JP2022003118A - 化合物、インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法 - Google Patents

化合物、インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法 Download PDF

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英樹 山上
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Abstract

【課題】良好なマゼンタの色相を示すとともに耐光性が良好な、色材として有用な化合物を提供する。【解決手段】下式(1)の対称ビスアゾ化合物。(R1はアシル基、アルキルスルホニル基等;R2及びR3はH又はSO3M(MはそれぞれH、アルカリ金属等)で、一方がHである場合、他方はSO3M;R4はH又はハロゲン原子;R5は、アルキレン基、シクロアルキレン基等)【選択図】なし

Description

本発明は、化合物、インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法に関する。
近年、インク滴の極小化や、多色インクの導入に伴う色域の向上などにより、今まで以上に画像の高画質化が進んでいる。しかし、その反面、色材やインクに対する要求はより大きくなり、色相などの分光特性の向上や、耐光性などの堅牢性において、より厳しい特性が要求されている。このような実情から、それらの諸特性を向上させるために、これまで、色材として所定の化合物を含有させたインクが提案されている(特許文献1及び2参照)。
特開2006−143989号公報 国際公開第2004/104108号
インクジェット用のインクに使用される化合物においては、分光反射特性と、耐光性のような堅牢性との両者を高いレベルで満足するなどの要求を満たすことは現状できていない。
したがって、本発明の目的は、良好なマゼンタの色相を示すとともに、耐光性が良好な、色材として有用な化合物を提供することにある。また、本発明の別の目的は、前記化合物を用いたインク、並びにそのインクを用いたインクカートリッジ、及びインクジェット記録方法を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明によれば、下記一般式(1)で表されることを特徴とする化合物が提供される。
Figure 2022003118
(前記一般式(1)中、Rはそれぞれ独立に、アシル基、アルキルスルホニル基、又はアリールスルホニル基を表す。R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又はSOMを表し、一方が水素原子である場合、他方はSOMである。Rはそれぞれ独立に、水素原子又はハロゲン原子を表す。Rは、アルキレン基、シクロアルキレン基、又はアリーレン基を表す。Mはそれぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す。)
本発明によれば、良好なマゼンタの色相を示すとともに、耐光性が良好な、色材として有用な化合物を提供することができる。また、本発明によれば、前記化合物を用いたインク、並びにそのインクを用いたインクカートリッジ、及びインクジェット記録方法を提供することができる。
例示化合物6のH NMR分析の結果を示すチャートである。 例示化合物9のH NMR分析の結果を示すチャートである。 本発明のインクカートリッジの一実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置の一例を模式的に示す図であり、(a)はインクジェット記録装置の主要部の斜視図、(b)はヘッドカートリッジの斜視図である。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、さらに本発明を詳細に説明する。本発明においては、化合物が塩である場合は、インク中では塩はイオンに解離して存在しているが、便宜上、「塩を含有する」と表現する。また、インクジェット用の水性インクのことを、単に「インク」と記載することがある。物性値は、特に断りのない限り、常温(25℃)における値である。
<一般式(1)で表される化合物>
本発明者らは、検討の結果、下記一般式(1)で表される化合物を見出した。一般式(1)で表される化合物は、良好なマゼンタの色相を示すとともに、耐光性が良好であり、色材として好適に用いることができる。マゼンタ領域の発色性に優れる染料としてC.I.アシッドレッド249が知られている。一般式(1)で表される化合物は、このC.I.アシッドレッド249に匹敵する、良好な発色性を持つ。
Figure 2022003118
(一般式(1)中、Rはそれぞれ独立に、アシル基、アルキルスルホニル基、又はアリールスルホニル基を表す。R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又はSOMを表し、一方が水素原子である場合、他方はSOMである。Rはそれぞれ独立に、水素原子又はハロゲン原子を表す。Rは、アルキレン基、シクロアルキレン基、又はアリーレン基を表す。Mはそれぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す。)
一般式(1)中、Rはそれぞれ独立に、アシル基、アルキルスルホニル基、又はアリールスルホニル基を表す。
で表されるアシル基は、カルボニル結合(−C(=O)−)にアルキル基又はアリール基が結合した基である。アルキル基の炭素数は1乃至6であることが好ましく、直鎖及び分岐鎖のいずれであってもよい。アリール基の炭素数は6乃至12であることが好ましく、単環及び複環のいずれであってもよい。アシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ベンゾイル基、及び2−ナフトイル基などを挙げることができる。
で表されるアルキルスルホニル基は、アルキル基部分の炭素数が1乃至6であるものが好ましく、直鎖及び分岐鎖のいずれであってもよく、また、アルキル基部分は置換基を有していてもよい。置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子などのハロゲン原子などを挙げることができる。アルキルスルホニル基としては、置換基を有するものも含めると、例えば、メタンスルホニル基(メシル基)、及びトリフルオロメタンスルホニル基(トリフリル基)などを挙げることができる。
で表されるアリールスルホニル基は、アリール基部分の炭素数が6乃至12であるものが好ましく、単環及び複環のいずれであってもよく、また、アリール基部分は置換基を有していてもよい。置換基としては、ニトロ基;並びにフッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子などのハロゲン原子などを挙げることができる。アリールスルホニル基としては、置換基を有するものも含めると、例えば、ベンゼンスルホニル基、2−ナフタレンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基(トシル基)、及びo−ニトロベンゼンスルホニル基(ノシル基)などを挙げることができる。
としては、原料の入手や合成が容易であるため、アセチル基、トシル基が好ましく、なかでも、マゼンタの色相に優れるため、トシル基がさらに好ましい。
一般式(1)中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又はSOMを表し、一方が水素原子である場合、他方はSOMである。つまり、R及びRは互いに同一の基となることはない。R及びRとしては、マゼンタの色相に優れるため、RがSOMであり、Rが水素原子である組み合わせが好ましい。
及びRがとり得るSOMにおけるM、並びに一般式(1)中のMは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す。Mのアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、及びカリウムなどを挙げることができる。Mの有機アンモニウムとしては、メチルアンモニウム及びエチルアンモニウムなどのアルキルアンモニウム;モノエタノールアンモニウム及びトリエタノールアンモニウムなどのアルカノールアンモニウムなどを挙げることができる。Mとしては、化合物の水溶性に優れるため、ナトリウム、カリウム、アンモニウムが好ましい。
一般式(1)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子又はハロゲン原子を表す。Rのハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子などを挙げることができる。Rとしては、原料の入手や合成が容易であり、耐オゾン性に優れるため、塩素原子が好ましい。
一般式(1)中、Rは、アルキレン基、シクロアルキレン基、又はアリーレン基を表す。
で表されるアルキレン基としては、炭素数1乃至6であるものが好ましく、直鎖及び分岐鎖のいずれであってもよい。アルキレン基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、及びテトラメチレン基などを挙げることができる。
で表されるシクロアルキレン基としては、炭素数3乃至12であるものが好ましく、単環及び複環のいずれであってもよい。シクロアルキレン基としては、例えば、1,2−シクロペンチレン基、1,3−シクロペンチレン基、1,2−シクロヘキシレン基、1,3−シクロヘキシレン基、及び1,4−シクロヘキシレン基などを挙げることができる。
で表されるアリーレン基としては、炭素数6乃至12であるものが好ましく、単環及び複環のいずれであってもよい。酸素原子とアリール構造との連結位置は限定されない。アリーレン基としては、例えば、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、2,2’−ビフェニレン基、4,4’−ビフェニレン基、及び1,5−ナフチレン基などを挙げることができる。
としては、合成が容易であるとともに、耐オゾン性に優れるため、フェニレン基、又はビフェニレン基が好ましい。
一般式(1)で表される化合物には互変異性体が存在する。互変異性体としては、一般式(1)で表される化合物の他に、下記一般式(2)で表される化合物及び下記一般式(3)で表される化合物が考えられる。本発明においては、これらの化合物(互変異性体)も一般式(1)で表される化合物に含まれるものとする。一般式(2)及び(3)中のR乃至Rは、それぞれ、上記一般式(1)中のR乃至Rと同義である。
Figure 2022003118
一般式(1)で表される化合物は、例えば、以下に述べる方法によって合成することができる。合成スキームの一例を下記一般反応式(I)に示す。以下の説明では、下記一般反応式(I)中の一般式(A)乃至(H)で表される化合物を、それぞれ、化合物(A)乃至(H)と記載する。一般式(A)乃至(H)中のR乃至R及びMは、それぞれ、一般式(1)中のR乃至R及びMと同義である。一般式(B)、(E)及び(G)におけるXはハロゲン原子を表す。一般式(1)で表される化合物は、置換基の種類やその数、位置が異なる複数の異性体の混合物として合成され得るが、便宜上、本発明においては混合物である場合も含め、「化合物」と記載する。
Figure 2022003118
上記に例示した合成スキームでは、第1乃至第4の工程を経て、一般式(1)で表される化合物を合成する。上記一般反応式(I)(合成スキーム)の1段目に示した第1の工程では、アミノナフトール誘導体である化合物(A)を、酸ハロゲン化物である化合物(B)又は酸無水物である化合物(C)と反応させて、ナフトール誘導体である化合物(D)を得る。上記合成スキームの2段目に示した第2の工程では、ニトロベンゼン誘導体である化合物(E)と、ジオール類である化合物(F)とを反応させて、エーテル体の化合物(G)を得る。上記合成スキームの2段目の化合物(G)から3段目の化合物(H)に示した第3の工程では、エーテル体の化合物(G)のニトロ基を還元して、ジアミノ体である化合物(H)を得る。上記合成スキームの3段目に示した第4の工程では、ジアミノ体である化合物(H)をジアゾ化した後、先に得たナフトール誘導体である化合物(D)とカップリングさせて、一般式(1)で表される化合物を得る。
上記第1の工程において、化合物(A)、化合物(B)、及び化合物(C)としては、市販の化合物や公知の方法で合成されたものを用いることができる。第1の工程は、反応の急激な進行を抑制するために溶媒の存在下で行うことが好ましい。溶媒としては、反応を阻害しないものであればよく、例えば、メタノール、エタノール、及びプロパノールなどのアルコール類;酢酸メチル、酢酸エチル、及び酢酸プロピルなどのエステル類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、及びジオキサンなどのエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、及びヘプタンなどの炭化水素類;ジクロロメタン、ジクロロエタン、及びクロロホルムなどの含ハロゲン炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、及びN,N−ジメチルイミダゾリジノンなどのアミド類;アセトニトリル、及びプロピオニトリルなどのニトリル類;ギ酸、酢酸、及びプロピオン酸などの酸類;水などを挙げることができる。溶媒は1種又は2種以上の混合物を用いてもよく、混合する場合は原料の溶解性に応じて混合比を適宜決定することができる。化合物(A)の溶解性に優れるため水が好ましい。
副生成物を低減できるため、第1の工程における溶媒のpHは1〜3が好ましい。第1の工程における溶媒の使用量は適宜決定すればよいが、反応速度の観点で、化合物(A)の1〜20倍(質量基準)が好ましい。第1の工程の反応温度は0〜250℃が好ましく、反応時間は通常、24時間以内とすることが好ましい。
第2の工程において、化合物(E)、及び化合物(F)としては、市販の化合物や公知の方法で合成されたものを用いることができる。第2の工程の反応条件としては、一般的なウィリアムソンエーテル合成の条件を適用することが好ましい。すなわち、非プロトン性極性溶媒中、塩基の存在下で、化合物(F)のヒドロキシ基をアルコキシドに変換して、脱離基であるハロゲン原子Xを有する化合物(E)への求核置換反応により、化合物(G)を得る。非プロトン性極性溶媒としては、例えば、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、ジオキサン、及びピリジンなどを挙げることができる。塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、及び水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、及び炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩;水素化ナトリウム、及び水素化カリウムなどのアルカリ金属の水素化物;カリウムtert−ブトキシドなどを挙げることができる。化合物(E)の脱離基であるXとしては、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子などのハロゲン原子を挙げることができる。
第2の工程の反応温度は0〜200℃が好ましく、40〜120℃がさらに好ましく、反応時間は通常、48時間以内とすることが好ましい。第2の工程における塩基の使用量は適宜決定すればよいが、反応性の観点で、化合物(F)のヒドロキシ基を基準として、1.0〜5.0倍(モル比)が好ましい。また、第2の工程における化合物(E)の使用量も適宜決定すればよいが、反応性の観点で、化合物(F)のヒドロキシ基を基準として、1.0〜1.5倍(モル比)が好ましい。
第3の工程において、エーテル体の化合物(G)のニトロ基を還元して、ジアミノ体である化合物(H)を得る際には、公知の方法を利用できる。具体的には、金属化合物などを用いる方法としては、例えば、「実験化学講座」、丸善(株)、第2版、第17−2巻、162−179頁などに記載の方法を利用できる。また、接触水素添加法としては、例えば、「新実験化学講座」、丸善(株)、第1版、第15巻、390−448頁、又は国際公開第2009/060886号などに記載の方法を利用できる。
第3の工程は、反応の急激な進行を抑制するために溶媒の存在下で行うことが好ましい。溶媒としては、反応を阻害しないものであればよく、例えば、メタノール、エタノール、及びプロパノールなどのアルコール類;酢酸メチル、酢酸エチル、及び酢酸プロピルなどのエステル類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、及びジオキサンなどのエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、及びヘプタンなどの炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、及びN,N−ジメチルイミダゾリジノンなどのアミド類などを挙げることができる。溶媒は1種又は2種以上の混合物を用いてもよく、混合する場合は原料の溶解性に応じて混合比を適宜決定することができる。
第3の工程における溶媒の使用量は適宜決定すればよいが、反応速度の観点で、化合物(G)の1〜20倍(質量基準)が好ましい。第3の工程の反応温度は0〜250℃が好ましく、反応時間は通常、24時間以内とすることが好ましい。また、反応速度の観点で、第3の工程は、溶媒の還流温度付近で行うことが好ましい。
第4の工程では、まず、メタノール中、化合物(H)を、塩酸、及び硫酸などの無機酸の存在下で、亜硝酸ナトリウム、及びニトロシル硫酸などのジアゾ化剤と反応させて、ジアゾニウム塩を合成する。次いで、このジアゾニウム塩を化合物(D)とカップリングさせて、一般式(1)で表される化合物を合成する。
第4の工程は、反応の急激な進行を抑制するために溶媒の存在下で行うことが好ましい。溶媒としては、反応を阻害しないものであればよく、例えば、メタノール、エタノール、及びプロパノールなどのアルコール類;酢酸メチル、酢酸エチル、及び酢酸プロピルなどのエステル類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、及びジオキサンなどのエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、及びヘプタンなどの炭化水素類;ジクロロメタン、ジクロロエタン、及びクロロホルムなどの含ハロゲン炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、及びN,N−ジメチルイミダゾリジノンなどのアミド類;アセトニトリル、及びプロピオニトリルなどのニトリル類;ギ酸、酢酸、及びプロピオン酸などの酸類;水などを挙げることができる。溶媒は1種又は2種以上の混合物を用いてもよく、混合する場合は原料の溶解性に応じて混合比を適宜決定することができる。
第4の工程における溶媒の使用量は適宜決定すればよいが、反応速度の観点で、化合物(H)の1〜20倍(質量基準)が好ましい。第4の工程の反応温度は−50〜100℃が好ましく、反応時間は通常、24時間以内とすることが好ましく、ジアゾニウム塩の安定性の観点で、10℃以下がさらに好ましい。副生成物を低減できるため、カップリング反応の際のpHは7〜10が好ましい。
上記合成スキームによって得られる、化合物(D)、化合物(G)、化合物(H)、及び一般式(1)で表される化合物は、一般的な有機化合物の単離及び精製方法にしたがって精製することができる。単離及び精製方法としては、例えば、水に溶解させた化合物の粗体に無機塩を添加することによって高純度の化合物を得る方法(塩析法)、有機溶媒を用いた再結晶法や再沈殿法、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーなどを挙げることができる。これらの方法の1種又は2種以上を組み合わせて精製することにより、高純度の化合物を得ることができる。
一般式(1)で表される化合物は、良好なマゼンタの色相を示すとともに、耐光性が良好であることから、印刷、塗装、筆記具、及びインクジェットなどの各種のインクの色材として好適に用いることができる。また、各種のインクだけでなく、光記録やカラーフィルタなどに適用する色材としても、一般式(1)で表される化合物を好適に用いることができる。
<インク>
本発明のインクは、色材(染料)として、前述の一般式(1)で表される化合物を含有する。このインクは、インクジェット用にも好適なインクである。インク中の一般式(1)で表される化合物の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上10.0質量%以下であることが好ましく、3.0質量%以上6.0質量%以下であることがさらに好ましい。以下、本発明のインクを構成するその他の成分について説明する。
(水性媒体)
本発明のインクには、水、又は水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を用いることができる。水は、脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、5.0質量%以上90.0質量%以下であることが好ましく、10.0質量%以上90.0質量%以下であることがさらに好ましい。本発明のインクは、水性媒体として少なくとも水を含有する、水性のインクであることが好ましい。水性インクとする場合、色材(染料)として、一般式(1)で表される化合物のなかでも、水溶性を持つもの、すなわち、インク中において水に溶解して存在しうる化合物を用いることが好ましい。
水溶性有機溶剤は、水溶性であれば特に制限はなく、1価又は多価のアルコール類、アルキレングリコール類、グリコールエーテル類、含窒素極性化合物類、及び含硫黄極性化合物類などを用いることができる。インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、5.0質量%以上90.0質量%以下であることが好ましく、7.0質量%以上50.0質量%以下であることがさらに好ましい。インクジェット用のインクとして用いる場合、水溶性有機溶剤の含有量が上記範囲内であれば、記録ヘッドからの吐出安定性を十分に満足することができる。
(その他の添加剤)
本発明のインクは、上記した成分以外にも必要に応じて、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの多価アルコール類や、尿素、エチレン尿素などの尿素誘導体などの、常温で固体の水溶性有機化合物を含有してもよい。さらに、本発明のインクは、必要に応じて、界面活性剤、pH調整剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、及び水溶性樹脂など、種々の添加剤を含有してもよい。
(色相)
本発明において、マゼンタインクとして好ましい色相とは、具体的には、以下のことを意味する。マゼンタインクを用いて記録した画像について、CIE(国際照明委員会)により規定されたL表色系におけるa及びbを測定する。そして、得られたa及びbの値から、下記式(A)に基づいて算出される色相角(H°)が、16°以上26°以下である画像を、マゼンタインクとしての色相が良好な画像であるとする。また、そのような色相角(H°)を有する画像を記録することが可能なインクを、マゼンタインクとして好ましい色相を有するインクであるとする。マゼンタインクとしての色相がより良好である観点から、上記色相角(H°)は、18°以上24°以下であることがより好ましく、20°以上22°以下であることがさらに好ましい。a及びbの値は、例えば、分光光度計(商品名:Spectrolino;Gretag Macbeth製)を用いて測定することができる。勿論、本発明においては、これに限られるものではない。
式(A)
≧0、b≧0(第一象現)では、H°=tan−1(b/a
≦0、b≧0(第二象現)では、H°=180+tan−1(b/a
≦0、b≦0(第三象現)では、H°=180+tan−1(b/a
≧0、b≦0(第四象現)では、H°=360+tan−1(b/a
<インクカートリッジ>
本発明のインクカートリッジは、インクと、このインクを収容するインク収容部とを備える。そして、このインク収容部に収容されているインクが、上記で説明した本発明のインクである。図3は、本発明のインクカートリッジの一実施形態を模式的に示す断面図である。図3に示すように、インクカートリッジの底面には、記録ヘッドにインクを供給するためのインク供給口12が設けられている。インクカートリッジの内部はインクを収容するためのインク収容部となっている。インク収容部は、インク収容室14と、吸収体収容室16とで構成されており、これらは連通口18を介して連通している。また、吸収体収容室16はインク供給口12に連通している。インク収容室14には液体のインク20が収容されており、吸収体収容室16には、インクを含浸状態で保持する吸収体22及び24が収容されている。インク収容部は、液体のインクを収容するインク収容室を持たず、収容されるインク全量を吸収体により保持する形態であってもよい。また、インク収容部は、吸収体を持たず、インクの全量を液体の状態で収容する形態であってもよい。さらには、インク収容部と記録ヘッドとを有するように構成された形態のインクカートリッジとしてもよい。
<インクジェット記録方法>
本発明のインクジェット記録方法は、上記で説明した本発明のインクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録する方法である。インクを吐出する方式としては、インクに力学的エネルギーを付与する方式や、インクに熱エネルギーを付与する方式を挙げることができる。本発明においては、インクに熱エネルギーを付与してインクを吐出する方式を採用することが特に好ましい。本発明のインクを用いること以外、インクジェット記録方法の工程は公知のものとすればよい。
図4は、本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置の一例を模式的に示す図であり、(a)はインクジェット記録装置の主要部の斜視図、(b)はヘッドカートリッジの斜視図である。インクジェット記録装置には、記録媒体32を搬送する搬送手段(不図示)、及びキャリッジシャフト34が設けられている。キャリッジシャフト34にはヘッドカートリッジ36が搭載可能となっている。ヘッドカートリッジ36は記録ヘッド38及び40を具備しており、インクカートリッジ42がセットされるように構成されている。ヘッドカートリッジ36がキャリッジシャフト34に沿って主走査方向に搬送される間に、記録ヘッド38及び40から記録媒体32に向かってインク(不図示)が吐出される。そして、記録媒体32が搬送手段(不図示)により副走査方向に搬送されることによって、記録媒体32に画像が記録される。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。成分量に関して「部」及び「%」と記載しているものは特に断らない限り質量基準である。
<一般式(1)で表される化合物の同定>
各化合物は、下記の各分析手法により同定を行った。
(1)HPLC分析
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)の分析条件は、以下に示す通りである。
カラム:SunFire C18[日本ウォーターズ製] 2.1mm×150mm
カラム温度:40℃
流速:0.2mL/min
PDA:200nm乃至700nm
移動相及びグラジエント条件:表1参照
Figure 2022003118
(2)質量分析
質量分析条件は以下に示す通りである。得られたピークについて、下記の条件でマススペクトルを測定し、最も強く検出されたm/zをposi及びnegaのそれぞれに対して測定する。
イオン化法:ESI
キャピラリ電圧:3.5kV
脱溶媒ガス:350℃
イオン源温度:120℃
検出器:
posi;40V 200乃至1500amu/0.9sec
nega;40V 200乃至1500amu/0.9sec
(3)核磁気共鳴分光分析
H、及び13C NMR装置(装置名「極低温プローブ付きAVANCE III 500型NMR」、Bruker BioSpin製)を使用して分析した。
<一般式(1)で表される化合物の合成>
(例示化合物6)
後記反応式(II)に示されるような合成スキームによって、例示化合物6を合成した。具体的には、8−アミノ−1−ナフトール−3,6−ジスルホン酸一ナトリウム(化学式(A1)参照)の水和物(滴定純度80%)100.0部に、純水100.0部を加え、70℃で30分撹拌した。この溶液に25%水酸化ナトリウム水溶液を加え、pHを3に調整した。25%水酸化ナトリウム水溶液を用いて、溶液のpHを2乃至3に維持しながら、トシルクロリド(化学式(B1)参照)49.7部をゆっくりと添加し、2時間撹拌した。その後、25%水酸化ナトリウム水溶液を加え、pHを6に調整した。溶液を室温まで冷却し、濃塩酸を加え、pHを1に調整した。1時間撹拌した後、析出した沈殿をろ別し、ろ液を減圧濃縮した。メタノールを添加して析出した沈殿をろ別し、ろ液のメタノール溶液を減圧留去し、2−プロパノールで再沈した。このようにして、化学式(D1)で表される化合物(以下、「化合物(D1)」と記載する。)106.3部を得た(254nmでのHPLC純度:90.0%、収率:86.2%)。
N,N−ジメチルホルムアミド283.2部に、2,5−ジクロロニトロベンゼン(化学式(E1)参照)75.0部、レゾルシノール(化学式(F1)参照)21.0部、及び炭酸カリウム78.6部を加え、65℃で18時間撹拌しながら反応させた。その後、液体をろ過して不溶分を除去したのち、ろ液を減圧濃縮し、純水750.0部中に注ぎ込み、析出した沈殿をろ別した。沈殿をトルエン216.7部に溶解させ、溶液を減圧濃縮し、n−ヘプタンで再沈することで、化学式(G1)で表される化合物(以下、「化合物(G1)」と記載する。)71.6部を得た(254nmでのHPLC純度:98.1%、収率:90.1%)。
化合物(G1)30.0部をエタノール236.7部に溶解させた溶液を昇温し、還流下、鉄粉39.4部を加えた。この溶液に、塩化アンモニウム37.6部を純水150.0部に溶解させた溶液を滴下した後、同温度で4時間撹拌しながら反応させた。その後、不溶物をろ別し、ろ液を減圧濃縮した後、純水250.0部を加えた。これにトルエン216.7部を加え、目的とする化合物を抽出した後、有機層を純水、飽和食塩水で洗浄した。有機層の溶媒を減圧留去し、n−ヘプタンで再沈することで、化学式(H1)で表される化合物(以下、「化合物(H1)」と記載する。)13.5部を得た(254nmでのHPLC純度:97.2%、収率:53.4%)。
化合物(H1)5.00部をメタノール39.6部に溶解させた。この溶液に濃塩酸8.57部を加え、氷浴で冷却した。液温を5℃以下に保持しながら、亜硝酸ナトリウム2.06部を純水5.0部に溶解させた溶液を滴下し、同温度で1時間撹拌した。次いでアミド硫酸0.20部を添加し、過剰の亜硝酸を分解させて、ジアゾニウム塩を含む溶液を調製した。化合物(D1)15.4部、炭酸ナトリウム14.6部を純水150.0部に溶解させ、氷浴で冷却した。液温を5℃以下、pHを9以上に保持しながら、先に調製したジアゾニウム塩を含む溶液をここに滴下し、2時間撹拌しながら反応を完結させた。その後、食塩45.0部を添加し、室温で3時間撹拌した後、析出した沈殿をろ別した。沈殿をN,N−ジメチルホルムアミド236.0部に溶解させ、不溶物をろ別した。ろ液を減圧濃縮し、2−プロパノールで再沈することで、化学式(1−6)で表される化合物(以下、「例示化合物6」と記載する。)6.13部を得た(254nmでのHPLC純度:95.5%、収率:31.5%)。
Figure 2022003118
得られた例示化合物6が上記構造を有することを、先の分析手法により確認した。分析結果を下記に示す。
(2)質量分析の結果
ESI(nega):m/z=1327.3([M−4Na+3H])、663.2([M−4Na+2H]2−)、441.7([M−4Na+1H]3−
(3)H NMR(500MHz、DMSO−d、室温)の結果(図1参照):δ[ppm]=15.51(s、2H)、12.30(s、2H)、8.11(s、2H)、7.66(brd、6H)、7.61(t、1H)、7.48(s、2H)、7.44(s、2H)、7.28(d、4H)、7.22(brs、4H)、7.16(s、1H)、7.11(d、2H)、2.27(s、6H)。
(例示化合物9)
後記反応式(III)に示されるような合成スキームによって、例示化合物9を合成した。N,N−ジメチルホルムアミド283.2部に、2,5−ジクロロニトロベンゼン(化学式(E1)参照)75.0部、2,2’−ビフェノール(化学式(F2)参照)35.8部、及び炭酸カリウム78.6部を加え、65℃で48時間撹拌しながら反応させた。その後、液体をろ過して不溶分を除去した後、ろ液を減圧濃縮し、純水750.0部中に注ぎ込み、析出した沈殿をろ別した。沈殿を、加熱しながら減圧乾燥することで、化学式(G2)で表される化合物(以下、「化合物(G2)」と記載する。)60.5部を得た(254nmでのHPLC純度:98.3%、収率:60.5%)。
化合物(G2)30.0部をエタノール236.7部に溶解させた溶液を昇温し、還流下、鉄粉20.1部を加えた。この溶液に、塩化アンモニウム19.1部を純水100.0部に溶解させた溶液を滴下した後、同温度で10時間撹拌しながら反応させた。その後、不溶物をろ別し、ろ液を減圧濃縮した後、純水250.0部を加えた。これにトルエン216.7部を加え、目的とする化合物を抽出した後、有機層を純水、飽和食塩水で洗浄した。有機層の溶媒を減圧留去し、n−ヘプタンで再沈することで、化学式(H2)で表される化合物(以下、「化合物(H2)」と記載する。)15.2部を得た(254nmでのHPLC純度:95.6%、収率:58.6%)。
化合物(H2)5.00部をメタノール39.6部に溶解させた。この溶液に濃塩酸6.62部を加え、氷浴で冷却した。液温を5℃以下に保持しながら、亜硝酸ナトリウム1.59部を純水5.0部に溶解させた溶液を滴下し、同温度で1時間撹拌した。次いでアミド硫酸0.16部を添加し、過剰の亜硝酸を分解させて、ジアゾニウム塩を含む溶液を調製した。上記反応式(II)で得た化合物(D1)11.9部、炭酸ナトリウム11.3部を純水150.0部に溶解させ、氷浴で冷却した。液温を5℃以下、pHを9以上に保持しながら、先に調製したジアゾニウム塩を含む溶液をここに滴下し、2時間撹拌しながら反応を完結させた。その後、食塩45.0部を添加し、室温で3時間撹拌した後、析出した沈殿をろ別した。沈殿をN,N−ジメチルホルムアミド236.0部に溶解させ、不溶物をろ別した。ろ液を減圧濃縮し、2−プロパノールで再沈することで、化学式(1−9)で表される化合物(以下、「例示化合物9」と記載する。)6.19部を得た(254nmでのHPLC純度:96.3%、収率:39.1%)。
Figure 2022003118
得られた例示化合物9が上記構造を有することを、先の分析手法により確認した。分析結果を下記に示す。
(2)質量分析の結果
ESI(nega):m/z=1405.3([M−4Na+3H])、702.2([M−4Na+2H]2−)、467.9([M−4Na+1H]3−
(3)H NMR(500MHz、DMSO−d、室温)の結果(図2参照):δ[ppm]=15.43(s、2H)、12.45(s、2H)、7.96(s、2H)、7.94(brd、4H)、7.81(s、2H)、7.68(brd、2H)、7.63(d、4H)、7.44(d、2H)、7.27(m、6H)、7.17(d、2H)、7.02(d、2H)、6.56(d、2H)、2.25(s、6H)。
(その他の例示化合物)
例示化合物6及び9の合成方法に準じて、表2(表2−1及び表2−2)に示す各例示化合物を合成した。これらの化合物の構造は、例示化合物6及び9と同様にして確認した。表2には先に合成した例示化合物6及び9の構造も合わせて示す。表2中のR及びR欄に示す基における「*」は、それぞれ、一般式(1)中のR及びRの結合部位を表す。
Figure 2022003118
Figure 2022003118
<比較化合物>
(比較化合物1)
比較化合物1として、市販されているC.I.アシッドレッド249(下記化学式(P1)参照)を使用した。
Figure 2022003118
(比較化合物2)
特許文献1の実施例1の記載を参考にして、下記化学式(P2)で表される比較化合物2を得た。
Figure 2022003118
(比較化合物3)
特許文献2の実施例4の記載を参考にして、下記化学式(P3)で表される比較化合物3を得た。
Figure 2022003118
<インクの調製>
下記に示す各成分(単位:%)を混合し、十分に撹拌して溶解させた後、ポアサイズが0.2μmであるフィルターを用いて加圧ろ過を行い、各インクを調製した。アセチレノールE100は川研ファインケミカル製のノニオン性界面活性剤である。
・色材(表3に示す種類):5.0%
・エチレングリコール:9.0%
・ジエチレングリコール:9.0%
・アセチノールE100:1.0%
・イオン交換水:76.0%
<評価>
上記で得られた各インクをそれぞれインクカートリッジに充填し、熱エネルギーの作用により記録ヘッドからインクを吐出するインクジェット記録装置(商品名「PIXUS iP8600」、キヤノン製)に搭載した。本実施例においては、1/2,400インチ×1/1,200インチの単位領域に、1滴あたり2.5pLのインク滴を1滴付与して記録したベタ画像を「記録デューティが100%である」と定義する。このインクジェット記録装置を用いて、温度23℃、相対湿度55%の環境で、記録媒体に記録デューティを10%から100%まで10%刻みで変化させた10種類のベタ画像をそれぞれ記録して記録物を得た。上記記録媒体には、光沢紙(商品名「キヤノン写真用紙・光沢 プロ [プラチナグレード] PT−201」、キヤノン製)を使用した。得られた記録物を、温度23℃、相対湿度55%の環境で24時間乾燥させた。
画像の測色は、分光光度計(商品名「Spectorolino」、Gretag Macbeth製)を用い、光源:D50、視野:2°の条件で行った。L、a及びbは、CIE(国際照明委員会)により規定されたL表色系におけるL、a及びbである。本発明においては、以下の各項目の評価基準で、「AA」、「A」、及び「B」を許容できるレベル、「C」を許容できないレベルとした。以下の各項目の評価結果を表3に示す。
(色相)
上記で得られた記録物の記録デューティが80%である画像について、上記分光光度計を用いてa及びbを測定し、前述の式(A)に基づいて色相角(H°)を算出し、以下に示す評価基準にしたがって色相を評価した。
AA:H°が20°以上22°以下であった。
A:H°が18°以上20°未満であるか、22°を超えて24°以下であった。
B:H°が16°以上18°未満であるか、24°を超えて26°以下であった。
C:H°が16°未満であるか、26°を超えていた。
(耐光性)
上記で得られた記録物の記録デューティが100%である画像について、上記分光光度計を用いて光学濃度を測定した(「耐光性試験前の光学濃度」とする。)。この記録物を、キセノン試験装置(商品名「スーパーキセノン試験機SX−75」、スガ試験機製)中に入れ、槽内温度24℃、相対湿度60%、照射強度100klxの条件で、100時間、キセノン光を画像に照射した。次いで、先と同じ画像の光学濃度を測定した(「耐光性試験後の光学濃度」とする。)。そして、耐光性試験後の光学濃度の残存率(%)=(耐光性試験後の光学濃度/耐光性試験前の光学濃度)×100を算出し、以下に示す評価基準にしたがって耐光性を評価した。
A:光学濃度の残存率が80%以上であった。
B:光学濃度の残存率が70%以上80%未満であった。
C:光学濃度の残存率が70%未満であった。
(耐オゾン性)
上記で得られた記録物の記録デューティが80%である画像について、上記分光光度計を用いて光学濃度を測定した(「耐オゾン性試験前の光学濃度」とする)。この記録物を、オゾン試験装置(商品名「OMS−H」、スガ試験機製)中に入れ、オゾンガス濃度10ppm、相対湿度60%、槽内温度24℃の条件で、画像をオゾンガスに4時間曝露させた。次いで、先と同じ画像の光学濃度を測定した(「耐オゾン性試験後の光学濃度」とする。)。そして、耐オゾン性試験後の光学濃度の残存率(%)=(耐オゾン性試験後の光学濃度/耐オゾン性試験前の光学濃度)×100を算出し、以下に示す評価基準にしたがって耐オゾン性を評価した。
A:光学濃度の残存率が80%以上であった。
B:光学濃度の残存率が70%以上80%未満であった。
C:光学濃度の残存率が70%未満であった。
Figure 2022003118

Claims (9)

  1. 下記一般式(1)で表されることを特徴とする化合物。
    Figure 2022003118
    (前記一般式(1)中、Rはそれぞれ独立に、アシル基、アルキルスルホニル基、又はアリールスルホニル基を表す。R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又はSOMを表し、一方が水素原子である場合、他方はSOMである。Rはそれぞれ独立に、水素原子又はハロゲン原子を表す。Rは、アルキレン基、シクロアルキレン基、又はアリーレン基を表す。Mはそれぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す。)
  2. 前記一般式(1)中のRが、塩素原子である請求項1に記載の化合物。
  3. 前記一般式(1)中のRが、トシル基である請求項1又は2に記載の化合物。
  4. 前記一般式(1)中のRがSOMであり、Rが水素原子である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の化合物。
  5. 前記一般式(1)中のRが、フェニレン基又はビフェニレン基である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の化合物。
  6. 色材を含有するインクであって、
    前記色材が、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の化合物を含むことを特徴とするインク。
  7. インクジェット用である請求項6に記載のインク。
  8. インクと、前記インクを収容するインク収容部とを備えたインクカートリッジであって、
    前記インクが、請求項6又は7に記載のインクであることを特徴とするインクカートリッジ。
  9. インクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
    前記インクが、請求項6又は7に記載のインクであることを特徴とするインクジェット記録方法。

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