JPH09210088A - 密封装置 - Google Patents

密封装置

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JPH09210088A
JPH09210088A JP8034423A JP3442396A JPH09210088A JP H09210088 A JPH09210088 A JP H09210088A JP 8034423 A JP8034423 A JP 8034423A JP 3442396 A JP3442396 A JP 3442396A JP H09210088 A JPH09210088 A JP H09210088A
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JP
Japan
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piston member
piston
seal lip
outer peripheral
insertion hole
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JP8034423A
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Inventor
Michinobu Yomogida
通宣 蓬田
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Nok Corp
Original Assignee
Nok Corp
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Publication date
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
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    • F16J15/00Sealings
    • F16J15/16Sealings between relatively-moving surfaces
    • F16J15/32Sealings between relatively-moving surfaces with elastic sealings, e.g. O-rings
    • F16J15/3204Sealings between relatively-moving surfaces with elastic sealings, e.g. O-rings with at least one lip
    • F16J15/3232Sealings between relatively-moving surfaces with elastic sealings, e.g. O-rings with at least one lip having two or more lips
    • F16J15/3236Sealings between relatively-moving surfaces with elastic sealings, e.g. O-rings with at least one lip having two or more lips with at least one lip for each surface, e.g. U-cup packings
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
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    • F16H63/3023Constructional features of the final output mechanisms the final output mechanisms comprising elements moved by fluid pressure
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  • Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピストン部材のシールリップによるフリクシ
ョンの低減化を図り、これによりピストン部材の作動性
の向上を図る。 【解決手段】 環状のピストン挿入穴5を備えたハウジ
ング3と、ハウジング3のピストン挿入穴5内に摺動自
在に挿入される環状のピストン部材6と、ピストン部材
6の内外周に設けられるピストン挿入穴5の内外周面に
摺動自在に密封接触するシールリップ7,8と、を備え
た密封装置において、シールリップ7,8の摺動面に凹
凸9,91を設けたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車用自
動変速機等の変速切り替え装置のクラッチを切り替え作
動させるピストン部等に用いられる密封装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の密封装置としては、例え
ば自動車の自動変速機(A/T,CVT,T/F)にお
ける変速切り替えの入力に関係する環状のピストン部材
で、主として、油圧を受け、クラッチに入力伝達させる
働きを持つピストン部材の内外周にシールリップを備え
たものがある。
【0003】このような従来の密封装置を用いた自動変
速機の要部断面図を図4に示す。
【0004】図において、100は図示しない軸に装着
されたスリーブ101に取付けられている断面略コ字の
形状を有する保持環で、その保持環100の断面略コ字
状部が環状のピストン挿入穴102を成している。つま
り、保持環100は環状のピストン挿入穴102を有す
るハウジングを成している。
【0005】ピストン挿入穴102には、環状で断面略
コ字状のピストン部材103を摺動自在に配置してある
と共に、そのピストン部材103の図中下部の外周側に
は多板クラッチ104を設けてある。
【0006】また、ピストン部材103と多板クラッチ
104との間には、ピストン挿入穴102の内周側に取
付けられているキャンセルプレート105を設けてあ
る。このキャンセルプレート105はストッパ106に
て軸方向の移動を規制してある。
【0007】また、キャンセルプレート105の外周に
はシール部材としてのシールリップ107を設けてあ
り、シールリップ107はピストン部材103の外周側
の円筒部103Aの内周面に密封接触している。
【0008】さらに、キャンセルプレート105とピス
トン部材103との間には、付勢手段としての板ばね状
のスプリング106を設けてあり、スプリング106は
ピストン部材103をキャンセルプレート105から離
れる方向、即ち、図中上方へと付勢している。
【0009】ピストン部材103はピストン挿入穴10
2の閉塞面102Aにゴム状弾性体108を介して接触
して静止する。
【0010】そして、ピストン部材103の内,外周に
はピストン挿入穴102の内,外周面に摺動自在に密封
接触するシールリップ109を設けてある。
【0011】このようにして、ピストン挿入穴102内
に圧力室X、油室Yを区分形成している。
【0012】また、ピストン挿入穴102を形成する保
持環100の断面略コ字状部の内周側の円筒部には、外
部と圧力室Xと連通する圧力ポート110と、外部と油
室Yと連通するポート111とを有している。
【0013】上記構成において、保持環100の圧力ポ
ート110を介して圧力室Xに作動圧PAが作用し、圧
力が上昇すると、ピストン部材103がスプリング10
6の付勢力に抗して軸方向図中下方向へ移動し、ピスト
ン部材103の円筒部103Aの端部にて多板クラッチ
104を押し、動力を伝達させる。
【0014】一方、保持環100のポート111を介し
て油室Yに油を供給し、圧力室Xの圧力を低くすること
で、スプリング106の付勢力によりピストン部材10
3は軸方向図中上方向に移動し、ピストン部材103の
円筒部103Aの端部は多板クラッチ104から離れ、
動力の伝達を解除させる。
【0015】このように、ピストン部材103を軸方向
に往復動して、多板クラッチ104をON−OFFする
ようにしている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来技術の場合には、ピストン部材103の内外周に
設けられているシールリップ109は、図5(a)に示
すようにモールドにより形成したモールドリップ109
A、図5(b)に示すようにメスカットにより形成した
メスカットリップ109Bとなっている。
【0017】これにより、シールリップ109の摺動面
全面がピストン挿入穴102の内外周面に接触するた
め、フリクションが大きくなり、これに伴ってピストン
部材103の作動不良を生じていた。
【0018】このため、上記した従来例では自動変速機
(A/T)の変速の不具合、例えば変速時のショック
大、変速時のフィーリングの悪化を生じていた。
【0019】また、フリクション大に応じた機構の変更
を要していた。
【0020】つまり、ピストン部材103のリターン用
の付勢手段であるスプリング106のばね力アップが必
要で、スプリング106の仕様の見直しを要していた。
【0021】これにより、コストアップとなると共に、
装置全体の拡大を招き、相手取付部である自動車の組付
スペースに入らないという欠点があった。
【0022】本発明は、上記した従来技術の問題点を解
決するためになされたもので、その目的とするところ
は、ピストン部材のシールリップによるフリクションの
低減化を図り、これによりピストン部材の作動性の向上
を図り得る密封装置を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明にあっては、環状のピストン挿入穴を備えた
ハウジングと、該ハウジングのピストン挿入穴内に摺動
自在に挿入される環状のピストン部材と、該ピストン部
材の内外周に設けられる前記ピストン挿入穴の内外周面
に摺動自在に密封接触するシールリップと、を備えた密
封装置において、前記シールリップの摺動面に凹凸を設
けたことを特徴とする。
【0024】そして、前記シールリップの摺動面の凹凸
は円周上に設けられる平行突起あるいは平行溝で、該突
起高さあるいは溝深さは0.05〜0.2mmであること
が好適である。
【0025】上記構成の密封装置にあっては、ピストン
挿入穴の内外周面に摺動自在に密封接触するピストン部
材の内外周に設けられるシールリップの摺動面に凹凸
(例えば並行突起あるいは並行溝)を設けたことから、
相手側のピストン挿入穴の周面との接触面積が小さくな
ると共に、凹部内に密封対象側流体が介在することにな
る。
【0026】このため、低摩擦化となり、シールリップ
によるフリクションの低減化を図ることができる。これ
に伴い、ピストン部材の摺動は低フリクションで行なわ
れるため、ピストン部材の作動性の向上を図ることがで
きる。
【0027】このシールリップによる最も安定して低フ
リクションとなる最適な形状は、実験によりシールリッ
プの摺動面の凹凸を円周上に平行突起あるいは平行溝を
設けることとし、この突起高さあるいは溝深さを0.0
5〜0.2mmとすることがわかった。
【0028】これは、突起高さあるいは溝深さを大きく
していくと摩擦力のばらつきが大きくなり、そのばらつ
きを抑えるべく小さくしていくと摩擦力が大きくなるこ
とからで、低摩擦力でばらつきが小さくなる適正な値と
して上記寸法としたのである。
【0029】これにより、よりフリクションの低減化を
図ることができ、よりピストン部材の作動性の向上を図
ることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下に本発明を図示の実施の形態
に基づいて説明する。
【0031】本発明の一実施の形態に係る密封装置を図
1及び図2に示す。本実施の形態に係る密封装置1は、
図2に示す通り、従来と同様自動車等の自動変速機(A
/T,CVT,T/F)のピストン部に用いられるもの
である。
【0032】即ち、密封装置1は、概略、自動変速機に
おける変速切り替えの入力に関係する環状のピストン部
材で、主として、油圧を受け、クラッチに入力伝達させ
る働きを持つピストン部材の内外周にシールリップを備
えたものである。
【0033】図において、2はスリーブであり、スリー
ブ2は図示しない回転軸に装着されている。そしてスリ
ーブ2の外周側には、ハウジングを成す保持環3を備え
ている。
【0034】保持環3は、断面略S字状で、軸方向外側
(図中上側)に開口する第1環状凹部31と軸方向内側
(図中下側)に開口する第2環状凹部32を有してお
り、第1環状凹部31の内周側円筒部31Bの軸方向外
側端部をストッパ14にて軸方向の移動を規制してスリ
ーブ2に取付けてある。
【0035】第2環状凹部32は、径方向部32Aと外
周側円筒部32Bと内周側円筒部32C(第1環状凹部
31の外周側円筒部)とから成っており、外周側円筒部
32Bは第1環状凹部31の径方向部31Aより軸方向
内側に延びている。
【0036】また外周側円筒部32Bは段付となってお
り、軸方向内側が外周側に位置し大径となっている。さ
らに内周側円筒部32Cも段付となっており、第1環状
凹部31の径方向部31A寄りが内周側に位置し、小径
となっている。
【0037】そして、外周側円筒部32Bの軸方向内側
の大径部321Bと小径部322Bとの境目は内周側円
筒部32Cの小径部321Cより軸方向外側寄りとなっ
ており、大径部321Bの方が軸方向外側の小径部32
2Bより長くなっている。この長くなっている大径部3
21Bの内周側に多板クラッチ4を収納してある。
【0038】一方、第2環状凹部32の外周側円筒部3
2Bの小径部322B側は、その小径部322Bと径方
向部32Aと内周側円筒部32Cの大径部322Cとで
環状のピストン挿入穴5を形成している。
【0039】この環状のピストン挿入穴5内に環状のピ
ストン部材6を軸方向に摺動自在に挿入してある。
【0040】ピストン部材6は断面略コ字状の金属環
で、保持環3の第2環状凹部32の径方向部32Aの端
面に面するワッシャ状の端壁61と、端壁61の内外径
端部から軸方向に多板クラッチ4側に向って延びる一対
の内周及び外周スカート部62,63と、から構成して
いる。尚、端壁61の外周側(外周スカート部63側)
寄りは多板クラッチ4側にずれている。
【0041】そして、内周スカート部62の先端には、
半径方向内方に若干延びる内向きフランジ部62Aを設
けており、この内向きフランジ部62Aの内径端にゴム
状弾性体製の内周シールリップ7を一体的に焼き付け固
定してある。
【0042】この内周シールリップ7は、軸方向第2環
状凹部32の径方向部32A側に延びて半径方向内方に
向って開くように傾斜しており、リップ先端がピストン
挿入穴5の外周面(内周側円筒部32Cの大径部322
Cの外周面)に摺動自在に密封接触している。
【0043】さらに、外周スカート部63と端壁61と
の角部にゴム状弾性体製の外周シールリップ8を一体的
に焼き付け固定してある。
【0044】この外周シールリップ8は、軸方向第2環
状凹部32の径方向部32A側に延びて半径方向外方に
向って開くように傾斜しており、リップ先端がピストン
挿入穴5の外周面(外周側円筒部32Bの小径部322
Bの内周面)に摺動自在に密封接触している。
【0045】このようにして、内周シールリップ7及び
外周シールリップ8を介してピストン部材6と保持環3
の第2環状凹部32の径方向部32A側との間に圧力室
Aを形成している。
【0046】そして、内周シールリップ7と外周シール
リップ8の摺動面には、円周上に凹凸として、並行溝と
しての平行溝9(図1(b)参照;尚、内周シールリッ
プ7,外周シールリップ8両方共摺動面の形状が同じで
あるため、内周シールリップ7のみ開示している。)あ
るいは並行突起としての平行突起91を設けてある(図
1(c)参照;尚、平行溝9と同様内周シールリップ
7,外周シールリップ8両方共摺動面の形状が同じであ
るため、内周シールリップ7のみ開示している)。
【0047】また、内外周シールリップ7,8は図1
(b),(c)に示すようにモールド成形により形成し
ても、図中矢印Fにメスカットして形成しても良い(図
示は内周シールリップ7のみ)。
【0048】さらに、端壁61の端面、内周スカート部
62の内周面及び外周スカート部63の外周面を、ゴム
状弾性材による端面,内周及び外周被覆部10,11,
12とによって全面を被覆しており、上記内周シールリ
ップ7と外周シールリップ8を、端面,内周及び外周被
覆部10,11,12と一体成形している。
【0049】上記端面被覆部10には、ピストン挿入穴
5の奥端面である第2環状凹部32の径方向部32Aの
端面に当接することでピストン部材6の位置決めするた
めの凸部10Aを設けている。
【0050】このピストン部材6に対向して第2環状凹
部32の多板クラッチ4側には、軸方向の移動を規制し
た環状の規制部材としてのキャンセルプレート13を設
けてある。このキャンセルプレート13は、薄鋼板の金
属環で、第2環状凹部32の内周側円筒部32Cの小径
部321Cに対して着脱自在な内径に設定してあり、ス
トッパ14Aにより軸方向、具体的にはピストン部材6
から離れる方向の移動を規制してある。
【0051】そして、キャンセルプレート13の外径は
ピストン部材6の外周スカート部63の内径より小さく
なっている。
【0052】即ち、このキャンセルプレート13は、半
径方向第2環状凹部32の内周側円筒部32Cの小径部
321Cからピストン部材6の外周スカート部63まで
延びる金属環で、その半径方向中途部に円筒部13Aを
有しており、その円筒部13Aの多板クラッチ4側端部
から小径部321C側に向って延びる内向きフランジ部
13Bと、ピストン部材6側端部から外周スカート部6
3側に向って延びる外向きフランジ部13Cを有してお
り、その外径端にピストン部材6の外周スカート部63
の内周面に摺動自在に密封接触するシール部材としての
オイルシール15を設けてある。
【0053】このようにして、キャンセルプレート13
とピストン部材6との間に油室Bを形成すると共に、多
板クラッチ4側の油室Cと区分している。
【0054】尚、保持環3の第2環状凹部32の内周側
円筒部32Cの大径部322Cには圧力室Aに連通する
通路16を、小径部321Cには油室Bに連通する通路
17を設けてある。
【0055】そして、上記キャンセルプレート13とピ
ストン部材6との間に、ピストン部材6をキャンセルプ
レート13から離れる方向、即ち図2中上方へと付勢す
る付勢手段としてのスプリング18を設けてある。
【0056】このスプリング18は、板ばね状で、半径
方向外側に若干傾斜する円筒部18Aと、その円筒部1
8Aのピストン部材6側端部から半径方向外方に延びて
ピストン部材6の端壁61側に傾く外向きフランジ部1
8Bと、キャンセルプレート13側端部から半径方向内
方に延びる内向きフランジ部18Cとから成っている。
【0057】この内向きフランジ部18Cの端面がキャ
ンセルプレート13の内向きフランジ部13Bの端面に
当接し、傾斜している外向きフランジ部18Bの外径端
部がピストン部材6の端壁61に当接してピストン部材
6をキャンセルプレート13から離れる方向に付勢して
いる。
【0058】そして、保持環3の第1環状凹部31内に
密封装置1が組み付けられる自動車等の組付スペースD
を形成する相手取付部である相手側ハウジング19に有
するポート部20が流体密に挿入してある。
【0059】ポート部20には、外部と第1環状凹部3
1内と連通するポート20Aを有しているが、その開口
端部は球体20Bにて閉塞している。このポート20A
には保持環3の通路16と連通する連通路20Cを有し
ており、外部から圧力室Aに作動圧PAが供給されるよ
うになっている。
【0060】上記構成においては、ピストン部材6及び
キャンセルプレート13は、保持環3を介してスリーブ
2に取付けているため、そのスリーブ2が装着される回
転軸の回転によって、そのユニットと共回りする(0〜
8000rpm 程度)。
【0061】そして、油室Bに保持環3の通路17を介
して油を供給して、圧力室Aが低圧となる際は、スプリ
ング18の付勢力がピストン部材6に加わっており、端
面被覆部10の凸部10Aが保持環3の第2環状凹部3
2の径方向部32Aに接触して静止している。
【0062】また、圧力室Aに相手側ハウジング19の
ポート部20のポート20A,連通路20C及び保持環
3の通路16を介して作動圧PAが作用し(5〜30kg
f/cm2 程度)、圧力が上昇すると、ピストン部材6がス
プリング18の付勢力に抗して図2中下方向へ移動し、
ピストン部材6の外周スカート部63の端部にて多板ク
ラッチ4を押し、動力を伝達させる。
【0063】そして、動力の伝達を解除する時は、上記
したように油室Bに油を供給し、圧力室Aの圧力を低く
することで、スプリング18の付勢力によりピストン部
材6を図2中上方向に移動させる。これにより、元の位
置へと復帰することになる。
【0064】上記構成の密封装置にあっては、ピストン
挿入穴5の内外周面に摺動自在に密封接触するピストン
部材6の内外周に設けられる内周シールリップ7及び外
周シールリップ8の摺動面に凹凸として平行溝9あるい
は平行突起91を設けたので、相手側のピストン挿入穴
5の周面との実質の接触面積が小さくなると共に、凹部
内に密封対象側流体である油が介在することになる。
【0065】そのため、低摩擦化となり、内外周シール
リップ7,8によるフリクションの低減化を図ることが
できる。これに伴い、ピストン部材6の摺動は低フリク
ションで行なわれるため、ピストン部材6の作動性の向
上を図ることができる。
【0066】これにより、自動変速機の変速の不具合、
例えば変速時のショック大、変速時のフィーリングの悪
化が生じるということがなくなり、機能の向上を図るこ
ともできる。
【0067】また、フリクションが大きくならないた
め、機構の変更を行う必要がない。
【0068】つまり、ピストン部材6のリターン用の付
勢手段であるスプリング18のばね力アップの必要がな
いため、スプリング18の仕様を変更することがない。
【0069】これにより、従来例のようにスプリング仕
様の変更に伴ってコストアップとなるということがない
と共に、装置全体の変更がなくなり、相手取付部である
自動車の組付スペースDに入らなくなるということがな
くなる。
【0070】ここで、内外周シールリップ7,8の摺動
面に設けられた平行突起91あるいは平行溝9の高さあ
るいは深さH(図1(b),(c)参照)の寸法におい
て、常温と120℃とで、フリクション(摩擦力(N)
)と圧力(MPa) との関係を調べた結果を図3のグ
ラフに示す。
【0071】尚、高さあるいは深さHを、小突起(0.
03mm)、中溝(0.1mm)、大溝(0.2mm)として
実験している。
【0072】グラフから、常温において、摩擦力は、
(高)小突起>中溝>大溝(低)の順となっている。高
さあるいは深さHを大きくすると、摩擦力は小さくなる
ものの、ばらつきが大きくなるため、高さあるいは深さ
Hの寸法は0.05〜0.2mmが好ましい。
【0073】一方、温度120℃時は、ほとんど摩擦
力、ばらつきに差がない結果となっている。
【0074】尚、上記実施の形態では自動車等の自動変
速機のピストン部に用いたものを例にとって説明した
が、その他の機構のピストン部に用いても良い。
【0075】また、上記実施の形態で示した構成部品の
材質及び形状は適宜仕様等により変更されるものであ
る。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にあって
は、ピストン挿入穴の内外周面に摺動自在に密封接触す
るピストン部材の内外周に設けられるシールリップの摺
動面に凹凸を設けたので、相手側のピストン挿入穴の周
面との接触面積が小さくなると共に、凹部内に密封対象
側流体が介在することになる。
【0077】このため、低摩擦化となり、シールリップ
によるフリクションの低減化を図ることができる。これ
に伴い、ピストン部材の摺動は低フリクションで行なわ
れるため、ピストン部材の作動性の向上を図ることがで
きる。
【0078】このシールリップによる最も安定して低フ
リクションとなる最適な形状は、実験によりシールリッ
プの摺動面の凹凸を円周上に平行突起あるいは平行溝を
設けることとし、この突起高さあるいは溝深さを0.0
5〜0.2mmとすることが良く、この寸法にすることに
よって、よりフリクションの低減化を図ることができ、
よりピストン部材の作動性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は本発明の一実施の形態に係る密封
装置の断面図であり、同図(b)は内周シールリップの
平行溝を示す要部拡大断面図であり、同図(c)は内周
シールリップの平行突起を示す要部拡大断面図である。
【図2】図2は図1の密封装置が用いられる自動変速機
のピストン部を示す断面図である。
【図3】図3は図1の密封装置における平行突起あるい
は平行溝の高さあるいは深さにおいて圧力と摩擦力の関
係を示すグラフである。
【図4】図4は従来の密封装置を用いた自動変速機のピ
ストン部の断面図である。
【図5】図5(a),(b)は従来の密封装置のシール
リップの要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1 密封装置 2 スリーブ 3 保持環(ハウジング) 31 第1環状凹部 31A 径方向部 31B 内周側円筒部 32 第2環状凹部 32A 径方向部 32B 外周側円筒部 321B 大径部 322B 小径部 32C 内周側円筒部 321C 小径部 322C 大径部 4 多板クラッチ 5 ピストン挿入穴 6 ピストン部材 61 端壁 62 内周スカート部 62A 内向きフランジ部 63 外周スカート部 7 内周シールリップ 8 外周シールリップ 9 平行溝(並行溝) 91 平行突起(並行突起) 10 端面被覆部 10A 凸部 11 内周被覆部 12 外周被覆部 13 キャンセルプレート 13A 円筒部 13B 内向きフランジ部 13C 外向きフランジ部 14,14A ストッパ 15 オイルシール 16,17 通路 18 スプリング 18A 円筒部 18B 外向きフランジ部 18C 内向きフランジ部 19 相手側ハウジング 20 ポート部 20A ポート 20B 球体 20C 連通路

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環状のピストン挿入穴を備えたハウジン
    グと、該ハウジングのピストン挿入穴内に摺動自在に挿
    入される環状のピストン部材と、該ピストン部材の内外
    周に設けられる前記ピストン挿入穴の内外周面に摺動自
    在に密封接触するシールリップと、を備えた密封装置に
    おいて、 前記シールリップの摺動面に凹凸を設けたことを特徴と
    する密封装置。
  2. 【請求項2】 前記シールリップの摺動面の凹凸は円周
    上に設けられる平行突起あるいは平行溝で、該突起高さ
    あるいは溝深さは0.05〜0.2mmであることを特徴
    とする請求項1に記載の密封装置。
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