JP3406562B2 - ベーカリー製品用チョコレートチップ - Google Patents
ベーカリー製品用チョコレートチップInfo
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Description
キ、焼き菓子などのベーカリー製品に含有させるのに適
したチョコレートチップに関する。
ー製品にチョコレートチップを含有させた製品が市販さ
れている。これらのチョコレートチップは、ベーカリー
製品の生地中に添加され、生地と一緒に所定形状に成形
され、焼成される。このため、上記チョコレートチップ
は、生地を焼成する際に溶融し、焼成後に冷却されて再
びチップ状に固まることになる。
融して固まるときに、ブルームと呼ばれる、表面に白い
粉をふいたようになる現象が生じて、商品価値が著しく
低下することがある。そして、ベーカリー製品に含有さ
れるチョコレートチップにおいては、生地の焼成の際に
必ず溶融するので、ブルームが生じやすいという問題点
があった。
含むミルクチョコレートは、ブルームが生じにくいの
で、ベーカリー製品用のチョコレートチップとしてよく
用いられていた。
脂肪酸として炭素数20〜24の飽和脂肪酸を15〜7
0質量%、炭素数16〜22の不飽和脂肪酸を20〜6
0質量%含有し、かつ1分子中に炭素数20〜24の飽
和脂肪酸残基及び炭素数16〜22の不飽和脂肪酸残基
を少なくとも各1個以上有する混酸基トリグリセリドを
40〜100質量%含有する油脂組成物からなるファッ
トブルーム防止剤が開示されている。
素数20〜24の飽和脂肪酸を構成脂肪酸とする1,3
位飽和2位不飽和型グリセリドを油脂成分中に含有する
吸油膨潤防止機能を有するチョコレートと、焼き菓子と
を組み合わせてなる複合菓子が開示されている。ここ
で、組み合わせとしては、焼き菓子をチョコレート中に
埋没したり、あるいは該焼き菓子類にチョコレート類を
コーティングまたはサンドされるなどの態様が例示され
ている。
固形分を比較的多く含むミルクチョコレートを、ベーカ
リー製品用のチョコレートチップとして用いた場合、焼
成時に無脂乳固形分に由来する蛋白質が凝固して食感が
硬くなるとともに、チョコレート本来の風味が充分に得
られないという問題があった。
リグリセリドによるブルーム防止効果は、周囲の温度が
上昇したときに、製品中のカカオ脂は溶けても、上記ト
リグリセリドが溶融せずに組織を保つことによってもた
らされると考えられていた。しかし、ベーカリー製品用
チョコレートチップのように200℃程度の温度で焼成
された場合には上記トリグリセリド自体も溶融してしま
うため、同様な作用、効果がもたらされるかは不明であ
った。
れた複合菓子は、既に焼成した焼き菓子とチョコレート
類とを複合させたものであり、その際の焼き菓子からチ
ョコレートへの油脂の移行を防止することを目的として
いて、ベーカリー製品用チョコレートチップのように、
焼き菓子の生地中にチョコレートを含有させて、焼き菓
子と一緒に焼成するような製品は意図していない。
後のブルームが防止され、ソフトな食感が維持され、チ
ョコレート風味の強いベーカリー製品用チョコレートチ
ップを提供することにある。
め、本発明のベーカリー製品用チョコレートチップは、
ベーカリー製品の生地中に添加され、生地と一緒に所定
形状に成形され、焼成されるチョコレートチップであっ
て、混酸基トリグリセリドとして1,3−ジベヘノイル
−2−オレイルグリセリドを0.3〜3質量%、及び無
脂乳固形分を1〜12質量%含有することを特徴とす
る。
ップは、上記特定量の1,3−ジベヘノイル−2−オレ
イルグリセリド及び無脂乳固形分を含有するので、ベー
カリー製品の生地中に添加して生地と一緒に焼成して
も、ブルームが生じにくく、ソフトな食感を保つことが
でき、チョコレート本来の風味が強いチョコレートチッ
プを得ることができる。
ップは、混酸基トリグリセリドが含まれていないベーカ
リー製品の生地に添加して使用されることが好ましい。
1分子中に炭素数20〜24の飽和脂肪酸残基および炭
素数16〜22の不飽和脂肪酸残基を少なくとも各1個
以上有する混酸基トリグリセリドとして、1,3−ジベ
ヘノイル−2−オレイルグリセリド(BOB)を含有す
る。
チップ中の含有量は、0.3〜3質量%とする必要があ
る。上記混酸基トリグリセリドのチョコレートチップ中
の含有量が、0.3質量%未満では、ブルーム防止効果
が乏しくなり、3質量%を超えると、チョコレートチッ
プの口溶けが悪くなるという問題がある。
を所定量以上含むことを要件とする法令乃至規約上のチ
ョコレートに限定されず、カカオ脂以外のテンパリング
型ハードバター、非テンパリング型ハードバターである
トランス酸型ハードバター又はエステル交換して脂肪酸
配列をランダム化したハードバターあるいはラウリン等
の油脂を使用したチョコレート類をも包含する。
しては、チョコレートに一般に用いられている原料が使
用できる。すなわち、カカオマス;砂糖等の糖類;ココ
アバター;乳脂、脱脂粉乳等の乳製品;香料;その他の
油脂類等である。
形分(乳製品に由来する蛋白質、糖等の固形分含量)を
1〜12質量%含有する必要がある。無脂乳固形分が1
質量%未満では、上記混酸基トリグリセリドを添加して
もブルームを充分に防止できなくなり、無脂乳固形分が
12質量%を超えると、焼成した後の食感が硬くなると
共に、チョコレート本来の風味が乏しくなる。本発明に
おいては、無脂乳固形分を3〜8質量%含有することが
好ましい。
チョコレートの製造工程によって製造することができ
る。例えばカカオマス、砂糖、脱脂粉乳、香料、混酸基
トリグリセリド等を混合して生地を調製し、リファイナ
ーに通した後、コンチングを行い、ココアバター、乳
脂、香料を添加して得た原液を、所定温度まで冷却して
テンパリングを行い、鋳込み成形、分注成形、押出し成
形などの方法で成形後、必要に応じてカッティングなど
を行ってチップ状にすることにより、製造することがで
きる。
ン、ケーキ、焼き菓子(特にビスケット、クッキー)な
どの各種のベーカリー製品に含有させることができる。
この場合、本発明のチョコレートチップは、パン生地、
ケーキ生地、又は焼き菓子の生地に直接添加され、所望
により所定形状に成形された後、これらの生地と一緒に
焼成されてベーカリー製品となる。こうして得られるベ
ーカリー製品中に含まれるチョコレートチップは、ブル
ームが防止され、ソフトな食感が保たれ、しかもチョコ
レート本来の風味を有している。
た。なお、表1中の配合量は、いずれも質量部を意味す
る。
製造の常法に従って混合、リファイニング、コンチング
を行い、チョコレート原液を作成した。得られたチョコ
レート原液をテンパリング処理し、一塊の重量が約0.
2〜1.0gのチョコレートチップを成形し、5℃で2
0分間冷却固化してチョコレートチップを製造した。
比較例1〜4の各チョコレートチップを用いて、下記表
2の配合によりクッキーを製造した。なお、表2中の配
合量は、いずれも質量部を意味し、以下の説明における
部も質量部を意味する。
て、シュガーバッター法により調製した生地840部に
対して、上記チョコレートチップを160部加え混合し
た後、約10部に小分けして、固定オーブンの場合、1
80℃で7〜8分間焼成し、バンドオーブンの場合、2
00〜240℃で8〜10分間焼成し、チョコチップが
分散しているクッキーを得た。
ームの発生サイクルテスト、チョコレートの食感につい
ての官能試験、焦げ具合の評価を行った。この結果を表
3に示す。
混酸基トリグリセリド及び無脂乳固形分を添加した実施
例1〜4のチョコレートチップは、上記混酸基トリグリ
セリドを添加しない比較例1〜3のチョコレートチッ
プ、無脂乳固形分を添加しない比較例4に比べて、焼成
後もソフトな食感が維持され、ブルームの発生も少ない
ことがわかる。
B)を用い、その添加量が0.7部である実施例3のチ
ョコレートチップにおいては、ブルームの発生防止効果
がやや弱いことがわかる。
コレートチップについて、総炭素数によるトリグリセラ
イド組成の分析を行った。すなわち、各チョコレート原
液から、有機溶媒を用いて油を抽出し、これをガスクロ
マトグラフィーにかけ、無極性カラムを使用し、オンカ
ラム注入法にて、トリグリセライド組成の分析を行っ
た。また、油脂Aの総炭素数62(C62)をBOBと
し、チョコレートチップ中のBOB含有率を実施例1〜
3について分析結果より算出した。これらの結果を表4
に示す。
特定量の1,3−ジベヘノイル−2−オレイルグリセリ
ド及び無脂乳固形分を含有させることにより、ベーカリ
ー製品の生地中に添加して生地と一緒に焼成しても、ブ
ルームが生じにくく、ソフトな食感を保つことができ、
チョコレート本来の風味が強いチョコレートチップを得
ることができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 ベーカリー製品の生地中に添加され、生
地と一緒に所定形状に成形され、焼成されるチョコレー
トチップであって、混酸基トリグリセリドとして1,3
−ジベヘノイル−2−オレイルグリセリドを0.3〜3
質量%、及び無脂乳固形分を1〜12質量%含有するこ
とを特徴とするベーカリー製品用チョコレートチップ。 - 【請求項2】 混酸基トリグリセリドが含まれていない
ベーカリー製品の生地に添加して使用される、請求項1
記載のベーカリー製品用チョコレートチップ。
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