JP6803688B2 - 焼き菓子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、焼き菓子の製造方法に関する。
焼き菓子とは焼いて作る菓子の総称である。和菓子には、せんべい、茶通、鯛焼きなどがある。洋菓子には、クッキー、ビスケット、マドレーヌなどがある。
せんべい、クッキー、ビスケットなどは、生地を特定の立体的な形状に成形せずに焼成すると、扁平な形となる。例えば、特許文献1(特開2008−136479)に記載の焼き菓子では、チーズ、最大膨潤力30以上の澱粉、トレハロースを含む焼き菓子であって、厚みが6mm以下の焼き菓子が開示されている(段落0010)。
成型した焼き菓子の例としては、丸めた生地を焼成することで得られる球状の丸ぼうろ、鯛の形をした型の中で焼成することで得られる鯛焼き等を挙げることができる。
また、例えば、マドレーヌは、焼成することで立体形状となるが、全体的に柔らかく、形状はドーム状である。
特開2008−136479号公報
このように、従来の焼き菓子は、特定の立体的形状とするために生地を予め立体的に成型することや型の中で焼成することを必要とし、立体的に成型をすることなしに円錐状あるいは角錐状の焼き菓子を得ることはできなかった。また、立体的に成型しない焼き菓子の場合、ドーム状の焼き菓子となり、円錐状あるいは角錐状の焼き菓子を得ることはできなかった。そこで、本発明では、円錐状あるいは角錐状等の焼き菓子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意研究の結果、焼き菓子の製造方法であって、
生地原料に、小麦粉、油脂の20℃における固体脂含量が4%以上65%以下である油脂組成物、および膨張剤を含み、
前記小麦粉100質量部に対し、前記油脂組成物は20質量部以上65質量部以下、前記膨張剤は0.01質量部以上6質量部以下であって、
前記油脂組成物を含む生地原料と前記膨張剤を練り込み混合することを含む、生地を得る工程、
得られた前記生地をワイヤーカット成型し、成型生地を得る工程、および、
得られた前記成型生地を150℃〜270℃で焼成する工程、
を含む、前記製造方法により、円錐状や角錐状等の立体的な焼き菓子を得られることを見出した。
本発明によれば、円錐状や角錐状等の立体的な焼き菓子を得ることができる。
焼成した焼き菓子の形状(外観)の一例を示したものである。外観の評価の基準において、写真1は「☆」、写真2は「○」、写真3は「×」に相当するものである。
本発明は、焼き菓子の製造方法であって、
生地原料に、小麦粉、油脂の20℃における固体脂含量が4%以上65%以下である油脂組成物、および膨張剤を含み、
前記小麦粉100質量部に対し、前記油脂組成物は20質量部以上65質量部以下、前記膨張剤は0.01質量部以上6質量部以下であって、
前記油脂組成物を含む生地原料と前記膨張剤を練り込み混合することを含む、生地を得る工程、
得られた前記生地をワイヤーカット成型し、成型生地を得る工程、および、
得られた前記成型生地を150℃〜270℃で焼成する工程、
を含む、前記製造方法である。
前記油脂組成物の油脂含量が70質量%以上100質量%以下であることが好ましい。
前記膨張剤が、重炭酸ナトリウムおよび重炭酸アンモニウムのいずれか1種又は2種であることが好ましい。
前記油脂組成物の混合前温度を、前記油脂組成物中の油脂の固体脂含量が6%以上42%以下となる温度とすることが好ましい。
生地を得る前記工程が、(1)前記油脂組成物および前記小麦粉を混合した後、前記膨張剤を練り込み混合する、(2)前記油脂組成物、前記小麦粉、および前記膨張剤を練り込み混合する、および(3)前記油脂組成物に前記膨張剤を練り込み混合した後に前記小麦粉を練り込み混合する、から選ばれるいずれか一種を含むことが好ましい。
前記成型生地を、ワイヤーカット成型時の押し出し方向の面を下にして焼成することが好ましい。
前記生地原料に、さらに、糖類を含み、前記小麦粉100質量部に対し、3質量部以上40質量部以下であることが好ましい。
前記糖類が、上白糖、ショ糖、ブドウ糖、乳糖、麦芽糖、マルチトール、トレハロース、デキストリンから選ばれる1種又は2種以上であることが好ましい。
本発明で使用される油脂組成物中の油脂の20℃における固体脂含量は、4%以上65%以下であり、通常市販されているものを使用することができる。前記油脂組成物の配合量は、小麦粉100質量部に対し、20質量部以上65質量部以下であり、好ましくは25質量部以上62質量部以下であり、より好ましくは28質量部以上62質量部以下である。
また、前記油脂組成物中の油脂の20℃における固体脂含量は、好ましくは10%以上48%以下であり、より好ましくは15%以上45%以下である。前記固体脂含量とすることで、外観の良い焼き菓子を製造することができる。一方、外観と食感のバランスの点で、前記油脂組成物中の油脂の20℃における固体脂含量は、好ましくは15%以上40%以下であり、より好ましくは15%以上35%以下である。
また、前記油脂組成物中の油脂の30℃における固体脂含量は、好ましくは2%以上30%以下であり、より好ましくは3%以上25%以下であり、さらに好ましくは3%以上15%以下であり、最も好ましくは3%以上10%以下である。
また、前記油脂組成物の混合前温度は特に限定されないが、前記油脂組成物中の油脂の固体脂含量が好ましくは6%以上42%以下、より好ましくは10%以上38%以下、さらに好ましくは11%以上35%以下となる温度である。所定の固体脂含量となる温度で配合することで外観等の良好な焼き菓子を得ることができる。なお、前記油脂組成物の混合前温度は、予め前記油脂組成物中の油脂の固体脂含量を測定しておくことで決めることができる。
また、前記油脂組成物を混合する際の生地原料の温度は特に限定されないが、15℃以上40℃以下が好ましく、15℃以上35℃以下がより好ましい。
前記油脂組成物の油脂含量は、好ましくは70質量%以上100質量%以下であり、より好ましくは80質量%以上100質量%以下であり、さらに好ましくは95質量%以上100質量%以下である。
また、前記油脂組成物に含まれる油脂が、小麦粉100質量部に対し、好ましくは15質量部以上65質量部以下、より好ましくは20質量部以上62質量部以下、さらに好ましくは25質量部以上58質量部以下である。
前記油脂組成物に使用される油脂は、特に限定されないが、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、ナタネ油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、オリーブ油、落花生油、カポック油、胡麻油、月見草油、カカオ脂、シア脂、サル脂、牛脂、乳脂、豚脂、魚油、鯨油等の各種植物油脂および動物油脂、並びにこれらに水素添加、分別およびエステル交換から選択される一又は二以上の処理を施した加工油脂が挙げられる。本発明では、これらの中から選ばれた一種又は二種以上を用いることができる。
また、前記油脂組成物は可塑化してもよい。可塑性油脂組成物は一般的な方法で製造すればよい。具体的には、油脂組成物を、コンビネーター、パーフェクター、ボテーターなどに代表される掻き取り式熱交換器を通すことで急冷・混捏した後、箱に充填し、保温庫にて一定時間保持する熟成工程(テンパリング)を経て得ることができる。
また、前記油脂組成物には、製造する業界で公知の添加剤を、本発明の目的を阻害しない範囲で、適宜、添加してもよい。
本発明で使用される小麦粉は、特に限定されないが、例えば、薄力粉、中力粉、強力粉であり、小麦粉として、強力粉が40質量%以上100質量%以下配合することが好ましい。
本発明で使用される膨張剤の配合量は、小麦粉100質量部に対し、0.01質量部以上6質量部以下であり、好ましくは0.05質量部以上6質量部以下であり、より好ましくは0.05質量部以上4質量部以下であり、さらに好ましくは0.1質量部以上3.2質量部以下である。
また、前記膨張剤は、一般的に焼き菓子に使用されるものであって、特に限定されないが、好ましくは、重曹(重炭酸ナトリウム(炭酸水素ナトリウム))および重炭酸アンモニウム(炭酸水素アンモニウム)のいずれか一種又は二種である。また、膨張剤は酸性剤と併用してもよく、例えば、重炭酸ナトリウムと酸性剤の混合品であるベーキングパウダーを使用してもよい。酸性剤の例としては、L−酒石酸水素カリウムが挙げられる。
また、良好な風味を得る点で、重炭酸アンモニウム、および、重炭酸ナトリウムと酸性剤の併用、のいずれか一種であることが好ましい。
前記生地原料には、水を含むことが好ましい。前記水は、前記小麦粉100質量部に対し、好ましくは10質量部以上60質量部以下、より好ましくは15質量部以上50質量部以下である。配合する際の形態は特に問わず、水単独の形態、他の生地原料と混合した形態、あるいは、前記油脂組成物中に含む形態であってもよい。
本発明で使用される糖類は、例えば、上白糖、ショ糖、ブドウ糖、マンノース、乳糖、麦芽糖、マルチトール、トレハロース、ラフィノース、マルトトリオース、デキストリン等である。好ましくは、上白糖、ショ糖、ブドウ糖、乳糖、麦芽糖、マルチトール、トレハロース、デキストリンから選ばれる一種又は二種以上である。特に糖類を添加する必要はないが、小麦粉100質量部に対し、3質量部以上40質量部以下が好ましく、8質量部以上28質量部以下がより好ましい。
本発明の焼き菓子の生地原料の混合方法は、前記油脂組成物を含む生地原料と膨張剤を練り込み混合することが必要である。グルテンの形成を促進する混合方法であることが好ましい。クリーム状に乳化混合した前記油脂組成物を含む生地原料と膨張剤を混合する混合方法では本発明の効果は得られない。
前記混合方法は、(1)前記油脂組成物および前記小麦粉を混合した後、前記膨張剤を練り込み混合する、(2)前記油脂組成物、前記小麦粉、および前記膨張剤を練り込み混合する、および(3)前記油脂組成物に前記膨張剤を練り込み混合した後に前記小麦粉を練り込み混合する、から選ばれるいずれか一種であることが好ましく、(1)および(2)から選ばれるいずれか一種であることがより好ましい。
前記油脂組成物、前記小麦粉および前記膨張剤以外の生地原料の混合のタイミングは特に限定されないが、糖類を混合する場合には、小麦粉と同時に混合する、あるいは、前記油脂組成物、前記小麦粉および前記膨張剤を練り込み混合した後に混合する、ことが好ましい。
本発明では、前記混合により得られた生地をワイヤーカットにより成型をすることを必須とする。ワイヤーカット成型は、種々の口金を通して生地を押し出し、ピアノ線等でカット成型するものであり、口金は円形、楕円形、正方形、長方形、ひし形、星形等の形状の物を用いることができる。口金が円形であれば、円錐形の焼き菓子を作ることができ、正方形であれば、四角錐形の焼き菓子を作ることができる。口金は、成型生地の外周が好ましくは50〜300mm、より好ましくは60〜200mm、さらに好ましくは60〜150mmとなるように選択する。例えば、円形の口金であれば、直径16〜95mmであることが好ましく、直径20〜60mmであることがより好ましく、直径20〜45mmであることがさらに好ましい。また、正方形の口金であれば、一辺の長さが12.5〜75mmであることが好ましく、15〜60mmであることがより好ましく、25〜55mmであることがさらに好ましい。
得られた成型生地は、押し出し方向の面を上もしくは下にして焼成をすることが好ましく、押し出し方向の面を下にして焼成することがより好ましい。
得られた成型生地の焼成は、通常のビスケット等で用いる条件でおこなうことができる。焼成の条件は、好ましくは150〜270℃、2〜60分で、より好ましくは160〜250℃、2〜30分である。
また、本発明の焼き菓子の製造方法において、本発明の効果を損なわない範囲で、クッキー等で使用される副原料を生地に配合してもよい。副原料としては、例えば、脱脂粉乳、チーズフレーバー等の香料、茶パウダー、ココアパウダー等のパウダー類、胡椒等の香辛料、米パフ、膨化型スナック素材、穀物粉、加工穀物粉、ナッツ類、チョコレートチップ等である。また、本発明の効果を損なわない範囲でレシチン等の乳化剤を添加してもよい。
また、本発明の製造方法で得られた焼き菓子に、チョコレート、フォンダン等をコーティングしてもよく、また、粉糖、ココアパウダー、茶パウダー等の紛体を表面にかけてもよい。
以下に、本発明の実施例を示すが、本発明の主旨はこれらに限定されるものではない。
実施に際しては、以下のものを使用した。
<油脂組成物>
Sスペシャル100(株式会社J−オイルミルズ社製、油脂約100質量%)
ABS−ソフト(株式会社J−オイルミルズ社製、油脂約100質量%)
ABS−VFH(株式会社J−オイルミルズ社製、油脂約100質量%)
マイスターパレッツ(株式会社J−オイルミルズ社製、油脂約82質量%の円筒形の(直径6mm 長さ30mm)マーガリン)
クローナS(株式会社J−オイルミルズ社製、油脂約82%質量%のマーガリン)
<糖類>
上白糖 (フジ日本精糖株式会社製)
粉糖(ショ糖) 「粉糖(純糖)」(株式会社上原社製)
ブドウ糖 「無水結晶ブドウ糖」(昭和産業株式会社製)
乳糖 「乳糖 (含水乳糖)」(LEPRINO社製)
麦芽糖 「サンマルトS」(株式会社林原社製)
マルチトール 「アマルティーMR50」(三菱商事フードテック株式会社製)
トレハロース 「トレハ微粉」(株式会社林原社製)
グラニュー糖(ショ糖)「グラニュー糖」(フジ日本精糖株式会社製)
デキストリン「J−オイルミルズ FZ−100」(株式会社J−オイルミルズ社製)
<小麦粉等>
小麦粉A 「ハート」(薄力粉、日本製粉株式会社製)
小麦粉B 「ヨット」(強力粉、日本製粉株式会社製)
脱脂粉乳 「脱脂粉乳」(北海道乳業株式会社製)
チーズパウダー 「G&Cパウダーグリーン」(三協食品工業株式会社製)
<膨張剤等>
重曹 「重炭酸ナトリウム」(旭ガラス株式会社製)
重炭酸アンモニウム 「重炭酸アンモニウム」(旭ガラス株式会社製)
ベーキングパウダー 「アイコクベーキングパウダー 特青缶」(大宮糧食株式会社製)(重曹と酸性剤の混合品)
L−酒石酸水素カリウム「昭和加工株式会社製」(酸性剤の一種)
使用した油脂組成物中の油脂の固体脂含量を表1にまとめた。
油脂の固体脂含量(SFC)(%)は、以下のようにして測定した。

NMR用ガラスチューブに溶融した油脂を定量充填し、60℃の恒温槽で30分間保温した。0℃で1時間保温し、結晶を析出させた。計測温度に温調した恒温槽に移し、30分後に、NMR分析装置(the minispec , mq 20 NMR Analyzer BRUKER社製)を用いて固体脂含量(SFC)(%)を測定した。なお、マーガリン等の水を含む場合には、油脂組成物を溶融後、油脂を分離し、得られた油脂を測定に使用した。
(生地混合方法の評価)
<生地の作製>
以下の実施例、比較例では、予め表2に示す混合前の油脂組成物温度と生地原料温度で配合をおこなった。
実施例2−1は、表2に示す配合量で、油脂組成物、紛体(上白糖、食塩、小麦粉A、脱脂粉乳)およびフレーバーを配合し、そぼろ状に混合した。次に、液体(膨張剤を溶解したもの)を添加し、練り込むように混合し、生地を得た。
実施例2−2は、表2に示す配合量で、油脂組成物、紛体(上白糖、食塩、小麦粉A、脱脂粉乳)、フレーバーおよび液体(膨張剤を溶解したもの)を配合し練り込むように混合し、生地を得た。
実施例2−3は、表2に示す配合量で、油脂組成物、フレーバーおよび液体(膨張剤を溶解したもの)を配合し、練り込むように混合した。次に、紛体(上白糖、食塩、小麦粉A、脱脂粉乳)を配合し練り込むように混合し、生地を得た。
実施例2−4は、表2に示す配合量で、油脂組成物、フレーバーおよび液体(膨張剤を溶解したもの)を配合し、練り込むように混合した。次に、小麦粉Aおよび脱脂粉乳を練り込むように混合した。さらに、上白糖および食塩を配合し練り込むように混合し、生地を得た。
実施例2−5は、表2に示す配合量で、油脂組成物、フレーバーおよび液体(膨張剤を溶解したもの)を配合し、練り込むように混合した。次に、上白糖および食塩を練り込むように混合した。さらに、小麦粉Aおよび脱脂粉乳を配合し練り込むように混合し、生地を得た。
比較例2−1は、表2に示す配合量で、油脂組成物、上白糖、食塩およびフレーバーをクリーム状に混合した。次に液体(膨張剤を溶解したもの)を添加し、乳化するように混合した。さらに、小麦粉Aおよび脱脂粉乳を配合し練り込むように混合し、生地を得た。
なお、特に記載のない場合は、原料の配合の単位は質量部である。
<生地の成型と焼成>
得られた生地をワイヤーカット成型の機械性まで確認できる手成型で円形の成型生地(直径40mm、質量10g)を作製した。
成型生地は押し出し方向の面を下にして、180℃、15分間焼成をおこない、焼き菓子を得た。
生地成型性および焼成後得られた焼き菓子を以下の基準で評価し、その結果を表2に示す。
<混合のしやすさ>
油脂組成物、紛体の混合しやすさ(そぼろ状態になりやすさ)を評価した。

◎ そぼろ状態で、非常に混合しやすい
〇 そぼろ状態で、混合しやすい
△ そぼろ状態で、やや混合しやすい
× 混合しにくい、あるいは、そぼろ状態に混合できない
<高さ>
焼成した焼き菓子の底面からの高さを測定した。
<外観>
焼成した焼き菓子の形状を観察し、以下の基準で評価した。

☆ 高さがあり、かつ、きれいな円錐形である(写真1)
◎ きれいな円錐形である
〇 円錐形である(写真2)
△ 円錐形であるが、ややドーム型である
× ドーム型である、あるいは、充分な膨らみがない(写真3)
<風味>
焼成した焼き菓子を食し、風味を評価した。

◎ 異風味がしない
○ 異風味がほんのわずかにする
△ 異風味がわずかにする
× 異風味がする
<食感>
焼成した焼き菓子を食し、食感を評価した。

◎ 口当たりが柔らかく、サクサクとした軽い食感
〇 サクサクとした軽い食感
△ ややサクサクとした軽い食感
× 噛み切れない、あるいは、硬い食感
実施例2−1〜5に示すように、油脂組成物を含む生地原料と膨張剤を練り込み混合することにより、充分な高さがあり、外観等良好な焼き菓子を得ることができた。
一方、クリーム状の生地原料に膨張剤を加え乳化混合した比較例2−1では、充分な高さを得ることができず、外観も不良な焼き菓子であった。
(油脂組成物および混合前油脂組成物温度の評価)
表3に示す配合および条件で、実施例2−1と同様の操作で焼き菓子を得た。生地成型性および焼成後得られた焼き菓子を上記の基準で評価し、その結果を表3に示す。
表3に示すように、油脂の20℃における固体脂含量が6%以上42%以下の油脂組成物において、いずれも、良好な焼き菓子を得ることができた。特に、油脂の20℃における固体脂含量が20%以上42%以下の油脂組成物で外観が良好であった。
また、食感の点から、油脂の20℃における固体脂含量が6%以上21%以下の油脂組成物が良好であった。
さらに、油脂組成物の混合前温度を、油脂組成物中の油脂の固体脂含量が6%以上42%以下となる温度とすることで良好な焼き菓子を得ることができ、20%以上33%以下となる温度とすることで、特に良好な焼き菓子を得ることができた。
(食塩、脱脂粉乳、バニラフレーバー、重炭酸アンモニウムの配合量の評価)
表4に示す配合および条件で、実施例2−1と同様の操作で焼き菓子を得た。生地成型性および焼成後得られた焼き菓子を上記の基準で評価し、その結果を表4に示す。
表4に示すように、小麦粉100質量部に対し、重炭酸アンモニウムを0.5〜4質量部配合することで外観等良好な焼き菓子を得ることができた。一方、小麦粉100質量部に対し、重炭酸アンモニウムを8質量部配合すると、焼き菓子の高さを充分に得ることができないことがわかった。
また、脱脂粉乳は、小麦粉100質量部に対し、0〜10質量部で良好な焼き菓子を得ることができ、0〜3質量部で、外観の良好な焼き菓子を得ることができた。
なお、食塩やフレーバーの添加は、外観等の本発明の効果に影響しないことがわかった。
(油脂組成物の配合量の評価)
表5に示す配合および条件で、実施例2−1と同様の操作で焼き菓子を得た。生地成型性および焼成後得られた焼き菓子を上記の基準で評価し、その結果を表5に示す。
表5に示すように、小麦粉100質量部に対し、油脂組成物を30〜50質量部配合すると良好な焼き菓子を得ることができた。特に、油脂組成物を30質量部配合した場合には、高さのある焼き菓子を得ることができた。
(糖類の評価)
表6および7に示す配合および条件で、実施例2−1と同様の操作で焼き菓子を得た。生地成型性および焼成後得られた焼き菓子を上記の基準で評価し、その結果を表6および7に示す。
実施例6−1〜6および実施例7−1〜3に示すように、いずれの糖類を配合しても良好な焼き菓子を得ることができた。また、実施例7−4に示したように糖類を添加しなくても良好な焼き菓子を得ることができた。
(膨張剤の評価)
表8に示す配合および条件で、実施例2−1と同様の操作で焼き菓子を得た。ただし、膨張剤は、液体に溶解後に混合(実施例8−1)、もしくは、溶解せずに紛体に混合した(実施例8−2〜5)。生地成型性および焼成後得られた焼き菓子を上記の基準で評価し、その結果を表8に示す。
表8に示すように、いずれの膨張剤でも良好な焼き菓子を得ることができ、また、膨張剤は、予め水等液体に溶解し混合しても、紛体として混合してもよいことがわかった。風味の点で、重炭酸アンモニウム、ベーキングパウダーおよび重曹とL−酒石酸水素カリウムの併用が良好であった。
(小麦粉の評価)
表9に示す配合および条件で、実施例2−1と同様の操作で焼き菓子を得た。生地成型性および焼成後得られた焼き菓子を上記の基準で評価し、その結果を表9に示す。
表9に示すように、薄力粉、強力粉いずれを用いても良好な焼き菓子を得ることができた。焼き菓子の高さの点で、小麦粉に強力粉が50質量%以上配合する良いことがわかった。
(成型条件の評価)
表10に示す配合および条件で、成型生地の調製を、リバースシーター(シイベル株式会社製 RONDO SMK64)で成型した後、円形(直径40mm、高さ10mm、質量10g)に型抜きをおこなったこと以外は、実施例2−1と同様の操作で焼き菓子を得た(比較例10−1)。生地成型性および焼成後得られた焼き菓子を上記の基準で評価し、その結果を表10に示す。
表10に示すように、型抜きにより生地を成型した場合には、高さと外観の点で良好な焼き菓子を得ることができず、成型にはワイヤーカット成型が必須であることがわかった。
(成型時の直径の評価)
表11に示す配合および条件で、円形の成型生地を、直径40mm(質量10g)に代えて、直径24mm(質量3g)、直径32mm(質量8g)、直径50mm(質量16g)、および直径60mm(質量23g)としたこと以外は、実施例2−1と同様の操作で焼き菓子を得た。生地成型性および焼成後得られた焼き菓子を上記の基準で評価し、その結果を表11に示す。
表11に示すように、成型生地の直径が24mm〜60mmまで、いずれも良好な焼き菓子を得ることができた。焼き菓子の高さの点から、成型生地の直径は40mm〜60mmが良好であった。また、焼き菓子の外観の点から、成型生地の直径は24mm〜40mmが良好であった。
(成型時の形状の評価)
表12に示す配合および条件で、成型生地の調製を、円形の成型に代えて、ワイヤーカット成型で正方形の成型生地(一辺32mm(質量9g)、一辺40mm(質量13g)、および一辺45mm(質量16g))としたこと以外は、実施例2−1と同様の操作で焼き菓子を得た。生地成型性および焼成後得られた焼き菓子を上記の基準で評価し、その結果を表12に示す。ただし、外観の評価は下記の基準でおこなった。
<外観>
焼成した焼き菓子の形状を観察し、以下の基準で評価した。

☆ 高さがあり、かつ、きれいな四角錐形である
◎ きれいな四角錐形である
〇 四角錐形である
△ 四角錐形であるが、頂点がやや丸みを帯びている
× 四角錐形ではない、あるいは、充分な膨らみがない
表12に示すように、成型生地は円形のみならず、正方形においても、立体形状のある焼き菓子を得ることができた。焼き菓子の高さの点から、成型生地の正方形の一辺の長さは40mm〜45mmが良好であった。
(焼成条件の評価)
表13に示す配合および条件で、成型生地を押し出し方向の面を上にして焼成した以外は実施例2−1と同様の操作で焼き菓子を得た。生地成型性および焼成後得られた焼き菓子を上記の基準で評価し、その結果を表13に示す。
表13に示すように、成型生地の焼成時に、押し出し方向の面を上にしても下にしても良好な焼き菓子を得ることができたが、押し出し方向の面を下にして焼成することでより良い外観の焼き菓子を得られることがわかった。
(円筒形のマーガリンを使用した例)
表14に示す配合および条件で、実施例2−1と同様の操作で焼き菓子を得た。生地成型性および焼成後得られた焼き菓子を上記の基準で評価し、その結果を表14に示す。
表14に示すように、油脂組成物として、円筒形のマーガリンであるマイスターパレッツを用いても非常に良好な焼き菓子を得ることができた。
(チーズパウダーを使用した例)
表15に示す配合および条件で、実施例2−1と同様の操作で焼き菓子を得た。得られた焼き菓子は外観等良好な焼き菓子であった。

Claims (6)

  1. 焼き菓子の製造方法であって、
    生地原料に、小麦粉、油脂の20℃における固体脂含量が4%以上65%以下である油脂組成物、および膨張剤を含み、
    前記小麦粉100質量部に対し、前記油脂組成物は20質量部以上65質量部以下、前記膨張剤は0.01質量部以上6質量部以下であって、
    前記油脂組成物を含む生地原料(但し、クリーム状に乳化混合した前記油脂組成物を含む生地原料を除く)と前記膨張剤を練り込み混合することを含む、生地を得る工程、
    得られた前記生地をワイヤーカット成型し、成型生地を得る工程、および、
    得られた前記成型生地をワイヤーカット成型時の押し出し方向の面を下にして、150℃〜270℃で焼成する工程、
    を含む、前記製造方法。
  2. 前記油脂組成物の油脂含量が70質量%以上100質量%以下である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記膨張剤が、重炭酸ナトリウムおよび重炭酸アンモニウムのいずれか1種又は2種である、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記油脂組成物の混合前温度を、前記油脂組成物中の油脂の固体脂含量が6%以上42%以下となる温度とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 前記生地原料に、さらに、糖類を含み、前記小麦粉100質量部に対し、3質量部以上40質量部以下である、請求項1乃至のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 前記糖類が、上白糖、ショ糖、ブドウ糖、乳糖、麦芽糖、マルチトール、トレハロース、デキストリンから選ばれる1種又は2種以上である、請求項に記載の製造方法。
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