JP4587884B2 - ファットブルーム防止ココアパウダー - Google Patents

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本発明は、ファットブルームが防止されたココアパウダーおよびその製造方法に関する。
チョコレートは、保存中保形性を失うような体温付近の温度に一定時間置かれた場合、不安定結晶に基づくファットブルーム現象を起こし、商品価値を失うことが問題となっている。しかし、それを防ぐためにBOB(1,3−ジベヘノイル−2−オレオイル−sn−グリセロール)のような1,3-ジ飽和アシル-2−不飽和アシル-グリセリンの高融点油脂結晶を添加する方法が報告されている(特許文献1及び2)。ファットブルーム現象とは、光沢のある状態から白く粉をふいたような状態に変化することを指す。チョコレートに含まれるココアバターは結晶多形性の油脂であり、冷却固化する時の条件により、前記のような現象が起こる。ココアバターのV型の結晶は極めて小さく、結晶が大きく成長することがないため、V型結晶を析出させた状態で固化させると、ファットブルーム現象がなく非常に光沢のあるものができる。チョコレートを作る場合、このV型結晶を析出させるためにテンパリング操作を行う。チョコレートのファットブルーム現象を防止するための方法とは、チョコレート製造の常法により、混合、ロール掛け、コンチングしてチョコレート生地を50〜60℃で溶融状態に調製し、これを品温が30〜33℃まで冷却した状態で攪拌しながら、1,3-ジ飽和アシル-2−不飽和アシル-グリセリンの粉末結晶を添加して、15℃(又は4℃)で冷却固化して製造する方法である(特許文献2及び非特許文献1)。
特開昭63-240745号公報 特開平7-123922号公報 蜂屋 巌ら他2名、食品工業 日本、1989年11月30日発行、32巻、22号、P44
ココアパウダーも適切なテンパリングが行われないと、ファットブルーム現象が発生し、白っぽくくすんだ色に変化してくる。しかしながら、お湯や牛乳に溶かしてしまえば、ファットブルーム現象の有無が飲用ココアとしての品質に影響するものではなく、糖や粉乳等と混合した調製ココアの状態では、ココアパウダーがファットブルームしていても見た目の違いがあまり感じられないため、チョコレートほど厳密にはテンパリングが行われていない。例えば、70℃程度の品温のココアパウダーを、冷却管中を空気輸送しながら徐々に冷却して20℃まで品温を下げる調温操作は行われているが、チョコレートで行われているテンパリング操作とは異なる。
ココアパウダーは飲用ココア以外に、製菓原料としても使用されている。すなわち、チョコレートやケーキといった菓子に振りかけて見た目をきれいにする、飾りつけ的な使われ方もされている。この場合、見た目をきれいにすることが目的であるため、ココアパウダーがファットブルーム現象により白っぽくくすんでしまうと、鮮やかな彩りにならないため好ましくない。
従って、本発明は、ココアパウダーにおいて、前記の白化が防止され、作りたての色調が保たれたココアパウダーとその製造方法を提供することを課題とした。
発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、下記のようなココアパウダーとその製造方法を提供することにより課題を解決した。
すなわち、
(1)ココアパウダーをカカオバターが融解する温度で、かつ1,3-ジ飽和アシル-2−不飽和アシル-グリセリンが融解する温度に保持しながら、1,3-ジ飽和アシル-2−不飽和アシル-グリセリンを2.5〜10.0重量%添加混合し、前記ココアパウダーを品温5〜25℃に冷却して得られることに特徴のあるココアパウダーの製造方法。
(2)2−不飽和−1,3ジ飽和グリセリドが、1,3−ジベヘノイル−2−オレオイル−sn−グリセロールである(1)に記載のココアパウダーの製造方法。
(3)(1)又は(2)に記載の製造方法により、製造されるココアパウダー。
本発明により得られたココアパウダーは、常温で保存される場合に徐々に結晶転移が起こることによるファットブルームのみならず、ココアバターの融点よりもかなり高温になった場合でもファットブルームの発生を防止することができる。
本発明において、ココアパウダーはカカオマスをココアプレスにより搾油してできたココアケーキを粉砕したもので、カカオバターが全重量の8%以上、水分が全重量の9%以下のものであって、必要により香料、粘性調整剤、ビタミン、ミネラル等を加えた物である。
本発明は、炭素数18以上の不飽和脂肪酸と炭素数20〜24の飽和脂肪酸からなる1,3-ジ飽和アシル-2−不飽和アシル-グリセリンを必須とする。炭素数18以上の不飽和脂肪酸としては例えば、オレイン酸が挙げられ、炭素数20〜24の飽和脂肪酸としては、アラキン酸(C20:0)やベヘン酸(C22:0)などが挙げられる。1,3-ジ飽和アシル-2−不飽和アシル-グリセリンとしては、例えば、BOB(1,3−ジベヘノイル−2−オレオイル−sn−グリセロール)が挙げられる。1,3-ジ飽和アシル-2−不飽和アシル-グリセリンはココアパウダーに溶融状態で添加する。
耐ブルーム性を有するチョコレートを得る場合は、溶融したチョコレート生地を品温30〜33℃にして、1,3-ジ飽和アシル-2−不飽和アシル-グリセリンを添加するが、本発明では、ココアパウダーの品温を30〜33℃にする必要がなく、ココアパウダー中のカカオバターが融解している状態、すなわち40〜70℃でかつ、1,3-ジ飽和アシル-2−不飽和アシル-グリセリンが融解する温度で添加すれば、ファットブルーム防止効果が得られる。前記の添加量はココアパウダーに対して、2.5〜10.0重量%で、好ましくは3.0〜5.0重量%あると、ココアパウダーが50℃以上にさらされた場合でもファットブルームを抑制することができる。
チョコレートでブルームを防止するメカニズムは、例えばBOB結晶を添加した場合、カカオバターが溶融した状態であっても、BOB結晶が溶融せずに結晶状態で残っていれば、カカオバターが固化する温度まで下がった時にBOB結晶を核としてカカオバターがV型結晶となることによる。しかしながら本発明のココアパウダーは、品温がBOBの融点である50℃を越え、BOB自体が融解してしまった状態を経ても、ファットブルームが防止される。従って、製造時、輸送時や保管時に50℃以上になってしまったものでも、ファットブルームが防止され鮮やかな色彩が保たれる。また焼き菓子等に振りかけて使用する場合でも、焼き菓子等が30℃以下まで冷えてからでなく、50℃以上の状態であっても使用できるため、時間の短縮が可能となる。
以下実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、これらは例示であり本発明を限定するものではない。
試験例1
ココアパウダー(明治製菓社製:商品名ピュアココア)を品温40℃にしてチョコシードB(不二製油社製:BOB粉末50重量%、粉糖50重量%)を、ココアパウダーに対して各々4.0、6.0及び10.0重量%添加混合し、品温10℃にて20分間冷却して、BOBの添加量がそれぞれ、2.0、3.0及び5.0重量%のココアパウダーを得た。
得られたココアパウダーを、60℃で2時間曝した後、20℃で1週間保存した。保存の前後で、各サンプルを色彩色差計CR−300(ミノルタ社製)にてハンター色差(L、a、b)の測定を行い、ファットブルームによる色差の変化を調べた。その結果を表1に示す。
Figure 0004587884
BOBを3.0重量%以上添加したココアパウダーは、BOBが融解する温度以上に曝されてもファットブルームが防止された。
1,3-ジ飽和アシル-2−不飽和アシル-グリセリンを融解した状態でココアパウダーと混合して得られたココアパウダーは、保存時におけるファットブルームを防止でき、ケーキ等のトッピングに使用されるココアパウダーの商品価値を高めることができる。


























Claims (3)

  1. ココアパウダーをカカオバターが融解する温度で、かつ1,3-ジ飽和アシル-2−不飽和アシル-グリセリンが融解する温度に保持しながら、1,3-ジ飽和アシル-2−不飽和アシル-グリセリンを2.5〜10.0重量%添加混合し、前記ココアパウダーを品温5〜25℃に冷却して得られることに特徴のあるココアパウダーの製造方法。
  2. 1,3-ジ飽和アシル-2−不飽和アシル-グリセリンが、1,3−ジベヘノイル−2−オレオイル−sn−グリセロールである請求項1記載のココアパウダーの製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の製造方法により、製造されるココアパウダー。































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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH1169945A (ja) * 1997-06-20 1999-03-16 Meiji Seika Kaisha Ltd 顆粒状ココアパウダーの製造方法
JP2000125768A (ja) * 1998-10-22 2000-05-09 Ezaki Glico Co Ltd 成型チョコレート及びその製造法
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