JP3793746B2 - 摺動部材および密封装置 - Google Patents

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    • F16J15/16Sealings between relatively-moving surfaces
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    • F16J15/3244Sealings between relatively-moving surfaces with elastic sealings, e.g. O-rings with hydrodynamic pumping action

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、摺動部を密封するための密封装置に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
互いに摺動をする2つの物体間の摺動抵抗をできるだけ低減させることは、軸受やシールなどの機械部品にとって極めて重要な問題である。これらの機械部品の寿命向上に寄与できるばかりでなく、エネルギー損失を抑えることができるからである。
従来、摺動部の表面に低摩擦樹脂であるフッ素樹脂をコーティングすることが行われているが、製造コストが高くなる。また、2つの物体間にグリースや潤滑油等の潤滑剤を介在させることも行われているが、2つの物体間で潤滑剤切れを生ずることもあり、摺動抵抗の低減には限界がある。
【0003】
ところで、一般に高分子材料を用いて構成される摺動部では、摺動抵抗が大きくなる傾向にある。例えば、回転軸とハウジングとの間や、往復動軸とハウジングとの間を密封する密封装置では、回転軸や往復動軸に摺動するゴム材料からなる摺動部を有しているが、この摺動部の油膜切れにより摺動抵抗が大きくなる場合がある。
上記の密封装置の中で、例えば、自動車の自動変速機内のクラッチ部に用いられる密封装置は、通例、環状のゴム製のシール部材をピストン部材の内周や外周に設けており、シール部材の表面にはハウジングに接触する摺動部としてのリップが設けられている。これにより、ハウジングとピストン部材との間が密封されている。
【0004】
従来、上記シール部材のリップは、その摺動面全面がハウジング等に接触するため、摺動抵抗が大きかった。しかも、環状のピストン部材の内、外周にそれぞれシール部材が設けられるので、ピストン部材の動作の応答性が悪いという課題がある。
一方、摺動抵抗低減の目的で、リップの摺動面に周方向に沿う環状突起等を設けた密封装置が提案されているが(例えば特開平9−210088号公報)、摺動抵抗の低減が十分でない。
【0005】
そこで、本発明の課題は、摺動部材や密封装置において、摺動抵抗をより低減させることである。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、相手部材に対して相対摺動する摺動部を有する高分子材料からなる摺動部材において、上記摺動部の表面に、摺動方向に間隔を隔てて並べられ周囲を相手部材と相対摺動する摺動部の表面に囲まれた長手方向と短手方向を有する多数の起伏条よりなる列を、起伏条が摺動方向と直交する方向に間隔を隔てて並ぶよう複数設け、上記起伏条は、作動油を溜めることのできる凹条、または相手部材と当接したときにその周囲に作動油を溜めることのできる凹所を形成可能な凸条を含み、各起伏条はそれぞれ隣接する起伏条から独立しており、各列の起伏条は、摺動方向に対して長手方向が交互の逆向きに傾斜するとともに摺動方向と直交する方向に隣接する起伏条と同方向に傾斜することを特徴とする摺動部材を提供するものである。
高分子材料からなる摺動部材では、摺動抵抗が大きくなる傾向にあるが、本発明では、摺動方向に対して交互の逆向きに傾斜する多数の凹条に又は多数の凸条の周囲に溜められる潤滑剤が、摺動部材の相対摺動に伴って摺動部に潤沢に供給されるので、摺動抵抗を格段に低減することができる。また、摺動面の接触面積が低減され、摺動抵抗を格段に小さくすることができる。
【0007】
請求項2記載の発明は、相手部材との間を密封するためのシール部材を備え、このシール部材が相手部材に対して相対摺動する摺動部を含む密封装置において、上記摺動部の表面に、摺動方向に間隔を隔てて並べられ周囲を相手部材と相対摺動する摺動部の表面に囲まれた長手方向と短手方向を有する多数の起伏条よりなる列を、起伏条が摺動方向と直交する方向に間隔を隔てて並ぶよう複数設け、上記起伏条は、作動油を溜めることのできる凹条、または相手部材と当接したときにその周囲に作動油を溜めることのできる凹所を形成可能な凸条を含み、各起伏条はそれぞれ隣接する起伏条から独立しており、各列の起伏条は、摺動方向に対して長手方向が交互の逆向きに傾斜するとともに摺動方向と直交する方向に隣接する起伏条と同方向に傾斜することを特徴とする密封装置を提供するものである。
本発明では、摺動方向に対して交互の逆向きに傾斜する多数の凹条に又は多数の凸条の周囲に溜められる潤滑剤が、密封装置の摺動部の相対摺動に伴って、摺動部に潤沢に供給されるので、摺動抵抗を格段に低減することができる。また、摺動面の接触面積が低減され、摺動抵抗を格段に小さくすることができる。
【0008】
請求項3記載の発明は、相手部材との間を密封するためのシール部材を備え、このシール部材が相手部材に対して相対回転する環状の摺動部を含む密封装置において、上記摺動部の表面に、摺動部の周方向に間隔を隔てて並べられ周囲を相手部材と相対摺動する摺動部の表面に囲まれた長手方向と短手方向を有する多数の起伏条よりなる列を、起伏条が摺動部の軸方向に間隔を隔てて並ぶよう複数設け、上記起伏条は、作動油を溜めることのできる凹条、または相手部材と当接したときにその周囲に作動油を溜めることのできる凹所を形成可能な凸条を含み、各起伏条はそれぞれ隣接する起伏条から独立しており、各列の起伏条は、摺動部の周方向に対して長手方向が交互の逆向きに傾斜するとともに回転方向と直交する方向に隣接する起伏条と同方向に傾斜することを特徴とする密封装置を提供するものである。
本発明では、回転軸用の密封装置において、摺動部の周方向に対して交互の逆向きに傾斜する多数の凹条に又は多数の凸条の周囲に溜められる潤滑剤が、回転軸の回転に伴って摺動部に潤沢に供給されるので、密封装置による回転軸の回転摩擦抵抗を格段に低減することができる。また、摺動面の接触面積が低減され、摺動抵抗を格段に小さくすることができる。
【0009】
請求項4記載の発明は、相手部材との間を密封するためのシール部材を備え、このシール部材が相手部材に対して軸方向に相対移動する環状の摺動部を含む密封装置において、上記摺動部の表面に、摺動部の軸方向に間隔を隔てて並べられ周囲を相手部材と相対摺動する摺動部の表面に囲まれた長手方向と短手方向を有する多数の起伏条よりなる列を、起伏条が摺動部の周方向に間隔を隔てて並ぶよう複数設け、上記起伏条は、作動油を溜めることのできる凹条、または相手部材と当接したときにその周囲に作動油を溜めることのできる凹所を形成可能な凸条を含み、各起伏条はそれぞれ隣接する起伏条から独立しており、各列の起伏条は、摺動部の軸方向に対して長手方向が交互の逆向きに傾斜するとともに軸方向と直交する方向に隣接する起伏条と同方向に傾斜することを特徴とするものである。
本発明では、例えば往復動軸用の密封装置において、軸方向(往復動方向)に対して交互の逆向きに傾斜する多数の凹条に又は多数の凸条の周囲に溜められる潤滑剤が、往復動軸の往復動に伴って摺動部に潤沢に供給されるので、密封装置による往復動軸の往復動摩擦抵抗を格段に低減することができる。また、摺動面の接触面積が低減され、摺動抵抗を格段に小さくすることができる。
【0013】
た、請求項記載の発明は、環状のシリンダ室内に環状の油室を区画する環状のピストン部材と、このピストン部材にそれぞれ設けられる内外一対の環状のシール部材とを備え、各シール部材は、シリンダ室の対応する周面にそれぞれ摺動自在に接する摺動部としてのリップを含み、少なくとも一方のシール部材のリップの表面に、リップの周方向に対して傾くリップの表面に囲まれた長手方向と短手方向とを有する互いに独立した多数の起伏条がリップの周方向に所定の周方向ピッチで並べられて形成された列を、起伏条がリップの軸方向に所定の軸方向ピッチで並ぶよう複数設け、上記起伏条は、作動油を溜めることのできる凹条、または相手部材と当接したときにその周囲に作動油を溜めることのできる凹所を形成可能な凸条を含み、周方向に隣接する上記起伏条は、互いに逆向きに傾き、軸方向に隣接する上記起伏条は、互いに同じ向きに傾いていることを特徴とする密封装置を提供する。
本発明では、ピストン部材に設けられるシール部材において、起伏条がリップの表面に形成されているため、摺動面の接触面積が低減され、摺動抵抗を格段に小さくすることができる。また、起伏条としての凹条に又は凸条の周囲に作動油が非常に溜まりやすくなっているため、摺動面の潤滑状態が格段に向上されて、摺動抵抗をより確実に低減させることができる。その結果、ピストン部材の動作の応答性を格段に向上できる。しかも、リップの周方向に対して傾く起伏条を用いることにより、リップの摺動面に作動油がより溜まりやすくし、摺動抵抗を低減することができる。
また、請求項記載の発明は、請求項において、上記ピストン部材に背圧を与えるための環状の油室を区画する環状の区画板と、この区画板の少なくとも外周に設けられる環状のシール部材とをさらに備え、このシール部材は、ピストン部材の対応する周面に摺動自在に接する摺動部としてのリップを含み、このリップの表面に、リップの周方向に対して傾くリップの表面に囲まれた長手方向と短手方向とを有する互いに独立した多数の第2の起伏条がリップの周方向に所定の周方向ピッチで並べられて形成された列を、起伏条がリップの軸方向に所定の軸方向ピッチで並ぶよう複数設け、第2の起伏条は、作動油を溜めることのできる凹条、または相手部材と当接したときにその周囲に作動油を溜めることのできる凹所を形成可能な凸条を含み、周方向に隣接する上記起伏条は、互いに逆向きに傾き、軸方向に隣接する上記起伏条は、互いに同じ向きに傾いていることを特徴とする。 本発明では、請求項と同様の効果が得られる。しかも、背圧負荷用の油室の区画板にも請求項と同様のシール部材を適用することで、ピストン部材が受ける摺動抵抗をより低減することができる。
【0014】
上記起伏条をこのように配列することで、リップの摺動面に作動油がより一層溜まりやすくなり、より一層摺動抵抗を低減することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について具体的に説明する。
図1〜図4を参照して、本発明の一実施の形態について説明する。図1は、自動車の概略構成を示す模式図である。
自動車1は、例えばエンジン等の動力源2と、この動力源2とトルクコンバータ3を介して連絡される自動変速機4と、この自動変速機4からの動力を伝達される駆動車輪5と、車輪6とを備えている。自動変速機4は、動力源2の回転を減速して駆動車輪5に伝達する。自動変速機4の入力軸7は、トルクコンバータ3を介して動力源2と動力伝達可能に連結され、また、出力軸8は、継手9、伝動軸10等を介して、駆動車輪5と動力伝達可能に連結されている。
【0016】
自動変速機4は、入力軸7と、出力軸8と、入力軸7と出力軸8との間に介在して動力伝達する変速機構11と、この変速機構11に設けられたクラッチ部12とを有している。クラッチ部12の動作により、入力軸7から変速機構11への動力を、伝達または遮断することができるようになっている。
図2は、自動変速機4のクラッチ部12の要部を拡大した模式的断面図である。図2を参照して、クラッチ部12は、そのハウジング13に、ピストン部材14と、区画板15とを備えている。ハウジング13、ピストン部材14、および、区画板15はそれぞれ環状をなし、入力軸7の中心軸線16を中心として配置されている。
【0017】
ハウジング13は、中心軸線16回りに環状に形成される内筒13aと、中心軸線16回りに、内筒13aの径方向外方に環状に形成される外筒13bと、内筒13aおよび外筒13bの一端(図2において左側の端部)間を接続する環状の端壁13cとを備えている。ハウジング13は断面溝形をなしており、シリンダ室17が環状に形成されている。また、ハウジング13の外筒13bは、中心軸線16と同心の円筒部13dと、円筒部13dから軸方向に遠ざかるにつれて径方向外方に延びるテーパ部13eとを含む。
【0018】
ピストン部材14は、中心軸線16回りに環状に形成される内筒14aと、中心軸線16回りに、内筒14aの径方向外方に環状に形成される外筒14bと、内筒14aおよび外筒14bの一端(図2において左側の端部)間を接続する環状の端壁14cとを備える。ピストン部材14の外筒14bは、中心軸線16と同心の円筒部14dと、円筒部14dから軸方向に遠ざかるにつれて径方向外方に延びるテーパ部14eと、テーパ部14eから径方向外方へ延びる押圧部18とを含む。ピストン部材14の内筒14aには、その内周面19に環状のゴム製のシール部材20が備えられている。また、ピストン部材14の外筒14bには、その外周面21の端壁14c側に、環状のシール部材22が備えられている。各シール部材20、22の中心軸線は、中心軸線16上にある。
【0019】
ピストン部材14は、シリンダ室17に、軸方向に摺動自在に挿入されている。シール部材20はハウジング13の内筒13aの外周面23と、シール部材22はハウジング13の外筒13bの内周面24と、それぞれ接触するようになっている。ハウジング13、ピストン部材14およびシール部材20、22によって、シリンダ室17内に第1の油室25が区画されている。
ハウジング13の内筒13aには、第1の油室25と、ハウジング13の内筒13aの径方向内方の経路101とを連通する連通孔26が穿孔されており、この連通孔26を介して、加圧装置(図示せず)により加圧された作動油が第1の油室25に流入(図2において白抜きの矢符)できるようになっている。
【0020】
区画板15は、中心軸線16回りに環状に形成される例えば板金製の部材である。区画板15の、第1の油室25側の側面には、ピストン部材14の端壁14cに平行な平坦部27が設けられている。また、区画板15の外周28には、環状のシール部材29が設けられている。シール部材29は、ピストン部材14の外筒14bの内周面30と接触するように配置されている。また、ハウジング13の内筒13aには溝31が形成されており、この溝31に止め輪32が嵌められている。区画板15が止め輪32に当接することにより、区画板15の軸方向一方(図2において右側)への移動が規制されている。
【0021】
ピストン部材14の端壁14cには、区画板15と対向する側の側面に平坦部33が設けられており、平坦部33には保持部材34が取り付けられている。保持部材34には例えばコイルばね等の弾性部材35が、中心軸線16と平行に取り付けられている。弾性部材35は、ピストン部材14および区画板15を常に軸方向に押圧している。
また、シリンダ室17には、区画板15、シール部材29、ピストン部材14、シール部材20、およびハウジング13の内筒13aによって、第2の油室36が区画されている。第1の油室25と第2の油室36は、シリンダ室17の軸方向に並んで配列されている。ハウジング13の内筒13aには、第2の油室36とハウジング13の内筒13aの径方向内方の領域100とを連通する連通孔37が穿孔されており、この連通孔37を介して、領域100に貯留される作動油が第2の油室36に流入(図2において黒塗りの矢符)できるようになっている。
【0022】
シリンダ室17内に、シール部材20,22付きのピストン部材14を収容すると共に、シール部材29付きの区画板15を収容することにより、本実施の形態の密封装置が構成されている。シール部材20,22,29は主にピストン部材14の直線往復動用のシールとして機能するが、ピストン部材14はハウジング13や区画板15に対して相対回転するので、回転用のシールとしても機能する。
【0023】
本実施形態では、加圧された作動油が連通孔26を介して第1の油室25に流入し、弾性部材35の付勢力に抗してピストン部材14を第2の油室36側に摺動させる。これにより、ピストン部材14の押圧部18が、図3に示すように、押圧部18と平行に配列された各複数の第1および第2のクラッチ板38a、38b(総称していうときは単にクラッチ板38ともいう)を押圧する。これにより、クラッチ板38a、38b同士が互いに押圧され、図1の入力軸7からの動力をクラッチ部12を介して変速機構11へ伝達することができる。
【0024】
このクラッチ部12はいわゆる片効きタイプのシリンダであり、加圧された作動油は第1の油室25のみに供給される。供給された作動油の油圧によって第2の油室36側にピストン部材14が摺動すると、弾性部材35が軸方向に圧縮される。
ここで、第1の油室25内の作動油の油圧を低下させると、ピストン部材14を第2の油室36側に押圧する力が減少し、弾性部材35の付勢力によって、ピストン部材14が第1の油室25側に押し戻される。その結果、ピストン部材14の押圧部18が、図3に示すクラッチ板38への押圧を解除し、クラッチ部12を介する動力の伝達が遮断される。
【0025】
図3を参照して、ハウジング13は、入力軸7に一体回転可能に取り付けられている。入力軸7の回転と共にハウジング13が回転すると、シリンダ室17内の作動油が、入力軸7の回転数の二乗に比例した遠心力を受け、いわゆる遠心油圧が発生する。具体的には、第1の油室25には、ピストン部材14を第2の油室36側に付勢する遠心油圧40が発生する一方で、第2の油室36には、ピストン部材14を第1の油室25側に付勢する遠心油圧(背圧)41が発生し、これらの遠心油圧40と遠心油圧(背圧)41は互いに相殺される。したがって、ハウジング13の回転によりクラッチ部12に生じる遠心油圧の影響を最小限に抑え、遠心油圧がピストン部材14の動作に与える影響を最小限にすることができる。
【0026】
次いで、各シール部材20,22,29について詳細に説明する。まず、図4を参照して、ピストン部材14の内筒14a側のシール部材20は、ハウジング13の内筒13aの外周面23に接触する摺動部としての径方向内向きのリップ42を形成する内周部43と、ピストン部材14の内筒14aの内周面19に取り付けられる外周部44とを備えている。
シール部材20の内周部43の表面45には、リップ42の先端縁46を挟んだ両側に、第2の油室側傾斜面47と第1の油室側傾斜面48を有している。第2の油室側傾斜面47には、リップ42の周方向49に沿って延びる、互いに独立した多数の起伏条としての凹条50が、複数の列52、53、54をなして形成されている。隣接する列52、53、54の凹条50は、互い違いに配列されている。
【0027】
また、図5を参照して、ピストン部材14の外筒14b側のシール部材22は、ハウジング13の外筒13bの内周面24に接触する摺動部としての径方向外向きのリップ55を備えている。
リップ55の表面56は、リップ55の先端縁57を挟んだ両側に、第2の油室側傾斜面58と第1の油室側傾斜面59を有している。第2の油室側傾斜面58には、シール部材20と同様にして凹条50が設けられている。すなわち、リップ55の周方向60に沿って延びる、互いに独立した多数の起伏条としての凹条50が、複数の列52、53、54をなして形成されている。隣接する列52、53、54の凹条50は、互い違いに配列されている。
【0028】
また、図6に示すように、区画板15の外周28に設けられるシール部材29は、シール部材22と同様の構成である。すなわち、シール部材29はピストン部材14の外筒14bの内周面30に接触する摺動部としての径方向外向きのリップ55を備えており、このリップ55にはシール部材22と同様の構成の凹条50が列52,53,54をなして形成されている。
本実施の形態によれば、環状のシリンダ室17内に収容される環状のピストン部材14の内外のシール部材20,22の摺動部としてのリップ42,55の第2の油室側傾斜面47,58に、それぞれ多数の凹条50が複数の列52、53、54をなして形成されている。このため、各リップ42,55の摺接面積が低減され、摺動抵抗を格段に小さくすることができる。
【0029】
また、多数の凹条50によって第2の油室側傾斜面47,58に潤沢な量の作動油を保持することができ、これにより各リップ42,55の摺動抵抗をより確実に低減させることができる。したがって、ピストン部材14の動作の応答性をより向上させることが可能である。
しかも、ピストン部材14の外筒14bの内周面30に摺接するシール部材29にも同様の凹条50を設けられ、該シール部材29とピストン部材14との摺動抵抗も低減されるので、ピストン部材14の動作の応答性をより一層向上させることが可能である。
【0030】
上記の凹条50の深さは20〜100μmの範囲にあることが好ましい。凹条50の深さが20μm未満では潤滑効果が十分に得られず、100μmを超えると凹条50の加工性とリップ42の強度に問題が生ずる虞があるため、凹条50の深さを上記の範囲に設定した。なお、凹条50の深さが40〜80μmの範囲であれば、より好ましい。
凹条50の長手方向の長さAは100〜500μmの範囲にあることが好ましい。凹条50の長手方向の長さAが100μm未満では潤滑効果が十分に得られず、500μmを超えると密封性の低下や異音発生の問題が生じやすくなるため、凹条50の長手方向の長さAを上記の範囲に設定した。なお、凹条50の長手方向の長さAが200〜400μmの範囲であれば、より好ましい。
【0031】
凹条50の短手方向の幅Bは50〜200μmの範囲にあることが好ましい。凹条50の短手方向の幅Bが50μm未満では潤滑効果が十分に得られず、200μmを超えるとリップ42の第2の油室側傾斜面47に設けられる凹条50の本数が減少し、密封性も悪くなる虞が生ずるため、凹条50の短手方向の幅Bを上記の範囲に設定した。なお、凹条50の短手方向の幅Bが、80〜150μmの範囲であれば、より好ましい。
【0032】
同一の列において隣接する凹条50は、周方向49のピッチCが、凹条50の長さAの1.5〜3倍の範囲で配列されていることが好ましい。周方向49のピッチCが、凹条50の長さAの1.5倍未満(C<1.5A)では密封性が悪くなる虞が生じ、3倍を超える(C>3A)と潤滑効果が十分に得られないため、ピッチCを上記の範囲に設定した。なお、周方向49のピッチCが、凹条50の長さAの1.8〜2.2倍の範囲であれば、より好ましい。
【0033】
列52、53、54の軸方向のピッチDは、凹条50の幅Bの1.5〜3倍の範囲で配列されていることが好ましい。軸方向のピッチDが、凹条50の幅Bの1.5倍未満(D<1.5A)では密封性が悪くなる虞が生じ、3倍を超える(D>3A)と潤滑効果が十分に得られないため、ピッチDを上記の範囲に設定した。なお、軸方向のピッチDが、凹条50の幅Bの略2倍であれば、より好ましい。
【0034】
上記の実施の形態では、ピストン部材14のためのシール部材20,22に特徴部分である凹条50を適用したが、シール部材20,22のいずれか一方に凹条50を適用することによっても摺動抵抗低減の効果が得られる。また、上記の実施の形態では区画板15のためのシール部材29に凹条50を適用したが、適用しない場合も考えられる。
凹条50としては、シール部材20の周方向49に沿うものに限らず、例えば、図7に示すように、シール部材20の周方向49(周方向49に沿う軸線)に対して所定の傾き角Eを有していても良い。この場合、同一の列において隣接する凹条50は、互いに逆向きに(すなわちハの字状のパターンをなして)傾いていることが好ましい。図示していないが、シール部材22,29の凹条50についても周方向60(周方向60に沿う軸線)に対して所定の傾き角Eを有していても良い。傾き角Eとしては、25〜65度の範囲が好ましく、40〜50度の範囲にあればより好ましい。
【0035】
また、起伏条としては凹条50に限らず、凸条により形成されていても良い。この場合、凸条の高さは20〜100μmの範囲にあることが高い密封性と低摺動性を達成する点で好ましく、40〜80μmの範囲であれば、より好ましい。起伏条が凸条により形成されている場合も、凹条50の場合と同様の作用効果を奏することができる。すなわち、リップ42,55の摺動面積が低減される。また、この凸条の周囲に作動油が非常に蓄えられやすくなるため、リップ42、55の摺動抵抗を格段に低減することができる。
【0036】
上記の実施形態では、第2の油室側傾斜面に起伏条を形成するものとして説明したが、これに限らず、第1の油室側傾斜面に起伏条を形成するものであっても良いし、第1の油室側傾斜面と第2の油室側傾斜面の両方に起伏条を形成するものであっても良い。
さらに、凹条・凸条の形状は、たとえば、四角形、楕円形、菱形であっても良い。
【0037】
上記の実施の形態では、本発明の密封装置をピストン部材の密封装置として適用した例に則して説明したが、これに限らない。
例えば、図8に示すような、電動パワーステアリング装置80の入力軸81用の密封装置82のリップ等の摺動部83に上記のハの字状のパターンをなす凹条又は凸条50(図7参照)を設けて、回転摺動抵抗を低減することが可能である。図8において、密封装置82は電動パワーステアリング装置80のハウジング84と入力軸81との間を封止しており、弾性部材からなり上記摺動部83を有するシール本体85と、シール本体85に埋設される補強用の芯金86とを備える。87はバックアップリングである。
【0038】
また、同様の構成の密封装置82は、図9に示すような、油圧式パワーステアリング装置88の入力軸89および出力軸90用のオイルシールとして適用することができる。
また、ステアリング装置のラックバー用のロッドシールのリップ等の摺動部に上記のハの字状のパターンをなす凹条又は凸条を設けて、直線往復動の摺動抵抗を低減することができる。
【0039】
また、サスペンションに用いられるショックアブソーバの往復動ロッド用のロッドシールに上記のハの字状のパターンをなす凹条又は凸条を設けて、直線往復動の摺動抵抗を低減することができる。
また、エンジンのバルブステム用のロッドシールのリップ等の摺動部に上記のハの字状のパターンをなす凹条又は凸条を設けて、直線往復動の摺動抵抗を低減することができる。
【0040】
また、軸受の内輪又は外輪の何れか一方に固定されて他方に摺接するリップ等の摺動部を有する軸受用シールにおいて、摺動部に上記のハの字状のパターンをなす凹条又は凸条を設けて、軸受の摺動抵抗を低減することができる。また、パック用軸受用のシールについても同様である。
また、エンジンのクランクシャフト用オイルシールのリップ等の摺動部に上記のハの字状のパターンをなす凹条又は凸条を設けて、回転往復動の摺動抵抗を低減することができる。
【0041】
また、本発明はオイルシールその他の密封装置への適用に限定されるものではなく、図10に示すように、合成ゴムやナイロン66等の合成樹脂等の高分子材料からなる摺動部材91に適用することができる。すなわち摺動部材91の摺動部92に摺動方向93に対して交互の逆向きに角度Eをなして傾斜する上記のハの字状のパターンをなす凹条50又は凸条を設けて、摺動抵抗を低減するわけである。
【0042】
【実施例】
回転軸用のオイルシールの内向きのリップの油側傾斜面に図7と同様のハの字のパターンをなす凹条を形成した実施例1と、油側傾斜面に図4と同様の周方向に沿って延びる凹条を形成した実施例2と、凹凸を一切形成しない比較例1とを作成し、回転摩擦トルクを測定したところ、図11に示す結果を得た。
図11を参照して、起動回転摩擦トルクと安定回転摩擦トルク(10時間後)をみると、
起動回転摩擦トルク
比較例1:1.6Kgf・cm(15.7N・cm)
実施例1:0.9Kgf・cm(8.8N・cm)
実施例2:1.3Kgf・cm(12.7N・cm)
安定回転摩擦トルク
比較例1:1.4Kgf・cm(13.7N・cm)
実施例1:0.9Kgf・cm(8.8N・cm)
実施例2:1.1Kgf・cm(10.8N・cm)
であり、実施例1は比較例1(従来品)に対して、起動回転摩擦トルクを43%低減でき、安定回転摩擦トルクを35%低減できると共に、実施例2は比較例1(従来品)に対して起動回転摩擦トルクを20%低減でき、安定回転摩擦トルクを20%を低減できた。つまり、起動回転摩擦トルクと安定回転摩擦トルクを共に低減できる顕著な効果が得られることが判明した。特に、実施例1に関しては、起動回転摩擦トルクは安定回転摩擦トルクと等しい値を有するので、理想の摩擦特性となる。
【0043】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲内で種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動車の概略構成を示す模式図である。
【図2】自動変速機のクラッチ部の要部を拡大した模式的断面図である。
【図3】遠心油圧を説明するためのシリンダとピストンの模式図である。
【図4】図2のピストン部材の内筒に設けられたシール部材の要部拡大断面図である。
【図5】図2のピストン部材の内筒に設けられたシール部材の要部拡大断面図である。
【図6】図2の区画板の外周に設けられたシール部材の要部拡大断面図である。
【図7】本発明の別の実施の形態のシール部材の要部拡大断面図である。
【図8】本発明のさらに別の実施の形態の密封装置が適用された電動パワーステアリング装置の部分断面概略図である。
【図9】本発明のさらに別の実施の形態の密封装置が適用された油圧式パワーステアリング装置の部分断面概略図である。
【図10】本発明のさらに別の実施の形態としての摺動部材の概略図である。
【図11】回転摩擦トルクの経時変化を示すグラフ図である。
【符号の説明】
4 自動変速機
12 クラッチ部
13 ハウジング
13a 内筒
13b 外筒
14 ピストン部材
14a 内筒
14b 外筒
15 区画板
16 中心軸線
17 シリンダ室
20 シール部材
21 外周面
22 シール部材
23 外周面
24 内周面
25 第1の油室
28 外周
29 シール部材
30 内周面
36 第2の油室
42 リップ(摺動部)
45 表面
47 第2の油室側傾斜面
49 周方向
50 凹条
52、53、54 列
55 リップ(摺動部)
56 表面
58 第2の油室側傾斜面
60 周方向
E 傾き角
91 摺動部材
92 摺動部
93 摺動方向

Claims (6)

  1. 相手部材に対して相対摺動する摺動部を有する高分子材料からなる摺動部材において、
    上記摺動部の表面に、摺動方向に間隔を隔てて並べられ周囲を相手部材と相対摺動する摺動部の表面に囲まれた長手方向と短手方向を有する多数の起伏条よりなる列を、起伏条が摺動方向と直交する方向に間隔を隔てて並ぶよう複数設け、
    上記起伏条は、作動油を溜めることのできる凹条、または相手部材と当接したときにその周囲に作動油を溜めることのできる凹所を形成可能な凸条を含み、
    各起伏条はそれぞれ隣接する起伏条から独立しており、
    各列の起伏条は、摺動方向に対して長手方向が交互の逆向きに傾斜するとともに摺動方向と直交する方向に隣接する起伏条と同方向に傾斜することを特徴とする摺動部材。
  2. 相手部材との間を密封するためのシール部材を備え、このシール部材が相手部材に対して相対摺動する摺動部を含む密封装置において、
    上記摺動部の表面に、摺動方向に間隔を隔てて並べられ周囲を相手部材と相対摺動する摺動部の表面に囲まれた長手方向と短手方向を有する多数の起伏条よりなる列を、起伏条が摺動方向と直交する方向に間隔を隔てて並ぶよう複数設け、
    上記起伏条は、作動油を溜めることのできる凹条、または相手部材と当接したときにその周囲に作動油を溜めることのできる凹所を形成可能な凸条を含み、
    各起伏条はそれぞれ隣接する起伏条から独立しており、
    各列の起伏条は、摺動方向に対して長手方向が交互の逆向きに傾斜するとともに摺動方向と直交する方向に隣接する起伏条と同方向に傾斜することを特徴とする密封装置。
  3. 相手部材との間を密封するためのシール部材を備え、このシール部材が相手部材に対して相対回転する環状の摺動部を含む密封装置において、
    上記摺動部の表面に、摺動部の周方向に間隔を隔てて並べられ周囲を相手部材と相対摺動する摺動部の表面に囲まれた長手方向と短手方向を有する多数の起伏条よりなる列を、起伏条が摺動部の軸方向に間隔を隔てて並ぶよう複数設け、
    上記起伏条は、作動油を溜めることのできる凹条、または相手部材と当接したときにその周囲に作動油を溜めることのできる凹所を形成可能な凸条を含み、
    各起伏条はそれぞれ隣接する起伏条から独立しており、
    各列の起伏条は、摺動部の周方向に対して長手方向が交互の逆向きに傾斜するとともに回転方向と直交する方向に隣接する起伏条と同方向に傾斜することを特徴とする密封装置。
  4. 相手部材との間を密封するためのシール部材を備え、このシール部材が相手部材に対して軸方向に相対移動する環状の摺動部を含む密封装置において、
    上記摺動部の表面に、摺動部の軸方向に間隔を隔てて並べられ周囲を相手部材と相対摺動する摺動部の表面に囲まれた長手方向と短手方向を有する多数の起伏条よりなる列を、起伏条が摺動部の周方向に間隔を隔てて並ぶよう複数設け、
    上記起伏条は、作動油を溜めることのできる凹条、または相手部材と当接したときにその周囲に作動油を溜めることのできる凹所を形成可能な凸条を含み、
    各起伏条はそれぞれ隣接する起伏条から独立しており、
    各列の起伏条は、摺動部の軸方向に対して長手方向が交互の逆向きに傾斜するとともに軸方向と直交する方向に隣接する起伏条と同方向に傾斜することを特徴とする密封装置。
  5. 環状のシリンダ室内に環状の油室を区画する環状のピストン部材と、このピストン部材にそれぞれ設けられる内外一対の環状のシール部材とを備え、
    各シール部材は、シリンダ室の対応する周面にそれぞれ摺動自在に接する摺動部としてのリップを含み、
    少なくとも一方のシール部材のリップの表面に、リップの周方向に対して傾くリップの表面に囲まれた長手方向と短手方向とを有する互いに独立した多数の起伏条がリップの周方向に所定の周方向ピッチで並べられて形成された列を、起伏条がリップの軸方向に所定の軸方向ピッチで並ぶよう複数設け、
    上記起伏条は、作動油を溜めることのできる凹条、または相手部材と当接したときにその周囲に作動油を溜めることのできる凹所を形成可能な凸条を含み、周方向に隣接する上記起伏条は、互いに逆向きに傾き、軸方向に隣接する上記起伏条は、互いに同じ向きに傾いていることを特徴とする密封装置。
  6. 請求項5において、上記ピストン部材に背圧を与えるための環状の油室を区画する環状の区画板と、この区画板の少なくとも外周に設けられる環状のシール部材とをさらに備え、
    このシール部材は、ピストン部材の対応する周面に摺動自在に接する摺動部としてのリップを含み、
    このリップの表面に、リップの周方向に対して傾くリップの表面に囲まれた長手方向と短手方向とを有する互いに独立した多数の第2の起伏条がリップの周方向に所定の周方向ピッチで並べられて形成された列を、起伏条がリップの軸方向に所定の軸方向ピッチで並ぶよう複数設け、
    第2の起伏条は、作動油を溜めることのできる凹条、または相手部材と当接したときにその周囲に作動油を溜めることのできる凹所を形成可能な凸条を含み、周方向に隣接する上記起伏条は、互いに逆向きに傾き、軸方向に隣接する上記起伏条は、互いに同じ向きに傾いていることを特徴とする密封装置。
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