる。また、この焼成用チョコレート様食品は他の可食物と同時焼成あるいは別焼成することも可能である。
実施例3の焼成後のチョコレート様食品の断面組織を撮影した図面代用写真である。 比較例1の焼成後のチョコレート様食品の断面組織を撮影した図面代用写真である。
以下、本発明の実施形態について具体的に説明する。本発明において、チョコレート様食品とは、油脂が連続相をなす油脂加工食品であり、全国チョコレート業公正取引協議会で規定されたチョコレート生地および準チョコレート生地を含むが、これらに限定されるものではなく、カカオマス、ココア、カカオバター、カカオバター代用脂、ハードバター等を利用した油脂加工食品をも包含するものである。
用いられる原料は通常のチョコレートに使用できるものでよく、乳成分の他にはカカオマスおよび/またはココア、砂糖等の糖類、および油脂類を主成分とすることができる。好ましい配合はカカオマスを含まないホワイト、カラー系配合である。これらをロール掛け、コンチング処理したチョコレート様食品が使用できる。
使用することができる油脂類としては、カカオ脂の他に大豆油、綿実油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、パーム油、菜種油、米ぬか油、ごま油、カポック油、ヤシ油、パーム核油、ババス油、乳脂、ラード、魚油、鯨油等の各種の動植物油脂およびそれらの硬化油、分別油、エステル交換油、さらにこれらの混合油脂等が例示できる。
本発明の焼成用チョコレート様食品は、典型的には油脂類を25重量%〜45重量%程度、乳成分を10重量%〜30重量%程度含み、残りはカカオ由来原料と糖類とすることができる。そのため、上記の通り一般に規格化されているチョコレート規格や準チョコレート規格、チョコレート利用食品などの範疇にかならずしも該当するものでなくて良い。
本発明の焼成用チョコレート様食品に用いられる油脂は、下記SFCの条件を満たす物性を有することが好ましい。SFCの条件を満たす油脂を得る方法は、硬さの異なる油脂を配合する方法が例示できる。すなわち、当該油脂の20℃のSFCが5〜40%、好ましくは10〜35%、より好ましくは15〜30%、さらに好ましくは15〜25%であることが好ましく、また10℃のSFCが15〜60%、好ましくは15〜55%、より好ましくは20〜50%、さらに好ましくは20〜45%であることが好ましい。SFCが上記条件より高すぎると焼成前の作業が行ないにくく、低すぎるとチョコレート様食品が軟らかすぎて作業が行ないにくいだけでなく、焼成後の耐熱性も弱くなる場合がある。
本明細書における「焼成用チョコレート様食品」とは、焼成前のチョコレート様食品であり、チョコレート様食品自体を成型し、それ単独で焼成するか、または別の可食物と組み合わせて焼成することが可能なチョコレート様食品であり、かつ当該用途に特に適したチョコレート様食品である。別の可食物としてはクッキー、マフィン、バターケーキ、スポンジケーキ、ビスケット、ウエハース等の焼き菓子およびパン類が例示できる。他の食品と組み合わせる際の焼成用チョコレート様食品の態様としては、チップ状に絞りそれをパンやケーキの生地中に分散させたり、表面に塗布したり、内部に注入、包餡したり、上部に載置したりといった工程の後に焼成するものが挙げられる。焼成方法は特に限定はされないがオーブンなどによる直焼きまたは高周波加熱が挙げられる。なお、本明細書における「焼成チョコレート様食品」とは焼成後のチョコレート様食品のことをいう。
前記焼成用チョコレート様食品の物性は特に限定されないが、包餡用途、絞り出しなどの加工が可能な物性で20℃〜30℃付近でソフトな物性のものが好ましい。前記焼成用チョコレート様食品は、テンパリングなどの一般的なチョコレートに必要とされる煩雑な作業を必要とせず、溶解してそのまま使用する、あるいは25℃程度に温調してソフトな物性を維持したまま焼成前の成型作業を行なうことができる。
乳化剤は、HLBが9以上、好ましくは11以上の乳化剤を使用することができる。好ましい乳化剤として、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリン脂肪酸エステル、ポリソルベート、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルが例示できる。これらは2以上を組み合わせて使用してもよい。HLB値の異なる乳化剤を組み合わせたり、ポリグリセリン脂肪酸エステルとショ糖脂肪酸エステルを組み合わせたりする場合においても、重量比から求めたHLB値が9以上であれば、使用することができる。ショ糖脂肪酸エステルを使用することが最も好ましい。脂肪酸エステルの構成脂肪酸の例としてラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸などの炭素数6〜22の飽和または不飽和の脂肪酸が挙げられる。脂肪酸エステルにおいて、結合している脂肪酸の80%以上が飽和酸であることが好ましく、飽和酸がステアリン酸であることが最も好ましい。HLBが9以上の乳化剤を使用すると、特に水分含有量を上昇させることなく、通常にチョコレートとして流通している水分含有量である3重量%未満であっても、焼成時に焼だれすることなく、焼成後もべたつきの少ない安定した品質の焼成チョコレート様食品を得ることが出来、さらに焼成チョコレート様食品の食感が従来の固くガリガリとしたものから、サクサクとした適度な堅さと、それでいて口中にてほろほろとしたすばやい崩壊感を発揮し、新規な食感を効果的に得ることができる。一方、使用する乳化剤のHLBが9未満の場合は、焼成中の安定した品質、特に焼成後の新規な食感が得られない場合がある。
HLBが9以上の乳化剤の添加量は0.2〜0.8重量%、好ましくは0.3〜0.6重量%、より好ましくは0.4〜0.6重量%である。この添加量は多すぎても少なすぎても、焼成チョコレート様食品において良好な食感を得ることが出来ない。
HLBが9以上の乳化剤は、粒度が25μm以下に粉砕された状態で焼成用チョコレート様食品の生地に分散されていることが好ましい。そのような分散状態とするためには、HLBが9以上の乳化剤をロールリファイニング以前の工程にて添加することが工程上より好ましい。これは簡便であり、他の親水性原料等と一緒に粉砕されており、油脂と馴染みがよいからである。
焼成用チョコレート様食品の水分含有量が3重量%未満とは、焼成前のチョコレート様食品の水分含有量を示している。望ましくは0.5〜2.5重量%、更に望ましくは1.0〜2.0重量%であることが望ましい。水分含有量が3重量%以上の場合、焼成で水分を十分に飛ばしきるのが難しくなり、焼成チョコレート様食品が日持ちしなくなるだけでなく、食感もねちゃねちゃしていたり、べとついたりしてしまい、目的とする食感が得られない。また十分に水分を飛ばしても目的とした食感が得難く、必要以上に長い焼成工程が必要となるため、焼成チョコレート様食品の風味劣化や、焦げ臭が発生する場合がある。
本発明でいう無脂乳固形分とは、乳に含まれる、水と乳脂以外の成分をいう。本発明においては、無脂乳固形分を含有する原材料として、乳に由来する各種の製品を使用でき、特に粉末状であるものが好ましい。具体的には、全脂粉乳、脱脂粉乳、ハイファット全粉乳、ホエイパウダー、バターミルクパウダー、カゼインなどが挙げられる。好ましくは全脂粉乳、脱脂粉乳、ホエイパウダー、より好ましくは全脂粉乳、脱脂粉乳、最も好ましくは全脂粉乳が使用できる。なお、「糖として別途添加される乳糖」は乳に由来するものではあるが、当業者はこのような乳糖を無脂乳固形分ではなく糖とみなすので、本発明においても、無脂乳固形分とはみなさない。
焼成用チョコレート様食品の無脂乳固形分の配合量は7重量%以上、好ましくは無脂乳固形分を9重量%以上配合することが好ましい。無脂乳固形分の配合量が7重量%未満の場合は焼成食品がべとつきがちになり、それでも乾いた食感にするため焼成時間をとりすぎると焦げ臭が発生する、焦げやすくなるなどの問題が生じる場合がある。無脂乳固形分の配合量の上限は好ましくは30重量%、より好ましくは25重量%、さらに好ましくは22重量%であり、30重量%を超えると焼成チョコレート様食品の食感が堅くなる。
また、ベヘン酸残基を一以上含むトリ飽和グリセリドを油脂成分の一部として含有する油脂が配合されることが好ましい。また、前記油脂を構成する全脂肪酸組成中にベヘン酸残基を2〜30重量%含有することが好ましい。ベヘン酸残基を一以上含むトリ飽和グリセリドの他の飽和脂肪酸残基はパルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸及びベヘン酸の何れかであることが好ましい。ベヘン酸残基を一以上含むトリ飽和グリセリドは、例えばハイエルシン菜種油の極度硬化油に多く含有する。当該トリ飽和グリセリドを構成するベヘン酸残基が、油脂成分の全脂肪酸組成中に0.1〜5重量%、望ましくは0.5〜3重量%の割合で含まれるように使用するのが好ましい。一分子中にベヘン酸残基を一個以上含むトリ飽和グリセリドは少量の配合でも焼成用チョコレート様食品の保形性を向上させるため、焼成前の状態でたとえSFC(固体脂含量、後述)が低い、本来なら保形性が低くて作業しにくい状態のチョコレート様食品であっても、口溶けを悪化させない程度に保形性を維持することが可能となる。よって、ベヘン酸残基が0.1未満の場合は油脂組成を焼成前作業が行ないやすいSFCに調整することが難しく、用いた油脂のSFCが低い場合は、焼成による糖の骨格が形成される前に油脂が染み出したり、形が崩れたり、また焼成後の耐熱性が低いものになりかねない。また、トリ飽和グリセリドによらずにSFCを高くすることで保形性を付与するとソフトな食感が得にくくなる。3.0重量%を超えると、焼成後の耐熱性は得られるが口溶けはわるくなりがちで、焼成用チョコレート様食品自体が硬くなってしまい、焼成前作業が難しくなる。
本明細書における繊維質とは、食物に含まれている人の消化酵素では消化されにくい難消化性の成分、いわゆる食物繊維質である。繊維質は食品に用いられるものであれば特に限定はされないが、カカオ繊維質、パルプ繊維質、酢酸菌産出繊維質およびイヌリン繊維質からなる群より選択される一種以上が例示できる。好ましくは、繊維質は不溶性食物繊維であり、例えばパルプ繊維質より得られる、粉末セルロースや、セルロースを加工した微結晶セルロース等を使用することが好ましい。チョコレート様食品に対して、含まれる繊維質の総和が1重量%以上、好ましくは2重量%以上、より好ましくは6重量%以上であることが望ましい。繊維質の配合量の上限は特にないが、好ましくは15重量%以下、より好ましくは10重量%以下であることが望ましい。15重量%を超えると風味や粘度などの物性に悪影響を与える場合があり、商品の設計上制限を受けやすい。
焼成は、例えばオーブン、電子レンジ等を用いて行うことが出来る。焼成の程度は特に限定はされないが、焼成用チョコレート様食品の全体が加熱凝固したような状態まで加熱する方がより強い耐熱性を得られる。オーブンの場合、通常110〜250℃で、数秒〜数十分間の範囲にあり、より好ましくは130〜180℃の範囲が適している。焼成温度が高すぎると、表面が焦げる場合があり、低すぎると、焼成チョコレート様食品に耐熱性を持たせるまでに長い焼成時間を要する場合がある。
本発明の焼成用チョコレート様食品を用いた焼成後の焼成チョコレート様食品は、焼成により膨化して層状化することを特徴とし、一般的なチョコレート様食品とは異なるサクサク、ほろほろとした口溶けの良好なチョコレート様食品が得られる。膨化して層状化した焼成チョコレート様食品が得られるが、特に澱粉類を配合する必要が無く、また製造工程においては焼成前に特に含気させる工程を実施しなくとも、実質的に加熱工程のみで前記形状的特徴と食感を得ることができる。
以下に本発明の実施例を示し、本発明をより詳細に説明するが、本発明の精神は以下の実施例に限定されるのもではない。なお、例中、%および部はいずれも重量基準を意味する。
植物油脂A〜Dの調整に用いる、硬さの異なる油脂として、パーム油を主成分とした低トランスの配合油脂(パーツa、パーツb)を用いてSFCを調節した。
<配合油脂(パーツa、パーツb)の作製方法>
パーム油60重量部、パーム油分別高融点部20重量部およびパーム極度硬化油20重量部からなる配合油(ヨウ素価37)を、ナトリウムメチラートによりランダムエステル交換を行いエステル交換油脂を得た。かかるエステル交換油脂をアセトン2段分別により、ヨウ素価32の中融点部、ヨウ素価63の低融点部を得た。得られた油脂を常法に従い精製して中融点部をパーツa、低融点部をパーツb、として以下の検討に用いた。
<食用油脂Aの作製方法>
植物油脂Aを、パーツa23.5重量%と、パーツb75.0重量%にハイエルシン菜種油を極度硬化した油脂を1.5重量%配合して調製した。
ハイエルシン菜種油を極度硬化した油脂は、油脂の脂肪酸組成をガスクロマトグラフィーにより測定したところ、ベヘン酸45重量%、アラキン酸10重量%、ステアリン酸40重量%、パルミチン酸5重量%であり、全て飽和脂肪酸であった。
SFC値は、IUPAC.2 150 SOLID CONTENT DETERMINATION IN FATS BY NMRに準じて測定した。なお、以降SFCという場合は、植物油脂だけでなく、カカオマスおよびココア等のカカオ由来原料に含まれるカカオバターおよび全脂粉乳中の乳脂肪等を合わせた、焼成用チョコレート様食品の全油脂分についてのSFCをいう。より具体的に、例えば実施例1においては、焼成用チョコレート様食品中の全油脂分は、植物油脂A29.3部に、カカオバター7.3部、および全脂粉乳20部中の乳脂肪分(約5部)をあわせたものに相当する。
<食用油脂Bの作製方法>
植物油脂Bはパーツa3.25重量%とパーツb96.0重量%にハイエルシン菜種油を極度硬化した油脂を0.75重量%配合して調製した。
<食用油脂Cの作製方法>
植物油脂Cはパーツa96.0重量%と、パーツb4.0重量%配合して調製した。
<食用油脂Dの作製方法>
植物油脂Dはパーツbを100.0重量%用いた。
<焼成チョコレート様食品の作製方法>
表1、表3、表5、表7記載の配合にて常法によりロール掛け、コンチング処理して焼成用チョコレート様食品を調製した。この焼成用チョコレート様食品を25℃に温調した後にアルミカップに7g充填して160℃のオーブンで14分焼成した。特に記載なき場合は14分で焼成し、配合する生地の状態により焼成時間を調整した場合は焼成時間を延長した時間を記載した。
<評価方法>
(1)食感評価方法
焼成後のチョコレートを下記基準によりサンプル毎に評価した。
◎:非常に良好
〇:良好
△:許容範囲内
×:不良
(2)耐熱性
30℃で24時間保管後のチョコレート表面の状態を評価した。
〇=べたつかない ×=べたつく
(3)室温作業性
コンチング処理した焼成用チョコレート様食品を25℃に温調後、アルミカップ充填時の作業性を評価した。
〇=良好 ×=不可
(4)総合評価
下記基準により総合判定を行った。
◎:非常に良好
○:良好
△:許容範囲内
×:不可
(実施例1)
繊維質として、イヌリン繊維質であるオラフティHP(ベネオ社製)を1重量部使用し、表1記載の配合にて、焼成チョコレート様食品を作製した。評価結果を表2に纏めた。
本明細書において用いた全脂粉乳の成分組成は、全脂粉乳全体を100gとして、水分が2.6g、蛋白質が27.1g、脂質が25.5g、炭水化物が38.9gおよび灰分が5.9gである。
(実施例2)
繊維質として、粉末セルロースであるKCフロックW−100G(日本製紙株式会社製)を2重量部使用し、表1記載の配合にて、焼成チョコレート様食品を作製した。評価結果を表2に纏めた。
(実施例3)
繊維質として、粉末セルロースであるKCフロックW−100G(日本製紙株式会社製)を6重量部使用し、表1記載の配合にて、焼成チョコレート様食品を作製した。評価結果を表2に纏めた。
(実施例4)
繊維質として、微結晶セルロースであるComprecel 105QD(明台化工有限公司社製)を6重量部使用し、表1記載の配合にて、焼成チョコレート様食品を作製した。評価結果を表2に纏めた。
(実施例5)
繊維質として、イヌリン繊維質であるオラフティHP(ベネオ社製)を6重量部使用し、表1記載の配合にて、焼成チョコレート様食品を作製した。評価結果を表2に纏めた。
(実施例6)
繊維質として、微結晶セルロースであるComprecel 105QD(明台化工有限公司社製)を10重量部使用し、表1記載の配合にて、焼成チョコレート様食品を作製した。評価結果を表2に纏めた。
(比較例1)
繊維質を使用しないで、表1記載の配合にて、焼成チョコレート様食品を作製した。評価結果を表2に纏めた。
(比較例2)
繊維質として、微結晶セルロースであるComprecel 105QD(明台化工有限公司社製)を15重量部使用し、表1記載の配合にて、焼成チョコレート様食品を作製した。評価結果を表2に纏めた。
Figure 0006128205
Figure 0006128205
表2の考察
・実施例1〜5では、比較例1とは異なるサクサク、ほろほろとした口溶けの良好な食感の焼成チョコレート様食品が得られた。
・比較例1は、サクサクとした食感がなく、ねちゃついていた。
・実施例1〜6の対比では、実施例4の食感が最も良好であった。実施例5、実施例6は、実施例4とほぼ同等の食感を示したが、若干30℃の耐熱性が劣っていた。
・比較例2は、食感は良好であったが、十分な30℃耐熱性が得られなかった。
図1、図2の考察
・実施例3の焼成後のチョコレート様食品の断面組織(図1)は、比較例1の焼成後のチョコレート様食品の断面組織(図2)と較べて、膨化して層状化している。時間が経過すると、若干落ち込むが、喫食すると、澱粉類を使用していないにも関わらず、澱粉類を用いた焼き菓子のようなサクサク感が得られた。
(実施例7)
無脂乳固形分として、全脂粉乳を10重量部使用し、表3記載の配合にて、焼成チョコレート様食品を作製した。無脂乳固形分が7.2重量%に相当する焼成チョコレート様食品が得られた。
この焼成用チョコレート様食品を実施例1と同様の条件で焼成したところ、べたべたで耐熱性はなく、目標とする食感にはならなかった。さらに焼成を5分長くしたところ、少しべたつき、ややねちゃつく食感になった。実施例1よりも焼成時間を5分延長した焼成チョコレート様食品の評価結果を表4に纏めた。
(実施例8)
無脂乳固形分として、全脂粉乳を20重量部使用し、表3記載の配合にて、焼成チョコレート様食品を作製した。無脂乳固形分が14.4重量%に相当する焼成チョコレート様食品が得られた。評価結果を表4に纏めた。
(実施例9)
無脂乳固形分として、全脂粉乳を30重量部使用し、表3記載の配合にて、焼成チョコレート様食品を作製した。無脂乳固形分が21.6重量%に相当する焼成チョコレート様食品が得られた。評価結果を表4に纏めた。
(比較例3)
無脂乳固形分を使用しないで、表3記載の配合にて、焼成チョコレート様食品を作製した。この焼成用チョコレート様食品を実施例1と同様の条件で焼成したところ、べたべたで耐熱性はなく、目標とする食感にはならなかった。さらに焼成を10分長くしたところ、焼成チョコレート様食品が焦げてしまった。実施例1と同様の焼成時間で得られた焼成チョコレート様食品の評価結果を表4に纏めた。
Figure 0006128205
Figure 0006128205
表4の考察
・実施例7〜9では、比較例3とは異なるサクサク、ほろほろとした口溶けの良好な食感の焼成チョコレート様食品が得られた。
・実施例7〜9の対比では、実施例8の食感が最も良好な結果となった。実施例7は、ややねちゃつく食感になった。実施例9では食感が少し堅い結果となった。
(実施例10)
乳化剤として、ショ糖混合脂肪酸エステルであるHLB=15のDKエステルF160(第一工業製薬株式会社製)を0.6重量部使用し、表5記載の配合にて、焼成チョコレート様食品を作製した。評価結果を表6に纏めた。
(実施例11)
乳化剤として、ショ糖混合脂肪酸エステルであるHLB=15のDKエステルF160(第一工業製薬株式会社製)を0.4重量部使用し、表5記載の配合にて、焼成チョコレート様食品を作製した。評価結果を表6に纏めた。
(実施例12)
乳化剤として、ショ糖混合脂肪酸エステルであるHLB=15のDKエステルF160(第一工業製薬株式会社製)を0.3重量部使用し、表5記載の配合にて、焼成チョコレート様食品を作製した。評価結果を表6に纏めた。
(比較例4)
乳化剤として、ショ糖混合脂肪酸エステルであるHLB=15のDKエステルF160(第一工業製薬株式会社製)を1.0重量部使用し、表5記載の配合にて、焼成チョコレート様食品を作製した。評価結果を表6に纏めた。
(比較例5)
乳化剤として、ショ糖混合脂肪酸エステルであるHLB=15のDKエステルF160(第一工業製薬株式会社製)を0.1重量部使用し、表5記載の配合にて、焼成チョコレート様食品を作製した。評価結果を表6に纏めた。
Figure 0006128205
Figure 0006128205
表6の考察
・実施例10、実施例11では、比較例4、比較例5とは異なるサクサク、ほろほろとした口溶けの良好な食感の焼成チョコレート様食品が得られた。30℃耐熱性と、作業性も良好であった。
・実施例12の食感は、実施例10、実施例11には劣るがほろほろとした食感が得られた。
・比較例4は、耐熱性は良く、食感はややほろほろしていたが、後口がねちゃつくものになっていた。
・比較例5は、耐熱性は良いが、食感ががりがりしており、実施例10〜実施例12より劣っていた。
(実施例13)
HLBが9以上の乳化剤として、ショ糖ステアリン酸エステルであるHLB=11のリョートーシュガーエステルS1170(三菱化学フーズ株式会社製)を0.4重量部使用し、表7記載の配合にて、焼成チョコレート様食品を作製した。評価結果を表8に纏めた。
(実施例14)
HLBが9以上の乳化剤として、ショ糖ステアリン酸エステルであるHLB=16のリョートーシュガーエステルS1670(三菱化学フーズ株式会社製)を0.4重量部使用し、表7記載の配合にて、焼成チョコレート様食品を作製した。評価結果を表8に纏めた。
(実施例15)
HLBが9以上の乳化剤として、ショ糖混合脂肪酸エステルであるHLB=15のDKエステルF160(三菱化学フーズ株式会社製)を0.4重量部使用し、表7記載の配合にて、焼成チョコレート様食品を作製した。評価結果を表8に纏めた。
(実施例16)
HLBが9以上の乳化剤として、ショ糖オレイン酸エステルであるHLB=15のリョートーシュガーエステルO1570(三菱化学フーズ株式会社製)を0.4重量部使用し、表7記載の配合にて、焼成チョコレート様食品を作製した。評価結果を表8に纏めた。
(実施例17)
HLBが9以上の乳化剤として、ポリグリセリン脂肪酸エステルであるHLB=10のリョートーポリグリエステルS24D(三菱化学フーズ株式会社製)を0.4重量部使用し、表7記載の配合にて、焼成チョコレート様食品を作製した。評価結果を表8に纏めた。
(実施例18)
HLBが9以上の乳化剤として、ジアセチル酒石酸ステアリンモノグリであるHLB=9.5のポエムW−60(理研ビタミン株式会社製)を0.4重量部使用し、表7記載の配合にて、焼成チョコレート様食品を作製した。評価結果を表8に纏めた。
(実施例19)
HLBが9以上の乳化剤として、ポリグリセリン脂肪酸エステルであるHLB=16のポエムJ0021(理研ビタミン株式会社製)を0.4重量部使用し、表7記載の配合にて、焼成チョコレート様食品を作製した。評価結果を表8に纏めた。
(実施例20)
HLBが9以上の乳化剤として、ポリグリセリン脂肪酸エステルであるHLB=14のポエムJ0381(理研ビタミン株式会社製)を0.4重量部使用し、表7記載の配合にて、焼成チョコレート様食品を作製した。評価結果を表8に纏めた。
(実施例21)
HLBが9以上の乳化剤として、ポリソルベートであるHLB=16のウィルサーフTF60(日油株式会社製)を0.4重量部使用し、表7記載の配合にて、焼成チョコレート様食品を作製した。評価結果を表8に纏めた。
(実施例22)
HLBが9以上の乳化剤として、ポリソルベートであるHLB=16のウィルサーフTF80(日油株式会社製)を0.4重量部使用し、表7記載の配合にて、焼成チョコレート様食品を作製した。評価結果を表8に纏めた。
(比較例6)
乳化剤を使用しない以外は、表7記載の配合にて、焼成チョコレート様食品を作製した。評価結果を表9に纏めた。
(比較例7)
乳化剤として、ショ糖ステアリン酸エステルであるHLB=0のリョートーシュガーエステルS070(三菱化学フーズ株式会社製)を0.4重量部使用し、焼成チョコレート様食品を作製した。評価結果を表9に纏めた。
(比較例8)
乳化剤として、ショ糖ステアリン酸エステルであるHLB=5のリョートーシュガーエステルS570(三菱化学フーズ株式会社製)を0.4重量部使用し、焼成チョコレート様食品を作製した。評価結果を表9に纏めた。
(比較例9)
乳化剤として、ショ糖ステアリン酸エステルであるHLB=7のリョートーシュガーエステルS770(三菱化学フーズ株式会社製)を0.4重量部使用し、焼成チョコレート様食品を作製した。評価結果を表9に纏めた。
(比較例10)
乳化剤として、コハク酸ステアリンモノグリであるHLB=5.5のポエムB30(理研ビタミン株式会社製)を0.4重量部使用し、表7記載の配合にて、焼成チョコレート様食品を作製した。評価結果を表9に纏めた。
(比較例11)
乳化剤として、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルであるHLB=1のポエムPR100(理研ビタミン株式会社製)を0.4重量部使用し、表7記載の配合にて、焼成チョコレート様食品を作製した。評価結果を表9に纏めた。
Figure 0006128205
Figure 0006128205
Figure 0006128205
表8、表9の考察
・実施例13〜22では、比較例6〜11とは異なるサクサク、ほろほろとした口溶けの良好な食感の焼成チョコレート様食品が得られた。30℃耐熱性と、作業性も良好であった。実施例16〜22の食感は、実施例13〜15と較べてさくさく感が若干劣っていた。
・比較例6 乳化剤無添加の食感は、硬くてがりがりとしていた。
・比較例7〜10の食感は、後口がねちゃつくものになっていた。
・比較例11の食感は、さくさくせず堅い食感であった。
(実施例23)
植物油脂Aに替えて植物油脂Bを使用する以外は、表7記載の配合にて、実施例13同様に焼成チョコレート様食品を作製した。評価結果を表10に纏めた。なお、実施例13の結果も記載した。
(比較例12)
植物油脂Aに替えて植物油脂Cを使用する以外は、表7記載の配合にて、実施例13同様に焼成チョコレート様食品を作製した。評価結果を表10に纏めた。
(比較例13)
植物油脂Aに替えて植物油脂Dを使用する以外は、表7記載の配合にて、実施例13同様に焼成チョコレート様食品を作製した。評価結果を表10に纏めた。
Figure 0006128205
表10の考察
・実施例13、実施例23では、比較例12、比較例13とは異なるサクサク、ほろほろとした口溶けの良好な食感の焼成チョコレート様食品が得られた。実施例23は、実施例13と較べて少しソフトな食感が得られた。
・比較例12の食感は、堅くガリガリとしていた。作業時にも硬く作業がしにくいものであった。
・比較例13の食感は、若干ほろほろとした感じがあるものの、油脂がやわらかすぎで、焼成前の作業性が悪く、耐熱性が低いものとなり総合評価は不合格であった。
本発明により、従来の焼成チョコレート様食品とは異なり、水または水性原料を添加せずに、また水を表面に噴霧せずに、平易な方法にて、新規な食感をもつ焼成チョコレート様食品を提供することができる。

Claims (7)

  1. HLBが9以上の乳化剤を0.2〜0.8重量%、無脂乳固形分を7重量%以上、パルプ繊維質およびイヌリン繊維質からなる群より選択される一種以上である食物繊維を1重量%以上含有し、カカオマスを含有しないチョコレート様食品であって、含有する全油脂の混合物のSFCが20℃で5〜40%、10℃で15〜60%であり、焼成前の水分含有量が3重量%未満である、焼成用チョコレート様食品。
  2. HLBが9以上の乳化剤としてショ糖脂肪酸エステルを使用する請求項1に記載の焼成用チョコレート様食品。
  3. 焼成用チョコレート様食品を構成する全油脂中にベヘン酸残基を含むトリ飽和グリセリドを含有し、全油脂の全脂肪酸組成中のベヘン酸残基の割合が0.1〜5重量%である、請求項1または請求項2に記載の焼成用チョコレート様食品。
  4. HLBが9以上の乳化剤をリファイニング以前の工程にて添加することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の焼成用チョコレート様食品の製造法。
  5. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の焼成用チョコレート様食品単独、または別の可食物と組み合わせて焼成してなる焼成チョコレート様食品。
  6. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の焼成用チョコレート様食品を使用した、焼成により膨化して層状化することを特徴とする焼成チョコレート様食品の食感改良方法。
  7. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の焼成用チョコレート様食品を使用し、焼成前に含気させる工程を有しない焼成チョコレート様食品の製造法。
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