JP6108893B2 - インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法 - Google Patents

インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法 Download PDF

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Description

本発明は、インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録方法は、インク小滴を普通紙などの記録媒体に付与して画像を形成する記録方法であり、その低価格化、記録速度の向上により、急速に普及が進んでいる。一般に、インクジェット記録方法で得られた記録物は、銀塩写真と比較してその画像の堅牢性が低い。特に、記録物が、光、湿度、熱、空気中に存在するオゾンガスなどの環境ガスに長時間さらされた際に、記録物の色材が劣化し、画像の色調変化や褪色が発生しやすいといった問題がある。
画像の色調変化や褪色は、シアン、イエロー、及びマゼンタの各インクのなかでも、特に耐オゾン性が低いシアンインクが主たる要因となって起こるので、シアンインクの耐オゾン性を向上するための数多くの提案がある。例えば、シアンインクの色材としてよく用いられるフタロシアニン化合物の構造を工夫することによって、画像の耐オゾン性を向上させることについての提案がある(特許文献1及び2参照)。
フタロシアニン化合物を用いたシアンインクのもう1つの課題として、その凝集性の高さに起因して発生する金属光沢、いわゆるブロンズ現象が挙げられる。ブロンズ現象が発生した場合、記録される画像の光学反射特性が変化して発色性や色相が著しく劣って見えてしまい、画像品位の低下が引き起こされる。ブロンズ現象は、インクが記録媒体に付与された際に、色材の凝集性の高さと、記録媒体への浸透性の低下などにより、記録媒体の表面やその近傍で色材が凝集して発生すると考えられる。ブロンズ現象の発生を抑制するために、例えば、銅フタロシアニン化合物を含有するインクに多価アルコールやエーテル化合物を添加することが提案されている(特許文献3参照)。
国際公開第2004/087815号 国際公開第2007/091631号 特開2005−350565号公報
本発明者らは、耐オゾン性と耐ブロンズ性がいずれも向上し、かつ、これらの特性が両立した画像を記録可能なシアンインクを提供することを目的として、上記の特許文献に記載された提案を中心に検討した。しかし、上記の特許文献で提案されたいずれのインクであっても、耐オゾン性及び耐ブロンズ性に優れた画像を記録するには至らなかった。例えば、特許文献1及び2に記載のフタロシアニン化合物を用いた場合、記録される画像の耐ブロンズ性は許容範囲であるものの、耐オゾン性は不十分であった。また、特許文献3に記載のインクを用いた場合も、記録される画像の耐オゾン性は十分ではあるとは言えなかった。さらに、この場合、多価アルコールの種類によっては、インクの耐固着性が不十分となることもわかった。
したがって、本発明の目的は、耐オゾン性及び耐ブロンズ性に優れた画像を記録可能であるとともに、耐固着性に優れたインクを提供することにある。また、本発明の別の目的は、前記インクを用いたインクカートリッジ、及びインクジェット記録方法を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明によれば、色材及び水溶性有機溶剤を含有するインクであって、前記色材が、下記一般式(1)で表される化合物であり、前記水溶性有機溶剤が、炭素数4以上6以下のアルカンジオールを含み、インク全質量を基準とした、前記炭素数4以上6以下のアルカンジオールの含有量(質量%)が、前記色材の含有量(質量%)に対する質量比率で、1.0倍以上10.0倍以下であり、前記炭素数4以上6以下のアルカンジオールが、1,5−ペンタンジオール及び1,6−ヘキサンジオールの少なくとも一方であることを特徴とするインクが提供される。
Figure 0006108893
(前記一般式(1)中、破線で表される環A、B、C及びDは、それぞれ独立に、ベンゼン環又は含窒素複素芳香環を表し、かつ、前記含窒素複素芳香環の数は0.0より大きく3.0以下であるとともに残りはベンゼン環である。R1はアルキル基を表し、R2はアルキレン基を表し、Xは1以上のスルホン酸基を有するアニリノ基を表す。Xはカルボキシ基、リン酸基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキルカルボニルアミノ基、ウレイド基、ニトロ基、及びハロゲン原子からなる群より選択される1以上の置換基をさらに有してもよい。mは0.0より大きく3.9未満であり、nは0.1以上4.0未満であり、かつ、m及びnの和は1.0以上4.0未満である)
本発明によれば、耐オゾン性及び耐ブロンズ性に優れた画像を記録可能であるとともに、耐固着性に優れたインクを提供することができる。また、本発明によれば、このインクを用いたインクカートリッジ、及びインクジェット記録方法を提供することができる。
本発明のインクカートリッジの一実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置の一例を模式的に示す図であり、(a)はインクジェット記録装置の主要部の斜視図、(b)はヘッドカートリッジの斜視図である。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、さらに本発明を詳細に説明する。なお、本発明においては、化合物が塩である場合は、インク中では塩はイオンに解離して存在しているが、便宜上、「塩を含有する」と表現する。一般式(1)で表される化合物は後述するように混合物であるが、便宜上、その混合物の代表例の構造として一般式(1)を示しており、また、各環の数や置換基数は平均値として示している。この色材はシアン色を呈する水溶性の染料であり、シアンインク用や他色インクの調色用の色材として好適に用いることができる。なお、本明細書においては、便宜上、一般式(1)で表される化合物を、まとめて「色材」と簡略化して記載することがある。
本発明のインクは、色材としての一般式(1)で表される化合物と、炭素数4以上6以下のアルカンジオールを含む水溶性有機溶剤とを含有する。このような構成を採用した本発明のインクは、画像記録の際にアルカンジオールの浸透性を利用して色材を記録媒体の深部まで浸透させ、記録媒体やそのインク受容層中で色材を均一に分布させることができる。また、後述するように、一般式(1)で表される化合物は凝集性が高いことに起因してオゾンガスへの耐性に優れる。このため、本発明のインクを用いれば、従来のインクを用いる場合と比較して、耐オゾン性と耐ブロンズ性に優れた画像を記録することができる。
本発明者らは、シアンインクを用いて記録した画像の耐オゾン性を向上させるためには色材の凝集性を高めることが重要であると考え、色材の構造について種々の検討を行った。その結果、一般式(1)で表される化合物は凝集性が高いため、この化合物を色材として含有するインクで記録した画像の耐オゾン性が向上することを見出した。また、本発明者らは、一般式(1)で表される化合物を色材として含有するインクで記録した画像の耐ブロンズ性を評価した。その結果、記録した画像の耐ブロンズ性は十分なレベルにあるとは言えないことが判明した。ブロンズ現象は、記録媒体の表面やその近傍に色材が局所的に存在することにより発生する現象である。このため、凝集性の高い一般式(1)で表される化合物を色材として含有するインクで記録した画像の耐ブロンズ性が不十分になったものと考えられる。
そこで、一般式(1)で表される化合物を色材として含有するインクを用いて記録した画像の耐ブロンズ性が低下するといった課題を解決すべく、本発明者らはさらなる検討を行った。その結果、一般式(1)で表される化合物とともに、炭素数4以上6以下のアルカンジオールを含有させることで、耐オゾン性と耐ブロンズ性のいずれもが向上した画像を記録可能になることを見出した。記録される画像の耐オゾン性と耐ブロンズ性がいずれも向上する理由を、本発明者らは以下のように推測している。
アルカンジオールは主鎖であるアルキル鎖に2つのヒドロキシ基が結合した化合物であるため、界面活性剤のような挙動を示すが、インクの表面張力を下げ過ぎることはない。このため、アルカンジオールをインクに含有させることで、インクに適度な浸透性やレベリング性を付与することができる。特に、一般式(1)で表される化合物と、炭素数4以上6以下のアルカンジオールとをインクに含有させた場合は、インクの浸透性とレベリング性のバランスが最適化され、インクの耐固着性が損なわれることもない。このため、色材である一般式(1)で表される化合物が記録媒体へ浸透しやすくなり、記録媒体やそのインク受容層中で均一に色材が分布した状態となる。その結果、画像の耐オゾン性と耐ブロンズ性が向上したものと考えられる。なお、界面活性剤を使用してもインクの浸透性を高めることはできるが、インクの表面張力が下がり過ぎる場合や、インクの耐固着性が低下する場合があるため、炭素数4以上6以下のアルカンジオールを用いる必要がある。
<インク>
以下、本発明のインクを構成する各成分について詳細に説明する。
(色材)
本発明のインクは、下記一般式(1)で表される化合物を色材として含有することを要する。
Figure 0006108893
(前記一般式(1)中、破線で表される環A、B、C及びDは、それぞれ独立に、ベンゼン環又は含窒素複素芳香環を表し、かつ、前記含窒素複素芳香環の数は0.0より大きく3.0以下であるとともに残りはベンゼン環である。R1はアルキル基を表し、R2はアルキレン基を表し、Xは1以上のスルホン酸基を有するアニリノ基を表す。Xはカルボキシ基、リン酸基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキルカルボニルアミノ基、ウレイド基、ニトロ基、及びハロゲン原子からなる群より選択される1以上の置換基をさらに有してもよい。mは0.0より大きく3.9未満であり、nは0.1以上4.0未満であり、かつ、m及びnの和は1.0以上4.0未満である)
一般式(1)中、破線で表される環A、B、C及びDで表される含窒素複素芳香環に環構成原子として含まれる窒素原子の数は、通常1又は2、好ましくは1である。含窒素複素芳香環の具体例としては、窒素原子が1つのピリジン;窒素原子が2つのピラジン、ピリダジン、ピリミジンを挙げることができる。なかでも、ピリジン環が特に好ましい。
含窒素複素芳香環におけるポルフィラジン環との縮環部位は特に限定されない。例えば、環A、B、C及びDで表される含窒素複素芳香環がピリジン環である場合には、窒素原子の位置を1位として、2位及び3位、又は3位及び4位で縮環したものが好ましく、3位及び4位で縮環したものが特に好ましい。環A、B、C及びDのうちの含窒素複素芳香環の数は、0.0より大きく3.0以下であり、好ましくは0.2以上2.0以下、さらに好ましくは0.5以上1.7以下、特に好ましくは0.7以上1.5以下である。また、環A、B、C及びDのうちの残りはベンゼン環である。環A、B、C及びDのうちのベンゼン環の数は、1.0以上4.0未満、好ましくは2.0以上3.8以下、さらに好ましくは2.3以上3.5以下、特に好ましくは2.5以上3.3以下である。
なお、本明細書においては特に断りのない限り、含窒素複素芳香環の数については小数点以下2桁目を四捨五入して1桁目までを記載する。ただし、例えばピリジン環の数が1.35、ベンゼン環の数が2.65のとき、両者を四捨五入すると前者が1.4、後者が2.7となり、両者の合計が環の合計の4.0より大きくなってしまう。このような場合には、便宜上、含窒素複素芳香環の数の小数点以下2桁目を切り捨て、ベンゼン環の数のみ四捨五入することにより、前者を1.3、後者を2.7として記載する。また、一般式(1)中のm及びnについても、原則として小数点以下2桁目を四捨五入して1桁目までを記載する。ただし、両者の合計が理論値を上回る場合においては、mの小数点以下2桁目を切り捨て、nのみ四捨五入して記載する。
一般式(1)中、R1で表されるアルキル基としては、直鎖、分岐鎖又は環状アルキル基を挙げることができる。なかでも、直鎖又は分岐鎖アルキル基が好ましく、直鎖アルキル基がさらに好ましい。アルキル基の炭素数は、通常1以上6以下、好ましくは1以上4以下、さらに好ましくは1以上3以下である。アルキル基の具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルなどの直鎖アルキル基;イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、イソペンチル、イソヘキシルなどの分岐鎖アルキル基;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどの環状アルキル基などを挙げることができる。これらのなかでも、メチル基、エチル基、又はイソプロピル基が好ましく、メチル基又はエチル基がさらに好ましく、メチル基が特に好ましい。
一般式(1)中、R2で表されるアルキレン基としては、直鎖、分岐鎖又は環状アルキレン基を挙げることができる。なかでも、直鎖又は環状アルキレン基が好ましく、直鎖アルキレン基がさらに好ましい。アルキレン基の炭素数は、通常2以上12以下であり、好ましくは2以上6以下、さらに好ましくは2以上4以下、特に好ましくは2以上3以下である。アルキレン基の具体例としては、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、ウンデシレン、ドデシレンなどの直鎖アルキレン基;2−メチルエチレンなどの分岐鎖アルキレン;シクロプロピレンジイル、1,2−又は1,3−シクロペンチレンジイル、1,2−、1,3−又は1,4−などの各シクロヘキシレンジイルなどの環状アルキレン基などを挙げることができる。これらのなかでも、メチレン基、エチレン基、又はプロピレン基が好ましく、エチレン基又はプロピレン基がさらに好ましく、エチレン基が特に好ましい。
一般式(1)中、Xで表される、1以上のスルホン酸基を有するアニリノ基としては、通常1以上3以下、好ましくは1又は2、さらに好ましくは2つのスルホン酸基を有するアニリノ基を挙げることができる。1以上のスルホン酸基を有するアニリノ基の具体例としては、2−スルホアニリノ、3−スルホアニリノ、4−スルホアニリノなどのスルホン酸基を1つ有するアニリノ基;2,3−ジスルホアニリノ、2,4−ジスルホアニリノ、2,5−ジスルホアニリノ、3,4−ジスルホアニリノ、3,5−ジスルホアニリノなどのスルホン酸基を2つ有するアニリノ基;2,3,4−トリスルホアニリノ、2,3,5−トリスルホアニリノ、2,3,6−トリスルホアニリノ、3,4,5−トリスルホアニリノなどのスルホン酸基を3つ有するアニリノ基などを挙げることができる。これらのなかでも、2,5−ジスルホアニリノ基が特に好ましい。
一般式(1)中、Xで表される、1以上のスルホン酸基を有するアニリノ基が、スルホン酸基以外の置換基をさらに有する場合において、このスルホン酸基以外の置換基の数は通常1又は2であり、好ましくは1である。置換基の種類は単一であっても複数であってもよい。スルホン酸基以外の置換基としては、カルボキシ基、リン酸基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキルカルボニルアミノ基、ウレイド基、ニトロ基、及びハロゲン原子などを挙げることができる。以下、Xで表される、1以上のスルホン酸基を有するアニリノ基がさらに持ちうる、スルホン酸基以外の置換基の具体例を挙げる。
アルコキシ基としては、直鎖、分岐鎖又は環状アルコキシ基を挙げることができ、直鎖又は分岐鎖アルコキシ基が好ましく、直鎖アルコキシ基がさらに好ましい。アルコキシ基の炭素数は、通常1以上6以下、好ましくは1以上4以下、さらに好ましくは1以上3以下である。アルコキシ基の具体例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、n−ブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキシロキシなどの直鎖アルコキシ基;イソプロポキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、t−ブトキシ、イソペンチロキシ、イソヘキシロキシなどの分岐鎖アルコキシ基;シクロプロポキシ、シクロペントキシ、シクロヘキシロキシなどの環状アルコキシ基などを挙げることができる。これらのなかでも、メトキシ基、エトキシ基又はイソプロポキシ基が好ましく、メトキシ基がさらに好ましい。
アルキルカルボニルアミノ基としては、直鎖又は分岐鎖アルキルカルボニルアミノ基を挙げることができ、直鎖アルキルカルボニルアミノ基が好ましい。このアルキルカルボニルアミノ基のアルキル部分の炭素数は、通常1以上6以下、好ましくは1以上4以下、さらに好ましくは1以上3以下である。アルキルカルボニルアミノ基の具体例としては、メチルカルボニルアミノ(アセチルアミノ)、エチルカルボニルアミノ、n−プロピルカルボニルアミノ、n−ブチルカルボニルアミノなどの直鎖アルキルカルボニルアミノ基;イソプロピルカルボニルアミノなどの分岐鎖アルキルカルボニルアミノ基などを挙げることができる。これらのなかでも、アセチルアミノ基が好ましい。
ウレイド基としては、無置換のウレイド基、アルキルウレイド基、アリールウレイド基を挙げることができる。アルキル又はアリールウレイド基の具体例としては、メチルウレイド、エチルウレイド、N,N−ジメチルウレイド、N,N−ジブチルウレイドなどのアルキルウレイド基;フェニルウレイドなどのアリールウレイド基などを挙げることができる。これらのなかでも、無置換のウレイド基が特に好ましい。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などを挙げることができる。これらのなかでも、塩素原子が特に好ましい。
前記一般式(1)中のm、n、並びにm及びnの和は、いずれも平均値である。mは非置換スルファモイル基の置換数を表し、0.0より大きく3.9未満である。nは置換スルファモイル基の置換数を表し、0.1以上4.0未満である。また、m及びnの和は1.0以上4.0未満である。環A、B、C及びDのうちの含窒素複素芳香環の数が0.2以上2.0以下、ベンゼン環の数が2.0以上3.8以下である場合には、mは1.8以上3.6以下、nは0.2以上2.0以下、m及びnの和は2.0以上3.8以下であることが好ましい。また、環A、B、C及びDのうちの含窒素複素芳香環の数が0.3以上1.5以下、ベンゼン環の数が2.5以上3.7以下である場合には、mが2.2以上3.0以下、nが0.3以上1.5以下、m及びnの和が2.5以上3.7以下であることが好ましい。さらに、環A、B、C及びDのうちの含窒素複素芳香環の数が0.5以上1.2以下、ベンゼン環の数が2.8以上3.5以下である場合には、mが2.1以上3.1以下、nが0.4以上1.4以下、m及びnの和が2.8以上3.5以下であることが好ましい。
mの値が大きくなるにしたがい、一般式(1)で表される化合物の凝集性が高くなる傾向があるため、記録される画像の耐オゾン性は向上する傾向にある一方で、ブロンズ現象が生じやすくなる傾向にある。このため、記録される画像の耐オゾン性と耐ブロンズ性を考慮しながらm及びnの値を適宜調節し、バランスのよい比率を選択すればよい。なお、m及びnによって置換数がそれぞれ表される非置換スルファモイル基と置換スルファモイル基は、いずれも、環A、B、C及びDのうちのベンゼン環に導入される基である。つまり、非置換スルファモイル基及び置換スルファモイル基のいずれも、環A、B、C及びDのうちの含窒素複素芳香環には導入されない。
一般式(1)で表される化合物は、遊離酸型(H型)であってもよく、また、分子中のスルホン酸基などの酸性基により塩を形成していてもよい(塩型)。塩を形成する場合のカウンターイオンとしては、アルカリ金属;アンモニア(NH3);有機アンモニウムなどのカチオンを挙げることができる。アルカリ金属の具体例としては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどを挙げることができる。有機アンモニウムの具体例としては、メチルアミン、エチルアミンなどの炭素数1以上3以下のアルキルアミン類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどの炭素数1以上4以下のモノ、ジ又はトリアルカノールアミン類などの有機アンモニウムを挙げることができる。なお、後述する一般式(2)で表される化合物が塩型である場合のMも、上述のアルカリ金属;アンモニア(NH3);有機アンモニウムなどのカチオンから選択することができる。
前記一般式(1)で表される化合物の塩の好適な具体例としては、ナトリウム、カリウム、リチウムなどのアルカリ金属との塩;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどの炭素数1以上4以下のモノ、ジ又はトリアルカノールアミンとの塩;アンモニウム(NH4 +)塩などを挙げることができる。
また、一般式(1)で表される化合物が塩型である場合は、塩のカウンターイオンの種類により、溶解性などの物理的な性質や、その塩を色材として含有するインクの性能(特に記録される画像の堅牢性にかかわる性能)などが変化する場合がある。このため、目的とするインクの性能などに応じて塩の種類を選択することも好ましい。なお、化合物を遊離酸型から塩型にするには、上記で挙げたようなカチオンを生成する物質(アルカリ金属の水酸化物など)を添加して、化合物を含む液体のpHをアルカリ領域に調整すればよい。化合物を塩型から遊離酸型にするには、酸を添加して、化合物を含む液体のpHを酸性領域に調整すればよい。また、特定の塩型から他の塩型にするには、イオン交換などを行えばよい。
本発明のインクに含有される色材のより好適な具体例としては、下記一般式(2)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 0006108893
(前記一般式(2)中、破線で表される環A、B、C及びDは、それぞれ独立に、ベンゼン環又は含窒素複素芳香環を表し、かつ、前記含窒素複素芳香環の数は0.0より大きく3.0以下であるとともに残りはベンゼン環である。Mは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す。mは0.0より大きく3.9未満であり、nは0.1以上4.0未満であり、かつ、m及びnの和は1.0以上4.0未満である)
一般式(1)で表される化合物の好適な具体例を表1に示す。勿論、本発明のインクに色材として用いられる一般式(1)で表される化合物は、一般式(1)の構造及びその定義に包含されるものであれば、表1に示す例示化合物に限定されない。また、当業者であれば周知の通り、一般式(1)で表される化合物などのフタロシアニン系のポルフィラジン化合物は、通常、複数の異性体を含む混合物の状態で存在し、その状態で用いられても、効果を発揮する。ただし、本明細書においては、便宜上、複数の異性体を区別することなく代表的な一つの構造式を記載する。なお、表1中のm及びnの値については煩雑さを避けるため、小数点以下1桁目を四捨五入して記載した。このため、表1中のmは便宜上「0」と記載しているが、これは計算処理の問題であり、一般式(1)中のmが0.0より大きいことを意味することには変わりはない。
Figure 0006108893
一般式(1)で表される化合物は、例えば、下記一般式(II)で表される化合物と、下記一般式(III)で表される有機アミンとを、アンモニア又はアンモニア発生源の存在下で反応させることで合成することができる。下記一般式(II)で表される化合物は、例えば、下記一般式(I)で表される化合物をクロロスルホニル化すれば得ることができる。
Figure 0006108893
(一般式(I)中、破線で表される環A、B、C及びDは、それぞれ独立に、ベンゼン環又は含窒素複素芳香環を表し、かつ、前記含窒素複素芳香環の数は0.0より大きく3.0以下であるとともに残りはベンゼン環である)
Figure 0006108893
(一般式(II)中、破線で表される環A、B、C及びDは、前記一般式(I)中の環A、B、C及びDと同義である。nは1.0以上4.0未満である)
Figure 0006108893
(一般式(III)中、R1はアルキル基を表し、R2はアルキレン基を表し、Xは1以上のスルホン酸基を有するアニリノ基を表す。Xはカルボキシ基、リン酸基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキルカルボニルアミノ基、ウレイド基、ニトロ基、及びハロゲン原子からなる群より選択される1以上の置換基をさらに有してもよい)
一般式(I)で表される化合物は、いずれも公知の方法又はそれに準ずる方法にしたがって得ることができる。公知の方法としては、例えば国際公開第2007/091631号、国際公開第2007/116933号、及び国際公開第2008/111635号に開示された方法などを挙げることができる。
一般式(I)で表される化合物をクロロスルホニル化する好適な方法としては、一般式(I)で表される化合物をクロロスルホン酸に加えて反応させた後、さらにクロロ化剤を加えて反応させる方法を挙げることができる。一般式(I)で表される化合物とクロロスルホン酸とを反応させると、クロロスルホニル基とスルホン酸基とが混在して置換した化合物が得られてしまい、目的とする一般式(II)で表される化合物を高選択的に得ることが困難である。このため、一般式(I)で表される化合物とクロロスルホン酸とを反応させた後、さらにクロロ化剤を加え、置換されたスルホン酸基をクロロスルホニル基へ変換させることが好ましい。
一般式(I)で表される化合物をクロロスルホニル化する際には、一般式(I)で表される化合物に対して、クロロスルホン酸を通常3乃至20質量倍、好ましくは5乃至10質量倍用いる。反応温度は、通常100乃至150℃、好ましくは120乃至150℃である。反応時間は、反応温度などの条件により異なるが、通常1乃至10時間である。
クロロ化剤としては、塩化チオニル、塩化スルフリル、三塩化リン、五塩化リン、オキシ塩化リンなどを挙げることができる。これらのクロロ化剤のなかでも塩化チオニルが好ましい。クロロ化剤の添加量は、その種類により異なるが、一般式(I)で表される化合物1モルに対して、通常6乃至40モル、好ましくは9乃至20モルである。反応温度は、通常30乃至100℃、好ましくは50乃至90℃である。反応時間は、反応温度などの条件により異なるが、通常1乃至10時間である。
一般式(III)で表される有機アミンは、以下の方法で合成することができる。先ず、「R1−OH」で表される化合物(1価アルコール類)5乃至60モルと、2,4,6−トリクロロ−S−トリアジン(シアヌルクロライド)1モルと、炭酸水素ナトリウム0.8乃至1.2モルとを反応させて、一次縮合物を含む反応液を得る。反応温度は、通常5乃至70℃である。また、反応時間は、通常2乃至12時間である。なお、得られた一次縮合物の反応液から塩析などの適当な方法によりウェットケーキなどの固体として単離した一次縮合物を次の反応に用いてもよい。
次いで、Xに対応する1以上のスルホン酸基を有するアニリン0.9乃至1.5モルの水溶液に、得られた一次縮合物の反応液又はウェットケーキ(好ましくは反応液)を加える。そして、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属の水酸化物により反応液のpHを概ね4乃至10に調整して反応させて二次縮合物を得る。反応温度は、通常5乃至80℃、好ましくは5乃至40℃である。また、反応時間は、通常0.5乃至12時間である。
得られた二次縮合物1モルと、「H2N−R2−NH2」で表される化合物(アルキレンジアミン類)1乃至50モルとを反応させることにより、前記一般式(III)で表される有機アミンを得ることができる。反応の際のpHは通常4乃至7である。反応温度は、通常5乃至90℃、好ましくは40乃至90℃である。また、反応時間は、通常0.5乃至8時間である。
各縮合反応の際のpH調整には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩などを用いることができる。なお、縮合反応の順序は、シアヌルクロライドと反応させる化合物の反応性に応じて適宜決めればよい。
一般式(II)で表される化合物と、一般式(III)で表される有機アミンとを、アンモニア又はアンモニア発生源の存在下、例えば水中で反応させることにより、目的とする一般式(1)で表される化合物を得ることができる。反応の際のpHは、通常8乃至10である。反応温度は、通常5乃至70℃、好ましくは5乃至40℃である。また、反応時間は、通常1乃至20時間である。アンモニアとしては、アンモニア水、アンモニアガスを含有する水混和性有機溶剤などを用いることができる。アンモニアガスを含有する水混和性有機溶剤の調製に用いられる水溶性有機溶剤の具体例としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどを挙げることができる。アンモニア水やアンモニアガスを含有する水混和性有機溶剤は、水や水溶性有機溶剤にアンモニアガスを吹き込むことなどの公知の方法により調製したものや、市販品として入手したものを用いることができる。
アンモニア発生源としては、中和や分解によりアンモニアを発生する化学物質などを用いることができる。このような化学物質としては、例えば、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウムなどの中和によりアンモニアを発生するアンモニウム塩;尿素などの熱分解によりアンモニアを発生する物質などを挙げることができる。上記のなかでもアンモニアを用いることが好ましく、アンモニア水として用いることが好ましい。特に、市販品として入手可能な濃アンモニア水(約28質量%アンモニア水として市販されているもの)、又はこの濃アンモニア水を必要に応じて水で希釈したアンモニア水を用いることが好ましい。さらには、濃アンモニア水を用いることが、反応液の液量を少なくできるために好ましい。
一般式(III)で表される有機アミンの使用量は、通常、一般式(II)で表される化合物1モルに対して、理論値(一般式(1)中のnを目的とする値にするのに必要な、一般式(III)で表される有機アミンの計算上のモル数)の1モル当量程度である。ただし、有機アミンの反応性及び反応条件により適宜調整される。通常は、理論値の1乃至3モル当量であり、好ましくは1乃至2モル当量である。
一般式(II)で表される化合物と、一般式(III)で表される有機アミンとを水中で反応させると、一般式(II)中のクロロスルホニル基の一部がスルホン酸基へと加水分解されることが理論上考えられる。すなわち、一般式(1)中の「−SO2NH2」基の一部がスルホン酸基となった化合物が、目的とする一般式(1)で表される化合物に混入することが理論上考えられる。しかし、フタロシアニン系のポルフィラジン化合物の一般的な分析手段の一つである質量分析によって、「−SO2NH2」基とスルホン酸基とを識別することは通常困難である。このような理由から、本明細書においては一般式(III)で表される有機アミンと反応したもの以外の一般式(II)中のクロロスルホニル基は、全て「−SO2NH2」基へと変換されたものとして記載する。
上記合成方法の最終工程の反応液から一般式(1)で表される化合物を単離する方法としては、酸析(酸の添加により化合物を析出させる方法)、塩析、又はこれらを組み合わせた酸塩析などの方法を挙げることができる。塩析は、酸性〜アルカリ性の範囲で行うことが好ましく、pH1乃至11の範囲で行うことがさらに好ましい。塩析の際の温度は特に限定されないが、通常40乃至80℃、好ましくは40乃至60℃に加熱する。加熱後、塩化ナトリウムなどを加えて塩析を行うことが好ましい。一般式(1)で表される化合物を単離する方法としては、pH1の強酸性下で塩析を行う酸塩析が好ましい。
フタロシアニン系のポルフィラジン化合物は、置換基の置換位置により、α位置換型、β位置換型、及びαβ位混合置換型の3種類のいずれかに分類される。一般式(1)で表される化合物は、環A、B、C及びDとしてベンゼン環を特定の数(平均値で示される)で有する。このため、一般式(1)で表される化合物もフタロシアニン系のポルフィラジン化合物と同様に、ベンゼン環の置換基の位置により3種類の置換型のいずれかに分類することができる。そして、一般式(1)で表される化合物はαβ位混合置換型に分類することができる。
一般式(1)で表される化合物のインク中における含有量(質量%)は、吐出特性などのインクジェット用インクとしての信頼性を満たす範囲であれば特に限定されない。本発明においては、インク中の一般式(1)で表される化合物の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.01質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。
(色材の検証方法)
本発明で用いる色材がインク中に含まれているか否かを検証するには、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いた下記(1)〜(3)の検証方法を適用することができる。
(1)ピークの保持時間
(2)(1)のピークについての最大吸収波長
(3)(1)のピークについてのマススペクトルのM/Z(posi)、M/Z(nega)
(炭素数4以上6以下のアルカンジオール)
本発明のインクは、炭素数が4以上6以下であるアルカンジオールを含む水溶性有機溶剤を含有することを要する。アルカンジオールの炭素数が3以下であると、記録媒体へのインクの浸透性が不十分となり、記録される画像の耐ブロンズ性が向上しない。一方、アルカンジオールの炭素数が7以上であると、インクの浸透性は十分であるものの、水分が蒸発した際にインクが増粘したり、色材が析出したりする可能性があるので、インクの耐固着性が不十分になる。インク中の炭素数が4以上6以下のアルカンジオールの含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。
炭素数が4以上6以下のアルカンジオールの好ましい具体例としては、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオールなどを挙げることができる。これらのなかでも、アルキル基(主鎖)の両末端にヒドロキシ基を有するアルカンジオールが好ましく、1,5−ペンタンジオール、及び1,6−ヘキサンジオールが特に好ましい。炭素数が4以上6以下のアルカンジオールは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、インク全質量を基準とした、炭素数が4以上6以下のアルカンジオールの含有量(質量%)が、色材の含有量(質量%)に対する質量比率で、1.0倍以上10.0倍以下であることが好ましい。すなわち、「アルカンジオールの含有量(質量%)」/「色材の含有量(質量%)」=1.0倍以上10.0倍以下であることが好ましい。上記の質量比率が1.0倍未満であると、記録媒体へのインクの浸透性が不十分となり、記録される画像の耐ブロンズ性が十分に得られない場合がある。一方、上記の質量比率が10.0倍超であると、インクの粘度が高くなり、記録媒体へのインクの浸透性が低下して画像の耐ブロンズ性が十分に得られない場合がある。
(水性媒体)
本発明のインクには、水、又は水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を用いることができる。水は、脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、10.0質量%以上90.0質量%以下であることが好ましい。
水溶性有機溶剤は、水溶性であれば特に制限はなく、アルコール、その他の多価アルコール、ポリグリコール、グリコールエーテル、含窒素極性溶媒、含硫黄極性溶媒などを用いることができる。インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、5.0質量%以上90.0質量%以下、さらには10.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。なお、この水溶性有機溶剤の含有量の範囲は炭素数4乃至6のアルカンジオールや、必要に応じて使用しうるビス(2−ヒドロキシエチル)スルホンを含む値である。水溶性有機溶剤の含有量が上記した範囲を外れると、高いレベルのインクの吐出安定性が十分に得られない場合がある。
(ビス(2−ヒドロキシエチル)スルホン)
本発明のインクには、さらに、ビス(2−ヒドロキシエチル)スルホンを含有させることが好ましい。ビス(2−ヒドロキシエチル)スルホンを含有させることで、インクの耐固着性をより向上させることができる。このような効果が得られる理由について、本発明者らは以下のように推測している。ビス(2−ヒドロキシエチル)スルホンは、一般式(1)で表される化合物のインクへの溶解度を向上させる作用を有する。このため、記録ヘッドが高温かつ低湿度(例えば、温度35℃、相対湿度15%)などの水分が蒸発しやすい環境に放置された際に、記録ヘッドの吐出口近傍における色材の析出を抑制し、インクの耐固着性がより向上したものと考えられる。インク中のビス(2−ヒドロキシエチル)スルホンの含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、1.0質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。
(その他の添加剤)
本発明のインクは、上記した成分以外にも必要に応じて、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの多価アルコール類や、尿素、エチレン尿素などの尿素誘導体などの、常温で固体の水溶性有機化合物を含有してもよい。さらに、本発明のインクは、必要に応じて、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、及び水溶性樹脂など、種々の添加剤を含有してもよい。
本発明のインクはインクジェット方式に適用するものであるため、適切な物性値を有することが好ましい。このため、インクの25℃における表面張力は、10mN/m以上60mN/m以下であることが好ましく、20mN/m以上60mN/m以下であることがさらに好ましく、30mN/m以上40mN/m以下であることが特に好ましい。また、インクの25℃における粘度は、1.0mPa・s以上5.0mPa・sであることが好ましく、1.0mPa・s以上3.0mPa・s以下であることがさらに好ましい。
(その他のインク)
フルカラーの画像などを記録するために、本発明のインクと、本発明のインクとは別の色相を有するその他のインクとを組み合わせて用いることができる。その他のインクとしては、例えば、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、レッドインク、グリーンインク、及びブルーインクからなる群より選択される少なくとも一種のインクを挙げることができる。また、これらのインクと実質的に同一の色相を有する、いわゆる淡インクをさらに組み合わせて用いることもできる。その他のインクや淡インクに用いられる色材は、公知の染料であっても、新規に合成された染料であってもよい。
<インクカートリッジ>
本発明のインクカートリッジは、インクと、このインクを収容するインク収容部とを備える。そして、このインク収容部に収容されているインクが、上記で説明した本発明のインクである。図1は、本発明のインクカートリッジの一実施形態を模式的に示す断面図である。図1に示すように、インクカートリッジの底面には、記録ヘッドにインクを供給するためのインク供給口12が設けられている。インクカートリッジの内部はインクを収容するためのインク収容部となっている。インク収容部は、インク収容室14と、吸収体収容室16とで構成されており、これらは連通口18を介して連通している。また、吸収体収容室16はインク供給口12に連通している。インク収容室14には液体のインク20が収容されており、吸収体収容室16には、インクを含浸状態で保持する吸収体22及び24が収容されている。インク収容部は、液体のインクを収容するインク収容室を持たず、収容されるインク全量を吸収体により保持する形態であってもよい。また、インク収容部は、吸収体を持たず、インクの全量を液体の状態で収容する形態であってもよい。さらには、インク収容部と記録ヘッドとを有するように構成された形態のインクカートリッジとしてもよい。
<インクジェット記録方法>
本発明のインクジェット記録方法は、上記で説明した本発明のインクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録する方法である。インクを吐出する方式としては、インクに力学的エネルギーを付与する方式や、インクに熱エネルギーを付与する方式が挙げられる。本発明においては、インクに熱エネルギーを付与してインクを吐出する方式を採用することが特に好ましい。本発明のインクを用いること以外、インクジェット記録方法の工程は公知のものとすればよい。
図2は、本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置の一例を模式的に示す図であり、(a)はインクジェット記録装置の主要部の斜視図、(b)はヘッドカートリッジの斜視図である。インクジェット記録装置には、記録媒体32を搬送する搬送手段(不図示)、及びキャリッジシャフト34が設けられている。キャリッジシャフト34にはヘッドカートリッジ36が搭載可能となっている。ヘッドカートリッジ36は記録ヘッド38及び40を具備しており、インクカートリッジ42がセットされるように構成されている。ヘッドカートリッジ36がキャリッジシャフト34に沿って主走査方向に搬送される間に、記録ヘッド38及び40から記録媒体32に向かってインク(不図示)が吐出される。そして、記録媒体32が搬送手段(不図示)により副走査方向に搬送されることによって、記録媒体32に画像が記録される。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、成分量に関して「部」及び「%」と記載しているものは特に断らない限り質量基準である。
<色材の合成>
以下に記載する合成方法で得られた一般式(1)で表される化合物は、全て複数の異性体を含む混合物であるが、特に断りのない限り、この複数の異性体を含む混合物のことを「化合物」として記載する。すなわち、「化合物」には、位置異性体;含窒素複素芳香環の窒素原子の位置異性体;一般式(1)中の環A、B、C及びDで表されるベンゼン環/含窒素複素芳香環の比率が異なる異性体;置換又は無置換スルファモイル基のベンゼン環上のα/β位置異性体などが含まれる。先に述べたように、これらの異性体の混合物から特定の化合物を単離して、構造を決定することは極めて困難である。このため、便宜上、考えられる異性体のうちの一つを代表例とし、その構造式を記載した。また、ベンゼン環や含窒素複素芳香環の数、置換基数(m、n、並びにm及びnの和)は、いずれも平均値として示した。
以下に記載する合成方法で得られた化合物について、質量分析、ICP発光分光法、及び吸光度測定を行って構造を確認した。なお、反応や晶析などの各操作は、特に断りのない限り撹拌下で行った。また、合成反応に使用した「レオコール」は、界面活性剤(商品名「レオコールTD−90」、ライオン製)である。また、最大吸収波長(λmax)は、いずれもpH6〜9の水溶液中で測定した測定値であり、pH調整には水酸化ナトリウム水溶液を用いた。なお、1回の合成によっては必要量の目的化合物が得られなかった場合には、目的化合物が必要量得られるまで同様の操作を繰り返し行った。
(質量分析)
合成した各化合物について、以下の条件で質量分析を行った。
・イオン化方法:EI法
・質量分析装置:商品名「SSQ−7000」(サーモクエスト製)
・イオン源温度:230℃
・真空度:約8mTorr
(ICP発光分光法)
銅を含有する各化合物について、ICP発光分光法により銅の含有量を分析した。具体的には以下のようにして分析を行った。分析試料約0.1gを精秤して、これを純水で溶解した後、100mLのメスフラスコに定容した。ホールピペットを用いて、この液体の1mLを計り取り、50mLのメスフラスコに入れ、さらに内部標準物質としてY(イットリウム)を一定量加えた。純水を用いて50mLに定容した後、ICP発光分光法により銅の含有量を定量した。なお、分析装置にはICP発光分光装置(商品名「SPS3100」、SIIナノテクノロジー製)を使用した。
(吸光度測定)
合成した各化合物について吸光度を測定した。吸光度の測定条件を以下に示す。
・分光光度計:自記分光光度計(商品名「U−3300」、日立製作所製)
・測定セル:1cm 石英セル
・サンプリング間隔:0.1nm
・スキャン速度:30nm/分
・測定回数:5回測定平均
<化合物Aの合成>
(化合物(a−1)の合成)
スルホラン400部に、無水フタル酸44.4部、シンコメロン酸16.7部、尿素144部、塩化銅(II)13.4部、及びモリブデン酸アンモニウム2.0部を加えて200℃まで昇温し、同温度で5時間反応させた。反応終了後に65℃まで冷却し、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)80部を加え、析出した固体をろ過により分離して得た。得られた固体をDMF220部で洗浄し、ウェットケーキ112.1部を得た。得られたウェットケーキをDMF340部に加えて110℃に昇温し、同温度で1時間撹拌した後、固体をろ過により分離し、水300部で洗浄してウェットケーキを得た。得られたウェットケーキを5%塩酸300部に加え、60℃に昇温し、同温度で1時間撹拌した後、固体をろ過により分離し、水300部で洗浄してウェットケーキを得た。得られたウェットケーキを5%アンモニア水300部に加えて60℃で1時間撹拌した後、固体をろ過により分離し、水300部で洗浄してウェットケーキ138.2部を得た。得られたウェットケーキを80℃で乾燥して、化合物(a−1)46.3部を青色固体として得た。
Figure 0006108893
(化合物(a−2)の合成)
室温下、クロロスルホン酸46.2部に、60℃を超えないように化合物(a−1)5.8部を徐々に加えた後、140℃で4時間反応させて反応液を得た。得られた反応液を70℃まで冷却した後、塩化チオニル17.9部を30分間かけて滴下し、70℃でさらに3時間反応させた。反応液を30℃以下に冷却した後、氷水800部にゆっくりと注ぎ、析出した固体をろ過により分離し、冷水200部で洗浄して、化合物(a−2)のウェットケーキ33.0部を得た。
Figure 0006108893
(化合物(a−3)の合成)
メタノール160部に、塩化シアヌル36.8部、レオコール4部、及び炭酸水素ナトリウム16.8部を加え、30℃以下で1時間反応させて一次縮合物を含む反応液を得た。水280部に、2,5−ジスルホアニリン56.1部、及び25%水酸化ナトリウム水溶液32部を加えてpHを3〜5に調整した。この液体に、上記のようにして得た一次縮合物を含む反応液を徐々に加え、さらに25%水酸化ナトリウム水溶液でpH6〜7としながら室温で一晩反応させ、二次縮合物を含む反応液を得た。得られた反応液に、塩酸360部、及び氷水125部を加えて0℃まで冷却した後、さらにエチレンジアミン120部を滴下した。得られた液体に25%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH5〜6に調整しながら80℃で2.5時間反応させて、三次縮合物を含む反応液を得た。
得られた反応液に塩酸55部を加えてpH1.0に調整した。このときの液量は1000部であった。得られた液体に塩化ナトリウム200部を加えて30分間撹拌し、析出した固体をろ過により分離してウェットケーキ183部を得た。得られたウェットケーキを水1000部に加え、25%水酸化ナトリウム水溶液でpH9.0に調整して液体を得た。得られた液体に塩酸55部を加え、pH1.0に調整した。このとき液量は1400部であった。この液体に塩化ナトリウム280部を加え、室温で30分間、さらに0℃で30分間撹拌し、析出した固体をろ過により分離してウェットケーキ60部を得た。メタノール224部及び水56部の混合液に、得られたウェットケーキを加えて懸濁液とし、50℃で1時間撹拌した後、固体をろ過により分離してウェットケーキ51.3部を得た。得られたウェットケーキを乾燥して、化合物(a−3)37.0部を白色粉末として得た。
Figure 0006108893
(化合物Aの合成)
氷水120部に、化合物(a−2)のウェットケーキ33.0部を加え、5℃以下で10分間撹拌して懸濁液を得た。一方、化合物(a−3)の白色粉末2.1部を、28%アンモニア水1部及び水40部の混合液に溶解させて液体を得た。得られた液体を上記の懸濁液に10℃以下に保持しながら加え、28%アンモニア水でpH9.0に保持しながら反応させた。同pHに保持したまま、1時間かけて20℃まで昇温し、同温度でさらに8時間反応させた。このときの反応液の液量は225部であった。この反応液を50℃に昇温し、塩化ナトリウム33.8部を加えて30分撹拌した後、濃塩酸を加えてpH1.0に20分で調整した。析出した固体をろ過により分離し、10%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄してウェットケーキ62.3部を得た。得られたウェットケーキを水200部に加え、25%水酸化ナトリウム水溶液でpH9.0に調整して液体を得た。このときの液量は275部であった。この液体を50℃に昇温し、塩化ナトリウム22.5部を加えて30分撹拌した後、20分かけて濃塩酸にてpH1.0に調整し、析出した固体をろ過により分離した。10%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄してウェットケーキ37.1部を得た。得られたウェットケーキをエタノール160部及び水40部の混合液に加えて懸濁液とし、この液体を50℃で1時間撹拌した後、固体をろ過により分離し、ウェットケーキ32.0部を得た。得られたウェットケーキを乾燥し、下記式(A)で表される化合物A10.0部を青色粉末として得た。得られた化合物Aのλmaxは605nmであった。また、化合物Aにおける、ベンゼン環の数は3.0、含窒素複素芳香環の数は1.0であり、m、n、m+nはそれぞれ、0<m<3.9、0.1≦n<4.0、1.0≦m+n<4.0の範囲内にあった。他の分析結果も合わせると、mは約2.8、nは約0.2、m+nは約3.0という値が合成された化合物A(混合物)に近いと考えられる。得られた化合物Aは、水酸化ナトリウム水溶液を用いて酸性基のカウンターイオンをナトリウムイオンにして、インクの調製に用いた。
Figure 0006108893
<化合物Bの合成>
(化合物(b−1)の合成)
エタノール220部に、塩化シアヌル36.8部、レオコール4部、及び炭酸水素ナトリウム16.8部を加え、30℃以下で1時間反応させて一次縮合物を含む反応液を得た。水280部に、2,5−ジスルホアニリン56.1部、及び25%水酸化ナトリウム水溶液32部を加えてpHを3〜5に調整した。この液体に、上記のようにして得た一次縮合物を含む反応液を徐々に加え、さらに25%水酸化ナトリウム水溶液でpH6〜7としながら室温で一晩反応させ、二次縮合物を含む反応液を得た。得られた反応液に、塩酸360部、及び氷水125部を加えて0℃まで冷却した後、さらにエチレンジアミン120部を滴下した。得られた液体に25%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH5〜6に調整しながら80℃で2.5時間反応させて、三次縮合物を含む反応液を得た。
得られた反応液に塩酸55部を加えてpH1.0に調整した。このときの液量は1000部であった。得られた液体に塩化ナトリウム200部を加えて30分間撹拌し、析出した固体をろ過により分離してウェットケーキ183部を得た。得られたウェットケーキを水1000部に加え、25%水酸化ナトリウム水溶液でpH9.0に調整して液体を得た。得られた液体に塩酸55部を加え、pH1.0に調整した。このとき液量は1400部であった。この液体に塩化ナトリウム280部を加え、室温で30分間、さらに0℃で30分間撹拌し、析出した固体をろ過により分離してウェットケーキ60部を得た。メタノール224部及び水56部の混合液に、得られたウェットケーキを加えて懸濁液とし、50℃で1時間撹拌した後、固体をろ過により分離してウェットケーキ51.3部を得た。得られたウェットケーキを乾燥して、化合物(b−1)37.0部を白色粉末として得た。
Figure 0006108893
(化合物Bの合成)
化合物(a−3)を化合物(b−1)に代えたこと以外は、前述の化合物Aの合成と同様にして、下記式(B)で表される化合物B10.0部を青色粉末として得た。得られた化合物Bのλmaxは607nmであった。また、化合物Bにおける、ベンゼン環の数は3.0、含窒素複素芳香環の数は1.0であり、m、n、m+nはそれぞれ、0<m<3.9、0.1≦n<4.0、1.0≦m+n<4.0の範囲内にあった。他の分析結果も合わせると、mは約2.8、nは約0.2、m+nは約3.0という値が合成された化合物B(混合物)に近いと考えられる。得られた化合物Bは、水酸化ナトリウム水溶液を用いて酸性基のカウンターイオンをナトリウムイオンにして、インクの調製に用いた。
Figure 0006108893
<化合物Cの合成>
国際公開第2007/091631号(特許文献2)の35頁に記載された式(16)の化合物の合成方法にしたがって、下記式(C)で表される化合物Cを合成した。化合物Cにおけるm及びnを平均値として示すと、mは2.4、nは0.6であった。この化合物Cは、一般式(1)で表される化合物の比較化合物である。得られた化合物Cは、水酸化ナトリウム水溶液を用いて酸性基のカウンターイオンをナトリウムイオンにして、インクの調製に用いた。
Figure 0006108893
<化合物Dの合成>
国際公開第2004/087815号(特許文献1)の53〜54頁に記載された式(9)の化合物の合成方法に準じて、下記式(D)で表される化合物Dを合成した。化合物Dにおけるmは2.0〜3.5、nは0.5〜2.0であった。この化合物Dは、一般式(1)で表される化合物の比較化合物である。得られた化合物Dは、水酸化ナトリウム水溶液を用いて酸性基のカウンターイオンをナトリウムイオンにして、インクの調製に用いた。
Figure 0006108893
<インク(実施例1、2、4、5、10、11、参考例3、6〜9、12、比較例1〜8)の調製>
表2−1〜2−3の上段に示す各成分(単位:%)を混合して十分に撹拌した後、ポアサイズ0.20μmのフィルターで加圧ろ過して各インクを調製した。なお、表2−1〜2−3中の「アセチレノールE100」はノニオン性界面活性剤(川研ファインケミカル製)の商品名である。また、表2−1〜2−3の下段には、インク中の炭素数4以上6以下のアルカンジオールの含有量(%)/色材の含有量(%)の値を「質量比率(倍)」として示した。
Figure 0006108893
Figure 0006108893
Figure 0006108893
<評価>
上記で得られた各インクをそれぞれインクカートリッジに充填し、熱エネルギーの作用により記録ヘッドからインクを吐出するインクジェット記録装置(商品名「PIXUS Pro9000MarkII」、キヤノン製)に搭載した。本実施例においては、1/600インチ×1/600インチの単位領域に22ngのインクを付与して記録したベタ画像を「記録デューティが100%である」と定義する。本発明においては、下記の各項目の評価基準で、Cを許容できないレベル、(AA、)A、及びBを許容できるレベルとした。評価結果を表3に示す。
(耐ブロンズ性)
上記のインクジェット記録装置を用いて、記録媒体(商品名「キヤノン写真用紙・光沢プロ[プラチナグレード]PT101」、キヤノン製)に、記録デューティを10%から180%まで10%刻みで変化させた各階調のベタ画像を記録して記録物を得た。得られた記録物における、記録デューティが60%であるベタ画像を目視で観察して、以下に示す評価基準にしたがって耐ブロンズ性を評価した。
AA:ブロンズ現象が生じていなかった。
A:画像を見る角度によっては、黄味から赤味のぎらつきが若干生じていた。
B:黄味から赤味のぎらつきが少し生じていた。
C:黄味から赤味のぎらつきがかなり生じていた。
(耐オゾン性)
上記のインクジェット記録装置を用いて、記録媒体(商品名:光沢プロ[キヤノン写真用紙・プラチナグレード]PT101)、キヤノン製)に、記録デューティを10%から180%まで10%刻みで変化させた各階調のベタ画像を記録して記録物を得た。分光光度計(商品名「Spectrolino」、Gretag Macbeth製)を用いて、光源:D50、視野:2°の条件で、得られた記録物における各階調のベタ画像のシアン成分の光学濃度を測定し、光学濃度が1.0となるベタ画像を特定した。この記録物をオゾン試験装置(商品名「OMS−H」、スガ試験機製)中に載置し、槽内温度40℃、相対湿度55%、オゾンガス濃度10ppmの条件で20時間、オゾン曝露を行った。その後、先に測定したものと同じベタ画像のシアン成分の光学濃度を再び測定した。そして、光学濃度の残存率(%)=(曝露後の光学濃度/曝露前の光学濃度)×100を算出し、以下に示す評価基準にしたがって耐オゾン性を評価した。
A:光学濃度の残存率が80%以上であった。
B:光学濃度の残存率が70%以上80%未満であった。
C:光学濃度の残存率が70%未満であった。
(耐固着性)
上記のインクジェット記録装置を使用して、予め回復操作(クリーニング)を行った後にノズルチェックパターンを記録した。その後、キャリッジが動作している途中で電源ケーブルを引き抜くことにより、記録ヘッドにキャッピングが行われていない状態とした。この状態のまま、インクジェット記録装置を温度35℃、相対湿度15%の条件で14日間放置した。その後、このインクジェット記録装置を温度25℃の条件で6時間放置して常温に戻した。このインクジェット記録装置を用いて、回復操作を行いながらPIXUSPro9000MarkIIのノズルチェックパターンを記録し、得られたノズルチェックパターンを目視で観察し、以下に示す評価基準にしたがって耐固着性を評価した。
A:1〜2回の回復操作により、ノズルチェックパターンを正常に記録できた。
B:3〜4回の回復操作により、ノズルチェックパターンを正常に記録できた。
C:5回以上回復操作を行っても、ノズルチェックパターンを正常に記録できなかった。
Figure 0006108893

Claims (9)

  1. 色材及び水溶性有機溶剤を含有するインクであって、
    前記色材が、下記一般式(1)で表される化合物であり、前記水溶性有機溶剤が、炭素数4以上6以下のアルカンジオールを含み、
    インク全質量を基準とした、前記炭素数4以上6以下のアルカンジオールの含有量(質量%)が、前記色材の含有量(質量%)に対する質量比率で、1.0倍以上10.0倍以下であり、
    前記炭素数4以上6以下のアルカンジオールが、1,5−ペンタンジオール及び1,6−ヘキサンジオールの少なくとも一方であることを特徴とするインク。
    Figure 0006108893
    (前記一般式(1)中、破線で表される環A、B、C及びDは、それぞれ独立に、ベンゼン環又は含窒素複素芳香環を表し、かつ、前記含窒素複素芳香環の数は0.0より大きく3.0以下であるとともに残りはベンゼン環である。R1はアルキル基を表し、R2はアルキレン基を表し、Xは1以上のスルホン酸基を有するアニリノ基を表す。Xはカルボキシ基、リン酸基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキルカルボニルアミノ基、ウレイド基、ニトロ基、及びハロゲン原子からなる群より選択される1以上の置換基をさらに有してもよい。mは0.0より大きく3.9未満であり、nは0.1以上4.0未満であり、かつ、m及びnの和は1.0以上4.0未満である)
  2. 前記炭素数4以上6以下のアルカンジオールが、1,5−ペンタンジオールである請求項1に記載のインク。
  3. さらに、ビス(2−ヒドロキシエチル)スルホンを含有する請求項1又は2に記載のインク。
  4. 前記色材が、下記一般式(2)で表される化合物である請求項1乃至のいずれか1項に記載のインク。
    Figure 0006108893
    (前記一般式(2)中、破線で表される環A、B、C及びDは、それぞれ独立に、ベンゼン環又は含窒素複素芳香環を表し、かつ、前記含窒素複素芳香環の数は0.0より大きく3.0以下であるとともに残りはベンゼン環である。Mは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す。mは0.0より大きく3.9未満であり、nは0.1以上4.0未満であり、かつ、m及びnの和は1.0以上4.0未満である)
  5. 前記含窒素複素芳香環がピリジン環であるとともに、前記ピリジン環の窒素原子の位置を1位としたときに、一般式(1)におけるポルフィラジン環への前記ピリジン環の縮環部位が、2位及び3位、又は、3位及び4位である請求項1乃至のいずれか1項に記載のインク。
  6. 前記一般式(1)で表される化合物の含有量(質量%)が、インク全質量を基準として、0.01質量%以上10.0質量%以下である請求項1乃至のいずれか1項に記載のインク。
  7. 前記炭素数4以上6以下のアルカンジオールの含有量(質量%)が、インク全質量を基準として、0.1質量%以上50.0質量%以下である請求項1乃至のいずれか1項に記載のインク。
  8. インクと、前記インクを収容するインク収容部とを備えたインクカートリッジであって、
    前記インクが、請求項1乃至のいずれか1項に記載のインクであることを特徴とするインクカートリッジ。
  9. インクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
    前記インクが、請求項1乃至のいずれか1項に記載のインクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
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