JP6117000B2 - ピストン一体シール - Google Patents

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Description

本発明は、車両の自動変速機の油圧クラッチに用いられるピストン一体シールに関するものである。
図4は、従来のピストン一体シールを用いた油圧クラッチ、図5は、従来のピストン一体シールの概略構成を示すものである。
まず図4に示す油圧クラッチにおいて、参照符号1は、不図示の駆動軸と共に回転する環状のクラッチシリンダ、参照符号2は、クラッチシリンダ1内に軸方向移動可能に配置され、このクラッチシリンダ1の端盤部11との間に油圧室S1を画成するクラッチピストン、参照符号3は、クラッチピストン2から見て油圧室S1と反対側の空間S2に配置されると共に内径がクラッチシリンダ1の内筒部13に係止されたスプリングホルダ、参照符号4は、クラッチピストン2とスプリングホルダ3の間に適宜圧縮状態に介装されたリターンスプリング、参照符号5は、クラッチシリンダ1側に軸方向移動可能な状態で円周方向に係止された複数のドライブプレート51と、従動軸側に設けられたクラッチハブ53に軸方向移動可能な状態で円周方向に係止された複数のドリブンプレート52からなる多板クラッチである。
この種の油圧クラッチは、クラッチシリンダ1の内筒部13に開設された導圧ポート14を介して油圧室S1へ油圧を印加し、あるいはこの油圧を開放することによって、ピストン2がクラッチシリンダ1内を軸方向に変位し、これによって多板クラッチ5のドライブプレート51とドリブンプレート52を摩擦締結させたり摩擦締結を解除させたりしてクラッチ断続動作を行うものである。
クラッチピストン2の内外周のシール手段としては、従来はOリングなどのパッキンが用いられていたが、燃費の向上や変速ショック(クラッチの摩擦締結時に発生するショック)の低減を図るため、クラッチピストン2の低フリクション化が求められ、近年は、油圧室S1側を向いて、クラッチシリンダ1の外筒部12及び内筒部13と摺動可能に密接されるシールリップ101,101を有するピストン一体シール100が主流となってきている。すなわちこのピストン一体シール100は、ゴム状弾性材料(ゴム材料又はゴム状弾性を有する合成樹脂材料)によってクラッチピストン2に一体成形されたものである(例えば下記の特許文献1参照)。
図5に示すように、シールリップ101は一般的には、図中に二点鎖線で示す相手摺動面に対する面圧P(締め代L)が最も大きくなるシールエッジ部より油圧室S1側の斜面の角度αが反対側の斜面の角度βよりも大きく、シールエッジ部から油圧室S1と反対側の根元部分までの軸方向長さHaが比較的長いものとなっている。
特開2001−241467号公報 特開平9−210088号公報
しかしながら、従来のピストン一体シール100によれば、シールリップ101は方向性を有するため、面圧Pの分布もその極大部の両側で互いに非対称であり、油圧室S1へ油圧を印加することによるクラッチ締結側へのクラッチピストン2のストローク時に比較して、油圧室S1の油圧を開放したときのリターンスプリング4の付勢力によるクラッチ締結解除側(油圧室S1側)へのクラッチピストン2のストローク時においてフリクションが大きくなる傾向があり、このため油圧クラッチの油圧制御が難しく、変速応答遅れが発生するおそれがある。
このような変速応答性を改善するには、クラッチ締結解除側(油圧室S1側)へのストロークとクラッチ締結側(油圧室S1と反対側)へのストロークにおけるフリクション差を小さくする必要があるため、シールリップ101の締め代Lや剛性の低減が検討されているが、この場合、シールリップ101の耐圧性、耐久性が低下してしまう新たな問題がある。
また、シールリップ101の摺動面に所要数の潤滑溝を形成することによってフリクションを低減することは可能である(例えば下記の特許文献2参照)。しかし、シールリップ101の方向性に起因するフリクション差の低減は不十分であった。
本発明は、以上のような点に鑑みてなされたものであって、その技術的課題は、シールリップの方向性に起因する摺動方向によるフリクションの差を低減することによって、油圧クラッチの変速応答性を改善することにある。
上述した技術的課題を有効に解決するための手段として、請求項1の発明に係るピストン一体シールは、油圧クラッチのクラッチピストンに一体に設けられて油圧室側を向いたシールリップを有し、このシールリップは、相手摺動面との摺動部に、油圧室側の主シールエッジ部と、反油圧室側の副シールエッジ部が形成され、これら主シールエッジ部及び副シールエッジ部は、未装着状態では油圧室側の斜面の角度が反油圧室側の斜面の角度より小さく、装着状態では相手摺動面に対する油圧室側の斜面の角度と反油圧室側の斜面の角度が略同等であることを特徴とするものである。
請求項2の発明に係るピストン一体シールは、請求項1に記載の構成において、主シールエッジ部より副シールエッジ部の締め代が小さいことを特徴とするものである。
請求項3の発明に係るピストン一体シールは、請求項1又は2に記載の構成において、副シールエッジ部がシールリップの油圧室側基部表面より反油圧室側に位置することを特徴とするものである。
本発明に係るピストン一体シールによれば、シールリップの摺動部に、油圧室側の主シールエッジ部と、反油圧室側の副シールエッジ部が形成されたことによって相手摺動面との接触面積が小さくなるため、フリクションが低減され、しかも装着状態(相手摺動面との接触状態)では相手摺動面に対する油圧室側の斜面の角度と反油圧室側の斜面の角度が略同等になっているため、油圧室側へのストローク時のフリクションと反油圧室側へのストローク時のフリクションの差が低減される。このため油圧クラッチの変速応答性を改善することができる。
また、主シールエッジ部より副シールエッジ部の締め代が小さい構成とすれば、主シールエッジ部の変形が副シールエッジ部により吸収されるので、シールリップに作用する油圧の変化に拘らず相手摺動面に対する主シールエッジ部の接触荷重の変化が抑制され、これによっても油圧室側へのストローク時のフリクションと反油圧室側へのストローク時のフリクションの差が低減される。
また、副シールエッジ部がシールリップの油圧室側基部表面より反油圧室側に位置する構成とすれば、油圧の印加による副シールエッジ部の変形が抑制されるため、この副シールエッジ部によるシールリップ変形抑制作用が高まり、シールリップの耐圧性を向上することができる。
本発明に係るピストン一体シールの好ましい実施の形態を、油圧クラッチの一部と共に軸心Oを通る平面で切断して示す片側断面図である。 本発明に係るピストン一体シールの好ましい実施の形態の要部を示す説明図である。 本発明に係るピストン一体シールの好ましい実施の形態の要部における未装着状態と装着状態での斜面角度を示す説明図である。 従来のピストン一体シールを、油圧クラッチの一部と共に軸心Oを通る平面で切断して示す片側断面図である。 従来のピストン一体シールの一部を示す説明図である。
以下、本発明に係るピストン一体シールの好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、この実施の形態におけるピストン一体シールを、油圧クラッチの一部と共に示す片側断面図で、参照符号1はクラッチシリンダ、参照符号2は、クラッチシリンダ1内に軸方向移動可能に配置され、このクラッチシリンダ1との間に油圧室S1を画成するクラッチピストン、参照符号1は、ピストン2から見て油圧室S1と反対側の空間(以下、反油圧室側空間という)S2に配置されると共に内径部がクラッチシリンダ1の内筒部13に係止されたスプリングホルダ、参照符号4は、クラッチピストン2とスプリングホルダ3の間に適宜圧縮状態に介装されたリターンスプリング、参照符号5は多板クラッチである。
クラッチシリンダ1は、端盤部11と、その外径及び内径から延びる外筒部12及び内筒部13を有し、不図示の駆動軸と共に軸心Oの周りに回転されるものである。また、このクラッチシリンダ1の内筒部13には、油圧室S1へオイル(ATF)による油圧を導入するための導圧ポート14が開設されている。
クラッチピストン2は金属プレス成形品であって、クラッチシリンダ1の端盤部11と軸方向に対向される受圧部21と、この受圧部21の外径部から反油圧室側空間S2側へ延びてクラッチシリンダ1の外筒部12と径方向に対向する外筒部22と、受圧部21の内径部から油圧室S1と反対側へ延びてクラッチシリンダ1の内筒部13と径方向に対向する内筒部23を有する。クラッチピストン2の外筒部22の先端部にはクラッチ押圧部24が形成され、クラッチピストン2の内筒部13の先端部には内向き鍔部25が形成されている。
リターンスプリング4は油圧室S1の容積を縮小させる方向へクラッチピストン2を常時付勢するものであって、コイルスプリングからなり、円周方向所定間隔で複数配置されている。
多板クラッチ5は、クラッチシリンダ1の外筒部に軸方向移動可能な状態で円周方向に係止された複数のドライブプレート51と、不図示の従動軸側に設けられたクラッチハブ53に軸方向移動可能な状態で円周方向に係止された複数のドリブンプレート52が軸方向交互に配置された構造を有する。
クラッチピストン2には、ゴム状弾性材料(ゴム材料又はゴム状弾性を有する合成樹脂材料)からなるピストン一体シール6が一体に設けられている。このピストン一体シール6は、クラッチピストン2における外筒部22の外周面、受圧部21の油圧室S1側の面、内筒部23の内周面、及び内向き鍔部25を覆うように延びる基部61と、前記受圧部21の外径部及び前記内向き鍔部25の内径近傍にそれぞれ位置して前記基部61から油圧室S1側へ延びるように形成されたシールリップ62,62を有する。外周側のシールリップ62は、クラッチシリンダ1の外筒部12の内周面と摺動可能に密接され、内周側のシールリップ62は、クラッチシリンダ1の内筒部13の外周面と摺動可能に密接されるものである。
また、ピストン一体シール6の基部61のうち、クラッチピストン2の受圧部21に接着された部分には、複数の突起63が、円周方向等間隔で形成されている。この突起63は、クラッチピストン2のその上死点位置まで移動した時に、前記基部61がクラッチシリンダ1の端盤部11と密接することによる油圧室S1の閉塞を防止するものである。
シールリップ62は、図2に拡大して示すように、クラッチシリンダ1の外筒部12の内周面又は内筒部13の外周面との摺動部に、油圧室S1側の主シールエッジ部62aと、反油圧室側空間S2側の副シールエッジ部62bが形成されている。
詳しくは、主シールエッジ部62aの隆起高さより副シールエッジ部62bの隆起高さが低く、このため、図2に二点鎖線で示すクラッチシリンダの外筒部12の内周面又は内筒部13の外周面に対する主シールエッジ部62aの締め代L1より副シールエッジ部62bの締め代L2が小さく設定されている。また、この副シールエッジ部62bの隆起高さは、図2に破線で示す従来形状のシールリップの内周面よりも低く形成されている。
図2に示すように、主シールエッジ部62aから反油圧室側空間S2側の根元部分までの長さHa0は、先に説明した図5に示す従来技術によるシールリップ101のシールエッジ部から反油圧室側空間S2側の根元部分までの軸方向長さHaよりも短いものとなっている。また、主シールエッジ部62aと副シールエッジ部62bの間の軸方向長さHa1は、副シールエッジ部62bから前記根元部分までの軸方向長さHa2より短いものとなっている。
主シールエッジ部62aは、基部61のうちシールリップ62の油圧室S1側の基部表面61aより軸方向距離Hb1だけ油圧室S1側にあるが、副シールエッジ部62bは、前記基部表面61aより軸方向距離Hb2だけ油圧室S1と反対側(空間S2側)にある。なお、Hb1+Hb2=Ha1である。
さらに図3に示すように、主シールエッジ部62aは、未装着状態では油圧室S1側となる斜面の角度α1が油圧室S1と反対側(空間S2側)となる斜面の角度β1より小さく(α1<β1)、副シールエッジ部62bも、未装着状態では油圧室S1側となる斜面の角度α2が油圧室S1と反対側(空間S2側)となる斜面の角度β2より小さく形成されている(α2<β2)。また、α1>α2であり、かつβ1>β2となっている。
このため、装着状態ではシールリップ62がその根元を支点として曲げ変形を受けることによって、クラッチシリンダの外筒部12の内周面又は内筒部13の外周面に対して主シールエッジ部62aの油圧室S1側の斜面がなす角度α1’はα1よりやや増大すると共に、反油圧室側空間S2側の斜面がなす角度β1’は逆にβ1よりやや減少し、その結果、α1’≒β1’となるものである。副シールエッジ部62bも同様であり、装着状態では油圧室S1側の斜面がなす角度α2’はα2よりやや増大すると共に、反油圧室側空間S2側の斜面がなす角度β2’は逆にβ2よりやや減少し、その結果、α2’≒β2’となるものである。
以上の構成を備える油圧クラッチは、導圧ポート14を介して油圧室S1へ油圧を印加し、あるいはこの油圧を開放することによって、クラッチピストン2がクラッチシリンダ1内を軸方向へ変位し、多板クラッチ5を接続動作あるいは遮断動作させるものである。
すなわち、オイル(ATF)の供給によって油圧室S1が加圧されると、クラッチピストン2がリターンスプリング4を圧縮させながら図1における下方(反油圧室側空間S2側)へ変位し、このクラッチピストン2のクラッチ押圧部24が多板クラッチ5を押圧して、ドライブプレート51とドリブンプレート52とを摩擦係合させる。このため多板クラッチ5が接続状態となって、不図示の駆動軸側からの駆動トルクが、クラッチシリンダ1、多板クラッチ5のドライブプレート51とドリブンプレート52及びクラッチハブ53を介して不図示の従動軸へ伝達される。
また、この接続状態から油圧室S1の油圧を開放すると、圧縮されたリターンスプリング4の伸長によって、クラッチピストン2が油圧室S1の容積を縮小させるように図1における上方へ変位し、多板クラッチ5への押圧を解除するので、この多板クラッチ5のドライブプレート51とドリブンプレート52の摩擦係合が解除され、駆動軸から従動軸への駆動トルクの伝達が遮断される。
このようなクラッチピストン2の変位において、クラッチピストン2に一体に設けられたピストン一体シール6は、その内外周のシールリップ62がクラッチシリンダ1の外筒部12の内周面及び内筒部13の外周面と密接摺動する。そしてその摺動部には、油圧室S1側の主シールエッジ部62aと、反油圧室側空間S2側の副シールエッジ部62bが形成されていることによって、クラッチシリンダ1の外筒部12及び内筒部13との接触面積が小さくなるのに加え、シールリップ62の肉厚が図2に破線で示す従来形状よりも全体として減少していることによって剛性が低くなっており、このため図3に示す主シールエッジ部62a及び副シールエッジ部62bによる面圧P1,P2は、破線で示す従来の面圧に比較して全体として小さくなり、しかも両シールエッジ部62a,62b間が潤滑溝として機能するため、フリクションが有効に低減される。
また、図3の[装着状態]に示すように、シールリップ62がクラッチシリンダの外筒部12の内周面又は内筒部13の外周面と接触した状態では、主シールエッジ部62aの油圧室S1側の斜面の角度α1’は反油圧室側空間S2側の斜面の角度β1’と略同等となり、副シールエッジ部62bも油圧室S1側の斜面の角度α2’は反油圧室側空間S2側の斜面の角度β2’と略同等となるため、クラッチシリンダの外筒部12の内周面又は内筒部13の外周面に対する主シールエッジ部62a及び副シールエッジ部62bの面圧P1,P2が、それぞれ油圧室S1側と反油圧室側空間S2側とで互いに略対称に分布する。したがって反油圧室側空間S2側(多板クラッチ5を押圧する方向)へのクラッチピストン2のストローク時のフリクションと、油圧室S1側(多板クラッチ5への押圧を解除する方向)へのクラッチピストン2のストローク時のフリクションの差が有効に低減される。このため油圧クラッチの変速応答性を改善することができる。
また、図2に示すように、クラッチシリンダの外筒部12の内周面又は内筒部13の外周面に対する主シールエッジ部62aの締め代L1より副シールエッジ部62bの締め代L2が小さく設定されているため、主シールエッジ部62aの変形が副シールエッジ部62bにより吸収される。このため、シールリップ62に作用する油圧室S1の油圧の変化に拘らず、主シールエッジ部62aの接触荷重の変化が抑制され、これによっても上述のフリクションの差が低減される。
さらに、副シールエッジ部62bが基部61のうちシールリップ62の油圧室S1側の基部表面61aより軸方向距離Hb2だけ反油圧室側空間S2側に位置することによって、油圧室S1への油圧の印加による副シールエッジ部62bの変形が抑制されるため、この副シールエッジ部62bによるシールリップ62の変形抑制作用が高まり、しかも主シールエッジ部62aから反油圧室側空間S2側の根元部分までの長さHa0自体、図5に示す従来のものよりも短くしてあるため、シールリップ62の肉厚は従来のものより小さくなっているにも拘らず、耐圧性を向上することができる。
1 クラッチシリンダ
2 クラッチピストン
6 シール
61 基部
62 シールリップ
62a 主シールエッジ部
62b 副シールエッジ部
S1 油圧室
S2 反油圧室側空間

Claims (3)

  1. 油圧クラッチのクラッチピストンに一体に設けられて油圧室側を向いたシールリップを有し、このシールリップは、相手摺動面との摺動部に、油圧室側の主シールエッジ部と、反油圧室側の副シールエッジ部が形成され、これら主シールエッジ部及び副シールエッジ部は、未装着状態では油圧室側の斜面の角度が反油圧室側の斜面の角度より小さく、装着状態では相手摺動面に対する油圧室側の斜面の角度と反油圧室側の斜面の角度が略同等であることを特徴とするピストン一体シール。
  2. 主シールエッジ部より副シールエッジ部の締め代が小さいことを特徴とする請求項1に記載のピストン一体シール。
  3. 副シールエッジ部がシールリップの油圧室側基部表面より反油圧室側に位置することを特徴とする請求項1又は2に記載のピストン一体シール。
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